JPH06318011A - カラー磁気プリンタ装置 - Google Patents

カラー磁気プリンタ装置

Info

Publication number
JPH06318011A
JPH06318011A JP23060792A JP23060792A JPH06318011A JP H06318011 A JPH06318011 A JP H06318011A JP 23060792 A JP23060792 A JP 23060792A JP 23060792 A JP23060792 A JP 23060792A JP H06318011 A JPH06318011 A JP H06318011A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
color
recording medium
latent image
magnetic recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP23060792A
Other languages
English (en)
Inventor
Haruki Yamane
治起 山根
Kiminori Maeno
仁典 前野
Masanobu Kobayashi
政信 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
Priority to JP23060792A priority Critical patent/JPH06318011A/ja
Publication of JPH06318011A publication Critical patent/JPH06318011A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Printers Or Recording Devices Using Electromagnetic And Radiation Means (AREA)
  • Color, Gradation (AREA)
  • Photoreceptors In Electrophotography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】1サイクルでカラー印刷を行うことができるよ
うにし、カラー磁気プリンタ装置を簡素化する。 【構成】非磁性体から成る基板20aの表面に垂直磁化
膜20bを積層して磁気記録媒体20が形成される。該
磁気記録媒体20の垂直磁化膜20bを消去手段11が
消磁すると、磁気記録手段12が印刷データに対応して
前記磁気記録媒体20の表面に、2値以上の残留磁化を
有する磁気潜像を形成する。そして、複数の現像器が前
記磁気潜像に複数の色の磁性トナーをそれぞれ順に付着
させてカラー磁性トナー像を形成する。該現像器によっ
て磁性トナーをそれぞれ順に付着させた時に、バイアス
磁界発生器14が前記磁気潜像に付着した磁性トナーの
一部を取り除く。そして、前記カラー磁性トナー像は転
写手段16によって記録媒体に転写され、定着手段17
によって定着させられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラー磁気プリンタ装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体は、例えば磁気プリ
ンタ装置に用いられており、その場合、記録用磁気ドラ
ムに磁気潜像が形成され、これを磁気的に現像して可視
像を得るようにしている(「マグネトグラフィプリン
タ」今村舜仁著、大野信編集、CMC「ノンインパクト
プリンティング」第15章P.159-168,1986参照) 。
【0003】図2は従来の磁気プリンタ装置の概略図で
ある。図において、記録用磁気ドラム1は矢印A方向に
回転する。該記録用磁気ドラム1の表面には、磁気潜像
を形成するための磁気記録媒体であるCrO2 薄膜など
が設けられている。印刷プロセスにおいて、まず、消去
手段2が磁気記録媒体を一定方向に磁化する。次に、磁
気記録手段3が所定の磁気潜像を形成し、現像手段4が
磁気潜像に磁性トナーを付着させることによって磁気潜
像を可視像化する。ここで、磁性トナーは磁気記録媒体
の表面の漏(も)れ磁界による磁力線と磁気記録媒体の
表面とが交差する部分に付着し、その結果、磁気潜像は
可視像化される。
【0004】その後、転写手段5及び定着手段6は、可
視像を記録媒体、例えば用紙に転写し、定着する。最後
に、クリーニング手段7は転写後の磁気記録媒体の表面
に残留した磁性トナーを除去し、印刷プロセスを終了す
る。ところで、前記磁気記録媒体に磁気潜像を形成する
方法としては、磁気ヘッドを使用する方法のほか、サー
マルヘッドで加熱する方法やレーザビーム光を照射して
加熱する方法がある。また、磁気記録媒体の磁化方向
を、主として磁気記録媒体の膜面に沿う方向とする方法
(以下、「面内記録法」という。) と磁気記録媒体の膜
面に対し垂直である方向とする方法 (以下、「垂直記録
法」という。)があり、高い解像度を必要とする場合に
は垂直記録法が用いられる。
【0005】さらに、垂直記録法を用いた場合にはカラ
ー印刷を行うことが可能になる(「Magnetic Images Ca
pable of Multicolor Developement」Jean jacques P.
Eltgen and Jean G. Magnenet, IEEE Trans. Magn.,Mag
-18(1982),1262. 参照) 。図3は従来のカラー磁気プリ
ンタ装置におけるカラー印刷プロセスを示す図である。
図の(a)は第1のプロセスを、(b)は第2のプロセ
スを、(c)は第3のプロセスを、(d)は第4のプロ
セスを、(e)は第5のプロセスを示す。
【0006】図において、8は用紙、9はバイアス磁界
発生器、10は磁気記録媒体、M1,M2 は該磁気記録
媒体10の残留磁化であり、大きさがそれぞれ異なる。
図の(a)に示すように、磁気記録媒体10の表面に同
方向のそれぞれ大きさが異なる残留磁化M1 ,M2 を有
する磁気潜像が形成される。次に、(b)に示すよう
に、単色の磁性トナーA1 ,A2 を前記磁気潜像に付着
させる。この場合、各磁性トナーA1 ,A2 の高さは前
記残留磁化M1 ,M2 の大きさに対応しており、差Δh
A だけ異なる。
【0007】続いて、(c)に示すように、バイアス磁
界発生器9によって前記残留磁化M 1 ,M2 と逆方向の
バイアス磁界を発生し、前記磁気記録媒体10に付着し
た磁性トナーA1 ,A2 の適当量を取り除き、(d)に
示すように、前記磁性トナーA1 ,A2 とは異なる色の
単色の磁性トナーB1 ,B2 を前記磁気潜像に付着させ
る。このようにして、磁気潜像に対応する2色のカラー
磁性トナー像が磁気記録媒体10の表面に形成される。
【0008】最後に、(e)に示すように、前記転写手
段5(図2)によって前記カラー磁性トナー像を用紙8
に転写する。この時、該用紙8に転写された後のカラー
磁性トナーX1 ,X2 の高さは差Δhx だけ異なる。次
に、磁気記録媒体10の表面に大きさ及び磁化方向が異
なる残留磁化M1 2 を有する磁気潜像を形成するカラ
ー磁気プリンタ装置について説明する。
【0009】図4は従来の他のカラー磁気プリンタ装置
におけるカラー印刷プロセスを示す図である。図の
(a)は第1のプロセスを、(b)は第2のプロセス
を、(c)は第3のプロセスを、(d)は第4のプロセ
スを、(e)は第5のプロセスを、(f)は第6のプロ
セスを示す。図において、8は用紙、9aは第1のバイ
アス磁界発生器、9bは第2のバイアス磁界発生器、1
0は磁気記録媒体、M1 ,M2 は該磁気記録媒体10の
残留磁化であり、大きさ及び磁化方向がそれぞれ異な
る。
【0010】図の(a)に示すように、磁気記録媒体1
0の表面に上下2方向のそれぞれ大きさが異なる残留磁
化M1 ,M2 を有する磁気潜像が形成される。次に、
(b)に示すように、磁性トナーA1 ,A2 を前記磁気
潜像に付着させる。この場合、各磁性トナーA1 ,A2
の高さは前記残留磁化M1 ,M2 に対応しており、差Δ
A だけ異なる。
【0011】続いて、(c)に示すように、第1のバイ
アス磁界発生器9aによって前記残留磁化M1 と同方向
のバイアス磁界を発生し、前記磁気記録媒体10に付着
した磁性トナーA1 ,A2 の適当量を取り除き、(d)
に示すように、前記磁性トナーA1 ,A2 とは異なる色
の単色の磁性トナーB1 ,B2 を前記磁気潜像に付着さ
せる。
【0012】次に、(e)に示すように、第2のバイア
ス磁界発生器9bによって前記残留磁化M2 と同方向の
バイアス磁界を発生し、前記磁気記録媒体10に付着し
た磁性トナーB1 ,B2 の適当量を取り除く。このよう
にして、磁気潜像に対応する2色のカラー磁性トナー像
が磁気記録媒体10の表面に形成される。最後に、
(f)に示すように、前記転写手段5(図2)によって
前記カラー磁性トナー像を用紙8に転写する。この時、
用紙8に転写された後のカラー磁性トナーX1 ,X2
高さの差Δhx はゼロであり、等しくなる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のカラー磁気プリンタ装置においては、磁気潜像に磁
性トナーA1 ,A2 を付着させた後に適当量だけ除去
し、次に、磁性トナーB1,B2 を付着させるなどの複
数のプロセスによってカラー印刷を行うようになってい
るので、カラー磁気プリンタ装置が複雑になってしま
う。
【0014】本発明は、前記従来のカラー磁気プリンタ
装置の問題点を解決して、1サイクルでカラー印刷を行
うことができるカラー磁気プリンタ装置を提供すること
を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明のカ
ラー磁気プリンタ装置においては、非磁性体から成る基
板の表面に垂直磁化膜を積層して磁気記録媒体が形成さ
れる。そして、該磁気記録媒体の垂直磁化膜を消磁する
消去手段と、印刷データに対応して前記磁気記録媒体の
表面に、2値以上の残留磁化を有する磁気潜像を形成す
る磁気記録手段と、前記磁気潜像に複数の色の磁性トナ
ーをそれぞれ順に付着させてカラー磁性トナー像を形成
する複数の現像器が設けられる。
【0016】該現像器によって磁性トナーをそれぞれ順
に付着させた時に、前記磁気潜像に付着した磁性トナー
の一部を取り除くためのバイアス磁界発生器が設けられ
る。そして、前記カラー磁性トナー像を記録媒体に転写
する転写手段と、前記記録媒体に転写されたカラー磁性
トナー像を定着する定着手段が設けられる。前記磁気記
録手段をサーマル磁気ヘッド、サーマルヘッド又は磁気
ヘッドとすることができ、同方向の異なる大きさの残留
磁化を有する磁気潜像や、上下2方向の同じ大きさの残
留磁化を有する磁気潜像や、上下2方向の異なる大きさ
の残留磁化を有する磁気潜像が形成される。
【0017】この場合、前記磁性トナーは、1成分トナ
ー又は、磁性粉末と樹脂を混合した2成分トナーで構成
され、2成分トナーとした場合には、現像プロセスにお
いて前記磁性粉末と樹脂を互いに逆極性に帯電させる
か、転写プロセスにおいて前記記録媒体と樹脂を互いに
逆極性に帯電させることができる。また、非磁性体から
成る基板の表面に複数の垂直磁化膜を積層して形成され
た磁気記録媒体と、該磁気記録媒体の垂直磁化膜を消磁
する消去手段と、印刷データに対応して前記磁気記録媒
体の表面に、任意の値の残留磁化を有する磁気潜像を形
成する磁気記録手段と、前記磁気潜像に磁性トナーを付
着させてカラー磁性トナー像を形成する現像器と、前記
カラー磁性トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記記録媒体に転写されたカラー磁性トナー像を定着す
る定着手段を有することもできる。
【0018】また、各垂直磁化膜は、保磁力及びキュリ
ー温度の少なくとも一方が互いに異なるものとし、磁気
ヘッドによって記録時に保磁力の小さい垂直磁化膜のみ
の磁化方向を変えるか、サーマル磁気ヘッドによってキ
ュリー温度の低い垂直磁化膜のみの磁化方向を変えるこ
とができる。また、非磁性体から成る基板の表面に垂直
磁化膜を積層して形成された磁気記録媒体と、該磁気記
録媒体の垂直磁化膜を消磁する消去手段と、印刷データ
に対応して前記磁気記録媒体の表面に、大きさ及び磁化
方向の異なる残留磁化を有する磁気潜像を形成する磁気
記録手段と、前記磁気潜像に複数の色の磁性トナーをそ
れぞれ順に付着させてカラー磁性トナー像を形成する複
数の現像器と、前記磁気潜像に磁性トナーを付着させる
時にバイアス磁界を印加するバイアス磁界発生器と、前
記カラー磁性トナー像を記録媒体に転写する転写手段
と、前記記録媒体に転写されたカラー磁性トナー像を定
着する定着手段を有することもできる。
【0019】
【作用】本発明によれば、前記のように非磁性体から成
る基板の表面に垂直磁化膜を積層して磁気記録媒体が形
成される。該磁気記録媒体の垂直磁化膜を消去手段が消
磁すると、磁気記録手段が印刷データに対応して前記磁
気記録媒体の表面に、2値以上の残留磁化を有する磁気
潜像を形成する。そして、複数の現像器が前記磁気潜像
に複数の色の磁性トナーをそれぞれ順に付着させてカラ
ー磁性トナー像を形成する。
【0020】前記現像器によって磁性トナーをそれぞれ
順に付着させた時に、バイアス磁界発生器が前記磁気潜
像に付着した磁性トナーの一部を取り除く。そして、前
記カラー磁性トナー像は転写手段によって記録媒体に転
写され、該記録媒体のカラー磁性トナー像が定着手段に
よって定着させられる。前記磁気記録手段をサーマル磁
気ヘッド、サーマルヘッド又は磁気ヘッドとすることが
でき、磁気記録媒体に印加する磁界や温度などを2段階
以上に変えることによって、同方向の異なる大きさの残
留磁化を有する磁気潜像や、上下2方向の同じ大きさの
残留磁化を有する磁気潜像や、上下2方向の異なる大き
さの残留磁化を有する磁気潜像が形成される。したがっ
て、残留磁化の磁化方向を上下2方向とすることによっ
て、コントラストを強くすることができる。
【0021】この場合、前記磁性トナーは、1成分トナ
ー又は、磁性粉末と樹脂を混合した2成分トナーで構成
され、2成分トナーとした場合には、現像プロセスにお
いて前記磁性粉末と樹脂を互いに逆極性に帯電させる
か、転写プロセスにおいて前記記録媒体と樹脂を互いに
逆極性に帯電させることができる。また、非磁性体から
成る基板の表面に複数の垂直磁化膜を積層して形成され
た磁気記録媒体と、該磁気記録媒体の垂直磁化膜を消磁
する消去手段と、印刷データに対応して前記磁気記録媒
体の表面に、任意の値の残留磁化を有する磁気潜像を形
成する磁気記録手段と、前記磁気潜像に磁性トナーを付
着させてカラー磁性トナー像を形成する現像器と、前記
カラー磁性トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
記録媒体に転写されたカラー磁性トナー像を定着する定
着手段を有することもできる。
【0022】このようにすることによって、現像プロセ
スにおいては、磁性粉末は磁気力によって磁気記録媒体
の表面に形成された磁気潜像に付着し、この時、樹脂も
磁性粉末との静電気力によって同時に磁気潜像に付着す
る。次に、転写プロセスにおいては、前記記録媒体と樹
脂が互いに逆極性に帯電しているため、静電気力による
転写が行われる。ここで、前記記録媒体と磁性粉末が同
極性に帯電しているため、磁性粉末が反発力を受け、前
記記録媒体に付着することはない。
【0023】したがって、磁性粉末自体の色の影響のな
い任意の色のカラー印刷を行うことができる。また、各
垂直磁化膜は、保磁力及びキュリー温度の少なくとも一
方が互いに異なるものとし、磁気ヘッドによって記録時
に保磁力の小さい垂直磁化膜のみの磁化方向を変える
か、サーマル磁気ヘッドによってキュリー温度の低い垂
直磁化膜のみの磁化方向を変えることができる。
【0024】この場合、保磁力やキュリー温度の差によ
って、磁化曲線の磁化ループに段差が形成されるので、
磁気記録媒体の残留磁化を安定させることができ、解像
度を高くすることができる。そして、非磁性体から成る
基板の表面に垂直磁化膜を積層して形成された磁気記録
媒体と、該磁気記録媒体の垂直磁化膜を消磁する消去手
段と、印刷データに対応して前記磁気記録媒体の表面
に、大きさ及び磁化方向の異なる残留磁化を有する磁気
潜像を形成する磁気記録手段と、前記磁気潜像に複数の
色の磁性トナーをそれぞれ順に付着させてカラー磁性ト
ナー像を形成する複数の現像器と、前記磁気潜像に磁性
トナーを付着させる時にバイアス磁界を印加するバイア
ス磁界発生器と、前記カラー磁性トナー像を記録媒体に
転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたカラー
磁性トナー像を定着する定着手段を有することもでき
る。
【0025】したがって、磁性トナーの付着と同時にバ
イアス磁界が磁気潜像に印加させられるため、磁性トナ
ーの除去プロセスを設ける必要がなくなる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施例を
示すカラー磁気プリンタ装置の説明図である。図の
(a)はカラー磁気プリンタ装置を、(b)は記録用磁
気ベルトの断面を示す。
【0027】図において、20は記録用磁気ベルトを構
成する磁気記録媒体であり、非磁性体から成る基板20
aの表面に垂直磁化膜20bを積層して形成される。該
磁気記録媒体20は二つのローラ21,22間に張設さ
れ、矢印B方向に移動する。11は前記磁気記録媒体2
0の垂直磁化膜20bを消磁する消去手段、12は磁気
ヘッド又はサーマル磁気ヘッドから成り、印刷データに
対応して前記磁気記録媒体20の表面に磁気潜像を形成
する磁気記録手段、13は前記磁気潜像に第1の色の磁
性トナーを付着させる第1現像器、14は第1の色の磁
性トナーを適当量だけ取り除くバイアス磁界発生器、1
5は前記磁気潜像に第2の色の磁性トナーを付着させ、
2色のカラー磁性トナー像を形成する第2現像器であ
る。前記第1現像器13、バイアス磁界発生器14及び
第2現像器15によって現像手段が構成される。
【0028】また、16は前記磁気記録媒体20の表面
に形成されたカラー磁性トナー像を記録媒体、例えば用
紙23に転写する転写手段、17は前記用紙23に転写
されたカラー磁性トナー像を定着する定着手段、18は
転写後の磁気記録媒体20の表面に残留した磁性トナー
を除去するクリーニング手段である。次に、前記構成の
カラー磁気プリンタ装置の動作について、図5を併用し
て説明する。
【0029】図5は本発明の第1の実施例におけるカラ
ー印刷プロセスを示す図である。図の(a)は第1のプ
ロセスを、(b)は第2のプロセスを、(c)は第3の
プロセスを、(d)は第4のプロセスを、(e)は第5
のプロセスを示す。図において、14はバイアス磁界発
生器、20は磁気記録媒体、20aは基板、20bは垂
直磁化膜、23は用紙、25は消磁領域、M1 ,M2
前記磁気記録媒体20の残留磁化の値であり、大きさが
それぞれ異なる。
【0030】まず、消去手段11が磁気記録媒体20を
交流消磁法によって消磁する。次に、磁気記録手段12
が印刷データに対応する磁気潜像を磁気記録媒体20の
表面に形成する。この時、図の(a)に示すように、磁
気記録媒体20の表面に同方向のそれぞれ大きさが異な
る残留磁化M1 ,M2 を有する磁気潜像が形成される。
次に、(b)に示すように、第1現像器13が単色の磁
性トナーA1 ,A2 を前記磁気潜像に付着させる。この
場合、各磁性トナーA1 ,A2 の高さは前記残留磁化M
1 ,M2 の大きさに対応しており、差ΔhA だけ異な
る。
【0031】続いて、(c)に示すように、バイアス磁
界発生器14によって残留磁化M1,M2 と逆方向のバ
イアス磁界H1 を発生し、前記磁気記録媒体20に付着
した磁性トナーA1 ,A2 の適当量を取り除く。そし
て、(d)に示すように、第2現像器15が前記磁性ト
ナーA1 ,A2 とは異なる色の単色の磁性トナーB1
2 を前記磁気潜像に付着させる。このようにして、磁
気潜像に対応する2色のカラー磁性トナー像が磁気記録
媒体20の表面に形成される。
【0032】次に、(e)に示すように、前記転写手段
16によって前記カラー磁性トナー像を用紙23に転写
する。この時、該用紙23に転写された後のカラー磁性
トナーX1 ,X2 の高さは差ΔhX だけ異なる。続い
て、定着手段17が用紙23に転写された前記カラー磁
性トナー像を定着させる。最後に、クリーニング手段1
8が転写後の磁気記録媒体20の表面に残留した磁性ト
ナーを除去し、カラー印刷プロセスを終了する。
【0033】このように、前記構成のカラー磁気プリン
タ装置においては、複数のプロセスから成る1サイクル
のカラー印刷プロセスが形成され、2色のカラー印刷を
行うことが可能になる。次に、前記構成のカラー磁気プ
リンタ装置を使用して磁気記録を行った結果について説
明する。
【0034】この実験には磁気記録媒体20の垂直磁化
膜20bとして、成膜後に大気中において300〔°
C〕の温度で、120〔min〕間の熱処理を施したC
o/Pd人工格子膜を使用した。該Co/Pd人工格子
膜は、ターゲットとしてCo及びPdを使用し、基板を
回転させてスパッタ法によって作製した。そして、Co
/Pd人工格子膜のCo層厚dC0を5〔Å〕とし、Pd
層厚dPdを17〔Å〕とし、全膜厚Dを1.0〔μm〕
とした。
【0035】図6は磁気記録媒体の膜面に対して垂直方
向の磁化曲線図である。図の(a)は第1の磁化曲線
を、(b)は第1の磁化曲線のマイナーループである第
2の磁化曲線を示す。図において、横軸は磁界の強さ
を、縦軸は磁束密度を示す。図の(a)及び(b)に示
す二つの残留磁化(図の縦軸は磁束密度であるが、磁化
にほぼ対応している。)M1 ,M2 を使用することによ
って2値記録が可能になる。実際の磁気潜像の形成に
は、磁気記録手段12(図1)としてサーマル磁気ヘッ
ドを使用し、磁性トナーA1 ,A2 (図5)として黒色
の、磁性トナーB1 ,B2 として赤色のものを使用し
た。そして、磁気記録媒体20をカラー磁気プリンタ装
置の記録用磁気ベルトに使用し、前記カラー印刷プロセ
スによって磁気記録を行ったところ、100〔本/m
m〕以上の高い解像度で2色のカラー印刷を行うことが
できた。
【0036】以上、2色のカラー印刷を行うためのカラ
ー磁気プリンタ装置について説明したが、3色以上のカ
ラー印刷を行うこともできる。次に、本発明の第2の実
施例について説明する。図7は本発明の第2の実施例を
示すカラー磁気プリンタ装置の説明図、図8は本発明の
第2の実施例におけるカラー印刷プロセスを示す前半部
分図、図9は本発明の第2の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す後半部分図である。図7の(a)はカラ
ー磁気プリンタ装置を、(b)は記録用磁気ベルトの断
面を示す。また、図8の(a)は第1のプロセスを、
(b)は第2のプロセスを、(c)は第3のプロセス
を、(d)は第4のプロセスを、(e)は第5のプロセ
スを、図9の(f)は第6のプロセスを、(g)は第7
のプロセスを、(h)は第8のプロセスを、(i)は第
9のプロセスを示す。なお、図8及び図9においては、
説明を簡略化するために基板20a(図1)は示されて
いない。
【0037】図7において、11は消去手段、12は磁
気記録手段、13は第1現像器、15は第2現像器、1
6は転写手段、17は定着手段、18はクリーニング手
段、20は磁気記録媒体、20aは基板、20bは垂直
磁化膜、21,22はローラ、23は用紙である。ま
た、30は第1バイアス磁界発生器、31は第2バイア
ス磁界発生器、32は第3現像器、33は第3バイアス
磁界発生器、34は第4現像器である。前記第1バイア
ス磁界発生器30、第2バイアス磁界発生器31及び第
3バイアス磁界発生器33はそれぞれバイアス磁界
1 ,H2 ,H3 を発生し、各バイアス磁界H1
2 ,H3 の強さは、H1 >H2 >H3の関係に置かれ
る。
【0038】前記磁気記録媒体20の垂直磁化膜20b
として、成膜後に大気中において300〔°C〕の温度
で、30〔min〕間の熱処理を施したCo/Pd人工
格子膜を使用した。前記構成のカラー磁気プリンタ装置
において、まず、消去手段11が磁気記録媒体20を交
流消磁法によって消磁する。次に、磁気記録手段12が
印刷データに対応する磁気潜像を磁気記録媒体20の表
面に形成する。この時、図8の(a)に示すように、磁
気記録媒体20の表面の任意の箇所に同方向のそれぞれ
大きさが異なる残留磁化M1 〜M4 を有する磁気潜像が
形成される。
【0039】続いて、(b)に示すように、前記第1現
像器13が単色の磁性トナーAを前記磁気潜像に付着さ
せる。そして、(c)に示すように、第1バイアス磁界
発生器30によって残留磁化M1 〜M4 と逆方向のバイ
アス磁界H1 を発生し、前記磁気記録媒体20に付着し
た磁性トナーAの適当量を取り除く。次に、(d)に示
すように、第2現像器15が前記磁性トナーAとは異な
る色の単色の磁性トナーBを磁気潜像に付着させ、
(e)に示すように、第2バイアス磁界発生器31によ
って残留磁化M1 〜M4 と逆方向のバイアス磁界H2
発生し、前記磁気記録媒体20に付着した磁性トナーB
の適当量を取り除く。
【0040】続いて、図9の(f)に示すように、第3
現像器32が磁性トナーCを磁気潜像に付着させ、
(g)に示すように、第3バイアス磁界発生器33によ
って残留磁化M1 〜M4 と逆方向のバイアス磁界H3
発生し、前記磁気記録媒体20に付着した磁性トナーC
の適当量を取り除く。さらに、(h)に示すように、第
4現像器34が磁性トナーDを磁気潜像に付着させる。
【0041】このようにして、磁気潜像に対応する4色
のカラー磁性トナー像が磁気記録媒体20の表面に形成
される。次に、(i)に示すように、前記転写手段16
によって前記カラー磁性トナー像を用紙23に転写す
る。続いて、定着手段17が用紙23に転写された前記
カラー磁性トナー像を定着させる。最後に、クリーニン
グ手段18が転写後の磁気記録媒体20の表面に残留し
た磁性トナーを除去し、カラー印刷プロセスを終了す
る。なお、25は消磁領域である。
【0042】このように、前記構成のカラー磁気プリン
タ装置においては、複数のプロセスから成る1サイクル
のカラー印刷プロセスが形成され、4色のカラー印刷を
行うことが可能になる。なお、本実施例においては磁気
記録媒体20によって記録用磁気ベルトを構成するよう
になっているが、ドラム状の磁気記録媒体を構成するこ
ともできる。また、前記磁気記録媒体20の垂直磁化膜
20bとして、成膜後に大気中において300〔°C〕
の温度で、30〔min〕間の熱処理を施したCo/P
d人工格子膜を使用したが、これに限定されるものでは
なく、例えばCo/Pt人工格子膜、CoO膜、RE−
TM膜等の垂直磁化膜も使用することができる。
【0043】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図10は本発明の第3の実施例を示すカラー磁気
プリンタ装置における磁気記録手段の要部拡大図であ
る。図において、20は矢印B方向に移動する磁気記録
媒体、20aは非磁性体から成る基板、20bは該基板
20aの表面に形成された垂直磁化膜、11は消去手段
であり、この場合、交流消磁用の磁気ヘッドが使用され
る。12は磁気記録手段であり、この場合、記録時に垂
直磁化膜20bの温度を2段階以上に上昇させるため、
サーマル磁気ヘッドが使用される。なお、25は垂直磁
化膜20bの消磁領域、P1 ,P2 はそれぞれ残留磁化
1 ,M2 を持つ領域である。
【0044】ここで、サーマル磁気ヘッドは、磁気記録
媒体20に対して200〔°C〕の熱印加状態(領域P
1 )及び100〔°C〕の熱印加状態(領域P2 )で熱
磁気記録を行うことができる。ただし、記録時に印加さ
れる磁界の強さはいずれの場合においても1.0〔kO
e〕であり、一定である。実際に、サーマル磁気ヘッド
を使用して磁気記録媒体20に熱磁気記録を行ったとこ
ろ、領域P1 の残留磁束密度は3.5〔kG〕(200
〔°C〕)であり、領域P2 の残留磁束密度は2.0
〔kG〕(100〔°C〕)であり、それぞれ図5にお
ける残留磁化M1,M2 に対応する。これにより、2値
記録が可能になる。
【0045】次に、本発明の第4の実施例について説明
する。図11は本発明の第4の実施例を示すカラー磁気
プリンタ装置における磁気記録手段の要部拡大図であ
る。図において、20は矢印B方向に移動する磁気記録
媒体、20aは非磁性体から成る基板、20bは該基板
20aの表面に形成された垂直磁化膜、11は消去手段
であり、この場合、直流消磁用の磁気ヘッドが使用され
る。12は磁気記録手段であり、この場合、記録時に垂
直磁化膜20bの温度を2段階以上に上昇させるため、
サーマルヘッドが使用される。なお、25は垂直磁化膜
20bの消磁領域、P1 ,P2 はそれぞれ残留磁化
1 ,M2 を持つ領域である。
【0046】この場合、カラー印刷プロセスにおいて
は、まず、直流消磁法によって磁気記録媒体20を一定
方向に磁化する。次に、サーマルヘッドによって印刷デ
ータに対応する磁気潜像を磁気記録媒体20の表面に形
成する。この時、サーマルヘッドは磁気記録媒体20に
対して250〔°C〕及び100〔°C〕の熱印加状態
で熱磁気記録を行うことができる。そして、直流消磁用
の磁気ヘッドによって一定方向に磁化した箇所が領域P
1 となり、サーマルヘッドによって100〔°C〕の熱
印加状態で熱磁気記録を行った箇所が領域P2 となり、
サーマルヘッドによって250〔°C〕の熱印加状態で
加熱を行った箇所が消磁領域25となる。
【0047】図12は磁気記録媒体における温度と残留
磁束密度の関係図である。図において、横軸は磁気記録
媒体20(図11)の温度を、縦軸は残留磁束密度を示
す。図において、磁気記録媒体20の温度が25〔°
C〕の時の残留磁束密度が残留磁化M1 に、磁気記録媒
体20の温度を100〔°C〕にした時の残留磁束密度
が残留磁化M2 に対応する。
【0048】次に、本発明の第5の実施例について説明
する。図13は本発明の第5の実施例を示すカラー磁気
プリンタ装置における磁気記録手段の要部拡大図であ
る。図において、20は矢印B方向に移動する磁気記録
媒体、20aは非磁性体から成る基板、20bは該基板
20aの表面に形成された垂直磁化膜、11は消去手段
であり、この場合、交流消磁用の磁気ヘッドが使用され
る。12は磁気記録手段であり、この場合、記録時に2
段階以上の磁界の強さを磁気記録媒体20に加えること
ができるようにサーマル磁気ヘッドが使用される。な
お、25は垂直磁化膜20bの消磁領域、P1 ,P2
それぞれ残留磁化M1 ,M2 を持つ領域である。
【0049】次に、第5の実施例の動作について図1を
併用して説明する。この場合、まず、消去手段11が磁
気記録媒体20を交流消磁法によって消磁する。次に、
磁気記録手段12が印刷データに対応する磁気潜像を磁
気記録媒体20の表面に形成する。この時、サーマル磁
気ヘッドは磁気記録媒体20に対して2.0〔kOe〕
の磁界印加状態(領域P1 )及び1.0〔kOe〕の磁
界印加状態(領域P2 )で熱磁気記録を行うことができ
る。ただし、記録時に印加される熱の温度はいずれの場
合においても100〔°C〕で熱磁気記録を行う。実際
に、このサーマル磁気ヘッドを使用して磁気記録媒体2
0に熱磁気記録を行ったところ、領域P1 の残留磁束密
度は3.5〔kG〕(2.0〔kOe〕)であり、領域
2 の残留磁束密度は2.0〔kG〕(1.0〔kO
e〕)であり、それぞれ図5における残留磁化M1 ,M
2 に対応する。これにより、2値記録が可能になる。
【0050】また、本実施例においては、サーマル磁気
ヘッドを使用したが、磁気ヘッドを使用することもでき
る。ところで、前記実施例においては、図5の(e)に
示すように、転写手段16(図1)によってカラー磁性
トナー像を用紙23に転写した後の用紙23のカラー磁
性トナーX1 ,X2 の高さは、残留磁化M1 ,M2 の大
きさの差に対応して差ΔhX だけ異なる。したがって、
残留磁化M2 が小さい箇所ではカラー磁性トナーX2
付着量が減少し、十分に強いコントラストを得ることが
困難である。
【0051】そこで、十分なコントラストを得ることが
できる本発明の第6の実施例について説明する。図14
は本発明の第6の実施例におけるカラー印刷プロセスを
示す図である。図の(a)は第1のプロセスを、(b)
は第2のプロセスを、(c)は第3のプロセスを、
(d)は第4のプロセスを、(e)は第5のプロセスを
示す。なお、カラー磁気プリンタ装置は図1に記載した
ものと同じであるので、図1を援用して説明する。ま
た、図においては、説明を簡略化するために基板20a
(図1)は示されていない。
【0052】この場合、磁気記録手段12においてサー
マル磁気ヘッドが使用され、記録時に磁気記録媒体20
の膜面の垂直方向において上下2方向の同じ大きさの残
留磁化M1 ,M2 を有する磁気潜像を形成することがで
きるようになっている。カラー印刷プロセスにおいて、
まず、消磁手段11が磁気記録媒体20を交流消磁法に
よって消磁する。次に、磁気記録手段12によって印刷
データに対応する磁気潜像を磁気記録媒体20の表面に
形成する。この時、図の(a)に示すように、磁気記録
媒体20の表面の任意の箇所に上下2方向の同じ大きさ
の残留磁化M1 ,M2 を有する磁気潜像が形成される。
【0053】次に、(b)に示すように、第1現像器1
3が単色の磁性トナーA1 ,A2 を前記磁気潜像に付着
させる。続いて、(c)に示すように、バイアス磁界発
生器14によって残留磁化M1 と同方向のバイアス磁界
1 を発生し、前記磁気記録媒体20に付着した磁性ト
ナーA2 のみを完全に取り除く。さらに、(d)に示す
ように、第2現像器15が前記磁性トナーA1 ,A2
は異なる色の単色の磁性トナーB1 ,B2 を磁気潜像に
付着させ、最後に、(e)に示すように、前記転写手段
16で用紙23に転写することによって2色のカラー印
刷を行うことが可能になる。なお、25は消磁領域であ
る。
【0054】次に、前記構成のカラー磁気プリンタ装置
を使用して磁気記録を行った結果について説明する。こ
の実験には磁気記録媒体20の垂直磁化膜20bとし
て、成膜後に大気中において300〔°C〕の温度で、
120〔min〕間の熱処理を施したCo/Pd人工格
子膜を使用した。該Co/Pd人工格子膜は、ターゲッ
トとしてCo及びPdを使用し、基板を回転させてスパ
ッタ法によって作製した。そして、Co/Pd人工格子
膜のCo層厚dC0を5〔Å〕とし、Pd層厚dPdを16
〔Å〕とし、全膜厚Dを1.0〔μm〕とした。
【0055】また、磁気記録手段12としてサーマル磁
気ヘッドを使用し、記録時に磁気記録媒体20に対して
印加される磁界の強さを1.0〔kOe〕とし、温度を
200〔°C〕とした。そして、磁性トナーA1 ,A2
として黒色の、磁性トナーB 1 ,B2 として赤色のもの
を使用した。そして、磁気記録媒体20をカラー磁気プ
リンタ装置の記録用磁気ベルトに使用し、前記カラー印
刷プロセスによって磁気記録を行ったところ、高い解像
度で2色のカラー印刷を行うことができた。
【0056】以上、2色のカラー印刷を行うためのカラ
ー磁気プリンタ装置について説明したが、3色以上のカ
ラー印刷を行うこともできる。次に、本発明の第7の実
施例について説明する。図15は本発明の第7の実施例
におけるカラー印刷プロセスを示す第1部分図、図16
は本発明の第7の実施例におけるカラー印刷プロセスを
示す第2部分図、図17は本発明の第7の実施例におけ
るカラー印刷プロセスを示す第3部分図である。図15
の(a)は第1のプロセスを、(b)は第2のプロセス
を、(c)は第3のプロセスを、図16の(d)は第4
のプロセスを、(e)は第5のプロセスを、(f)は第
6のプロセスを、図17の(g)は第7のプロセスを、
(h)は第8のプロセスを、(i)は第9のプロセスを
示す。なお、カラー磁気プリンタ装置は図7に記載した
ものと同じであるので、図7を援用して説明する。ま
た、図15〜図17においては、説明を簡略化するため
に基板20a(図7)は示されていない。
【0057】この場合、まず消去手段11が磁気記録媒
体20を交流消磁法によって消磁する。次に、磁気記録
手段12が印刷データに対応する磁気潜像を磁気記録媒
体20の表面に形成する。この時、図15の(a)に示
すように、磁気記録媒体20の表面の任意の箇所にそれ
ぞれ磁化方向及び大きさが異なる残留磁化M1 〜M4
有する磁気潜像が形成される。
【0058】ここで、残留磁化M1 ,M2 と残留磁化M
3 ,M4 は互いに磁化方向が逆であり、かつ、大きさ
が、 M1 =M3 >M2 >M4 である。したがって、この場合の残留磁化M1 〜M4
大きさは3段階とされ、大きさのみを変えた場合(4段
階)より解像度を高くするとともにコントラストを強く
することができる。
【0059】また、コントラストを強くするために残留
磁化M1 〜M4 を相対的に小さくする必要がなくなる。
続いて、(b)に示すように、前記第1現像器13が単
色の磁性トナーAを前記磁気潜像に付着させる。そし
て、(c)に示すように、第1バイアス磁界発生器30
によって残留磁化M1 ,M2 と同方向のバイアス磁界H
1 を発生し、前記磁気記録媒体20に付着した磁性トナ
ーAの適当量を取り除く。次に、図16の(d)に示す
ように、第2現像器15が前記磁性トナーAとは異なる
色の単色の磁性トナーBを磁気潜像に付着させ、(e)
に示すように、第2バイアス磁界発生器31によって残
留磁化M3 ,M4 と同方向のバイアス磁界H2 を発生
し、前記磁気記録媒体20に付着した磁性トナーBの適
当量を取り除く。
【0060】続いて、(f)に示すように、第3現像器
32が磁性トナーCを磁気潜像に付着させ、図17の
(g)に示すように、第3バイアス磁界発生器33によ
って残留磁化M1 ,M2 と同方向のバイアス磁界H3
発生し、前記磁気記録媒体20に付着した磁性トナーC
の適当量を取り除く。さらに、(h)に示すように、第
4現像器34が磁性トナーDを磁気潜像に付着させる。
【0061】このようにして、磁気潜像に対応する4色
のカラー磁性トナー像が磁気記録媒体20の表面に形成
される。次に、(i)に示すように、前記転写手段16
によって前記カラー磁性トナー像を用紙23に転写す
る。続いて、定着手段17が用紙23に転写された前記
カラー磁性トナー像を定着させる。最後に、クリーニン
グ手段18が転写後の磁気記録媒体20の表面に残留し
た磁性トナーを除去し、カラー印刷プロセスを終了す
る。なお、25は消磁領域である。
【0062】このように、前記構成のカラー磁気プリン
タ装置においては、複数のプロセスから成る1サイクル
のカラー印刷プロセスが形成され、4色のカラー印刷を
行うことが可能になる。なお、本実施例においては、磁
気記録手段12としてサーマル磁気ヘッドを使用してい
るが、磁気ヘッドも使用することができる。また、磁気
記録媒体20によって記録用磁気ベルトを構成するよう
になっているが、ドラム状の磁気記録媒体を構成するこ
ともできる。また、前記磁気記録媒体20の垂直磁化膜
20bとして、成膜後に大気中において300〔°C〕
の温度で、120〔min〕間の熱処理を施したCo/
Pd人工格子膜を使用したが、これに限定されるもので
はなく、例えばCo/Pt人工格子膜、CoO膜、RE
−TM膜等の垂直磁化膜も使用することができる。
【0063】ところで、通常、磁気記録においては、ト
ナーとして必ず磁性トナーを使用する必要がある。ここ
で、磁性トナーは樹脂及び磁性粉末を混合して溶融し、
その後冷却し粉砕して製造される。そして、一般に、磁
性粉末としてはフェライトなどを使用しており、磁性粉
末自体が黒色又は茶色であるためにこれら以外の色の磁
性トナーを作ることができず、黒色又は茶色以外の色に
よるカラー印刷を行うことができない。
【0064】そこで、任意の色に対して1サイクルで高
い解像度のカラー印刷を行うことができるようにしたも
のについて説明する。次に、本発明の第8の実施例につ
いて説明する。図18は本発明の第8の実施例を示すカ
ラー磁気プリンタ装置の概略図、図19は本発明の第8
の実施例における現像プロセスを示す図、図20は本発
明の第8の実施例における転写プロセスを示す図であ
る。
【0065】図において、11は消去手段、12は磁気
記録手段、16は転写手段、17は定着手段、18はク
リーニング手段、23は用紙、41は記録用磁気ドラム
を構成する磁気記録媒体、42は現像手段である。前記
磁気記録媒体41は矢印C方向に回転し、磁気潜像を形
成するための垂直磁化膜が形成されている。
【0066】カラー印刷プロセスにおいて、まず、消磁
手段11が磁気記録媒体41を交流消磁法によって消磁
する。次に、磁気記録手段12が印刷データに対応する
磁気潜像を磁気記録媒体41の表面に形成する。そし
て、現像手段42が前記磁気潜像に2成分トナーを付着
させ、磁気潜像に対応するカラー磁性トナー像を形成
し、可視像化する。
【0067】現像プロセスにおいては、図19に示すよ
うに、磁性粉末であるキャリヤ45は磁気力によって磁
気記録媒体41の表面に形成された磁気潜像に付着する
が、この時、現像剤である樹脂(赤色の顔料)46はキ
ャリヤ45との静電気力によって同時に付着する。次
に、転写プロセスにおいては、図20に示すように、用
紙23を樹脂46と逆極性に帯電させることによって静
電気力による樹脂46の転写が行われる。ここで、キャ
リヤ45と用紙23が同極性に帯電されているため、キ
ャリヤ45は反発力を受け、用紙23に付着することは
ない。その後、定着手段17が用紙23に転写されたカ
ラー磁性トナー像を定着し、最後に、クリーニング手段
18が転写後の磁気記録媒体41の表面に残留した磁性
トナーを除去し、カラー印刷プロセスを終了する。
【0068】次に、前記構成のカラー磁気プリンタ装置
を使用して磁気記録を行った結果について説明する。こ
の実験には磁気記録媒体41の垂直磁化膜として、成膜
後に大気中において300〔°C〕の温度で、120
〔min〕間の熱処理を施したCo/Pd人工格子膜を
使用した。該Co/Pd人工格子膜は、ターゲットとし
てCo及びPdを使用し、基板を回転させてスパッタ法
によって作製した。そして、Co/Pd人工格子膜のC
o層厚dC0を5〔Å〕とし、Pd層厚dPdを17〔Å〕
とし、全膜厚Dを1.0〔μm〕とした。
【0069】前記磁気記録媒体41において、膜面に対
して垂直方向の磁化曲線は図6の(a)に記載したもの
と同じであるので、図6の(a)を援用する。そして、
前記磁気記録手段12としてサーマル磁気ヘッドを使用
し、2成分トナーとしては、キャリヤ45としてのフェ
ライトと樹脂46としての赤色の顔料を混合したものを
使用した。
【0070】そして、磁気記録媒体41をカラー磁気プ
リンタ装置の記録用磁気ドラムに使用し、前記カラー印
刷プロセスによって磁気記録を行ったところ、高い解像
度で赤色のカラー印刷を行うことができた。次に、本発
明の第9の実施例について説明する。図21は本発明の
第9の実施例を示すカラー磁気プリンタ装置の説明図で
ある。図の(a)はカラー磁気プリンタ装置を、(b)
は記録用磁気ベルトの断面を示す。
【0071】図において、20は記録用磁気ベルトを構
成する磁気記録媒体であり、非磁性体から成る基板20
aの表面に垂直磁化膜20bを積層して形成される。該
磁気記録媒体20は二つのローラ21,22間に張設さ
れ、矢印B方向に移動する。11は前記磁気記録媒体2
0の垂直磁化膜20bを消磁する消去手段、12は印刷
データに対応して前記磁気記録媒体20の表面に磁気潜
像を形成する磁気記録手段、13は前記磁気潜像に第1
の色の磁性トナーを付着させる第1現像器、30は第1
の色の磁性トナーを適当量だけ取り除く第1バイアス磁
界発生器、15は前記磁気潜像に第2の色の磁性トナー
を付着させ、2色のカラー磁性トナー像を形成する第2
現像器、31は第2の色の磁性トナーを適当量だけ取り
除く第2バイアス磁界発生器である。前記第1現像器1
3、第1バイアス磁界発生器30、第2現像器15及び
第2バイアス磁界発生器31によって現像手段が構成さ
れる。
【0072】また、16は前記磁気記録媒体20の表面
に形成されたカラー磁性トナー像を記録媒体、例えば用
紙23に転写する転写手段、17は前記用紙23に転写
されたカラー磁性トナー像を定着する定着手段、18は
転写後の磁気記録媒体20の表面に残留した磁性トナー
を除去するクリーニング手段である。次に、前記構成の
カラー磁気プリンタ装置の動作について、図22を併用
して説明する。
【0073】図22は本発明の第9の実施例におけるカ
ラー印刷プロセスを示す図である。図の(a)は第1の
プロセスを、(b)は第2のプロセスを、(c)は第3
のプロセスを、(d)は第4のプロセスを、(e)は第
5のプロセスを、(f)は第6のプロセスを示す。な
お、図においては、説明を簡略化するために基板20a
(図22)は示されていない。
【0074】図において、30は第1バイアス磁界発生
器、31は第2バイアス磁界発生器、20は磁気記録媒
体、20bは垂直磁化膜、23は用紙、M1 ,M2 は前
記磁気記録媒体20の残留磁化であり、大きさ及び磁化
方向がそれぞれ異なる。まず、消去手段11が磁気記録
媒体20を交流消磁法によって消磁する。次に、磁気記
録手段12が印刷データに対応する磁気潜像を磁気記録
媒体20の表面に形成する。この時、図の(a)に示す
ように、磁気記録媒体20の表面に上下2方向のそれぞ
れ大きさが異なる残留磁化M1 ,M2 を有する磁気潜像
が形成される。次に、(b)に示すように、第1現像器
13が単色の磁性トナーAを前記磁気潜像に付着させ
る。この場合、磁性トナーAは、キャリヤ45(図1
9)としてのフェライトと樹脂46としての赤色の顔料
を混合したものを2成分トナーとして使用した。
【0075】続いて、(c)に示すように、第1バイア
ス磁界発生器30によって残留磁化M1 と同方向のバイ
アス磁界H1 を発生し、前記磁気記録媒体20に付着し
た磁性トナーAの適当量を取り除く。そして、(d)に
示すように、第2現像器15が前記磁性トナーAとは異
なる色の単色の磁性トナーBを前記磁気潜像に付着さ
せ、(e)に示すように、第2バイアス磁界発生器31
によって前記残留磁化M 2 と同方向のバイアス磁界H2
を発生し、前記磁気記録媒体20に付着した磁性トナー
Bの適当量を取り除く。このようにして、磁気潜像に対
応する2色のカラー磁性トナー像が磁気記録媒体20の
表面に形成される。
【0076】そして、(f)に示すように、前記転写手
段16によって前記カラー磁性トナー像を用紙23に転
写する。続いて、定着手段17が用紙23に転写された
前記カラー磁性トナー像を定着させる。最後に、クリー
ニング手段18が転写後の磁気記録媒体20の表面に残
留した磁性トナーを除去し、カラー印刷プロセスを終了
する。なお、25は消磁領域である。
【0077】このように、前記構成のカラー磁気プリン
タ装置においては、複数のプロセスから成る1サイクル
のカラー印刷プロセスが形成され、2色のカラー印刷を
行うことが可能になる。次に、前記構成のカラー磁気プ
リンタ装置を使用して磁気記録を行った結果について説
明する。
【0078】この実験には磁気記録媒体20の垂直磁化
膜20bとして、成膜後に大気中において300〔°
C〕の温度で120〔min〕間の熱処理を施したCo
/Pd人工格子膜を使用した。該Co/Pd人工格子膜
は、ターゲットとしてCo及びPdを使用し、基板を回
転させてスパッタ法によって作製した。そして、Co/
Pd人工格子膜のCo層厚dC0を5〔Å〕とし、Pd層
厚dPdを17〔Å〕とし、全膜厚Dを1.0〔μm〕と
した。
【0079】前記磁気記録媒体20において、膜面に対
して垂直方向の磁化曲線は図6の(a),(b)に記載
したものと同じであるので、図6の(a),(b)を援
用する。このように、二つの残留磁化M1 ,M2 によっ
て2値記録が可能になる。実際の磁気潜像の形成には、
磁気記録手段12としてサーマル磁気ヘッドを使用し、
2成分トナーとしては、キャリヤ45としてのフェライ
トと樹脂46としての赤色の顔料を混合したもの、及び
キャリヤ45としてのフェライトと樹脂46としての黄
色の顔料を混合したものを使用した。
【0080】そして、磁気記録媒体20をカラー磁気プ
リンタ装置の記録用磁気ベルトに使用し、前記カラー印
刷プロセスによって磁気記録を行ったところ、高い解像
度で赤色及び黄色の2色のカラー印刷を行うことができ
た。以上、2色のカラー印刷を行うためのカラー磁気プ
リンタ装置について説明したが、3色以上のカラー印刷
を行うこともできる。
【0081】次に、本発明の第10の実施例について説
明する。図23は本発明の第10の実施例におけるカラ
ー印刷プロセスを示す前半部分図、図24は本発明の第
10の実施例におけるカラー印刷プロセスを示す後半部
分図である。図23の(a)は第1のプロセスを、
(b)は第2のプロセスを、(c)は第3のプロセス
を、(d)は第4のプロセスを、図24の(e)は第5
のプロセスを、(f)は第6のプロセスを、(g)は第
7のプロセスを示す。なお、図23及び図24において
は、説明を簡略化するために基板20a(図21)は示
されていない。
【0082】図において、20は磁気記録媒体、20b
は垂直磁化膜、23は用紙、25は消磁領域、30は第
1バイアス磁界発生器、31は第2バイアス磁界発生
器、M 1 〜M3 は前記磁気記録媒体20の残留磁化であ
り、大きさ及び磁化方向がそれぞれ異なる。この場合、
磁気記録手段12が印刷データに対応する磁気潜像を磁
気記録媒体20の表面の任意の箇所に形成する。この
時、磁気記録媒体の表面にそれぞれ磁化方向及び大きさ
が異なる残留磁化M1 〜M3 を有する磁気潜像が形成さ
れる。
【0083】ここで、残留磁化M1 ,M2 と残留磁化M
3 は互いに磁化方向が逆であり、かつ、大きさが、 M1 =M3 >M2 である。次に、本発明の第11の実施例について説明す
る。
【0084】図25は本発明の第11の実施例における
カラー印刷プロセスを示す第1部分図、図26は本発明
の第11の実施例におけるカラー印刷プロセスを示す第
2部分図、図27は本発明の第11の実施例におけるカ
ラー印刷プロセスを示す第3部分図である。図25の
(a)は第1のプロセスを、(b)は第2のプロセス
を、(c)は第3のプロセスを、図26の(d)は第4
のプロセスを、(e)は第5のプロセスを、(f)は第
6のプロセスを、図27の(g)は第7のプロセスを、
(h)は第8のプロセスを示す。なお、図25〜図27
においては、説明を簡略化するために基板20a(図
1)は示されていない。
【0085】図において、20は磁気記録媒体、20b
は垂直磁化膜、23は用紙、25は消磁領域、30は第
1バイアス磁界発生器、31は第2バイアス磁界発生
器、32は第3バイアス磁界発生器、M1 〜M3 は前記
磁気記録媒体20の残留磁化であり、大きさ及び磁化方
向がそれぞれ異なる。この場合、図示しない第3現像器
によって第3の色の現像を行った後に、図の(g)に示
すように、第7のプロセスにおいて第3バイアス磁界発
生器32によって残留磁化M3 と逆方向のバイアス磁界
3 を発生し、磁気記録媒体20の表面に付着した磁性
トナーCの適当量を取り除く。したがって、更に、解像
度を高くすることができる。
【0086】この実験には前記磁気記録媒体20の垂直
磁化膜20bとして、成膜後に大気中において300
〔°C〕の温度で、30〔min〕間の熱処理を施した
Co/Pd人工格子膜を使用したが、これに限定される
ものではなく、例えばCo/Pt人工格子膜、CoO
膜、RE−TM膜等の垂直磁化膜も使用することができ
る。
【0087】次に、一般に、カラー磁気プリンタ装置に
おいては、磁気記録手段12が磁気記録媒体20に印加
する磁界や温度などを2段階以上に変えることによっ
て、残留磁化の大きさ及び磁化方向が異なる箇所を形成
することができるようになっている。このため、記録時
におけるカラー磁気プリンタ装置の外部環境の変化がコ
ントラスト、記録パターン等を大きく変化させてしまう
ことがあり、解像度を高くすることができない。
【0088】そこで、記録時におけるカラー磁気プリン
タ装置の外部環境の変化がコントラスト、記録パターン
等を大きく変化させてしまうことのない本発明の第12
の実施例について説明する。図28は本発明の第12の
実施例を示すカラー磁気プリンタ装置の説明図である。
図の(a)はカラー磁気プリンタ装置を、(b)は記録
用磁気ベルトの断面を示す。
【0089】図において、20は記録用磁気ベルトを構
成する磁気記録媒体であり、非磁性体から成る基板20
aの表面に、保磁力の大きい第1層目の垂直磁化膜20
c及び保磁力の小さい第2層目の垂直磁化膜20dを積
層して形成される。該磁気記録媒体20は二つのローラ
21,22間に張設され、矢印B方向に移動する。11
は前記磁気記録媒体20の第2層目の垂直磁化膜20d
を消磁する消去手段、12は磁気ヘッドから成り、磁気
記録媒体20の表面に磁気潜像を形成する磁気記録手段
である。この場合、印刷データに対応して第2層目の垂
直磁化膜20dのみの磁化方向を変化させるような磁界
を発生し、磁気記録媒体20に印加する。
【0090】また、13は前記磁気潜像に第1の色の磁
性トナーを付着させる第1現像器、14は第1の色の磁
性トナーを適当量だけ取り除くバイアス磁界発生器、1
5は前記磁気潜像に第2の色の磁性トナーを付着させ、
2色のカラー磁性トナー像を形成する第2現像器であ
る。前記第1現像器13、バイアス磁界発生器14及び
第2現像器15によって現像手段が構成される。
【0091】また、16は前記磁気記録媒体20の表面
に形成されたカラー磁性トナー像を記録媒体、例えば用
紙23に転写する転写手段、17は前記用紙23に転写
されたカラー磁性トナー像を定着する定着手段、18は
転写後の磁気記録媒体20の表面に残留した磁性トナー
を除去するクリーニング手段である。次に、前記構成の
カラー磁気プリンタ装置の動作について、図29を併用
して説明する。
【0092】図29は本発明の第12の実施例における
カラー印刷プロセスを示す図である。図の(a)は第1
のプロセスを、(b)は第2のプロセスを、(c)は第
3のプロセスを、(d)は第4のプロセスを、(e)は
第5のプロセスを示す。なお、図においては、説明を簡
略化するために基板20a(図28)は示されていな
い。
【0093】図において、14はバイアス磁界発生器、
20は磁気記録媒体、20cは第1層目の垂直磁化膜、
20dは第2層目の垂直磁化膜、23は用紙、25は消
磁領域、M1 ,M2 は磁気記録媒体20の残留磁化であ
り、大きさがそれぞれ異なる。まず、消去手段11が磁
気記録媒体20を交流消磁法によって消磁する。次に、
磁気記録手段12が印刷データに対応する磁気潜像を磁
気記録媒体20の表面に形成する。この時、図の(a)
に示すように、前記磁気記録手段12は第2層目の垂直
磁化膜20dのみの任意の位置の磁化方向を変化させ
る。これによって、第1層目の垂直磁化膜20cと第2
層目の垂直磁化膜20dで磁化方向が同じ箇所と異なる
箇所が形成され、磁気記録媒体20の表面に同方向のそ
れぞれ大きさが異なる残留磁化M1 ,M2 を有する磁気
潜像が形成される。
【0094】次に、(b)に示すように、第1現像器1
3が単色の磁性トナーA1 ,A2 を前記磁気潜像に付着
させる。続いて、(c)に示すように、バイアス磁界発
生器14によって残留磁化M1 ,M2 と逆方向のバイア
ス磁界H1 を発生し、前記磁気記録媒体20に付着した
磁性トナーA2 を完全に取り除く。そして、(d)に示
すように、第2現像器15が前記磁性トナーA1 ,A2
とは異なる色の単色の磁性トナーB1 ,B2 を前記磁気
潜像に付着させる。このようにして、磁気潜像に対応す
る2色のカラー磁性トナー像が磁気記録媒体20の表面
に形成される。
【0095】次に、(e)に示すように、前記転写手段
16によって前記カラー磁性トナー像を用紙23に転写
する。続いて、定着手段17が用紙23に転写された前
記カラー磁性トナー像を定着させる。最後に、クリーニ
ング手段18が転写後の磁気記録媒体20の表面に残留
した磁性トナーを除去し、カラー印刷プロセスを終了す
る。
【0096】次に、前記構成のカラー磁気プリンタ装置
を使用して磁気記録を行った結果について説明する。こ
の実験には磁気記録媒体20の1層目の垂直磁化膜20
cとして成膜後に大気中において300〔°C〕の温度
で、120〔min〕間の熱処理を施したCo/Pd人
工格子膜を使用し、第2層目の垂直磁化膜20dとして
熱処理を行っていないCo/Pd人工格子膜を使用し
た。該Co/Pd人工格子膜は、ターゲットとしてCo
及びPdを使用し、基板を回転させてスパッタ法によっ
て作製した。そして、第1層目の垂直磁化膜20cと第
2層目の垂直磁化膜20dは、いずれもCo層厚dC0
5〔Å〕とし、Pd層厚dPdを16〔Å〕とし、第1層
目の垂直磁化膜20cの膜厚D1 を1.0〔μm〕と
し、第2層目の垂直磁化膜20dの膜厚D2 を0.2
〔μm〕とした。
【0097】図30は磁気記録媒体の膜面に対して垂直
方向の磁化曲線図である。図に示すように、第1層目の
垂直磁化膜20c(図28)と第2層目の垂直磁化膜2
0dの保磁力の差によって磁化ループに段差が形成され
る。これによって、二つの残留磁化M1 ,M2 を外部環
境の変化に対して安定させることができ、コントラス
ト、記録パターン等を一定にすることができる。
【0098】実際の磁気潜像の形成には、磁気記録手段
12として磁気ヘッドを使用した。該磁気ヘッドによっ
て、第2層目の垂直磁化膜20dのみの磁化方向を、第
1層目の垂直磁化膜20cと同方向に又は第1層目の垂
直磁化膜20cと逆方向に変化させることができる。こ
こで、記録時に磁気記録媒体20に印加する磁界の強さ
を1.0〔kOe〕とした。
【0099】また、磁性トナーA1 ,A2 として黒色
の、磁性トナーB1 ,B2 として赤色のものを使用し
た。そして、磁気記録媒体20をカラー磁気プリンタ装
置の記録用磁気ベルトに使用し、前記カラー印刷プロセ
スによって磁気記録を行ったところ、高い解像度で2色
のカラー印刷を行うことができた。以上、2色のカラー
印刷を行うためのカラー磁気プリンタ装置について説明
したが、3色以上のカラー印刷を行うこともできる。
【0100】次に、本発明の第13の実施例について説
明する。図31は本発明の第13の実施例を示すカラー
磁気プリンタ装置における記録用磁気ベルトの断面図で
ある。図において、20は記録用磁気ベルトを構成する
磁気記録媒体であり、非磁性体から成る基板20aの表
面に保磁力の異なる第1層目の垂直磁化膜20c、第2
層目の垂直磁化膜20d、第3層目の垂直磁化膜20e
を積層して形成され、第1層目の垂直磁化膜20c、第
2層目の垂直磁化膜20d、第3層目の垂直磁化膜20
eの順に保磁力が小さくされる。
【0101】この場合、2種類の磁界を印加することが
できるような磁気ヘッドが使用される。図32は本発明
の第13の実施例における磁気記録媒体の磁化状態図で
ある。図に示すように、磁気ヘッドによって2種類の磁
界を印加すると、同方向のそれぞれ大きさが異なる残留
磁化M1 〜M3 が形成される。ここで、残留磁化M1
3 は、各垂直磁化膜20c,20d,20eのそれぞ
れの磁化方向が同じ箇所のもの、第3層目の垂直磁化膜
20eのみ磁化方向が異なる箇所のもの、第1層目の垂
直磁化膜20cのみ磁化方向が異なる箇所のものであ
る。なお、20は磁気記録媒体、20aは基板、25は
消磁領域である。
【0102】図33は本発明の第13の実施例における
カラー印刷プロセスを示す前半部分図、図34は本発明
の第13の実施例におけるカラー印刷プロセスを示す後
半部分図である。図33の(a)は第1のプロセスを、
(b)は第2のプロセスを、(c)は第3のプロセス
を、(d)は第4のプロセスを、図34の(e)は第5
のプロセスを、(f)は第6のプロセスを、(g)は第
7のプロセスを示す。なお、図33及び図34において
は、説明を簡略化するために基板20a(図31)は示
されていない。
【0103】図において、20は磁気記録媒体、23は
用紙、25は消磁領域、30は第1バイアス磁界発生
器、31は第2バイアス磁界発生器、M1 〜M3 は磁気
記録媒体20の残留磁化であり、大きさがそれぞれ異な
る。なお、本実施例においては、保磁力のみがそれぞれ
異なる垂直磁化膜20c〜20e(図31)を使用して
いるが、キュリー温度がそれぞれ異なる各垂直磁化膜
や、保磁力及びキュリー温度がそれぞれ異なる垂直磁化
膜を積層した磁気記録媒体も使用することができる。こ
の場合、磁気ヘッドの代わりにサーマル磁気ヘッドが使
用される。
【0104】そして、該サーマル磁気ヘッドは、キュリ
ー温度の低い垂直磁化膜や保磁力が小さくキュリー温度
の低い垂直磁化膜のみの磁化方向を変化させる。また、
本実施例においては磁気記録媒体20によって記録用磁
気ベルトを構成するようになっているが、ドラム状の磁
気記録媒体を構成することもできる。また、前記磁気記
録媒体20としてCo/Pd人工格子膜を使用したが、
これに限定されるものではなく、例えばCo/Pt人工
格子膜、CoO膜、RE−TM膜等の垂直磁化膜も使用
することができる。
【0105】前記各実施例のカラー磁気プリンタ装置に
おいては、いずれもバイアス磁界発生器14,30〜3
2が使用され、現像プロセスの後にバイアス磁界H1
3を発生して磁性トナーA,A1 ,A2 ,B,B1
2 ,C,Dを取り除くための除去プロセスが必要であ
り、1サイクルが長くなってしまう。また、各色の磁性
トナーA,A1 ,A2 ,B,B1 ,B2 ,C,Dを磁気
記録媒体20に転写した場合、各色の磁性トナーA,A
1 ,A2 ,B,B1 ,B2 ,C,Dが重なった箇所が形
成される。そのため、バイアス磁界による磁性トナー
A,A1 ,A2 ,B,B1 ,B2 ,C,Dの除去プロセ
スを増加するなど更に複雑な現像手段が必要になる。
【0106】そこで、磁性トナーの除去プロセスが不要
な本発明の第14の実施例について説明する。図35は
本発明の第14の実施例を示すカラー磁気プリンタ装置
の説明図である。図の(a)はカラー磁気プリンタ装置
を、(b)は記録用磁気ベルトの断面を示す。
【0107】図において、20は記録用磁気ベルトを構
成する磁気記録媒体であり、非磁性体から成る基板20
aの表面に垂直磁化膜20bを積層して形成される。該
磁気記録媒体20は二つのローラ21,22間に張設さ
れ、矢印B方向に移動する。11は前記磁気記録媒体2
0の垂直磁化膜20bを消磁する消去手段、12は印刷
データに対応して前記磁気記録媒体20の表面に磁気潜
像を形成する磁気記録手段、13は前記磁気潜像に第1
の色の磁性トナーを付着させる第1現像器、51は該第
1現像器13に対向して配設されたバイアス磁界発生
器、15は前記磁気潜像に第2の色の磁性トナーを付着
させ、2色のカラー磁性トナー像を形成する第2現像器
である。前記第1現像器13、バイアス磁界発生器51
及び第2現像器15によって現像手段が構成される。
【0108】また、16は前記磁気記録媒体20の表面
に形成されたカラー磁性トナー像を用紙23に転写する
転写手段、17は前記用紙23に転写されたカラー磁性
トナー像を定着する定着手段、18は転写後の磁気記録
媒体20の表面に残留した磁性トナーを除去するクリー
ニング手段である。次に、前記構成のカラー磁気プリン
タ装置の動作について、図36を併用して説明する。
【0109】図36は本発明の第14の実施例における
カラー印刷プロセスを示す図である。図の(a)は第1
のプロセスを、(b)は第2のプロセスを、(c)は第
3のプロセスを、(d)は第4のプロセスを示す。な
お、図において、説明を簡略化するために基板20a
(図35)は示されていない。図において、51はバイ
アス磁界発生器、20は磁気記録媒体、23は用紙、2
5は消磁領域、M1 ,M2 は前記磁気記録媒体20の残
留磁化であり、磁化方向がそれぞれ異なる。
【0110】まず、消去手段11が磁気記録媒体20を
交流消磁法によって消磁する。次に、磁気記録手段12
が印刷データに対応する磁気潜像を磁気記録媒体20の
表面に形成する。この時、図の(a)に示すように、磁
気記録媒体20の表面に上下2方向の同じ大きさの残留
磁化M1 ,M2 を有する磁気潜像が形成される。残留磁
化M1 の方向はバイアス磁界発生器51が発生するバイ
アス磁界H1 と同方向であり、残留磁化M2 の方向はバ
イアス磁界発生器51が発生するバイアス磁界H1 と逆
方向である。
【0111】次に、(b)に示すように、第1現像器1
3が単色の磁性トナーAを前記磁気潜像に付着させる。
ここで、バイアス磁界発生器51が発生するバイアス磁
界H 1 と同方向の残留磁化M1 を有する箇所では磁界が
強められ、多くの磁性トナーAが付着し、バイアス磁界
発生器51が発生するバイアス磁界H1 と逆方向の残留
磁化M2 を有する箇所では磁界が弱められ、磁性トナー
Aは付着しない。また、残留磁化M1 を有する箇所にお
いて、バイアス磁界発生器51によって余分に付着した
磁性トナーAは、磁気記録媒体20が移動してバイアス
磁界発生器51から離れるほど磁界が弱くなるため、磁
気記録媒体20から落ちてしまう。
【0112】続いて、(c)に示すように、第2現像器
15が前記磁性トナーAとは異なる色の単色の磁性トナ
ーBを磁気潜像に付着させる。この時、磁性トナーBは
残留磁化M1 を有する箇所には付着することはないの
で、磁性トナーA,Bが重なることはない。このように
して、磁気潜像に対応する2色のカラー磁性トナー像が
磁気記録媒体20の表面に形成される。
【0113】そして、(d)に示すように、前記転写手
段16によって前記カラー磁性トナー像を用紙23に転
写する。続いて、定着手段17が用紙23に転写された
前記カラー磁性トナー像を定着させる。最後に、クリー
ニング手段18が転写後の磁気記録媒体20の表面に残
留した磁性トナーを除去し、カラー印刷プロセスを終了
する。
【0114】このように、前記構成のカラー磁気プリン
タ装置においては、複数のプロセスから成る1サイクル
のカラー印刷プロセスが形成され、2色のカラー印刷を
行うことが可能になる。次に、前記構成のカラー磁気プ
リンタ装置を使用して磁気記録を行った結果について説
明する。
【0115】この実験には磁気記録媒体20の垂直磁化
膜20bとして、成膜後に大気中において300〔°
C〕の温度で、120〔min〕間の熱処理を施したC
o/Pd人工格子膜を使用した。該Co/Pd人工格子
膜は、ターゲットとしてCo及びPdを使用し、基板を
回転させてスパッタ法によって作製した。そして、Co
/Pd人工格子膜のCo層厚dC0を5〔Å〕とし、Pd
層厚dPdを16〔Å〕とし、全膜厚Dを1.0〔μm〕
とした。
【0116】また、実際の磁気潜像の形成には、磁気記
録手段12としてサーマル磁気ヘッドを使用し、磁性ト
ナーAとして黒色の、磁性トナーBとして赤色のものを
使用した。そして、磁気記録媒体20をカラー磁気プリ
ンタ装置の記録用磁気ベルトに使用し、前記カラー印刷
プロセスによって磁気記録を行ったところ、高い解像度
で2色のカラー印刷を行うことができた。
【0117】以上、2色のカラー印刷を行うためのカラ
ー磁気プリンタ装置について説明したが、3色以上のカ
ラー印刷を行うこともできる。次に、本発明の第15の
実施例について説明する。図37は本発明の第15の実
施例を示すカラー磁気プリンタ装置の説明図である。図
の(a)はカラー磁気プリンタ装置を、(b)は記録用
磁気ベルトの断面を示す。
【0118】図において、20は記録用磁気ベルトを構
成する磁気記録媒体であり、非磁性体から成る基板20
aの表面に垂直磁化膜20bを積層して形成される。該
磁気記録媒体20は二つのローラ21,22間に張設さ
れ、矢印B方向に移動する。11は前記磁気記録媒体2
0の垂直磁化膜20bを消磁する消去手段、12は印刷
データに対応して前記磁気記録媒体20の表面に磁気潜
像を形成する磁気記録手段、13は前記磁気潜像に第1
の色の磁性トナーを付着させる第1現像器、52は該第
1現像器13に対向して配設された第1バイアス磁界発
生器、15は前記磁気潜像に第2の色の磁性トナーを付
着させる第2現像器、53は該第2現像器15に対向し
て配設された第2バイアス磁界発生器、32は前記磁気
潜像に第3の色の磁性トナーを付着させ、3色のカラー
磁性トナー像を形成する第3現像器である。前記第1現
像器13、第1バイアス磁界発生器52、第2現像器1
5、第2バイアス磁界発生器53及び第3現像器32に
よって現像手段が構成される。
【0119】また、16は前記磁気記録媒体20の表面
に形成されたカラー磁性トナー像を用紙23に転写する
転写手段、17は前記用紙23に転写されたカラー磁性
トナー像を定着する定着手段、18は転写後の磁気記録
媒体20の表面に残留した磁性トナーを除去するクリー
ニング手段である。次に、前記構成のカラー磁気プリン
タ装置の動作について、図38を併用して説明する。
【0120】図38は本発明の第15の実施例における
カラー印刷プロセスを示す図である。図の(a)は第1
のプロセスを、(b)は第2のプロセスを、(c)は第
3のプロセスを、(d)は第4のプロセスを、(e)は
第5のプロセスを示す。なお、図において、説明を簡略
化するために基板20a(図37)は示されていない。
【0121】図において、52は第1バイアス磁界発生
器、53は第2バイアス磁界発生器、20は磁気記録媒
体、23は用紙、25は消磁領域、M1 〜M3 は前記磁
気記録媒体20の残留磁化であり、大きさ及び磁化方向
がそれぞれ異なる。まず、消去手段11が磁気記録媒体
20を交流消磁法によって消磁する。次に、磁気記録手
段12が印刷データに対応する磁気潜像を磁気記録媒体
20の表面に形成する。この時、図の(a)に示すよう
に、磁気記録媒体20の表面にそれぞれ大きさ及び磁化
方向が異なる残留磁化M1 〜M3 を有する磁気潜像が形
成される。残留磁化M1 の方向は第1、第2バイアス磁
界発生器52,53が発生するバイアス磁界H1 ,H2
と同方向であり、残留磁化M2 ,M3 は第1、第2バイ
アス磁界発生器52,53が発生するバイアス磁界
1 ,H2 と逆方向であり、大きさが、 M1 =M2 >M3 である。
【0122】また、第1バイアス磁界発生器52が発生
するバイアス磁界H1 と第2バイアス磁界発生器53が
発生するバイアス磁界H2 は、強さが、 H1 >H2 である。次に、(b)に示すように、第1バイアス磁界
発生器52が発生する強いバイアス磁界H1 が印加され
た状態で、残留磁化M1 を有する箇所のみに第1現像器
13によって磁性トナーAが付着させられる。続いて、
(c)に示すように、第2バイアス磁界発生器53が発
生する弱いバイアス磁界H2 が印加された状態で、残留
磁化M1 ,M2 を有する箇所のみに第2現像器15によ
って磁性トナーBが付着させられるが、磁気記録媒体2
0が移動して第2バイアス磁界発生器53から離れる
と、(d)に示すように、残留磁化M1 を有する箇所に
付着した磁性トナーBは落下し、磁性トナーAのみとな
る。また、このバイアス磁界H1 ,H 2 が印加されない
状態で、残留磁化M2 ,M3 を有する箇所のみに第3現
像器32によって磁性トナーCが付着させられる。この
ようにして、磁気潜像に対応する3色のカラー磁性トナ
ー像が磁気記録媒体20の表面に形成される。
【0123】そして、(e)に示すように、前記転写手
段16によって前記カラー磁性トナー像を用紙23に転
写する。続いて、定着手段17が用紙23に転写された
前記カラー磁性トナー像を定着させる。最後に、クリー
ニング手段18が転写後の磁気記録媒体20の表面に残
留した磁性トナーを除去し、カラー印刷プロセスを終了
する。
【0124】このように、前記構成のカラー磁気プリン
タ装置においては、複数のプロセスから成る1サイクル
のカラー印刷プロセスが形成され、3色のカラー印刷を
行うことが可能になる。この場合、前記カラー磁性トナ
ー像を用紙23に転写した時に、磁性トナーB,Cが重
なるが、除去プロセスを設けたものに比べ、カラー磁気
プリンタ装置が簡素化され、小型化され、コストを低減
することができる。
【0125】なお、本実施例においては記録プロセスに
おいてサーマル磁気ヘッドを使用しているが、磁気ヘッ
ドも使用することができる。また、磁気記録媒体20に
よって記録用磁気ベルトを構成するようになっている
が、ドラム状の記録媒体を構成することもできる。そし
て、前記磁気記録媒体20として、Co/Pd人工格子
膜を使用したが、これに限定されるものではなく、例え
ばCo/Pt人工格子膜、CoO膜、RE−TM膜等の
垂直磁化膜も使用することができる。
【0126】なお、本発明は前記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形すること
が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するもの
ではない。
【0127】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、非磁性体から成る基板の表面に垂直磁化膜を積層
して磁気記録媒体が形成される。該磁気記録媒体の垂直
磁化膜を消去手段が消磁すると、磁気記録手段が印刷デ
ータに対応して前記磁気記録媒体の表面に、2値以上の
残留磁化を有する磁気潜像を形成する。そして、複数の
現像器が前記磁気潜像に複数の色の磁性トナーをそれぞ
れ順に付着させてカラー磁性トナー像を形成する。
【0128】該現像器によって磁性トナーをそれぞれ順
に付着させた時に、バイアス磁界発生器が前記磁気潜像
に付着した磁性トナーの一部を取り除く。そして、前記
カラー磁性トナー像は転写手段によって記録媒体に転写
され、該記録媒体のカラー磁性トナー像が定着手段によ
って定着させられる。したがって、1サイクルでカラー
印刷を行うことができ、カラー磁気プリンタ装置を簡素
化することができる。
【0129】前記磁気記録手段をサーマル磁気ヘッド、
サーマルヘッド又は磁気ヘッドとすることができ、磁気
記録媒体に印加する磁界や温度などを2段階以上に変え
ることによって、同方向の異なる大きさの残留磁化を有
する磁気潜像や、上下2方向の同じ大きさの残留磁化を
有する磁気潜像や、上下2方向の異なる大きさの残留磁
化を有する磁気潜像が形成される。したがって、残留磁
化の磁化方向を上下2方向とすることによって、コント
ラストを強くすることができる。
【0130】この場合、前記磁性トナーは、1成分トナ
ー又は、磁性粉末と樹脂を混合した2成分トナーで構成
され、2成分トナーとした場合には、現像プロセスにお
いて前記磁性粉末と樹脂を互いに逆極性に帯電させる
か、転写プロセスにおいて前記記録媒体と樹脂を互いに
逆極性に帯電させることができる。したがって、2成分
トナーを使用した場合には、転写プロセスにおいて、樹
脂が記録媒体に付着するが、磁性粉末が前記記録媒体に
付着することはない。したがって、磁性粉末自体の色の
影響のない任意の色のカラー印刷を行うことができる。
【0131】また、非磁性体から成る基板の表面に複数
の垂直磁化膜を積層して形成された磁気記録媒体と、該
磁気記録媒体の垂直磁化膜を消磁する消去手段と、印刷
データに対応して前記磁気記録媒体の表面に、任意の値
の残留磁化を有する磁気潜像を形成する磁気記録手段
と、前記磁気潜像に磁性トナーを付着させてカラー磁性
トナー像を形成する現像器と、前記カラー磁性トナー像
を記録媒体に転写する転写手段と、記録媒体に転写され
たカラー磁性トナー像を定着する定着手段を有すること
もできる。
【0132】また、各垂直磁化膜は、保磁力及びキュリ
ー温度の少なくとも一方が互いに異なるものとし、磁気
ヘッドによって記録時に保磁力の小さい垂直磁化膜のみ
の磁化方向を変えるか、サーマル磁気ヘッドによってキ
ュリー温度の低い垂直磁化膜のみの磁化方向を変えるこ
とができる。したがって、磁気記録媒体の残留磁化を安
定させることができ、解像度を高くすることができる。
【0133】そして、非磁性体から成る基板の表面に垂
直磁化膜を積層して形成された磁気記録媒体と、該磁気
記録媒体の垂直磁化膜を消磁する消去手段と、印刷デー
タに対応して前記磁気記録媒体の表面に、大きさ及び磁
化方向の異なる残留磁化を有する磁気潜像を形成する磁
気記録手段と、前記磁気潜像に複数の色の磁性トナーを
それぞれ順に付着させてカラー磁性トナー像を形成する
複数の現像器と、前記磁気潜像に磁性トナーを付着させ
る時にバイアス磁界を印加するバイアス磁界発生器と、
前記カラー磁性トナー像を記録媒体に転写する転写手段
と、前記記録媒体に転写されたカラー磁性トナー像を定
着する定着手段を有することもできる。
【0134】したがって、磁性トナーの付着と同時にバ
イアス磁界が磁気潜像に印加させられるため、磁性トナ
ーの除去プロセスを設ける必要がなくなり、現像手段が
簡素化され、カラー磁気プリンタ装置を小型化すること
ができるだけでなく、コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すカラー磁気プリン
タ装置の説明図である。
【図2】従来の磁気プリンタ装置の概略図である。
【図3】従来のカラー磁気プリンタ装置におけるカラー
印刷プロセスを示す図である。
【図4】従来の他のカラー磁気プリンタ装置におけるカ
ラー印刷プロセスを示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例におけるカラー印刷プロ
セスを示す図である。
【図6】磁気記録媒体の膜面に対して垂直方向の磁化曲
線図である。
【図7】本発明の第2の実施例を示すカラー磁気プリン
タ装置の説明図である。
【図8】本発明の第2の実施例におけるカラー印刷プロ
セスを示す前半部分図である。
【図9】本発明の第2の実施例におけるカラー印刷プロ
セスを示す後半部分図である。
【図10】本発明の第3の実施例を示すカラー磁気プリ
ンタ装置における磁気記録手段の要部拡大図である。
【図11】本発明の第4の実施例を示すカラー磁気プリ
ンタ装置における磁気記録手段の要部拡大図である。
【図12】磁気記録媒体における温度と残留磁束密度の
関係図である。
【図13】本発明の第5の実施例を示すカラー磁気プリ
ンタ装置における磁気記録手段の要部拡大図である。
【図14】本発明の第6の実施例におけるカラー印刷プ
ロセスを示す図である。
【図15】本発明の第7の実施例におけるカラー印刷プ
ロセスを示す第1部分図である。
【図16】本発明の第7の実施例におけるカラー印刷プ
ロセスを示す第2部分図である。
【図17】本発明の第7の実施例におけるカラー印刷プ
ロセスを示す第3部分図である。
【図18】本発明の第8の実施例を示すカラー磁気プリ
ンタ装置の概略図である。
【図19】本発明の第8の実施例における現像プロセス
を示す図である。
【図20】本発明の第8の実施例における転写プロセス
を示す図である。
【図21】本発明の第9の実施例を示すカラー磁気プリ
ンタ装置の説明図である。
【図22】本発明の第9の実施例におけるカラー印刷プ
ロセスを示す図である。
【図23】本発明の第10の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す前半部分図である。
【図24】本発明の第10の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す後半部分図である。
【図25】本発明の第11の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す第1部分図である。
【図26】本発明の第11の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す第2部分図である。
【図27】本発明の第11の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す第3部分図である。
【図28】本発明の第12の実施例を示すカラー磁気プ
リンタ装置の説明図である。
【図29】本発明の第12の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す図である。
【図30】磁気記録媒体の膜面に対して垂直方向の磁化
曲線図である。
【図31】本発明の第13の実施例を示すカラー磁気プ
リンタ装置における記録用磁気ベルトの断面図である。
【図32】本発明の第13の実施例における磁気記録媒
体の磁化状態図である。
【図33】本発明の第13の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す前半部分図である。
【図34】本発明の第13の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す後半部分図である。
【図35】本発明の第14の実施例を示すカラー磁気プ
リンタ装置の説明図である。
【図36】本発明の第14の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す図である。
【図37】本発明の第15の実施例を示すカラー磁気プ
リンタ装置の説明図である。
【図38】本発明の第15の実施例におけるカラー印刷
プロセスを示す図である。
【符号の説明】
11 消去手段 12 磁気記録手段 13 第1現像器 14,51 バイアス磁界発生器 15 第2現像器 16 転写手段 17 定着手段 20,41 磁気記録媒体 20a 基板 20b〜20e 垂直磁化膜 23 用紙 30,52 第1バイアス磁界発生器 31,53 第2バイアス磁界発生器 32 第3現像器 33 第3バイアス磁界発生器 34 第4現像器 42 現像手段 45 キャリヤ 46 樹脂 M1 〜M4 残留磁化 A,A1 ,A2 ,B,B1 ,B2 ,C,D 磁性トナ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 5/16 7621−2H

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)非磁性体から成る基板の表面に垂
    直磁化膜を積層して形成された磁気記録媒体と、(b)
    該磁気記録媒体の垂直磁化膜を消磁する消去手段と、
    (c)印刷データに対応して前記磁気記録媒体の表面
    に、2値以上の残留磁化を有する磁気潜像を形成する磁
    気記録手段と、(d)前記磁気潜像に複数の色の磁性ト
    ナーをそれぞれ順に付着させてカラー磁性トナー像を形
    成する複数の現像器と、(e)前記磁気潜像に付着した
    磁性トナーの一部を取り除くバイアス磁界発生器と、
    (f)前記カラー磁性トナー像を記録媒体に転写する転
    写手段と、(g)前記記録媒体に転写されたカラー磁性
    トナー像を定着する定着手段を有することを特徴とする
    カラー磁気プリンタ装置。
  2. 【請求項2】 前記磁気記録手段がサーマル磁気ヘッド
    である請求項1に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  3. 【請求項3】 前記磁気記録手段がサーマルヘッドであ
    る請求項1に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  4. 【請求項4】 前記磁気記録手段が磁気ヘッドである請
    求項1に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  5. 【請求項5】 前記磁気記録手段が同方向の異なる大き
    さの残留磁化を有する磁気潜像を形成するものである請
    求項1に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  6. 【請求項6】 前記磁気記録手段が上下2方向の同じ大
    きさの残留磁化を有する磁気潜像を形成するものである
    請求項1に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  7. 【請求項7】 前記磁気記録手段が上下2方向の異なる
    大きさの残留磁化を有する磁気潜像を形成するものであ
    る請求項1に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  8. 【請求項8】 前記磁性トナーは、磁性粉末と樹脂を混
    合した2成分トナーで構成され、現像プロセスにおいて
    前記磁性粉末と樹脂を互いに逆極性に帯電させた請求項
    1に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  9. 【請求項9】 前記磁性トナーは、磁性粉末と樹脂を混
    合した2成分トナーで構成され、転写プロセスにおいて
    前記記録媒体と樹脂を互いに逆極性に帯電させた請求項
    1に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  10. 【請求項10】 (a)非磁性体から成る基板の表面に
    複数の垂直磁化膜を積層して形成された磁気記録媒体
    と、(b)該磁気記録媒体の垂直磁化膜を消磁する消去
    手段と、(c)印刷データに対応して前記磁気記録媒体
    の表面に、任意の値の残留磁化を有する磁気潜像を形成
    する磁気記録手段と、(d)前記磁気潜像に磁性トナー
    を付着させてカラー磁性トナー像を形成する現像器と、
    (e)前記カラー磁性トナー像を記録媒体に転写する転
    写手段と、(f)前記記録媒体に転写されたカラー磁性
    トナー像を定着する定着手段を有することを特徴とする
    カラー磁気プリンタ装置。
  11. 【請求項11】 各垂直磁化膜は、保磁力及びキュリー
    温度の少なくとも一方が互いに異なる請求項10に記載
    のカラー磁気プリンタ装置。
  12. 【請求項12】 前記磁気記録手段は、記録時に保磁力
    の小さい垂直磁化膜のみの磁化方向を変える磁気ヘッド
    である請求項11に記載のカラー磁気プリンタ装置。
  13. 【請求項13】 前記磁気記録手段は、記録時にキュリ
    ー温度の低い垂直磁化膜のみの磁化方向を変えるサーマ
    ル磁気ヘッドである請求項11に記載のカラー磁気プリ
    ンタ装置。
  14. 【請求項14】 (a)非磁性体から成る基板の表面に
    垂直磁化膜を積層して形成された磁気記録媒体と、
    (b)該磁気記録媒体の垂直磁化膜を消磁する消去手段
    と、(c)印刷データに対応して前記磁気記録媒体の表
    面に、大きさ及び磁化方向の異なる残留磁化を有する磁
    気潜像を形成する磁気記録手段と、(d)前記磁気潜像
    に複数の色の磁性トナーをそれぞれ順に付着させてカラ
    ー磁性トナー像を形成する複数の現像器と、(e)前記
    磁気潜像に磁性トナーを付着させる時にバイアス磁界を
    印加するバイアス磁界発生器と、(f)前記カラー磁性
    トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、(g)前記
    記録媒体に転写されたカラー磁性トナー像を定着する定
    着手段を有することを特徴とするカラー磁気プリンタ装
    置。
JP23060792A 1992-08-28 1992-08-28 カラー磁気プリンタ装置 Pending JPH06318011A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23060792A JPH06318011A (ja) 1992-08-28 1992-08-28 カラー磁気プリンタ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23060792A JPH06318011A (ja) 1992-08-28 1992-08-28 カラー磁気プリンタ装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06318011A true JPH06318011A (ja) 1994-11-15

Family

ID=16910410

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23060792A Pending JPH06318011A (ja) 1992-08-28 1992-08-28 カラー磁気プリンタ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06318011A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0743925A (ja) * 1993-07-21 1995-02-14 Nipson 磁気グラフィックプリンタ用媒体およびかかる媒体の使用

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0743925A (ja) * 1993-07-21 1995-02-14 Nipson 磁気グラフィックプリンタ用媒体およびかかる媒体の使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS60158475A (ja) 多重画像記録方法
US4734708A (en) Magnetic recording medium and magnetic recording method
JPH06318011A (ja) カラー磁気プリンタ装置
US4480258A (en) Magnetic recording medium
JP3449497B2 (ja) カラー画像形成装置
US4544574A (en) Method of manufacturing a magnetic recording medium
US3823406A (en) Methods, apparatus and media for magnetically recording information
US4621269A (en) Magnetic recording arrangement for thermographic printing apparatus
EP0068330B1 (en) Process for generating a latent magnetic image
EP0459411A2 (en) Magnetic recording medium
EP0177941A2 (en) Dropout-free magnetic printing plate
JP3069459B2 (ja) 熱磁気記録方法および熱磁気印写装置
JPS6225082A (ja) プリント方法
JPH0431871A (ja) 熱磁気記録媒体
JPS61126577A (ja) 多色記録装置
JPS63197968A (ja) 多色記録装置
JPS5811179A (ja) 磁気記録用ヘツドアレイ
JPH04184471A (ja) 磁気記録媒体及び磁気記録装置
JPS58136054A (ja) 多色記録方法
JPS59177563A (ja) 磁気記録体
JPH079165Y2 (ja) カラ−電子写真の記録装置
JP3065335B2 (ja) 熱磁気記録媒体
JPS6168285A (ja) 印刷方法
JPH0246940B2 (ja) Jikikirokutai
JPS58140757A (ja) 記録方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 19991214