JPH11318351A - 飲食品又は飼料 - Google Patents

飲食品又は飼料

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JPH11318351A
JPH11318351A JP10136880A JP13688098A JPH11318351A JP H11318351 A JPH11318351 A JP H11318351A JP 10136880 A JP10136880 A JP 10136880A JP 13688098 A JP13688098 A JP 13688098A JP H11318351 A JPH11318351 A JP H11318351A
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cells
cell wall
food
fixed
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JP10136880A
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Kazutada Takesako
一任 竹迫
Masahiro Endo
政博 遠藤
Ikunoshin Kato
郁之進 加藤
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Takara Shuzo Co Ltd
Original Assignee
Takara Shuzo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】細胞壁を有する細胞由来の栄養上及び/又は食
品工業上有用な成分を容易に摂取及び/又は利用できる
飲食品又は飼料を提供すること。 【解決手段】細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全部
が除去された化学固定細胞を含有してなる飲食品又は飼
料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消化吸収性が良く栄
養価の高い飲食品又は飼料に関する。
【0002】
【従来の技術】現在食品工業に用いられる原材料には、
食肉等に代表される原形質膜で覆われた細胞より構成さ
れるものと、野菜等に代表される細胞壁及び原形質膜で
覆われた細胞より構成されるものが存在する。このうち
細胞壁及び原形質膜で覆われた細胞として、植物細胞の
他、クロレラなどの藻類、酵母などの微生物類等の細胞
が挙げられる。植物細胞からなる原材料として例えば茶
葉があり、水に代表される溶媒で抽出した成分を飲料と
して利用している。またクロレラや食飼料酵母に代表さ
れる食用微生物はその細胞成分の約半分が良質の蛋白質
からなることが知られており、このタンパク質等の有効
成分を食品としての利用、例えば食飼料酵母の場合、タ
ンパク質源としての利用、またビタミンB群の豊富な供
給源としての利用が検討されており、例えば、シングル
セルプロテイン(SCP、single cell protein )とい
う名で高タンパク質食品として注目されたことがある。
その他酵母エキスや乾燥酵母という名で乾燥した食飼料
酵母細胞自身が食されている。
【0003】しかし細胞壁の存在が産業上の障害となる
場合がある。例えば茶葉の場合、冷水による茶葉成分の
抽出効率低下は細胞壁の存在によると考えられる。食用
微生物の場合も細胞壁が厚く、固く、消化吸収性が劣る
ため、十分な栄養補給のためには大量摂取が必要とな
る。例えば、酵母の場合、細胞壁の問題の他、核酸の含
量が高く、口当たりが悪かったり、ねばねばする等の欠
点がある。
【0004】そこで茶葉成分の抽出効率を改善する方法
として、例えばセルラーゼ、ペクチナーゼに代表される
細胞壁溶解酵素等を作用させ細胞を処理することによ
り、冷水抽出でも湯抽出と同等の効果が得られることが
報告されている[米国特許第4639375号]。
【0005】一方食用微生物の場合、消化吸収性を向上
させることにより栄養源としての食用微生物の有用性を
上げることを目的として、例えばクロレラの場合、細胞
壁の破砕により吸収率の向上をはかる[日本国特許第1
076130号]方法や、細胞壁が薄く、破壊されやす
いピレノイドサ種のクロレラを原料として利用する方法
が試みられている。しかし、これらの方法も食用微生物
の有効成分を効率的に摂取する方法としてはまだ不十分
であり、様々な改良が試みられている。
【0006】一方、細胞に含有される核酸を構成するプ
リン化合物は、ヒトでは尿酸までにしか転化することが
できないため、核酸を大量摂取した場合、組織や関節に
尿酸が蓄積し痛風と同様な症状を生じる危険性がある。
また、細胞膜を構成するトリグリセリド、脂肪酸、リン
脂質、エルゴステロール等の脂肪成分は、カロリーが高
く肥満の原因となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、細胞壁を有
する細胞由来の栄養上及び/又は食品工業上有用な成分
を容易に摂取及び/又は利用できる飲食品又は飼料を提
供することを目的とする。なお、本明細書における原料
細胞とは、特に断りのない限り、細胞壁除去処理及び固
定処理が施されていない、細胞壁及び原形質膜に覆われ
た細胞を意味する。
【0008】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明の要旨は、
細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全部が除去された
化学固定細胞を含有してなる飲食品又は飼料、に関する
ものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の飲食品又は飼料に含有さ
れる「細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全部が除去
された化学固定細胞」とは、細胞の細胞壁の少なくとも
一部又は実質的に全部が除去され、かつ化学的に固定さ
れた細胞を言う。即ち、原料細胞の細胞壁の除去により
消化性を向上させ、さらに化学固定により貯蔵性、取り
扱い性を改善させる。以下、かかる細胞壁の少なくとも
一部又は実質的に全部が除去された化学固定細胞を、
「除壁固定細胞」と称する場合がある。
【0010】本明細書における、「細胞壁の少なくとも
一部又は実質的に全部が除去された細胞」とは、プロト
プラストやスフェロプラストに代表される、細胞壁が除
去された形態の細胞を意味する。細胞壁の少なくとも一
部が除去される場合の除去の程度としては、除壁固定細
胞の消化性に影響を与えない程度であれば良く、細胞壁
を必ずしも全て除去する必要はない。これら細胞壁の残
存許容量は、例えば、適当な中性緩衝液に懸濁した除壁
固定細胞にアルカリを添加することにより細胞を溶解さ
せ、溶解前後の細胞懸濁液の濁度を比較すること等によ
り確認することができる。
【0011】具体的には、除壁固定細胞を10mMリン
酸緩衝液(pH7.0)中にて660nmにおける吸光
度(OD660 )が5〜10の範囲になるように調整す
る。次に、得られる懸濁液の1/10容量の水を添加し
た場合のOD660 の値(A)と、該懸濁液の1/10容
量の3NのNaOHを添加した場合のOD660 の値
(B)を求める。細胞壁の除去の程度は下式で求める濁
度減少率で表すことができる。 [濁度減少率(%)]=(A−B)/A×100
【0012】即ち、濁度減少率が高い程、細胞壁の除去
程度が高いことが判る。本発明において細胞壁の残存許
容量は、濁度減少率として好ましくは50%以上であ
り、更に好ましくは60%以上である。
【0013】また、本明細書において細胞壁の実質的に
全部が除去された細胞とは、プロトプラストの形態にな
るまで細胞壁が除去された細胞を意味する。該形態は、
顕微鏡観察により確認できる。
【0014】新鮮な生きた細胞より得られる固定されて
いないプロトプラスト細胞は、等張液或いは高張液に懸
濁した状態では球状又はそれに近い形状を有しており、
その大きさは通常、直径0.5〜10μmである。また
適当な再生培地で培養すれば、細胞壁を再生し元の形態
を有する細胞になることができる。即ち、プロトプラス
ト細胞は基本的に生育に必要な成分を全て有している。
【0015】本明細書における「固定(fixation)」と
は、絶えず動的に変化している生細胞及び細胞を構成す
る分子構造を、ある時点で一時的或いは永久的に、その
変化を停止させる操作を意味する。
【0016】固定は、細胞又はその一部分の破損・自己
融解を抑止し、細胞の外形、内部構造、物質組成等をで
きるだけ生きた細胞の状態で保存するために実施する。
固定には、固定液(fixative)に代表される試薬を用い
ることを特徴とする化学固定と、熱固定や凍結乾燥に代
表される物理固定とに大別される。しかしながら、除壁
固定細胞の製造に物理固定を用いる場合、除壁操作に使
用される装置以外の装置、例えば、加熱装置、冷却装
置、乾燥装置等が必要となり、工業的規模での製造には
経済的に不利となる。一方、化学固定の場合、除壁操作
に使用する装置で固定を行うことが可能であるため、経
済的により有利である。また、酵母の熱処理において、
酵母細胞を75℃、15秒間処理することにより細胞内
ヌクレアーゼが活性化し、細胞内核酸が分解することが
報告されている[A.Z.シンスレイら(A.Z. Sinslay
et al. )、ネイチャー(Nature)、第288巻、第1
81頁(1970)]。化学固定の場合、昇温操作を必
要とせず、低温でも処理可能であるため、このような細
胞内ヌクレアーゼ又は細胞内プロテアーゼが活性化され
る心配は少なく、原料細胞に近い高次構造を保持した栄
養成分を有する除壁固定細胞を得ることができる。ま
た、投与動物の生理状態に適した栄養成分の調整など、
目的に応じた適当な処理をその後に施すことが可能であ
る。上記の点から、本発明の飲食品又は飼料に含有され
る除壁固定細胞としては、化学処理により固定された化
学固定細胞が好ましい。
【0017】化学処理は、通常用いられる公知の方法を
採用することができ、例えば、グルタルアルデヒド、ホ
ルムアルデヒド、四酸化オスミウム、過マンガン酸カリ
ウム、メタノール、エタノール等による処理により行わ
れる。好ましくは、0.5〜5.0%のグルタルアルデ
ヒド、ホルムアルデヒドを含む適当な緩衝液中で行われ
る。緩衝液としては、通常、pH5〜8のクエン酸緩衝
液やリン酸緩衝液等が用いられる。例えば、処理操作は
5〜20℃の低温で行うことが好ましいが、25℃程度
の室温で実施しても良い。固定時間は、通常、1〜60
分間である。
【0018】なお、化学固定された除壁固定細胞は、低
張液中でもバーストしない特徴を有する。低張液を構成
する塩濃度の上限は原料細胞により異なるが、一般的な
低張液として、例えば、0〜0.5Mの塩化ナトリウム
等の塩を含有する蒸留水又は緩衝液が挙げられる。
【0019】本発明の、細胞壁の少なくとも一部又は実
質的に全部が除去された化学固定細胞を含有する飲食品
又は飼料は、除壁固定細胞が消化器内で消化される形態
として配合調製されている物であれば良く、その限りに
おいて組成、形態、調製方法などは特に限定されない。
なお、本発明における「飼料」とは、一般にヒト以外の
動物を成長させ、また飼育するための食物・飲料物を指
すものであるが、本発明においては、かかる目的に限定
されず、ヒト以外の動物に与える食物・飲料物を広く包
含する。
【0020】また、本発明の飼料が対象とする動物は、
動物の種類によって制限されるものではなく、あらゆる
動物、即ち、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類を含
むものであるが、具体的には、イヌ、ネコ、トリ、ネズ
ミ、ハムスター等のペットや養殖魚、家禽、ウシ、ウマ
等の家畜が例示される。
【0021】本発明の飲食品又は飼料の形態は、例え
ば、除壁固定細胞を含有する粉末、顆粒、錠剤、カプセ
ル、ゼリー、キャンディー、液体などの形態であって良
い。カプセルやゼリー、キャンディーはゼラチンや砂糖
で結着又は包まれたものであり、なかでも、保存性、取
り扱い性、除壁固定細胞の含有量を多くできる等の観点
からは、好ましくは顆粒、錠剤、カプセルなどの形態で
あるが、その形状、大きさは限定されるものではない。
好ましくは1錠あたり100mg〜2gの錠剤(打錠
品)である。
【0022】また、これらに含まれる除壁固定細胞の量
は、乾燥基準で0.1重量%以上が好ましく、より好ま
しくは0.5〜50重量%であり、特に好ましくは1〜
30重量%である。
【0023】打錠品、顆粒又はカプセルの製造方法は、
常法によればよく、その方法は限定されない。例えば、
除壁固定細胞を粉末、水、アルコール、ガム液などの付
着剤を添加し、造粒品とした後、打錠する方法がある。
【0024】本発明における除壁固定細胞の栄養価、例
えば投与対象となる生物における必須アミノ酸の量的組
成等は、原料として用いた細胞種により異なることか
ら、本発明の飲食品又は飼料としては、投与対象となる
生物に至適な栄養価となるように、異なる生物種由来の
細胞を原料として調製した除壁固定細胞を数種類適宜混
合したものを用いてもよい。また、本発明の飲食品又は
飼料は、添加及び/又は希釈した除壁固定細胞単独では
投与対象となる生物に不足している栄養素をさらに添加
した物であっても良い。
【0025】本発明の除壁固定細胞を含有する飲食品又
は飼料には、さらに、既存の飲食品又は飼料の栄養価を
上げる目的で除壁固定細胞が既存の飲食品又は飼料に添
加及び/又は希釈されていても良い。既存の飲食品とし
て、例えば穀物加工品(小麦粉加工品、デンプン類加工
品、プレミックス加工品、麺類、マカロニ類、パン類、
あん類、そば類、麩、ビーフン、はるさめ、包装餅
等)、油脂加工品(可塑性油脂、てんぷら油、サラダ
油、マヨネーズ類、ドレッシング等)、大豆加工品(豆
腐類、味噌、納豆等)、食肉加工品(ハム、ベーコン、
プレスハム、ソーセージ等)、水産製品(冷凍すりみ、
かまぼこ、ちくわ、はんぺん、さつま揚げ、つみれ、す
じ、魚肉ハム、ソーセージ、かつお節、魚卵加工品、水
産缶詰、つくだ煮等)、乳製品(原料乳、クリーム、ヨ
ーグルト、バター、チーズ、練乳、粉乳、アイスクリー
ム等)、野菜・果実加工品(ペースト類、ジャム類、漬
け物類、果実飲料、野菜飲料、ミックス飲料等)、菓子
類(チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケー
キ、餅菓子、米菓類等)、アルコール飲料(日本酒、中
国酒、ワイン、ウイスキー、焼酎、ウオッカ、ブランデ
ー、ジン、ラム酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実
酒、リキュール等)、嗜好飲料(緑茶、紅茶、ウーロン
茶、コーヒー、清涼飲料、乳酸飲料等)、調味料(しょ
うゆ、ソース、酢、みりん等)、缶詰・瓶詰め・袋詰め
食品(牛飯、釜飯、赤飯、カレー、その他の各種調理済
み食品)、半乾燥又は濃縮食品(レバーペースト、その
他のスプレッド、そば・うどんの汁、濃縮スープ類)、
乾燥食品(即席麺類、即席カレー、インスタントコーヒ
ー、粉末ジュース、粉末スープ、即席味噌汁、調理済み
食品、調理済み飲料、調理済みスープ等)、冷凍食品
(すき焼き、茶碗蒸し、うなぎかば焼き、ハンバークス
テーキ、シュウマイ、餃子、各種スティック、フルーツ
カクテル等)、固形食品、液体食品(スープ等)、香辛
料類等の農産・林産加工品、畜産加工品、水産加工品等
が挙げられる。具体的には、調製小麦粉、本発明におけ
る除壁固定細胞を増量材として用いたサラミソーセージ
やミートボール、フライの衣等が挙げられる。
【0026】既存の飼料として、例えば、家畜、家禽、
魚、ペット等の配合飼料を挙げることができる。配合飼
料は通常植物性タンパク質源である穀類(トウモロコ
シ、高粱、小麦、大麦)、油粕類(米ぬか、大豆油粕、
落花生粕、綿実粕等)と動物性タンパク質源となる魚粉
とから構成される。本発明における除壁固定細胞は、主
として、タンパク質源として利用することができる。除
壁固定細胞の飼料への配合は、通常、懸濁添加、粉末配
合、混練等により行われる。除壁固定細胞の含有量は、
動物の種類、年齢、体重などに応じて異なり、飼料の栄
養価が整えられるように適宜選択・変更することができ
る。飼料100gに対する配合量は、好ましくは、1〜
7000mg、より好ましくは10〜1000mgとな
るような範囲で選択される。
【0027】本発明における除壁固定細胞を調製する方
法としては、例えば、次の二つの態様が挙げられる。先
ず第一の態様を詳細に説明する。第一の態様は次の各工
程を含む。 (1)原料細胞を得る工程、(2)上記工程(1)で得
られた細胞の細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全部
を除去する工程、及び(3)上記工程(2)で得られた
細胞を化学固定する工程。
【0028】(1)原料細胞を得る工程 本工程は、より具体的には、原料となる細胞又は該細胞
からなる生物を生育に適した条件で培養又は育成し、新
鮮な細胞を得る工程を包含する。
【0029】例えば、原料細胞として食用微生物由来の
細胞を用いる場合、食用微生物の培養は、各々に適した
炭素源、窒素源、その他の栄養源を含む栄養培地で、生
育可能な温度、条件で実施すればよい。通常、食用微生
物の培養に用いられる栄養培地としては、糖蜜、n−パ
ラフィン、メタノール、エタノール、酢酸、糖化澱粉を
原料とした培地やYPD培地(1重量%酵母エキス、1
重量%ポリペプトン、2重量%グルコース)等が広く用
いられる。培養温度は15〜45℃位が一般的である
が、微生物種により適宜選択すればよい。
【0030】食用微生物は、通常の培養条件では凝集や
菌塊の形成により不均一な細胞懸濁液になるものや、細
胞壁層が厚いものが多い。この場合、次工程で細胞壁溶
解酵素等を充分に作用させることができない。そこで、
なるべく均一な、又は細胞壁層の薄い細胞懸濁液を得る
ために、培養方法を工夫してもよい。例えば、アスペル
ギルス属などの菌糸状の生育をする食用微生物の場合、
0.5〜1MのNaClを培地に添加する等、塩濃度を
高め浸透圧を高くすることで解消される。得られた細胞
は適当な液、例えば蒸留水などで洗浄しておくことが望
ましい。
【0031】また原料として植物由来の細胞を用いる場
合も特に限定されず、通常の方法により植物を育成すれ
ばよい。本発明では、原料細胞に新鮮な生きた細胞を用
いることが好ましいが、凍結保存された細胞を用いても
良い。
【0032】(2)工程(1)で得られた細胞の細胞壁
の少なくとも一部又は実質的に全部を除去する工程 工程(2)は、細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全
部を除去した細胞を得る工程である。細胞壁の除去の程
度は、工程(3)で得られる除壁固定細胞を摂取した
際、消化性に悪影響を及ぼさない程度であれば良い。細
胞壁の除去は、例えば、原料細胞に適した細胞壁溶解酵
素を作用させたり、細胞を物理的に処理することにより
達成できる。また、細胞壁溶解酵素処理と物理的処理と
を併用しても良い。
【0033】細胞壁溶解酵素としては種々のものが知ら
れているが、食用微生物細胞を原料細胞として用いる場
合、例えば、ニューラーゼ(天野製薬社製)、グルクザ
イム(天野製薬社製)、ザイモリエース(生化学工業社
製)、リチカーゼ(シグマ社製)、ヤタラーゼ(大関−
宝酒造社製)、キチナーゼ(宝酒造社製)、トリコデル
マ ライジングエンザイム(ノボ−シグマ社製)、カタ
ツムリ腸管消化酵素β−グルクロニダーゼ(シグマ社
製)、ラミナリアーゼ(シグマ社製)等の市販の製品を
用いることができる。これらの酵素は、各種の細胞壁多
糖(キチン、β1,3−グルカン、マンナン、ガラクト
マンナン、キシログルカン等)の溶解酵素を含むもので
あり、さらにプロテアーゼも含有しているものが多い。
【0034】植物細胞の場合には、細胞を相互に接着し
ているペクチン質を分解するポリガラクチュロナーゼ
(polygalacturonase )やペクチンリアーゼ(pectin l
yase)及び細胞壁を主として構成しているセルロースを
分解するセルラーゼ(cellulase )を用いる必要があ
る。ポリガラクチュロナーゼ及び/又はペクチンリアー
ゼとしては、マセロザイムR10(Macerozyme R10)
(ヤクルト本社製)、ペクチナーゼ(Pectinase )(Si
gma 社製)等が挙げられる。セルラーゼとしては、セル
ラーゼ・オノズカRS(Cellulase Onozuka RS)(ヤク
ルト本社製)等が挙げられる。
【0035】さらに原料となる細胞が所謂キノコの場
合、菌糸の細胞壁はキチンを主成分として構成されてい
る。従って担子菌を適当な条件で培養又は育成し、栄養
菌糸体、子実体の菌糸、担子胞子、子実体のひだの部分
を原料とし、キチナーゼ等の酵素で処理することにより
細胞壁を除去した細胞を得ることができる。
【0036】原料細胞の細胞壁を除去するには、まず、
得られる細胞壁を除去された細胞がバーストしないよう
に0.5〜1.5Mのソルビトールやマンニトール、N
aClを含有し、細胞壁溶解酵素が作用し得る適当な緩
衝液中に、原料細胞を懸濁させる。これに必要量の細胞
壁溶解酵素を添加し、10分間〜数時間作用させ、細胞
壁を除去する。この際、プロテアーゼを作用させること
により細胞壁をより完全に除去することができる場合も
ある。細胞の種類によってはプロテアーゼを作用させる
必要がない場合もあり、その際はPMSF、ペプスタチン等
のプロテアーゼインヒビターを加えてもよい。
【0037】また、物理的処理方法としては、例えば
2.5Mのショ糖溶液のような高張緩衝液中で原料細胞
を懸濁することにより原形質分離を起こさせ、ナイフで
細胞壁を切り取る方法がある。
【0038】細胞壁の除去の程度は、例えば、本工程で
得られた細胞を低張液中に懸濁し、バーストせずに残存
する細胞数を計測することにより確認することができ
る。また、プロトプラストに近い状態まで細胞壁が除去
できた場合は、除壁操作を施した細胞を等張液に懸濁し
細胞形状を顕微鏡観察した際に細胞形状が球形であるこ
とによっても確認できる。
【0039】(3)工程(2)で得られた細胞を化学固
定する工程 化学固定は前期の方法により実施すれば良い。固定の程
度は、例えば、本工程で得られた細胞を等張液又は低張
液中に懸濁し、両懸濁液中にバーストせずに残存する細
胞数を比較することにより確認することができる。本発
明においては、低張液中でもバーストしない細胞を除壁
固定細胞として使用する。
【0040】除壁固定細胞は、例えば遠心分離によって
回収することができる。例えば、清酒酵母の除壁固定細
胞は、蒸留水に懸濁した場合、2000×g、10分間
の遠心操作処理で沈降物として他の成分、例えば固定が
不十分でバーストした細胞成分と分離することができ
る。
【0041】また、上記の固定処理により、細胞内のタ
ンパク質も凝固変性させることができるため、本工程で
得られる固定細胞は、その細胞壁再生能力及び細胞増殖
能力が失われている。したがって、このような除壁固定
細胞の固定の程度は、該細胞を適当な培地中で培養し、
生細胞数を測定することにより確認することもできる。
得られた除壁固定細胞は蒸留水などにより十分洗浄する
ことが好ましい。
【0042】化学固定細胞の調製方法において、上記の
工程(2)と工程(3)の順序は入れ替わっても良い。
即ち、固定細胞の調製方法の第二の態様は次の各工程を
含む。 (1)原料細胞を得る工程、(2)上記工程(1)で得
られた細胞を化学固定する工程、及び(3)上記工程
(2)で得られた細胞の細胞壁の少なくとも一部又は実
質的に全部を除去する工程。
【0043】(1)原料細胞を得る工程 本工程は上記の第一の態様における「(1)原料細胞を
得る工程」に準じて実施すればよい。
【0044】(2)工程(1)で得られた細胞を化学固
定する工程 本工程は上記の第一の態様における「(3)工程(2)
で得られた細胞を化学固定する工程」に記載した方法に
準じて実施可能である。該時点において、固定の程度の
確認は、例えば、生細胞数の測定により実施することが
できる。
【0045】(3)工程(2)で得られた細胞の細胞壁
の少なくとも一部又は実質的に全部を除去する工程 工程(2)で得られた細胞の細胞壁の細胞壁の除去は、
例えば、固定された細胞を適当な緩衝液中に懸濁し、第
一の態様における「(2)工程(1)で得られた細胞の
細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全部を除去する工
程」に記載の細胞壁溶解酵素を反応させることにより実
施できる。本工程により得られる細胞は蒸留水等により
充分洗浄することが好ましい。細胞壁の除去の程度は、
顕微鏡観察や濁度減少率を測定すること等により確認す
ることができる。
【0046】上記二態様の製造方法のいずれかを包含す
る製造方法で得られる除壁固定細胞は細胞壁成分が除去
されているため、生細胞や細胞壁を有する細胞に比べ消
化器系に取り込まれた後分解が速い。
【0047】一方、上記二態様の製造方法のいずれかを
包含する製造方法により得られた除壁固定細胞は、下記
の方法により核酸、脂質及び/又は水分の含量を容易に
調整できる。従って、本発明の飲食品又は飲料の投与対
象生物の健康状態により必要に応じ核酸、脂質及び/又
は水分の含量を調整することができる。
【0048】例えば除壁固定細胞を、各種リボヌクレア
ーゼ(RNase)やデオキシリボヌクレアーゼ(DN
ase)で核酸を分解後、適当な緩衝液又は蒸留水で十
分洗浄し固形物を集めることにより核酸を除去すること
ができ、必要に応じ核酸含量を調整することができる。
固形物の分離は遠心分離操作又は濾過操作など公知の技
術を用いればよい。除壁固定細胞は細胞形態を維持でき
るため、低分子化された核酸を除く細胞内高分子は得ら
れる除壁固定細胞内に貯留している。なお除核酸処理を
施した場合、除壁固定細胞は蒸留水などにより十分洗浄
するのが望ましい。
【0049】除核酸の程度は除壁固定細胞をエーテルな
どにより脱脂後、トリクロル酢酸(TCA)又は過塩素
酸(PCA)により抽出した核酸を含有する溶液の波長
260nmの紫外線吸収又はジフェニルアミン法による
DNAの定量及びオルシノール法によるRNAの定量に
より確認することができる。
【0050】一方、除壁固定細胞を90%アセトン、エ
ーテル、クロロホルム/メタノール等による化学的処理
またはリパーゼ等の脂質分解酵素による酵素的処理後、
固形物を集めることにより脱脂することができ、必要に
応じ脂肪含量を調整することができる。固形物の分離は
遠心分離操作又は濾過操作など公知の技術を用いればよ
い。なお脱脂した場合、除壁固定細胞は蒸留水などによ
り十分洗浄するのが望ましい。
【0051】脱脂の程度は脱脂操作された一定量の除壁
固定細胞からクロロホルム/メタノール等により抽出さ
れる残存脂質重量を測定することにより確認することが
できる。なお、クロロホルム/メタノールの代表的組成
は、Folch法[安藤鋭郎ら編 生化学研究法I 第
49頁〜第54頁、朝倉書店株式会社(1967年刊)
等を参照]に用いられる2/1(V/V)であるが、組
成は特に限定されるものではなく、適宜組成変更すれば
よい。
【0052】更に製造工程(3)で得られた細胞は例え
ば、脱水エタノール、エチレングリコールにより脱水す
ることができる。この場合例えば、70%、90%、9
9.5%エタノールで順に処理し固形物を集めればよ
い。この処理で遊離脂肪酸も除去される。水分含量は脱
水処理操作前後の重量減少により確認することができ
る。また、除核酸、脱脂、脱水操作は併用しても構わな
い。
【0053】一方、上記第一の態様又は第二の態様の製
造方法のいずれかを包含する製造方法で得られた除壁固
定細胞、及び脱脂、除核酸及び/又は脱水処理を施した
除壁固定細胞は、乾燥して粉末にしても良く、または更
に物理的に破砕しても良い。例えば、除壁固定細胞を適
当な緩衝液中に懸濁液、超音波処理、磨砕処理など公知
の破砕方法を用いればよい。破砕後はそのままの状態
で、又は破砕後遠心により集めた不溶物の状態で栄養源
として用いることができる。
【0054】本発明において原料として用いる細胞は特
に限定されるものではなく、細胞壁及び原形質膜を有す
る細胞、例えば植物由来又は微生物由来の細胞が挙げら
れる。
【0055】植物細胞は特に限定されないが、本発明に
おける除壁固定細胞はそれ自体消化性が良いため、従来
加工することにより消化率を向上させている乾燥豆[下
村道子、橋本慶子編、植物性食品II 初版:株式会社朝
倉書店、第30〜31頁(1993)]等の細胞を用い
ても良い。
【0056】微生物細胞は、飲食品又は飼料用に耐えう
る微生物由来のものであれば特に限定されず、生物種、
形態に関しても限定されるものではなく、例えば以下の
3つに分類された微生物のいずれか由来の細胞が好まし
いものとして挙げられる。なお、本明細書における食用
微生物としては菌類又は藻類が例示され、食用微生物と
しての菌類には真菌、細菌、変形菌等が包含される。
【0057】先ず第一の食用微生物は食品工業において
微生物細胞自身を食品にする微生物であり、例えば食飼
料用酵母であるカンジダ ユーティリス(Candida Util
is)、ミコトルラ ジャポニカ(Mycotorula japonic
a)等[山田浩一著、食品工業微生物学:株式会社光琳
書院、第49〜51頁(1971)]の他、所謂キノコ
も用いることができる。その他パン酵母のように単に細
胞成分のみでなくその生理作用を利用した食品又は飼料
の製造に利用される微生物も包含される。
【0058】第二の食品微生物は食品工業において農産
物、畜産物又は水産物に微生物を作用させてその価値を
高めた二次製品を製造する場合に利用される微生物であ
り、具体的には各種農産物より味噌、醤油、酢、清酒、
ビール、葡萄酒などを製造する醸造工業や納豆、甘酒な
どを作る農産加工業、牛乳を原料としてヨーグルトやチ
ーズ等をつくる酪農工業、又は魚類を原料として魚醤や
塩辛等をつくる水産加工業において利用される微生物が
挙げられる。
【0059】更に第三の食用微生物は、現在は食品工業
において利用されていないが安全性等が確認された結果
飲食品又は飼料に利用できる微生物である。
【0060】本発明において使用可能な真菌細胞として
は、例えばサッカロミセス属(Saccharomyces )、カン
ジダ属(Candida )、クルイベロマイセス属(Kluyvero
myces )、トルロプシス属(Torulopsis)、ハンセヌラ
属(Hansenula )、チゴサッカロミセス属(Zygosaccha
romyces )、ファフィア属(Phaffia )、モナスカス属
(Monascus)、アスペルギルス属(Aspergillus )に属
する食用微生物の少なくとも一菌株由来の細胞が挙げら
れる。
【0061】食用微生物がサッカロミセス属の場合、例
えばパン酵母、ビール酵母、清酒酵母、ワイン酵母を挙
げることができる。食用微生物がカンジダ属酵母の場
合、例えばカンジダ ユーティリスを挙げることができ
る。食用微生物がクルイベロミセス属酵母の場合、例え
ばクルイベロミセス フラギリス(Kluyveromyces fra
gilis )、クルイベロミセス ラクティス(K.lacti
s)、クルイベロミセス マルキシアンス(K.marxianns
)を挙げることができる。
【0062】また食用微生物がアスペルギルス属の場
合、例えばアスペルギルス オリゼ(Aspergillus oryz
ae)を挙げることができる。その他食用微生物における
細菌としては、例えばアエロバクター アエロゲネス
(Aerobacter aerogenes )、シュードモナス アエル
ギノザ(Pseudomonas aeruginosa )等が挙げられる。
また食用微生物における藻類としては、例えばクロレ
ラ、セニデスムスなどの緑藻や藍藻スピルリナ等が挙げ
られる。
【0063】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はかかる実施例に何ら限定されるも
のではない。なお、実施例中、%は特に断らない限り重
量基準である。
【0064】実施例1. 清酒酵母の固定プロトプラス
ト細胞の調製 1)プロトプラスト細胞の調製:協会701号清酒酵母
のサブローデキストロース(SD)寒天斜面培養物の一
白金耳分を5mLのYPD培地(酵母エキス1%、ポリ
ペプトン2%、グルコース2%)で種培養した。次い
で、YPD培地100mLを入れた500mL容三角フ
ラスコに植菌し、35℃で二日間振とう培養した。得ら
れた100mLの培養液(3.8×108 cells/
mL)から、2000×g、10分間の遠心により細胞
を集めた。細胞を40mLの滅菌蒸留水で2回洗浄後、
38mLのバッファーA[1M NaClを含む50m
Mリン酸緩衝液(pH7.5)]で1回洗浄した。
【0065】細胞を38mLのバッファーB(10mM
EDTA及び0.13% 2−メルカプトエタノール
を含むバッファーA)に懸濁後(約1×109 cell
s/mL)、35℃で10分間緩やかに振とうした。続
いて、この懸濁液に、3.3mg/mLのザイモリエー
ス20T(生化学工業社製)を含むバッファーAを4m
L加え、35℃で1時間緩やかに振とうした。さらに、
12mg/mLのトリコデルマ・ライジングエンザイム
(シグマ社製)を含む溶液を4mL加え、35℃で1時
間緩やかに振とうした。得られた懸濁液を2000×
g、10分間の遠心にかけ、球形のプロトプラスト細胞
を集めた。この細胞を40mLのバッファーAで3回洗
浄し、プロトプラスト細胞を得た。
【0066】2)プロトプラスト細胞の固定:得られた
プロトプラスト細胞を含む懸濁液に、10分の1量の3
7%ホルムアルデヒド溶液を加えてゆっくり転倒混和し
た。10分後、得られた懸濁液を2000×g、10分
間の遠心にかけ、固定プロトプラスト細胞を集めた。こ
の細胞を40mLの蒸留水で3回洗浄し、固定プロトプ
ラスト細胞を得た。以上の操作で100mLの培養液か
ら約2×1010個の固定プロトプラスト細胞が得られ
た。これを凍結乾燥し、粉末とした。
【0067】3)固定プロトプラスト細胞の成分分析:
得られた固定プロトプラスト細胞中のタンパク質、中性
糖、脂質、核酸(DNA及びRNA)の含有量を、それ
ぞれCNコーダー(スミトモケミカル社製)、フェノー
ル硫酸法、ブライ−ジエル(Bligh-Dyer)法、ジフェニ
ルアミン法、オルシノール法により定量した。その結
果、約2×1010個の固定プロトプラスト細胞(凍結乾
燥重量約100mg)あたりタンパク質約65mg(N
分析値×6.25)、脂質約30mg、中性糖約5m
g、核酸約5mgが含まれていた。一方、処理前の清酒
酵母の組成は凍結乾燥重量約100mgあたりタンパク
質約35mg、脂質約15mg、中性糖約45mg、核
酸約5mgが含まれていた。即ち、細胞壁溶解酵素処理
により細胞壁中の多糖が除かれたために糖含有量が減少
し、タンパク質含有量の高い酵母タンパク質材料が得ら
れたことが明らかとなった。また、固定プロトプラスト
細胞についてアミノ酸組成分析を実施したところ、必須
アミノ酸であるリジン、トリプトファンを始めとして各
種アミノ酸を含有しており良質のタンパク質であること
が明らかとなった。
【0068】
【発明の効果】本発明により、細胞壁を有する細胞を原
材料とした従来の飲食品または飼料に比べ消化性の面で
優れていると共に核酸及び/又は脂質含有量を容易に調
整できる特徴を有する飲食品または飼料を提供すること
が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A23L 2/38 A23L 2/38 G C12N 1/00 N C12N 1/00 M A23L 2/00 F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全
    部が除去された化学固定細胞を含有してなる飲食品又は
    飼料。
  2. 【請求項2】 細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全
    部が除去された化学固定細胞が、(1)原料細胞を得る
    工程、(2)上記工程(1)で得られた細胞の細胞壁の
    少なくとも一部又は実質的に全部を除去する工程、及び
    (3)上記工程(2)で得られた細胞を化学固定する工
    程、の各工程を含む製造方法により得られる請求項1記
    載の飲食品又は飼料。
  3. 【請求項3】 細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全
    部が除去された化学固定細胞が、(1)原料細胞を得る
    工程、(2)上記工程(1)で得られた細胞を化学固定
    する工程、及び(3)上記工程(2)で得られた細胞の
    細胞壁の少なくとも一部又は実質的に全部を除去する工
    程、の各工程を含む製造方法により得られる請求項1記
    載の飲食品又は飼料。
  4. 【請求項4】 原料細胞が食用微生物細胞である請求項
    1〜3いずれか記載の飲食品又は飼料。
  5. 【請求項5】 食用微生物細胞が菌類又は藻類に属する
    食用微生物細胞である請求項4記載の飲食品又は飼料。
  6. 【請求項6】 食用微生物細胞が、サッカロミセス属
    (Saccharomyces )、カンジダ属(Candida )、クルイ
    ベロマイセス属(Kluyveromyces )、トルロプシス属
    (Torulopsis)、ハンセヌラ属(Hansenula )、チゴサ
    ッカロミセス属(Zygosaccharomyces )、ファフィア属
    (Phaffia )、モナスカス属(Monascus)、及びアスペ
    ルギルス属(Aspergillus )に属する食用微生物からな
    る群より選ばれる1種以上である請求項4記載の飲食品
    又は飼料。
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