JP2001042099A - 高周波負イオン源 - Google Patents

高周波負イオン源

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JP2001042099A
JP2001042099A JP11213708A JP21370899A JP2001042099A JP 2001042099 A JP2001042099 A JP 2001042099A JP 11213708 A JP11213708 A JP 11213708A JP 21370899 A JP21370899 A JP 21370899A JP 2001042099 A JP2001042099 A JP 2001042099A
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Japan
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negative ion
ion source
discharge vessel
discharge
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Shiro Asano
野 史 朗 浅
Toshihisa Okuyama
山 利 久 奥
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大電力放電が可能で、しかも、負イオンの生
成効率の高い高周波負イオン源を提供すること。 【解決手段】 本発明の高周波負イオン源40は、放電
容器1と、放電容器1を真空に排気する手段と、放電容
器1に放電のための原料ガスを供給する手段11とを備
える。放電容器1の内部には、複数の誘導アンテナ10
が設けられ、各誘導アンテナ10には、放電容器1内に
放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘導アン
テナ10に供給する高周波電源32が接続される。放電
容器1の壁面には、負イオン加速用の加速電極4が形成
され、加速電極には、放電プラズマから負イオンを引き
出すためビーム引き出し孔5が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負イオンビームを
発生する高周波負イオン源およびそれを具備した中性粒
子入射装置に係り、とりわけ、大電力放電が可能な高周
波負イオン源および中性粒子入射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高周波負イオン源は、 100keVを超える高エネルギー領域において負イ
オンを中性ビームへ変換する変換効率が良好であるこ
と、 放電プラズマ生成のために陰極フィラメントを必要と
しないこと、等の利点によって、プラズマ加熱のために
高エネルギーの原子ビームを必要とする核融合炉におい
て、中性粒子入射装置(NBI:Neutral Be
amInjector)のイオン源として注目されてい
る。
【0003】このような負イオン源の従来技術につい
て、図15を用いて説明する。図15は、Review
of Scientific Instrument
s 67(3),1996に記載されたような高周波負
イオン源の断面図である。
【0004】図15において、放電プラズマを内部に発
生させる放電容器51は、上板52と、4面の側壁53
とからなり、底面が開口した方形の箱状容器である。そ
の底面の開口は、側板53に絶縁材69を介して取り付
けられた第1電極54で閉塞されているが、第1電極5
4には負イオンの引き出し孔である多数の貫通孔55が
設けられており、放電プラズマから負イオンを引き出せ
るようになっている。
【0005】第1電極54の外側には、第2電極56、
第3電極57がそれぞれ絶縁材69を介し離隔して第1
電極54と平行に配置されている。これらの第2、第3
電極56、57にも、多数の貫通孔58、59が、第1
電極54の貫通孔55に対向する配置で形成されてい
る。
【0006】放電容器51の内部には、単一の誘導アン
テナ60が配設されている。上板52には、放電容器5
1内に片端部が開口するガス導入口61と、同じく放電
容器51内に片端部が開口するアルカリ金属蒸気導入口
68とが取り付けられている。
【0007】上板52の外面には、複数の角棒状の磁石
62が平行に配設されている。各々の磁石62は、上板
52の外面に直角な方向に着磁され、隣接する磁石62
どうしが異なる(逆向きの)極性となるように配列され
ている。
【0008】更に、側壁53の外面にも、複数の角棒状
の磁石63が、水平方向にそれぞれ平行となるように、
また、側壁53の外面に直角な方向に着磁され隣接する
ものが交互に異なる極性となるように、配列されてい
る。
【0009】さらにまた、側壁53の下部の外面には、
この外面に直角な方向で且つ隣接する磁石63と異なる
極性で着磁され、磁石63よりも残留磁束密度の大きい
フィルタ磁石64が設けられている。
【0010】各側壁の磁石63、64は、対向する側壁
の磁石63、64に対して、異なる磁極が向き合うよう
に配置されている。また、図15に示すように、側壁5
3と上板52との角部近傍の磁石62、63の箱内部側
の極性も、交互に異なるようになっている。
【0011】なお、磁石62、63及びフィルタ磁石6
4による磁力線65は、放電プラズマ閉じ込め磁界を形
成し、対向するフィルタ磁石64による放電容器51を
横切る磁力線70は、磁気フィルタを形成する。この磁
気フィルタは、放電容器51内を、上板52側の第一室
66と、第1電極54側の第二室67とに区画する。
【0012】このような構成においては、いわゆる体積
生成法と呼ばれる方法によって負水素イオン(以下、H
と記す)が生成される。H の生成は、以下の2段
階の原子反応からなるとされている。
【0013】H2 +e-(f) →H2 *+e- …(1) H2 *+e-(s) →H- +H …(2) (1)式で示されるように、水素ガス分子が数10〜1
00eVの高温電子e(f)との衝突によって高振動
レベルに励起された後、(2)式で示されるように、引
き続いて1eV以下の低温電子e(s) が解離的に
付着することによってH が生成される。
【0014】大電流の負イオンビームを負イオン源から
発生させるためには、上記の反応に加えて、放電容器5
1内にアルカリ金属の蒸気を導入する表面生成法と呼ば
れる方法が併用される。この方法により放電容器51に
導入されるアルカリ金属蒸気は、第1電極54の表面に
付着して、電極表面の仕事関数を下げる働きをすると言
われている。このことによって、放電プラズマ中で生成
される正水素イオンや中性水素原子などが第1電極54
と衝突して、第1電極54から電子を受け取ってH
が生成される。第1電極54と第2電極56との間に
は、放電容器51内の放電プラズマからH を引き出
して加速するために、第2電極56に対して負の電位を
第1電極54に印加する引き出し電源72が接続されて
おり、また、第2電極56と第3電極57との間には、
プラズマから引き出されたH を所定のエネルギーに
加速するために、第3電極57に対して負の電位を第2
電極56に印加する加速電源73が接続されている。
【0015】次に、このような構成からなる負イオン源
の動作について説明する。
【0016】真空排気装置(図示せず)によって真空状
態にした放電容器51に、アルカリ金属オーブン(図示
せず)で加熱・蒸気化したアルカリ金属をアルカリ金属
導入口68から供給しておく。この状態で、ガス源(図
示せず)からガス導入口61を介して水素ガスを供給
し、高周波電源(図示せず)により誘導アンテナ60に
高周波電流を流す。これにより、誘導アンテナ60から
電磁波が発生し、放電容器51の第一室66内に放電プ
ラズマが生成され、当該放電プラズマは磁石62、63
及び64によって作られる磁場によって放電容器51内
に閉じ込められる。
【0017】生成された放電プラズマは、しかし、第二
室67の方向に拡散する。ここで、プラズマが磁気フィ
ルタを横切って通過する際、プラズマ中の電子は、磁界
中のラーマ半径が小さいため磁気フィルタに捕捉され、
放電容器51内に存在する水素ガスなどと衝突しながら
エネルギーを失い、第二室67に到達する過程で低温の
電子になる。このようにして、第一室66には水素分子
の励起に適した電子エネルギー分布を持つ高温プラズマ
が、第二室67には励起水素分子の解離性付着反応を起
こすのに適した電子エネルギー分布を持つ低温プラズマ
が生成される。
【0018】一方、磁界中での水素イオンのラーマ半径
は磁気フィルタの厚みに対して大きいため、水素イオン
は磁気フィルタを通り抜けて、そのまま第二室67に移
動することができる。
【0019】従って、第一室66において高エネルギー
電子との衝突によって生成された振動励起水素分子が、
第二室67で低温電子と衝突して解離性付着反応を起こ
し、H が形成される((1)(2)式参照)。ま
た、放電容器51に導入されたアルカリ金属蒸気が、第
1電極54に付着して電極表面の仕事関数を下げている
ため、放電プラズマ中の正水素イオンや中性水素原子な
どが第1電極54と衝突した際にもH が生成され
る。このように第二室67で生成されたH は、引き
出し電源72の作る電界によって第1電極54の貫通孔
55から引き出され、第2電極56に到達して貫通孔5
8を通り、更に加速電源73の作る電界により加速さ
れ、第3電極57の貫通孔59を通ってビームとして引
き出される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法で数10kWを超えるような大電力放電を行
う場合、誘導アンテナ60の両極に発生する高周波電圧
のために、放電プラズマと誘導アンテナ60の間でいわ
ゆるアーキングが発生し、正常なプラズマ生成ができな
くなってしまうことがある。その場合、アーキングの発
生部に高周波電源から供給される電流が一挙に集中し、
結果的に誘導アンテナ60の損傷及び溶融が発生する場
合もある。
【0021】誘導アンテナ60は、通常、中空のパイプ
形状のもので構成され、内部を水冷または空冷されてい
る。このため、アーキングによって誘導アンテナ60が
損傷した場合、これらの冷却媒体が放電容器51の内部
に漏れ出して内部を汚染してしまい、イオン源の稼働が
不可能となる可能性がある。
【0022】また、単一の誘導アンテナの場合、高い高
周波電圧がプラズマに印加されることに起因して、放電
プラズマ中に必要以上に高エネルギーの電子成分が発生
し、それらの高エネルギー電子と生成された負イオンと
の衝突によって負イオンが崩壊するという現象があり、
負イオンの生成効率を下げてしまうという問題もある。
【0023】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、大電力放電が可能で、しかも、負イオン
の生成効率の高い高周波負イオン源を提供することを目
的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明は、放電容器と、
放電容器を真空に排気する手段と、放電容器に放電のた
めの原料ガスを供給する手段と、放電容器内部に設けら
れた複数の誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続さ
れ、放電容器内に放電プラズマを生成するための高周波
電圧を各誘導アンテナに供給する高周波電源と、放電容
器の壁面に形成された負イオン加速用の加速電極と、放
電プラズマから負イオンを引き出すために加速電極に設
けられたビーム引き出し孔と、を備えたことを特徴とす
る高周波負イオン源である。
【0025】本発明によれば、数10kWを超えるよう
な大電力放電を行う場合に、単一の誘導アンテナを用い
る場合と比べて、誘導アンテナの両極に発生する高周波
電圧を低くすることができるため、放電プラズマと誘導
アンテナとの間のアーキングの発生を抑制することがで
きる。
【0026】更に、本発明によれば、誘導アンテナに印
加される高周波電圧が下がることに起因して、放電プラ
ズマ中に生成される必要以上に高エネルギーの電子成分
の発生が抑えられるため、負イオンの崩壊を抑制するこ
とができ、負イオンの生成効率が向上する。
【0027】また本発明では、放電容器と、放電容器を
真空に排気する手段と、放電容器に放電のための原料ガ
スを供給する手段と、放電容器内部に設けられた複数の
誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続され、放電容器
内に放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘導
アンテナに供給する高周波電源と、放電容器の壁面に形
成された負イオン加速用の加速電極と、放電プラズマか
ら負イオンを引き出すために加速電極に設けられたビー
ム引き出し孔と、を備えた高周波負イオン源において、
複数の磁石が、各磁石の着磁方向が放電容器の壁面に対
して垂直で、かつ、隣接する磁石の極性が交互に異なる
ように、放電容器の周囲に間隔を空けて配置されて、放
電容器内部に形成された閉じた磁力線によって誘導アン
テナが囲まれていることを特徴とする。これにより、誘
導アンテナが磁力線によって囲まれていない場合と比較
して放電プラズマ中の電子温度を低くすることができる
ため負イオンの生成効率を向上させることができる。
【0028】また本発明では、放電容器と、放電容器を
真空に排気する手段と、放電容器に放電のための原料ガ
スを供給する手段と、放電容器内部に設けられた複数の
誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続され、放電容器
内に放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘導
アンテナに供給する高周波電源と、放電容器の壁面に形
成された負イオン加速用の加速電極と、放電プラズマか
ら負イオンを引き出すために加速電極に設けられたビー
ム引き出し孔と、を備えた高周波負イオン源において、
誘導アンテナが加速電極に対して略平行に配置され、ビ
ーム引き出し孔は、加速電極のうち誘導アンテナに対向
する位置を除いた部分にのみ設けられていることを特徴
とする。これにより、加速電極で発生して放電容器の方
向に逆流してくる正イオンが誘導アンテナと衝突した場
合に起こりうる誘導アンテナのスパッタリングによる損
傷や二次電子の発生による異常放電が抑えられ高周波負
イオン源の信頼性を向上させることができる。
【0029】また本発明では、放電容器と、放電容器を
真空に排気する手段と、放電容器に放電のための原料ガ
スを供給する手段と、放電容器内部に設けられた複数の
誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続され、放電容器
内に放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘導
アンテナに供給する高周波電源と、放電容器の壁面に形
成された負イオン加速用の加速電極と、放電プラズマか
ら負イオンを引き出すために加速電極に設けられたビー
ム引き出し孔と、を備えた高周波負イオン源において、
誘導アンテナが永久磁石を内蔵していることを特徴とす
る。これにより、誘導アンテナの近傍で発生する高エネ
ルギーの電子が誘導アンテナの周辺に形成される磁場に
捕捉されるため、放電の原料ガスの電離、励起を効率よ
く行うことができる。
【0030】また、本発明では、放電容器と、放電容器
を真空に排気する手段と、放電容器に放電のための原料
ガスを供給する手段と、放電容器内部に設けられた複数
の誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続され、放電容
器内に放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘
導アンテナに供給する高周波電源と、放電容器の壁面に
形成された負イオン加速用の加速電極と、放電プラズマ
から負イオンを引き出すために加速電極に設けられたビ
ーム引き出し孔と、を備えた高周波負イオン源におい
て、放電容器内部にフィラメントが設置されていること
を特徴とする。これにより、誘導アンテナに高周波電流
を供給する寸前にフィラメントから電子を供給すること
によって原料ガスが電離されるため、低ガス圧領域にお
いて高周波放電を開始させることができる。
【0031】また、本発明では、放電容器と、放電容器
を真空に排気する手段と、放電容器に放電のための原料
ガスを供給する手段と、放電容器内部に設けられた複数
の誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続され、放電容
器内に放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘
導アンテナに供給する高周波電源と、放電容器の壁面に
形成された負イオン加速用の加速電極と、放電プラズマ
から負イオンを引き出すために加速電極に設けられたビ
ーム引き出し孔と、を備えた高周波負イオン源におい
て、放電容器にレーザ光照射用窓が設けられていること
を特徴とする。これにより、誘導アンテナに高周波電流
を供給する寸前にレーザ光を放電容器壁面に照射するこ
とにより放出される光電子を供給することによって原料
ガスが電離されるため、低ガス圧領域において高周波放
電を開始させることができる。
【0032】また本発明では、放電容器と、放電容器を
真空に排気する手段と、放電容器に放電のための原料ガ
スを供給する手段と、放電容器内部に設けられた複数の
誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続され、放電容器
内に放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘導
アンテナに供給する高周波電源と、放電容器の壁面に形
成された負イオン加速用の加速電極と、放電プラズマか
ら負イオンを引き出すために加速電極に設けられたビー
ム引き出し孔と、を備えた高周波負イオン源において、
高周波電源は単一の電源によって構成され高周波電源と
誘導アンテナとの間には単一の負荷整合器が設置されて
いることを特徴とする。これにより、単一の高周波電源
と単一の負荷整合器を使用して複数の誘導アンテナに供
給される高周波電力のすべてを制御できるため、電源構
成が簡便になり電源系に起因するトラブルを未然に防止
することができる。
【0033】また本発明では、放電容器と、放電容器を
真空に排気する手段と、放電容器に放電のための原料ガ
スを供給する手段と、放電容器内部に設けられた複数の
誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続され、放電容器
内に放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘導
アンテナに供給する高周波電源と、放電容器の壁面に形
成された負イオン加速用の加速電極と、放電プラズマか
ら負イオンを引き出すために加速電極に設けられたビー
ム引き出し孔と、を備えた高周波負イオン源において、
高周波電源は単一の電源によって構成され高周波電源と
高周波電源と誘導アンテナの間には各誘導アンテナに対
応する複数の負荷整合器が設置されていることを特徴と
する。これにより、単一の高周波電源を用いるという電
源構成の簡便さを有しつつ、各誘導アンテナに対応した
負荷整合器を用いることにより各誘導アンテナの負荷条
件に応じて個別に負荷整合を行うことができるためプラ
ズマからの反射を最小にする等の制御を容易に行うこと
ができる。また、各負荷整合器の整合状態を変化させる
ことにより、各誘導アンテナへの供給電力を変化させ生
成プラズマの空間的な分布制御を行い、大型の放電容器
に対しても一様なプラズマ生成を達成することができ
る。
【0034】また本発明では、放電容器と、放電容器を
真空に排気する手段と、放電容器に放電のための原料ガ
スを供給する手段と、放電容器内部に設けられた複数の
誘導アンテナと、各誘導アンテナに接続され、放電容器
内に放電プラズマを生成するための高周波電圧を各誘導
アンテナに供給する高周波電源と、放電容器の壁面に形
成された負イオン加速用の加速電極と、放電プラズマか
ら負イオンを引き出すために加速電極に設けられたビー
ム引き出し孔と、を備えた高周波負イオン源において、
各高周波電源が各誘導アンテナに対応する複数個の電源
によって構成されていることを特徴とする。これによ
り、各誘導アンテナを通してプラズマに供給される高周
波電力は各高周波電源の出力を変動させることによって
容易に変えることができるため、放電プラズマへの投入
電力の精密な分布制御が可能となり、大型の放電容器に
対しても一様なプラズマ生成を達成することができる。
また、各高周波電源から各誘導アンテナに同じ周波数の
高周波を供給した場合、同一規格の高周波電源、負荷整
合器を使用することができる等、構成が安価で単純にな
るという利点がある。更に、各高周波電源から異なる周
波数の高周波を供給した場合、放電容器内に生成される
プラズマの空間分布制御を行う際に有効な場合がある。
【0035】また本発明では、複数の前記各高周波負イ
オン源を用いた中性粒子入射装置において各高周波負イ
オン源をパルス的に動作させると共に、それぞれの運転
周期に相互に時間差を置いて概定常なビームを発生する
よう制御する制御装置を備えたことを特徴とする。これ
により、各高周波負イオン源をパルス的に動作させるこ
とができるため、定常なビーム出力を得るために、イオ
ン源を定常動作させる方式の中性粒子入射装置でしばし
ば問題になる、放電容器や加速電極への熱流入による損
傷を防止することができる。また、各高周波負イオン源
に投入できる高周波電力を大きくでき、ビーム出力を大
きくすることも可能となる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0037】図1は、本発明の第1の実施の形態による
高周波負イオン源を示す概略斜視断面図であり、図2
(a)は、図1の高周波負イオン源の縦方向断面図であ
り、図2(b)は、図1の高周波負イオン源の横方向断
面図である。
【0038】図1、図2(a)及び図2(b)に示すよ
うに、本発明の第1の実施の形態の高周波負イオン源4
0は、内部に放電プラズマを形成する放電容器1を備え
ている。
【0039】本実施の形態の放電容器1は、上板2と、
4面の側壁3と、開口を有する底面とからなる方形の箱
状容器で構成されている。その底面の開口は、負イオン
を加速するための第1電極4(加速電極)で閉塞されて
おり、第1電極4には、放電プラズマから負イオンを引
き出すための貫通孔5(ビーム引き出し孔)が形成され
ている。
【0040】第1電極4の外側には、第1電極4と同様
に加速電極として機能する第2電極6、第3電極7が、
それぞれ絶縁材19を介し離隔して第1電極4と平行に
配置されている。これらの第2、第3電極6、7にも、
多数の貫通孔8、9が、第1電極4の貫通孔5に対向す
る配置で形成されている。
【0041】放電容器1の内部には、6個の1ターンの
誘導アンテナ10が配置されている。6個の誘導アンテ
ナ10は、図2(a)及び図2(b)に示すように、対
向する横長の一対の側壁3に、3個ずつ並列に取り付け
られている。各誘導アンテナ10には、放電容器1内に
放電プラズマを生成するための高周波電圧を供給するた
めの高周波電源(図示せず)が接続されている。
【0042】放電容器1には、放電容器1を真空に排気
する手段としての真空排気装置(図示せず)が接続され
ている。また放電容器1には、放電のための原料ガスを
供給する手段としてのガス導入口11が接続されてい
る。本実施の形態のガス導入口11は、上板2に設けら
れている。上板2には、放電容器1内に開口するアルカ
リ金属蒸気導入口18も取付けられている。
【0043】本実施の形態では、複数の角棒状の磁石1
2、13、14が、上板2及び側壁3の外側に間隔を空
けて配置されている。各磁石12、13、14の着磁方
向は、それが配置される上板2または側壁3に対して垂
直で、かつ、隣接する磁石12、13、14の極性が交
互に異なるようになっており、図2(b)に示すよう
に、放電容器1内部に閉じた磁力線15を形成してい
る。6個の誘導アンテナ10は、前記磁力線によって囲
まれている。
【0044】ここで、本実施の形態の磁石12、13、
14の配置について、より詳細に説明する。
【0045】上板2の外面に、複数の角棒状の磁石12
が、放電容器1の横長方向に平行に配設されている。各
々の磁石12は、上板2の外面に直角な方向に着磁さ
れ、隣接する磁石12どうしが異なる(逆向きの)極性
となるように配列されている。
【0046】側壁3の外面には、複数の角棒状の磁石1
3が、水平方向にそれぞれ平行となるように、また、側
壁3の外面に直角な方向に着磁され隣接するものが交互
に異なる極性となるように、配列されている。
【0047】さらにまた、側壁3の下部の外面には、こ
の外面に直角な方向で且つ隣接する磁石13と異なる極
性で着磁され、さらに磁石13よりも残留磁束密度の大
きいフィルタ磁石14が設けられている。各側壁3の磁
石13、14は、対向する側壁3の磁石13、14に対
して、異なる磁極が向き合うように配置されている。ま
た、図2(b)に示すように、側壁3と上板2との角部
近傍の磁石12、13の箱内部側の極性も、交互に異な
るようになっている。
【0048】なお、磁石12、13及びフィルタ磁石1
4による磁力線15は、誘導アンテナ10を取り囲む放
電プラズマ閉じ込め磁界を形成し、対向するフィルタ磁
石14による放電容器1を横切る磁力線20は、いわゆ
る磁気フィルタを形成する。この磁気フィルタは、放電
容器1内を、上板2側の第一室16と、第1電極4側の
第二室17とに区画する。
【0049】このような構成においては、いわゆる体積
生成法と呼ばれる方法によって負水素イオン(以下、H
と記す)が生成される。H の生成は、以下の2段
階の原子反応からなるとされている。
【0050】H2 +e-(f) →H2 *+e- …(1) H2 *+e-(s) →H- +H …(2) (1)式で示されるように、水素ガス分子が数10〜1
00eVの高温電子e(f)との衝突によって高振動
レベルに励起された後、(2)式で示されるように、引
き続いて1eV以下の低温電子e(s) が解離的に
付着することによってH が生成される。
【0051】本実施の形態においては、大電流の負イオ
ンビームを負イオン源から発生させるため、上記の反応
に加えて、放電容器1内にアルカリ金属の蒸気を導入す
る表面生成法と呼ばれる方法を併用している。この方法
により放電容器1に導入されるアルカリ金属蒸気は、第
1電極4の表面に付着して、電極表面の仕事関数を下げ
る働きをすると言われている。このことによって、放電
プラズマ中で生成される正水素イオンや中性水素原子な
どが第1電極4と衝突して、第1電極4から電子を受け
取ってH が生成される。
【0052】第1電極4と第2電極6との間には、放電
容器1内の放電プラズマからHを引き出して加速する
ために、第2電極6に対して負の電位を第1電極4に印
加する引き出し電源22が接続されている。また、第2
電極6と第3電極7との間には、プラズマから引き出さ
れたH を所定のエネルギーに加速するために、第3
電極7に対して負の電位を第2電極6に印加する加速電
源23が接続されている。
【0053】次に、このような構成よりなる本実施の形
態の作用について説明する。
【0054】真空排気装置(図示せず)によって真空状
態にした放電容器1に、アルカリ金属オーブン(図示せ
ず)で加熱・蒸気化したアルカリ金属をアルカリ金属導
入口18から供給しておく。この状態で、ガス源(図示
せず)からガス導入口11を介して水素ガスを供給し、
高周波電源(図示せず)により誘導アンテナ10に高周
波電流を流す。これにより、誘導アンテナ10から電磁
波が発生し、放電容器1の第一室16内に放電プラズマ
が生成され、当該放電プラズマは磁石12、13及び1
4によって作られる磁場によって放電容器1内に閉じ込
められる。
【0055】この際、6個の誘導アンテナ10を放電容
器1の内部に設置しているため、100kWレベルの大
電力放電を行う場合でも、各誘導アンテナ10の両端に
発生する高周波電圧は小さく、単一の誘導アンテナを用
いた場合のようなアーキングの発生が抑えられて大電力
放電が可能となる。
【0056】生成された放電プラズマは、第二室17の
方向に拡散する。ここで、プラズマが磁気フィルタを横
切って通過する際、プラズマ中の電子は、磁界中のラー
マ半径が小さいため磁気フィルタに捕捉され、放電容器
1内に存在する水素ガスなどと衝突しながらエネルギー
を失い、第二室17に到達する過程で低温の電子にな
る。このようにして、第一室16には水素分子の励起に
適した電子エネルギー分布を持つ高温プラズマが、第二
室17には励起水素分子の解離性付着反応を起こすのに
適した電子エネルギー分布を持つ低温プラズマが生成さ
れる。
【0057】一方、磁界中での水素イオンのラーマ半径
は磁気フィルタの厚みに対して大きいため、水素イオン
は磁気フィルタを通り抜けて、そのまま第二室17に移
動することができる。
【0058】従って、第一室16において高エネルギー
電子との衝突によって生成された振動励起水素分子が、
第二室17で低温電子と衝突して解離性付着反応を起こ
し、H が形成される((1)(2)式参照)。ま
た、放電容器1に導入されたアルカリ金属蒸気が、第1
電極4に付着して電極表面の仕事関数を下げているた
め、放電プラズマ中の正水素イオンや中性水素原子など
が第1電極4と衝突した際にもH が生成される。こ
こで、誘導アンテナ10に印加される高周波電圧が下が
ることにより、必要以上に高エネルギーの電子成分の生
成が抑えられるため、負イオンの崩壊も抑制され得る。
【0059】このように第二室17で生成されたH
は、引き出し電源22の作る電界によって第1電極4の
貫通孔5から引き出され、第2電極6に到達して貫通孔
8を通り、更に加速電源23の作る電界により加速さ
れ、第3電極7の貫通孔9を通ってビームとして引き出
される。
【0060】以上のように、本実施の形態によれば、各
誘導アンテナ10の両端に発生する高周波電圧が小さ
く、単一の誘導アンテナを用いた場合のようなアーキン
グの発生が抑えられるため、大電力放電が可能となる。
【0061】また、本実施の形態によれば、誘導アンテ
ナ10に印加される高周波電圧が下がることによって必
要以上に高エネルギーの電子成分の生成が抑えられるた
め、負イオンの崩壊が抑制され、負イオンの生成効率が
向上する。
【0062】次に、本発明の第2の実施の形態の高周波
負イオン源について、図3(a)及び図3(b)を用い
て説明する。図3(a)は、第2の実施の形態の高周波
負イオン源の概略平面断面図であり、図3(b)は、第
2の実施の形態の高周波負イオン源の概略側面図であ
る。
【0063】図3(a)及び図3(b)に示すように、
本実施の形態の高周波負イオン源40は、6個の誘導ア
ンテナ10が側壁3に支持されている代わりに、3個の
1ターンの誘導アンテナ10が上面2に並列に吊り下げ
られている他は、図1及び図2に示す第1の実施の形態
の高周波負イオン源と略同様の構成である。第2の実施
の形態において、図1及び図2に示す第1の実施の形態
と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は省略
する。
【0064】本実施の形態においても、100kWレベ
ルの大電力放電を行う場合でも各誘導アンテナ10の両
端に発生する高周波電圧が小さく、単一の誘導アンテナ
を用いた場合のようなアーキングの発生が抑えられるた
め、大電力放電が可能となる。
【0065】また、誘導アンテナ10に印加される高周
波電圧が下がることによって必要以上に高エネルギーの
電子成分の生成が抑えられるため、負イオンの崩壊が抑
制され、負イオンの生成効率が向上する。
【0066】なお、以上の第1の実施の形態及び第2の
実施の形態では、1ターンの誘導アンテナ10を対向す
る側壁3に3個ずつ、あるいは上板2に3個設置してい
るが、誘導アンテナ10の設置態様は特に限定されな
い。例えば、誘導アンテナ10のターン数、設置個数
(但し、少なくとも2以上)は任意である。また、誘導
アンテナ10の設置位置も任意であり、例えば、側壁3
または上板2、あるいは側壁3と上板2の双方に設置さ
れ得る。
【0067】次に、本発明の第3の実施の形態の高周波
負イオン源について、図4、図5(a)及び図5(b)
を用いて説明する。図4は、第3の実施の形態の高周波
負イオン源の概略斜視断面図であり、図5(a)は、図
4の高周波負イオン源の縦方向(図4のA方向)断面図
であり、図5(b)は、図4の高周波負イオン源の横方
向(図4のB方向)断面図である。
【0068】図4、図5(a)及び図5(b)に示すよ
うに、本実施の形態の高周波負イオン源40は、6個の
誘導アンテナ10が側壁3に支持されている代わりに、
2個の1ターンの誘導アンテナ10が上面2に並列に吊
り下げられて、第1電極4に対して略平行に配置されて
いる。また、第1電極4、第2電極6及び第3電極7
は、いずれも2枚の分割電極によって構成されている。
そして、各電極4、6、7の貫通孔5、8、9は、誘導
アンテナ10に対向する位置(下方への延長位置)を除
いた部分にのみ設けられている。
【0069】本実施の形態の誘導アンテナ10は、それ
ぞれ、2枚に分割された第1電極4の境目の部分と側壁
3近傍の第1電極4の端縁部分との鉛直上方の領域に設
置されている。これに伴い、貫通孔5、8、9も、2枚
の第1電極4の境目の部分及び側壁3近傍の端縁部分に
は設けられていない。
【0070】その他の構成は、図1及び図2に示す第1
の実施の形態の高周波負イオン源と略同様の構成であ
る。第3の実施の形態において、図1及び図2に示す第
1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0071】本実施の形態においても、第二室17で生
成されたH が、引き出し電源22の作る電界によっ
て第1電極4の貫通孔5から引き出され、第2電極6に
到達して貫通孔8を通り、更に加速電源23の作る電界
により加速され、第3電極7の貫通孔9を通ってビーム
として引き出される。
【0072】この際にH は、加速される過程で放電
容器1から漏れ出す水素ガス分子と衝突して電離し、正
水素イオン(H )を発生させ得る。このH は、図
5において矢印で示すように、H が加速される方向
とは逆方向に加速され、貫通孔(ビーム引き出し孔)8
及び5を通り抜け、放電容器1内をそのまま直進する。
【0073】本実施の形態では、誘導アンテナ10が、
貫通孔5、8、9が穿孔されていない部分の上方延長上
の領域に設置されているため、逆流したH が誘導ア
ンテナ10と衝突した場合に起こりうる誘導アンテナ1
0のスパッタリングによる損傷や二次電子の発生による
異常放電が抑えられ、高周波負イオン源の信頼性が向上
する。
【0074】次に、本発明の第4の実施の形態の高周波
負イオン源について、図6を用いて説明する。図6は、
第4の実施の形態の高周波負イオン源の横方向断面図で
ある。
【0075】図6に示すように、本実施の形態の高周波
負イオン源40は、放電容器1の周囲に配置される磁石
12、13の数が多くなっており、上板2の中央部近傍
の一対の磁石12が、着磁方向により長い中央磁石24
に置換されている他は、図1及び図2に示す第1の実施
の形態の高周波負イオン源と略同様の構成である。第4
の実施の形態において、図1及び図2に示す第1の実施
の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明
は省略する。
【0076】中央磁石24は、磁石12よりも残留磁束
密度が大きくなっており、同じく残留磁束密度の大きい
フィルタ磁石14との間に磁力線21を形成している。
磁力線21は、側壁3及び上板2と共に、6個の誘導ア
ンテナ10を包囲するようになっている。
【0077】本実施の形態においては、生成された放電
プラズマが第二室17の方向に拡散する際に、まず磁力
線21を横切る。プラズマが磁力線21(磁気フィルタ
として機能する)を横切って通過する際、プラズマ中の
電子は、磁界中のラーマ半径が小さいため磁場(磁気フ
ィルタ)に捕捉され、放電容器1内に存在する水素ガス
などと衝突しながらエネルギーを失い、低温の電子にな
る。
【0078】次に放電プラズマは、磁力線20(磁気フ
ィルタ)を横切る。この際にも、プラズマ中の電子は磁
気フィルタに捕捉され、エネルギーを失ってさらに低温
の電子になる。すなわち、本実施の形態では、2段階の
磁気フィルタが機能する。
【0079】本実施の形態によれば、2段階の磁気フィ
ルタが機能することにより、負イオンの生成効率が更に
向上する。
【0080】次に、本発明の第5の実施の形態の高周波
負イオン源について、図7(a)及び図7(b)を用い
て説明する。図7(a)は、第5の実施の形態の高周波
負イオン源の概略斜視断面図であり、図7(b)は、第
5の実施の形態の高周波負イオン源の横方向断面図であ
る。
【0081】図7(a)及び図7(b)に示すように、
本実施の形態の高周波負イオン源40は、6個の誘導ア
ンテナ10が側壁3に支持されている代わりに、2個の
1ターンの誘導アンテナ10が上面2に並列に吊り下げ
られて、第1電極4に対して略平行になっている。ま
た、第1電極4、第2電極6及び第3電極7は、いずれ
も2枚の分割電極によって構成されている。そして、誘
導アンテナ10には、内蔵磁石33が内蔵されている。
【0082】その他の構成は、図1及び図2に示す第1
の実施の形態の高周波負イオン源と略同様の構成であ
る。第5の実施の形態において、図1及び図2に示す第
1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0083】なお、図7(a)及び図7(b)におい
て、第2電極6及び第3電極7は図示を省略されてい
る。
【0084】各誘導アンテナ10が内蔵する内蔵磁石3
3は、その配置位置に近い方の側壁3に設けられたフィ
ルタ磁石14の着磁方向と同方向に着磁されている。従
って、近接する内蔵磁石33とフィルタ磁石14とは、
相互に極性の異なる磁極が向き合っている。
【0085】内蔵磁石33とフィルタ磁石14との間に
は、磁力線34が形成され、内蔵磁石33同士の間に
は、磁力線35が形成され、それぞれ磁気フィルタとし
て機能するようになっている。
【0086】本実施の形態によれば、高周波電源(図示
せず)により誘導アンテナ10に高周波電流が流される
際に、高エネルギーの電子が磁力線34による磁気フィ
ルタ及び磁力線35による磁気フィルタに捕捉される。
このため、誘導アンテナから発生する電磁波によって、
水素ガスの電離、励起が更に効率よく行われる。
【0087】次に、本発明の第6の実施の形態の高周波
負イオン源について、図8を用いて説明する。図8は、
第6の実施の形態の高周波負イオン源の概略斜視断面図
である。
【0088】図8に示すように、本実施の形態の高周波
負イオン源40は、放電容器1の内部にフィラメント3
6が配置されている他は、図1及び図2に示す第1の実
施の形態の高周波負イオン源と略同様の構成である。第
6の実施の形態において、図1及び図2に示す第1の実
施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説
明は省略する。
【0089】本実施の形態では、各誘導アンテナ10に
対応して、6個のフィラメント36が各誘導アンテナ1
0の近傍に配置されている。各フィラメント36は、フ
ィラメント電源36aに接続されており、フィラメント
電源36aの作動によって加熱され得るようになってい
る。また、各フィラメント36と放電容器1との間には
補助アーク電源36bが設けられており、フィラメント
36を陰極、放電容器1と陽極とする放電の発生が可能
になっている。
【0090】本実施の形態においては、高周波電源によ
って誘導アンテナ10に高周波電流を流す寸前に、フィ
ラメント電源36aによりフィラメント36に電流を流
してフィラメント36を加熱し、また、補助アーク電源
36bを用いてフィラメント36を陰極、放電容器1を
陽極とする放電を起こす。しかる後に、誘導アンテナ1
0に高周波電流を流すことによって放電プラズマを生成
する。このような方法を採用することにより、低ガス圧
領域において高周波放電を開始させることが可能とな
る。
【0091】以上のように、本実施の形態によれば、低
ガス圧領域において高周波放電を開始させることができ
る。
【0092】次に、本発明の第7の実施の形態の高周波
負イオン源について、図9を用いて説明する。図9は、
第7の実施の形態の高周波負イオン源の概略斜視断面図
である。
【0093】図9に示すように、本実施の形態の高周波
負イオン源40は、放電容器1の側壁3にレーザ光照射
用窓37が配置されている他は、図1及び図2に示す第
1の実施の形態の高周波負イオン源と略同様の構成であ
る。第7の実施の形態において、図1及び図2に示す第
1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0094】本実施の形態では、各誘導アンテナ10に
対応して、6個のレーザ光照射用窓37が各誘導アンテ
ナ10の近傍に配置されている。各レーザ光照射用窓3
7の外側にはレーザ38が配置され、レーザ38のレー
ザ光がレーザ光照射用窓37を通って放電容器1内の各
誘導アンテナ10の近傍に至るようになっている。
【0095】本実施の形態においては、高周波電源によ
って誘導アンテナ10に高周波電流を流す寸前に、レー
ザ光照射用窓37を通してレーザ38からのレーザ光を
放電容器1内に照射する。放電容器1の壁面にはアルカ
リ金属蒸気が付着していて、壁面の仕事関数が下げられ
ているため、レーザ光の照射によって光電子が放出され
る。しかる後に誘導アンテナ10に高周波電流を流す
と、誘導アンテナ10から電磁波が放射されて光電子が
高エネルギーに加速され、水素ガスとの衝突によって放
電プラズマが効果的に生成される。このような方法を採
用することにより、低ガス圧領域において高周波放電を
開始させることが可能となる。
【0096】以上のように、本実施の形態によれば、低
ガス圧領域において高周波放電を開始させることができ
る。
【0097】次に、本発明の第8の実施の形態の高周波
負イオン源について、図10を用いて説明する。図10
は、第8の実施の形態の高周波負イオン源の概略断面図
である。
【0098】図10に示すように、本実施の形態の高周
波負イオン源40は、高周波電源32が単一の電源によ
って構成され、高周波電源32と誘導アンテナ10との
間に単一の負荷整合器30が設置されている。
【0099】本実施の形態の放電容器1は、全体を外導
体板26によって覆われており、外導体板26と放電容
器1の上板2及び側壁3との間の空間に、絶縁碍子25
によって支持された内導体板27が設置されている。各
誘導アンテナ10は、一方の端子が外導体板26に、他
方の端子が内導体板27に接続されている。
【0100】外導体板26と内導体板27とは、それぞ
れ、同軸形状をした外導体28及び内導体29を経由し
て負荷整合器30に接続されている。放電プラズマを生
成するための高周波電力は、単一の高周波電源32から
絶縁トランス31を経由して、単一の負荷整合器30に
供給されるようになっている。
【0101】その他の構成は、図1及び図2に示す第1
の実施の形態の高周波負イオン源と略同様の構成であ
る。第8の実施の形態において、図1及び図2に示す第
1の実施の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳
細な説明は省略する。
【0102】本実施の形態においては、単一の高周波電
源32から供給された高周波電力が、絶縁トランス31
と単一の負荷整合器30を経由して外導体板26、内導
体板27に供給され、更に各誘導アンテナ10に分岐さ
れる。
【0103】この際、単一の高周波電源32と単一の負
荷整合器30を使用して複数の誘導アンテナ10に供給
される高周波電力のすべてを制御できるため、電源構成
が簡便で、電源系に起因するトラブルを未然に有効に防
止できる。
【0104】また、放電容器1の全体が外導体板26に
よって覆われているため、高周波電力は外導体板26で
覆われた空間に閉じ込められて外部に漏れ出すことがな
く、高周波放電を用いる際に問題となる電磁ノイズの発
生などの問題が低減され得る。
【0105】以上のように、本実施の形態によれば、電
源系に起因するトラブルを未然に有効に防止できると共
に、電磁ノイズの発生などの問題が低減され得る。
【0106】次に、本発明の第9の実施の形態の高周波
負イオン源について、図11を用いて説明する。図11
は、第9の実施の形態の高周波負イオン源の電力供給系
の要部を示す構成概略図である。
【0107】図11に示すように、本実施の形態の高周
波負イオン源40は、高周波電源32と誘導アンテナ1
0との間に、各誘導アンテナ10に対応する複数の負荷
整合器30が設置されている他は、図10に示す第8の
実施の形態の高周波負イオン源と略同様の構成である。
第9の実施の形態において、図10に示す第8の実施の
形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明は
省略する。
【0108】本実施の形態においては、単一の高周波電
源32から供給される高周波電力が、絶縁トランス31
で複数の系統に分岐され、同軸形状をした外導体28及
び内導体29を経由して、各誘導アンテナ10に対応し
た複数の負荷整合器30を通り、各誘導アンテナ10に
供給される。
【0109】この際、単一の高周波電源32を用いると
いう電源構成の簡便さを有しつつ、各誘導アンテナに対
応した複数の負荷整合器30を用いることにより、各誘
導アンテナ10の負荷条件に応じて個別に負荷整合を行
うことができるため、プラズマからの反射電力を最小に
する等の制御を容易に行うことができる。
【0110】また、各負荷整合器30の整合状態を変化
させることによって、各誘導アンテナ10への供給電力
を変化させることもできる。このような方法によって、
生成プラズマの空間的な分布制御を行うことができるた
め、放電容器を大型にした場合でも、空間的に一様なプ
ラズマ生成を達成することができる。
【0111】以上のように、本実施の形態によれば、プ
ラズマからの反射電力を最小にする等の制御を容易に行
うことができると共に、放電容器を大型にした場合でも
空間的に一様なプラズマ生成を達成することができる。
【0112】次に、本発明の第10の実施の形態の高周
波負イオン源について、図12を用いて説明する。図1
2は、第10の実施の形態の高周波負イオン源の電力供
給系の要部を示す構成概略図である。
【0113】図12に示すように、本実施の形態の高周
波負イオン源40は、各誘導アンテナ10に対応して、
高周波電源32、絶縁トランス31及び負荷整合器30
の組が個別に設けられている他は、図10に示す第8の
実施の形態の高周波負イオン源と略同様の構成である。
第10の実施の形態において、図10に示す第8の実施
の形態と同一の部分には同一の符号を付して詳細な説明
は省略する。
【0114】本実施の形態においては、各高周波電源3
2から供給される高周波電力が、各絶縁トランス31及
び各負荷整合器30を経由して、各誘導アンテナ10に
供給される。
【0115】この際、各誘導アンテナ10からプラズマ
への投入電力は、各高周波電源32の出力を変動させる
ことによって容易に変えることができるため、各誘導ア
ンテナ10への投入電力の精密な制御が可能で、生成プ
ラズマの空間的な分布制御を実施することができ、放電
容器を大型にした場合でも空間的に一様なプラズマ生成
を達成することができる。
【0116】以上のように、本実施の形態によれば、各
誘導アンテナ10への投入電力の精密な制御が可能で、
放電容器を大型にした場合でも空間的に一様なプラズマ
生成を達成することができる。
【0117】以上の各実施の形態において、各誘導アン
テナ10には同じ周波数の高周波が供給され得る。この
ような態様は、単一の高周波電源32を使用する場合に
特に好ましいが、複数の高周波電源32を使用する場合
であっても、同一規格の電源32、絶縁トランス31及
び負荷整合器30を使用することができる等、構成が安
価で単純になるという利点がある。
【0118】一方、以上の各実施の形態において、各誘
導アンテナ10に異なる周波数の高周波を供給すること
も可能である。このような態様は、放電容器1内に生成
されるプラズマの空間分布制御を行う際に有効な場合が
ある。
【0119】図13は、本発明による高周波負イオン源
40を複数個用いた中性粒子入射装置の構成概略図であ
る。図13の中性粒子入射装置45は、8個の高周波負
イオン源40と、各高周波負イオン源40を制御する制
御装置41と、を備えている。
【0120】制御装置41は、RF信号発生器41a
と、RF信号発生器41aからの信号を各高周波負イオ
ン源40の電源系統に振り分けて各高周波負イオン源4
0をパルス的に動作させるマイクロ波スイッチ41bと
を有している。
【0121】各高周波負イオン源40の電源系統は、信
号を所定の電力まで増幅するRF増幅器43を有してい
る。
【0122】次に、以上のような構成からなる中性粒子
入射装置45の作用について、図14を用いて説明す
る。
【0123】RF信号発生器41aで発生した信号は、
マイクロ波スイッチ41bによって振り分けられて、各
高周波負イオン源40の電源系統のRF増幅器43に送
られる。RF増幅器43は、信号を所定の電力まで増幅
し、絶縁トランス31、負荷整合器30を介して誘導ア
ンテナ10に供給する。
【0124】各高周波負イオン源40は、図14に示す
ように、パルス的に動作する。そこで、ある高周波負イ
オン源40の運転パルスが終了した瞬間に、RF信号発
生器41aで発生させた信号を、マイクロ波スイッチ4
1bによって他の高周波負イオン源40の電源系統へと
切り替える。図13の中性粒子入射装置45は、図14
に示すように、パルス的に動作する複数の高周波負イオ
ン源40をそれぞれの運転周期に相互に時間差を置くこ
とによって、概定常なビームを発生させることができ
る。
【0125】この際、各高周波負イオン源をパルス的に
動作させることができるため、定常なビーム出力を得る
ためにイオン源を定常運転する方式の中性粒子入射装置
でしばしば問題になる、放電容器や加速電極への熱流入
による損傷を防止することができる。また、各高周波負
イオン源に投入できる高周波電力を大きくでき、ビーム
出力を大きくすることも可能となる。
【0126】以上のように本実施の形態によれば、各高
周波負イオン源をパルス的に動作させながら定常なビー
ム出力を得ることができ、放電容器や加速電極への流入
熱を小さくでき、また、ビーム出力を大きくすることが
可能となる。
【0127】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、数10
kWを超えるような大電力放電を行う場合に、単一の誘
導アンテナを用いる場合と比べて、誘導アンテナの両極
に発生する高周波電圧を低くすることができるため、放
電プラズマと誘導アンテナとの間のアーキングの発生を
抑制することができる。
【0128】また、本発明によれば、誘導アンテナに印
加される高周波電圧が下がることに起因して、放電プラ
ズマ中に生成される必要以上に高エネルギーの電子成分
の発生が抑えられるため、負イオンの崩壊を抑制するこ
とができ、負イオンの生成効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による高周波負イオ
ン源を示す概略斜視断面図。
【図2】図1の高周波負イオン源の断面図。
【図3】本発明の第2の実施の形態による高周波負イオ
ン源を示す断面図。
【図4】本発明の第3の実施の形態による高周波負イオ
ン源を示す概略斜視断面図。
【図5】図4の高周波負イオン源の断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態による高周波負イオ
ン源を示す断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態による高周波負イオ
ン源を示す概略図。
【図8】本発明の第6の実施の形態による高周波負イオ
ン源を示す概略斜視断面図。
【図9】本発明の第7の実施の形態による高周波負イオ
ン源を示す概略斜視断面図。
【図10】本発明の第8の実施の形態による高周波負イ
オン源を示す構成概略図。
【図11】本発明の第9の実施の形態による高周波負イ
オン源の電力供給系の要部を示す構成概略図。
【図12】本発明の第10の実施の形態による高周波負
イオン源の電力供給系の要部を示す構成概略図。
【図13】本発明による高周波負イオン源を複数個用い
た中性粒子入射装置の一例を示す構成概略図。
【図14】図13の中性粒子入射装置の高周波負イオン
源の動作状態を説明する図。
【図15】従来の高周波負イオン源を示す概略断面図。
【符号の説明】
1…放電容器,2…上板,3…側壁,4…第1電極,5
…貫通孔,6…第2電極,7…第3電極,8、9…貫通
孔,10…誘導アンテナ,11…ガス導入口,12、1
3…磁石,14…フィルタ磁石,15…磁力線,16…
第一室,17…第二室,18…アルカリ金属蒸気導入
口,20、21…磁力線,22…引き出し電源,23…
加速電源,24…中央磁石,25…絶縁硝子,26…外
導体板,27…内導体板,28…外導体,29…内導
体,30…負荷整合器,31…絶縁トランス,32…高
周波電源,33…内蔵磁石,34、35…磁力線,36
…フィラメント,36a…フィラメント電源,36b…
補助アーク電源,37…レーザ光照射用窓,38…レー
ザ,40…高周波負イオン源,41…制御装置,41a
…RF信号発生器,41b…マイクロ波スイッチ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電容器と、放電容器を真空に排気する手
    段と、放電容器に放電のための原料ガスを供給する手段
    と、放電容器内部に設けられた複数の誘導アンテナと、
    各誘導アンテナに接続され、放電容器内に放電プラズマ
    を生成するための高周波電圧を各誘導アンテナに供給す
    る高周波電源と、放電容器の壁面に形成された負イオン
    加速用の加速電極と、放電プラズマから負イオンを引き
    出すために加速電極に設けられたビーム引き出し孔と、
    を備えたことを特徴とする高周波負イオン源。
  2. 【請求項2】複数の磁石が、各磁石の着磁方向が放電容
    器の壁面に対して垂直で、かつ、隣接する磁石の極性が
    交互に異なるように、放電容器の周囲に間隔を空けて配
    置されて、放電容器内部に閉じた磁力線を形成し、誘導
    アンテナは、前記磁力線によって囲まれていることを特
    徴とする請求項1に記載の高周波負イオン源。
  3. 【請求項3】誘導アンテナは、加速電極に対して略平行
    に配置され、ビーム引き出し孔は、加速電極のうち誘導
    アンテナに対向する位置を除いた部分にのみ設けられて
    いることを特徴とする請求項1または2に記載の高周波
    負イオン源。
  4. 【請求項4】誘導アンテナは、永久磁石を内蔵している
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の高
    周波負イオン源。
  5. 【請求項5】放電容器内部に、フィラメントが配置され
    ていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載の高周波負イオン源。
  6. 【請求項6】放電容器に、レーザ光照射用窓が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記
    載の高周波負イオン源。
  7. 【請求項7】高周波電源は、単一の電源によって構成さ
    れ、高周波電源と誘導アンテナとの間には、単一の負荷
    整合器が設置されていることを特徴とする請求項1乃至
    6のいずれかに記載の高周波負イオン源。
  8. 【請求項8】高周波電源は、単一の電源によって構成さ
    れ、高周波電源と誘導アンテナとの間には、各誘導アン
    テナに対応する複数の負荷整合器が設置されていること
    を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の高周波
    負イオン源。
  9. 【請求項9】高周波電源は、各誘導アンテナに対応する
    複数個の電源によって構成されていることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれかに記載の高周波負イオン源。
  10. 【請求項10】請求項1乃至9のいずれかに記載の複数
    の高周波負イオン源と、各高周波負イオン源を、パルス
    的に動作させると共にそれぞれの運転周期に相互に時間
    差を置いて概定常なビームを発生するよう制御する制御
    装置と、を備えたことを特徴とする中性粒子入射装置。
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