JPH06319517A - キトサンの溶解方法 - Google Patents

キトサンの溶解方法

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JPH06319517A
JPH06319517A JP4327176A JP32717692A JPH06319517A JP H06319517 A JPH06319517 A JP H06319517A JP 4327176 A JP4327176 A JP 4327176A JP 32717692 A JP32717692 A JP 32717692A JP H06319517 A JPH06319517 A JP H06319517A
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koji
malt
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Shoichi Tarui
庄一 樽井
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Gunze Ltd
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  • Distillation Of Fermentation Liquor, Processing Of Alcohols, Vinegar And Beer (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、豊富な天然資源であるキチンを脱
アセチル化して得られるキトサンを高濃度に溶解させる
溶解方法を提供したもので、本発明を構成する玄米酢が
食品として用いられるものであることから、キトサンの
抗菌性等を利用したさまざまな分野に広く利用できるも
のである。 【構成】 本発明は、一般の醸造用米麹(黄麹)に対
し、モナスカス属(Monascus)の糸状菌にて培
養された米紅麹が5〜50重量%の組成割合となるよう
醸造された玄米酢にキトサンを溶解させることを特徴と
するキトサンの溶解方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多糖類であるキチンを
脱アセチル化して得られるキトサンの溶解方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】カニやエビ等の甲殻類から得られるキチ
ンを脱アセチル化したキトサンは、多糖類の一種であ
り、これまでは主に凝集剤として用いられていたが、そ
の後、キトサンの保湿効果、抗菌性といったことを利用
して、シャンプーや化粧品、更には、食品関係や農薬関
係へとその応用分野が拡がってきた。しかしながら、キ
トサンは、水やアルコール等の一般的な溶媒には溶解せ
ず、また、弱酸性の酢酸やクエン酸、乳酸等の酸には溶
解するが、その溶解度はせいぜい約5重量%とそれほど
大きくはない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、キトサンの
種々の機能性を、さまざまな分野で利用しやすくするた
めに、かかるキトサンを高濃度に溶解させる溶解方法を
提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】しかるに、本発明は、一
般の醸造用米麹(黄麹)に対し、モナスカス属(Mon
ascus)の糸状菌にて培養された米紅麹が5〜50
重量%の組成割合となるよう醸造された玄米酢にキトサ
ンを溶解させることに特徴を有するキトサンの溶解方法
に関する。
【0005】
【作用】前記構成において、一般の醸造用米麹(黄麹)
とは、もやしとして販売されるアスペルギルス属(As
pergillus)に属する糸状菌を種菌とし、これ
を精白米に繁殖させてなる麹で、一般の食用醸造原料と
して古くより広く利用されてるものである。また、米紅
麹とは、モナスカス属(Monascus)に属する糸
状菌を同様に精白米に繁殖させてなる麹である。また、
これによる玄米酢は、前記の醸造用米麹(黄麹)に玄米
を加え、醸造してもろみ(酒)とし、これに酢酸菌を反
応させて酢としたもので、玄米中の糠に含まれるタンパ
ク質が分解され、アミノ酸として豊富に存在するので、
健康指向の飲む酢として用いられるものである。
【0006】本発明を構成する前記玄米酢は、予め醸造
用米麹(黄麹)に対し5〜50重量%の割合の米紅麹を
加え、これを醸造して酢としたものでも、或は、各別に
醸造された玄米酢を最終的に前記した麹原料比率となる
よう混合して得たものでも何れでもよいが、製造の合理
性から前者の方法によって得るのが好ましい。本発明
は、かかる組成の玄米酢にキトサンが高濃度に溶解する
どの知見を得て成されたものであるが、米紅麹には麹酸
が産生しないこと、また、麹酸の飽和溶液(5重量%、
酸度1.8%)にキトサンがほとんど溶解しないこと、
更に、後述するように酸度が同一であってもその溶解度
に顕著な差があることからこれらと別の要因が作用して
いるものと思料される。
【0007】本発明において、醸造用米麹(黄麹)に対
する米紅麹の割合を5〜50重量%としたのは、その割
合が5重量%より少ないと所望のキトサンの濃厚溶液が
得られず、また、50重量%を越えると米紅麹の糖化力
が弱いため醸造が進まず、玄米酢として必要な酢もとも
ろみのアルコール度を確保することができないためであ
る。また、かかるキトサンの高濃度溶液は、調味料であ
る酢として、また、各種の食品添加物やキトサン添加原
料としても用いられるが、その風味、或は、日本農林規
格(JAS)で酢として定めている最低基準の酸度3.
6%以上を確保すること、更には、醸造用米麹(黄麹)
の産生する酵素の働きによる糖化、蛋白分解作用を阻害
させないためにも前記した割合の範囲にあることが好ま
しい。
【0008】以下、実施例並びにその機能性の評価につ
いて例を挙げて説明する。
【実施例1】 (玄米酢の調整)蒸し米に酢用もやし((株)菱六製
Aspergillus oryzae菌)を植菌した
後、44時間製麹して本発明を構成する醸造用米麹(黄
麹)を得た。一方、別の蒸し米にMonascus p
ilosus(IFO4520)を植菌した後、7日間
製麹して本発明を構成する米紅麹を得た。得られた2種
の麹を醸造用米麹(黄麹)に対し、米紅麹が25重量%
の割合となるよう混合し、これを玄米に加え、通常の醸
造法により酢もともろみを作製した。次いでこれに種酢
を加え、上面発酵法で酢に加工し、3カ月の熟成期間を
おいて、おり引、濾過の後、酸度調整は行わず、本発明
を構成する米紅麹玄米酢を得た。 (キトサンの溶解)前記玄米酢を25℃に調整し、これ
に焼津水産化学工業(株)製のパン粉様のキトサンCL
H(脱アセチル化度約85%、分子量約100万)を少
量ずつ攪拌しながら、溶解する限界まで加えた。その結
果を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】表1における対照区1は玄米に代え精白米
を原料として醸造した酢、対照区2は醸造用米麹(黄
麹)のみを用い精白米を原料として醸造した酢、また、
対照区3は同じく醸造用米麹(黄麹)のみを用い玄米を
原料として醸造した酢で、これに夫々前記と同様の方法
によりキトサンを溶解させたときの値を示した。また、
表1には酸度とのかかわりを明らかにするために夫々の
酸度を示した。尚、表1における溶解度は、酢に対しキ
トサンがゲル状に溶解する限界重量比率を測定したもの
であり、また、酸度は、酢の濃度を酢酸換算で%表示し
たもので、日本農林規格(JAS)に定める方法で算出
したものである。
【0011】かかる結果からも明らかなように、本発明
並びに対照区1〜3は酸度がほぼ同じであるにもかかわ
らず、キトサンの溶解度は、本発明のみ他の約2倍の溶
解度を示し、濃厚なキトサン溶液が得られた。
【0012】(キトサン溶液の抗菌性評価)実施例1で
得た本発明、並びに、対照区1〜3のキトサンを溶解し
た酢をそれぞれ0.05g吸収させたペーパーディスク
(直径8mm)を作製し、被検菌として、Staphy
lococcus aureus(A),Bacill
ussubtilis(B),Escherichia
coli(C)を、それぞれ10CFU(colo
ny forming unit)となるように接種し
た栄養寒天培地の表面に上記のペーパーディスクを固定
し、18時間、37℃にて培養後、ペーパーディスクの
周囲に形成されるハロー(透明環)の直径の大きさで抗
菌力価を評価した。その結果は表2に示す通りであり、
本発明の抗菌力価はキトサンが高濃度で溶解しているた
め、対照区1〜3に比べて優れているこどがわかる。
尚、対照区4は本発明の、対照区5は対照区1の、対照
区6は対照区2の、対照区7は対照区3の夫々キトサン
を全く溶解しない酢単独の抗菌性を前記と同じ方法によ
って評価したものである。
【0013】
【表2】
【0014】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、豊富な
天然資源であるキチンを脱アセチル化して得られるキト
サンを高濃度に溶解させるキトサンの溶解方法を提供し
たもので、本発明によって得られたキトサンの高濃度溶
解玄米酢は、凝集、保湿、抗菌等の機能を利用して調味
料、食品添加物としてはもとより、かかる機能を必要と
する各種産業用途に幅広く活用されるものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般の醸造用米麹(黄麹)に対し、モナ
    スカス属(Monascus)の糸状菌にて培養された
    米紅麹が5〜50重量%の組成割合となるよう醸造され
    た玄米酢にキトサンを溶解することを特徴とするキトサ
    ンの溶解方法。
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