JP2819244B2 - 半絶縁性InP単結晶の製造方法 - Google Patents

半絶縁性InP単結晶の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、OEIC、HEMT、
イオン注入型FETなどの電子デバイスに用いる半絶縁
性化合物半導体の製造方法に関し、特に熱処理により半
絶縁性化を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】III −V 族化合物半導体を抵抗率が10
6 Ω・cm以上に高抵抗化(即ち、半絶縁性化)するにあ
たり、浅いドナーとなるSiやSを含む結晶では、深い
アクセプタとなるFe、CoまたはCr等を添加する方
法が工業的に用いられている。この半絶縁性化は、浅い
ドナーを深いアクセプタで補償するという機構によるも
のである。従って、深いアクセプタとなる元素を、結晶
中に含有されている浅いドナーの濃度よりも多くなるよ
うに添加しなければ、半絶縁性化することはできないと
されている。
【0003】ところが、Fe、CoまたはCr等をドー
プして半絶縁性化する場合、これらの含有濃度はできる
だけ少ないことが望ましい。なぜならば、Fe、Co、
Cr等は、深いアクセプタとして作用するため、イオン
注入型の電子デバイス(FETなど)においてはイオン
注入した浅いドナー型不純物の活性化率を低下させた
り、また高周波で動作させるデバイス(OEICやHE
MTなど)においてはエピタキシャル成長膜中にこれら
の元素が拡散し、トラップとして作用して高周波かつ高
速化を妨げてしまうからである。さらに、これらFe等
の元素は偏析し易く、結晶の上下でFe等の濃度が異な
り上記の活性化率が不均一となり、歩留りが低くなって
しまう。
【0004】従来、例えば半絶縁性のInPとしてはF
eドープInPが主として用いられている。しかし、F
e等の含有濃度が0.2ppmw未満であると、抵抗率が1
6Ω・cmより低くなってしまい、半絶縁性が低下して
しまう。これを半絶縁性結晶とするためには、Fe等の
含有濃度を一定濃度(0.2ppmw)以上にしなければな
らなかった。一般に、III −V 族化合物半導体でFe、
Cr等の含有濃度が低くなると抵抗率が下がってしまう
のは、浅いドナーとなる不純物元素がその水準まで残留
不純物として結晶中に存在するためと考えられていた。
ところが、本発明者は、InP単結晶の半絶縁性化の機
構は、浅いドナーと深いアクセプタによる補償のみでな
く、さらに電気的に活性な点欠陥も関与していると考
え、鋭意研究の結果、結晶を熱処理して点欠陥の濃度を
制御することにより、深いアクセプタの不純物元素濃度
が従来に比して格段に低くても半絶縁性のIII −V 族化
合物半導体を得ることができることを見い出した。
【0005】これにより本発明者は先に、Fe、Coま
たはCrの何れか1種以上の含有濃度の合計が0.2pp
mw以下でありかつ抵抗率が107 Ω・cm以上である化合
物半導体の製造技術を提案した(特公平5−29639
号)。これは、同時に複数のウェハを処理するために、
治具を用い各ウェハを略等しい間隔を開けて整列させ、
石英アンプル内に配置する方法を応用して、Fe、Co
またはCrを0.2ppmw以下含有する例えば融液成長法
で作製した単結晶より切り出したInPウェハ(化合物
半導体)を石英アンプル内に真空封入するとともに、石
英アンプル内に例えば赤リンを配置してアンプル内のリ
ン分圧をInPの解離圧以上となる圧力とし、石英アン
プルを400〜640℃で加熱するというものである。
この先願発明にあっては、その後の我々の研究により、
アンドープまたはFe、CoまたはCrの何れか1種以
上の不純物元素の含有濃度が0.05ppmw以下のInP
単結晶を熱処理しても、半絶縁性化しないことが分かっ
た。
【0006】そこで、本発明者はさらに研究を重ね、そ
の改良案として先に、石英アンプル内に赤リンととも
に、故意に不純物を添加することなく、かつ残留不純物
として存在するFe、CoまたはCrの何れか1種以上
の含有濃度の合計が0.05ppmw以下であるInPウェ
ハを、6kg/cm2 を超えるリン分圧を有する雰囲気で熱
処理する方法により、それら不純物元素の含有濃度の合
計が0.05ppmw以下であり、かつ300Kでの抵抗率
が106 Ω・cm以上で、移動度が3000cm2 /V・sを
超える半絶縁性のIII −V 族化合物半導体(InP)を
製造する技術を提案した(特開平3−279299号、
「半絶縁性InP単結晶及びその製造方法」)。これよ
り得られる半絶縁性のIII −V 族化合物半導体(In
P)は、結晶中に含有する不純物、特にFe、Coまた
はCrの何れか1種以上の含有濃度の合計を0.05pp
mw以下とすることで、含有不純物による移動度の低下を
抑え、移動度を所望の値以上としたものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、その後の我々
の研究により特開平3−279299号において提案し
た発明にあっては、高抵抗率でかつ高移動度のInP単
結晶を得ることができるが、複数枚のウェハを同時に熱
処理すると、高抵抗化かつ高移動度化しないウェハが発
生することがあり、高抵抗率でかつ高移動度のInP単
結晶を必ずしも安定して得られるとは限らなかった。
【0008】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、その目的とするところは、高抵抗率でかつ高移動度
のInP単結晶を安定して得ることのできる半絶縁性I
nP単結晶の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、鋭意研究を重ねた結果、アンドープのInP単結晶
を6kg/cm2 を超える高リン蒸気圧雰囲気で熱処理した
後に、400〜640℃でもって熱処理すると、高抵抗
率でかつ高移動度のInP単結晶を安定して得ることが
できることを見い出した。
【0010】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
で、故意に不純物を添加することなく、かつ残留不純物
として存在するFe、CoまたはCrのいずれか1種以
上の含有濃度の合計が0.05ppmw以下であるInP単
結晶を、6kg/cm2 を超えるリン蒸気圧雰囲気で熱処理
する第1の熱処理工程の後、該InP単結晶の解離圧以
上のリン蒸気圧雰囲気で400〜640℃の範囲の温度
でもって熱処理する第2の熱処理工程を行なうことを特
徴とする。
【0011】この発明において、前記第1の熱処理の温
度は900〜1020℃の範囲の温度であることをも特
徴とする。
【0012】
【作用】上記した手段によれば、InP単結晶を、6kg
/cm2 を超えるリン蒸気圧雰囲気で熱処理した後、該I
nP単結晶の解離圧以上のリン蒸気圧雰囲気で400〜
640℃の範囲の温度でもって熱処理するようにしたた
め、高抵抗率でかつ高移動度のInP単結晶を安定して
得ることができる。なお、高抵抗率でかつ高移動度のI
nP単結晶が得られる原因については不明であるが、本
発明者は、単結晶中の不純物以外の点欠陥が関与してい
ることが原因であると推測している。
【0013】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
の特徴とするところを明らかとするが、本発明は以下の
実施例によって何ら制限されるものではない。
【0014】(実施例)InPの原料多結晶から液体封
止チョクラルスキー(LEC)法で引き上げたFe、C
o、Crの含有濃度がいずれも分析検出下限(0.00
2ppmw)以下である単結晶より切り出した厚さ0.5mm
のInPウェハ(薄板)1,1,…を、図1に示すよう
に、石英アンプル2内にスペーサとなる石英製治具4を
用いて間隔を開けて複数並べた。続いて、純度が6Nの
赤リン3を石英アンプル2内に配置し、石英アンプル2
内を1×10-6Torrまで真空排気した後、酸水素バーナ
ーにより石英アンプル2の開口部を封止した。この際、
赤リン3の量は、特開平3−279299号に提案され
た発明に従い、リン(P4 )分圧が6Kg/cm2 (約6at
m )以上となるように、例えば石英アンプル2内のリン
分圧が熱処理温度で25atm となるように調整した。
【0015】次に、この石英アンプル2を横型加熱炉6
内に設置し、ヒータ5により熱処理温度985℃で40
時間加熱保持した(第1の熱処理工程)。この熱処理工
程における熱処理温度は、900〜1020℃の範囲の
温度であるのが適当である。その理由は、熱処理温度が
上記下限に満たないと十分な半絶縁性化の効果が得られ
ず、一方、上記上限を超えるとInP単結晶が分解して
しまうからである。
【0016】続いて、約30℃/分の降温速度で620
℃まで冷却し、その温度でもって5時間保持した(第2
の熱処理工程)。この熱処理工程においては、石英アン
プル2内のリン分圧はその熱処理温度でInPの解離圧
以上、具体的には17.7atm であった。また、熱処理
温度は、400〜640℃の範囲の温度であるのが適当
である。その理由は、熱処理温度が上記下限に満たない
と十分な半絶縁性化の効果が得られず、一方、上記上限
を超えると移動度が低くなるからである。
【0017】しかる後、約20℃/分の降温速度で冷却
し、石英アンプル2からInPウェハ1,1,…を取り
出した。
【0018】なお、上記横型加熱炉6は密閉型で100
kg/cm2 の圧力まで加圧できるものを使用し、昇降温時
に、その温度に対応するリン分圧に見合う圧力のアルゴ
ンガスを加熱炉内に導入して、石英アンプル2の内外の
圧力のバランスを保ち、石英アンプル2の破壊を防止し
た。
【0019】(比較例)比較のために、上記第1の熱処
理工程のみを上記実施例と同一条件で行ない、上記第2
の熱処理工程を行なわなかった。その他の条件は、上記
実施例1と同じであった。
【0020】上記実施例及び比較例で得られたウェハに
ついて、ウェハの抵抗率と移動度をホール測定により調
べた。その結果、抵抗率が106 Ω・cm以上でかつ移動
度が3000cm2 /V・sを超えるウェハの歩留まりは、
上記実施例の場合には95%、上記比較例の場合には7
0%であった。従って、本発明の製造方法によれば半絶
縁性のInP単結晶を安定して歩留まりよく製造できる
ことがわかった。
【0021】なお、上記実施例では、第1の熱処理工程
から第2の熱処理工程に移行する際に、第1の熱処理工
程の処理温度(985℃)から第2の熱処理工程の処理
温度(620℃)まで冷却してそのままその温度に保持
したが、一旦第2の熱処理工程の処理温度よりも低温、
例えば室温まで冷却してから再び加熱して第2の熱処理
工程の処理温度に保持するようにしてもよい。
【0022】また、上記実施例では、第1の熱処理工程
から第2の熱処理工程に移行する際に、同一の石英アン
プル内にウェハを封入したまま直接移行したが、第1の
熱処理後、一旦石英アンプルからウェハを取り出し、そ
の取り出したウェハを別の石英アンプル内に上記実施例
と同様にして真空封入し、それを横型加熱炉内に設置し
て第2の熱処理工程を開始するようにしてもよい。その
際には、新たな石英アンプル内にウェハとともに、その
石英アンプル内のリン分圧が第2の熱処理工程の熱処理
温度でInPの解離圧以上、例えば1atm となるように
量を調整した赤リン(例えば、純度6N)を封入する。
【0023】
【発明の効果】本発明に係る半絶縁性InP単結晶の製
造方法によれば、故意に不純物を添加することなく、か
つ残留不純物として存在するFe、CoまたはCrのい
ずれか1種以上の含有濃度の合計が0.05ppmw以下で
あるInP単結晶を、6kg/cm2 を超えるリン蒸気圧雰
囲気で熱処理する第1の熱処理工程の後、該InP単結
晶の解離圧以上のリン蒸気圧雰囲気で400〜640℃
の範囲の温度でもって熱処理する第2の熱処理工程を行
なうようにしたため、例えば106 Ω・cm以上の高抵抗
率でかつ3000cm2 /V・sを超える高移動度のInP
単結晶を安定して歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】半絶縁性InP単結晶の製造に使用される加熱
炉内にウェハを設置した状態の概略図である。
【符号の説明】
1 ウェハ(InP単結晶) 2 石英アンプル 3 赤リン 4 石英製治具 5 ヒータ 6 横型加熱炉

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 故意に不純物を添加することなく、かつ
    残留不純物として存在するFe、CoまたはCrのいず
    れか1種以上の含有濃度の合計が0.05ppmw以下であ
    るInP単結晶を、6kg/cm2 を超えるリン蒸気圧雰囲
    気で熱処理する第1の熱処理工程の後、該InP単結晶
    の解離圧以上のリン蒸気圧雰囲気で400〜640℃の
    範囲の温度でもって熱処理する第2の熱処理工程を行な
    うことを特徴とする半絶縁性InP単結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第1の熱処理の温度は900〜10
    20℃の範囲の温度であることを特徴とする請求項1記
    載の半絶縁性InP単結晶の製造方法。
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CN115424921B (zh) * 2022-11-07 2023-03-24 苏州长光华芯光电技术股份有限公司 一种生长半绝缘掺铁InP外延层的方法

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