JP3454389B2 - イオンビーム発生装置のプラズマ加熱方法 - Google Patents
イオンビーム発生装置のプラズマ加熱方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、イオンビーム発生装置
のプラズマ加熱方法に係わり、更に詳しくは、多価電離
イオンの割合が高いイオンビームを連続して発生するイ
オンビーム発生装置におけるプラズマ加熱方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】真空アーク放電によりカソードを構成す
る物質を気化し、かつイオン化して金属プラズマを形成
し、この金属プラズマからイオンビームを抽出する装置
が既に開示されている(例えば特開昭63−27685
8号公報)。このイオンビーム発生装置は、図4に例示
するように、真空室1、カソード2、アノード3、アノ
ード保持部材4、トリガー電極5、コイル6、イオン抽
出電極7、等から構成され、カソード2と同心状に配置
したトリガー電極5の間に微小放電を起こさせ、これに
よってカソード2とアノード3の間にアーク放電を発生
させ、このアーク放電によりカソード2の一部を気化さ
せてプラズマ8を形成し、コイル6により形成された磁
場によりプラズマ8をアノード3の開口部を通過させ、
更にイオン抽出電極7によりアノード3を通過したプラ
ズマ8からイオンビーム9を抽出するようになってい
た。 【0003】しかし、かかるイオンビーム発生装置で
は、真空アーク放電によって形成した金属プラズマ8か
らイオンビーム9を直接引き出しているため、イオンビ
ーム中の多価電離イオンの割合が非常に低く、このため
イオンビームに所定のエネルギーを付与するためのイオ
ン抽出系の電源容量を大きくしなければならないという
問題点があった。また、この装置は、数ミリ秒の短時間
のパルス波でしかイオンビームを発生できない問題点が
あった。更に、この装置は、構造が複雑であった。 【0004】かかる問題点を解決するために、本願発明
の発明者等は、マイクロ波を真空チャンバー内に導入す
ることにより、多価電離イオンの割合を高めることがで
きるイオンビーム装置を創案し、出願した(特開平5−
101799号公報)。このイオンビーム装置は、図5
に例示するように、カソード10、真空チャンバー1
1、マイクロ波導入部12、アーク電源13、マルチカ
スプ磁場を形成する磁石14、イオン抽出電極15等を
備えており、真空チャンバー11内を真空にし、マイク
ロ波導入部12よりマイクロ波を導入してマイクロ波プ
ラズマを発生させ、アーク電源13を作動させてマイク
ロ波プラズマをトリガーとしてカソード10とマイクロ
波プラズマ間に真空アーク放電を発生させて、カソード
物質の金属プラズマ16を真空チャンバー11内に形成
し、磁石14により金属プラズマ16を一時的に封じ込
めて、マイクロ波により多価電離イオンの割合を増加さ
せ、イオン抽出電極15によってイオンのみを抽出し、
多価電離イオンの割合の高いイオンビーム17を形成す
るようになっていた。 【0005】すなわち、マイクロ波の印加によるいわゆ
る電子サイクロトロン共鳴加熱(ECRH:Electron Cy
clotron Resonance Heating )によってプラズマ中の電
子のエネルギーを増幅し、これにより、電子とイオン、
又は電子と中性粒子との衝突による多価電離イオンの形
成を促進し、金属プラズマ中の多価電離イオンの割合を
高める装置であり、図4の装置に比較して、多価電離イ
オンの割合を高め、かつ長時間連続してイオンビームを
発生させることができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】金属プラズマ中にはそ
の分子量に相当する多数の電子が存在し、その一部が電
子の運動の活発化により剥ぎとられると、1価以上の多
価電離イオン(以下、多価イオン)となる。このように
金属プラズマ中の多価イオンの割合を高めることは、以
下の2つの点で重要である。 【0007】まず、表面改質、金属膜形成、基板内部
への異種金属の打ち込み、等のために、同じ電源容量で
より高エネルギーのイオンビームを発生でき、金属イオ
ンをより深くまで打ち込むことができる。例えば、金属
イオンを100KeVまで加速(高エネルギー化)する
場合に、5価の金属イオンでは20KVの電源容量が必
要となるのに対して10価の金属イオンでは10KVで
足りることになる。更に1000KeVまで加速する場
合には、5価で200KV必要であるのに対して10価
では100KVで足りる。すなわち、金属イオンを多価
化するほどそれに反比例して電源容量を小さくすること
ができる。 【0008】また、金属プラズマより発光する光の波
長が1/Z1/2 (Zは原子番号)に比例するため、特に
原子番号(Z)の大きい金属分子(例えばU238 )を高
多価化できると、極超短波光(例えばX線)の発生源と
なり、極めて発生が困難と考えられているX線レーザー
装置として用いることができる。 【0009】しかし、図4に示した従来のイオンビーム
発生装置では、前述したように、イオンビーム中の多価
イオンの割合が非常に低く、このためイオンビームに所
定のエネルギーを付与するためにイオン抽出系の電源容
量を非常に大きくしなければならないという問題点があ
った。また、この装置は、数ミリ秒の短時間のパルス波
でしかイオンビームを発生できなかった。 【0010】また、図5に示したイオンビーム装置で
も、マイクロ波によって、金属プラズマを加熱して多価
イオンの割合を高めるため、電子の温度上昇と共に多
価イオンの温度も上昇してしまい、プラズマより発光す
る光のスペクトル幅が広くなり、レーザー光源として用
いることができなくなる、マイクロ波を発振するため
の電源とその発振管、及びマイクロ波を装置まで運ぶた
めの導波管の配管、導波管の電気絶縁等装置が複雑にな
る、等の問題点があった。 【0011】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、多
価イオンの温度をあまり上昇させることなく、電子温度
を上昇させることができ、かつ装置全体を小さくできて
電子を高温まで加熱でき、これにより多価イオンの割合
を一層大きくできる、イオンビーム発生装置のプラズマ
加熱方法を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、仕切り
板で第1チャンバーと第2チャンバーに区分された真空
容器と、第1チャンバー内に配置され負に印加されるカ
ソードと、該カソードに対向する位置の前記仕切り板に
設けられ第1貫通孔を有する第1アノードと、カソード
と第1貫通孔を結ぶ軸線上の第2チャンバー壁に設けら
れ第2貫通孔を有する第2アノードと、該第2アノード
に隣接してカソードと反対側に設けられ金属プラズマか
らイオンビームを発生させるイオンビーム抽出電極と、
を備えたイオンビーム発生装置のプラズマ加熱方法にお
いて、ガスを封入した状態で第1チャンバーと第2チャ
ンバーをそれぞれ独立に真空排気して第1チャンバーよ
りも第2チャンバーの圧力が低くなるように差動排気
し、次いで、高電圧小電流を第1アノード及び第2アノ
ードとカソード間に印加して、第1アノードとカソード
の間にグロー放電を発生させ、次いで、前記高電圧低電
流を低電圧大電流に切り換えて、前記グロー放電を第2
アノードとカソードの間のアーク放電に転移させ、この
アーク放電により金属プラズマを形成し、次いで、前記
低電圧大電流に大電流パルス電流を重畳させて、前記金
属プラズマに大電流をパルス的に流して金属プラズマを
加熱する、ことを特徴とするイオンビーム発生装置のプ
ラズマ加熱方法が提供される。 【0013】 【0014】 【作用】上記本発明の方法によれば、第1アノードとカ
ソードの間にグロー放電を発生させ、これを第2アノー
ドとカソードの間のアーク放電に転移させるので、安定
してアーク放電を発生させることができ、このアーク放
電により金属プラズマを形成することができる。次い
で、アーク放電中の低電圧大電流に大電流パルス電流を
重畳させて、金属プラズマに大電流をパルス的に流して
金属プラズマを加熱するので、金属プラズマを安定に保
持したままで、パルス電流の制御により自由に金属プラ
ズマを加熱することができる。 【0015】この加熱方法は、大電流を用いた一種のジ
ュール加熱であるので、金属プラズマ中の電子の運動を
直接活発にして電子を剥ぎとり多価イオン化することが
できる。また、直接電子の運動を活発にするので、イオ
ンの温度自体は上がりにくい。更に、イオン温度があま
り上がらないため、発光光源として好適であり、かつパ
ルス電流による加熱であるので、パルス間隔によりその
加熱を容易に制御でき、多価化をパルスの頻度により自
由に増大させることができる。 【0016】 【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図1は、本発明によるプラズマ加熱方法
を適用するイオンビーム発生装置の全体構成図である。
この図において、イオンビーム発生装置20は、仕切り
板21で第1チャンバー22と第2チャンバー23に区
分された真空容器24と、第1チャンバー22内に配置
され負に印加されるカソード27と、カソード27に対
向する位置の仕切り板21に設けられ第1貫通孔25を
有する第1アノード26と、カソード27と第1貫通孔
25を結ぶ軸線Z上の第2チャンバー壁に設けられ第2
貫通孔24aを有する第2アノード28と、第2アノー
ド28に隣接してカソードと反対側に設けられ金属プラ
ズマからイオンビーム38を発生させるイオンビーム抽
出電極37と、を備えている。 【0017】第1チャンバー22と第2チャンバー23
は、図示しない真空装置によりそれぞれ独立に真空排気
され、これにより、アークプラズマ32の発生時にカソ
ードが蒸発して金属イオンが発生する第1チャンバー2
2よりも第2チャンバー23の圧力が低くなるように差
動排気するようになっている。 【0018】また、図1に示すように、このイオンビー
ム発生装置20は、第1チャンバー22及び第2チャン
バー23内に発生するプラズマを少なくとも一時的に封
じ込める磁場を発生させる磁場発生装置30を更に備え
ている。磁場発生装置30は、マルチカスプ磁場を形成
するための複数の永久磁石30aと、その両側に設けら
れたミラー磁場を形成するための空心コイル30b、3
0cとからなり、これらの2つの磁場により、第1チャ
ンバー22及び第2チャンバー23内にプラズマ閉じ込
め空間を形成するようになっている。なお、磁場発生装
置30は、かかる構成に限定されず、例えば、特開平5
−101799号に開示したような種々の構成のもので
あってもよい。 【0019】上述した装置は以下のように使用される。
すなわち、真空チャンバー22、23内を真空(例えば
10-2〜10-4Torr) に保持し、アノード26とカソー
ド27との間に真空アーク放電31を発生させてカソー
ド物質の金属プラズマを形成し、この状態で真空チャン
バー22、23内の真空度を10-5〜10-6Torrに保
ち、磁場発生装置30による磁場により金属プラズマ3
2を一時的に封じ込め、イオンビーム抽出電極37によ
る電界により金属プラズマ32からイオンビーム38を
発生させる。 【0020】イオンビーム発生装置20は更に、カソー
ド27と第1アノード26及び第2アノード28の間に
放電を起こさせるための直流電源装置40と、発生した
金属プラズマ32を加熱するためのパルス電源装置48
と、イオンビーム抽出電極37に電圧を印加するための
イオンビーム抽出電源39a、39bと、を備えてい
る。 【0021】図2(A)は、直流電源装置40及びパル
ス電源装置48の模式的構成図である。この図に示すよ
うに、電源装置40は、低電圧大電流電源42、高電圧
小電流電源44、遅延接続回路46、コイルL1 、
L2 、抵抗R、等からなる。かかる構成により、遅延接
続回路46がONの状態で低電圧電源42により接点A
/C間に低電圧大電流を印加することができ、遅延接続
回路46がOFFの状態で高電圧電源44の高電圧(或
いはこれと低電圧電源42の電圧を加算した高電圧)を
接点A/C間に印加することができるようになってい
る。 【0022】低電圧大電流は、約200V/250Aか
ら約60V/50A程度に設定するのがよく、高電圧小
電流は、約1.2KV/20mA程度であるのがよい。 【0023】パルス電源装置48は、直流電源装置40
と並列に設置されており、低電圧電源42による低電圧
大電流に大電流パルス電流を重畳させて、金属プラズマ
32に大電流をパルス的に流せるようになっている。か
かるパルス電源装置48による電流は、約500Aから
1000Aであり、パルス幅が約250μsec、繰り
返し数が約1pps程度であるのがよい。 【0024】上述した回路構成により、金属プラズマ3
2が発生した後の接点A/C間の電流は図2(B)に模
式的に示すようになる。すなわち、金属プラズマ32が
一旦形成されると、金属プラズマ32には低電圧電源4
2による大電流(例えば250A)が定常的に流れてい
る。更に、パルス電源装置48による大電流パルス電流
(例えば1000A)を重畳させて流すと、金属プラズ
マ32には両方の電流が加算された非常に大きな電流
(例えば1250A)がパルス的に流れ、これにより、
金属プラズマ32が加熱され、金属プラズマ32中の多
価イオンの割合を高めることができる。 【0025】この加熱方法は、大電流を用いた一種のジ
ュール加熱であるので、金属プラズマ中の電子の運動を
直接活発にして電子を剥ぎとり多価イオン化することが
できる。また、直接電子の運動を活発にするので、イオ
ンの温度自体は上がりにくい。更に、パルス電流による
加熱であるので、パルス間隔によりその加熱を容易に制
御でき、多価化をパルスの頻度により自由に増大させる
ことができる。 【0026】またこの金属プラズマ32から抽出された
イオンビーム38は、真空容器に設けられた別の装置に
導入し、金属プラズマの分離、金属膜形成、基板内部へ
の異種金属の打ち込み、X線ソース、レーザ源、等の用
途に利用することができる。 【0027】すなわち、本発明の方法によれば、ガスを
封入した状態で真空容器24内を真空排気し、次いで、
高電圧電源44により高電圧小電流を第1アノード26
及び第2アノード28とカソード27間に印加して、第
1アノード26とカソード27の間にグロー放電31を
発生させ、次いで、遅延接続回路46により高電圧低電
流を低電圧大電流に切り換えて、グロー放電31を第2
アノード28とカソード27の間のアーク放電に転移さ
せ、このアーク放電により金属プラズマ32を形成し、
次いで、低電圧大電流にパルス電源装置48により大電
流パルス電流を重畳させて、金属プラズマ32に大電流
をパルス的に流して金属プラズマ32を加熱することが
できる。ガスには、ヘリウム(He)又はアルゴン(A
r)を用いるのがよい。 【0028】図3は、本発明による方法の試験結果を示
す図である。この図において、横軸は、金属プラズマを
流れる電流(プラズマ電流)であり、縦軸は銅イオンの
スペクトル強度である。この試験ではプラズマ電流は、
上述した低電圧電源42により電流を変化させた。ま
た、スペクトル強度は、各多価イオンの増大と共に強く
なることが知られている。 【0029】この図から明らかなように、プラズマ電流
の増加に伴って、スペクトル強度が増大しており、各多
価イオンがプラズマ電流の増加により多くなることがわ
かる。なお、本発明は上述した実施例に限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿
論である。 【0030】 【発明の効果】上述したように本発明の方法によれば、
安定してアーク放電を発生させることができ、このアー
ク放電により金属プラズマを形成することができる。次
いで、アーク放電中の低電圧大電流に大電流パルス電流
を重畳させて、金属プラズマに大電流をパルス的に流し
て金属プラズマを加熱するので、金属プラズマを安定に
保持したままで、大電流パルス電流の制御により自由に
金属プラズマを加熱することができる。 【0031】またこの加熱方法は、一種のジュール加熱
であるので、金属プラズマ中の電子の運動を直接活発に
して電子を剥ぎとり多価イオン化することができる。ま
た、直接電子の運動を活発にするので、イオンの温度自
体は上がりにくい。更に、パルス電流による加熱である
ので、パルス間隔によりその加熱を容易に制御でき、多
価化をパルスの頻度により自由に増大させることができ
る。 【0032】従って、本発明のイオンビーム発生装置の
プラズマ加熱方法は、多価イオンの温度をあまり上昇さ
せることなく、電子温度を上昇させることができ、かつ
装置全体を小さくできて電子を高温まで加熱でき、これ
により多価イオンの割合を一層大きくできる、等の優れ
た効果を有する。
のプラズマ加熱方法に係わり、更に詳しくは、多価電離
イオンの割合が高いイオンビームを連続して発生するイ
オンビーム発生装置におけるプラズマ加熱方法に関す
る。 【0002】 【従来の技術】真空アーク放電によりカソードを構成す
る物質を気化し、かつイオン化して金属プラズマを形成
し、この金属プラズマからイオンビームを抽出する装置
が既に開示されている(例えば特開昭63−27685
8号公報)。このイオンビーム発生装置は、図4に例示
するように、真空室1、カソード2、アノード3、アノ
ード保持部材4、トリガー電極5、コイル6、イオン抽
出電極7、等から構成され、カソード2と同心状に配置
したトリガー電極5の間に微小放電を起こさせ、これに
よってカソード2とアノード3の間にアーク放電を発生
させ、このアーク放電によりカソード2の一部を気化さ
せてプラズマ8を形成し、コイル6により形成された磁
場によりプラズマ8をアノード3の開口部を通過させ、
更にイオン抽出電極7によりアノード3を通過したプラ
ズマ8からイオンビーム9を抽出するようになってい
た。 【0003】しかし、かかるイオンビーム発生装置で
は、真空アーク放電によって形成した金属プラズマ8か
らイオンビーム9を直接引き出しているため、イオンビ
ーム中の多価電離イオンの割合が非常に低く、このため
イオンビームに所定のエネルギーを付与するためのイオ
ン抽出系の電源容量を大きくしなければならないという
問題点があった。また、この装置は、数ミリ秒の短時間
のパルス波でしかイオンビームを発生できない問題点が
あった。更に、この装置は、構造が複雑であった。 【0004】かかる問題点を解決するために、本願発明
の発明者等は、マイクロ波を真空チャンバー内に導入す
ることにより、多価電離イオンの割合を高めることがで
きるイオンビーム装置を創案し、出願した(特開平5−
101799号公報)。このイオンビーム装置は、図5
に例示するように、カソード10、真空チャンバー1
1、マイクロ波導入部12、アーク電源13、マルチカ
スプ磁場を形成する磁石14、イオン抽出電極15等を
備えており、真空チャンバー11内を真空にし、マイク
ロ波導入部12よりマイクロ波を導入してマイクロ波プ
ラズマを発生させ、アーク電源13を作動させてマイク
ロ波プラズマをトリガーとしてカソード10とマイクロ
波プラズマ間に真空アーク放電を発生させて、カソード
物質の金属プラズマ16を真空チャンバー11内に形成
し、磁石14により金属プラズマ16を一時的に封じ込
めて、マイクロ波により多価電離イオンの割合を増加さ
せ、イオン抽出電極15によってイオンのみを抽出し、
多価電離イオンの割合の高いイオンビーム17を形成す
るようになっていた。 【0005】すなわち、マイクロ波の印加によるいわゆ
る電子サイクロトロン共鳴加熱(ECRH:Electron Cy
clotron Resonance Heating )によってプラズマ中の電
子のエネルギーを増幅し、これにより、電子とイオン、
又は電子と中性粒子との衝突による多価電離イオンの形
成を促進し、金属プラズマ中の多価電離イオンの割合を
高める装置であり、図4の装置に比較して、多価電離イ
オンの割合を高め、かつ長時間連続してイオンビームを
発生させることができる。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】金属プラズマ中にはそ
の分子量に相当する多数の電子が存在し、その一部が電
子の運動の活発化により剥ぎとられると、1価以上の多
価電離イオン(以下、多価イオン)となる。このように
金属プラズマ中の多価イオンの割合を高めることは、以
下の2つの点で重要である。 【0007】まず、表面改質、金属膜形成、基板内部
への異種金属の打ち込み、等のために、同じ電源容量で
より高エネルギーのイオンビームを発生でき、金属イオ
ンをより深くまで打ち込むことができる。例えば、金属
イオンを100KeVまで加速(高エネルギー化)する
場合に、5価の金属イオンでは20KVの電源容量が必
要となるのに対して10価の金属イオンでは10KVで
足りることになる。更に1000KeVまで加速する場
合には、5価で200KV必要であるのに対して10価
では100KVで足りる。すなわち、金属イオンを多価
化するほどそれに反比例して電源容量を小さくすること
ができる。 【0008】また、金属プラズマより発光する光の波
長が1/Z1/2 (Zは原子番号)に比例するため、特に
原子番号(Z)の大きい金属分子(例えばU238 )を高
多価化できると、極超短波光(例えばX線)の発生源と
なり、極めて発生が困難と考えられているX線レーザー
装置として用いることができる。 【0009】しかし、図4に示した従来のイオンビーム
発生装置では、前述したように、イオンビーム中の多価
イオンの割合が非常に低く、このためイオンビームに所
定のエネルギーを付与するためにイオン抽出系の電源容
量を非常に大きくしなければならないという問題点があ
った。また、この装置は、数ミリ秒の短時間のパルス波
でしかイオンビームを発生できなかった。 【0010】また、図5に示したイオンビーム装置で
も、マイクロ波によって、金属プラズマを加熱して多価
イオンの割合を高めるため、電子の温度上昇と共に多
価イオンの温度も上昇してしまい、プラズマより発光す
る光のスペクトル幅が広くなり、レーザー光源として用
いることができなくなる、マイクロ波を発振するため
の電源とその発振管、及びマイクロ波を装置まで運ぶた
めの導波管の配管、導波管の電気絶縁等装置が複雑にな
る、等の問題点があった。 【0011】本発明は、かかる問題点を解決するために
創案されたものである。すなわち、本発明の目的は、多
価イオンの温度をあまり上昇させることなく、電子温度
を上昇させることができ、かつ装置全体を小さくできて
電子を高温まで加熱でき、これにより多価イオンの割合
を一層大きくできる、イオンビーム発生装置のプラズマ
加熱方法を提供することにある。 【0012】 【課題を解決するための手段】本発明によれば、仕切り
板で第1チャンバーと第2チャンバーに区分された真空
容器と、第1チャンバー内に配置され負に印加されるカ
ソードと、該カソードに対向する位置の前記仕切り板に
設けられ第1貫通孔を有する第1アノードと、カソード
と第1貫通孔を結ぶ軸線上の第2チャンバー壁に設けら
れ第2貫通孔を有する第2アノードと、該第2アノード
に隣接してカソードと反対側に設けられ金属プラズマか
らイオンビームを発生させるイオンビーム抽出電極と、
を備えたイオンビーム発生装置のプラズマ加熱方法にお
いて、ガスを封入した状態で第1チャンバーと第2チャ
ンバーをそれぞれ独立に真空排気して第1チャンバーよ
りも第2チャンバーの圧力が低くなるように差動排気
し、次いで、高電圧小電流を第1アノード及び第2アノ
ードとカソード間に印加して、第1アノードとカソード
の間にグロー放電を発生させ、次いで、前記高電圧低電
流を低電圧大電流に切り換えて、前記グロー放電を第2
アノードとカソードの間のアーク放電に転移させ、この
アーク放電により金属プラズマを形成し、次いで、前記
低電圧大電流に大電流パルス電流を重畳させて、前記金
属プラズマに大電流をパルス的に流して金属プラズマを
加熱する、ことを特徴とするイオンビーム発生装置のプ
ラズマ加熱方法が提供される。 【0013】 【0014】 【作用】上記本発明の方法によれば、第1アノードとカ
ソードの間にグロー放電を発生させ、これを第2アノー
ドとカソードの間のアーク放電に転移させるので、安定
してアーク放電を発生させることができ、このアーク放
電により金属プラズマを形成することができる。次い
で、アーク放電中の低電圧大電流に大電流パルス電流を
重畳させて、金属プラズマに大電流をパルス的に流して
金属プラズマを加熱するので、金属プラズマを安定に保
持したままで、パルス電流の制御により自由に金属プラ
ズマを加熱することができる。 【0015】この加熱方法は、大電流を用いた一種のジ
ュール加熱であるので、金属プラズマ中の電子の運動を
直接活発にして電子を剥ぎとり多価イオン化することが
できる。また、直接電子の運動を活発にするので、イオ
ンの温度自体は上がりにくい。更に、イオン温度があま
り上がらないため、発光光源として好適であり、かつパ
ルス電流による加熱であるので、パルス間隔によりその
加熱を容易に制御でき、多価化をパルスの頻度により自
由に増大させることができる。 【0016】 【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。図1は、本発明によるプラズマ加熱方法
を適用するイオンビーム発生装置の全体構成図である。
この図において、イオンビーム発生装置20は、仕切り
板21で第1チャンバー22と第2チャンバー23に区
分された真空容器24と、第1チャンバー22内に配置
され負に印加されるカソード27と、カソード27に対
向する位置の仕切り板21に設けられ第1貫通孔25を
有する第1アノード26と、カソード27と第1貫通孔
25を結ぶ軸線Z上の第2チャンバー壁に設けられ第2
貫通孔24aを有する第2アノード28と、第2アノー
ド28に隣接してカソードと反対側に設けられ金属プラ
ズマからイオンビーム38を発生させるイオンビーム抽
出電極37と、を備えている。 【0017】第1チャンバー22と第2チャンバー23
は、図示しない真空装置によりそれぞれ独立に真空排気
され、これにより、アークプラズマ32の発生時にカソ
ードが蒸発して金属イオンが発生する第1チャンバー2
2よりも第2チャンバー23の圧力が低くなるように差
動排気するようになっている。 【0018】また、図1に示すように、このイオンビー
ム発生装置20は、第1チャンバー22及び第2チャン
バー23内に発生するプラズマを少なくとも一時的に封
じ込める磁場を発生させる磁場発生装置30を更に備え
ている。磁場発生装置30は、マルチカスプ磁場を形成
するための複数の永久磁石30aと、その両側に設けら
れたミラー磁場を形成するための空心コイル30b、3
0cとからなり、これらの2つの磁場により、第1チャ
ンバー22及び第2チャンバー23内にプラズマ閉じ込
め空間を形成するようになっている。なお、磁場発生装
置30は、かかる構成に限定されず、例えば、特開平5
−101799号に開示したような種々の構成のもので
あってもよい。 【0019】上述した装置は以下のように使用される。
すなわち、真空チャンバー22、23内を真空(例えば
10-2〜10-4Torr) に保持し、アノード26とカソー
ド27との間に真空アーク放電31を発生させてカソー
ド物質の金属プラズマを形成し、この状態で真空チャン
バー22、23内の真空度を10-5〜10-6Torrに保
ち、磁場発生装置30による磁場により金属プラズマ3
2を一時的に封じ込め、イオンビーム抽出電極37によ
る電界により金属プラズマ32からイオンビーム38を
発生させる。 【0020】イオンビーム発生装置20は更に、カソー
ド27と第1アノード26及び第2アノード28の間に
放電を起こさせるための直流電源装置40と、発生した
金属プラズマ32を加熱するためのパルス電源装置48
と、イオンビーム抽出電極37に電圧を印加するための
イオンビーム抽出電源39a、39bと、を備えてい
る。 【0021】図2(A)は、直流電源装置40及びパル
ス電源装置48の模式的構成図である。この図に示すよ
うに、電源装置40は、低電圧大電流電源42、高電圧
小電流電源44、遅延接続回路46、コイルL1 、
L2 、抵抗R、等からなる。かかる構成により、遅延接
続回路46がONの状態で低電圧電源42により接点A
/C間に低電圧大電流を印加することができ、遅延接続
回路46がOFFの状態で高電圧電源44の高電圧(或
いはこれと低電圧電源42の電圧を加算した高電圧)を
接点A/C間に印加することができるようになってい
る。 【0022】低電圧大電流は、約200V/250Aか
ら約60V/50A程度に設定するのがよく、高電圧小
電流は、約1.2KV/20mA程度であるのがよい。 【0023】パルス電源装置48は、直流電源装置40
と並列に設置されており、低電圧電源42による低電圧
大電流に大電流パルス電流を重畳させて、金属プラズマ
32に大電流をパルス的に流せるようになっている。か
かるパルス電源装置48による電流は、約500Aから
1000Aであり、パルス幅が約250μsec、繰り
返し数が約1pps程度であるのがよい。 【0024】上述した回路構成により、金属プラズマ3
2が発生した後の接点A/C間の電流は図2(B)に模
式的に示すようになる。すなわち、金属プラズマ32が
一旦形成されると、金属プラズマ32には低電圧電源4
2による大電流(例えば250A)が定常的に流れてい
る。更に、パルス電源装置48による大電流パルス電流
(例えば1000A)を重畳させて流すと、金属プラズ
マ32には両方の電流が加算された非常に大きな電流
(例えば1250A)がパルス的に流れ、これにより、
金属プラズマ32が加熱され、金属プラズマ32中の多
価イオンの割合を高めることができる。 【0025】この加熱方法は、大電流を用いた一種のジ
ュール加熱であるので、金属プラズマ中の電子の運動を
直接活発にして電子を剥ぎとり多価イオン化することが
できる。また、直接電子の運動を活発にするので、イオ
ンの温度自体は上がりにくい。更に、パルス電流による
加熱であるので、パルス間隔によりその加熱を容易に制
御でき、多価化をパルスの頻度により自由に増大させる
ことができる。 【0026】またこの金属プラズマ32から抽出された
イオンビーム38は、真空容器に設けられた別の装置に
導入し、金属プラズマの分離、金属膜形成、基板内部へ
の異種金属の打ち込み、X線ソース、レーザ源、等の用
途に利用することができる。 【0027】すなわち、本発明の方法によれば、ガスを
封入した状態で真空容器24内を真空排気し、次いで、
高電圧電源44により高電圧小電流を第1アノード26
及び第2アノード28とカソード27間に印加して、第
1アノード26とカソード27の間にグロー放電31を
発生させ、次いで、遅延接続回路46により高電圧低電
流を低電圧大電流に切り換えて、グロー放電31を第2
アノード28とカソード27の間のアーク放電に転移さ
せ、このアーク放電により金属プラズマ32を形成し、
次いで、低電圧大電流にパルス電源装置48により大電
流パルス電流を重畳させて、金属プラズマ32に大電流
をパルス的に流して金属プラズマ32を加熱することが
できる。ガスには、ヘリウム(He)又はアルゴン(A
r)を用いるのがよい。 【0028】図3は、本発明による方法の試験結果を示
す図である。この図において、横軸は、金属プラズマを
流れる電流(プラズマ電流)であり、縦軸は銅イオンの
スペクトル強度である。この試験ではプラズマ電流は、
上述した低電圧電源42により電流を変化させた。ま
た、スペクトル強度は、各多価イオンの増大と共に強く
なることが知られている。 【0029】この図から明らかなように、プラズマ電流
の増加に伴って、スペクトル強度が増大しており、各多
価イオンがプラズマ電流の増加により多くなることがわ
かる。なお、本発明は上述した実施例に限定されず、本
発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更できることは勿
論である。 【0030】 【発明の効果】上述したように本発明の方法によれば、
安定してアーク放電を発生させることができ、このアー
ク放電により金属プラズマを形成することができる。次
いで、アーク放電中の低電圧大電流に大電流パルス電流
を重畳させて、金属プラズマに大電流をパルス的に流し
て金属プラズマを加熱するので、金属プラズマを安定に
保持したままで、大電流パルス電流の制御により自由に
金属プラズマを加熱することができる。 【0031】またこの加熱方法は、一種のジュール加熱
であるので、金属プラズマ中の電子の運動を直接活発に
して電子を剥ぎとり多価イオン化することができる。ま
た、直接電子の運動を活発にするので、イオンの温度自
体は上がりにくい。更に、パルス電流による加熱である
ので、パルス間隔によりその加熱を容易に制御でき、多
価化をパルスの頻度により自由に増大させることができ
る。 【0032】従って、本発明のイオンビーム発生装置の
プラズマ加熱方法は、多価イオンの温度をあまり上昇さ
せることなく、電子温度を上昇させることができ、かつ
装置全体を小さくできて電子を高温まで加熱でき、これ
により多価イオンの割合を一層大きくできる、等の優れ
た効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるアーク放電方法を適用するイオン
ビーム発生装置の全体構成図である。 【図2】電源装置の構成図(A)とその特性図(B)で
ある。 【図3】本発明による方法の試験結果を示す図である。 【図4】従来のイオンビーム発生装置の部分構成図であ
る。 【図5】本発明者等によるイオンビーム発生装置の全体
構成図である。 【符号の説明】 1 真空チャンバー 2 カソード 3 アノード 4 アノード保持部材 5 トリガー電極 6 コイル(磁石) 7 イオン抽出電極 8 プラズマ 9 イオンビーム 10 カソード 11 真空チャンバー 12 マイクロ波導入部 13 アーク電源 14 磁石 15 イオン抽出電極 16 金属プラズマ 17 イオンビーム 20 イオンビーム発生装置 21 仕切り板 22 第1チャンバー 23 第2チャンバー 24 真空容器 25 開口孔 26 第1アノード 27 カソード 28 第2アノード 30 磁場発生装置 31 グロー放電 32 アークプラズマ 37 イオンビーム抽出電極系 38 イオンビーム 39 イオンビーム抽出電源 40 電源装置 42 低電圧大電流電源(低電圧電源) 44 高電圧小電流電源(高電圧電源) 46 遅延接続回路 48 パルス電源装置
ビーム発生装置の全体構成図である。 【図2】電源装置の構成図(A)とその特性図(B)で
ある。 【図3】本発明による方法の試験結果を示す図である。 【図4】従来のイオンビーム発生装置の部分構成図であ
る。 【図5】本発明者等によるイオンビーム発生装置の全体
構成図である。 【符号の説明】 1 真空チャンバー 2 カソード 3 アノード 4 アノード保持部材 5 トリガー電極 6 コイル(磁石) 7 イオン抽出電極 8 プラズマ 9 イオンビーム 10 カソード 11 真空チャンバー 12 マイクロ波導入部 13 アーク電源 14 磁石 15 イオン抽出電極 16 金属プラズマ 17 イオンビーム 20 イオンビーム発生装置 21 仕切り板 22 第1チャンバー 23 第2チャンバー 24 真空容器 25 開口孔 26 第1アノード 27 カソード 28 第2アノード 30 磁場発生装置 31 グロー放電 32 アークプラズマ 37 イオンビーム抽出電極系 38 イオンビーム 39 イオンビーム抽出電源 40 電源装置 42 低電圧大電流電源(低電圧電源) 44 高電圧小電流電源(高電圧電源) 46 遅延接続回路 48 パルス電源装置
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名)
H01J 37/08
H01J 27/08
H01J 27/18
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 仕切り板で第1チャンバーと第2チャン
バーに区分された真空容器と、第1チャンバー内に配置
され負に印加されるカソードと、該カソードに対向する
位置の前記仕切り板に設けられ第1貫通孔を有する第1
アノードと、カソードと第1貫通孔を結ぶ軸線上の第2
チャンバー壁に設けられ第2貫通孔を有する第2アノー
ドと、該第2アノードに隣接してカソードと反対側に設
けられ金属プラズマからイオンビームを発生させるイオ
ンビーム抽出電極と、を備えたイオンビーム発生装置の
プラズマ加熱方法において、 ガスを封入した状態で第1チャンバーと第2チャンバー
をそれぞれ独立に真空排気して第1チャンバーよりも第
2チャンバーの圧力が低くなるように差動排気し、 次いで、高電圧小電流を第1アノード及び第2アノード
とカソード間に印加して、第1アノードとカソードの間
にグロー放電を発生させ、 次いで、前記高電圧低電流を低電圧大電流に切り換え
て、前記グロー放電を第2アノードとカソードの間のア
ーク放電に転移させ、このアーク放電により金属プラズ
マを形成し、 次いで、前記低電圧大電流に大電流パルス電流を重畳さ
せて、前記金属プラズマに大電流をパルス的に流して金
属プラズマを加熱する、ことを特徴とするイオンビーム
発生装置のプラズマ加熱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32606094A JP3454389B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | イオンビーム発生装置のプラズマ加熱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32606094A JP3454389B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | イオンビーム発生装置のプラズマ加熱方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08185821A JPH08185821A (ja) | 1996-07-16 |
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Family
ID=18183670
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP32606094A Expired - Fee Related JP3454389B2 (ja) | 1994-12-27 | 1994-12-27 | イオンビーム発生装置のプラズマ加熱方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
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JP6834536B2 (ja) * | 2017-01-30 | 2021-02-24 | 株式会社Ihi | プラズマ光源 |
CN110923624B (zh) * | 2019-12-13 | 2020-11-24 | 北京师范大学 | 一种基于离子束印刷系统的离子束印刷方法 |
CN114442437B (zh) * | 2020-10-30 | 2024-05-17 | 上海宏澎能源科技有限公司 | 光源装置 |
-
1994
- 1994-12-27 JP JP32606094A patent/JP3454389B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH08185821A (ja) | 1996-07-16 |
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