JPH06326083A - 薄い絶縁膜の形成方法 - Google Patents
薄い絶縁膜の形成方法Info
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- JPH06326083A JPH06326083A JP5114398A JP11439893A JPH06326083A JP H06326083 A JPH06326083 A JP H06326083A JP 5114398 A JP5114398 A JP 5114398A JP 11439893 A JP11439893 A JP 11439893A JP H06326083 A JPH06326083 A JP H06326083A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 絶縁膜の膜厚を薄くした場合でも絶縁膜の膜
厚制御が可能であり、しかも下地中の不純物が絶縁膜中
に侵入するのを抑制できる信頼性の高い優れた絶縁膜の
成形方法を提供する。 【構成】 この発明の薄い絶縁膜の形成方法によれば、
まず、炉内を高真空に排気した後(Vac1の期間)、窒
素含有ガスと窒素非含有酸化性ガスを炉内に混入する。
その後、窒素含有ガスを第1分圧比に設定して(OX 1
の期間)、第1段階の絶縁膜部分を下地上に成膜し、続
いて、所定の期間(Vac2の期間)、炉内を真空排気す
る。更に、窒素含有ガスを第1段階分圧比より高い第2
段階分圧比に設定(Ox 2の期間)して、第2段階の絶
縁膜部分を第1段階で形成された絶縁膜部分上に成膜す
る。第3段階以降は、分圧比を前段階の分圧比より高く
設定し、かつ、各成膜間に炉内を真空排気する所定の期
間(Vac3の期間)を設けて第3段階以降の絶縁膜を順
次成膜する。
厚制御が可能であり、しかも下地中の不純物が絶縁膜中
に侵入するのを抑制できる信頼性の高い優れた絶縁膜の
成形方法を提供する。 【構成】 この発明の薄い絶縁膜の形成方法によれば、
まず、炉内を高真空に排気した後(Vac1の期間)、窒
素含有ガスと窒素非含有酸化性ガスを炉内に混入する。
その後、窒素含有ガスを第1分圧比に設定して(OX 1
の期間)、第1段階の絶縁膜部分を下地上に成膜し、続
いて、所定の期間(Vac2の期間)、炉内を真空排気す
る。更に、窒素含有ガスを第1段階分圧比より高い第2
段階分圧比に設定(Ox 2の期間)して、第2段階の絶
縁膜部分を第1段階で形成された絶縁膜部分上に成膜す
る。第3段階以降は、分圧比を前段階の分圧比より高く
設定し、かつ、各成膜間に炉内を真空排気する所定の期
間(Vac3の期間)を設けて第3段階以降の絶縁膜を順
次成膜する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、シリコンの下地に絶
縁膜を形成する方法、特に、薄膜で、かつ絶縁特性の優
れた絶縁膜を形成する方法に関するものである。
縁膜を形成する方法、特に、薄膜で、かつ絶縁特性の優
れた絶縁膜を形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、MOSデバイスの発展は、電気的
に安定でかつ、薄いSiO2 膜の形成技術に支えられて
いる。MOS LSIは、50nm以下の薄いSiO2
膜が使用されるようになってきた。このため、短チャネ
ルのMOS FETの信頼度に関係してSiO2 膜の重
要性がますます認識されつつある。
に安定でかつ、薄いSiO2 膜の形成技術に支えられて
いる。MOS LSIは、50nm以下の薄いSiO2
膜が使用されるようになってきた。このため、短チャネ
ルのMOS FETの信頼度に関係してSiO2 膜の重
要性がますます認識されつつある。
【0003】また、従来、絶縁膜はMOS構造での、ゲ
ート絶縁膜、素子分離に必要なフィード絶縁膜、配線交
差部分の層間絶縁膜およびイオン打ち込みなどでのマス
クとして応用されてきた。しかし、MOS構造の微細化
による素子スケーリング則によってゲート酸化膜はます
ます薄膜化が要求されている(文献:「MOS LSI
製造技術」、徳山他、日経マグドウヒル社、1985
年、P.65参照)。
ート絶縁膜、素子分離に必要なフィード絶縁膜、配線交
差部分の層間絶縁膜およびイオン打ち込みなどでのマス
クとして応用されてきた。しかし、MOS構造の微細化
による素子スケーリング則によってゲート酸化膜はます
ます薄膜化が要求されている(文献:「MOS LSI
製造技術」、徳山他、日経マグドウヒル社、1985
年、P.65参照)。
【0004】従来の酸化膜の形成方法については、文献
I(文献I:「超高速ディジタルデバイスシリーズ2
超高速MOSディバイス」、香山著、培風館、昭和61
年発行)に開示されている。ここでは、この文献IIに
開示されている酸化膜の形成方法につき簡単に説明す
る。
I(文献I:「超高速ディジタルデバイスシリーズ2
超高速MOSディバイス」、香山著、培風館、昭和61
年発行)に開示されている。ここでは、この文献IIに
開示されている酸化膜の形成方法につき簡単に説明す
る。
【0005】先ず、基板(ウエハ)表面の洗浄を行う。
この基板の洗浄は、通常、過酸化水素(H2 O2 )を中
心とした化学薬品を用いて行われる。しかし、100A
°(A°はオングストロームを表す記号である。)以下
の酸化膜の形成に対しては必ずしも上述した表面処理の
みでは十分でない。従って、化学薬品によって処理され
たウエーハは更に高真空中や還元ガス中で高温処理され
る。このよにして、ウエハのシリコン表面の付着物を除
去する。
この基板の洗浄は、通常、過酸化水素(H2 O2 )を中
心とした化学薬品を用いて行われる。しかし、100A
°(A°はオングストロームを表す記号である。)以下
の酸化膜の形成に対しては必ずしも上述した表面処理の
みでは十分でない。従って、化学薬品によって処理され
たウエーハは更に高真空中や還元ガス中で高温処理され
る。このよにして、ウエハのシリコン表面の付着物を除
去する。
【0006】次に、ウェハ表面上に薄いゲート酸化膜を
形成する。このとき、ウエハ中の薄膜の均一性を保つた
め、ゆっくりとした酸化速度で成膜する方法がある。こ
の方法では、低温(800℃〜900℃)で酸化膜を形
成するか、もしくは減圧(酸素分圧〈0.1気圧)条件
の下で酸化膜を形成する。以下、この方法を低温減圧酸
化法という。このとき酸化性ガスとしては、一般には酸
素(O2 )ガスや酸素ガスと水素(H2 )ガスの混合ガ
スが用いられる。
形成する。このとき、ウエハ中の薄膜の均一性を保つた
め、ゆっくりとした酸化速度で成膜する方法がある。こ
の方法では、低温(800℃〜900℃)で酸化膜を形
成するか、もしくは減圧(酸素分圧〈0.1気圧)条件
の下で酸化膜を形成する。以下、この方法を低温減圧酸
化法という。このとき酸化性ガスとしては、一般には酸
素(O2 )ガスや酸素ガスと水素(H2 )ガスの混合ガ
スが用いられる。
【0007】尚、これとは別の薄いゲート酸化膜を成膜
する方法として、酸素(O2 )ガスにアルゴン(Ar)
ガスや窒素(N2 )ガスなどの希釈ガスを炉内に混入さ
せて酸化速度を下げる方法も実用化されている。以下、
この方法を希釈酸化法という。
する方法として、酸素(O2 )ガスにアルゴン(Ar)
ガスや窒素(N2 )ガスなどの希釈ガスを炉内に混入さ
せて酸化速度を下げる方法も実用化されている。以下、
この方法を希釈酸化法という。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た低温減圧酸化法により酸化速度を下げる方法は、酸化
膜中に発生する応力によってシリコン基板と酸化膜との
界面の平坦性が損なわれ、従って、界面に凹凸が発生し
て酸化膜の膜厚が不均一になるという問題がある。
た低温減圧酸化法により酸化速度を下げる方法は、酸化
膜中に発生する応力によってシリコン基板と酸化膜との
界面の平坦性が損なわれ、従って、界面に凹凸が発生し
て酸化膜の膜厚が不均一になるという問題がある。
【0009】一方、希釈酸化法を用いて薄い酸化膜を成
膜する方法は、高温長時間の酸化過程を経るため、シリ
コン基板中の不純物が酸化膜中に取り込まれ、これが核
となって絶縁破壊を起こすという問題がある。
膜する方法は、高温長時間の酸化過程を経るため、シリ
コン基板中の不純物が酸化膜中に取り込まれ、これが核
となって絶縁破壊を起こすという問題がある。
【0010】また、低温減圧酸化法や希釈酸化法により
成膜される酸化膜は、この酸化膜とシリコン基板との界
面近傍に多数のシリコン原子の不対結合とか歪んだSi
−O結合が存在してしまう。従って、この酸化膜を例え
ばEEPROMのトンネル酸化膜に応用した場合、これ
らの結合は、酸化膜中で高エネルギー電子に対してトラ
ップとしての働きをするため、リーク電流の増大、また
は耐久性(エンデュランス)特性の劣化の原因となる。
成膜される酸化膜は、この酸化膜とシリコン基板との界
面近傍に多数のシリコン原子の不対結合とか歪んだSi
−O結合が存在してしまう。従って、この酸化膜を例え
ばEEPROMのトンネル酸化膜に応用した場合、これ
らの結合は、酸化膜中で高エネルギー電子に対してトラ
ップとしての働きをするため、リーク電流の増大、また
は耐久性(エンデュランス)特性の劣化の原因となる。
【0011】この発明の目的は、上述した問題点に鑑み
行われたものであり、従って、この発明の第1の目的
は、絶縁膜の膜厚を薄くした場合でも絶縁膜の膜厚制御
が可能であること。更に、この発明の第2の目的は、下
地中の不純物が絶縁膜中に侵入するのを抑制できる信頼
性の高い優れた絶縁膜を形成する方法を提供することに
ある。
行われたものであり、従って、この発明の第1の目的
は、絶縁膜の膜厚を薄くした場合でも絶縁膜の膜厚制御
が可能であること。更に、この発明の第2の目的は、下
地中の不純物が絶縁膜中に侵入するのを抑制できる信頼
性の高い優れた絶縁膜を形成する方法を提供することに
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、この発明では、加熱炉内に窒素非含有酸化性ガスと
窒素含有ガスとを用いて所定の加熱温度を加えることに
より下地上に絶縁膜を形成するに当たり、窒素含有ガス
の分圧比を一定期間毎に変えて前記絶縁膜を段階的に成
膜することを特徴とする。
め、この発明では、加熱炉内に窒素非含有酸化性ガスと
窒素含有ガスとを用いて所定の加熱温度を加えることに
より下地上に絶縁膜を形成するに当たり、窒素含有ガス
の分圧比を一定期間毎に変えて前記絶縁膜を段階的に成
膜することを特徴とする。
【0013】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、窒素含有ガスを窒素含有酸化性ガスとするのが良
い。
は、窒素含有ガスを窒素含有酸化性ガスとするのが良
い。
【0014】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、窒素含有ガスをアンモニアガスとするのが良い。
は、窒素含有ガスをアンモニアガスとするのが良い。
【0015】また、この発明の好適実施例によれば、加
熱炉内に窒素非含有酸化性ガスと窒素含有ガスとを用い
て所定の加熱温度を加えることにより下地上に絶縁膜を
形成するに当たり、(a)前記炉内を高真空に排気する
工程と、(b)その後、窒素非含有酸化性ガスと窒素含
有ガスを炉内に混入させ、前記窒素含有ガスの第1段階
分圧比に設定して第1段階の絶縁膜部分を成膜する工程
と、(c)所定の期間炉内を真空排気する工程と、
(d)前記窒素含有ガスを前記第1段階分圧比より高い
第2段階分圧比に設定して第2段階の絶縁膜部分を成膜
する工程と、(e)所定の期間炉内を真空排気する工程
と、(f)第3段階以降の分圧比を前段階分圧比より高
く設定して、かつ、各成膜間に、前記真空排気する工程
を設けて、第3段階以降の絶縁膜部分を順次に成膜して
一定の膜厚の絶縁膜を形成するのが良い。
熱炉内に窒素非含有酸化性ガスと窒素含有ガスとを用い
て所定の加熱温度を加えることにより下地上に絶縁膜を
形成するに当たり、(a)前記炉内を高真空に排気する
工程と、(b)その後、窒素非含有酸化性ガスと窒素含
有ガスを炉内に混入させ、前記窒素含有ガスの第1段階
分圧比に設定して第1段階の絶縁膜部分を成膜する工程
と、(c)所定の期間炉内を真空排気する工程と、
(d)前記窒素含有ガスを前記第1段階分圧比より高い
第2段階分圧比に設定して第2段階の絶縁膜部分を成膜
する工程と、(e)所定の期間炉内を真空排気する工程
と、(f)第3段階以降の分圧比を前段階分圧比より高
く設定して、かつ、各成膜間に、前記真空排気する工程
を設けて、第3段階以降の絶縁膜部分を順次に成膜して
一定の膜厚の絶縁膜を形成するのが良い。
【0016】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記炉内に混入するガスをアンモニア(NH3 )ガ
スと前記窒素含有酸化性ガスとの混合ガスとするのが良
い。
は、前記炉内に混入するガスをアンモニア(NH3 )ガ
スと前記窒素含有酸化性ガスとの混合ガスとするのが良
い。
【0017】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記炉内に混入するガスをアンモニアガスと窒素非
含有酸化性ガスとの混合ガスとするのが良い。
は、前記炉内に混入するガスをアンモニアガスと窒素非
含有酸化性ガスとの混合ガスとするのが良い。
【0018】また、この発明の好適実施例によれば、好
ましくは、前記窒素非含有酸化性ガスを酸素(O2 )ガ
スまたはオゾン(O3 )ガスとするのが良い。
ましくは、前記窒素非含有酸化性ガスを酸素(O2 )ガ
スまたはオゾン(O3 )ガスとするのが良い。
【0019】また、この発明の実施例によれば、好まし
くは、前記窒素含有酸化性ガスを一酸化窒素(NO)ガ
ス、一酸化二窒素(N2 O)ガス、二酸化窒素(N
O2 )中の群の1つまたはこれらの群の中から選択され
た2つ以上の混合ガスとするのが良い。
くは、前記窒素含有酸化性ガスを一酸化窒素(NO)ガ
ス、一酸化二窒素(N2 O)ガス、二酸化窒素(N
O2 )中の群の1つまたはこれらの群の中から選択され
た2つ以上の混合ガスとするのが良い。
【0020】
【作用】上述したこの発明の薄い絶縁膜の形成方法によ
れば、炉内の加熱温度を高い温度に設定し、窒素含有ガ
スの分圧比を一定期間毎に段階的に変えて絶縁膜を成膜
する。このため、従来のような低温減圧酸化法と違い、
絶縁膜中に発生する応力を低減することができる。従っ
て、絶縁膜と下地の界面の平坦性が均一化される。
れば、炉内の加熱温度を高い温度に設定し、窒素含有ガ
スの分圧比を一定期間毎に段階的に変えて絶縁膜を成膜
する。このため、従来のような低温減圧酸化法と違い、
絶縁膜中に発生する応力を低減することができる。従っ
て、絶縁膜と下地の界面の平坦性が均一化される。
【0021】また、窒素含有ガス分圧を変えていくた
め、絶縁膜と下地との界面に存在する窒素濃度を容易に
制御できる。このため、膜厚の制御が容易になる。
め、絶縁膜と下地との界面に存在する窒素濃度を容易に
制御できる。このため、膜厚の制御が容易になる。
【0022】また、この発明の絶縁膜の成膜方法は、加
熱処理温度を一定に保持して窒素含有ガスの分圧比を変
えて窒素含有ガスと窒素非含有酸化性ガスとを導入また
は置換する工程を繰り返す。従って、従来の加熱炉内へ
のガス導入サイクル毎に昇温および降温をする加熱方式
に比べて界面のSi原子とO2 原子との不対結合や歪ん
だSi−O結合が減少する。従って、薄くて膜厚の優れ
た絶縁膜を成膜することができる。
熱処理温度を一定に保持して窒素含有ガスの分圧比を変
えて窒素含有ガスと窒素非含有酸化性ガスとを導入また
は置換する工程を繰り返す。従って、従来の加熱炉内へ
のガス導入サイクル毎に昇温および降温をする加熱方式
に比べて界面のSi原子とO2 原子との不対結合や歪ん
だSi−O結合が減少する。従って、薄くて膜厚の優れ
た絶縁膜を成膜することができる。
【0023】また、絶縁膜中の窒素原子は、Si基板中
の不純物の拡散を抑制する効果をもつと考えられるの
で、絶縁破壊も改善され、耐絶縁性が良くなる。
の不純物の拡散を抑制する効果をもつと考えられるの
で、絶縁破壊も改善され、耐絶縁性が良くなる。
【0024】また、窒素含有ガスとして窒素含有酸化性
ガスまたはNH3 ガスを用いるが良い。また、窒素非含
有酸化性ガスとして酸素(O2 )またはオゾン(O3 )
ガス用いるのが良い。このような窒素含有ガスと窒素非
含有酸化性ガスとを混合して窒素含有ガスの分圧比を任
意に変えることができる。
ガスまたはNH3 ガスを用いるが良い。また、窒素非含
有酸化性ガスとして酸素(O2 )またはオゾン(O3 )
ガス用いるのが良い。このような窒素含有ガスと窒素非
含有酸化性ガスとを混合して窒素含有ガスの分圧比を任
意に変えることができる。
【0025】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明の実施例につ
き説明する。なお、各図は、この発明が理解出来る程度
に各構成成分の形状、配置および寸法を概略的に示して
いるにすぎない。また、以下説明する実施例は単なる好
適例にすぎず、従ってこの発明は以下説明する実施例の
みに何ら限定されるものではないことを理解されたい。
き説明する。なお、各図は、この発明が理解出来る程度
に各構成成分の形状、配置および寸法を概略的に示して
いるにすぎない。また、以下説明する実施例は単なる好
適例にすぎず、従ってこの発明は以下説明する実施例の
みに何ら限定されるものではないことを理解されたい。
【0026】先ず、この発明の絶縁膜形成方法を説明す
るに先立ち、図4および図5を参照してこの発明に用い
る絶縁膜形成装置およびガス供給装置につき説明する。
るに先立ち、図4および図5を参照してこの発明に用い
る絶縁膜形成装置およびガス供給装置につき説明する。
【0027】この装置の加熱炉(反応炉とも呼ぶ。)1
0は、ステンレス製の本体10aおよび昇降部材10c
と、石英製の蓋部材10bおよび下地(ここでは一例と
して基板18の)支持体20とを具えている。
0は、ステンレス製の本体10aおよび昇降部材10c
と、石英製の蓋部材10bおよび下地(ここでは一例と
して基板18の)支持体20とを具えている。
【0028】反応炉10内への基板18の出し入れは、
昇降装置22による昇降部材10cの昇降により行なわ
れる。本体10a、蓋部材10bおよび昇降部材10c
間には機密保持部材24、例えば、バイトンパッキンを
設けている。従って、反応炉10内の真空引きを行なっ
た際に、機密保持部材24を介して炉内の機密状態を保
持できるようになっている。
昇降装置22による昇降部材10cの昇降により行なわ
れる。本体10a、蓋部材10bおよび昇降部材10c
間には機密保持部材24、例えば、バイトンパッキンを
設けている。従って、反応炉10内の真空引きを行なっ
た際に、機密保持部材24を介して炉内の機密状態を保
持できるようになっている。
【0029】また、温度測定器26、例えば、オプチカ
ルパイロメータは凹部10aの基板近傍位置に取り付け
てあり、基板18の表面温度を測定するために用いる。
ルパイロメータは凹部10aの基板近傍位置に取り付け
てあり、基板18の表面温度を測定するために用いる。
【0030】加熱部16には、赤外線照射手段として赤
外線ランプ16aを用い、これを支持部材16bにより
支持して設けてある。この赤外線ランプ16aには、例
えば、タングステンハロゲンランプを用いる。反応炉1
0の蓋部材10bを赤外線透過材で形成してあるので、
赤外線は反応炉10内へと透過する。
外線ランプ16aを用い、これを支持部材16bにより
支持して設けてある。この赤外線ランプ16aには、例
えば、タングステンハロゲンランプを用いる。反応炉1
0の蓋部材10bを赤外線透過材で形成してあるので、
赤外線は反応炉10内へと透過する。
【0031】このランプへのパワー供給装置のコントロ
ール部(図示せず)は、温度測定装置とクローズドルー
プを構成しているものとする。すなわち、温度測定装置
により測定された基板18の温度はランプパワーのコン
トロール部にフィードバックされ、基板温度が目標とす
る値に一定に保たれるようにランプパワーが制御される
ような構造となっている。
ール部(図示せず)は、温度測定装置とクローズドルー
プを構成しているものとする。すなわち、温度測定装置
により測定された基板18の温度はランプパワーのコン
トロール部にフィードバックされ、基板温度が目標とす
る値に一定に保たれるようにランプパワーが制御される
ような構造となっている。
【0032】ガス供給管28は、反応炉10とガス供給
部14(図5)との間に設けられている。また、排気管
30には真空排気装置が接続されている。
部14(図5)との間に設けられている。また、排気管
30には真空排気装置が接続されている。
【0033】次に、図5を参照して、この実施例のガス
供給系につき説明する。この実施例において、ガス供給
部14を、窒素非含有酸化性ガス源14a、窒素含有酸
化性ガス源14b、不活性ガス源14cで構成してあ
る。図5において、42はガス供給系、44はバルブ、
46a〜46cは自動開閉バルブ、50はガス供給部1
4から反応炉へ導入されるガス流量のモニタである。バ
ルブ44および46a〜46cを適当量開閉することに
よって所望の流量のガスを反応炉内へと導入することが
出来る。
供給系につき説明する。この実施例において、ガス供給
部14を、窒素非含有酸化性ガス源14a、窒素含有酸
化性ガス源14b、不活性ガス源14cで構成してあ
る。図5において、42はガス供給系、44はバルブ、
46a〜46cは自動開閉バルブ、50はガス供給部1
4から反応炉へ導入されるガス流量のモニタである。バ
ルブ44および46a〜46cを適当量開閉することに
よって所望の流量のガスを反応炉内へと導入することが
出来る。
【0034】次に、この発明の第1および第2実施例の
絶縁膜の形成方法を、図1、図2(A)、(B)、
(C)、図3、図4および図5を参照して具体的に説明
する。
絶縁膜の形成方法を、図1、図2(A)、(B)、
(C)、図3、図4および図5を参照して具体的に説明
する。
【0035】以下、第1実施例の絶縁膜形成方法を、図
1、図2(A)〜(C)、図4および図5を参照して詳
細に説明する。
1、図2(A)〜(C)、図4および図5を参照して詳
細に説明する。
【0036】先ず、反応炉10内に膜形成の下地となる
Si基板18(図4)、好ましくは、Si単結晶基板を
導入する。この基板18は必要に応じて表面の清浄化処
理を行なったものとする。
Si基板18(図4)、好ましくは、Si単結晶基板を
導入する。この基板18は必要に応じて表面の清浄化処
理を行なったものとする。
【0037】図1は、加熱温度(Tmax )を一定とし、
窒素含有ガス(以下、N2 Oガスと称する。)の分圧比
を変えたときの分圧比サイクル図を示す。なお、図の左
の縦軸に処理温度を℃の単位で取り、また、右の縦軸に
圧力(Torr)の単位でとって示してある。そして、
N2 O分圧比を破線で示し、温度プロファイルを実線で
示してある。
窒素含有ガス(以下、N2 Oガスと称する。)の分圧比
を変えたときの分圧比サイクル図を示す。なお、図の左
の縦軸に処理温度を℃の単位で取り、また、右の縦軸に
圧力(Torr)の単位でとって示してある。そして、
N2 O分圧比を破線で示し、温度プロファイルを実線で
示してある。
【0038】先ず、反応炉10内を、例えば10-3〜1
0-5Torrの高真空に所定の期間排気する(図1にV
ac1で示す期間)。
0-5Torrの高真空に所定の期間排気する(図1にV
ac1で示す期間)。
【0039】次に、バルブ44、46aおよび46bを
開き、反応炉10内に窒素含有酸化性ガス、例えば、N
2 Oガスと窒素非含有酸化性ガス、例えば酸素(O2 )
ガスを導入する。このとき各バルブの開閉量を適当に調
整することで、反応炉10内のN2 Oガス分圧比を10
%の分圧比(第1段階の分圧比)にすることができる
(図1にOx1で示す期間)。そして、所望の雰囲気が
得られた時点でガスの供給を停止する。このとき炉内の
圧力は、100Torr程度の減圧状態に維持しても良
い。
開き、反応炉10内に窒素含有酸化性ガス、例えば、N
2 Oガスと窒素非含有酸化性ガス、例えば酸素(O2 )
ガスを導入する。このとき各バルブの開閉量を適当に調
整することで、反応炉10内のN2 Oガス分圧比を10
%の分圧比(第1段階の分圧比)にすることができる
(図1にOx1で示す期間)。そして、所望の雰囲気が
得られた時点でガスの供給を停止する。このとき炉内の
圧力は、100Torr程度の減圧状態に維持しても良
い。
【0040】次に、図4の加熱部16によって基板18
を加熱し、Si基板18の表面に薄い絶縁膜(以下、S
i酸窒化膜と称する。)を形成する。尚、このSi酸窒
化膜の組成は、SiOx Ny (ただし、xおよびyは組
成比を表す記号である。)になる。この場合、基板18
の加熱は、基板表面の温度を温度測定手段26で測定し
ながら、100〜200℃/秒の範囲内の適当な昇温速
度、好ましくは、100℃/秒で行なう。このような範
囲内の昇温速度とするのは、Si酸窒化膜の成長速度を
一定にして膜質の向上を図るためである。加熱温度すな
わち加熱のピーク温度Tmax を、好ましくは、1000
〜1200℃の範囲内の適当な温度とする。このように
加熱温度および反応性ガスの雰囲気維持時間(図1にO
x1で示す期間)を適当に制御することによって第1段
階として数十オングストローム(A°)オーダ以上の任
意の厚さの第1段階のSi酸窒化膜部分62を形成する
ことが出来る。この様子を図2(A)に示す。
を加熱し、Si基板18の表面に薄い絶縁膜(以下、S
i酸窒化膜と称する。)を形成する。尚、このSi酸窒
化膜の組成は、SiOx Ny (ただし、xおよびyは組
成比を表す記号である。)になる。この場合、基板18
の加熱は、基板表面の温度を温度測定手段26で測定し
ながら、100〜200℃/秒の範囲内の適当な昇温速
度、好ましくは、100℃/秒で行なう。このような範
囲内の昇温速度とするのは、Si酸窒化膜の成長速度を
一定にして膜質の向上を図るためである。加熱温度すな
わち加熱のピーク温度Tmax を、好ましくは、1000
〜1200℃の範囲内の適当な温度とする。このように
加熱温度および反応性ガスの雰囲気維持時間(図1にO
x1で示す期間)を適当に制御することによって第1段
階として数十オングストローム(A°)オーダ以上の任
意の厚さの第1段階のSi酸窒化膜部分62を形成する
ことが出来る。この様子を図2(A)に示す。
【0041】続いて、加熱温度が保持されている状態で
バルブを任意好適に調整して再度炉内を真空排気し、上
述したVac1で示す期間と同様な条件に維持する(図1
にVaC2に示す期間)。
バルブを任意好適に調整して再度炉内を真空排気し、上
述したVac1で示す期間と同様な条件に維持する(図1
にVaC2に示す期間)。
【0042】次に、反応炉10内のN2 O分圧比を第1
段階分圧比より高く設定する。このときのN2 O分圧比
(第2段階分圧比)を例えば50%とする。このような
反応性ガス雰囲気の維持期間(図1にOx2で示す期
間)を適当に制御することによってSi酸窒化膜の膜厚
増加量を数オングストロームから数十オングストローム
とすることができる。この様子を第2段階のSi酸窒化
膜部分64として示す(図2(B))。
段階分圧比より高く設定する。このときのN2 O分圧比
(第2段階分圧比)を例えば50%とする。このような
反応性ガス雰囲気の維持期間(図1にOx2で示す期
間)を適当に制御することによってSi酸窒化膜の膜厚
増加量を数オングストロームから数十オングストローム
とすることができる。この様子を第2段階のSi酸窒化
膜部分64として示す(図2(B))。
【0043】次に、第3段階のN2 O分圧比を、例えば
100%とし、第3段階のSi酸窒化膜部分を形成する
(図示せず。)このようにして順次に第n段階まで繰り
返して一定の膜厚のSi酸窒化膜部分66を形成する
(図2の(C))。尚、Si酸窒化膜部分65は、第3
段階以降のSi酸窒化膜部分を表している。このような
工程を経て、所望の薄い膜厚のSi酸窒化膜を形成した
後、バルブ44、46cを開き不活性ガス、例えば窒素
ガスを反応炉10内に導入してSi基板18(図4)を
室温まで冷却することにより成膜工程を終了する。
100%とし、第3段階のSi酸窒化膜部分を形成する
(図示せず。)このようにして順次に第n段階まで繰り
返して一定の膜厚のSi酸窒化膜部分66を形成する
(図2の(C))。尚、Si酸窒化膜部分65は、第3
段階以降のSi酸窒化膜部分を表している。このような
工程を経て、所望の薄い膜厚のSi酸窒化膜を形成した
後、バルブ44、46cを開き不活性ガス、例えば窒素
ガスを反応炉10内に導入してSi基板18(図4)を
室温まで冷却することにより成膜工程を終了する。
【0044】次に、この発明の第2実施例につき図2
(A)〜(C)、図3、図4および図5を参照して説明
する。なお、第1実施例と同様な工程は、その説明を省
略する。
(A)〜(C)、図3、図4および図5を参照して説明
する。なお、第1実施例と同様な工程は、その説明を省
略する。
【0045】この第2実施例を説明するために、図3に
窒素含有ガス分圧比サイクルを示す。なお、破線は、窒
素含有ガス(第2実施例では、アンモニア(NH3 )ガ
スとする。)の分圧比を表し、実線は、温度プロファイ
ルを表す。
窒素含有ガス分圧比サイクルを示す。なお、破線は、窒
素含有ガス(第2実施例では、アンモニア(NH3 )ガ
スとする。)の分圧比を表し、実線は、温度プロファイ
ルを表す。
【0046】先ず、反応炉10内を高真空に排気する。
このときの排気条件は、第1実施例のVac1期間の条件
と同様にする。
このときの排気条件は、第1実施例のVac1期間の条件
と同様にする。
【0047】次に、反応炉10内に窒素含有ガス(例え
ばNH3 ガス)と窒素非含有酸化性ガス(例えば酸素ガ
ス)または窒素含有酸化性ガス(例えばN2 Oガス)を
導入する。このとき炉10内のNH3 分圧比(第1段
階)を、例えば5%未満とする(図3にOx1で示す期
間)。
ばNH3 ガス)と窒素非含有酸化性ガス(例えば酸素ガ
ス)または窒素含有酸化性ガス(例えばN2 Oガス)を
導入する。このとき炉10内のNH3 分圧比(第1段
階)を、例えば5%未満とする(図3にOx1で示す期
間)。
【0048】次に、基板18を加熱する。このときの昇
温速度およびピーク温度(Tmax )を、例えば第1実施
例のときと同様1000℃〜1200℃に設定する。
温速度およびピーク温度(Tmax )を、例えば第1実施
例のときと同様1000℃〜1200℃に設定する。
【0049】続いて、第2段階のNH3 分圧比(図3に
Ox2で示す期間)を、例えば5%とし、更に、第3段
階のNH3 分圧比(図示せず)を、例えば10%と順次
NH3 分圧比を高くしていく。この時のSi基板60上
に成膜されるSi酸窒化膜部分は図2(A)〜(C)の
成膜工程と同様であるため、その説明を省略する。
Ox2で示す期間)を、例えば5%とし、更に、第3段
階のNH3 分圧比(図示せず)を、例えば10%と順次
NH3 分圧比を高くしていく。この時のSi基板60上
に成膜されるSi酸窒化膜部分は図2(A)〜(C)の
成膜工程と同様であるため、その説明を省略する。
【0050】次に、図6は、N2 O分圧比を変えたとき
のSi酸窒化膜中での窒素原子濃度分布を示している。
それぞれの曲線は、二次イオン質量分析法(SISM)
で測定した結果である。なお、図中、横軸にSiO2 膜
の表面からSi基板方向への深さ(A°)を取り、縦軸
に各原子濃度(原子/cm3 )を取って表している。
尚、このときのSi酸窒化膜を形成する条件は、炉内の
ガス雰囲気をN2 OガスとO2 ガスの混合ガスとし、こ
のときの加熱温度は、1100℃と一定にする。
のSi酸窒化膜中での窒素原子濃度分布を示している。
それぞれの曲線は、二次イオン質量分析法(SISM)
で測定した結果である。なお、図中、横軸にSiO2 膜
の表面からSi基板方向への深さ(A°)を取り、縦軸
に各原子濃度(原子/cm3 )を取って表している。
尚、このときのSi酸窒化膜を形成する条件は、炉内の
ガス雰囲気をN2 OガスとO2 ガスの混合ガスとし、こ
のときの加熱温度は、1100℃と一定にする。
【0051】N2 O分圧比を変化させた場合、窒素原子
のスペクトル強度を曲線103、105、107および
111で表している。このときの加熱温度は、1100
℃とする。図中、曲線101は酸素(O2 )原子の濃度
分布を表す。また、曲線103はN2 O分圧比を0%の
ときの窒素原子濃度、曲線105はN2 O分圧比を10
%のときの窒素原子濃度、曲線107はN2 O分圧比2
0%のときの窒素原子濃度、曲線109はN2 O分圧比
30%のときの窒素原子濃度、曲線111はN2 O分圧
比を50%のときのそれぞれの窒素原子濃度分布を表
す。尚、Si酸窒化膜とSi基板との界面は深さ約10
0A°のところにある。
のスペクトル強度を曲線103、105、107および
111で表している。このときの加熱温度は、1100
℃とする。図中、曲線101は酸素(O2 )原子の濃度
分布を表す。また、曲線103はN2 O分圧比を0%の
ときの窒素原子濃度、曲線105はN2 O分圧比を10
%のときの窒素原子濃度、曲線107はN2 O分圧比2
0%のときの窒素原子濃度、曲線109はN2 O分圧比
30%のときの窒素原子濃度、曲線111はN2 O分圧
比を50%のときのそれぞれの窒素原子濃度分布を表
す。尚、Si酸窒化膜とSi基板との界面は深さ約10
0A°のところにある。
【0052】図6から明らかなように、N2 O分圧比が
大きくなるとともにSi酸窒化膜中の窒素原子濃度も増
大していく。特に、Si酸窒化膜の表面から約85A°
の深さ近傍で最大値を示す。このときそれぞれのN2 O
分圧比に対する最大値は、10%のとき4×1021原子
/cm3 、20%のとき5×1021原子/cm3 、30
%のとき7×1021原子/cm3 、50%のとき9×1
021原子/cm3 の値を示す。更に、Si酸窒化膜の深
さ85A°より深くなると各分圧の窒素原子濃度は急速
に低下する。この低下の原因は、Si基板の領域に入る
ためと考えられる。
大きくなるとともにSi酸窒化膜中の窒素原子濃度も増
大していく。特に、Si酸窒化膜の表面から約85A°
の深さ近傍で最大値を示す。このときそれぞれのN2 O
分圧比に対する最大値は、10%のとき4×1021原子
/cm3 、20%のとき5×1021原子/cm3 、30
%のとき7×1021原子/cm3 、50%のとき9×1
021原子/cm3 の値を示す。更に、Si酸窒化膜の深
さ85A°より深くなると各分圧の窒素原子濃度は急速
に低下する。この低下の原因は、Si基板の領域に入る
ためと考えられる。
【0053】一方、酸素原子濃度(曲線101)は、表
面から浅い領域で2×1022(原子/cm3 )と一定で
あるが、Si酸窒化膜の深さ約80A°を過ぎると窒素
原子濃度と同様急速に低下して行く。
面から浅い領域で2×1022(原子/cm3 )と一定で
あるが、Si酸窒化膜の深さ約80A°を過ぎると窒素
原子濃度と同様急速に低下して行く。
【0054】また、この第1実施例で形成されるSi酸
窒化膜は、Si−O結合部に窒素原子が侵入することに
より、新たに窒素原子はSi原子と結合する。また、窒
素原子は酸素原子と置換したりするため、シリコン(S
i)と窒素(N)との結合が安定する。従って、絶縁膜
の耐絶縁性は向上する。また、Si酸窒化膜は、従来の
酸化膜(例えばSiO2 膜)に比べて緻密な膜質構造を
有する。また、Si酸窒化膜中の窒素原子はシリコン基
板中の不純物拡散を抑制すると考えられる。また、Si
酸窒化膜に窒素原子が導入されると誘電率は向上する。
また、Si酸窒化膜/Siの界面のバリヤハイト(電位
障壁高さ)の低下も期待できる。
窒化膜は、Si−O結合部に窒素原子が侵入することに
より、新たに窒素原子はSi原子と結合する。また、窒
素原子は酸素原子と置換したりするため、シリコン(S
i)と窒素(N)との結合が安定する。従って、絶縁膜
の耐絶縁性は向上する。また、Si酸窒化膜は、従来の
酸化膜(例えばSiO2 膜)に比べて緻密な膜質構造を
有する。また、Si酸窒化膜中の窒素原子はシリコン基
板中の不純物拡散を抑制すると考えられる。また、Si
酸窒化膜に窒素原子が導入されると誘電率は向上する。
また、Si酸窒化膜/Siの界面のバリヤハイト(電位
障壁高さ)の低下も期待できる。
【0055】また、従来は、窒素濃度を高くして酸窒化
膜を形成していたため、酸窒化膜/Si基板の界面近傍
に窒素原子が偏析して酸化種の拡散防止の働きをしてい
た。
膜を形成していたため、酸窒化膜/Si基板の界面近傍
に窒素原子が偏析して酸化種の拡散防止の働きをしてい
た。
【0056】しかし、この発明では、窒素含有ガスの分
圧比を段階的に変化させているため、窒素原子濃度の制
御が可能になる。従って、絶縁膜の膜厚が緻密になり、
膜厚の平坦性も良好となる。
圧比を段階的に変化させているため、窒素原子濃度の制
御が可能になる。従って、絶縁膜の膜厚が緻密になり、
膜厚の平坦性も良好となる。
【0057】また、この発明の薄い絶縁膜形成方法によ
れば、加熱処理温度を一定に保持した状態で、反応性ガ
スの導入および置換を行う。従って、従来のガス導入サ
イクル毎に加熱温度を昇温および降温させる方式に比べ
てSi基板や絶縁膜中の不対結合および弱い結合の数は
減少する。また、加熱処理温度も高温度でSi基板を処
理するため、低温で昇温および降温にしたときに生ずる
結露(水分)が絶縁膜中に取り込まれることもなくな
る。更に、加熱処理時間の短縮化を図ることができる。
れば、加熱処理温度を一定に保持した状態で、反応性ガ
スの導入および置換を行う。従って、従来のガス導入サ
イクル毎に加熱温度を昇温および降温させる方式に比べ
てSi基板や絶縁膜中の不対結合および弱い結合の数は
減少する。また、加熱処理温度も高温度でSi基板を処
理するため、低温で昇温および降温にしたときに生ずる
結露(水分)が絶縁膜中に取り込まれることもなくな
る。更に、加熱処理時間の短縮化を図ることができる。
【0058】上述した第1実施例の窒素含有ガスにN2
Oガス、窒素非含有酸化性ガスにO2 ガスを用いたが何
らこれに限定されず、窒素含有ガスに一酸化窒素(N
O)ガスまたは二酸化窒素ガス(NO2 )ガスを用いて
もよい。また、窒素非含有酸化性ガスにオゾン(O3 )
ガスを用いても良い。
Oガス、窒素非含有酸化性ガスにO2 ガスを用いたが何
らこれに限定されず、窒素含有ガスに一酸化窒素(N
O)ガスまたは二酸化窒素ガス(NO2 )ガスを用いて
もよい。また、窒素非含有酸化性ガスにオゾン(O3 )
ガスを用いても良い。
【0059】また、下地にシリコン単結晶を用いたが多
結晶シリコンを用いても良い。このような材料を用いる
ことによって、Si酸窒化膜中で酸素(O)がSiと結
合して形成されSiーO結合や窒素がSiと結合して形
成されるSi−N結合の安定した絶縁膜を得ることがで
きる。
結晶シリコンを用いても良い。このような材料を用いる
ことによって、Si酸窒化膜中で酸素(O)がSiと結
合して形成されSiーO結合や窒素がSiと結合して形
成されるSi−N結合の安定した絶縁膜を得ることがで
きる。
【0060】また、第2実施例の窒素非含有酸化性ガス
にO2 ガスを用いたがオゾン(O3)ガスを用いても良
い。また、窒素非含有酸化性ガスにN2 Oガスを用いた
が一酸化窒素(NO)ガスまたは二酸化窒素(NO2 )
ガスを用いても良い。
にO2 ガスを用いたがオゾン(O3)ガスを用いても良
い。また、窒素非含有酸化性ガスにN2 Oガスを用いた
が一酸化窒素(NO)ガスまたは二酸化窒素(NO2 )
ガスを用いても良い。
【0061】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、こ
の発明の薄い絶縁膜の形成方法によれば、炉内の加熱温
度を所定の温度で、かつ、一定に保持した状態で、窒素
含有ガスの分圧比を一定期間毎に変えて段階的に絶縁膜
を成膜する。その方法としては、先ず、炉内を高真空に
排気した後、窒素含有ガスと窒素非含有酸化性ガスを炉
内に混入する。その後、窒素含有ガスを第1段階分圧比
に設定して、第1段階の絶縁膜部分を下地上に成膜す
る。続いて、所定の期間炉内を真空排気する。更に、窒
素含有ガスを第1段階分圧比より高い第2段階分圧比に
設定して第2段階で形成される絶縁膜部分を第1段階の
絶縁膜部分上に成膜する。その後、所定の期間炉内を真
空排気する。更に、第3段階以降としては、分圧比を前
段階の分圧比より高く設定し、かつ、各成膜間に炉内を
真空排気する所定の期間を設けて第3段階以降の絶縁膜
部分を順次に成膜する。このようにして形成された絶縁
膜は、膜厚中の応力が減少するので、絶縁膜(SiOx
Ny 膜)とシリコン基板との界面の平坦性が良くなり、
膜厚の制御が容易になる。また、絶縁膜中の窒素原子の
濃度を段階的に変えることができるため、従来のように
界面に高い濃度をもった窒素原子の影響により絶縁膜の
膜厚の成長が抑制されることは少なくなる。従って、所
望の絶縁膜の膜厚の制御が容易になる。
の発明の薄い絶縁膜の形成方法によれば、炉内の加熱温
度を所定の温度で、かつ、一定に保持した状態で、窒素
含有ガスの分圧比を一定期間毎に変えて段階的に絶縁膜
を成膜する。その方法としては、先ず、炉内を高真空に
排気した後、窒素含有ガスと窒素非含有酸化性ガスを炉
内に混入する。その後、窒素含有ガスを第1段階分圧比
に設定して、第1段階の絶縁膜部分を下地上に成膜す
る。続いて、所定の期間炉内を真空排気する。更に、窒
素含有ガスを第1段階分圧比より高い第2段階分圧比に
設定して第2段階で形成される絶縁膜部分を第1段階の
絶縁膜部分上に成膜する。その後、所定の期間炉内を真
空排気する。更に、第3段階以降としては、分圧比を前
段階の分圧比より高く設定し、かつ、各成膜間に炉内を
真空排気する所定の期間を設けて第3段階以降の絶縁膜
部分を順次に成膜する。このようにして形成された絶縁
膜は、膜厚中の応力が減少するので、絶縁膜(SiOx
Ny 膜)とシリコン基板との界面の平坦性が良くなり、
膜厚の制御が容易になる。また、絶縁膜中の窒素原子の
濃度を段階的に変えることができるため、従来のように
界面に高い濃度をもった窒素原子の影響により絶縁膜の
膜厚の成長が抑制されることは少なくなる。従って、所
望の絶縁膜の膜厚の制御が容易になる。
【0062】また、最終的に成膜された絶縁膜は、界面
近傍に高い濃度の窒素原子を有するため、Si基板中の
不純物が絶縁膜中に取り込まれることはなくなるものと
考えられる。従って、この絶縁膜をEEPROMのトン
ネル絶縁膜に応用すれば、リーク電流の小さい、かつ耐
久性(エンデユランス特性)の優れた絶縁膜を提供でき
る。
近傍に高い濃度の窒素原子を有するため、Si基板中の
不純物が絶縁膜中に取り込まれることはなくなるものと
考えられる。従って、この絶縁膜をEEPROMのトン
ネル絶縁膜に応用すれば、リーク電流の小さい、かつ耐
久性(エンデユランス特性)の優れた絶縁膜を提供でき
る。
【図1】この発明の第1実施例の説明に供するN2 O分
圧比サイクル図である。
圧比サイクル図である。
【図2】この発明の絶縁膜(SiOx Ny 膜)の成膜方
法の説明に供する工程図である。
法の説明に供する工程図である。
【図3】この発明の第2実施例の説明に供するNH3 分
圧比サイクル図である。
圧比サイクル図である。
【図4】この発明の第1および第2実施例に用いた加熱
炉の要部断面図である。
炉の要部断面図である。
【図5】この発明の第1および第2実施例に用いたガス
供給部分の説明に供するための図である。
供給部分の説明に供するための図である。
【図6】絶縁膜のSiO2 /Si界面近傍の絶縁膜深さ
に対する原子濃度スペクトル図である。
に対する原子濃度スペクトル図である。
10:反応炉 10a:本体 10b:蓋部材 10c:昇降部材 14:ガス供給部 14a:酸化性ガス源(O2 ) 14b:酸化性ガス源(N2 O) 14c:不活性ガス源(N2 ) 16:加熱部 16a:赤外線ランプ 16b:支持部材 18:基板 20:支持体 22:昇降装置 24:気密保持部材 26:温度測定手段 28:ガス供給管 30:排気管 44:バルブ 46a〜46c:自動開閉バルブ 42:ガス供給系 50:ガス流量計 60:シリコン基板 62:第1段階のSi酸窒化(SiOx Ny )膜部分 64:第2段階のSi酸窒化(SiOx Ny )膜部分 65:第3段階のSi酸窒化(SiOx Ny )膜部分 66:第n段階のSi酸窒化(SiOx Ny )膜部分
Claims (8)
- 【請求項1】 加熱炉内に窒素非含有酸化性ガスと窒素
含有ガスとを用いて所定の加熱温度を加えることにより
下地上に絶縁膜を形成するに当たり、 前記窒素含有ガスの分圧比を一定期間毎に変えて前記絶
縁膜を段階的に成膜することを特徴とする薄い絶縁膜の
形成方法。 - 【請求項2】 請求項1に記載の窒素含有ガスを窒素含
有酸化性ガスとすることを特徴とする薄い絶縁膜の形成
方法。 - 【請求項3】 請求項1に記載の窒素含有ガスをアンモ
ニアガスとすることを特徴とする薄い絶縁膜の形成方
法。 - 【請求項4】 加熱炉内に窒素非含有酸化性ガスと窒素
含有ガスとを用いて所定の加熱温度を加えることにより
下地上に絶縁膜を形成するに当たり、 (a)前記炉内を高真空に排気する工程と、 (b)その後、窒素非含有酸化性ガスと窒素含有ガスを
炉内に混入させ、前記窒素含有ガスの第1段階分圧比に
設定して第1段階の絶縁膜部分を成膜する工程と、 (c)所定の期間炉内を真空排気する工程と、 (d)前記窒素含有ガスを前記第1段階分圧比より高い
第2段階分圧比に設定して第2段階の絶縁膜部分を成膜
する工程と、 (e)所定の期間炉内を真空排気する工程と、 (f)第3段階以降の分圧比を前段階分圧比より高く設
定して、かつ、各成膜間に、前記真空排気する工程を設
けて、第3段階以降の絶縁膜部分を順次に成膜して一定
の膜厚の絶縁膜を形成することを特徴とする薄い絶縁膜
の形成方法。 - 【請求項5】 請求項1に記載の薄い絶縁膜を形成する
に当たり、 前記炉内に混入するガスをアンモニア(NH3 )ガスと
前記窒素含有酸化性ガスとの混合ガスとすることを特徴
とする薄い絶縁膜の形成方法。 - 【請求項6】 請求項1に記載の薄い絶縁膜を形成する
に当たり、 前記炉内に混入するガスをアンモニアガスと窒素非含有
酸化性ガスとの混合ガスとすることを特徴とする薄い絶
縁膜の形成方法。 - 【請求項7】 請求項1に記載の前記窒素非含有酸化性
ガスを酸素(O2 )ガスまたはオゾン(O3 )ガスとす
ることを特徴とする薄い絶縁膜の形成方法。 - 【請求項8】 請求項1に記載の前記窒素含有酸化性ガ
スを一酸化窒素(NO)ガス、一酸化二窒素(N2 O)
ガスおよび二酸化窒素(NO2 )のガス群の中ら選ばれ
た1つのガスまたは2つ以上のガスの混合ガスとするこ
とを特徴とする薄い絶縁膜の形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5114398A JPH06326083A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 薄い絶縁膜の形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5114398A JPH06326083A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 薄い絶縁膜の形成方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06326083A true JPH06326083A (ja) | 1994-11-25 |
Family
ID=14636688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5114398A Withdrawn JPH06326083A (ja) | 1993-05-17 | 1993-05-17 | 薄い絶縁膜の形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06326083A (ja) |
-
1993
- 1993-05-17 JP JP5114398A patent/JPH06326083A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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