JPH0632820U - 車軸駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧式変速装置の逆転位置を検出するための
スイッチの逆転ポイントの位置調整を容易にできるよう
にする。 【構成】 油圧式変速装置を内装した車軸駆動装置のハ
ウジングに、該油圧式変速装置の逆転位置を検出するス
イッチ２６を、その検出タイミングを調整自在として装
着したものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は油圧式変速装置の逆転位置を検出するスイッチに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から油圧式変速装置は車両の車軸駆動装置として用いられている。この油 圧式変速装置を逆転位置にすると機体が後進するが、この逆転位置をスイッチに より検出して、警報ブザーを鳴らしたり、作業機の回転を停止させたりして、危 険な状態になることを回避していたのである。そして、この逆転位置を検出する スイッチは変速レバー或いはその周辺の変速レバーと油圧式変速装置の変速軸と をつなぐリンクに設けられていたのである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記従来の技術において、油圧式変速装置を組み立てた段階で加工精 度や組立精度等の関係でその中立位置に誤差が生じている場合があり、その一台 一台は正確な中立位置に調整する必要がある為に、逆転位置のポイントが一台一 台微妙に異なってしまう。そこで、油圧式変速装置を車両に組み込んだ後に、再 度、前述したスイッチの逆転位置の検出タイミングを調整する必要が生じ、組立 作業が大変面倒となっていたのである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案の解決すべき課題は以上の如くであり、次に該課題を解決する手段を説 明する。即ち、油圧式変速装置を内装した車軸駆動装置のハウジングに、該油圧 式変速装置の逆転位置を検出するスイッチを、その検出タイミングを調整自在と して装着したものである。

【０００５】

【作用】

このように構成することによって、油圧式変速装置を車軸駆動装置のハウジン グ内に組み立てた段階において、油圧式変速装置の中立位置を正確に調整し、そ して、ハウジングに装着してある前記スイッチの逆転位置の検出タイミングを調 整して、車両への搭載前に、車軸駆動装置の全ての調整工程が完了する。

【０００６】

【実施例】

次に実施例を説明する。図１は本考案の逆転位置検出機構を装備した車軸駆動 装置の平面断面図、図２は同じく正面断面図、図３は逆転位置検出部平面図、図 ４は中立位置調整部側面断面図である。

【０００７】 図１、図２において、車軸駆動装置は上下のケーシングを合わせたハウジング １内に、油圧式変速装置Ａとデフギア装置Ｄと車軸３Ｌ・３Ｒを内装支持してお り、該油圧式変速装置Ａはマニホールド４に装着した油圧ポンプＰと油圧モータ ーＭからなり、該油圧ポンプＰは中央に入力軸５を立設してエンジン等から動力 が伝達され、該入力軸５の回転により油圧ポンプＰが駆動され、その吐出量及び 吐出方向は入力軸５に外嵌した可動斜板７を傾倒することにより変更でき、該可 動斜板７は後述する変速軸９を回動することにより傾倒できるのである。

【０００８】 油圧モーターＭは油圧ポンプＰからの圧油により固定斜板１３に当接されたピ ストン１２・１２・・・が出退してモーター軸１１が回転され、該モーター軸１ １のハウジング外の軸端上にはブレーキドラム１５が固設され、モーター軸１１ の中央部には刻設歯車１１ａが設けられて、該歯車１１ａに中間軸１４上の歯車 １６と噛合し、該中間軸１４に刻設した歯車１４ａがデフ装置Ｄのリングギア１ ７と噛合され、該リングギア１４内に配設したベベルギアを介して車軸３Ｌ・３ Ｒを駆動する構成としているのである。

【０００９】 前記可動斜板７の一端には係合部７ａが設けられ、該係合部７ａに変速軸９に 固設した回動板２０より突出した突起２０ａが挿入され、ハウジング１外の変速 軸９上に固設した変速アーム２１を回動することにより可動斜板７が傾倒される ように構成しているのである。そして、図３、図４に示すように、前記変速軸９ 下部にはバネ２２が外嵌され、該バネ２２の端部は側方へ延出されて、その端部 は回動板２０より下方に突出したピン２０ｂとハウジング１に垂設した中立位置 調節ピン２３を挟持しており、該中立位置調節ピン２３はクランク形状をしてお り、該中立位置調節ピン２３上部をハウジング１に固定するナット２４を弛めて 、中立位置調節ピン２３を回動することにより、ピン２０ｂを介して回動板が２ ０が回動されて、可動斜板７も傾倒され、油圧ポンプＰの中立位置を調整するこ とができるようにしているのである。

【００１０】 また、回動板２０の先端部２０ｃは図２、図３に示すように、逆転位置検出機 構Ｃに利用されている。逆転位置検出機構Ｃは次のように構成さている。即ち、 ハウジング１の上面にソケット２５が螺装され、ナット２９を締め込むことによ り固定でき回動調整可能としているのである。該ソケット２５の下部がハウジン グ１内に挿入され、該ソケット２５は断面視逆Ｔ字状に開口部が設けられ、回動 軸芯方向の開口部２５ａの上部にスイッチ２６が固設され、下部に軸芯方向に摺 動自在な第一のボール３１が挿入され、該スイッチ２６の下部の押圧子２６ａが 第一のボール３１に当接可能としている。また、回動軸芯に対して直角方向に開 口された開口部２５ｂには第二のボール３２が摺動自在に挿入されてハウジング １内に臨むように配置され、かつ、前記回動板２０の先端部２０ｃの回動軌跡内 に位置させているのである。そして、第二のボール３２が回動板２０の先端部２ ０ａに当接してソケット２５の内方へ押し込まれる時は変速アーム２１が逆転位 置に回動した時であり、中立位置や前進位置では当接しない。なお、第二のボー ル３２がソケット２５外へ抜け出ることがないよう開口部２５ｂの終端開口径は 第二のボール３２の直径よりも小さく構成してある。

【００１１】 このような構成において、車軸駆動装置を組み立てた後には、変速アーム２１ の中立位置と可動斜板７の中立位置が正確に一致することは稀であるので、中立 位置の調整が必要であり、この調整はナット２４を弛めて中立位置調節ピン２３ を回動してバネ２２を移動してピン２０ｂを介して回動板２０を回動し、可動斜 板７の中立位置と一致させるのである。そして、この中立位置から逆転側へ変速 アーム２１を回動して、油圧モーターＭが逆転を始める位置でスイッチ２６がＯ Ｎするようにナット２９を弛めてソケット２６を回動調節し、ナット２９を締め 付けて固定するのである。よって、変速アーム２１を回動して油圧モーターＭを 逆転させると、図３の如く回動板２０の先端部２０ｃが第二のボール３２をソケ ット２６の内方へ押し込み、該第二のボール３２に当接している第一のボール３ １を上方へ持ち上げ、該第一のボール３１はスイッチ２６の押圧子２６ａを押し てスイッチ２６をＯＮさせるのである。このスイッチ２６により車両に搭載した コントローラより警報を発したり、作業機の回転を停止させたりして、車両の後 進時にトラブルが生じないようにしているのである。

【００１２】

【考案の効果】

本考案は以上の如く構成したので、次のような効果を奏するのである。即ち、 車軸駆動装置のハウジングに内装した油圧式変速装置において、その中立位置を 正確な位置に調整することで油圧式変速装置の逆転を始める位置がずれた場合で も、該スイッチが前記ハウジングに装着してあることから、事前にスイッチの逆 転位置の検出タイミングを調整してそのポイントに合致させることができ、車両 への搭載前に、車軸駆動装置の全ての調整工程を完了することができるのである 。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の逆転位置検出機構を装備した車軸駆動
装置の平面断面図である。

【図２】同じく正面断面図である。

【図３】逆転位置検出部平面図である。

【図４】中立位置調整部側面断面図である。

【符号の説明】

１ ハウジング ７ 可動斜板 ９ 変速軸 ２０ 回動板 ２１ 変速アーム ２５ ソケット ２６ スイッチ ２９ ナット ３１ 第一のボール ３２ 第二のボール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 油圧式変速装置を内装した車軸駆動装置
   のハウジングに、該油圧式変速装置の逆転位置を検出す
   るスイッチを、その検出タイミングを調整自在として装
   着したことを特徴とする車軸駆動装置。