JP2512649B2 - イオン注入用のプラズマソ―ス装置 - Google Patents

イオン注入用のプラズマソ―ス装置

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JP2512649B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、目標物にイオン注入す
る改良されたプラズマソース装置に関し、特に自動車産
業用のダイツーリング材料のような大きい目標物をイオ
ン注入によって硬化するのに適している。
【0002】
【従来の技術】プラズマソースイオン注入(PSII)
は通常のイオン注入に固有する照準線制限を回避するイ
オン注入技術である。基本的な技術は1988年8月16日、
J.Conrad氏による米国特許4,764,394 号明細書に開示さ
れている。3次元目標物の表面へのイオン注入は包囲容
器内の目標物付近にプラズマを形成し、目標物と容器の
導電壁の間の負の高電圧の反復パルスを供給することに
よって達成される。プラズマからのイオンは目標物の操
作を必要とせずに同時に且つ全方向に全側面から目標物
表面に駆動される。プラズマが排気された容器に導入さ
れ、電離放射によってイオン化された中性ガスから形成
されることができるように、注入過程中に目標物を包囲
する一定のプラズマソースが設けられる。種々の材料の
表面硬化および磨耗抵抗特性の顕著な増加がPSII技
術を使用してイオン注入によって得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】Conrad氏による特許明
細書に開示された通常のPSIIプラズマ生成工程は幾
つかの観点で制限され、自動車製造に使用されるダイお
よびツールのような大きい目標物のイオン注入の応用を
厳しく制限する。まず、PSII動作空間中のガス原子
の直接のイオン化は、一般に1m2 よりも大きく、106
乃至1011イオン/cm-3の範囲の密度を有するイオン注
入用の大きいダイを包囲するのに必要な大きいプラズマ
を生成する装置を構成するのが困難で実用的でない。容
器内でのフィラメント放電に対して、フィラメントは十
分な電子放出のために2000℃程度の高い温度まで加熱さ
れなければならない。この温度でのフィラメント材料の
蒸発は複雑なバッフルなしでツールまたはダイ部分を被
覆するので望ましくない。バッフルで遮蔽されない高温
フィラメントからの放射はダイ表面を加熱する。20m3
程度の大きいプラズマに対して、約20個の多数のフィラ
メントが必要であり、面積が1000cm2 のダイ表面に対
して加熱放射パワーの1W/cm2 程度のプラズマを生
成する。1mA/cm2 のプラズマ注入電流密度、およ
び100 kVの注入電圧、並びに1%のパルス変調器のデ
ューティサイクルに対して、注入のみによりダイ表面を
加熱する平均パワー密度もまた1W/cm2 である。し
たがって、通常のフィラメント放電技術が大きいプラズ
マの発生に使用されるならば、潜在的な有害な影響によ
り注入中にツールまたはダイ表面を加熱するパワーは2
倍である。
【0004】1種より多くのイオン種は多重イオン注入
の場合のように注入に望ましい場合、各イオン種のイオ
ン生成はイオンが目標物を収容している同じ容器内に発
生するとき、選択的に制御されることができない。これ
は全ガス原子は選択的ではなく集合的にイオン化される
ためである。したがってConrad氏による特許明細書に開
示されたような基本的なPSII技術は単一イオン種の
注入にしか適さない。
【0005】PSIIにおいて、均一注入を達成するた
めに密度が均一なプラズマを生成することは重要であ
る。プラズマ生成工程において、プラズマ密度勾配は常
にプラズマ生成または発生ソース付近で最も高い。通常
のPSII装置において、これは目標物を包囲する容器
内のプラズマソースの位置を制限し、装置の形態におい
てさらに別の制限を設ける。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によると、自動車
製造に使用される大きいツールまたはダイのようなイオ
ンによって注入される大きい目標物は容器内に収容され
る。プラズマは容器またはPSII動作空間と分離し、
そこに開口する発生室内で発生される。プラズマはConr
ad氏により説明された通常の実行方法と比較して実質上
改良された密度を有して目標物を包囲するために発生室
から容器中に拡散される。高電圧の負パルスが目標物に
供給され、イオンはプラズマ中から加速され、目標物に
注入される。
【0007】注入されるべき目標物を収容する容器との
室内に配置されたプラズマ発生ソースとを分離すること
によって、装置がプラズマソースの寸法の増加或いは多
重ソースの設置のいずれかによって大きい容積のプラズ
マ生成に容易に拡張されることが可能になる。
【0008】プラズマ発生ソースと目標物の間の照準線
連通は最小にされるので、ソースによる目標物の加熱お
よび、ソースから目標物への蒸発またはスパッタリング
によって熱的に放電される材料の移送を含む不所望な影
響を取除くことができる。容器中に拡散するプラズマ
は、プラズマが目標物を包囲する同じ容器中で発生され
る通常の形態の固有の実質上の勾配なしで実質上改良さ
れた密度を有する。
【0009】2つ以上の発生室が容器内に拡散し均一に
混合される異なるイオン種のプラズマを発生するために
設けられることができる。プラズマソースのアノードは
物理的および電気的に容器の壁に接続されるか、或いは
物理的に隔離され電気的に絶縁される。異なるプラズマ
の特性はそれぞれの発生室内で個々に選択され制御され
ることができる。
【0010】本発明のこれらおよび他の特徴および利点
は添付図面と共に以下の詳細な説明から当業者に明らか
である。図において同様の部分には同じ参照番号が付さ
れている。
【0011】
【実施例】図1を参照にすると、本発明のプラズマソー
スイオン注入装置は全体を10として示され、スチールの
ような導電材料から形成された容器12を含む。容器12は
垂直断面に示され、図の平面と垂直方向に細長い。自動
車製造用の大きいダイツールのような目標物14は導電板
16上の容器12の内側に取付けられる。目標物14はスチー
ルのような鉄金属または非鉄金属またはエポキシのよう
な他の材料から形成されることができる。導電版16およ
び目標物14は絶縁材料で作られた台18によって支持され
る。目標物14は導電板16にオーム的に接続されるが、容
器12の壁から絶縁される。
【0012】パルス発生器20は負極性の高電圧パルスを
導電板16に接続されているケーブル22を通って目標物14
に供給する。ケーブル22は絶縁体24によって容器12の壁
から絶縁されてそれを貫通している。ケーブル22は導電
板16に接続されるように示されているが、導電板16を省
略して目標物14に直接ケーブル22を接続することもでき
る。パルス発生器20はケーブル22とアースの間の負のパ
ルスを発生するように構成されることができ、容器12は
図に示されたように接地される。図示されていないが、
アース以外の電気帰路がパルス発生器20と容器12の間に
備えられることができる。目標物が非鉄金属または他の
絶縁性材料である場合、負のパルスはプラズマからイオ
ンを導電板16に向って加速させる電界を生成するために
導電板16に供給され、導電板16に支持される目標物14に
イオンを注入する。
【0013】本発明によると、プラズマ発生室26は容器
12の外側に延在する。室26は容器12から離れるが、管を
通すかまたは直接その右端部および図示のように容器の
左壁部分を貫通して形成された開口28を通って容器12中
に開口する。室26は容器12の壁から物理的に隔離され電
気的に絶縁されるアノードを含むことができることがプ
ラズマソースの当業者によって認識されるであろう。プ
ラズマ発生ソース30は室26中に配置され、制御装置32に
よって制御される。
【0014】本発明は1つの室およびその中に配置され
たプラズマソースのみにより構成されることができる
が、2つの以上の室および関連するプラズマソースを備
えることは本発明の技術的範囲内に含まれる。図1に示
されたように、第2のプラズマ発生室34は容器12の右壁
部分の外側に延在し、壁中に開口36を形成する。プラズ
マ発生ソース38は室34中に配置され、プラズマソース30
に類似するようにして制御装置40によって制御される。
プラズマ室26と34は目標物の上の半球部分の他の位置に
取付けられることもできる。
【0015】ソース30と38は窒素、水素、酸素、ネオ
ン、アルミニウム、およびアルゴンのような同じまたは
異なるガスまたは金属種のプラズマを発生するように構
成されることができる。前者の場合において、多重プラ
ズマソースは容器12内の目標物14のイオン注入を実行す
ることが可能なプラズマ密度を増加させることによって
装置10を拡大する。後者の場合、多重ソースは目標物14
を2つの異なる型のイオンによって同時に注入させるこ
とが可能である。いずれの場合にせよ、制御装置32と40
は個々に選択された値にプラズマ44の特性(プラズマ密
度、電子温度、中性密度)を別々に調節するためにソー
ス30と38をそれぞれ制御する。
【0016】容器12の中心部分にプラズマを閉込めるか
或いは集中させるために磁界を供給しなくとも本発明を
設けることは可能である。しかしながら、動作の効率は
そのような手段を実行することによって実質上改良され
ることができる。図1に示されたように、複数の磁石42
はこの機能を実行するために容器12および、または室2
6,34 の周囲に間隔を隔てて備えられることができる。
【0017】動作において、同じまたはことなるイオン
種のプラズマ44と46は別々のプラズマ発生室26と34中の
プラズマソース30と38によってそれぞれ発生される。プ
ラズマ44と46は開口28と36をそれぞれ通って通常よりも
さらに均一な密度で容器12に拡散する。さらに、プラズ
マ44と46は容器12内で共に均一に混合され、目標物14を
包囲する複合プラズマ48を形成する。真空ポンプ50およ
び導管52は開口54を通って容器12を10-6トル以下の背景
圧力に排気する。
【0018】目標物14の付近におけるプラズマ48の密度
は完全に均一になることが最適である。しかしながら、
実際には、完全に均一なプラズマ密度を達成することは
不可能である。本発明の目的のために、用語「均一密
度」は許容できる品質のイオン注入が成される小さい許
容範囲内で変化するプラズマ密度を意味することを理解
すべきである。目標物14の実効的イオン注入は約106
至1011イオン/cm-3の範囲のプラズマ48の密度で行わ
れる。10乃至15%程度のプラズマ密度の変化は一般に許
容可能であるが、それより大きい変化もまた応用によっ
ては許容可能である。
【0019】パルス発生器20からの高電圧の負のパルス
は目標物14に向って加速されそれに注入されるように正
に荷電された複合プラズマ48からイオンを生成する。パ
ルス発生器20によって供給された負の電圧または電位の
大きさ(一般に約20乃至100 KV)、およびパルス反復
周波数、並びにパルスのデューティサイクルは、特別の
応用にしたがって選択される。一般に、高い電圧は深い
注入を引起こし、高いデューティサイクルは所望のドー
ズを達成するための時間を減少させる。しかしながら、
特定の値より高いデューティサイクルの増加はプラズマ
48と目標物14の間のアークを生成し、目標物14の表面の
焼損または穴の生成等の不所望な結果をもたらす。
【0020】目標物を包囲する容器から離れている発生
室内のプラズマの発生は従来の装置に固有する不所望な
プラズマ密度勾配を最小にし、プラズマは目標物を包囲
する同じ室内に発生される。1つのプラズマソース30ま
たは38のいずれかが使用されるとき、複合プラズマ48ま
たは個々のプラズマ44または46は容器12に拡散し、実質
上改良されたプラズマ密度を有して目標物14の露出され
た表面を包囲する。容器12の全体の容積中で均一なプラ
ズマ密度であることが望ましいが、本発明は目標物14が
配置される容器12の区域が均一なプラズマ密度であれば
実用されることができる。
【0021】以下詳細に示されるように、プラズマソー
ス30と38は低温度で動作し高温フィラメントプラズマソ
ースに関連する熱的に発生された不純物の放電を含む問
題を最小限にする熱イオン中空カソード装置であること
が好ましい。これは、目標物14を包囲する容器12からの
プラズマ発生室26,34 の分離と協力して、従来技術に関
係する上述のような有害な影響なしでプラズマソース3
0,38 の目標物14との照準線の連通を可能にする。
【0022】プラズマソースと目標物の間の照準線整列
は特別の適用において必要な設計の条件にあり、プラズ
マソースからの熱的に発生された材料の加熱および、ま
たは放電が問題である場合、図2に示された変更された
装置10' が設けられる。装置10' は図1に示された素子
の他にそれぞれのプラズマソース30と38の内側(図示せ
ず)、または絶縁マウント60と62によってそれぞれ容器
12内に支持されることができるバッフル56と58を含む。
バッフル56と58は各プラズマソース30,38 と目標物14と
のそれぞれの間に設けられ、プラズマ44と46と衝突さ
せ、その周辺を流れるようにする。バッフル56と58はプ
ラズマソース30,38 と目標物14とのそれぞれの間の照準
線連通を阻止し、プラズマソース30と38によって発生さ
れた熱およびまたは不純物を吸収或いは阻止し、それら
が目標物14に到達することを阻止することが可能な非磁
性スチールまたはタンタルのような適切な材料から形成
される。しかしながら、それらは目標物14の付近におけ
る均一のプラズマ密度の達成を妨害しない。
【0023】バッフル56と58はプラズマソース30と38の
内側に取付けられるとき(図示せず)、それらは磁性材
料であることが好ましく、プラズマソース30,38 と目標
物14の間の照準線連通を阻止するだけなく、プラズマソ
ース30,38 から容器12中に拡散する原子種を選択するた
めに使用されることもできる。窒素プラズマの場合にお
いて、そのような磁性バッフル「フィルタ」の存在は優
勢の原子窒素イオンがプラズマソース30と38の一方また
は両方から容器12中に拡散することを可能にする。原子
窒素プラズマを発生するプラズマソースは1990年1月、
S.Walther 氏他による論文(“Production of atomic n
itrogen ion beams ”、Rev.Sci.Instru.vol.61 、no.
1、315 乃至317 頁)に記載されている。
【0024】イオン注入は分子窒素イオンを使用する同
じ窒素ドーズを注入するのに必要な注入電圧の半分を使
用することによって達成されることができるので、優勢
の原子窒素イオンを生成する利点をイオン注入の技術の
当業者は認識するであろう。これはConrad氏による通常
のPSII工程を使用しても不可能である。それにおい
ては優勢の分子窒素イオンは異なる種のプラズマ生成の
隔離ができないため生成されるので、プラズマは注入室
の内側に生成される。
【0025】図3は中空カソード熱イオンプラズマ発生
装置としてのプラズマ発生ソース30の好ましい実施例を
示す。この型式の装置の詳細な説明は1989年1月24日、
W.Williamson氏による米国特許4,800,281 号明細書に記
載されている。プラズマを真空(スペースシャトルを包
囲する外の空間)に放電するために使用されたそのよう
なプラズマソースの説明は1988年10月3−6日、J.Beat
tie 氏他による論文(IEPC-88-030 、DGLR/AIAA/JSASS
20th International Electoric Propulsion Conferenc
e、Germisch-Partenkirchen、Germany 、1−5頁)に
記載されている。
【0026】プラズマソース38はタングステン、タンタ
ル、またはレニウムのような導電材料から形成された中
空カソード64を含むソース30に本質的に類似する。窒
素、ネオン等のようなイオン化ガスは図示のようにガス
供給容器66から導管68を通ってカソード64の左端部に供
給される。カソード64は電気加熱コイル70によってその
熱電子放出温度まで加熱され、左から右にカソード64を
通って流れるガスに電子を放出する。放射された電子は
ガス原子を衝撃し、電子雪崩イオン化によってプラズマ
放電を形成し支持する多重衝突をカソード14中に生成す
る。
【0027】電圧または電位はカソード64に関して正で
あるアノード76に供給され、さらにプラズマの維持に影
響を与え、プラズマ44を構成するためにアノード76に形
成された開口74を通って放電させる。制御装置32は必要
な電圧をカソード64、アノード76、および加熱コイル70
に供給し、また供給容器66からのガスの供給を制御す
る。
【0028】図4は別のプラズマソース78を示し、類似
する素子は図3に使用された同じ参照番号によって示さ
れている。ソース78は変更された制御装置32' の制御下
で電源82から適切な電圧を供給される高温フィラメント
80を含む。フィラメント80は図3に示されたカソード64
に類似する材料から形成されることができ、フィラメン
ト80によって熱電子的に放出される電子によるガス原子
の直接の衝撃によるプラズマ発生室26中でのガスのプラ
ズマ放電およびイオン化を生じさせる。
【0029】図5は選択された周波数(RFまたはEC
RH)における電磁信号を発生するために変更された制
御装置32''によって制御される信号発生器86を含むさら
に別のプラズマ発生ソース84を示す。電磁信号は電磁共
振結合によってガスのプラズマ放電イオン化を生じさせ
る。
【0030】上述のプラズマ発生室26と34は容器12中に
別々に開口するが、図6に示されたように容器12中に開
口する充満室92中に開口する多重プラズマ発生室88と90
を備えることは本発明の技術的範囲内にある。さらに、
同じまたは異なるイオン種のプラズマを生成するために
室88と90中にそれぞれ配置されたプラズマソース94と9
6、および室92へのこのプラズマの流れを導く永久磁石9
9が示されている。複合プラズマ98は充満室92から容器1
2に拡散する。充満室中に開口する任意数のプラズマ発
生室を有し、容器中に開口する任意数の充満室を有する
ことも本発明の技術的範囲内に含まれる。
【0031】バッフル56と58はプラズマソース30,38 と
目標14の間の照準線連通を阻止するために図2に示され
た装置10' に使用されるが、プラズマ発生室および容器
の設計によってバッフルなしで同じ結果を達成すること
が可能である。図7に示されたように、容器12は平面図
で示され、4個のプラズマ発生室100,102,104,106 が設
けられ、開口する。プラズマソース108,110,112,114 は
図示のようにそれぞれの発生室中に設けられる。プラズ
マソースと目標の間の照準線連通はそれぞれの室の壁で
阻止されるために、目標14は容器12内の中心に位置され
る。目標物14は均一な密度の複合プラズマ116 によって
囲まれる。上述の実施例では、個々のソースによって発
生されたプラズマは同じまたは異なるイオン種からなる
ことができる。さらに、容器12と室100,102,104,106 の
中のプラズマを閉込める磁石118 が示されている。 実例 上述のWilliamson氏の特許明細書に記載されたプラズマ
ソースはプラズマを発生させ、自動車製造用のダイおよ
びツールのイオン注入に適した大きい容器中に放電する
ために使用された。容器は122 cmの直径(高さ)およ
び305 cmの長さを有する水平方向の排気されたシリン
ダの形態であった。プラズマソースはキセノンイオンと
電子からなるプラズマを容器の1端部に縦方向に放電す
るように取付けられた。磁気による閉込めは使用されな
かった。
【0032】10Wの放電パワーは1 maのプラズマ電流
を生成した。プラズマは1/40eVのほぼ室温値を有す
るイオン温度および0.5eV〜6%の電子温度を有する
容器中に拡散し、充填した。容器の中心におけるプラズ
マ密度は3×106 イオン/cm3 であり、容器の中心か
ら61cmの半径内の〜13%の変化を有した。密度および
均一性の達成されたレベルはJ.Conrad氏の上記特許明細
書により記載されたように122 cm以上の主要寸法を有
する目標のPSIIを実行するのに十分であり、磁気に
よる閉込めの追加によって実質上改良された。
【0033】本発明の幾つかの実施例が説明されたが、
多くの変形および別の実施例は本発明の技術的範囲から
逸脱することなく当業者によって行われるであろう。し
たがって、本発明は例示の実施例のみに限定されていな
い。種々の変更は添付特許請求の範囲によって限定され
た本発明の技術的範囲から逸脱することなく行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプラズマソースイオン注入装置の
簡単な垂直断面図。
【図2】図1と類似した変形実施例の断面図。
【図3】装置の熱イオン中空カソードプラズマ発生ソー
スの簡単な断面図。
【図4】装置で代りに使用できる高温フィラメントプラ
ズマ発生ソースの簡単な断面図。
【図5】装置で代りに使用できる電磁プラズマ発生ソー
スの簡単な断面図。
【図6】本発明の装置の別の実施例の平面図。
【図7】本発明の装置の別の実施例の平面図。
【符号の説明】
10…プラズマソースイオン注入装置、12…容器、14…目
標物、16…導電板、20…パルス発生器、22…ケーブル、
26,34…プラズマ発生室、30…プラズマ発生ソース、3
2,40…制御装置、36…開口。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ダン・エム・ゲーベル アメリカ合衆国、カリフォルニア州 91356、ターザナ、リンドレイ・アベニ ュー 4637 (56)参考文献 特開 平2−11762(JP,A)

Claims (19)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 イオン注入されるべき目標物を包囲する
    容器と、前記 容器から分離して配置され前記容器の壁の開口
    介して容器中の空間と連通されているプラズマ発生室
    と、この プラズマ発生室においてイオンのプラズマを発生す
    るプラズマソース手段とを具備し前記プラズマソース手段はそれによってプラズマ発生室
    内で発生されたプラズマイオンが拡散によって移動して
    容器中に入り均一な密度で目標物を包囲するように構成
    され、 さらに イオンプラズマから目標物方向に加速させ
    目標物に注入させる電位を目標物に供給する電源手段を
    具備していることを特徴とするプラズマソースイオン注
    入装置。
  2. 【請求項2】 プラズマソース手段は、 イオン化ガスをプラズマ発生室に供給する供給手段と、 ガス中にプラズマ放電を生じさせる放電手段とを具備し
    ている請求項1記載の装置。
  3. 【請求項3】 放電手段は熱イオン中空カソードを具備
    している請求項2記載の装置。
  4. 【請求項4】 放電手段は電子でガスを衝撃するための
    高温フィラメントを具備している請求項2記載の装置。
  5. 【請求項5】 放電手段は電磁波をガスに放射する手段
    を具備している請求項2記載の装置。
  6. 【請求項6】 ガスは窒素、水素、酸素、ネオン、アル
    ミニウム、およびアルゴンからなる群から選択される請
    求項2記載の装置。
  7. 【請求項7】 さらに、容器中のプラズマを閉込めるプ
    ラズマ閉込め手段を具備している請求項1記載の装置。
  8. 【請求項8】 プラズマ閉込め手段は容器の周囲に間隔
    を隔てて配置された複数の磁石を具備している請求項7
    記載の装置。
  9. 【請求項9】 電源手段は負のパルスの形態で目標物に
    電位を供給するように構成されている請求項1記載の装
    置。
  10. 【請求項10】 さらに、プラズマソース手段と目標物
    の間の照準線連通を阻止する手段を具備している請求項
    1記載の装置。
  11. 【請求項11】 容器から分離して配置されている第2
    のプラズマ発生室と、この 第2のプラズマ発生室においてプラズマイオンを
    生する第2のプラズマソース手段とを具備し前記プラズマソース手段によってプラズマ発生室内で発
    生されたプラズマイオンが拡散によって移動して容器中
    に入り均一な密度で目標物を包囲するように 第2のプラ
    ズマ発生室対象物を包囲する容器の壁の開口によって
    容器中の空間と連通され、 第2のプラズマのイオンは容器中の前記プラズマのイオ
    ンと異なり、それと均一に混合し、第2のプラズマ中か
    ら加速され、電位によって目標物に注入される請求項1
    記載の装置。
  12. 【請求項12】 それぞれ発生された前記プラズマおよ
    び前記第2のプラズマの特性を制御するために、前記プ
    ラズマソース手段および前記第2のプラズマソース手段
    を個々に制御する制御手段をさらに具備している請求項
    11記載の装置。
  13. 【請求項13】 容器中に開口する充満室をさらに具備
    し、前記プラズマ発生室および前記第2のプラズマ発生
    室はこの充満室に開口している請求項11記載の装置。
  14. 【請求項14】 (a)容器中に目標物を収容し、 (b)容器から分離した場所においてのイオンプラズマ
    を発生させ、このプラズマを前記容器中に拡散させて均
    一の密度で目標物を包囲させ、 (c)イオンプラズマから目標物方向に加速させ
    目標物に注入させる電位を目標物に供給するステップを
    含むプラズマからのイオンを目標物に注入する方法。
  15. 【請求項15】 (d)容器中のプラズマを閉込めるた
    めに磁界を供給するステップをさらに含む請求項14記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 ステップ(c)において、負のパルス
    の形態をとる電荷を供給する請求項14記載の方法。
  17. 【請求項17】 ステップ(b)において、容器から分
    離した場所においてのイオンプラズマを発生させるため
    に、 (d)容器と分離され配置され、容器壁の開口を通って
    容器内部の空間と連通するプラズマ発生室を設け、 (e)発生室中にプラズマソース手段を設け、 (f)プラズマソース手段と目標物の間が直線的に連通
    しないようにプラズマソース手段と目標物との関係位置
    が設定される請求項14記載の方法。
  18. 【請求項18】 (d)前記プラズマのイオンと異なる
    イオンの第2のプラズマを容器と分離して発生させ、第
    2のプラズマを均一の密度で目標物を包囲するために容
    器中に拡散させ、第2のプラズマのイオンを前記プラズ
    マのイオンと均一に混合するステップを含み、 前記ステップ(c)においては、第2のプラズマのイオ
    ンが加速され、目標物に注入されるように、電位を目標
    物に供給する請求項14記載の方法。
  19. 【請求項19】 ステップ(b)において、前記プラズ
    マの特性を個々に制御し、 ステップ(d)において、第2のプラズマの特性を個々
    に制御する請求項18記載の方法。
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