JPH0380549B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、外殻体内に、揚穀螺旋体と選別網体
とを備えて穀類を選別する縦型穀類選別機に関す
る。

「従来の技術」 従来においては未選別穀類を供給する供給用ホ
ツパーと、精選された精穀を貯留する貯留タンク
を体外に備えた該殻体の内部に、円筒外周に回転
時上昇方向に向う螺旋羽根を巻回した揚穀螺旋体
と、該揚穀螺旋体を同心に挿通させ、多数の少孔
が設けられて成る選別用網体と、これら揚穀螺旋
体と選別用網体とを相対回転させる駆動手段とを
備え、前記供給ホツパーから前記揚穀螺旋体の基
部に送給された穀粒を揚穀しながら前記選別用網
体によりつて小穀粒を排除し、精穀を前記貯留タ
ンクに放出する縦型穀粒選別機は、特開昭58−
27675号公報等において既に開示されている。

しかして、これら縦型穀類選別機の穀粒の供給
方法は、特公昭63−4469公報等において既に開示
されているように供給ホツパーから前記揚穀螺旋
体内部に直接送給するのみであつた。

「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら、このような従来の縦型穀類選別
機では、ホツパーから送給された穀粒は前記揚穀
螺旋体に直接送給されるため、供給用ホツパー先
端部と該揚穀螺旋体の最下端部においては、送給
される未選別穀粒と揚穀しようとする穀粒が互い
に競合しあつてスムーズに送給されないばかりで
なく、送給量が揚穀量能力以下になつた時、逆に
前記揚穀螺旋体の最下端の遠心力によつて送給口
に向かつて穀粒が押し戻され、揚穀作用に障害が
生じていた。

本発明は、このような従来の問題点に着目して
さなれたものであつて、適切な送給手段を付加す
ることによつて、供給量の変化にも常に安定した
送給、揚穀作用ができる縦型穀類選別機を提供す
ることを目的としている。

「問題点を解決するための手段」 かかる目的を達成するための本発明の要旨とす
るところは、供給室内に塩基揚穀螺旋体の外周に
前記網体とほぼ同径の底面を持つた穀粒誘導筒体
を設け、該選別網体と係合して同方向に回転する
前記穀粒誘導筒体の下部周面に、揚穀螺旋体に通
ずる複数の穀粒誘導口を設け、該穀粒誘導筒体の
外周に穀粒を下方向に移送するための複数の誘導
翼を固設し、該複数枚の誘導翼は該穀粒誘導口高
さを始端として固着させたことを構成とするもの
である。

「作用」 供給用ホツパーに未選別穀粒を供給し、縦型穀
類選別機を始動する。

揚穀螺旋体の基部にもうけられた供給室内に、
供給用ホツパーから送給された穀粒が、選別網体
と同方向に回転するほぼ同径の底面を持つた穀粒
誘導筒体の誘導翼によつて下方に移送され、前記
穀粒誘導筒の下部周面設けられた複数の穀粒誘導
口から前記選別網体と反対方向に回転する揚穀螺
旋体の始端部に穀粒が送給され、揚穀螺旋体によ
つて穀粒は掻き揚げられ、上昇する。そして、未
選別穀粒は該揚穀用螺旋体から選別域に移動し、
該螺旋体の回転遠心力によつて外方へ向かつて飛
ばされる。そして、選別網体の選別孔より小さい
小穀粒、屑粒は選別の外部に排出される。

選別網体の選別孔を通らない良穀は一部下方に
落下を繰り返しながら上方に送られ、ついに精穀
とつなて選別網体の頭部近傍に設けられている放
出口から放出され、一時貯留タンクに送り出され
る。

「実施例」 以下、図面に基づき本発明の一実施例を説明す
る。

第１図〜第２図は本発明の一実施例を示してい
る。

第３図は従来の供給方法である。

まず、従来の縦型穀類選別機を第４図に示す全
体構造図で説明する。

縦型穀類選別機１０はキヤスター１２を備えて
移動自在な基台１１上に立設された殻体１３の外
側面に未選別穀粒を供給する供給用ホツパー１４
が設けられ、対応する他の外側面に最終の精穀を
貯留する一時貯留タンク１５が設けられている。

殻体１３内には、選別穀類を下方から上方に搬
送する揚穀用螺旋体３１を立設し、外揚穀螺旋体
３１を外周に多数の選別孔が穿設された円筒状の
選別網体３２、該選別網体３２の下部に前記小穀
粒、屑粒等を殻体外に排出させる掻き出し用羽根
３３，３３を装着し、これら揚穀用螺旋体３１と
選別用網体３２を同心軸上に立設し、これら揚穀
用螺旋体３１と選別用網体３２を相対的に回転さ
せる駆動部３４が設けられている。

前記揚穀用螺旋体３１の基部には供給穀粒を受
ける受粒筒３５が固設されており、該受粒筒３５
の上方は、落下してくる小穀粒、屑粒を受ける下
部仕切板４１で仕切られている。また、前記した
ように該下部仕切板４１に集積する小穀粒、屑粒
を掻き出す複数個の下部掻き出し羽根３３，３３
が選別用網体３２の下部に取付けられている。そ
して、該下部仕切板４１から排出される小穀粒、
屑粒等排出口１６が殻体１３の側面に設けられて
いる。

選別用網体３２は減速装置３４の出力軸に結合
され、前記揚穀用螺旋体３１内に延在して殻体１
３の天板１８に軸支される選別用網体駆動軸１７
によつて回転駆動され、前記揚穀用螺旋体３１は
前記網体駆動軸１７と同心で、しかもこれと回転
自在に嵌合する別の駆動軸によつて駆動される。

選別用網体３２の上端近傍には選別用網体３２
を取り巻き、精穀を受ける上部仕切板４３が設け
られており、前記選別用網体３２にはこれら精穀
を掻き出す上部掻き出し用羽根４４，４４が配設
されている。前記上部掻き出し羽根４４，４４に
よつて掻き出される精穀は、殻体１３側面に設け
られている一時貯留タンク１５に放出される。

選別作業終了後、殻体内の残留米は殻体外に設
けられた残留米排出シヤツター１７を開き、殻体
外部に排出される。

前記の如く構成された従来の縦型穀類選別機に
おいて、前記揚穀螺旋体３１の基部における供給
穀粒を受ける受粒筒３５を次のように構成する。

供給用ホツパー１４から供給された穀粒を受け
る供給室５０、該供給室５０内において選別網体
３２と係合して同方向に回転する穀粒誘導筒体５
１とより構成し、供給室５０は、選別網体３２と
その下方に配設された穀粒誘導筒体５１より大き
な外径を有する筒体にて構成し、穀粒誘導筒体５
１は、選別網体３２の下部に嵌合するとともに、
該網体３２に欠設された係合孔３２ａと係合する
突起３３にて係合して該網体３２と同方向に回転
する。該穀粒誘導筒体５１の下部周面には、前記
揚穀螺旋体３２に通ずる複数の穀粒誘導口５２…
…を設け、該穀粒誘導口５２，５２……の高さは
前記穀粒誘導筒体の底面より100mm以内とし、該
穀粒誘導口５２，５２の高さと前記供給用ホツパ
ー１４の先端は一定の距離を設けて取り付けら
れ、該穀粒誘導筒体５１の外周に複数枚の誘導翼
５３……を設け、該複数枚の誘導翼５３，５３…
…は該穀粒誘導口５２……の高さを始端として穀
粒誘導筒体５１の外周に取付けられている。

供給用ホツパー１４に供給された未選別穀粒
は、前記穀粒誘導筒体５１の外周に設けられた複
数枚の誘導翼５３，５３……によつて下方に移送
される。

縦型穀類選別機は、揚穀能力を高めるため前記
選別網体３２より前記揚穀螺旋体３１の回転数が
高い。

送給された未選別穀粒は、前記穀粒誘導筒体５
１によつて前記揚穀螺旋体３１と遮断されている
ため、前記供給用ホツパー１４の先端部と該揚穀
螺旋体３１の最下端における該揚穀螺旋体３１の
遠心力によつての送給口に向かつて未選別穀粒が
押し戻されることはなくスムーズに前記揚穀誘導
口５２……まで前記複数枚の誘導翼５３……によ
つて下方に移送される。

該誘導翼５３……は単に未選別穀粒を下方に移
送するばかりでなく、常に供給口の先端部を空間
状態に保持し、未選別穀粒の競合をなくしてい
る。

前記穀粒誘導筒体５１下面に移送された未選別
穀粒は、次に該穀粒誘導筒体５１下面に四等分に
設けられた前記穀粒誘導口５２……から前記揚穀
螺旋体３１の最下端部に移送される。

この時、該穀粒誘導口５２……の数は３〜４口
が揚穀能力と選別状態から最適であつた。

また、前記誘導翼５３……の枚数は、該穀粒誘
導口５２……の数に合わせた。

しかしながら、前記供給口１４の先端部と該穀
粒誘導口間の距離を無くし、ほぼ同位置の状態と
したときは、前記穀粒誘導翼の作用は半減すると
同時に揚穀作用も半減した。

次に作用を説明する。

供給用ホツパー１４に供給された未選別穀粒
は、選別網体と同方向に回転するほぼ同径の底面
を持つた穀粒誘導筒体５１の外周に設けられた複
数枚の誘導翼５３……によつて下方に移送され
る。

送給された未選別穀粒は、前記誘導筒体５１に
よつて前記揚穀螺旋体３１と遮断されているた
め、前記供給用ホツパー１４の先端部と該揚穀螺
旋体３１の最下端における該揚穀螺旋体３１の遠
心力によつての送給口に向かつて未選別穀粒が押
し戻されることはなく、スムーズに前記穀粒誘導
口５２……まで前記複数枚の誘導口５３……によ
つて下方に移送される。

前記穀粒誘導筒体５１下面に移送された未選別
穀粒は、次に該穀粒誘導筒体５１下面に四等分に
設けられた前記穀粒誘導口５２……から前記選別
網体３２と反対方向に回転する前記揚穀螺旋体３
１の始端部に穀粒が送給され、該揚穀螺旋体によ
つて穀粒は掻き揚げられ、上昇する。そして、未
選別穀粒は該揚穀用螺旋体３１によつて選別域に
移動し、該揚穀螺旋体３１の回転遠心力によつて
外方へ向かつて飛ばされる。そして、選別網体３
１の選別孔より小さい小穀粒、屑粒は選別の外部
に排出される。

選別網体の選別孔を通らない良穀は一部下方に
落下を繰り返しながら上方に送られ、ついに精穀
となつて選別網体３２の頭部近傍に設けられてい
る放出口から放出され、一時貯留タンク１５に送
出される。

「発明の効果」 本発明の縦型穀類選別機によれば、送給される
未選別穀粒と揚穀しようとする穀粒が互いに競合
し合うことなくスムーズに送給されることにより
送給量が揚穀量能力以下になつた場合でも揚穀螺
旋体の最下端の遠心力によつて送給口に向かつて
穀粒が押し戻されることもなく、供給量の変化に
も常に安定した送給、揚穀作用ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第２図は本発明の一実施例を示してお
り、第１図は、構成を示す縦断面図、第２図は主
要部分の斜視図。第３図は従来の構成を示す縦断
面図。第４図は、従来の縦型穀類選別機の縦断面
図。 １０……縦型穀類選別機、１４……供給用ホツ
パー、３１……揚穀螺旋体、３２……選別網体、
５１……穀粒誘導筒体、５３……穀粒誘導翼。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 未選別穀類を供給する供給用ホツパーと、精
   選された精穀を貯留する貯留タンクとを体外に備
   えた外殻体の内部に、穀類を選別する円筒状の選
   別網体と、該選別網体の内部に収嵌され、揚穀し
   ながら穀類を外方に放射する揚穀螺旋体とを、互
   いに同心で相対的に回転可能に設けてなり、前記
   供給ホツパーから前記揚穀螺旋体の基部に送給さ
   れた穀粒を揚穀しながら前記選別用網体によつて
   小穀粒を排除し、精穀を前記貯留タンクに放出す
   る縦型穀粒選別機において、 前記供給用ホツパーから供給された穀粒を受け
   る供給室を、前記選別網体より大きい径を有する
   筒体にて構成し、該供給室内には選別網体とほほ
   同径で該網体と係合して同方向に回転する穀粒誘
   導筒体を配設し、該穀粒誘導筒体の下部周面に、
   前記揚穀螺旋体に通ずる複数の穀粒誘導口を設
   け、該穀粒誘導筒体の外周に穀粒を下方向に移送
   するための複数の誘導翼を設けたことを特徴とす
   る縦型穀類選別機。 ２ 前記供給室は、テーパー状の底面を有するこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第１項記載の縦型
   穀類選別機。 ３ 前記誘導翼は被穀粒誘導口高さを始端として
   固着したことを特徴とする特許請求の範囲第１項
   記載の縦型穀類選別機。 ４ 前記穀粒誘導口の高さは穀粒誘導筒体の底面
   より100mm以内とし、該穀粒誘導口の高さと前記
   供給用ホツパーの先端は一定の距離を設けたこと
   を特徴とする特許請求の範囲第１項記載の縦型穀
   類選別機。