JPH0632230Y2 - 縦型穀類選別機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、外殻体内に、揚穀螺旋体と選別網体とを備え
て穀類を選別する縦型穀類選別機に関する。

「従来の技術」 従来の技術としては、縦型穀類選別機における供給部内
に残留する穀粒を排出するために、受粒筒の側壁に開口
部を設け残留する穀粒を排出していた。

受粒筒内に残留する穀粒は、揚穀螺旋体を回転させるた
めに、該揚穀螺旋体による遠心力作用によって該開口部
への衝突による損傷を多くする恐れがあるために、受粒
筒の側底部に開口部を設け、該開口部と供給ホッパーを
連通することによって、前記揚穀螺旋体によるによって
掻き混ぜられる穀粒の損傷を極めて少なくするという技
術は、既に実開昭５８−１２８６７５号、実公昭６１−
１４３号公報等に開示されている。

しかしながら、上記公報等に開示されているように開口
部は受粒筒側壁に一ヵ所しか設けられておらず、受粒筒
内の他の側壁部分では、揚穀旋体によって穀粒を揚穀す
るために、揚穀螺旋体の螺旋翼先端と前記受粒筒の内壁
との隙間を必要以上に開けることができないために、該
内壁に揚穀用螺旋体の螺旋翼先端によって穀粒が圧着さ
れ損傷を回避することが困難であった。

また、螺旋先端の穀粒より螺旋翼上の穀粒は、揚穀螺旋
体の揚穀作用よって、受粒筒側壁に一ヵ所にしか設けら
れていない開口部より上の穀粒は実施例の機会を失い、
すばやく殻体外に排出できなかった。

従って、このような縦型穀類選別機における揚穀用螺旋
体の螺旋翼先端と前記受粒筒の内壁との隙間を必要以上
に開けることもなく、穀粒の損傷を回避でき、しかも迅
速に殻体外に排出できることが要求されている。

「考案が解決しようとする問題点」 本考案は、このような従来の問題点に着目してなされた
ものであって、揚穀用螺旋体の螺旋翼先端と前記受粒筒
の内壁との隙間を必要以上に開けることもなく、しかも
穀粒の損傷を回避し、迅速に殻体外に排出できる縦型穀
類選別機を提供することを目的としている。

「問題点を解決するための手段」 本考案は、従来の縦型穀類選別機における残粒穀粒排出
における問題点を解決するために、次のように構成し
た。

その実施例を第１図〜第３図に示すように、残留する穀
粒を損傷することなく、迅速に殻体外に排出できる穀粒
の供給部における構成を改良するものである。

かかる目的を達成するための本考案の要旨とするところ
は、 基盤から供給部に突出する二本の出力軸が同一直線上に
設けられた二出力軸ギャモータを駆動とする縦長の外殻
体内に、立設して駆動回転される円筒選別網体と、該円
筒選別網体内に立設して駆動回転される円筒選別網体
と、該円筒選別網体内に立設して駆動回転される円筒体
の外周に螺旋羽根を形成する揚穀螺旋体とにより、穀粒
を揚穀しながら選別する縦型穀類選別機において、 前記円筒選別網体は、前記二出力軸ギャモータの一方の
出力軸に結合する有底筒状の穀粒誘導筒体を設け、該穀
粒誘導筒体を前記円筒選別網体より大きい径を有する筒
体にて構成された穀粒供給室に臨ませて立設し、該穀粒
誘導筒体の下部周面に、前記揚穀螺旋体に通づる複数の
穀粒誘導口を設け、該穀粒誘導筒体の外周に複数枚の誘
導翼を設け、該穀粒誘導筒体の上部開口部には外方に向
けて水平に円環状の仕切板を設け、該仕切板上に複数個
の係止部材を周設し、前記円筒選別網体の裾部に該係止
部材に係止する複数個の係合切欠きを設けることによっ
て、前記穀粒誘導筒体と連動し、 前記供給室は、テーパー状の底面を有すると共に、該テ
ーパー状に半月形の孔を穿設し、該半月形の孔と上記基
盤上面に設けた半月形の孔と連通し、前記殻体外に連通
する樋を設けたことを特徴とする縦型穀類選別機に存す
る。

「作用」 供給用ホッパーに未選別穀粒を送給し、縦型穀類選別機
を始動する。

揚穀螺旋体の基部にもうけられた供給室内に、供給用ホ
ッパーから送給された穀粒が、選別網体と同方向に回転
するほぼ同径の底面を持った穀粒誘導筒体の誘導翼によ
って下方に移送され、前記穀粒誘導筒体の下部周面設け
られた複数の穀粒誘導口から前記選別網体と反対方向に
回転する揚穀螺旋体の始端部に穀粒が送給され、揚穀螺
旋体によって穀粒は掻き揚げられ、上昇する。そして、
未選別穀粒は該揚穀用螺旋体から選別域に移動し、該螺
旋体の回転遠心力によって外方へ向かって飛ばされる。
そして、選別網体の選別孔より小さい小穀粒、屑粒は選
別の外部に排出される。

選別網体の選別孔を通らない良穀は一部下方に落下を繰
返しながら上方に送られ、ついに精穀となって選別網体
の頭部近傍に設けられている。放出口から放出され、一
時貯留タンクに送出される。

このように構成されたものにおいては、作業終了後、あ
るいは、作業中断における殻体内の残留する穀類を殻体
外に排出する手段として、 従来の技術の受粒筒の側壁に設けられた一ヵ所の欠孔し
た口から殻体内に残留する穀類を殻体外に排出するのと
は異なり、穀粒誘導筒体の下部周面設けられた複数の穀
粒誘導口から穀粒供給室に臨ませて立設した、該穀粒供
給室のテーパー状に設けた半月形の孔から、基盤上面に
設けた半月形の孔と連通し、殻体外に連通する樋を設け
たことによって、穀粒の損傷を回避でき、且つ、迅速に
殻体外に排出することができる。

「実施例」 以下、図面に示した実施例に基づいて考案を詳細に説明
する。

第１図は、本考案の縦型選別機の縦断面図である。

縦型穀類選別機１０は、基台１１上に鉛直に立設された
殻体１２の前面頭部には精穀を一時貯留する貯留タンク
１３が設けられ、その下方には小穀粒、屑粒の排出口
（図示せず）が設けられ、また背面には未選別穀粒を受
ける供給用ホッパー１４が配設され、その下方には残留
する穀粒を排出するシャッター１６と残留穀粒排出口１
５が設けられている。

一方、殻体１２内を上下に仕切る基盤１７の下部にはギ
ャケース６１と一体になった駆動モータ６１が配設され
ており、該出力軸６２，６３は基盤１７を上方６４に貫
通しており、該出力軸の先端出力軸６２は、揚穀用螺旋
体３０の下部端板３１に結合している。

第２図、第３図に示したように前記揚穀螺旋体３１の基
部における穀粒の供給部を次のように構成する。

供給用ホッパー１４から供給された穀粒を受けるテーパ
ー状の底面を有する供給室内５０と、該供給室内５０内
において、選別網体３２と係合して同方向に回転する穀
粒誘導筒体５１とより構成し、供給室５０は、該選別網
体４０のその下方に配設された穀粒誘導筒体５１より大
きな外径を有する筒体にて構成し、穀粒誘導筒体５１
は、選別網体４０の下部に嵌合させるとともに、該網体
３２に係合する突起４１（本実施例においては係合時は
掻き出し羽根を兼用している）にて係合して該網体４０
と同方向に回転する。該穀粒誘導筒体５１の下部周面に
は、前記揚穀螺旋体３０に通ずる複数の穀粒誘導口５
２，……を設け、該穀粒誘導口５２……の高さは前記穀
粒誘導筒体の底面より１００mm以内とし、該穀粒誘導口
５２，５２の高さと前記供給用ホッパー１４の先端は一
定の距離を設けて取り付けられ、該穀粒誘導筒体５１の
外周に複数枚の誘導翼５３……は該穀粒誘導口５２……
の高さを始端として穀粒誘導筒体５１の外周に取付けら
れている。

供給用ホッパー１４に供給された未選別穀粒は、前記穀
粒誘導筒体５１の外周に設けられた複数枚の誘導翼５３
……によって下方に移送される。

送給された未選別穀粒は、前記穀粒誘導筒体５１によっ
て前記揚穀螺旋体３０と遮断されているため、前記供給
用ホッパー１４の先端部と該揚穀螺旋体３０の最下端に
おける該揚穀螺旋体３０の遠心力によっての送給口に向
かって未選別穀粒が押し戻されることはなくスムーズに
前記穀粒誘導口５２……まで前記複数枚の誘導翼５３…
…によって下方に移送される。

該誘導翼５３……は単に未選別穀粒を下方に移送するば
かりでなく、常に供給口の先端部を空間状態に保持し、
未選別穀粒の競合をなくしている。

前記穀粒誘導筒体５１下面に移送された未選別穀粒は、
次に該穀粒誘導筒体５１下面に四等分に設けられた前記
穀粒誘導口５２……から前記揚穀螺旋体３０の最下端部
に移送される。

この時、該穀粒誘導口５２……の数は３〜４口が揚穀能
力と選別状態から最適であった。

また、前記誘導翼５３……の枚数は、該穀粒誘導口５２
……の数に合わせた。

そして、前記テーパー状５４の底面を有する供給室に、
該テーパー状５４に半月形の孔５５を穿設し、該半月形
の孔５５と上記基盤１７上面に設けた半月形の孔１８と
連通し、該半月形の孔１８と前記残留穀粒排出口１５と
連通する樋１９が設けられている。

次に作用を説明する。

供給用ホッパー１４に供給された未選別穀粒は、選別網
体と同方向に回転するほぼ同径の底面を持った穀粒誘導
筒体５１の外周に設けられた複数枚の誘導翼５３……に
よって下方に移送される。

送給された未選別穀粒は、前記穀粒誘導筒体５１によっ
て前記揚穀螺旋体３０と遮断されているため、前記供給
用ホッパー１４の先端部と該揚穀螺旋体３１の最下端に
おける該揚穀螺旋体３０の遠心力によっての送給口に向
かって未選別穀粒が押し戻されることはなく、スムーズ
に前記穀粒誘導口５２……まで前記複数枚の誘導翼５３
……によって下方に移送される。

前記穀粒誘導筒体５１下面に移送された未選別穀粒は、
次に該穀粒誘導筒体５１下面に四等分に設けられた前記
穀粒誘導口５２……から前記選別網体３０と反対方向に
回転する前記揚穀螺旋体３０の始端部に穀粒が送給さ
れ、該揚穀螺旋体によって穀粒は掻き揚げられ、上昇す
る。そして、未選別穀粒は該揚穀用螺旋体３１によって
選別域に移動し、該揚穀螺旋体３０の回転遠心力によっ
て外方へ向かって飛ばされる。そして、選別網体４０の
選別孔より小さい小穀粒、屑粒は選別の外部に排出され
る。

選別網体の選別孔を通らない良穀は一部下方に落下を繰
返しながら上方に送られ、ついに精穀となって選別網体
４０の頭部近傍に設けられている放出口から放出され、
一時貯留タンク１５に送出される。

そして、残留穀粒の排出においては、穀粒誘導筒体５１
の下部周面設けられた複数の穀粒誘導口５２を有し、該
穀粒誘導筒体５１の外側壁と供給室５０の内側壁に一定
の間隔を有し、該穀粒供給室５０のテーパー状５４に設
けた半月形の孔５５から、基盤１７上面に設けた半月形
の孔１８と前記残留穀粒排出口１５と連通する樋１９連
通し、残留穀粒を損傷せず、且つ、迅速に殻体外に排出
することができる。

「考案の効果」 本発明の縦型穀類選別機によれば、残留穀粒は供給部に
おける構造を、供給室と揚穀作用部に一定間隔を設け、
なお且つ、揚穀作用部へ穀粒を送給する複数の穀粒誘導
口を有することによって、穀粒の損傷を回避でき、且
つ、迅速に殻体外に排出することができる。

そして、送給、揚穀用作用においては、送給される未選
別穀粒と揚穀しようとする穀粒が互いに競合し合うこと
なくスムーズに送給されることにより、送給量が揚穀量
能力以下になった場合でも、揚穀螺旋体の最下端の遠心
力によって送給口に向かって穀粒が押し戻されることも
なく、供給量の変化にも常に安定した送給、揚穀作用が
できる。給口に向かって穀粒が押し戻されることなく、
供給量の変化にも常に安定した送給、揚穀作用ができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第３図は本発明の一実施例を示しており、第１
図は、本考案の全体構成を示す縦断面図。第２図は、主
要部分の組込斜視図。第３図は残留穀粒排出部を示す組
込斜視図。 １０……縦型穀類選別機、１４……供給用ホッパー ３０……揚穀螺旋体、４０……選別網体 ５１……穀粒誘導筒体、５３……穀粒誘導翼

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 蓮見 悦雄 栃木県下都賀郡藤岡町大字藤岡4290番地 株式会社タイガーカワシマ内 (56)参考文献 実開 平２−31869（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】基盤から供給部に突出する二本の出力軸が
   同一直線上に設けられた二出力軸ギャモータを駆動とす
   る縦長の外殻体内に、立設して駆動回転される円筒選別
   網体と、該円筒選別網体内に立設して駆動回転される円
   筒選別網体と、該円筒選別網体内に立設して駆動回転さ
   れる円筒体の外周に螺旋羽根を形成する揚穀螺旋体とに
   より、穀粒を揚穀しながら選別する縦型穀類選別機にお
   いて、 前記円筒選別網体は、前記二出力軸ギャモータの一方の
   出力軸に結合する有底筒状の穀粒誘導筒体を設け、該穀
   粒誘導筒体を前記円筒選別網体より大きい径を有する筒
   体にて構成された穀粒供給室に臨ませて立設し、該穀粒
   誘導筒体の下部周面に、前記揚穀螺旋体に通づる複数の
   穀粒誘導口を設け、該穀粒誘導筒体の外周に複数枚の誘
   導翼を設け、該穀粒誘導筒体の上部開口部には外方に向
   けて水平に円環状の仕切板を設け、該仕切板上に複数個
   の係止部材を周設し、前記円筒選別網体の裾部に該係止
   部材に係止する複数個の係合切欠きを設けることによっ
   て、前記穀粒誘導筒体と連動し、 前記供給室は、テーパー状の底面を有すると共に、該テ
   ーパー状に半月形の孔を穿設し、該半月形の孔と上記基
   盤上面に設けた半月形の孔と連通し、前記殻体外に連通
   する樋を設けたことを特徴とする縦型穀類選別機。