JPH063144U - 車両用シートのランバーサポート装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 腰部の支持部分を上下に調整可能とし、体格
や座り方の個人差に広く対応し得る車両用ランバーサポ
ート装置を提供する。 【構成】 シートクッション２側に立設した支持体４
に、モータ１４を駆動源としてスライダ１５を上下動さ
せる昇降機構１６を設けると共に、腰部のサポート部６
を備えたシートバック５に前記スライダ１５を一体的に
設けた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、車両の運転者や乗客の最適な着座姿勢を得るのに用いられる装置に 関し、とくに、腰部を支持するのに用いられる車両用シートのランバーサポート 装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

この種のランバーサポート装置としては、シートバックの腰部に対応する部分 を膨出状態に形成した固定式のものや、シートバック内にサポート板や空気袋を 収容した可動式のものがある。近年では、可動式のものが多く用いられており、 これらのランバーサポート装置は、サポート板を前後に移動させたり、空気袋の 膨脹の度合いを変えたりすることにより、シートバックの腰部に対応する部分の 膨出量を調整するようになっていた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来のランバーサポート装置にあっては、シートバックに おける腰部支持用の膨出部分が一定の高さに限られているため、体格や座り方の 個人差に充分に対応し得るとは言い難い面があり、機能をより高めるうえでの改 善が望まれていた。

【０００４】

【考案の目的】

本考案は、上記したような従来の状況に鑑みて成されたもので、腰部の支持部 分を上下に調整可能とし、体格や座り方の個人差に広く対応することができる車 両用シートのランバーサポート装置を提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案に係わる車両用シートのランバーサポート装置は、請求項１において、 シートクッション側に立設した支持体に、モータを駆動源としてスライダを上下 動させる昇降機構を設けると共に、腰部のサポート部を備えたシートバックに、 前記スライダを一体的に設けた構成としており、また、請求項２において、シー トクッション側に立設した支持体に、モータを駆動源としてスライダを上下動さ せる昇降機構を設けると共に、前記スライダに、シートバック内に収容される腰 部のサポート体を装着した構成としており、これらの構成を課題を解決するため の手段としている。

【０００６】

【考案の作用】

本考案の請求項１に係わる車両用シートのランバーサポート装置では、モータ により昇降機構を駆動すると、スライダとともにシートバックが上下動し、この シートバックにおけるサポート部の高さ調整が行われることとなる。

【０００７】 また、本考案の請求項２に係わる車両用シートのランバーサポート装置では、 モータにより昇降機構を駆動すると、スライダとともにシートバック内のサポー ト体が上下動し、前記サポート体による腰部支持部分の高さ調整が行われること となる。

【０００８】

【実施例】

図１および図２は、本考案の請求項１に係わる車両用シートのランバーサポー ト装置の一実施例を示す図である。

【０００９】 車両用シート１は、シートクッション２のベース３の後部両側に、一対の支持 体４，４を立上り状態に備えると共に、これらの支持体４，４にシートバック５ を装着した構成になっている。

【００１０】 前記シートバック５は、正面（図１では左側の面）の下側に、膨出状態に形成 した腰部のサポート部６を備えると共に、内部背面側に、該シートバック５の上 下左右の辺に対応して矩形枠状に形成したフレーム７が設けてあり、上部にはヘ ッドレスト８を備えている。

【００１１】 前記各支持体４は、左右で対称的に構成してあって、前記シートクッション２ のベース３に固定される第１ブラケット１１に、リクライニング用の軸部材９を 介して第２ブラケット１２を連結し、この第２ブラケット１２に、シートバック ５の側部に挿設される支持板１０を固定した構成になっている。また、左右の軸 部材９，９は、リクライニング時の回動中心となるロッド１３で連結してある。

【００１２】 前記シートバック５内における両支持板１０，１０の間には、モータ１４を駆 動源としてスライダ１５を上下動させる昇降機構１６が収容してある。この昇降 機構１６は、上記のモータ１４およびスライダ１５のほかに、両支持板１０，１ ０の下端部間に設けた横の回転伝達用シャフト１７、および両支持板１０，１０ の互いの対向面において各々保持された縦のスクリューシャフト１８，１８を備 えている。

【００１３】 前記回転伝達用シャフト１７は、一方の支持板１０に固定された前記モータ１ ４の減速機構部１９を貫通していると共に、各支持板１０，１０の下端部に固定 した伝達機構部２０，２０に両端が連結してある。これらの伝達機構部２０には 、組合わされた複数の歯車類からなる減速機構が内蔵されており、横軸回りの回 転を縦軸回りの回転に変換する。

【００１４】 前記各スクリューシャフト１８は、支持板１０に固定した２個の軸受２１，２ １により、上端部と中間部が回動自在に保持されていると共に、下端部が前記伝 達機構部２０に連結してあり、さらに、両軸受２１，２１の間、および下側軸受 ２１と伝達機構部２０の間において、２個のスライダ１５，１５が螺合している 。したがって、この実施例では、左右で合計４個のスライダ１５を用いている。

【００１５】 また、各スライダ１５は、先述したシートバック５内のフレーム７に固定して ある。これにより、各スライダ１５は、フレーム７を介して、シートバック５に 一体的に設けられた状態になっている。

【００１６】 上記構成を備えた車両用シート１のランバーサポート装置は、昇降機構１６に おいてモータ１４を作動させると、減速機構部１９を貫通する回転伝達用シャフ ト１７が回転すると共に、その両端の伝達機構部２０，２０によって両スクリュ ーシャフト１８，１８が同時に回転することとなり、各スクリューシャフト１８ ，１８に螺合しているスライダ１５が上下動する。これにより、図１に実線およ び仮想線で示すようにシートバック５全体が上下動し、シートバック５における サポート部６の高さ調整が無段階で成されることとなる。

【００１７】 図３は、本考案の請求項１に係わる車両用シートのランバーサポート装置の他 の適用例を示す図である。なお、先の実施例と同一の構成部位は、同一符号を付 して説明を省略する。

【００１８】 この車両用シート２１は、シートバック２５が本体部２２とその下側の関節部 ２３とで構成してあって、前記本体部２２と関節部２３は互いに回動可能に連結 してあり、双方の折曲がり部分によって膨出状態の腰部サポート部２６を形成す るようになっている。

【００１９】 上記の車両用シート２１のランバーサポート装置は、シートバック２５内に、 先の実施例と同様の昇降機構（図１参照）が収容してあり、その昇降機構の駆動 によってシートバック２５全体が上下動し、サポート部２６の高さ調整が成され ることとなる。

【００２０】 図４〜図９は、本考案の請求項２に係わる車両用シートのランバーサポート装 置を示す図である。

【００２１】 車両用シート３１は、シートクッション３２のベース３３の後部両側に、一対 の支持体３４，３４が立設してあると共に、これらの支持体３４，３４にシート バック３５を装着した構成になっている。

【００２２】 前記シートバック３５は、内部背面側に、該シートバック３５の上下左右の辺 に対応して矩形枠状に形成したフレーム３７が設けてあり、上部にはヘッドレス ト３８を備えている。

【００２３】 前記各支持体３４は、左右で対称的に構成してあって、前記シートクッション ３２のベース３３に固定される第１ブラケット４１に、リクライニング用の軸部 材３９を介して第２ブラケット４２を連結し、この第２ブラケット４２に、シー トバック３５内に挿設される支持板４０を固定した構成になっている。前記支持 板４０は、シートバック３５の側面に対応する側壁部４０ａと、シートバック３ ５の中心方向に延出する張出し壁部４０ｂとを有し、前記側壁部４０ａと張出し 壁部４０ｂとの連結部分に前記フレーム３７の縦の部分が固定してある。

【００２４】 前記シートバック３５内における両支持板４０，４０の間には、モータ４４を 駆動源としてスライダ４５を上下動させる昇降機構４６が収容してある。この昇 降機構４６は、上記のモータ４４およびスライダ４５のほかに、両支持板４０， ４０の張出し壁部４０ｂ，４０ｂの下端部間に設けた横の回転伝達用シャフト４ ７、および前記両張出し壁部４０ｂ，４０ｂにおいて各々保持された縦のスクリ ューシャフト４８，４８を備えている。

【００２５】 前記回転伝達用シャフト４７は、一方の支持板４０の張出し壁部４０ｂに固定 された前記モータ４４の減速機構部４９に連結してあると共に、各張出し壁部４ ０ｂ，４０ｂの下端部に固定した伝達機構部５０，５０に連結してある。これら の伝達機構部５０には、組合わされた複数の歯車類からなる減速機構が内蔵され ており、横軸回りの回転を縦軸回りの回転に変換する。

【００２６】 前記各スクリューシャフト４８は、支持板４０の張出し壁部４０ｂに固定した 軸受け４３によって上端部が回動自在に保持されていると共に、下端部が前記伝 達機構部５０に連結してあり、さらに、中間部分に前記スライダ４５が螺合して いる。したがって、この実施例では、左右２個のスライダ４５を用いている。

【００２７】 上記の両スライダ４５，４５には、シートバック３５内に収容される腰部のサ ポート体３６が装着してある。この実施例では、前記両スライダ４５，４５間に 、横長の矩形状に形成された支持枠５１が掛渡した状態で設けてあると共に、前 記支持枠５１に基板５２が固定してあり、この基板５２に配設した進退機構５３ に前記サポート体３６が取付けてある。

【００２８】 前記進退機構５３は、駆動源となるモータ５４と、このモータ５４の減速機構 部５５に貫通状態で設けられた横の回転伝達軸５６と、左右一対の伝達機構部５ ７，５７を備えている。前記両伝達機構部５７は、歯車やリードスクリュー等が 内蔵してあると共に、シートバック前方に突出する支持ロッド５８を備えており 、前記回転伝達軸５６の回転を支持ロッド５８の直線運動に変換する。

【００２９】 前記サポート体３６は、上下方向にわたって緩やかに湾曲し且つ両側部を前方 向に屈曲させた板状部材により形成してあって、左右の前記伝達機構部５７，５ ７の支持ロッド５８，５８の先端に固定してあり、シートバック３５の下部に腰 部支持用の膨出部分を形成する。

【００３０】 上記構成を備えた車両用シート３１のランバーサポート装置は、昇降機構４６ においてモータ４４を作動させると、減速機構部４９に連結した回転伝達用シャ フト４７が回転すると共に、両側の伝達機構部５０，５０によって両スクリュー シャフト４８，４８が同時に回転することとなり、各スクリューシャフト４８， ４８に螺合しているスライダ４５，４５が上下動する。これにより、図８に仮想 線および実線で示すように、進退機構５３とともにサポート体３６が上下動し、 このサポート体３６による腰部支持部分（シートバック３５の膨出部分）の高さ 調整が無段階で成されることとなる。

【００３１】 また、上記車両用シート３１のランバーサポート装置は、進退機構５３のモー タ５４を作動させると、図７中の仮想線および実線で示すように、回転伝達軸５ ６および伝達機構部５７，５７を介してサポート体３６が進退し、このサポート 体３６により腰部支持部分の膨出量の調整が成されることとなる。

【００３２】 なお、本考案の具体的な構成は、上記各実施例のみに限定されることはなく、 例えばスライダの昇降機構やサポート体の構成などを適宜変更することも可能で ある。

【００３３】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案の車両用シートのランバーサポート装置によ れば、腰部の支持部分の高さ調整を無段階で行うことができるので、体格や座り 方の個人差に充分に対応することができ、最適な着座姿勢を得るうえでの機能を 著しく向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の請求項１に係わるランバーサポート装
置を備えた車両用シートを透視状態で示す側面説明図で
ある。

【図２】図１に示す車両用シートの背面説明図である。

【図３】本考案の請求項１に係わるランバーサポート装
置の他の適用例を示す車両用シートの側面図である。

【図４】本考案の請求項２に係わるランバーサポート装
置を備えた車両用シートを透視状態で示す背面説明図で
ある。

【図５】図４に示す車両用シートの側部断面図である。

【図６】図４中のＡ−Ａ線矢視に基づく断面図である。

【図７】図４中のＢ−Ｂ線矢視に基づく断面図である。

【図８】図４中のＣ−Ｃ線矢視に基づく断面図である。

【図９】図４に示す車両用シートのシートバック部分の
水平断面図である。

【符号の説明】

１，２１，３１ 車両用シート ２，３２ シートクッション ４，３４ 支持体 ５，２５，３５ シートバック ６，２６ サポート部 １４，４４ 昇降機構のモータ １５，４５ スライダ １６，４６ 昇降機構 ３６ サポート体

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シートクッション側に立設した支持体
   に、モータを駆動源としてスライダを上下動させる昇降
   機構を設けると共に、腰部のサポート部を備えたシート
   バックに、前記スライダを一体的に設けたことを特徴と
   する車両用シートのランバーサポート装置。
2. 【請求項２】 シートクッション側に立設した支持体
   に、モータを駆動源としてスライダを上下動させる昇降
   機構を設けると共に、前記スライダに、シートバック内
   に収容される腰部のサポート体を装着したことを特徴と
   する車両用シートのランバーサポート装置。