JPH06150858A - 電子銃 - Google Patents

電子銃

Info

Publication number
JPH06150858A
JPH06150858A JP4302654A JP30265492A JPH06150858A JP H06150858 A JPH06150858 A JP H06150858A JP 4302654 A JP4302654 A JP 4302654A JP 30265492 A JP30265492 A JP 30265492A JP H06150858 A JPH06150858 A JP H06150858A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cathode
chamber
gas
electron gun
extraction grid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4302654A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiko Niwa
景子 丹羽
Sukeyuki Yasui
祐之 安井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP4302654A priority Critical patent/JPH06150858A/ja
Publication of JPH06150858A publication Critical patent/JPH06150858A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電子銃において、高電圧室の絶縁を保持し、
より長時間にわたる運転を可能とする。 【構成】 陰極20の内部が中空に構成され、その中空
部が絶縁ガスが流通する絶縁ガス室21とされている。
即ち、高電圧室5と隔離された絶縁ガス室21が陰極内
部に形成され、ここに大気圧程度の絶縁ガス(例えば、
SF6 ガス)が供給されている。また、前記絶縁ガス室
21は高電圧室5に対して完全にシールされ、ガス漏れ
等がないように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高電力電子銃に係り、
特に、陰極を冷却することができるように改良を施した
電子銃に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、化学反応、顕微鏡、分析、溶接等
の多くの先端材料の分野で電子ビームが使用され、この
電子ビームの発生源として電子銃が用いられている。図
4及び図5に従来から用いられている電子銃の一例を示
した。即ち、電子銃は、絶縁物2を介して陽極ワイヤ1
をその内部に貫通配置したイオン化室3と、後述する導
電性抽出グリッド10を介して前記イオン化室3と連通
する単一の高電圧室5とから構成されている。また、前
記イオン化室3には、高電圧室5とは反対側に、電子に
対して透過性のある出口窓9が形成され、さらに、高電
圧室5との連結部には、出口窓9の電圧に等しい電圧の
導電性抽出グリッド10が形成されている。
【0003】一方、前記高電圧室5内には、高い負のバ
イアス電圧にある陰極6が絶縁物7に支持されて収納さ
れ、この陰極6から高電圧室5の外部へ電圧導入端子8
が引き出されている。また、高電圧室5には排気口11
が設けられ、これを排気装置(図示せず)に連結するこ
とによって、前記イオン化室3及び高電圧室5内の圧力
を制御できるように構成されている。
【0004】なお、イオン化室3と高電圧室5の両者
は、イオン化を達成できる極めて低い圧力の気体を含有
しており、通常は、10〜50ミリ・トールのヘリウム
が用いられている。これは、ヘリウム気体が、陰極6で
のイオン衝撃による2次電子放出比が最大であることに
よる。また、イオン化室3の壁4と高電圧室5の壁は、
共にアース電位になっている。さらに、イオン化を行う
際には、陽極ワイヤ1に、〜10キロ・ボルトのパルス
電圧を印加し、ワイヤ放電を行っている。
【0005】一方、陰極6は、高電圧供給源(図示せ
ず)に接続された電圧導入端子8を通じて、負のバイア
ス電圧(例えば、−150キロ・ボルト)に恒常的に維
持されている。また、出口窓9は、高エネルギーに対し
て透過性のある幾分薄いシートで構成されている。この
シートは、アルミニウムまたはチタンのような金属で作
成することが可能であり、数10マイクロ・メータの厚
さを有している。さらに、この窓幅としては、多くの適
用例、特に、照射による材料の処理に関連した適用例に
おいては、1cmを越える窓幅を要している。
【0006】この様に構成された従来の電子銃において
は、以下に述べる様にして、電子ビーム源となる電子が
放出される。即ち、イオン化室3に配置された陽極ワイ
ヤ1に、低圧力下でパルス電圧を印加すると、アース電
位にあるイオン化室の壁4との間にワイヤ放電が点弧
し、イオン化室3内にプラズマが発生する。
【0007】一方、高電圧室5内に配設された陰極6
は、イオン化室3から導電性抽出グリッド10方向に拡
散してきた前記プラズマ中の陽イオンを引き出す。この
陽イオンは、イオン化室3と高電圧室5との間に配設さ
れた導電性抽出グリッド10を通って高電圧室5内に侵
入し、陰極6に衝突する。すると、陰極6の表面におい
て、前記陽イオンの衝撃によって電子が放出される。
【0008】この様にして放出された電子は、陽イオン
とは逆方向に進み、導電性抽出グリッド10に向かって
加速され、さらに、イオン化室3を通過して出口窓9に
至り、電子ビーム源として供給される。
【0009】ここで、導電性抽出グリッド10の近辺に
おける陽イオンの初期エネルギーを無視し、陰極6にお
ける負のバイアス電圧をVHT、陽イオンの電荷量をeと
すれば、陽イオンは(単一の荷電イオンに関係があるこ
とを念頭におけば)、e・VHTに等しいエネルギーをも
って陰極6に到達するものと考えることができる。ま
た、陰極6の表面上で、抽出グリッドより引き出された
陽イオンの衝撃により2次放出された電子は、導電性抽
出グリッド10に向かって加速され、そこで電子は、e
・VHTのエネルギーに到達する。これらの状態下におい
て、1個の陽イオンと、この陽イオンによって放出され
る電子は、同じ電場線に対応して、ほぼ重畳する軌道を
呈する。
【0010】上記の様な電子銃は、主として、電子銃を
電子励起によるガス・レーザー、マグネット・ハイドロ
ダイナミック発電機に、また、出口窓9をX線発生用タ
ーゲットに置き換えることで、X線発生装置に適用し得
るものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た様な従来の電子銃には、以下に述べる様な解決すべき
課題があった。即ち、電子銃の運転時には、イオン衝
突、電子放出によって陰極に熱が発生するが、この熱に
よって陰極内部から放出されるガスが高電圧室5及びイ
オン化室3の真空度を低下させることとなっていた。そ
の結果、高電圧室内で絶縁破壊が起りやすくなるため、
電子銃を長時間にわたって運転することができないとい
った欠点があった。また、絶縁破壊時に生じるアーク放
電によって、陰極材料が劣化するといった欠点もあっ
た。
【0012】本発明は、上記の様な従来技術の欠点を解
消するために提案されたものであり、その目的は、高電
圧室の絶縁を保持することにより、より長時間にわたる
運転を可能とした高効率の電子銃を提供することにあ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電子に対して透過性のある出口窓と、その反対側に
設けられた導電性抽出グリッドを備え、また、低圧力で
イオン化すべき気体と、この気体を電離させて陽イオン
を発生させる陽極ワイヤを備えたイオン化室と、前記導
電性抽出グリッドを介してイオン化室と連通され、導電
性抽出グリッドに対向する位置に陰極を収納した高電圧
室から成る電子銃において、前記陰極の内部を中空状に
構成し、その中空部に絶縁ガスを供給できるように構成
したことを特徴とするものである。
【0014】請求項2に記載の発明は、前記陰極の内部
を中空状に構成し、その中空部に絶縁油を供給できるよ
うに構成したことを特徴とするものである。
【0015】請求項3に記載の発明は、前記陰極の内部
を中空状に構成し、その中空部に絶縁油供給用のパイプ
を設けたことを特徴とするものである。
【0016】
【作用】上記の様な構成を有する本発明の電子銃におい
ては、陰極の冷却が可能となるので、陰極内部からのガ
スの放出を抑制することができ、高電圧室5内のガスの
圧力を低い状態に維持することができる。その結果、長
時間の運転によっても絶縁破壊が引き起こされることは
ないので、電子ビーム源として長時間にわたる運転が可
能となる。また、絶縁破壊時に生じるアーク放電がなく
なるため、陰極材料が劣化することも防止できる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1乃至図3に基づ
いて具体的に説明する。なお、図4及び図5に示した従
来型と同一の部材には同一の符号を付して、説明は省略
する。
【0018】(1)第1実施例 本実施例においては、図1に示した様に、陰極20の内
部が中空に構成され、その中空部が絶縁ガスが流通する
絶縁ガス室21とされている。即ち、高電圧室5と隔離
された絶縁ガス室21が陰極内部に形成され、ここに大
気圧程度の絶縁ガス(例えば、SF6 ガス)が供給され
ている。また、前記絶縁ガス室21は高電圧室5に対し
て完全にシールされ、ガス漏れ等がないように構成され
ている。なお、陰極20に絶縁ガスを供給する手段及び
供給量の制御手段等は特に限定されない。また、他の構
成は図4及び図5に示した従来型と同様である。
【0019】この様な構成を有する本実施例の電子銃に
おいては、陰極20の内部に形成された絶縁ガス室21
に供給される絶縁ガスによって、イオン化室3から引き
出されたイオンの衝撃及び電子放出時に陰極20に生じ
る熱が除去される。その結果、従来問題となっていた陰
極が加熱されることによる陰極内部からのガスの放出が
抑制される。
【0020】この様に、本実施例によれば、高電圧室5
内のガスの圧力は低い状態に維持され、長時間の運転に
よっても絶縁破壊が引き起こされることはないので、電
子ビーム源として長時間にわたる運転が可能となる。ま
た、絶縁破壊時に生じるアーク放電がなくなるため、陰
極材料が劣化することも防止できる。
【0021】(2)第2実施例 本実施例においては、図2に示した様に、陰極20の内
部が中空に構成され、その中空部が絶縁油が流通する絶
縁油室22とされている。即ち、高電圧室5と隔離され
た絶縁油室22が陰極内部に形成され、ここに絶縁油が
供給されている。また、前記絶縁油室22は高電圧室5
に対して完全にシールされ、油漏れ等がないように構成
されている。なお、陰極20に絶縁油を供給する手段及
び供給量の制御手段等は特に限定されない。また、他の
構成は図4及び図5に示した従来型と同様である。
【0022】この様な構成を有する本実施例の電子銃に
おいては、陰極20の内部に形成された絶縁油室22に
供給される絶縁油によって、イオン化室3から引き出さ
れたイオンの衝撃及び電子放出時に陰極20に生じる熱
が取り除かれる。その結果、従来問題となっていた陰極
が加熱されることによる陰極内部からのガスの放出が抑
制される。
【0023】この様に、本実施例によれば、高電圧室5
内のガスの圧力は低い状態に維持され、長時間の運転に
よっても絶縁破壊が引き起こされることはないので、電
子ビーム源として長時間にわたる運転が可能となる。ま
た、絶縁破壊時に生じるアーク放電がなくなるため、陰
極材料が劣化することも防止できる。
【0024】(3)第3実施例 本実施例においては、図3に示した様に、陰極20の内
部が中空に構成され、その中空部に絶縁油循環用のパイ
プ23が配設されている。このパイプ23は、陰極に接
する部分が銅等の熱伝導率の良い金属から成る金属パイ
プ23aで構成され、他の部分は絶縁チューブ23bで
構成されている。なお、陰極20に絶縁油を供給する手
段及び供給量の制御手段等は特に限定されない。また、
他の構成は図4及び図5に示した従来型と同様である。
【0025】この様な構成を有する本実施例の電子銃に
おいては、陰極20の内部に形成された中空部に配設さ
れたパイプ23内に絶縁油を供給することによって、イ
オン化室3から引き出されたイオンの衝撃及び電子放出
時に陰極20に生じる熱が取り除かれる。その結果、従
来問題となっていた陰極が加熱されることによる陰極内
部からのガスの放出が抑制される。
【0026】この様に、本実施例によれば、高電圧室5
内のガスの圧力は低い状態に維持され、長時間の運転に
よっても絶縁破壊が引き起こされることはないので、電
子ビーム源として長時間にわたる運転が可能となる。ま
た、絶縁破壊時に生じるアーク放電がなくなるため、陰
極材料が劣化することも防止できる。
【0027】
【発明の効果】以上述べた様に、本発明によれば、陰極
の内部を中空状に構成し、その中空部に絶縁ガスあるい
は絶縁油を供給できるように構成し、または、その中空
部に絶縁油供給用のパイプを設けることにより、高電圧
室の絶縁を保持することができ、より長時間にわたる運
転を可能とした高効率の電子銃を提供することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子銃の第1実施例を示す断面図
【図2】本発明の電子銃の第2実施例を示す断面図
【図3】本発明の電子銃の第3実施例を示す断面図
【図4】従来の電子銃の一例を示す断面図
【図5】従来の電子銃の一例を示す断面図
【符号の説明】
1…陽極ワイヤ 2…絶縁物 3…イオン化室 4…イオン化室の壁 5…高電圧室 6…陰極 7…絶縁物 8…高電圧導入端子 9…出口窓 10…導電性抽出グリッド 11…排気口 20…陰極 21…絶縁ガス室 22…絶縁油室 23…パイプ 23a…金属パイプ 23b…絶縁チューブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子に対して透過性のある出口窓と、そ
    の反対側に設けられた導電性抽出グリッドを備え、ま
    た、低圧力でイオン化すべき気体と、この気体を電離さ
    せて陽イオンを発生させる陽極ワイヤを備えたイオン化
    室と、前記導電性抽出グリッドを介してイオン化室と連
    通され、導電性抽出グリッドに対向する位置に陰極を収
    納した高電圧室から成る電子銃において、 前記陰極の内部を中空状に構成し、その中空部に絶縁ガ
    スを供給できるように構成したことを特徴とする電子
    銃。
  2. 【請求項2】 電子に対して透過性のある出口窓と、そ
    の反対側に設けられた導電性抽出グリッドを備え、ま
    た、低圧力でイオン化すべき気体と、この気体を電離さ
    せて陽イオンを発生させる陽極ワイヤを備えたイオン化
    室と、前記導電性抽出グリッドを介してイオン化室と連
    通され、導電性抽出グリッドに対向する位置に陰極を収
    納した高電圧室から成る電子銃において、 前記陰極の内部を中空状に構成し、その中空部に絶縁油
    を供給できるように構成したことを特徴とする電子銃。
  3. 【請求項3】 電子に対して透過性のある出口窓と、そ
    の反対側に設けられた導電性抽出グリッドを備え、ま
    た、低圧力でイオン化すべき気体と、この気体を電離さ
    せて陽イオンを発生させる陽極ワイヤを備えたイオン化
    室と、前記導電性抽出グリッドを介してイオン化室と連
    通され、導電性抽出グリッドに対向する位置に陰極を収
    納した高電圧室から成る電子銃において、 前記陰極の内部を中空状に構成し、その中空部に絶縁油
    供給用のパイプを設けたことを特徴とする電子銃。
JP4302654A 1992-11-12 1992-11-12 電子銃 Pending JPH06150858A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4302654A JPH06150858A (ja) 1992-11-12 1992-11-12 電子銃

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4302654A JPH06150858A (ja) 1992-11-12 1992-11-12 電子銃

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06150858A true JPH06150858A (ja) 1994-05-31

Family

ID=17911590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4302654A Pending JPH06150858A (ja) 1992-11-12 1992-11-12 電子銃

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06150858A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Oks et al. Development of plasma cathode electron guns
JP2828247B2 (ja) イオンビーム発生装置
US4061944A (en) Electron beam window structure for broad area electron beam generators
US4633129A (en) Hollow cathode
US5537005A (en) High-current, low-pressure plasma-cathode electron gun
US4714860A (en) Ion beam generating apparatus
EP0261198B1 (en) Plasma-anode electron gun
JPH04277500A (ja) 高速原子線源
JP3454384B2 (ja) イオンビーム発生装置及び方法
US8698402B2 (en) Pulsed electron source, power supply method for pulsed electron source and method for controlling a pulsed electron source
JPH06150858A (ja) 電子銃
JP3454389B2 (ja) イオンビーム発生装置のプラズマ加熱方法
JP3143016B2 (ja) プラズマ発生装置
JPH05121022A (ja) 電子銃
JPH06338279A (ja) 電子銃
JPH06150860A (ja) 電子銃
JPH05290775A (ja) 電子銃
JPH05258697A (ja) 電子銃
JPH0696706A (ja) 電子銃
JPH04255654A (ja) パルス電子銃
JPH06150859A (ja) 電子銃
JPH05211052A (ja) パルス電子銃
JPS6260788B2 (ja)
RU2002333C1 (ru) Ионный источник
JPH04294041A (ja) 電子銃