JPH06316223A - パワーユニットのマウント装置 - Google Patents

パワーユニットのマウント装置

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JPH06316223A
JPH06316223A JP27638393A JP27638393A JPH06316223A JP H06316223 A JPH06316223 A JP H06316223A JP 27638393 A JP27638393 A JP 27638393A JP 27638393 A JP27638393 A JP 27638393A JP H06316223 A JPH06316223 A JP H06316223A
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JP
Japan
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resonance frequency
plate
power unit
vibration
vibrating plate
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JP27638393A
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English (en)
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Naoki Ikeda
直樹 池田
Shin Takehara
伸 竹原
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ないエネルギで大きな制振効果を得ること
ができるパワーユニットのマウント装置を提供する。 【構成】 パワーユニットと車体との間に介装され、か
つ該パワーユニットから入力される振動を打消すための
振動を発生させる加振板11を備えてなるパワーユニッ
トのマウント装置において、加振板11を加振駆動する
加振板駆動手段と、記加振板11の共振周波数を、該加
振板の加振周波数域の内の所定周波数に設定する共振周
波数設定手段とを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のパワーユニット
を車体に取付けるためのマウント装置に関し、特に、パ
ワーユニットからマウント装置に入力される振動に対し
同一振幅で逆位相の振動をマウント装置に発生させるこ
とにより、上記入力される振動を打消すように構成され
たパワーユニットのマウント装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両のパワーユニットに連結
される取付け部材と、車体フレームに連結されるベース
部材とを、弾性変形可能な弾性部材で結合し、かつ本体
内部に室を形成して、この室内に液体または気体等の流
体を封入するとともに、ベース部材にダイヤフラムを付
設し、さらに本体内部の流体室(主室)とダイヤフラム
室(副室)とをオリフィスを介して連通して、このオリ
フィスを通る流体の移動により、振動を減衰させるよう
にした二室型マウント装置が知られている。
【0003】また、上記構成に加えて、本体の流体室壁
に第2のダイヤフラムを付設して第2のダイヤフラム室
を形成し、かつ上記第2のダイヤフラムに質量体を付設
して、この質量体をダイナミックダンパとして作用させ
て、振動をさらに減衰させるとともに、上記第2のダイ
ヤフラム室に気体または液体を充填した二室型マウント
装置も知られている(特開昭59−110935号公報
参照)。そして、上記第2のダイヤフラム室内の圧力は
必要に応じて調整可能とされている。
【0004】さらに、上記質量体を、磁性材により形成
された加振板とするとともに、この加振板に近接配置さ
れた電磁コイルに交流電流を流すことにより、パワーユ
ニットからマウント装置に入力される振動に対し同一振
幅で逆位相の振動を上記加振板に発生させて流体を振動
させ、これにより、入力される振動を打消すようにした
二室型マウント装置も知られている(実公平4−394
81号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、加振板を駆
動して、パワーユニットからマウント装置に入力される
振動に対し同一振幅で逆位相の振動を上記加振板に発生
させることにより、入力される振動を打消すように構成
されたパワーユニットのマウント装置の場合、従来は、
上記加振板の共振周波数を、該加振板の加振周波数域外
に設定していた。何故ならば、加振板の共振周波数を、
該加振板の加振周波数域内に設定すると、加振板駆動制
御の追従性が低下するのみでなく、制御が不安定になる
等の問題が生じるとされていたからである。
【0006】しかしながら、加振板の共振周波数を該加
振板の加振周波数域外に設定した場合、加振板の駆動に
多大のエネルギを必要とするという難点があった。
【0007】上述の事情に鑑み、本発明は、加振板駆動
制御の追従性のが低下を防止しつつ、少ないエネルギで
大きな制振効果を得ることができるパワーユニットのマ
ウント装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるパワーユニ
ットのマウント装置は、上記加振板を加振駆動する加振
板駆動手段と、上記加振板の共振周波数を、該加振板の
加振周波数域内の所定周波数に設定する共振周波数設定
手段とを備えてなることを特徴とするものである。
【0009】上記共振周波数設定手段は、上記加振板の
共振周波数を、上記パワーユニットに発生する振動の振
幅が最も大きい周波数に設定することを特徴とするもの
である。
【0010】上記共振周波数設定手段は、上記加振板の
共振周波数を変更する共振周波数変更手段よりなる。
【0011】上記共振周波数変更手段は、上記加振板の
支持剛性を変更する手段よりなるものであっても、ある
いは、上記加振板の質量を変更する手段よりなるもので
あってもよい。
【0012】上記加振板駆動手段と上記共振周波数変更
手段とは、同時に、あるいは選択的に作動される。両手
段が同時に作動される場合は、上記共振周波数変更手段
により上記加振板の共振周波数がエンジン回転数および
/または車速に応じて変更される。また、両手段が選択
的に作動される場合は、エンジン回転数および/または
車速に応じて選択される。すなわち、エンジン回転数が
低いときには上記共振周波数変更手段が作動され、エン
ジン回転数が高いときには上記加振板駆動手段が作動さ
れる。また、車速が低いときには上記共振周波数変更手
段が作動され、車速が高いときには上記加振板駆動手段
が作動される。
【0013】
【作用および発明の効果】本発明によるパワーユニット
のマウント装置は、加振板の共振周波数を、該加振板の
加振周波数域内の所定周波数に設定する共振周波数設定
手段を備えているから、僅かな入力エネルギをもって大
きな加振力を得ることができ、これによって、パワーユ
ニットのマウント装置による制振作用を向上させること
ができる。また、本発明によれば、加振板を加振駆動す
る加振板駆動手段と、上記加振板の共振周波数を変更す
る共振周波数変更手段との双方を備えているから、これ
らの手段を車両の走行状態に応じて使い分けることによ
って、優れた制振効果を得ることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は本発明の一実施例に係わるマウント装置の
全体構成を示す図である。
【0015】符号1で示されているマウント本体1は、
車体側に固定されるカップ状のベース部材3と、パワー
ユニット側に連結される円筒状の取付け部材4と、ベー
ス部材3の上端に形成されたフランジ3a上に固定され
るフランジ5aを下端に備えた切頭円錐状の仕切り板5
と、該仕切り板5と取付け部材4とを結合する逆傘状の
弾性部材6とによって構成されている。上記ベース部材
3の底部には、車体フレームに固定される取付けボルト
2が垂設されている。さらに、ベース部材3にはダイヤ
フラム7が付設され、仕切り板5にはオリフィス8が形
成されている。
【0016】パワーユニットに連結される取付け部材4
の上部は、蓋部材9によって蓋をされている。また、取
付け部材4の内周壁面には、上記蓋部材9の下面から所
定距離を隔てて、かつこの取付け部材4の内周壁面に沿
って、凸縁部4aが環状に形成されている。そして、磁
性円板よりなる加振板11が、その周縁部を弾性材(サ
ポ−トゴム)10を介して上記凸縁部4aに振動可能に
支持された態様で設けられ、これによって、蓋部材9の
下面と加振板11の上面と取付け部材4の内周壁面とに
よって囲まれた中空室12が形成されている。
【0017】中空室12の下方には、ともに作動液の満
された主室13と副室(ダイヤフラム室)14とが形成
されている。主室13は、加振板11の下面と取付け部
材4の内周壁面と弾性部材6と仕切り板5とによって周
囲を囲まれて形成されている。また、副室14は、仕切
り板5とダイヤフラム7とによって周囲を囲まれて形成
されている。主室13と副室14とは、仕切り板5に形
成されたオリフィス8を通じて互いに連通している。
【0018】上記蓋部材9には、加振板11に対抗して
磁性板15が埋設され、さらにこの磁性板15の周囲
に、アクチュエ−タとしての励磁用の電磁コイル16が
配設されている。また、蓋部材9には、中空室12内に
圧縮空気を供給するための導管32が接続され、上記中
空室12は、蓋部材9を貫通するエア通路17を通じて
上記導管32に連通している。
【0019】上記電磁コイル16に対しては、パワーユ
ニットからマウント本体1に入力される振動に応じた周
波数と振幅および位相を有する交流励磁電流が駆動電源
部20から供給され、これにより、加振板11が、パワ
ーユニットからマウント装置に入力される振動に対し同
一振幅で逆位相の振動を発生して作動液を振動させ、入
力される振動を打消すように構成されている。
【0020】次に、駆動電源部20の一例構成について
説明する。
【0021】この駆動電源部20は、その制御信号Sを
生成するためのアルゴリズムとして、最小二乗法(Le
ast Mean Square Method,LM
S)の適応アルゴリズムを用いている。この駆動電源部
20は、デジタルフィルタ21と、収束係数算出回路2
2と、乗算器23と、適応フィルタ24とからなる演算
部を備えている。
【0022】上記デジタルフィルタ21は、演算部から
制御信号Sが出力された後にこの制御信号Sにより加振
板11が駆動制御された結果、車体フレームの振動に変
化があり、この変化がエラーセンサ25で検出されてそ
の検出信号mが演算部に入力されるまでの伝達関数Hを
モデル化したデジタルフィルタである。
【0023】上記収束係数算出回路22は、エラーセン
サ25からの信号に応じてフィルタ係数を書き替えるた
めの収束係数αを算出する回路である。そして、デジタ
ルフィルタ21の伝達関数Hの出力と、収束係数算出回
路22の出力とは、乗算器23で乗算されて適応フィル
タ24に与えられる。
【0024】適応フィルタ24は、乗算器23の出力ご
とにその出力値に基づいてフィルタ係数を逐次更新し、
その更新後のフィルタ係数に基づいて、リファレンス信
号rとは逆位相で同振幅の制御信号Sを出力する。リフ
ァレンス信号rは、リファレンス信号発生器26におい
て、エンジン回転数に基づいて発生される。適応フィル
タ24から出力される制御信号Sは出力調整手段27に
よって励磁電流に変換されて、この励磁電流が電磁コイ
ル16に供給されるようになっている。
【0025】また、上記中空室12内の空気圧を調整し
て加振板11の支持剛性を変更し、これによって加振板
11の共振周波数を可変するための共振周波数変更手段
30が設けられている。この共振周波数変更手段30
は、空気を圧縮するコンプレッサ31と、このコンプレ
ッサ31と上記中空室12に連通するエア通路17との
間を連結する導管32に介設された第1および第2の2
ポート2位置電磁切替え弁33,34と、中空室12内
の空気圧を検出すべく導管32に取付けられた圧力セン
サ35と、この圧力センサ35の出力に基づいてコンプ
レッサ31および電磁切替え弁33,34を駆動して中
空室12内の空気圧を調整する空気圧調整手段36とを
備えている。なお、37はアキュムレータ、38はエア
フィルタである。
【0026】図1では、電磁切替え弁33,34がとも
にOFF状態にあり、これによって、中空室12内の空
気圧が保持されている。そして、電磁切替え弁33,3
4がともにONになると、中空室12がコンプレッサ3
1に連通されて、中空室12内の空気圧が高められ、ま
た、電磁切替え弁33のみがONになると、導管32が
大気に開放されて、中空室12内の空気圧が低められ
る。このように、中空室12内の空気圧の調整によって
加振板11の支持剛性が変更され、図2に示すように、
加振板11の共振周波数fn が中空室12内の空気圧の
平方根にほぼ比例して変更される。
【0027】さらに、上記駆動電源部20の出力調整手
段27と上記共振周波数変更手段30の空気圧調整手段
36とを制御するコントローラ(制御手段)39が設け
られている。コントローラ39は、エンジン回転数,車
速および中空室12内の空気圧等に応じて、出力調整手
段27および空気圧調整手段36とを制御するようにな
っている。
【0028】図3は、共振周波数変更手段の他の構成を
示す図である。
【0029】この共振周波数変更手段30′は、加振板
11の質量を変更することにより、加振板11の共振周
波数を変更するものである。
【0030】すなわち、可変質量体としての液体が導出
入される偏平な容器40が加振板11に添設されるとと
もに、中空室12は密閉状態とされる。そして、容器4
0内に液体を導出入するために、リザーバ47から液体
を汲み上げるポンプ41と、このポンプ41と上記容器
40との間を連結する導管42に介設された第1および
第2の2ポート2位置電磁切替え弁43,44と、導管
42を流れる液体の流量を検出すべく導管42に取付け
られた流量センサ45と、加振板質量調整手段46とを
備えている。加振板質量調整手段46は、流量センサ4
5の出力に基づいてポンプ41および電磁切替え弁4
3,44を駆動し、容器40内の液量を調整し、これに
よって加振板11の質量を調整する機能を有する。
【0031】共振周波数変更手段30′における電磁切
替え弁43,44の動作は、図1における電磁切替え弁
33,34の動作と同様であるから、その説明は省略す
る。図4は、マウント本体1の等価回路を示す図であ
る。この図4に示す等価回路の各種ファクタから、加振
板11の共振周波数fn が(19)式に示すように設定
される。
【0032】ここで、 K0 :支持ばね剛性 KV :加振板支持
剛性 C0 :支持ばね減衰係数 mV :加振板質量 AS :主室受圧面積 AV :加振板面積 AE :拡張受圧面積 P1 :主室内圧力 AD :副室受圧面積 P2 :副室内圧力 KE :主室拡張ばね剛性 FV :アクチュエ
−タ加振力 CE :主室拡張ばね減衰係数 x :マウント変
位入力 KD :副室拡張ばね剛性 xE :主室拡張変
位量 a :オリフィス断面積 xD :副室拡張変
位量 L :オリフィス長さ y :オリフィス
内流体変位量 m :オリフィス内流体質量 z :加振板変位
量(振幅) COR:オリフィス減衰係数 とする。
【0033】先ず、アクチュエ−タ加振力FV を求め
る。このFV は下記の(1)式で表される。
【0034】 FV =mV 2 z/dt+KV dz/dt+P1 E (1) 拡張ばねの力の釣り合いにより、 KE E =AE 1 (2) KD D =AD 2 (3) 流量の釣り合いにより、 AS x+AV z=AE E +ay (4) ay=AD D (5) オリフィス内運動方程式は、下記の(6)式で表され
る。
【0035】 md2 y/dt+CORdy/dt+a(P2 −P1 )=0 (6) (2)式から P1 =KE E /AE (2′) (3)式から P2 =KD D /AD (3′) (4)式から xE =(AS x+AV z−ay)/AE (4′) (5)式から xD =ay/AD (5′) (4′)式を(2′)式に代入すると、 P1 =(KE /AE ){(AS x+AV z−ay)/AE } (7) (5′)式を(3′)式に代入すると、 P2 =(KD /AD )(a/AD )y (8) (7)式および(8)式を(6)式に代入すると、 md2 y/dt+CORdy/dt+{(a2 D /AD 2 ) +(a2 E /AE 2 )}y =(aAS /AE 2 )KE x+(aAV /AE 2 )KE z (9) (4′)式を(1)式に代入すると、 FV =mV 2 z/dt+KV dz/dt+KE E =mV 2 z/dt+KV dz/dt +KE (AS x+AV z−ay)/AE (10) (9)式をラプラス変換することにより、 〔ms2 +CORs+{(a2 D /AD 2 )+(a2 E /AE 2 )}〕 ×Y(S) =(aAS /AE 2 )KE (S) +(aAV /AE 2 )KE (S) =(aKE /AE 2 )(AS (S) +AV (S) ) (11) (10)式をラプラス変換して変形すると、 〔mV 2 +KV +AV E /AE 〕Z(S) =FV (S) −(KE /AE )(AS (S) −aY(S) ) (12) (12)式より、 z={1/(−mV ω2 +KV +AV E /AE )} ×{FV −(KE /AE )(AS x−ay)} (13) (11)式より、 y={1/(−mω2 +CORiω+(a2 D /AD 2 ) +a2 E /AE 2 )} ×{(aKE /AE 2 )(AS x+AV z)} ={1/((−AS 2 mω2 /a2 )+(AS 2 ORiω/a2 ) +(AS 2 D /AD 2 )+(AS 2 E /AE 2 ))} ×(AS 2 E /AE 2 )(AS x+AV z) (14) ここで、M=AS 2 m/a2 ,C=AS 2 OR/a2
1 =AS 2 E /AE 2 ,K2 =AS 2 D /AD 2
と置くと、(14)式から、 y={1/(K1 +K2 −Mω2 +Ciω)}K1 (AS x+AV z) (15) また、K1 =AS 2 E /AE 2 であるから、KE =A
E 2 1 /AS 2 となる。
【0036】したがって、(13)式より、 z={1/((AS 2 V /AV 2 )+(AE 1 /AV ) −(AS 2 V ω2 /AV 2 ))}{(AS 2 V /AV 2 ) −(AE 1 /AV )((AS x/AV )−(ay/AV ))} (16) ここで、MV =AS 2 V /AV 2 ,K3 =AS 2 V
/AV 2 と置くと、(16)式から、 z={1/(K3 +(AE 1 /AV )−MV ω2 )} ×{(AS 2 V /AV 2 ) −(AE 1 /AV )((AS x/AV )−(ay/AV ))} (17) 加振板11の共振周波数fn およびその角速度ωn を求
めると、 ωn 2 =(K3 +AE 1 /AV )/MV =(KV +AV E /AE )/mV となるから、 ωn ={(KV +AV E /AE )/mV 1/2 (18) fn =(1/2π){(KV +AV E /AE )/mV 1/2 (19) すなわち、(19)式から明らかなように、加振板支持
剛性KV 、主室拡張ばね剛性KE 、加振板質量mV 等の
パラメ−タの選定により、加振板11の共振周波数fn
を制御対象周波数に設定することができる。そして、図
1の構成においては、中空室12内のエア圧の調整によ
り、加振板支持剛性KV が可変されることによって、加
振板11の共振周波数fn が変更される。また、図3の
構成においては、加振板11の質量mV が可変されるこ
とによって、加振板11の共振周波数fn が変更される
ようになっている。
【0037】上記制御対象周波数は、例えば、直列4気
筒エンジンの場合、振動振幅が最も大きいアイドル回転
(600〜900rpm )時におけるエンジン振動を抑制
するためには、アイドル回転周波数の2次周波数に設定
される。
【0038】図5は共振周波数fn と、振動倍率z/z
0 の関係を示すグラフである。z0 、加振板11に対
し、静的に力F0 (入力振幅)が加えられたときの撓み
量であり、z0 =F0 /KV で表される。
【0039】図6は、コントロ−ラ39が、駆動電源部
20の出力調整手段27と共振周波数変更手段30の空
気圧調整手段36とを、エンジン回転数に応じて同時に
制御する場合の共振周波数変更手段30の制御ル−チン
を示すフロ−チャ−トである。この場合、加振板11の
共振周波数fn を加振板11の加振周波数に近付けるこ
とによって、少ない電磁エネルギをもって大きな加振力
をうることができる。なお、Sは各ステップを表す。
【0040】先ず、エンジン回転数を読み込み(S
1)、次に、例えば1000rpm 以下の低回転領域(ア
イドル領域)であるか否かを判定する(S2)。そし
て、低回転領域であれば(S2:YES)、加振板11
の共振周波数fn を低下させて、制御対象周波数に近付
ける(S3)。また、低回転領域でなければ(S2:N
O)、例えば4000rpm 以上の高回転領域であるか否
かを判定し(S2)、高回転領域であれば(S4:YE
S)、加振板11の共振周波数fn を上昇させる(S
5)。なお、この制御に際しては、ハンチングを防止す
るために、エンジン回転数に対する加振板11の共振周
波数特性に適当なヒステリシスを持たすことが好まし
い。
【0041】図7は、コントローラ39が、上記駆動電
源部20の出力調整手段27と上記共振周波数変更手段
30の空気圧調整手段36とを、エンジン回転数および
車速に基づいて同時に制御する場合の共振周波数変更手
段30の制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0042】この制御ルーチンでは、エンジン回転数お
よび車速を読込み(S11,S12)、次に、加振板1
1の共振周波数fn を図示のマップから設定する(S1
3)。
【0043】図8のフローチャートは、上記加振板11
の電磁加振手段と上記共振周波数変更手段30または3
0′とを、択一的に作動させる場合に、コントローラ3
9が実行する制御のメインルーチンを示す。この場合、
共振周波数変更手段30または30′のみが作動されて
いるときには、電磁的に駆動されない加振板11がダイ
ナミックダンパとしての機能を有する。
【0044】先ず、各種データを読込み(S21)、こ
れらデータに基づいて、電磁加振手段を作動させるべき
か、共振周波数変更手段を作動させるべきか、あるいは
両手段とも停止させるべきかの判定を行う(S22)。
そしてこの判定結果を調べ(S23,S24)、その判
定結果に従って、S25〜S27のうちのいずれかを選
択する。
【0045】図8のS22における処理の内容の一例を
図9に示す。
【0046】先ず、所定値以上のG入力があるか否かを
調べ(S31)、所定値以上のG入力がないときには
(S31:NO)、S32〜S34の判定を行なう。す
なわち、エンジン回転数が2000rpm よりも低いか否
か(S32)、車速が40kmよりも低いか否か(S3
3)、および車体の加速度が所定値よりも低いか否かを
それぞれ判定する(S34)。そして、S32〜S34
の判定がすべてYESのときには、共振周波数変更手段
30または30′を作動させるべきであると判定する
(S35)。また、S32〜S34の判定のうちのいず
れかがNOのときには、電磁加振手段を作動させるべき
であると判定する(S36)。一方、所定値以上のG入
力があるときには(S31:YES)、両手段を停止さ
せるべきであると判定する(S37)。
【0047】図8のS22における処理の内容の他の例
を図10に示す。
【0048】図10では、先ず悪路判定を行ない(S4
1)、悪路でなければ(S41:NO)、エンジン回転
数の特定次数成分が所定周波数以上であるか否かを判定
し(S42)、特定次数成分が所定周波数未満のとき
(S42:NO)、共振周波数変更手段を作動させるべ
きであると判定する(S43)。また、エンジン回転数
の特定次数成分が所定周波数以上であるときは(S4
2:YES)電磁加振手段を作動させるべきであると判
定する(S44)。さらに、悪路と判定されたときには
(S41:YES)、両手段を停止させるべきであると
判定する(S45)。
【0049】このように、2つの制御手段を使い分ける
ことにより、電磁加振手段の負荷を高めることなく、制
御効果を高めることができる。そして、本実施例では、
その制御信号Sの生成のアルゴリズムとして、最小二乗
法(LMS)の適応アルゴリズムを用いていることによ
って、加振板11の共振周波数fn を制御対象周波数に
近付けるように制御しているにも拘らず、制御の追従性
を高めることが可能になる。
【0050】なお、上記2つの制御手段を選択的に用い
る代わりに、両手段の比率制御を行なってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の構成図
【図2】空気圧と加振板の共振周波数との関係を示すグ
ラフ
【図3】加振板の共振周波数変更手段の他の例を示す構
成図
【図4】マウント本体の等価回路図
【図5】加振板の共振周波数と振動倍率との関係を示す
グラフ
【図6】制御ルーチンを示すフローチャート
【図7】制御ルーチンを示すフローチャート
【図8】制御ルーチンを示すフローチャート
【図9】サブルーチンを示すフローチャート
【図10】サブルーチンを示すフローチャート
【符号の説明】
1 マウント本体 7 ダイヤフラム 8 オリフィス 11 加振板 12 中空室 15 磁性板 16 電磁コイル 20 駆動電源部 30 共振周波数変更手段 36 空気圧調整手段 46 加振板質量調整手段

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パワーユニットと車体との間に介装さ
    れ、かつ該パワーユニットから入力される振動を打消す
    ための振動を発生させる加振板を備えてなるパワーユニ
    ットのマウント装置において、 上記加振板を加振駆動する加振板駆動手段と、 上記加振板の共振周波数を、該加振板の加振周波数域内
    の所定周波数に設定する共振周波数設定手段と、を備え
    てなることを特徴とするパワーユニットのマウント装
    置。
  2. 【請求項2】 上記共振周波数設定手段は、上記加振板
    の共振周波数を、上記パワーユニットに発生する振動の
    振幅が最も大きい周波数に設定することを特徴とする請
    求項1記載のパワーユニットのマウント装置。
  3. 【請求項3】 上記共振周波数設定手段は、上記加振板
    の共振周波数を変更する共振周波数変更手段よりなるこ
    とを特徴とする請求項1記載のパワーユニットのマウン
    ト装置。
  4. 【請求項4】 上記共振周波数変更手段は、上記加振板
    の支持剛性を変更する手段よりなることを特徴とする請
    求項3記載のパワーユニットのマウント装置。
  5. 【請求項5】 上記共振周波数変更手段は、上記加振板
    の質量を変更する手段よりなることを特徴とする請求項
    3記載のパワーユニットのマウント装置。
  6. 【請求項6】 上記加振板駆動手段と上記共振周波数変
    更手段とを同時に制御する制御手段を備えてなることを
    特徴とする請求項3記載のパワーユニットのマウント装
    置。
  7. 【請求項7】 上記制御手段は、上記加振板の共振周波
    数をエンジン回転数に応じて変更することを特徴とする
    請求項6記載のパワーユニットのマウント装置。
  8. 【請求項8】 上記制御手段は、上記加振板の共振周波
    数を車速に応じて変更することを特徴とする請求項6記
    載のパワーユニットのマウント装置。
  9. 【請求項9】 上記加振板駆動手段と上記共振周波数変
    更手段とを所定状態に応じて選択的に作動させる制御手
    段を備えてなることを特徴とする請求項3記載のパワー
    ユニットのマウント装置。
  10. 【請求項10】 上記制御手段は、エンジン回転数が低
    いときには上記共振周波数変更手段を作動させ、エンジ
    ン回転数が高いときには上記加振板駆動手段を作動させ
    ることを特徴とする請求項9記載のパワーユニットのマ
    ウント装置。
  11. 【請求項11】 上記制御手段は、車速が低いときには
    上記共振周波数変更手段を作動させ、車速が高いときに
    は上記加振板駆動手段を作動させることを特徴とする請
    求項9記載のパワーユニットのマウント装置。
JP27638393A 1993-01-25 1993-11-05 パワーユニットのマウント装置 Pending JPH06316223A (ja)

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JP27638393A JPH06316223A (ja) 1993-03-10 1993-11-05 パワーユニットのマウント装置
US08/188,337 US5628499A (en) 1993-01-25 1994-01-25 Counter vibration generating power unit mounting device
DE4402086A DE4402086A1 (de) 1993-01-25 1994-01-25 Befestigungsvorrichtung für ein Antriebsaggregat

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JP4918493 1993-03-10
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006349028A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Tokai Rubber Ind Ltd 能動型防振装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006349028A (ja) * 2005-06-15 2006-12-28 Tokai Rubber Ind Ltd 能動型防振装置
US7756619B2 (en) 2005-06-15 2010-07-13 Tokai Rubber Industries, Ltd. Active vibration insulator

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