JPH0538873Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、殻体内に、筒体の外周に螺旋羽根を
巻回した揚穀螺旋体と、該揚穀螺旋体を同心に内
挿し、多数の小孔が設けられた選別網体とを収納
し、前記揚穀螺旋体の基部に未選別穀粒を供給し
て揚穀しながら選別する縦型穀類選別機に関す
る。

「従来の技術」 縦長の殻体内に水平に設けられた基台板と、こ
の基台板上に倒立截頭円錐形の基部形状を成すテ
ーパ部を有し、殻体外の供給ホツパから穀粒を受
ける有底の受粒筒と、この受粒筒の前記底板上に
パツキンを介して回転自在に立設され、基部に穀
粒を導入する穀粒誘導口を有し、外周には穀粒を
押し下げて前記穀粒誘導口に導く穀粒誘導羽根を
巻回した穀粒誘導筒体と、この穀粒誘導筒体の開
口上端に結合して同体に回転し、小穀粒を通過さ
せる小孔を備えた選別網体と、前記穀粒誘導筒体
ならびに選別網体の内部に同心に立設され、筒体
外周に螺旋羽根を巻回して成る揚穀螺旋体とから
成る縦型穀類選別機では、受粒筒に供給された穀
粒は前記穀粒誘導羽根によつて下方に押し下げら
れ、前記テーパ部の形状と相俟つて余すところな
く穀粒誘導口から穀粒誘導筒体内に導入され、揚
穀螺旋体によつて揚穀されながら選別作用を受け
る。また、前記穀粒誘導筒体は前記パツキンを介
して受粒筒の底板上に安定に載置されて回転駆動
されるとともに、このパツキンは受粒筒側から穀
粒誘導筒体の底板下面側に穀粒が侵入するのを防
止している。

「考案が解決しようとする課題」 しかしながら、上記従来の縦型穀類選別機で
は、長時間の使用運転中に、前記パツキンを通つ
て糠や極く微細な小穀粒などが穀粒誘導筒体の底
板下面側に浸入し、これらの混入物はやがて可成
りの量となつて、固化して穀粒誘導筒体の駆動動
力を増大させたり、ときには吸湿によつて腐敗す
るなどの問題点があつた。

本考案は、このような従来の問題点に着目して
なされたもので、簡易な手段を付加することによ
つて、前記部位に異物が浸入せず、固化したり腐
敗などの生じない縦型穀類選別機を提供すること
を目的としている。

「課題を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本考案の要旨とす
るところは、 縦長の殻体内に水平に設けられた基台板と、こ
の基台板上に倒立截頭円錐形の基部形状を成すテ
ーパ部を有し、殻体外の供給ホツパから穀粒を受
ける有底の受粒筒と、この受粒筒の前記底板上に
パツキンを介して回転自在に立設され、基部に穀
粒を導入する穀粒誘導口を有し、外周には穀粒を
押し下げて前記穀粒誘導口に導く穀粒誘導羽根を
巻回した穀粒誘導筒体と、この穀粒誘導筒体の開
口上端に結合して同体に回転し、小穀粒を通過さ
せる小孔を備えた選別網体と、前記穀粒誘導筒体
ならびに選別網体の内部に同心に立設され、筒体
外周に螺旋羽根を巻回して成る揚穀螺旋体とから
成る縦型穀類選別機において、 前記穀粒誘導筒体の底板下面に、回転方向に対
するその前部端面が前記パツキンの内周端面側に
角度を有した状態で貼着され、厚さが前記パツキ
ンの厚さに等しい複数個の混入物排出部材と、前
記パツキンの内周端面に近接した位置において、
受粒筒の前記底板および前記基台板を貫通して穿
設された混入物排出孔と、この混入物排出孔に連
通し、混合物を外部に導く混合物排出管とを設け
たことを特徴とする縦型穀類選別機に存する。

「作用」 供給ホツパに未選別穀粒を供給し、縦型穀類選
別機を始動する。

揚穀螺旋体の基部に設けられた受粒筒内に、供
給ホツパから送給された未選別穀粒が、選別網体
と同方向に回転するほぼ同径の穀粒誘導筒体の穀
粒誘導羽根によつて下方に押送され、前記穀粒誘
導筒体の下部周面に設けられた複数個の穀粒誘導
口から前記選別網体と反対方向に回転する揚穀螺
旋体の始端部に穀粒が送給される。

揚穀螺旋体によつて掻き揚げられた穀粒は、外
方に跳ね出されながら、選別網体によつて選別作
用を受け、小穀粒は選別網体を通過して排除さ
れ、選別網体を通過しない良穀はそのまま上昇し
て外部に送出される。

供給ホツパから送給される未選別穀粒は、穀粒
誘導羽根によつて下方に押し下げられ、穀粒誘導
口から導入されるから、揚穀螺旋体の螺旋羽根に
よつて掻き揚げられる穀粒と、供給ホツパから供
給される穀粒とは互いに干渉せず、スムーズな送
給が行なわれ、穀粒の送給量が増大する。

前記作用中、受粒筒の底板上面と、穀粒誘導筒
体の底板下面との間に介装されているパツキンは
穀粒が前記穀粒誘導筒体の底板下面側に侵入する
のを防止している。

しかしながら、縦型穀類選別機を長時間運転し
ていると、このパツキンを通つて穀粒中の糠や極
く微細な穀粉などが穀粒誘導筒体の底板下面側に
侵入してくるのを免れない。

しかるに、穀粒誘導筒体の底板下面には、回転
方向に対するその前部端面が前記パツキンの内周
端面側に角度を有し、厚さが前記パツキンの厚さ
に等しい複数個の混入物排出部材が貼着されてお
り、しかも前記パツキンの内周端面に近接した位
置において、受粒筒の底板および基台板を貫通し
て複数個の混入物排出孔が穿設されているから、
パツキンを通つて侵入した粉体等はこの混入物排
出部材によつてパツキンの内周端面寄りに掻き集
められ、前記混入物排出孔から混合物排出管を通
つて体外に排出され、穀粒誘導筒体の下部には堆
積しない。

「実施例」 以下、図面に基づき本考案の各種実施例を説明
する。

第１図〜第５図は第１実施例を示している。

縦型穀類選別機１０は第４図に示すように鉛直
に立設された外殻体１１内に、円筒体１２の外周
に螺旋羽根１３を巻回して成る揚穀螺旋体１４
と、該揚穀螺旋体１４と同心にその外方を囲繞
し、多数の小孔１５を有する選別網体１６を収納
している。

揚穀螺旋体１４と選別網体１６とは、外殻体１
１内を上下に仕切る基台板１７の下部に設けられ
た減速機付モータ１８によつて互いに反対方向に
回転駆動される。

外殻体１１外には、未選別穀粒を供給する供給
ホツパ１９が設けられ、頭部には精穀を一時貯留
する図示外の貯留タンクが設けられている。

基台板１７の上面には、円筒状を成し、底部は
截頭円錐形をなすテーパ部２１を有する受粒筒２
０が立設されており、上部開口端は水平に開いた
周縁部２２と、続いて円筒状の周縁立面２２ａを
成している。そして供給ホツパ１９はこの受粒筒
２０のほぼ中央付近に開口部１９ａを有してい
る。

一方選別網体１６の下部にはほぼ同径の穀粒誘
導筒体３０が選別網体１６の下端部と着脱可能に
設けられている。この穀粒誘導筒体３０の上端部
３１は第５図のように、選別網体１６の下端部を
構成する端輪部材１６ａ内に密接して挿嵌可能と
なつており、選別網体１６の前記端輪部材１６ａ
には、穀粒誘導筒体３０を駆動するための係合切
欠１６ｂが刻設されている。そして一方の穀粒誘
導筒体３０の外周には水平に仕切円板３２が固設
されており、前記係合切欠１６ｂに係止する複数
個の係止部材３３が配設されている。

前記仕切円板３２は円形外周を成し、第４図に
示すように受粒筒２０の水平に成された前記周縁
２２上のパツキン２３に摺接して、しかも外周は
受粒筒２０の周縁立面２２ａの内周一杯になる大
きさと成つている。また、前記係止部材３３は上
記のように、選別網体１６の係合切欠１６ｂと係
止して、選別網体１６の回転を穀粒誘導筒体３０
に伝えるとともに、選別網体１６の小孔１５を通
過して落下してきた小穀粒を小穀粒排出管１１ａ
から外部に排出するものである。

一方、穀粒誘導筒体３０の下端部には複数個の
穀粒誘導口３４が穿設されている。これらの穀粒
誘導口３４は第４図に示されるように、その上縁
線３４ａは供給ホツパ１９の受粒筒２０における
開口部１９ａの下縁よりもかなり下方に設けられ
ている。

そして、さらに各穀粒誘導口３４の上縁線３４
ａに近接して始端を有し、回転時下方に向かう複
数枚の穀粒誘導羽根３５が設けられている。

一方、穀粒誘導筒体３０は第１図、第４図など
に示されるように受粒筒２０の底部２０ａ上にパ
ツキン３６を介して回転自在に載置されている。
またこの穀粒誘導筒体３０の底板３７の下面３７
ａには第１図〜第４図に示すように、前記パツキ
ン３６を通して底板３７の下部に侵入してきた糠
や粉体穀粒を浚う複数個の混合物排出部材３８が
固設されている。

この混合物排出部材３８は、パツキン３６の厚
さに等しく成されるとともに、第２図、第３図な
どのように、一点鎖線で示されるパツキン３６の
内周端面３６ａを掃くように貼着されており、さ
らに、回転方向に対するその前部端面３８ａと前
記内周端面３６ａとの成す角度θは90度よりも小
さく成されている。

一方、受粒筒２０の底板２０ａおよび基台板１
７には、前記パツキン内周端面３６ａに近いとこ
ろで、混合物排出部材３８によつて掻き寄せられ
た糠などを排出する混合物排出孔３９が穿設され
ており、該部にはさらに第１図に示すようにこれ
ら混合物を外部に導く混合物排出管４０が設けら
れている。

次に作用を説明する。

供給ホツパ１９に未選別穀粒を供給して縦型穀
類選別機１０を始動すると、穀粒誘導筒体３０は
選別網体１６とともにゆつくり回転して、穀粒誘
導羽根３５は供給ホツパ１９の受粒筒２０におけ
る開口部１９ａから送給される穀粒を下方に押し
遣る。受粒筒２０のテーパ部２１に沿つて前記穀
粒は穀粒誘導口３４から穀粒誘導筒体３０の内部
に押し入れられる。

穀粒誘導筒体３０の内側では揚穀螺旋体１４が
反対方向に高速に回転して穀粒を掻き揚げてお
り、選別網体１６の小孔１５によつて選別してい
る。すなはち、前記小孔１５を通過した小穀粒は
選別網体１６の外周と外殻体１１の内壁の空間を
落下して、穀粒誘導筒体３０の外周に設けられて
いる仕切円板３２の面上に堆積しようとする。し
かるに、該仕切円板３２は選別網体１６とともに
回転しているから、小穀粒は外方に跳ねだされ、
小穀粒排出管１１ａから外部に排出される。

一方選別網体１６の小孔１５を通過出来ないよ
うな良穀は、一部落下を繰り返しながらも、上方
に揚穀され、やがて貯留タンクに集積される。

供給ホツパ１９の前記開口部１９ａは、直接揚
穀螺旋体１４の螺旋羽根１３に開いておらず、し
かも穀粒誘導口３４はこの開口部１９ａよりかな
り下方に設けられているから、揚穀螺旋体１４か
らの跳ね返りもなく、受粒筒２０のテーパ部２１
の傾斜による効果とともに、スムーズな穀粒の送
給が成され、送給量の増大が計られる。

選別作業が終了まじかになり、供給ホツパ１９
からの穀粒の供給量が減少してきても、供給ホツ
パ１９の受粒筒２０における開口部１９ａが穀粒
誘導口３４よりも高いところに開口しており、直
接揚穀螺旋体１４に開口していないから、揚穀螺
旋体１４によつて跳ね返されることがなく、最後
まで受粒筒２０内に送給される。

しかして、前記作用中、受粒筒２０の底板２０
ａの上面と、穀粒誘導筒体３０の底板３７の下面
３７ａとの間に介装されているパツキン３６は穀
粒が前記穀粒誘導筒体３０の底板下面３７ａ側に
侵入するのを防止している。

しかしながら、縦型穀類選別機１０を長時間運
転していると、このパツキン３６を通つて穀粒中
の糠や極く微細な穀粒などが穀粒誘導筒体３０の
底板下面３７ａ側に侵入してくるのを免れない。

しかるに、穀粒誘導筒体３０の底板下面３７ａ
には、混合物排出部材３８が配設されており、回
転方向に対するその前部端面３８ａが前記パツキ
ン３６の内周端面３６ａ側に90度以下に傾斜し、
厚さが前記パツキン３６の厚さに等しく成されて
おり、しかも前記パツキン３６の内周端面３６ａ
に近接した位置において、受粒筒２０の底板２０
ａおよび基台板１７を貫通して混入物排出孔が穿
設されているから、パツキン３６を通つて侵入し
た粉体等はこの混入物排出部材３８によつてパツ
キン３６の内周端面３６ａ寄りに掻き集められ、
前記混入物排出孔３９から混合物排出管４０を通
つて外部に排出される。

次に穀粒誘導筒体３０の底板３７の下面に固着
される前記混合物排出部材３８の代りに、前記底
板３７に一層確実に固着するようにした第２実施
例について説明する。

第６図に示すように、本実施例における混合物
排出部材５０はリング状の基板５１の外周に、掻
き出し爪５２を等配して成つている。

この混合物排出部材５０は、底板３７に添着さ
れ、矢印Ａ方向に回転するものであり、その掻き
出し爪５２の前縁５２ａはパツキン３６の内周端
面３６ａに対してやはり鋭角を成すように傾けら
れている。また、この混合物排出部材５０の厚さ
は前記パツキン３６の厚さに見合つた厚さに成さ
れている。

本実施例においては、混合物排出部材５０は前
記底板３７の下面への接着面積が大きくて一層剥
れにくく、信頼性が高いという特性を有する。

なお、混合部を排除するという作用並びに効果
については前記第１実施例におけるものと同様で
ある。

「考案の効果」 本考案に係る縦型穀類選別機によれば、下部が
倒立截頭円錐形のテーパ部となつている受粒筒
と、該受粒筒の底板上に置かれたパツキンを介し
て螺旋網体とともに回転自在に立設された、外周
に穀粒誘導羽根を有し、外周下部には穀粒を導入
する複数個の穀粒誘導口を備えた穀粒誘導筒体と
を配設して成る縦型穀類選別機において、前記穀
粒誘導筒体の底板下面に、回転方向に対するその
前部端面が前記パツキンの内周端面側に傾斜して
貼着され、厚さが前記パツキンの厚さに等しい複
数個の混入物排出部材と、前記パツキンの内周端
面に近接した位置において、受粒筒の前記底板お
よび前記基台板を貫通して穿設された混入物排出
孔と、この混合物排出孔に連通し、混合物を外部
に導く混合物排出管とを設けたから、穀粒誘導筒
体の底板下部に異物が浸入せず、固化して駆動動
力を増大させたり、吸湿による腐敗などが生じな
い。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第５図は本考案の第１実施例を示して
おり、第１図は受粒筒と揚穀螺旋体基部近傍の要
部縦断面図、第２図は穀粒誘導筒体の底板側から
見た斜視図、第３図は受粒筒と混合物排出部材と
の配設関係を示す説明図、第４図は縦型穀類選別
機の受粒筒近傍を中心とした要部縦断面図、第５
図は選別網体の基部と穀粒誘導筒体との斜視図、
第６図は第２実施例の混合物排出部材の平面図で
ある。 １０……縦型穀類選別機、１１……外殻体、１
２……円筒体、１３……螺旋羽根、１４……揚穀
螺旋体、１６……選別網体、１６ａ……端輪部
材、１６ｂ……係合切欠、１９……供給ホツパ、
１９ａ……開口部、２０……受粒筒、２０ａ……
受粒筒の底部、２１……テーパ部、２１ａ……円
筒部、２２……周縁部、２２ａ……周縁立面、３
０……穀粒誘導筒体、３０ａ……底板、３２……
仕切円板、３３……係止部材、３４……穀粒誘導
口、３４ａ……穀粒誘導口の上縁線、３４ｂ……
穀粒誘導口の後縁端、３５……穀粒誘導羽根、３
６……パツキン、３６ａ……パツキン内周端面、
３７……穀粒誘導筒体の底板、３７ａ……穀粒誘
導筒体の底板下面、３８……混合物排出部材（第
１実施例）、３８ａ……混合物排出部材の前部端
面、３９……混合物排出孔、４０……混合物排出
管、５０……混合物排出部材（第２実施例）、５
２……掻き出し爪。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 縦長の殻体内に水平に設けられた基台板と、こ
   の基台板上に倒立截頭円錐形の基部形状を成すテ
   ーパ部を有し、殻体外の供給ホツパから穀粒を受
   ける有底の受粒筒と、この受粒筒の前記底板上に
   パツキンを介して回転自在に立設され、基部に穀
   粒を導入する穀粒誘導口を有し、外周には穀粒を
   押し下げて前記穀粒誘導口に導く穀粒誘導羽根を
   巻回した穀粒誘導筒体と、この穀粒誘導筒体の開
   口上端に結合して同体に回転し、小穀粒を通過さ
   せる小孔を備えた選別網体と、前記穀粒誘導筒体
   ならびに選別網体の内部に同心に立設され、筒体
   外周に螺旋羽根を巻回して成る揚穀螺旋体とから
   成る縦型穀類選別機において、 前記穀粒誘導筒体の底板下面に、回転方向に対
   するその前部端面が前記パツキンの内周端面側に
   角度を有した状態で貼着され、厚さが前記パツキ
   ンの厚さに等しい複数個の混入物排出部材と、前
   記パツキンの内周端面に近接した位置において、
   受粒筒の前記底板および前記基台板を貫通して穿
   設された混入物排出孔と、この混合物排出孔に連
   通し、混合物を外部に導く混合物排出管とを設け
   たことを特徴とする縦型穀類選別機。