JPH06318446A - 分析方法および装置 - Google Patents

分析方法および装置

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JPH06318446A
JPH06318446A JP5105746A JP10574693A JPH06318446A JP H06318446 A JPH06318446 A JP H06318446A JP 5105746 A JP5105746 A JP 5105746A JP 10574693 A JP10574693 A JP 10574693A JP H06318446 A JPH06318446 A JP H06318446A
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JP
Japan
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sample
gas
energy beam
wafer
analysis
Prior art date
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Pending
Application number
JP5105746A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Hiramatsu
賢二 平松
Kazuaki Mizogami
員章 溝上
Joji Koike
譲治 小池
Yoichiro Tamiya
洋一郎 田宮
Shoji Kanai
昭司 金井
Keizo Kuroiwa
慶造 黒岩
Kazuo Nakano
和男 中野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Renesas Eastern Japan Semiconductor Inc
Original Assignee
Hitachi Tokyo Electronics Co Ltd
Hitachi Ltd
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Publication date
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  • Testing Or Measuring Of Semiconductors Or The Like (AREA)
  • Electron Tubes For Measurement (AREA)
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  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 有りのままの状態の試料の任意の部位の分析
を迅速・的確かつ高精度に遂行することができる分析技
術を提供する。 【構成】 ウエハ3を収容するベーク処理室1と、フォ
ーカシングレンズ6,ビームエクスパンダ7,ビームス
プリッタ13a,ビームスプリッタ13b,レーザ発振
器10からなり、ウエハ3の目的部位にレーザ19を照
射して加熱する光学系20と、光学系20をウエハ3に
対し水平移動させてレーザ19の照射位置を制御する光
学系XY駆動ユニット21と、ウエハ3の加熱部位から
発生したガスgをキャリアガスとともにAPIMS5に
送るためのキャリアガス供給部15aおよび発生ガス取
り出し用配管16bと、主制御部11を中心とする各部
分の制御系を備え、有りのままの状態のウエハ3の局所
を高精度に選択的に加熱して分析部位のみでの局所的な
ガスgの発生を促し、高精度の分析を行う分析装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、分析技術に関し、特
に、半導体製造工程などで使用される、半導体ウエハ上
に成膜、塗布された膜質の状態及び膜形成過程を管理お
よび評価する技術などに適用して有効な技術に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】例えば、半導体製造工程におけるウエハ
プロセスでは、ウエハに形成される回路構造の極微細化
などに伴って、極微量の不純物の存在が製品歩留り等に
大きく影響することが懸念されている。このため、たと
えば、試料としてウエハを加熱して不純物をガス化し、
大気圧イオン化質量分析計(APIMS)等の高感度の
分析装置に導いて不純物を構成する原因物質の特定や濃
度の測定等を行うことが必須となっている。
【0003】従来、このような分析技術では、たとえ
ば、1990年6月28日発行、「超LSIウルトラク
リーンテクノロジーワークショップNo.5」、ウルト
ラクリーンレジストプロセッシング、アウトガスフリー
レジストプロセス、P61、等の文献に記載されている
ように、石英チューブにヒータ線を巻き付けて加熱制御
する構造のチャンバを設け、ウエハの目的部位を切断し
て当該チャンバ内に挿入し、加熱および分析を行う装置
が用いられていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な従来の分析装置では、ウエハの目的部位を切断して試
料として用いる必要があるため、たとえば実工程を流れ
るウエハ等の非破壊分析には用いることができず、分析
対象が限定されるとともに、試料全体が加熱されるため
分析位置を試料の切断寸法以下に特定することはできな
い。すなわち、異物や汚染物質の位置を詳細には特定で
きないという問題がある。また、切断加工などの余分な
作業のために、分析作業の所要時間の増大や作業の煩雑
化等の問題もある。
【0005】さらに、試料が収容されるチャンバの全体
を加熱するため、発生するガスの濃度が高く、分析前に
希釈するなどの余分な操作が必要になるとともに、チャ
ンバの壁面からのガスの発生や、ウエハの切断時におけ
る工具等からの汚染によって試料以外の物質が分析結果
に紛れ込むことは避けがたく、分析精度の信頼性が低下
するという問題もある。
【0006】さらに、たとえば、ウエハ全体における不
純物の分布を知りたい場合には、上述のような煩雑な作
業を分析箇所の数だけ繰り返して実行する必要があり、
詳細な分布の把握は実際上困難となる。
【0007】本発明の目的は、有りのままの状態の試料
の任意の部位の分析を迅速・的確かつ高精度に遂行する
ことが可能な分析技術を提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、試料における分析結
果の分布状態を迅速かつ詳細に把握することが可能な分
析技術を提供することにある。
【0009】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかに
なるであろう。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0011】本発明の分析方法は、エネルギビームの照
射によって試料の特定部位を選択的に励起し、特定部位
から発生するガスを捕捉して分析するものである。
【0012】また、本発明は、請求項1記載の分析方法
において、ビーム口径が可変な電磁波からなるエネルギ
ビームの選択的な照射によって試料の特定部位を任意の
面積で励起し、発生したガスを大気圧イオン化質量分析
計に導いて分析を行うものである。
【0013】また、本発明は、請求項1または2記載の
分析方法において、試料における複数の特定部位の分析
を、エネルギビームによる試料の相対的な走査によって
連続して行い、分析結果を、物質別または濃度別に識別
可能に試料の背景画像上に一括してマップ表示するもの
である。
【0014】また、本発明の分析装置は、試料の特定部
位にエネルギビームを選択的に照射して励起する局所励
起手段と、特定部位から発生するガスを捕捉するガス捕
捉手段と、捕捉されたガスを分析する分析手段とからな
るものである。
【0015】また、本発明は、請求項4記載の分析装置
において、エネルギビームは、ビーム口径が可変な電磁
波からなり、分析手段は、大気圧イオン化質量分析計か
らなるものである。
【0016】また、本発明は、請求項4または5記載の
分析装置において、エネルギビームに対して試料の任意
の特定部位を相対的に位置決めする位置決め手段と、特
定部位を観察する観察光学系とを備えたものである。
【0017】また、本発明は、請求項4,5または6記
載の分析装置において、ガス捕捉手段は、試料が収容さ
れる第1のチャンバと、第1のチャンバにキャリアガス
を供給する第1のキャリアガス供給配管と、試料から発
生するガスをキャリアガスとともに分析手段に導く第1
の発生ガス取り出し配管とからなる第1のガス捕捉機
構、試料に対するエネルギビームの照射位置の近傍に吸
引口先端部が位置付けられ、当該エネルギビームの試料
に対する相対的な移動に連動するように構成された第1
のノズルからなる第2のガス捕捉機構、その内部を軸方
向にエネルギビームが通過し、当該エネルギビームの試
料に対する照射位置の直上部に吸引口先端部が開口する
とともに、当該エネルギビームの試料に対する相対的な
移動に連動するように構成された第2のノズルからなる
第3のガス捕捉機構、試料に対して下端部が所定の間隙
をなすようにエネルギビームの当該試料に対する照射位
置を取り囲む第2のチャンバと、この第2のチャンバ内
にキャリアガスを供給して当該第2のチャンバ内を陽圧
に保つ第2のキャリアガス供給配管と、照射部位から発
生するガスをキャリアガスとともに分析手段に導く第2
の発生ガス取り出し配管とからなる第4のガス捕捉機
構、の少なくとも一つからなるものである。
【0018】また、本発明は、請求項4,5,6または
7記載の分析装置において、試料におけるエネルギビー
ムの照射位置の温度を計測する温度計測手段と、試料の
背面を冷却する冷却手段とを備え、当該照射位置におけ
る温度の計測値を、局所励起手段にフィードバックする
ことにより、エネルギビームによる試料の照射位置の励
起温度を局所的に所望の値に制御するものである。
【0019】また、本発明は、請求項6記載の分析装置
において、位置決め手段および局所励起手段を連動させ
て制御する制御コンピュータと、試料の画像を表示する
画像表示手段とを備え、所望の走査速度で試料上をエネ
ルギビームによって連続的にスポット加熱を行いなが
ら、分析手段による分析結果をエネルギビームの照射位
置情報とともに記録し、分析結果を、物質別または濃度
別に識別可能に、画像表示手段における試料の背景画像
上に一括してマップ表示するものである。
【0020】
【作用】上記した手段によれば、たとえば、有りのまま
の試料上の異物などの目的の領域にエネルギビームを照
射して選択的に励起させ、発生したガスを捕捉して分析
するので、エネルギビームの強度を加減して励起状態を
制御することにより、発生するガスの量を適正に制御で
きるとともに、試料に切断などの特別な加工を施す必要
もない。また、加工時の汚染や、チャンバの全体加熱に
よる汚染ガスの混入の懸念もない。このため、有りのま
まの状態の試料の任意の部位の分析を迅速・的確かつ高
精度に遂行することが可能となる。
【0021】また、エネルギビームによって試料を相対
的に走査し、走査部位からの発生ガスの捕捉および分析
を連続的に、あるいは間欠的に行うことにより、たとえ
ば、試料全体における分析結果の分布状態を迅速かつ詳
細に把握することができる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて詳細に
説明する。
【0023】(実施例1)図1は、本発明の一実施例で
ある分析方法が実施される分析装置の構成の一例を示す
ブロック図であり、図2および図3は、それぞれ、その
一部を示す平面図、および側面図である。
【0024】本実施例では、一例として、半導体ウエハ
(以下、単にウエハと記す)を試料として分析する場合
について説明する。
【0025】ベーク処理室1の内部には、ウエハチャッ
ク2が設けられ、ウエハ3が載置されている。このベー
ク処理室1には、キャリアガス供給配管16a,バルブ
17aを介して、キャリアガス供給部15aが接続され
ている。キャリアガス供給部15aは、特に図示しない
が、たとえば、ガス源、マスフローコントローラ、モレ
キュラーシーブス(分子篩)等によって構成されてお
り、高純度の窒素ガス等の不活性ガスを所望の流量で安
定にベーク処理室1に供給することが可能になってい
る。
【0026】また、ベーク処理室1には、発生ガス取り
出し用配管16b、バルブ17cを介して大気圧イオン
化質量分析計5が接続されている。バルブ17cの上流
側における発生ガス取り出し用配管16bは分岐してお
り、バルブ17b、ガス排出管16cを介して排気部1
5bに接続されている。バルブ17cの下流側には、バ
ルブ17dを介して置換ガス供給部15cが接続されて
いる。バルブ17a、17b、17c、17dは、バル
ブ制御部18によって連携したタイミングで開閉制御さ
れる。この大気圧イオン化質量分析計5は、大気圧下で
のイオン化および質量分析法による検出技術を組み合わ
せることで、ガス状試料を構成する元素の種別や濃度
を、たとえば1ppb 以下の高感度で測定することが可能
なものである。
【0027】ベーク処理室1の内壁は、ガス等の発生を
回避するため、たとえば高純度の石英で構成する。ま
た、前述の各配管の内壁は、ガス等の吸着を防止するた
め、たとえば、表面を不動態化処理したステンレス鋼な
どで構成する。
【0028】ベーク処理室1の上部には、透明体からな
る窓4が設けられており、その上には、光学系20が、
その光軸を垂直にして設けられている。光学系20は、
光軸上に配置されたフォーカシングレンズ6、ビームエ
クスパンダ7、ビームスプリッタ13b、ビームスプリ
ッタ13a、サーモグラフ8と、ビームスプリッタ13
bの側方に配置され、当該ビームスプリッタ13b、ビ
ームエクスパンダ7、フォーカシングレンズ6、窓4を
介してレーザ19をベーク処理室1内のウエハ3に照射
するレーザ発振器10とを含んでいる。窓4の材質は、
エネルギの損失を生じることなくレーザ19を透過させ
る材質が選択されている。
【0029】ビームスプリッタ13aの側方には、観察
光学系14が設けられており、目視やカメラ等により、
ウエハ3におけるレーザ19の照射部位の観察が可能に
なっている。
【0030】フォーカシングレンズ6は、レンズ制御部
12によって制御され、ウエハ3上に結ぶレーザ19の
スポットの口径の調整などを行う。レンズ制御部12お
よびレーザ発振器10、バルブ制御部18は、主制御部
11によって統括して制御されている。
【0031】サーモグラフ8は、ウエハ3におけるレー
ザ19の照射部位の温度を観測し、表面温度モニタ9を
介して、主制御部11に伝達し、当該主制御部11は、
当該計測値によるフィードバック制御によって、レーザ
19の照射によるウエハ3の目的部位の局部的な加熱温
度を所望の値に随意に制御する。
【0032】光学系20の全体は、ベーク処理室1の上
部に設けられた光学系XY駆動ユニット21に載置され
ている。主制御部11は、この光学系XY駆動ユニット
21によって光学系20の全体を水平面内で移動させる
ことにより、ベーク処理室1の内部で静止しているウエ
ハ3の任意の位置に対して、レーザ19の照射位置を位
置決めする。
【0033】以下、本実施例の作用について説明する。
【0034】ベーク処理室1のウエハチャック2上にウ
エハ3を載置し、密閉する。そして、まず、バルブ17
aおよび17bを開いて、高純度のキャリアガスによっ
てベーク処理室1の内部を置換する。
【0035】同時に、光学系XY駆動ユニット21を作
動させることにより、光学系20の光軸を、ウエハ3の
目的の部位に位置決めする。この位置決め操作は、たと
えば観察光学系14によってウエハ3の表面をモニタす
ることによって行うことができる。
【0036】その後、レーザ19の照射によってウエハ
3の目的の部位を加熱する。この時の加熱温度の制御は
ウエハ3の表面温度をサーモグラフ8で測定し、主制御
部11によりレーザ発振器10の出力をフィードバック
制御することで行う。
【0037】また、ウエハ3上におけるレーザ19の照
射領域の設定はフォーカシングレンズ6を動作させ、焦
点位置を変化させることにより設定する。
【0038】こうして、ウエハ3の目的の部位の選択的
な加熱を開始すると同時に、バルブ17bを閉じるとと
もに、バルブ17cを開き、ベーク処理室1を通過する
キャリアガスを大気圧イオン化質量分析計5の側に導入
する。これにより、ウエハ3におけるレーザ19の照射
部位から発生したガスgは、キャリアガスとともに大気
圧イオン化質量分析計5に流入し、分析される。
【0039】所定の分析操作の後、ウエハ3における他
の部位に移動して測定する場合には、まず、バルブ17
cを閉じるとともにバルブ17bを開き、ベーク処理室
1の雰囲気をキャリアガスで置換して初期化するととも
に、バルブ17dを開き、純粋なキャリアガスによって
大気圧イオン化質量分析計5の内部を清浄状態に初期化
する。
【0040】以降は、光学系XY駆動ユニット21を作
動させて、レーザ19の照射部位を決定し、上述の一連
の操作を繰り返す。
【0041】レーザ19の照射部位の決定は、観察光学
系14によるウエハ3の状況の観察に限らず、たとえ
ば、前段の異物検査工程などにおいて取得された異物等
の座標を主制御部11に入力しておき、複数の異物等の
対象位置に自動的に位置決めしながら、上述のような一
連の分析操作を自動的に繰り返すようにしてもよい。
【0042】このように、本実施例の分析方法および装
置によれば、ウエハ3の目的の特定部位のみを所望の面
積および温度で選択的に加熱して目的のガスgのみを発
生させるので、試料作成のためにウエハ3を切断する等
の煩雑な作業は全く不要である。また、ガスの発生も目
的部位の異物や汚染物質に限られるため、ベーク処理室
1の壁面から発生するガスが混入するなどの懸念がな
く、しかも、ガス濃度も、従来の全体加熱の場合のよう
に、必要以上に高くなることがなく、分析前の希釈操作
なども不要となる。この結果、有りのままの状態のウエ
ハ3の任意の部位の分析を迅速・的確かつ高精度に遂行
することが可能となる。
【0043】さらに、ウエハ3から目的部位のみを切り
出すなどの破壊的な操作が不要であり、実際の半導体プ
ロセスを流れるウエハ3を有りのままに損なうことなく
分析対象とする、いわゆるインライン分析作業も容易で
あり、半導体プロセスにおける不良解析の迅速化、正確
化等に大きな効果がある。
【0044】なお、上記の説明では、エネルギビームの
一例としてレーザ19を用いる場合について説明した
が、レーザに限らず、紫外線ビームや赤外線ビームなど
を用いてウエハ3の目的の部位を励起し、分析対象物か
らのガスgの発生を促す構成としてもよい。
【0045】(実施例2)図4は、本発明の他の実施例
である分析装置の要部を示す略断面図である。この実施
例2の場合には、ベーク処理室101の内部に、回転チ
ャック102を設けてウエハ3を載置するとともに、ウ
エハ3に対するレーザ19の照射位置の近傍に吸引口先
端部103aが位置付けられ、当該レーザ19のウエハ
3に対する相対的な移動に連動するように構成されたノ
ズル103を配置したところが、前記実施例1の場合と
異なるものである。
【0046】すなわち、ノズル103は、ベーク処理室
101の壁面を、ベアリング103bを介して貫通し、
ウエハ3の径方向に変位自在にされており、レーザ19
の光学系20の当該径方向の直線変位に連動する構造と
なっている。このため吸引口先端部103aは常に、ウ
エハ3に対するレーザ19の照射位置の近傍に位置付け
られ、当該照射位置から発生するガスgのみを、選択的
に捕捉して大気圧イオン化質量分析計5に的確に導くこ
とができる。
【0047】また、本実施例の場合、ウエハ3が載置さ
れる回転チャック102には、ウエハ3を背面側から冷
却する冷却機構102aが装着されている。この冷却機
構としては、たとえば、ペルチェ効果等を利用して外部
からの通電により、冷却温度を随意に設定可能なものを
用いることができる。このようなウエハ3の冷却操作に
より、レーザ19の照射による照射部位の熱が周囲に拡
散して加熱部位が暈けることが回避され、目的部位の局
部加熱をより確実なものとすることができる。
【0048】また、ウエハ3を載置した回転チャック1
02の回転変位と、光学系20(レーザ19)の径方向
の変位とを組み合わせることで、レーザ19の照射位置
は、ウエハ3の任意の位置に設定される。
【0049】このように、本実施例の場合には、ノズル
103によって、レーザ19の照射位置から発生するガ
スgのみを的確に捕集できるので、ベーク処理室101
等の壁面から発生するガスが分析目的のガスgに混入す
ることがなく、分析精度がより向上する。
【0050】(実施例3)図5は、本発明のさらに他の
実施例である分析装置の要部を示す略断面図である。
【0051】この実施例3の場合には、上部中央にレー
ザ19の透過する窓204を備え、回転チャック102
に載置されたウエハ3に対して下端部が所定の間隙をな
すように、レーザ19のウエハ3に対する照射位置を取
り囲むチャンバ201と、このチャンバ201内にキャ
リアガスを供給して当該チャンバ201内を陽圧に保つ
キャリアガス供給配管202と、前記照射位置から発生
するガスgをキャリアガスとともに大気圧イオン化質量
分析計5に導く発生ガス取り出し配管203とを備えた
ところが、前記実施例1の場合と異なっている。
【0052】また、特に図示しないが、チャンバ201
の全体は、レーザ19の光学系20と連動する構成とな
っており、当該レーザ19の照射位置の移動に追随して
移動する。
【0053】すなわち、ウエハ3に対するレーザ19の
照射部位を取り囲むチャンバ201の内部は、キャリア
ガス供給配管202から供給されるキャリアガスによっ
て常に陽圧に保たれているため、外部雰囲気のノイズと
なるガスが、分析目的のガスgに混入する懸念がなく、
発生ガス取り出し配管203によって目的のガスgをそ
のまま大気圧イオン化質量分析計5に導くことができ、
高い分析精度を実現することができる。
【0054】(実施例4)図6は、本発明のさらに他の
実施例である分析装置の要部を示す略断面図である。
【0055】この実施例4の場合には、ウエハ3に照射
されるレーザ19が内部を軸方向に通過し、当該レーザ
19のウエハ3に対する照射位置の直上部に吸引口先端
部301aが開口するとともに、当該レーザ19のウエ
ハ3に対する相対的な移動に連動するように構成された
円筒状の捕集ノズル301を備えたところが、前記実施
例1の場合と異なる。捕集ノズル301の頂部には、レ
ーザ19が透過する窓301bが配置されているととも
に、側面には、大気圧イオン化質量分析計5に接続され
る発生ガス取り出し配管301cが設けられている。
【0056】このような構成により、本実施例の場合に
も、ウエハ3の任意領域に対するレーザ19の照射部位
から発生するガスgのみを的確に捕捉して大気圧イオン
化質量分析計5に供給することができ、分析精度が向上
する。
【0057】(実施例5)図7は、本発明のさらに他の
実施例である分析装置の要部を示す略断面図であり、図
8は、その一部を取り出して示す略平面図である。
【0058】この実施例5の場合には、マイクロ波を用
いてウエハ3の特定部位を励起するところが、前述の各
実施例と異なっている。
【0059】すなわち、本実施例では、ウエハ3が載置
されるウエハチャック402を収容するチャンバ401
の上部には、導波管403を介してマグネトロンなどか
らなるマイクロ波発振器404が接続されている。導波
管403のチャンバ401に対する接続部には、図8に
例示されるように、たとえば、井桁状に組み合わせられ
た複数の可動片405bからなり、マイクロ波発振器4
04からチャンバ401の内部に導入されるマイクロ波
404aの通過する開口部405aの口径および、当該
開口部の位置を随意に変化させることが可能な可変アパ
ーチャ405が設けられている。これにより、マイクロ
波404aのウエハ3に対する照射部位および当該照射
部位の面積を随意に設定するものである。
【0060】チャンバ401には、当該チャンバ401
内にキャリアガスを供給するキャリアガス供給管406
と、ウエハ3におけるマイクロ波404aの照射部位か
ら発生するガスgをキャリアガスとともに、図示しない
大気圧イオン化質量分析計等に導く発生ガス取り出し用
配管407が接続されている。
【0061】このような構成により、本実施例の分析装
置の場合にも、マイクロ波404aのウエハ3の目的部
位への選択的な照射によって、分析対象から目的のガス
gを的確に発生させることができ、高精度の分析を迅
速、簡便、かつ的確に遂行することができる。
【0062】(実施例6)図9は、本発明のさらに他の
実施例である分析装置の要部を示す概念図であり、図1
0は、その作用の一例を示す概念図である。
【0063】本実施例の場合には、実施例1における大
気圧イオン化質量分析計5および主制御部11に分析用
コンピュータ501を接続し、観察光学系14には、顕
微鏡用表示画面502を接続した構成となっている。顕
微鏡用表示画面502は、観察光学系14から得られる
ウエハ3の任意の部位の拡大画像を表示するものであ
り、当該ウエハ3に付着した異物などの詳細な観察が可
能である。
【0064】また、分析用コンピュータ501は、たと
えば、大気圧イオン化質量分析計5から得られる分析結
果と、主制御部11から得られる当該分析結果に対応し
たウエハ3での座標とを記録する機能、さらには、こう
して得られた分析結果を、含有する物質別に分類し、ウ
エハ3の背景画像に重ね合わせて表示画面501aにマ
ップ表示として出力する機能、分析結果を特定の物質の
濃度別に分類し、各濃度レベル毎に、異なる色や濃淡
で、ウエハ3の背景画像に重ね合わせて表示画面501
aにマップ表示として出力する機能、などがプログラム
されている。
【0065】そして、作業者は、たとえば、顕微鏡用表
示画面502に得られるウエハ3の拡大観察画像を見な
がら、ウエハ3における評価したい部位を決め、当該部
位にレーザ19を照射することによって選択的に加熱励
起し、当該部位からのガスgの発生を促して大気圧イオ
ン化質量分析計5により分析する操作を行う、というよ
うなきめ細かな分析作業を行うことができる。
【0066】また、一定の走査速度で、レーザ19の照
射によるウエハ3のスポット加熱を連続して行い、その
時に発生する分析対象のガスgを、検出された物質毎に
マップ表示したり、濃度別にマップ表示することができ
る。この場合には、たとえば特定の汚染物質のウエハ3
における分布などが、表示画面501aの画像から一目
瞭然に把握できることとなり、たとえば、不良解析の自
動化や迅速化などに大きく寄与できる。
【0067】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変更可能であることはいうまでもない。
【0068】以上の説明では主として本発明者によって
なされた発明をその背景となった利用分野である半導体
ウエハの分析に適用した場合について説明したが、これ
に限定されるものではなく、非破壊で高精度の分析が要
求される用途などに広く適用できる。
【0069】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち、代
表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、
以下のとおりである。
【0070】すなわち、本発明の分析方法によれば、有
りのままの状態の試料の任意の部位の分析を迅速・的確
かつ高精度に遂行することができる、という効果が得ら
れる。また、試料における分析結果の分布状態を迅速か
つ詳細に把握することができる、という効果が得られ
る。
【0071】本発明の分析装置によれば、有りのままの
状態の試料の任意の部位の分析を迅速・的確かつ高精度
に遂行することができる、という効果が得られる。ま
た、試料における分析結果の分布状態を迅速かつ詳細に
把握することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である分析装置の構成の一例
を示すブロック図である。
【図2】その一部を示す平面図である。
【図3】その一部を示す側面図である。
【図4】本発明の他の実施例である分析装置の要部を示
す略断面図である。
【図5】本発明のさらに他の実施例である分析装置の要
部を示す略断面図である。
【図6】本発明のさらに他の実施例である分析装置の要
部を示す略断面図である。
【図7】本発明のさらに他の実施例である分析装置の要
部を示す略断面図である。
【図8】その一部を取り出して示す略平面図である。
【図9】本発明のさらに他の実施例である分析装置の要
部を示す概念図である。
【図10】その作用の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
1 ベーク処理室 2 ウエハチャック 3 ウエハ(試料) 4 窓 5 大気圧イオン化質量分析計(APIMS)(分析手
段) 6 フォーカシングレンズ 7 ビームエクスパンダ 8 サーモグラフ 9 表面温度モニタ 10 レーザ発振器 11 主制御部 12 レンズ制御部 13a ビームスプリッタ 13b ビームスプリッタ 14 観察光学系 15a キャリアガス供給部 15b 排気部 15c 置換ガス供給部 16a キャリアガス供給配管(第1のキャリアガス供
給配管) 16b 発生ガス取り出し用配管(第1の発生ガス取り
出し用配管) 16c ガス排出管 17a バルブ 17b バルブ 17c バルブ 17d バルブ 18 バルブ制御部 19 レーザ(エネルギビーム) 20 光学系 21 光学系XY駆動ユニット(位置決め手段) 101 ベーク処理室 102 回転チャック 102a 冷却機構(冷却手段) 103 ノズル(第1のノズル) 103a 吸引口先端部 103b ベアリング 201 チャンバ(第2のチャンバ) 202 キャリアガス供給配管(第2のキャリアガス供
給配管) 203 発生ガス取り出し配管(第2の発生ガス取り出
し用配管) 204 窓 301 捕集ノズル(第2のノズル) 301a 吸引口先端部 301b 窓 301c 発生ガス取り出し配管 401 チャンバ 402 ウエハチャック 403 導波管 404 マイクロ波発振器 404a マイクロ波(エネルギビーム) 405 可変アパーチャ(位置決め手段) 405a 開口部 405b 可動片 406 キャリアガス供給管 407 発生ガス取り出し用配管 501 分析用コンピュータ 501a 表示画面 502 顕微鏡用表示画面 g 分析対象のガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小池 譲治 東京都青梅市藤橋3丁目3番地2 日立東 京エレクトロニクス株式会社内 (72)発明者 田宮 洋一郎 東京都青梅市藤橋3丁目3番地2 日立東 京エレクトロニクス株式会社内 (72)発明者 金井 昭司 東京都青梅市藤橋3丁目3番地2 日立東 京エレクトロニクス株式会社内 (72)発明者 黒岩 慶造 東京都小平市上水本町5丁目20番1号 株 式会社日立製作所半導体事業部内 (72)発明者 中野 和男 東京都青梅市藤橋3丁目3番地2 日立東 京エレクトロニクス株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エネルギビームの照射によって試料の特
    定部位を選択的に励起し、前記特定部位から発生するガ
    スを捕捉して分析することを特徴とする分析方法。
  2. 【請求項2】 ビーム口径が可変な電磁波からなるエネ
    ルギビームの選択的な照射によって前記試料の前記特定
    部位を任意の面積で励起し、発生した前記ガスを大気圧
    イオン化質量分析計に導いて分析を行うことを特徴とす
    る請求項1記載の分析方法。
  3. 【請求項3】 前記試料における複数の前記特定部位の
    分析を、前記エネルギビームによる前記試料の相対的な
    走査によって連続して行い、分析結果を、物質別または
    濃度別に識別可能に前記試料の背景画像上に一括してマ
    ップ表示することを特徴とする請求項1または2記載の
    分析方法。
  4. 【請求項4】 試料の特定部位にエネルギビームを選択
    的に照射して励起する局所励起手段と、前記特定部位か
    ら発生するガスを捕捉するガス捕捉手段と、捕捉された
    前記ガスを分析する分析手段とからなることを特徴とす
    る分析装置。
  5. 【請求項5】 前記エネルギビームは、ビーム口径が可
    変な電磁波からなり、前記分析手段は、大気圧イオン化
    質量分析計からなることを特徴とする請求項4記載の分
    析装置。
  6. 【請求項6】 前記エネルギビームに対して前記試料の
    任意の前記特定部位を相対的に位置決めする位置決め手
    段と、前記特定部位を観察する観察光学系とを備えたこ
    とを特徴とする請求項4または5記載の分析装置。
  7. 【請求項7】 前記ガス捕捉手段は、 前記試料が収容される第1のチャンバと、前記第1のチ
    ャンバにキャリアガスを供給する第1のキャリアガス供
    給配管と、前記試料から発生する前記ガスを前記キャリ
    アガスとともに前記分析手段に導く第1の発生ガス取り
    出し配管とからなる第1のガス捕捉機構、 前記試料に対する前記エネルギビームの照射位置の近傍
    に吸引口先端部が位置付けられ、当該エネルギビームの
    前記試料に対する相対的な移動に連動するように構成さ
    れた第1のノズルからなる第2のガス捕捉機構、 その内部を軸方向に前記エネルギビームが通過し、当該
    エネルギビームの前記試料に対する照射位置の直上部に
    吸引口先端部が開口するとともに、当該エネルギビーム
    の前記試料に対する相対的な移動に連動するように構成
    された第2のノズルからなる第3のガス捕捉機構、 前記試料に対して下端部が所定の間隙をなすように前記
    エネルギビームの当該試料に対する照射位置を取り囲む
    第2のチャンバと、この第2のチャンバ内にキャリアガ
    スを供給して当該第2のチャンバ内を陽圧に保つ第2の
    キャリアガス供給配管と、前記照射部位から発生する前
    記ガスを前記キャリアガスとともに前記分析手段に導く
    第2の発生ガス取り出し配管とからなる第4のガス捕捉
    機構、 の少なくとも一つからなることを特徴とする請求項4,
    5または6記載の分析装置。
  8. 【請求項8】 前記試料における前記エネルギビームの
    照射位置の温度を計測する温度計測手段と、前記試料の
    背面を冷却する冷却手段とを備え、当該照射位置におけ
    る温度の計測値を、前記局所励起手段にフィードバック
    することにより、前記エネルギビームによる前記試料の
    前記照射位置の励起温度を局所的に所望の値に制御する
    ことを特徴とする請求項4,5,6または7記載の分析
    装置。
  9. 【請求項9】 前記位置決め手段および前記局所励起手
    段を連動させて制御する制御コンピュータと、前記試料
    の画像を表示する画像表示手段とを備え、所望の走査速
    度で前記試料上を前記エネルギビームによって連続的に
    スポット加熱を行いながら、前記分析手段による分析結
    果を前記エネルギビームの照射位置情報とともに記録
    し、分析結果を、物質別または濃度別に識別可能に、前
    記画像表示手段における前記試料の背景画像上に一括し
    てマップ表示することを特徴とする請求項6記載の分析
    装置。
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