JPH0632699A - 半絶縁性InP単結晶の製造方法 - Google Patents
半絶縁性InP単結晶の製造方法Info
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- JPH0632699A JPH0632699A JP20862892A JP20862892A JPH0632699A JP H0632699 A JPH0632699 A JP H0632699A JP 20862892 A JP20862892 A JP 20862892A JP 20862892 A JP20862892 A JP 20862892A JP H0632699 A JPH0632699 A JP H0632699A
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- inp single
- semi
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- insulating
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 故意に添加した不純物の濃度の総量が0.0
5ppmw以下でありかつその他の残留不純物の濃度の
総量が0.05ppmw以下である、あるいは無添加で
残留不純物の濃度の総量が0.05ppmw以下である
InP単結晶をリン圧印加熱処理による半絶縁性化する
工程において、InP単結晶を石英アンプル中に真空封
入する前に、InP単結晶を石英アンプルに挿入した状
態で真空ベ−キング処理をすることを特徴とする。上記
の真空ベ−キング処理の温度が250℃以上350℃以
下であることを特徴とする。 【効果】 抵抗率のバラツキが低減され、半絶縁性In
P単結晶基板の製造工程において、再現性・量産性が大
幅に改善される。
5ppmw以下でありかつその他の残留不純物の濃度の
総量が0.05ppmw以下である、あるいは無添加で
残留不純物の濃度の総量が0.05ppmw以下である
InP単結晶をリン圧印加熱処理による半絶縁性化する
工程において、InP単結晶を石英アンプル中に真空封
入する前に、InP単結晶を石英アンプルに挿入した状
態で真空ベ−キング処理をすることを特徴とする。上記
の真空ベ−キング処理の温度が250℃以上350℃以
下であることを特徴とする。 【効果】 抵抗率のバラツキが低減され、半絶縁性In
P単結晶基板の製造工程において、再現性・量産性が大
幅に改善される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半絶縁性InP単結晶
の製造方法に関し、特にイオン注入型FET、ヘテロ接
合型FET、光電子複合回路(OEIC)等の電子デバ
イスの作製に適する半絶縁性InP単結晶の製造方法に
関する。
の製造方法に関し、特にイオン注入型FET、ヘテロ接
合型FET、光電子複合回路(OEIC)等の電子デバ
イスの作製に適する半絶縁性InP単結晶の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】半絶縁性InP単結晶基板は、イオン注
入型FET、ヘテロ接合型FET、光電子複合回路(O
EIC)等の電子デバイスの作製に応用され、従来工業
的には、半導体の禁制帯の中央部にエネルギ−準位を作
る深いアクセプタ型不純物を添加する方法で作製されて
いる。上記の深いアクセプタ型不純物として、遷移金属
である鉄(Fe)、コバルト(Co)、あるいはクロム
(Cr)等が利用されている。上記の深いアクセプタ型
不純物を、半導体中に残留している浅い準位をつくるド
ナ−型不純物の濃度以上に添加し補償することにより半
絶縁性化される。
入型FET、ヘテロ接合型FET、光電子複合回路(O
EIC)等の電子デバイスの作製に応用され、従来工業
的には、半導体の禁制帯の中央部にエネルギ−準位を作
る深いアクセプタ型不純物を添加する方法で作製されて
いる。上記の深いアクセプタ型不純物として、遷移金属
である鉄(Fe)、コバルト(Co)、あるいはクロム
(Cr)等が利用されている。上記の深いアクセプタ型
不純物を、半導体中に残留している浅い準位をつくるド
ナ−型不純物の濃度以上に添加し補償することにより半
絶縁性化される。
【0003】InPには無添加の半絶縁性GaAs単結
晶に見られる内因性の深い準位が無いため、深いアクセ
プタ型不純物を補償のため添加するが、添加する量が多
いと、例えば、ヘテロ接合型FET、OEIC等を作製
する工程で、半絶縁性InP単結晶基板上にエピタキシ
ャル成長をする際、エピタキシャル膜に基板より上記の
Fe等の深いアクセプタ型不純物が外部拡散する。ヘテ
ロ接合型FET、OEIC等の動作領域に上記のFe等
の深いアクセプタ型不純物が拡散すると、電子のトラッ
プとして働くため、デバイスの高速動作の妨げになる。
また、イオン注入型FETの作製に応用した場合、浅い
準位をつくるドナ−型不純物のイオン注入量を、添加さ
れた深いアクセプタ型不純物の量以上にする必要があ
り、注入量が多くなり、イオン注入に際しできた結晶損
傷の熱処理による回復及び注入した不純物の電気的活性
化が充分に行なえずデバイスの特性の低下の要因とな
る。InP単結晶中に存在する深いアクセプタ型不純物
(例えば、Fe等の遷移金属)の濃度の総量を0.05
ppmw以下に抑えることにより、上述の深いアクセプ
タ型不純物の影響を除くことができる。
晶に見られる内因性の深い準位が無いため、深いアクセ
プタ型不純物を補償のため添加するが、添加する量が多
いと、例えば、ヘテロ接合型FET、OEIC等を作製
する工程で、半絶縁性InP単結晶基板上にエピタキシ
ャル成長をする際、エピタキシャル膜に基板より上記の
Fe等の深いアクセプタ型不純物が外部拡散する。ヘテ
ロ接合型FET、OEIC等の動作領域に上記のFe等
の深いアクセプタ型不純物が拡散すると、電子のトラッ
プとして働くため、デバイスの高速動作の妨げになる。
また、イオン注入型FETの作製に応用した場合、浅い
準位をつくるドナ−型不純物のイオン注入量を、添加さ
れた深いアクセプタ型不純物の量以上にする必要があ
り、注入量が多くなり、イオン注入に際しできた結晶損
傷の熱処理による回復及び注入した不純物の電気的活性
化が充分に行なえずデバイスの特性の低下の要因とな
る。InP単結晶中に存在する深いアクセプタ型不純物
(例えば、Fe等の遷移金属)の濃度の総量を0.05
ppmw以下に抑えることにより、上述の深いアクセプ
タ型不純物の影響を除くことができる。
【0004】本発明者は、上述の従来の製造方法の欠点
を改善する手法として、半絶縁性InPの深いアクセプ
タ型不純物添加量を低減する手法を、特開平3−279
299にて提示した。
を改善する手法として、半絶縁性InPの深いアクセプ
タ型不純物添加量を低減する手法を、特開平3−279
299にて提示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の特開平3−27
9299に提示した手法では、深いアクセプタ型不純物
を意図的に添加すること無く、含有する不純物濃度の合
計が0.05ppmw以下であるInP単結晶を6Kg
/cm2を超える所定のリン蒸気圧を印加し熱処理する
ことにより、抵抗率が106Ω・cm以上で、300K
での移動度が3000cm2/V・s以上である半絶縁
性InP単結晶を得ている。しかし、前記先願の発明の
手法の効果により、無添加のInP単結晶の高抵抗化は
図れるが、一部に抵抗率が所定の106Ω・cm以上に
達しない「不良品」がみられ、半絶縁性化の再現性は充
分ではなかった。
9299に提示した手法では、深いアクセプタ型不純物
を意図的に添加すること無く、含有する不純物濃度の合
計が0.05ppmw以下であるInP単結晶を6Kg
/cm2を超える所定のリン蒸気圧を印加し熱処理する
ことにより、抵抗率が106Ω・cm以上で、300K
での移動度が3000cm2/V・s以上である半絶縁
性InP単結晶を得ている。しかし、前記先願の発明の
手法の効果により、無添加のInP単結晶の高抵抗化は
図れるが、一部に抵抗率が所定の106Ω・cm以上に
達しない「不良品」がみられ、半絶縁性化の再現性は充
分ではなかった。
【0006】本発明は上記の課題を解決したもので、本
発明の目的は再現性のすぐれた半絶縁性InP単結晶の
製造方法を提供することにある。
発明の目的は再現性のすぐれた半絶縁性InP単結晶の
製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による半絶縁性I
nP単結晶の製造方法は、故意に添加した不純物の濃度
の総量が0.05ppmw以下でありかつその他の残留
不純物の濃度の総量が0.05ppmw以下である、あ
るいは不純物を故意に添加することなくかつ残留不純物
の濃度の総量が0.05ppmw以下であるInP単結
晶を石英アンプル中に真空封入し、6Kg/cm2を超
える所定のリン蒸気圧を印加し熱処理し半絶縁性化する
工程において、前記InP単結晶を前記石英アンプル中
にリン蒸気圧印加用の赤リンと共に真空封入する前に、
前記InP単結晶を前記石英アンプルに挿入した状態で
所定の温度で真空ベ−キング処理をすることを特徴とし
ている。
nP単結晶の製造方法は、故意に添加した不純物の濃度
の総量が0.05ppmw以下でありかつその他の残留
不純物の濃度の総量が0.05ppmw以下である、あ
るいは不純物を故意に添加することなくかつ残留不純物
の濃度の総量が0.05ppmw以下であるInP単結
晶を石英アンプル中に真空封入し、6Kg/cm2を超
える所定のリン蒸気圧を印加し熱処理し半絶縁性化する
工程において、前記InP単結晶を前記石英アンプル中
にリン蒸気圧印加用の赤リンと共に真空封入する前に、
前記InP単結晶を前記石英アンプルに挿入した状態で
所定の温度で真空ベ−キング処理をすることを特徴とし
ている。
【0008】本発明による半絶縁性InP単結晶の製造
方法においては、前記InP単結晶および前記石英アン
プルの真空ベ−キング処理の温度が250℃以上350
℃以下であることを特徴としている。
方法においては、前記InP単結晶および前記石英アン
プルの真空ベ−キング処理の温度が250℃以上350
℃以下であることを特徴としている。
【0009】
【作用】本発明者は、前記先願の発明の手法の効果によ
り高抵抗化は図れたが、一部に抵抗率が所定の106Ω
・cm以上に達しない「不良品」を詳細に調べ、部分的
に厚さ方向の平均抵抗率が他の部分より低いことを見出
した。基板内で抵抗率のバラツキのある場所では、抵抗
率が表面近くと内部で違いがあることを見出した。表面
の抵抗率の比較的低い領域では、他の部分と比較し浅い
準位をつくるドナ−型不純物の濃度が高く、表面から拡
散により内部に侵入したと判断された。
り高抵抗化は図れたが、一部に抵抗率が所定の106Ω
・cm以上に達しない「不良品」を詳細に調べ、部分的
に厚さ方向の平均抵抗率が他の部分より低いことを見出
した。基板内で抵抗率のバラツキのある場所では、抵抗
率が表面近くと内部で違いがあることを見出した。表面
の抵抗率の比較的低い領域では、他の部分と比較し浅い
準位をつくるドナ−型不純物の濃度が高く、表面から拡
散により内部に侵入したと判断された。
【0010】従来、先願発明の手法で行なわれる熱処理
の前に、InP単結晶の表面に付着している不純物の除
去のため、化学的エッチングにより浄化は実施している
が、エッチング後再付着した不純物による表面の汚染
が、上記の「不良品」の発生の原因であると予想され
た。不純物の再付着を完全に防止することは困難で、半
絶縁性InP単結晶の製造の工程の再現性の低下の原因
となっていた。
の前に、InP単結晶の表面に付着している不純物の除
去のため、化学的エッチングにより浄化は実施している
が、エッチング後再付着した不純物による表面の汚染
が、上記の「不良品」の発生の原因であると予想され
た。不純物の再付着を完全に防止することは困難で、半
絶縁性InP単結晶の製造の工程の再現性の低下の原因
となっていた。
【0011】本発明の提供する手段により、予め化学的
エッチングにより浄化した単結晶を熱処理用の石英アン
プルに挿入後、真空ベ−キングの処理を施すことによ
り、エッチング後再付着した不純物を気化し除去するこ
と、あるいは石英アンプル表面の揮発性の不純物の除去
ができる。その結果、浅い準位をつくるドナ−型不純物
の外部から拡散による侵入を抑制・防止でき、抵抗率が
所定の106Ω・cm以上に達しない「不良品」の発生
を防止できる。
エッチングにより浄化した単結晶を熱処理用の石英アン
プルに挿入後、真空ベ−キングの処理を施すことによ
り、エッチング後再付着した不純物を気化し除去するこ
と、あるいは石英アンプル表面の揮発性の不純物の除去
ができる。その結果、浅い準位をつくるドナ−型不純物
の外部から拡散による侵入を抑制・防止でき、抵抗率が
所定の106Ω・cm以上に達しない「不良品」の発生
を防止できる。
【0012】同時に、真空ベ−キングの温度をリン圧を
印加しない場合にInPの解離による表面からのリンの
解離が生じない350℃以下であり、InP単結晶の表
面あるいは石英アンプル表面に化学吸着している不純物
の迅速な除去が可能な250℃以上の温度を選択するこ
とにより、真空ベ−キング処理後尚かつ残留する不純物
を極力減ずることができる。物理吸着している不純物、
例えば水(H2O)は100℃以上の温度で揮発除去さ
れるが、表面に化学吸着している水は少なくとも250
℃以上の温度でないと充分に揮発せず、以後の半絶縁性
化の熱処理工程において酸化膜の形成によるリン蒸気圧
を印加されない領域での高抵抗化の不足等のバラツキの
発生の要因になる。真空ベ−キング温度を250℃以上
の温度にすることで、InP単結晶の表面のみでなく石
英アンプル表面に化学吸着している水をも短い時間で完
全に除去でき、液相エピタキシャル成長で指摘されてい
る石英(SiO2)と水(H2O)との反応により生成す
る揮発性のSiOによる汚染をも抑制・防止できる。
印加しない場合にInPの解離による表面からのリンの
解離が生じない350℃以下であり、InP単結晶の表
面あるいは石英アンプル表面に化学吸着している不純物
の迅速な除去が可能な250℃以上の温度を選択するこ
とにより、真空ベ−キング処理後尚かつ残留する不純物
を極力減ずることができる。物理吸着している不純物、
例えば水(H2O)は100℃以上の温度で揮発除去さ
れるが、表面に化学吸着している水は少なくとも250
℃以上の温度でないと充分に揮発せず、以後の半絶縁性
化の熱処理工程において酸化膜の形成によるリン蒸気圧
を印加されない領域での高抵抗化の不足等のバラツキの
発生の要因になる。真空ベ−キング温度を250℃以上
の温度にすることで、InP単結晶の表面のみでなく石
英アンプル表面に化学吸着している水をも短い時間で完
全に除去でき、液相エピタキシャル成長で指摘されてい
る石英(SiO2)と水(H2O)との反応により生成す
る揮発性のSiOによる汚染をも抑制・防止できる。
【0013】
【実施例】本発明による半絶縁性InP単結晶の製造方
法を以下に工程を追って説明する。残留キャリア濃度3
×1015/cm3であって、Fe、Co、及びCr不純
物の濃度の総量が0.05ppmw以下である無添加I
nP単結晶を厚さ0.5mmに切断したウエハ状の試料
を、予め燐酸系のエッチャントにより切断時に表面に付
着している不純物を化学的エッチング除去した。熱処理
用石英アンプルは、フッ化水素酸(HF)水溶液にて表
面を洗浄し乾燥した。リン蒸気圧印加用の赤リン所定量
と共に、エッチング済の無添加InP単結晶を熱処理用
石英アンプル内に収納し、アンプル内の真空度1×10
-6Torr以上に排気しつつ、前記石英アンプル及びI
nP単結晶を250〜350℃にて1時間真空ベ−キン
グ処理の後、アンプルの開口部を酸・水素バ−ナ−にて
気密封入した。
法を以下に工程を追って説明する。残留キャリア濃度3
×1015/cm3であって、Fe、Co、及びCr不純
物の濃度の総量が0.05ppmw以下である無添加I
nP単結晶を厚さ0.5mmに切断したウエハ状の試料
を、予め燐酸系のエッチャントにより切断時に表面に付
着している不純物を化学的エッチング除去した。熱処理
用石英アンプルは、フッ化水素酸(HF)水溶液にて表
面を洗浄し乾燥した。リン蒸気圧印加用の赤リン所定量
と共に、エッチング済の無添加InP単結晶を熱処理用
石英アンプル内に収納し、アンプル内の真空度1×10
-6Torr以上に排気しつつ、前記石英アンプル及びI
nP単結晶を250〜350℃にて1時間真空ベ−キン
グ処理の後、アンプルの開口部を酸・水素バ−ナ−にて
気密封入した。
【0014】以下、熱処理の工程は、熱処理時に印加す
るリン蒸気圧を、先願の発明 特開平3−279299
に提示した6Kg/cm2以上の範囲である15Kg
/cm2とし、熱処理温度を900℃、20時間加熱し
た後、冷却した。熱処理に用いた加熱炉は横型・密閉型
であり、熱処理の際、石英アンプル内のリン蒸気圧に均
衡する圧で不活性ガスアルゴン(Ar)で炉内を加圧し
て、アンプルの破壊を防止した。
るリン蒸気圧を、先願の発明 特開平3−279299
に提示した6Kg/cm2以上の範囲である15Kg
/cm2とし、熱処理温度を900℃、20時間加熱し
た後、冷却した。熱処理に用いた加熱炉は横型・密閉型
であり、熱処理の際、石英アンプル内のリン蒸気圧に均
衡する圧で不活性ガスアルゴン(Ar)で炉内を加圧し
て、アンプルの破壊を防止した。
【0015】比較例とし、実施例と同一のInP単結晶
から切断したウエハ状の試料を用い、上述の真空ベ−キ
ング処理の工程のみを省略し(従来法)、以下実施例と
同じ熱処理の工程を行なった。熱処理工程終了後、石英
アンプルから取り出したウエハ状のInP単結晶は、最
表面50μmをラッピング除去し、Van derPa
uw法にて抵抗率を測定し、同時にHall測定により
移動度(300K)の評価を行なった。本発明による手
法の効果を確認するため、本発明による手法と従来法に
よりそれぞれ石英アンプルに真空封入したInP単結晶
を同時に熱処理工程を実施した結果のうち代表的な3回
の結果を、表1に対比して示す。本発明による実施例に
おいては抵抗率は、所定の106Ω・cm以上に達して
おり、かつ毎回のバラツキも小さい。一方、比較例(従
来法)では、抵抗率が所定の106Ω・cm以上に達し
ない「不良品」の発生が見られ、またバラツキも大き
い。
から切断したウエハ状の試料を用い、上述の真空ベ−キ
ング処理の工程のみを省略し(従来法)、以下実施例と
同じ熱処理の工程を行なった。熱処理工程終了後、石英
アンプルから取り出したウエハ状のInP単結晶は、最
表面50μmをラッピング除去し、Van derPa
uw法にて抵抗率を測定し、同時にHall測定により
移動度(300K)の評価を行なった。本発明による手
法の効果を確認するため、本発明による手法と従来法に
よりそれぞれ石英アンプルに真空封入したInP単結晶
を同時に熱処理工程を実施した結果のうち代表的な3回
の結果を、表1に対比して示す。本発明による実施例に
おいては抵抗率は、所定の106Ω・cm以上に達して
おり、かつ毎回のバラツキも小さい。一方、比較例(従
来法)では、抵抗率が所定の106Ω・cm以上に達し
ない「不良品」の発生が見られ、またバラツキも大き
い。
【表1】
【0016】表1に記した2、3回目の実施例と比較例
では抵抗率が異なるが、移動度は差違が無く、抵抗率の
低下は残留キャリア濃度の違いによっている。上記の作
用に記したように、真空ベ−キング処理の工程におい
て、InP単結晶の表面あるいは石英アンプル表面に化
学吸着している不純物の迅速な除去がなされた結果と判
断される。
では抵抗率が異なるが、移動度は差違が無く、抵抗率の
低下は残留キャリア濃度の違いによっている。上記の作
用に記したように、真空ベ−キング処理の工程におい
て、InP単結晶の表面あるいは石英アンプル表面に化
学吸着している不純物の迅速な除去がなされた結果と判
断される。
【0017】上記の無添加InP単結晶を用いた例の他
に、Feの含有濃度が0.05ppmw以下となるよう
に極く低濃度添加したInP単結晶に関しても、同様の
工程による熱処理を施すことにより、再現性良く半絶縁
性InP単結晶を製造できることを確認した。また、含
有するFe等の深いアクセプタ型不純物の濃度が低いの
で、得られた半絶縁性InP単結晶基板上にエピタキシ
ャル成長したInP膜中には、拡散によるFe等の深い
アクセプタ型不純物の混入は分析法の検出限界以下であ
った。
に、Feの含有濃度が0.05ppmw以下となるよう
に極く低濃度添加したInP単結晶に関しても、同様の
工程による熱処理を施すことにより、再現性良く半絶縁
性InP単結晶を製造できることを確認した。また、含
有するFe等の深いアクセプタ型不純物の濃度が低いの
で、得られた半絶縁性InP単結晶基板上にエピタキシ
ャル成長したInP膜中には、拡散によるFe等の深い
アクセプタ型不純物の混入は分析法の検出限界以下であ
った。
【0018】
【発明の効果】以上説明したように、本発明による半絶
縁性InP単結晶の製造方法により、結晶中に含有され
る外因性の深いアクセプタ型不純物(例えば、Fe等の
遷移金属)の濃度の総量が0.05ppmw以下であ
り、かつ抵抗率が106Ω・cm以上で、300Kでの
移動度が3000cm2/V・s以上である半絶縁性I
nP単結晶の製造工程において、所定の抵抗率に達しな
い不良品の発生を抑制できるので、再現性・量産性が大
幅に改善される。また、抵抗率のバラツキが低減される
ため、本発明による製造方法で作製した半絶縁性InP
単結晶基板を応用し作製する電子デバイスも特性のバラ
ツキが低減でき、大幅に歩留まりを改善することが可能
となる。
縁性InP単結晶の製造方法により、結晶中に含有され
る外因性の深いアクセプタ型不純物(例えば、Fe等の
遷移金属)の濃度の総量が0.05ppmw以下であ
り、かつ抵抗率が106Ω・cm以上で、300Kでの
移動度が3000cm2/V・s以上である半絶縁性I
nP単結晶の製造工程において、所定の抵抗率に達しな
い不良品の発生を抑制できるので、再現性・量産性が大
幅に改善される。また、抵抗率のバラツキが低減される
ため、本発明による製造方法で作製した半絶縁性InP
単結晶基板を応用し作製する電子デバイスも特性のバラ
ツキが低減でき、大幅に歩留まりを改善することが可能
となる。
Claims (2)
- 【請求項1】故意に添加した不純物の濃度の総量が0.
05ppmw以下でありかつその他の残留不純物の濃度
の総量が0.05ppmw以下である、あるいは不純物
を故意に添加することなくかつ残留不純物の濃度の総量
が0.05ppmw以下であるInP単結晶を石英アン
プル中に真空封入し、6Kg/cm2を超える所定のリ
ン蒸気圧を印加し熱処理し半絶縁性化する工程におい
て、前記InP単結晶を前記石英アンプル中にリン蒸気
圧印加用の赤リンと共に真空封入する前に、前記InP
単結晶を前記石英アンプルに挿入した状態で所定の温度
で真空ベ−キング処理をすることを特徴とする半絶縁性
InP単結晶の製造方法。 - 【請求項2】前記の真空ベ−キング処理の温度が250
℃以上350℃以下であることを特徴とする前記請求項
(1)に記載の半絶縁性InP単結晶の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20862892A JPH0632699A (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 半絶縁性InP単結晶の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20862892A JPH0632699A (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 半絶縁性InP単結晶の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0632699A true JPH0632699A (ja) | 1994-02-08 |
Family
ID=16559379
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20862892A Pending JPH0632699A (ja) | 1992-07-14 | 1992-07-14 | 半絶縁性InP単結晶の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0632699A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100387761C (zh) * | 2005-09-22 | 2008-05-14 | 中国科学院半导体研究所 | InP单晶锭退火处理方法 |
JP2008201672A (ja) * | 2003-03-13 | 2008-09-04 | Sumitomo Electric Ind Ltd | InP基板及びその製造方法 |
WO2008123242A1 (ja) * | 2007-03-27 | 2008-10-16 | Nippon Mining & Metals Co., Ltd. | エピタキシャル成長用基板及びエピタキシャル成長方法 |
CN109576776A (zh) * | 2018-12-29 | 2019-04-05 | 珠海鼎泰芯源晶体有限公司 | 一种晶体生长方法 |
-
1992
- 1992-07-14 JP JP20862892A patent/JPH0632699A/ja active Pending
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