JPH0351017Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野〕 この考案は、籾摺後の玄米等の粒体を揚穀用ス
パイラル体によつて揚穀しながら周囲の筒状選別
筒から漏下選別する形態の縦型穀粒選別機に関す
るものである。

（従来技術） 従来、この種縦型穀粒選別機にあつて、選別筒
上部の放出口から放出される選別穀粒を、ケーシ
ング前方に連設する貯留ホツパーへ供給すべく構
成するには、選別筒周囲に穀粒を受ける仕切板を
設け、この仕切板上に落下する穀粒を選別筒周囲
に取着する掻出羽根によつて掻出して貯留ホツパ
ーへ供給していた。

（考案が解決しようとする課題） 従来の如く、選別穀粒を受ける仕切板を全域に
亘つて水平に構成し、選別筒上部の放出口から放
出される穀粒を全て選別筒外周に取着の掻出羽根
によつてホツパーへ移送すべく構成すると、多量
の穀粒が放出された場合には掻出羽根に過負荷が
加わり、構成上弾性材で製作される掻出羽根が損
傷し、又、該掻出羽根を取着する選別筒の回転数
が低下し選別性能が悪くなる等の問題があつた。

又、多量の穀粒が仕切板に供給された場合に
は、掻出羽根によつてく強く放出できずホツパー
の手前側にのみ穀粒が停滞する欠点を有してい
た。

（課題を解決するための手段） 円筒状選別筒１と該選別筒１の内部に収納され
た揚穀用スパイラル体２とを同心状に駆動回転可
能に立設し、該選別筒１内下方に供給される穀粒
を揚穀しながら選別すべく構成する縦型穀粒選別
機において、選別筒１上部の放出口３から放出さ
れる選別穀粒をケーシング４に連接する貯留ホツ
パー５へ供給案内するに、放出口３から落下する
穀粒を受ける仕切板６の少なくとも選別筒１中心
より貯留ホツパー５側部分は連続して貯留ホツパ
ー５側へ傾斜する傾斜面６ａに、又、該仕切板６
の選別筒１背部側は後方側を水平面６ｂに形成す
るとともに選別筒１には水平面６ｂと摺接可能の
掻出羽根７を設けてなる縦型穀粒選別機の穀粒取
出装置の構成とする。

（考案の作用） 選別筒１内下方に供給された穀粒は、スパイラ
ル体２によつて、揚粒されながら小米を選別筒１
より漏下し、選別穀粒のみ上方まで揚穀しその放
出口３から、ケーシング４と選別筒１外周面を仕
切る仕切板６上に落下放出する。

仕切板６の選別筒１中心より貯留ホツパー５側
部分の傾斜面６ａ上に放出される穀粒は、この傾
斜面６ａに沿つて流下し主に貯留ホツパー５の手
前側に供給貯留される。

又、仕切板６の選別筒１背部側の水平面６ｂ上
に放出される穀粒は、選別筒１外周に取着の掻出
羽根７によつて、該選別筒１背部を迂回して貯留
ホツパー５に向け跳ね出され、主に貯留ホツパー
５の遠方側へ供給貯留される。

この放出される穀粒が貯留ホツパー５に一定以
上貯留されると、引続いて仕切板６の傾斜面６ａ
上にも貯留される。

（考案の効果） この考案は前述の如く構成するものであるか
ら、選別筒１上部の放出口３から放出される穀粒
を仕切板６で受けて前方の貯留ホツパー５へ供給
案内するに、仕切板６の選別筒１中心より貯留ホ
ツパー５側の連続傾斜面６ａ上に放出される穀粒
は該傾斜面６ａに沿つて流下し、主に貯留ホツパ
ー５の手前側に供給され、又、仕切板６の選別筒
１背部側の水平面６ｂ上に放出される穀粒は掻出
羽根７によつて選別筒１背部を迂回して貯留ホツ
パー５へ向け跳ね出され主に貯留ホツパー５の遠
方側へ供給され、従つて、貯留ホツパー５内へ均
一に供給できるものである。

又、選別筒１の前方側から放出される穀粒を仕
切板６の傾斜面６ａによつて流下されるものであ
るから、掻出羽根７によつて移送する穀粒量が少
なくなり、掻出羽根７及び該掻出羽根７を取着す
る選別筒１の負荷を軽減し、損傷を少なくし更に
選別筒１の回転数低下による選別性能の低下を防
止することができる。

更に、上記仕切板６の傾斜面６ａ上にも穀粒を
貯留することができ貯留量を多くすることができ
る。

（実施例） なお、図例において、ケーシング４内には下部
筒８、網筒９、上部筒１０よりなる円筒状の選別
筒１と、該選別筒１内に収納する揚穀用のスパイ
ラル体２とを同心状に立設してある。そしてケー
シング４内の選別筒１が占める以外の空間は、下
部仕切板１１と上部仕切板６及び駆動部設置板１
２とにより、被選別物穀粒の供給域１３、選別域
１４、取出域１５、及び駆動部室１６に区画され
ている。

１７はスパイラル体２のラセン翼、２５は選別
筒体１の直下において駆動部設置板１２上に設置
された受粒筒、１８は供給域１３に供給口１９が
開口するホツパーである。下部筒８には下部仕切
板１１の周上表面に沿つて回転する掻出羽根２０
を設けてある。上部筒１０の周面には穀粒の放出
口３を適宜開設し、又、放出口３よりも下方に設
ける上部仕切板６は、選別筒１の背部側を水平面
６ｂとなし、前方側、即ち、ケーシング４に連通
する貯留ホツパー５側を連続する下降傾斜面６ａ
に形成し、その終端を貯留ホツパー５に連通させ
てある。又、水平面６ｂと傾斜面６ａとの境界部
には段差を設けてある。

上部掻出羽根７は、上部筒１０の大径部に取着
され水平面６ｂ上を摺接可能に構成してある。

２１は仕切筒であつて、選別筒１の周囲を覆う
べく構成してあり、又、２２は案内板であり、水
平面６ｂの周囲に掻出羽根７の軌跡に沿つて立設
させてある。

選別筒１とスパイラル体２は、モーター２３の
回転動力をベルト２４等を介して伝達され、互い
に逆方向に回転すべく構成してある。

供給ホツパー１８から供給域１３に供給された
穀粒はスパイラル体２のラセン翼１７によつて揚
粒作用を受け、下部筒８の位置を経て網筒９の位
置へ揚穀される。穀粒は揚粒作用と同時に遠心力
作用も受けて網筒９の内周壁へ押しやられ、小粒
は該網筒９の網目から漏落し選別域１４へ放出さ
れ下部掻出羽根２０によつて機外へ移送される。

網筒９内に残つた大粒の整粒は上部筒１０の位
置まで揚粒されると放出口３から取出域１５へ放
出されるが、選別筒１背部側の水平面６ｂ上に落
下する穀粒は上部筒１０に取着されて回転する上
部掻出羽根７によつて選別筒１周囲を回り貯留ホ
ツパー５へ向け跳ね出され、貯留ホツパー５の遠
方側に貯留される。

又、放出口３から傾斜面６ａ上に放出される穀
粒は、該傾斜面６ａに沿つて流下し、貯留ホツパ
ー５の手前側に供給貯留される。

従つて、穀粒は貯留ホツパー５全体に均一に供
給され貯留ホツパー５を効率的に利用できる。

更に、放出される穀粒が貯留ホツパー５に一定
以上貯留されると引続いて、仕切板６の傾斜面６
ａ上にも貯留される。

又、仕切板６上に放出される穀粒のうち、選別
筒１後方側の穀粒は、掻出羽根７によつて選別筒
１の背部を迂回して確実に掻出することができる
ものでありながら、選別筒１前方側の穀粒は傾斜
面６ａによつて流下移送するものであるから、掻
出羽根７に加わる負荷が小さく、該掻出羽根７の
損傷を防止すると共に、該掻出羽根７を取着する
選別筒１の過負荷による回転数低下をなくし、選
別性能を一定に維持するものである。

なお、図例においては、仕切板６の水平面６ｂ
と傾斜面６ａとの境界部に段差を設けてあるが、
この段差をなくして連続して構成してもよい。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例を示すものであつて、第
１図は要部の斜視図、第２図は要部の平面図、第
３図は側断面図である。 図中、符号１は選別筒、２はスパイラル体、３
は放出口、４はケーシング、５は貯留ホツパー、
６は仕切板、７は掻出羽根を示す。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状選別筒１と該選別筒１の内部に収納され
   た揚穀用スパイラル体２とを同心状に駆動回転可
   能に立設し、該選別筒１内下方に供給される穀粒
   を揚穀しながら選別すべく構成する縦型穀粒選別
   機において、選別筒１上部の放出口３から放出さ
   れる選別穀粒をケーシング４に連接する貯留ホツ
   パー５へ供給案内するに、放出口３から落下する
   穀粒を受ける仕切板６の少なくとも選別筒１中心
   より貯留ホツパー５側部分は連続して貯留ホツパ
   ー５側へ傾斜する傾斜面６ａに、又、該仕切板６
   の選別筒１背部側は水平面６ｂに形成するととも
   に選別筒１には水平面６ｂと摺接可能の掻出羽根
   ７を設けてなる縦型穀粒選別機の穀粒取出装置。