JPH0632348A - 梱包装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙にて作られた緩衝体を使用した場合でも、
機器を確実に保護しつつ、部品点数の少ない安価な梱包
装置を提供する。 【構成】 緩衝体２で覆われた機器１を立方体の包装箱
５で包装するようにした梱包装置である。包装箱５の上
部には、対向する側面５Ａ，５Ｂからそれぞれ折り曲げ
られた一対の内フラップ６，７を有するとともに、それ
とは別の対向する側面５Ｃ，５Ｄから内フラップ６，７
上に重ねて折り曲げられた中フラップ８と外フラップ９
を有している。そして、各内フラップ６，７の先端部に
は、包装箱５内上部に緩衝用空間Ｘを形成する略Ｌ字状
の緩衝片１０，１１がそれぞれ折り曲げにより一体に設
けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、家庭用の加湿器等の機
器を梱包するのに適した梱包装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の梱包装置は、例えば、特
開平３−５６２３３号公報に開示されているように、機
器が挿入される凹所を形成した複数の発泡スチロール製
の緩衝体で機器を覆い、それを紙で作られた立方体形状
の包装箱に収容することにより、機器を包装していた。
このものでは、機器がプラスチックやガラス等の比較的
脆くて弱い材料で作られた場合、発泡スチロール製の緩
衝体により機器を十分保護できる利点があるが、包装箱
と緩衝体は異種材料（例えば、紙と発泡スチロール）で
作られているため、包装廃棄物の処理の際、材料別に仕
分けする必要があり、処理作業が繁雑になる欠点があっ
た。

【０００３】そこで近年では、廃棄処理上で問題の多い
発泡スチロールを廃止し、代わりに段ボール等の紙で作
られた緩衝体が使用される傾向にある。しかしながら、
加湿器等の脆弱な機器の梱包に紙製の緩衝体を使用した
場合には、包装箱の積み重ね保管時に、包装箱に大きな
荷重が加わり、この荷重によって包装箱が変形し、その
内部に収容した機器が損傷する心配があった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の実情
に鑑みてなされたものであり、紙にて作られた緩衝体を
使用した場合でも、機器を確実に保護しつつ、部品点数
の少ない安価な梱包装置の提供を目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明では、緩衝体で覆
われた機器を立方体の包装箱で包装するようにした梱包
装置において、包装箱の上部には、対向する側面からそ
れぞれ折り曲げられた一対の内フラップを有するととも
に、それとは別の対向する側面から前記内フラップ上に
重ねて折り曲げられた中フラップ及び外フラップを有
し、前記各内フラップの先端部には、前記包装箱内上部
に緩衝用空間を形成する略Ｌ字状の緩衝片がそれぞれ折
り曲げにより一体に設けられている構成である。

【０００６】また、本発明では、緩衝体で覆われた機器
を立方体の包装箱で包装するようにした梱包装置におい
て、包装箱の上部には対向する側面からそれぞれ折り曲
げられた一対の内フラップを有するとともに、それとは
別の対向する側面から前記内フラップ上に重ねて折り曲
げられた中フラップ及び外フラップを有し、前記各内フ
ラップの先端部には、前記包装箱内上部に緩衝用空間を
形成する略Ｌ字状の緩衝片がそれぞれ折り曲げにより一
体に設けられ、前記外フラップにはミシン目等により取
手部を構成する一対の折曲片が設けられ、前記中フラッ
プ、内フラップ及び緩衝片には取手部に対する手の挿入
口がそれぞれ設けられている構成である。

【０００７】

【作用】このように構成すると、包装箱の上部は、内フ
ラップとこの内フラップ上に重ねた中フラップ及び外フ
ラップの三重構造によって十分強化され、積み重ね荷重
等による変形を抑制できるとともに、例え、包装箱の上
部が変形した場合でも、包装箱内上部に形成された緩衝
用空間の緩衝作用により、機器の損傷が防止される。そ
のため、機器を覆う緩衝体が段ボール等の紙製であって
も、機器を損傷させることなく確実に保護できる。ま
た、包装箱内上部に緩衝用空間を形成する緩衝片が、各
内フラップの先端部にそれぞれ折り曲げにより一体に設
けられているので、部品点数を増加させないで済み、部
品点数が少なく安価な梱包装置となせる。

【０００８】請求項２の梱包装置においては、外フラッ
プにミシン目等により取手部を構成する一対の折曲片を
設け、中フラップ、内フラップ及び緩衝片には取手部に
対する手の挿入口をそれぞれ設けているので、持ち運び
が片手で簡単に行えるのはもちろん、折曲片を内フラッ
プの下面側に折り込むことで、中フラップと内フラップ
を利用して、取手部の強度を高めることができる。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図１ないし図５の
図面に基づき説明する。図１ないし図５において、１は
ヒータ式加湿器等の機器、２は一枚の段ボール等の紙に
よって作られた緩衝体であり、前記機器１はこの緩衝体
２によって覆われており、また、緩衝体２の上片３，３
の先端部はそれぞれ折り返えされて折返し部４，４が形
成されている。

【００１０】５は立方体形状の包装箱であり、一枚の段
ボール等の紙で作られている。この包装箱５は上面に開
口イを有し、この開口イを有する上部には、対向する側
面５Ａ、５Ｂからそれぞれ内側に折り曲げられた一対の
内フラップ６，７を有するとともに、それとは別の対向
する側面５Ｃ，５Ｄから前記内フラップ６，７上に順次
重ねて折り曲げられた中フラップ８と外フラップ９を有
している。

【００１１】前記各内フラップ６，７の先端部には、垂
直折り部１０Ａ，１１Ａとこの垂直折り部１０Ａ，１１
Ａの下端からそれぞれ外方向へ向かう水平な折返し部１
０Ｂ，１１Ｂからなり、かつ、前記包装箱５内の上部に
緩衝用空間Ｘを形成する略Ｌ字状の緩衝片１０，１１を
それぞれ折り曲げにより一体に設けている。前記一方の
内フラップ６と緩衝片１０の垂直折り部１０Ａには、そ
れぞれ手の挿入用開口１２，１３が設けられ、また、他
方の内フラップ７と緩衝片１１の垂直折り部１１Ａには
連続した一つの手の挿入用開口１４が設けてある。

【００１２】前記中フラップ８の略中央部分には、前記
挿入用開口１２，１４に対応するように所定間隔を存し
て一対の手の挿入用開口１５，１６が設けてあり、ま
た、前記外フラップ９の略中央部分には、中フラップ８
の挿入用開口１５，１６に対応するように一対の略コ字
状のミシン目１７，１８が設けられ、このミシン目１
７，１８を切断することによって取手部を構成する一対
の折曲片１９，２０が下方に折り曲げられるようになっ
ている。また、この折曲片１９，２０の中央には予め折
り線２２，２２を設けており、この折り線２２，２２に
沿って折曲片１９，２０の先端を内方に折り曲げると、
図５に示すように、折曲片１９，２０の先端は一方の内
フラップ６の下面に対向するようになる。

【００１３】２３は前記外フラップ９の先端部に設けた
第１の差し込み片であり、この第１の差し込み片２３
は、中フラップ８の基部に設けた第１の係合穴２４に差
し込まれる。２５は包装箱５の側面５Ｃの上部に設けら
れた第２の差し込み片であり、この第２の差し込み片２
５は、前記第１の差し込み片２３の基部に設けた第２の
係合穴２６に差し込まれるものである。

【００１４】上述の構成において、機器１を梱包する場
合、まず、機器１を緩衝体２によって覆い、この緩衝体
２で覆われた機器１を開口イから包装箱５の内部に挿入
する。このとき、図１及び図５に示すように、緩衝体２
の上片３，３の折返し部４，４はそれぞれ外方に折り返
えす。次に、緩衝片１０，１１をそれぞれ折り曲げた状
態にして、各内フラップ６，７を内側へ折り曲げること
により、緩衝片１０，１１の折返し部１０Ｂ，１１Ｂが
緩衝体２の折返し部４，４の上面に沿う状態になる。そ
の後、中フラップ８と外フラップ９を順次折り曲げて内
フラップ６，７上にそれらを重ね、このとき、第１の差
し込み片２３を第１の係合穴２４に差し込み、第２の差
し込み片２５を第２の係合穴２６に差し込むことで、梱
包が完了する。

【００１５】また、店で機器１を買って使用者がこれを
持ち帰る場合、外フラップ９のミシン目１７，１８を切
断して、折曲片１９，２０を下方に折り曲げるととも
に、折り線２２，２２に沿って折曲片１９，２０の先端
を内方に折り曲げる。こうすることにより、図５に示す
ように、折曲片１９，２０が取手部となり、折曲片１
９，２０の折り曲げ部分が手の挿入部２７，２８とな
る。そして、中フラップ８には挿入用開口１５，１６が
設けてあり、一方の内フラップ６と緩衝片１０の垂直折
り部１０Ａには、それぞれ挿入用開口１２，１３が設け
てあり、また、他方の内フラップ７と緩衝片１１の垂直
折り部１１Ａには挿入用開口１４が設けてあるので、外
フラップ９の挿入部２７，２８から手を入れて折曲片１
９，２０を掴み、機器５を包装した包装箱１を片手で持
ち運ぶことができる。

【００１６】本実施例によれば、緩衝体２で覆われた機
器１を包装する包装箱５の上部に、一対の内フラップ
６，７を有するとともに、内フラップ６，７上に順次重
ねて折り曲げられた中フラップ８と外フラップ９を有し
ているので、包装箱５の上部は、内フラップ６，７と中
フラップ８と外フラップ９の三重構造によって強度が大
きくなり、倉庫等に多数積み重ねて保管しても、積み重
ね荷重によって包装箱５の上部が変形するのを防止で
き、荷くづれ等の心配がなくなるとともに、例え、包装
箱５の上部が変形したとしても、包装箱１内の上部に
は、垂直折り部１０Ａ，１１Ａと折返し部１０Ｂ，１１
Ｂからなる略Ｌ字状の緩衝片１０，１１により緩衝用空
間Ｘが形成されているので、この緩衝用空間Ｘの緩衝作
用により、機器１に伝わる荷重が緩和されるため、機器
１の損傷が防止される。従って、実施例のように、機器
１を覆う緩衝体２が段ボール等の紙製であっても、ま
た、機器１がプラスチックやガラス等の比較的脆く弱い
材料で作られていても、機器１を損傷させることなく確
実に保護することができる。

【００１７】また、前記包装箱５内の上部に緩衝用空間
Ｘを形成するための緩衝片１０，１１が、各内フラップ
６，７の先端部にそれぞれ折り曲げにより一体に形成さ
れているので、内フラップ６，７と機器１を覆う緩衝体
２の間に、緩衝用空間を形成するための別部品を介在さ
せる必要がなく、部品点数を増加させないで済み、部品
点数の少ない安価な梱包装置となせる。

【００１８】また、前記外フラップ９にはミシン目１
７，１８により取手部を構成するための一対の折曲片１
９，２０を設け、中フラップ８、内フラップ６，７及び
緩衝片１０，１１には取手部に対する手の挿入用開口１
２，１３，１４，１５，１６をそれぞれ設けているの
で、外フラップ９の挿入部２７，２８から手を入れて折
曲片１９，２０を掴むことにより、機器５を包装した包
装箱１を片手で持ち運ぶことができるとともに、折曲片
１９，２０を内フラップ６の下面側に折り込むことで、
中フラップ８と内フラップ８を利用して取手部の強度を
高めることができる。

【００１９】

【発明の効果】本発明は以上のように構成されているの
で、包装箱の上部を内フラップと中フラップと外フラッ
プの三重構造によって十分強化でき、包装箱の変形を抑
制できるばかりでなく、包装箱内の上部には略Ｌ字状の
緩衝片に緩衝用空間が形成され、この緩衝用空間によっ
て機器に伝わる外力を緩和でき、発泡スチロール製の緩
衝体を使用しなくても、機器の保護が確実である。ま
た、複数の緩衝片が各内フラップの先端部に一体に設け
られているので、部品点数の少ない、安価な梱包装置を
提供できる。

【００２０】請求項２の梱包装置においては、包装箱の
持ち運びが片手で簡単に行え、使い勝手に優れていると
ともに、中フラップや内フラップを利用して、取手部の
強度を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す梱包装置の要部縦断面
図である。

【図２】同じく平面図である。

【図３】同じく外観斜視図である。

【図４】同じく各フラップを広げた状態の包装箱の要部
斜視図である。

【図５】包装箱を手で持ち運ぶ状態を説明する説明図で
ある。

【符号の説明】

１ 機器 ２ 緩衝体 ５ 包装箱 ６ 内フラップ ７ 内フラップ ８ 中フラップ ９ 外フラップ １０ 緩衝片 １１ 緩衝片 １２ 挿入用開口（手の挿入口） １３ 挿入用開口（手の挿入口） １４ 挿入用開口（手の挿入口） １５ 挿入用開口（手の挿入口） １６ 挿入用開口（手の挿入口） １７ ミシン目 １８ ミシン目 １９ 折曲片 ２０ 折曲片

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 緩衝体で覆われた機器を立方体の包装箱
   で包装するようにした梱包装置において、包装箱の上部
   には、対向する側面からそれぞれ折り曲げられた一対の
   内フラップを有するとともに、それとは別の対向する側
   面から前記内フラップ上に重ねて折り曲げられた中フラ
   ップ及び外フラップを有し、前記各内フラップの先端部
   には、前記包装箱内上部に緩衝用空間を形成する略Ｌ字
   状の緩衝片がそれぞれ折り曲げにより一体に設けられて
   いることを特徴とする梱包装置。
2. 【請求項２】 緩衝体で覆われた機器を立方体の包装箱
   で包装するようにした梱包装置において、包装箱の上部
   には対向する側面からそれぞれ折り曲げられた一対の内
   フラップを有するとともに、それとは別の対向する側面
   から前記内フラップ上に重ねて折り曲げられた中フラッ
   プ及び外フラップを有し、前記各内フラップの先端部に
   は、前記包装箱内上部に緩衝用空間を形成する略Ｌ字状
   の緩衝片がそれぞれ折り曲げにより一体に設けられ、前
   記外フラップにはミシン目等により取手部を構成する一
   対の折曲片が設けられ、前記中フラップ、内フラップ及
   び緩衝片には取手部に対する手の挿入口がそれぞれ設け
   られていることを特徴とする梱包装置。