JPH06325710A - マイクロ波イオン源及びイオン打ち込み装置 - Google Patents

マイクロ波イオン源及びイオン打ち込み装置

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JPH06325710A
JPH06325710A JP11308593A JP11308593A JPH06325710A JP H06325710 A JPH06325710 A JP H06325710A JP 11308593 A JP11308593 A JP 11308593A JP 11308593 A JP11308593 A JP 11308593A JP H06325710 A JPH06325710 A JP H06325710A
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純也 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 大電流領域の多価イオンビームを発生させる
イオン源及びこれを使用したイオン打ち込み装置を得
る。 【構成】 放電室1の内部に8極の永久磁石2で生成し
た多極磁場と2個のコイル3で生成したミラー磁場を形
成し、真空封止用の石英窓4を通してマイクロ波5を導
入してマイクロ波放電を行わせる。放電室1の中に熱フ
ィラメント8が設けられており、これにより、マイクロ
波放電により生成されたプラズマ中に電子を補給するこ
とができる。この結果、高電子密度、高電子温度のプラ
ズマを生成することができ、10mAの桁の大電流領域
の質量分離後の多価イオンビーム6を発生することがで
きる。このような、本発明のマイクロ波イオン源をイオ
ン打ち込み装置に使用することにより、数百keVから
数MeVまでの任意のエネルギーの高エネルギーイオン
ビームをターゲットへ打ち込むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオン打ち込み装置、
高エネルギーイオン加速装置のイオン発生部として利用
されるイオン源に係り、特に、MeV領域の高エネルギ
ーの多価イオンビームを大量に発生させることのできる
マイクロ波イオン源及びこのイオン源を使用したイオン
打ち込み装置に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ波イオン源に関する従来技術と
して、例えば、第3回粒子線の先端的応用技術に関する
シンポジウム(1992年)予稿集 第201頁〜第2
08頁に開示された技術が知られている。この従来技術
は、特に、ミリアンペアオーダの2価〜3価の多価イオ
ンビームを得ることができるイオン源に関するものであ
る。
【0003】図4は従来技術によるイオン源の構造を説
明する断面図であり、以下、これにより、従来技術を説
明する。図4において、1は放電室、2は永久磁石、3
はコイル、4は石英窓、5はマイクロ波、6はイオンビ
ーム、7は引き出し電極である。
【0004】従来技術によるマイクロ波イオン源は、図
4(a)に示すように、円筒形の放電室1と、放電室1
の周りに配設された図4(b)に示すように配置された
8極の永久磁石2と、放電室1の周りに配設された2個
のコイル3と、石英窓4と、引き出し電極7とにより構
成され、放電室1内に真空封止用の石英窓4を通してマ
イクロ波5を導入するようにされている。
【0005】放電室1内には、図示しないガス導入孔か
ら、アルゴン等の不活性ガスが所定の圧力となるように
導入されている。また、放電室1内には、永久磁石2に
よる多極磁場と、コイル3によるミラー磁場が重畳され
て生成される。
【0006】このような磁場が印加されている放電室1
に真空封止用の石英窓4を通してマイクロ波5を導入す
ると、放電室1内でマイクロ波放電を生じ、放電室1内
にプラズマが生成され、ガスがイオン化される。このイ
オン化された粒子は、引き出し電極7に印加された電圧
により、引き出し電極7に開けたアパーチャからイオン
ビーム6として引き出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来技術は、
2価〜3価の多価イオンビームを、最大電流量として得
ることのできるイオン源として使用する場合、イオン源
の運転条件として、放電室1内のガス圧力を最適に設定
する必要のあるものである。
【0008】そして、前述の従来技術は、この最適ガス
圧力よりガス圧力が高いと1価イオンを主体とするプラ
ズマが生成され、2価〜3価の多価イオンビームの電流
値が減少し、また、最適ガス圧力よりガス圧力が低いと
イオンの基となる中性粒子の量が減少するために、イオ
ンビームの電流値が減少してしまうという問題点を有し
ている。
【0009】また、前述した従来技術は、最適ガス圧力
下においても、放電室内のガスの電離度(イオンと中性
粒子とを含めた全粒子数に対するイオンの割合)が、通
常30%以下であり、最適ガス圧力下でイオンの基とな
る中性粒子が存在するにもかかわらず、マイクロ波で生
成することのできる放電電子の量に限界があるために、
この中性粒子をイオン化することができないという問題
点を有している。
【0010】すなわち、前述した従来技術は、中性粒子
のイオン化に必要な電子の量を充分に確保するという点
についての配慮がなされておらず、従って、さらに大電
流の多価イオン電流を得ることができないという問題点
を有している。
【0011】さらに、前述の従来技術は、マイクロ波に
より生成することができる平均電子温度が高々10eV
程度であり、多価イオン生成に必要な高電子温度の電子
を生成するという点についても配慮がなされておらず、
このためにも、大電流の多価イオン電流を得ることがで
きないという問題点を有している。
【0012】本発明の目的は、前述した従来技術の問題
点を解決し、大電流領域の多価のイオンビームを発生さ
せることのできるマイクロ波イオン源を提供することに
あり、さらに、そのイオン源を使用したイオン打ち込み
装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明によれば前記目的
は、放電室内に電子を供給する熱フィラメントを設け、
この熱フィラメントと放電室との間に直流、あるいは、
交流の電圧を印加することにより達成される。
【0014】また、前記目的は、前述に加え、放電室内
に印加する磁場をミラー磁場と多極磁場との重畳磁場に
することにより達成される。
【0015】さらに、前記目的は、マイクロ波をミラー
磁場に平行な方向から導入するようにすることにより達
成される。
【0016】
【作用】熱フィラメントとして使用するW(タングステ
ン)等の金属は、加熱されると低い蒸気圧で熱電子を放
出するので、これをイオン源を構成する放電室内に設置
し、フィラメントと放電室との間に直流、あるいは、交
流の電圧を印加して本発明によるイオン源を動作させる
ことにより、放電室内のマイクロ波プラズマ中に多量の
電子を補給することができる。本発明は、これにより、
プラズマ中の電子密度ne を高くすることができ、多価
イオンを多量に得ることができる。
【0017】また、本発明は、フィラメントと放電室と
の間に100V以上の直流、あるいは、交流の電圧を印
加してイオン源を動作させることにより、プラズマ中に
高エネルギーの電子温度Te の成分を生じさせることが
でき、これにより、多価イオンを多量に得ることができ
る。
【0018】一般に、多価イオンは、中性粒子から一個
ずつ電子を剥ぎ取る逐次電離課程で生成される。この場
合、イオン源内の電子密度ne、電子温度Te、イオン寿
命τが高いほど、より多価のイオンを生成することがで
きる。従って、図4により説明した従来技術のイオン源
に本発明を適用すれば、最適ガス圧力の下で、より多量
の2価〜3価のイオンを生成させることができ、大電流
の多価イオンビームを得ることができる。
【0019】また、本発明は、放電室のガス圧力を前述
した最適ガス圧力より高い圧力として動作させた場合
に、従来1価イオン主体であったプラズマを、2価〜3
価の多価イオンが主体のプラズマとすることができ、従
来以上のより多量の2価〜3価の多価イオンビームを得
ることができる。
【0020】そして、本発明は、放電室内に印加する磁
場をミラー磁場と多極磁場との重畳磁場にすることによ
り、ミラー磁場が軸方向、多極磁場が径方向において電
子及びイオンの閉じ込め効果を発揮するため、イオン寿
命τ、電子密度 neを増大させることができ、これによ
り、多量の多価イオンを得ることができ、大電流の多価
イオンビームを得ることができる。
【0021】また、本発明は、マイクロ波をミラー磁場
に平行な方向から導入するようにすることにより、ホイ
スラーモードでマイクロ波放電を行わせることができる
ため、より高密度の電子密度ne を得ることができ、こ
れによつても、より多量の多価イオンを得ることがで
き、大電流の多価イオンビームを得ることができる。
【0022】さらに、本発明は、放電室に連通して、固
体試料を加熱する蒸発炉を設けることができ、これによ
り、ガス試料以外に、他の純金属、金属酸化物、金属塩
化物等を気化して放電室内で放電させることができ、よ
り大電流の金属多価イオンビームを得ることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明によるマイクロ波イオン源及び
イオン打ち込み装置の実施例を図面により詳細に説明す
る。
【0024】図1は本発明の一実施例によるマイクロ波
イオン源の構造を示す断面図、図2は本発明の一実施例
によるイオン源におけるフィラメント電流と多価イオン
ビーム電流との関係を説明する図である。図1におい
て、8は熱フィラメント、9は内円筒、10は蒸発炉で
あり、他の符号は図4の場合と同一である。
【0025】本発明の一実施例によるマイクロ波イオン
源は、放電室1内に熱フィラメント8、内円筒9が設置
され、放電室1に連通する蒸発炉10が設けられて構成
されている点が、前述した従来技術と相違し、その他の
点では従来技術と同様な構造を備えて構成されている。
【0026】図1に示す本発明の一実施例において、放
電室1は、内径90mm、長さ210mmの円筒形であ
り、ステンレス製であり、この内側には、タンタル製の
内円筒9が設置されている。この内円筒9は、蒸発炉1
0で生成した固体試料の蒸気が付着しないように加熱し
て使用される。
【0027】この放電室1に生成される多極磁場は、長
さ50mmのサマリウム−コバルト製の永久磁石を使用
した図4(b)で説明したと同様な8極の永久磁石2に
より生成される。この永久磁石2の表面磁束密度は0.
4Tである。また、放電室1に生成されるミラー磁場
は、ヨーク付きのソレノイドコイルにより構成されるコ
イル3を2個使用して生成される。それぞれのコイルの
中心磁場は0.11 Tである。
【0028】石英窓4は、厚さ5mmの真空封止用のも
のと、厚さ10mmの熱遮蔽用のものとを2枚使用して
形成されている。マイクロ波5は、その周波数が、2.
45GHzであり、矩形導波管から放電室1の円形に合
わせた円形導波管に変換して導入される。
【0029】熱フィラメント8は、太さ0.5 mmのタ
ングステン線を使用して形成され、熱フィラメント8と
放電室1との間、図示実施例の場合、熱フィラメント8
と内円筒9との間に250Vの直流電圧を印加した。ま
た、引き出し電極7には、10kVの直流電圧を印加
し、これにより、放電室1内で生成された多価イオン
が、イオンビーム6として引き出される。
【0030】次に、前述のように構成される本発明の一
実施例によるイオン源を動作させ、引き出されたイオン
ビーム6を、磁場型の偏向電磁石で質量分離して、ファ
ラデーカップで電流値を測定した結果を図2を参照して
説明する。
【0031】図2に示す例は、放電室1に5×10~2
aのArガスを導入し、350Wのマイクロ波を放電室
1に導入して放電させて放電室1内をプラズマ化し、こ
れにより生成されたイオンを、電極7に10kVの電圧
を印加してイオンビーム6として引き出した場合のもの
であり、このような条件の下で、熱フィラメント8に徐
々に電流を流して、質量分離器により分離された+2価
のArイオンによるイオンビームの電流値を測定した結
果である。
【0032】図2において、横軸は熱フィラメント8に
流した電流値、縦軸はファラデーカップにより測定した
+2価のArイオンによるイオンビームの電流値と、熱
フィラメント8と放電室1との間に印加された電圧によ
るアーク電流の電流値とである。なお、これらの図示の
値は相対値を示すものである。
【0033】図2から判るように、熱フィラメント8が
充分に加熱されて多量の電子が放出され、熱フィラメン
ト8と放電室1との間に印加された電圧によるアーク電
流が増加するに従って、+2価のArイオンによるイオ
ンビームの電流値が増加していく。そして、この+2価
のArイオンによるイオンビームの電流値は、10mA
の桁まで、大幅に増大させることができた。
【0034】このように、前述した本発明の一実施例に
よるマイクロ波イオン源よれば、熱フィラメントから電
子を補給することにより多価イオンを効率よく生成する
ことができるため、質量分離後の多価イオンビームとし
て10mAの桁の大電流のイオンビームを得ることがで
きる。
【0035】なお、前述した本発明の一実施例によるイ
オン源は、Arイオンによるイオンビームを生成するも
のとして説明したが、本発明は、蒸発炉10により純金
属、金属酸化物、金属塩化物等を気化して放電室1に導
入することにより、これらの物質のイオンによるイオン
ビームを得ることもできる。
【0036】さらに、本発明の一実施例によるイオン源
を高エネルギーイオン打ち込み装置に適用した場合、1
0mAの桁の大電流領域で、数百keVから数MeVま
での任意のエネルギーを持つ高エネルギーイオンビーム
を発生させることができる。
【0037】図3は本発明の一実施例によるイオン打ち
込み装置の構成を示すブロック図である。図3におい
て、51はイオン源、52は質量分離器、53はレン
ズ、54は加速器、55は偏向器、56はイオン打ち込
み室である。
【0038】図示本発明の一実施例によるイオン打ち込
み装置は、前述した本発明一実施例によるイオン源を使
用したイオン打ち込み装置であり、図に示すように、イ
オン源51、質量分離器52、レンズ53、加速器5
4、偏向器55、イオン打ち込み室56を順に配置して
構成される。そして、イオン源51としては、前述で説
明した本発明の一実施例によるマイクロ波イオン源が使
用されている。
【0039】この本発明の一実施例によるイオン打ち込
み装置は、イオン源51として前述した本発明の一実施
例によるマイクロ波イオン源を使用することにより、1
0mAの桁の大電流領域で、数百keVから数MeVま
での任意のエネルギーを持つ高エネルギーイオンビーム
を発生させることができるものである。
【0040】前述のような構成を持つイオン打ち込み装
置において、質量分離器52は、偏向角90°のセクタ
ーマグネットにより構成され、マグネットの磁場の強度
を制御することにより、必要なイオンを選別するもので
ある。レンズ53は、三段型の磁気四重極レンズであ
り、直径10mmのRFQ加速器の入射口へイオンを収
束させるためのものであり、大電流ビームの収束を目的
として、口径は102mmと大口径にした。
【0041】また、加速器54は、外部共振回路型のエ
ネルギー可変型RFQ(Radio Frequency Quadrupole;
高周波四重極)加速器であり、インダクタンス可変型コ
イルとRFQ電極自身のキャパシタンスとによるLC共
振により、高周波高電圧を発生させるものである。ビー
ム偏向器55は、ビーム純度への要求が厳しいシリコン
等の半導体デバイスへの打ち込みの場合に挿入されるも
ので、高ドーズ打ち込みを目的とした金属、セラミック
ス等の材料表層改質の場合、RFQ加速器から直接、イ
オン打ち込み室56を接続することができる。
【0042】前述した本発明の一実施例によるイオン打
ち込み装置は、特に、前述した本発明の一実施例による
イオン源を使用することにより、従来生成の困難であっ
た大電流の多価イオンビームを使用することができるの
で、10mAの桁の大電流領域で、数百keVから数M
eVまでの任意のエネルギーの高エネルギーイオンビー
ムをターゲットへ打ち込むことができる。
【0043】そして、図示イオン打ち込み装置は、イオ
ン源51が従来技術の場合以上の多価のイオンビームを
大電流で生成することができるため、加速器54への印
加電圧を低減することができ、装置全体の省エネルギー
化、低電力型化を図ることができる。
【0044】前述において、加速器54の高周波高電圧
の発生にインダクタンス可変型コイルを使用するとして
説明したが、これは出射イオンのエネルギーを可変にす
るためであり、容量可変型コンデンサと固定インダクタ
ンスのコイルとを用いる方法であってもよい。また、本
発明は、前述の実施例で示した外部共振回路型RFQ加
速器[RFQ電極はロッド型(rod-type)と呼ぶ]54
に代えて、空洞共振構造のRFQ加速器[RFQ電極は
ベイン型(vane-type)と呼ぶ]を使用することもでき
る。また、加速器54は、いずれの場合も、四重極電極
の代わりに、六極以上の偶数極を持つ多重極電極を備え
て構成されるものでもよく、同等の効果を得ることがで
きる。
【0045】また、前述した本発明の一実施例によるイ
オン打ち込み装置は、イオン源51と、イオン打ち込み
室56との間に、質量分離器52、レンズ53、加速器
54、偏向器55を順に配置して構成したとして説明し
たが、イオン打ち込み装置は、基本的には、イオン源5
1とイオン打ち込み室56とのみにより構成することが
でき、これらの間に配置される前述の機器は、イオン打
ち込み装置の使用目的に応じて、任意にその1つまたは
複数を選択して配置すればよい。
【0046】前述した本発明の一実施例によるマイクロ
波イオン源によれば、従来のマイクロ波イオン源の高電
子密度プラズマ生成、長寿命イオンの生成という特徴を
維持したまま、さらに高電子密度、高電子温度のプラズ
マを生成することができ、10mAの桁の大電流領域の
質量分離多価イオンビームを発生させることができる。
【0047】また、本発明の一実施例によるイオン源を
エネルギー可変型の高エネルギーイオン打ち込み装置に
適用することにより、10mAの桁の大電流領域で、数
百keVから数MeVまでの任意のエネルギーの高エネ
ルギーイオンビームを得ることができる、省エネルギ
ー、低電力型の高エネルギーイオン打ち込み装置を提供
することができる。
【0048】そして、前述のイオン打ち込み装置によ
り、装置寸法制約の厳しい半導体製造工場の大量生産工
程において、MeVのエネルギーのイオンビ−ムが利用
できるようになるばかりではなく、金属、セラミックス
等の材料表層改質を短時間で行うことのできる大量生産
用のイオン処理装置を提供することができる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明のイオン源に
よれば、大電流領域の多価のイオンビームを発生させる
ことができ、このイオン源を使用することにより、数百
keVから数MeVまでの任意のエネルギーの高エネル
ギーイオンビームをターゲットへ打ち込むことのできる
イオン打ち込み装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるマイクロ波イオン源の
構造を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例によるイオン源におけるフィ
ラメント電流と多価イオンビーム電流との関係を説明す
る図である。
【図3】本発明の一実施例によるイオン打ち込み装置の
構成を示すブロック図である。
【図4】従来技術によるイオン源の構造を説明する断面
図である。
【符号の説明】
1 放電室 2 永久磁石 3 コイル 4 石英窓 5 マイクロ波 6 イオンビーム 7 引き出し電極 8 熱フィラメント 9 内円筒 10 蒸発炉 51 イオン源 52 質量分離器 53 レンズ 54 加速器 55 偏向器 56 イオン打ち込み室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/265 (72)発明者 作道 訓之 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁場中のマイクロ波放電によって生成し
    たプラズマからイオンを引き出すマイクロ波イオン源に
    おいて、前記プラズマを生成する放電室内に電子放出用
    の熱フィラメントを設け、該フィラメントと前記放電室
    との間に直流、あるいは、交流の電圧を印加することを
    特徴とするマイクロ波イオン源。
  2. 【請求項2】 前記放電室内に印加する磁場が、ミラー
    磁場と多極磁場との重畳磁場であることを特徴とする請
    求項1記載のマイクロ波イオン源。
  3. 【請求項3】 前記マイクロ波をミラー磁場に平行な方
    向から前記放電室に導入することを特徴とする請求項1
    または2記載のマイクロ波イオン源。
  4. 【請求項4】 固体試料を加熱する蒸発炉を前記放電室
    に連通して設けたことを特徴とする請求項1、2または
    3記載のマイクロ波イオン源。
  5. 【請求項5】 イオンビームを発生させるためのイオン
    源と、イオンビームを処理の対象となる材料に打ち込む
    イオン打ち込み室とを備えて構成されるイオン打ち込み
    装置において、前記イオン源として請求項1ないし4の
    うち1記載のマイクロ波イオン源を使用したことを特徴
    とするイオン打ち込み装置。
  6. 【請求項6】 前記イオン源とイオン打ち込み室との間
    に、イオンビームを質量分離するための質量分離器、イ
    オンビームを収束するためのレンズ系、イオンビームを
    加速するための加速器、イオンビームを偏向させるため
    の偏向器のいずれか1つまたは複数を配置したことを特
    徴とする請求項5記載のイオン打ち込み装置。
  7. 【請求項7】 前記加速器が、エネルギー可変型の高周
    波線形加速器であることを特徴とする請求項6記載のイ
    オン打ち込み装置。
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