JPH06312396A - テープカッタ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 キャリヤテープのワークを吸着後の空テープ
を所定ピッチで細断する際に切屑の飛散を防止し、カッ
タ刃の寿命を延ばす。 【構成】 カセット５から繰り出された空テープ７のテ
ープ面に直交する様に固定刃８と可動刃９の刃先が対向
する様に所定角度θ゜傾けて固定刃８と可動刃９を配置
する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は各種ワーク部品をテーピ
ングしたテープからワーク部品をピックアップした空テ
ープを細かくカッティングするためのテープカッタ装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来からプリント基板等へ実装すべき複
数のワークをテープの長手方向に沿ってテープ上に接着
テープ等で貼着したキャリヤテープをカセット内に装着
し、このキャリヤテープを引き出して実装する様に成さ
れた実装装置としては種々の型式のものが提案されてい
る。例えば、この様な実装装置としてワークのチップ抵
抗、コンデンサ、トランジスタ等をプリント用基板にマ
ウントするワークマウントの構成図を図７に示す。

【０００３】図７で１はマウント装置本体であり、この
マウント装着本体１内にはワークの例えばチップ部品供
給部１ａ、マウントヘッド部１ｂ、Ｘ−Ｙテーブル１ｃ
並に基板搬送部１ｄ等を有する。

【０００４】このマウント装置本体１はＣＰＵ等の制御
部４でコントロールされ、基板搬送部１ｄの始端にはＸ
−Ｙテーブル１ｃ上にプリント基板等を供給するための
基板供給装置２が設けられてシステム化が成される。こ
の基板供給装置２はＣＰＵ等の制御部３でコントロール
される。

【０００５】上述の構成でチップ部品供給部１ａ上には
チップ抵抗等をキャリヤテープの長手方向に沿って貼着
し、巻回してカセット内に収納した複数のカセット５が
立てられて並設されている。このカセットから引き出さ
れたキャリヤテープのワーク、即ちチップ抵抗等はマウ
ントヘッド部１ｂの１で示されるＮｏ１ステーションで
真空吸着される。

【０００６】このマウントヘッド部１ｂは１２等分され
たロータリ式のターンテーブルと成される。Ｎｏ１ステ
ーションで吸着したワークはターンテーブルを矢印で示
す時計方向に回転させることで夫々の２〜１２で示すＮ
ｏ２〜Ｎｏ１２ステーションで作業を分担し、例えば、
センタリング及びプログラムされた方向への回転、ワー
ク部品の有無、姿勢のチェック基板へのマウント、吸着
ノズルの選択、（ノズルの種類は多種類ある）ノズルの
クリーニング等の機能を持っている。上述の、Ｎｏ７ス
テーションでノズルに吸着されたワークをプリント基板
にマウントする作業が成される。

【０００７】この様にキャリヤテープからチップ抵抗等
のワークが剥離された空テープは再びカセット５から排
出され、この空テープはカッタによって細かく切り刻ま
れて、所定のくず篭等へ排出される様に成されている。

【０００８】従来のテープカッタ装置へ送出されるキャ
リヤテープからワークを剥離した空テープ７は図８に示
す様にカセット５の排出口６から垂れ下がる様に繰り出
される。

【０００９】図８の空テープ７でワークが剥離されたワ
ーク取付部間のピッチＰはキャリヤテープの種類によっ
て種々のものが提供されているが、０．８ｍｍ乃至３２
ｍｍ程度までの広い範囲があり、テープ幅も８ｍｍ、１
２ｍｍ、１６ｍｍ、２４ｍｍと各種のものがある。

【００１０】この様にワーク取り付けピッチＰやテープ
幅の異なる種々のキャリヤテープの空テープ７をカセッ
ト５の排出口６から垂下させた状態でカットしようとす
ると、図９Ａ，Ｂに示す様に、垂れ下がりの曲率Ｒは一
定しない。

【００１１】図９Ａ，Ｂ及び図１０Ａ，Ｂは従来の空テ
ープのカット方法を模式的に示すもので、カセット５の
排出口６から排出された空テープは自然落下の形で排出
される。即ち、キャリヤテープから所定のワークがマウ
ントヘッド部１ｂのＮｏ１ステーションで剥離、吸着さ
れる毎にワーク取付部間のピッチＰのピッチで繰り出さ
れることになる。

【００１２】この様に繰り出された空テープ７の上側に
固定刃８を設け可動刃９を図９Ａの矢印の様に上動させ
ると、可動刃９は図９Ｂに示す様に垂下した空テープ７
を上動させ、固定刃８と挟着して、切断する様に成され
る。即ち、固定刃８及び可動刃９は垂直或いは水平に配
されて空テープ７をカットする様に成されている。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】叙上の如きテープカッ
タ装置によって、空テープを細断して行く場合、図９Ａ
及び図９Ｂに於いて、マウントヘッド部１ｂのＮｏ１ス
テーションでワーク等の吸着が行えずに空テープ７のワ
ーク貼付部にワーク１０が残留している様な場合には、
ワークがセラミック製のパーツが多い為に、この様なワ
ークを切断すると刃８，９の寿命が極端に短くなる問題
があった。

【００１４】更に、図１０Ａ及び図１０Ｂに示す様に空
テープ７の底（厚み）が深い（大きい）空テープ７を切
断すると、図１０Ｂに示す様に、空テープ７の底周辺の
切片１１が、例えば矢印Ａ方向で示す様に飛び散り、こ
の様な切片はテープカッタ装置から外へ飛散し、テープ
カッタ装置近傍で稼動しているマウント装置のセンサ誤
検知、ワーク吸着不良等の悪影響を与える問題があっ
た。

【００１５】本発明の叙上の問題点を解消したテープカ
ッタ装置を提供しようとするもので、その目的とすると
ころはどの様な種類のキャリヤテープを用いても、カッ
ト時にカット層が飛散しない様にし、マウント装置等に
悪影響を与えない様に成したものである。

【００１６】

【課題を解決するための手段】本発明のテープカッタ装
置はその構成が図１に示されている様にカセット５から
垂下する様に排出される空テープ７の空テープ面と直交
する様にカッタの刃８及び９の先端を対向させ、空テー
プをカットする様にして成るものである。

【００１７】

【作用】本発明のテープカッタ装置によれば、固定刃８
に対向する可動刃９は所定の角度に傾けられて、カセッ
ト５から曲率半径Ｒを以って垂下した空テープ７のテー
プ面と直交する位置に配設される。従って、底の深い空
テープを細断しても切屑がテープカッタ装置の外へ飛散
することのないものが得られる。

【００１８】

【実施例】以下、本発明のテープカッタ装置の一実施例
を図１乃至図６によって説明する。図１は本例のテープ
カッタ装置の刃の配置を示す模式図であるが図１を説明
するに先だち、図２乃至図６によって、テープカッタ装
置の全体的構成を説明する。

【００１９】図２は本例の正面図、第３は平面図、図４
は左側面図、図５は図２のＡ方向矢視図、図６は可動刃
の動作説明図を示すものである図２乃至図４に於いて、
１２はベースで図４に示す様に略々Ｌ字状と成され、例
えばシステム化されたマウント装置１の基台等に図２に
示すボルト１３を介して固定される。このベース１２の
Ｌ字状部は脚部１２ａと平面部１２ｂより構成され、平
面部１２ｂ上にカッタ用の固定刃８及び可動刃９を取り
付けたカッタ部１３が載置固定されている。

【００２０】このカッタ部１３の可動刃９はクランク機
構１４を介して図示しないモータ等の回転力を直線運動
に変換して可動刃９を図５でＣ−Ｃ′方向に移動する様
に成される。更にカッタ部１３でカットされて細断され
た空テープはダクト１５で吸着されて図２及び図３に示
す矢印Ｄ方向に排出されて外部に廃棄される。

【００２１】上述のクランク機構１４は図２及び図３に
示す第１の垂直ロッド１６の先端１６ａに与えられる矢
印Ｅ方向の回転力を垂直方向の上下運動に変換する。こ
の回転力はマウント装着本体１にカセット５からキャリ
ヤテープを引き出してマウントヘッド部１ｂのＮｏ１ス
テーションでワークを吸着するタイミングと同期して上
下動する。即ちキャリヤテープ上のワークを吸着する動
作に関連して空テープのカッティングが行なわれること
になる。

【００２２】１７は第２の垂直ロッドであり、水平リン
ク１８の一端を介して上下運動が成される。水平リンク
１８の他端は軸受ベース２０に回動自在に枢着されてい
る。軸受ベース２０はシステム化された一点鎖線で示す
マウント装置本体等に固定されている。第２の垂直ロッ
ドの他端は枢軸２１を中心に首振り動作する三角クラン
ク２２の一方の三角頂部に枢着され、他方の三角頂部に
は水平ロッド２３の一端が枢着されている。

【００２３】この水平ロッド２３の他端は可動刃９に関
連したＬ状リンク２４の一端に枢着されている。２５
ａ，２５ｂは水平ロッド２３、即ちＬ状リンク２４で可
動される可動刃９を所定位置に保持するために所定方向
に偏倚させたコイルスプリングである。

【００２４】Ｌ状リンク２４は図２のＡ方向矢視図であ
る図５及び図４Ａの左側面図並にカッタ部１３の平面図
を示す図４Ｂに示されている様にカッタ部１３に枢着さ
れている。

【００２５】カッタ部１３は図４Ａ，Ｂの様にベース１
２の平面部１２ｂに略々Ｌ字状の固定刃支持部２６を固
定する。この固定刃支持部２６の固定刃８の取付面２６
ａはベース１２の平面部１２ｂの主面に対し所定の角度
θとなる様に取り付けられる。この角度θは好ましくは
３０゜に選択されるが、カセット５から所定の曲率Ｒを
以って垂下される様に繰り出される空テープ７のテープ
面と固定刃９及び可動刃８の両刃先が直交する様な角度
θに選択する。

【００２６】固定刃８は直方体状のブロック２７を介し
て固定刃支持部２６の下端部に固定されている。この固
定刃支持部２６の下端には図示せずも切断した空テープ
をダクト１５に送出する溝が形成されている。固定刃支
持部２６の取付面２６ａには図４Ｂに示す様に、座繰り
溝２８が設けられ、可動刃９がビス等で固定されたＬ字
状の可動板２９が摺動自在に嵌挿されている。

【００２７】この可動板２９の構成を図６に示す。可動
板２９が摺動する固定刃支持部２６の主面２９ａには長
手方向と直交する方向にカム溝３０が穿設されている。
このカム溝３０内にＬ状リンク２４の一端に植立したピ
ン３１を嵌挿する。Ｌ状リンク２４の枢軸２５は固定刃
支持部２６の後方に取り付け或は延設されたコ字状のリ
ンク取付部３２に回動自在に枢着されている。尚３３は
座繰り溝２８を覆うメクラ板である。又、可動板２９の
主面２０ａと直交する直交面２９ｂの厚み方向、即ち主
面２９ａと平行に可動刃９をビス等を介して取り付ける
様に成されている。

【００２８】図２及び同図４Ａでマウント装置本体１の
チップ供給部１ａに載置されたカセット５から排出され
る空テープ７を固定刃８及び可動刃９間に案内する案内
部材３４をベース等に取り付け、曲率Ｒを描いて垂下す
る空テープ７のテープ面をこの案内部材３４を介して、
固定刃８及び可動刃９の両刃先に対し直交する様な角度
に補正する様に成すを可とする。尚カセット５上に破線
で示したものはマウントヘッド部を示している。

【００２９】上述の図２乃至図６で示した構成での動作
を説明すると、図２でマウントヘッド部のノズル降下と
同期して回転する駆動源からのＥ方向の回転力は第１の
垂直ロッド１６及び第２の垂直ロッド１７を介して上下
揺動動作に変換され、更に三角クランク２２を介して水
平ロッド２４に伝達された上下揺動動作は水平方向の揺
動動作に変換され、この水平ロッド２３をＡ−Ａ′方向
に揺動させる。この結果Ｌ状リンク２４は図６に示す様
に枢軸２５を中心に水平方向（Ａ−Ａ′）の揺動を矢印
Ｃ−Ｃ′で示すＡ−Ａ′と直交する様な垂直方向の運動
に変換する。

【００３０】従ってカッタ部１３の固定刃８に対し固定
支持部材２６に設けた座繰り溝２８に沿って可動板２９
が上動し可動刃９と固定刃８間で空テープを挟着して切
断することになる。

【００３１】上述の可動刃９の動きに対しカセット５か
ら垂下した空テープ７との関係を図１Ａ，Ｂに模式的に
示してある。

【００３２】即ち、カセット５から所定の曲率Ｒを以っ
て垂れ流された空テープ７は固定刃８及び可動刃９の対
向位置では、これら両刃先の空テープ７の幅方向がテー
プ面と直交し、且つ固定刃８並に可動刃９がこの場合水
平面に対し所定角度θ＝３０°傾斜されているので、空
テープを斜めに切断する様な弊害が除去される。

【００３３】更に、所定の曲率Ｒを以って垂下する様に
繰り出される空テープ７は可動刃９の上動と共に移動
し、案内部材３４に沿って固定刃８及び可動刃９の両刃
先に対し空テープ７のテープ面が直交する様にガイドさ
れるため、底の深い（厚みの厚い）テープでも斜め切断
がなく切片がテープカッタ装置外に飛散する様な弊害が
除去可能と成る。

【００３４】更に、チップ供給部１ａ上のカセット５か
ら繰り出されるキャリヤテープからマウントヘッド部で
ノズルがワークを吸着し、テープが次のワークを送るた
めに所定ピッチＰだけ繰り出した繰り出し量と、空テー
プ７がカセット５から排出される繰り出しピッチＰに等
しい分だけ同期して切断するためワークが空テープ中に
残っていても、このワークを切断する様な機会も減少
し、固定刃及び可動刃の寿命を延ばすことが出来るもの
が得られる。

【００３５】尚、上述の実施例では部品実装機とシステ
ム化したテープカッタ装置を説明したが、テープカッタ
装置単独で構成し得ることは勿論である。

【００３６】

【発明の効果】本発明のテープカッタ装置によれば空テ
ープの切屑が飛散しない角度に固定刃及び可動刃を傾け
たので、切屑の外部飛散によるセンサ誤検知、ワークの
吸着の不具合等の弊害が除去可能で、且つ、テープカッ
タの寿命を格段に高め得るものが得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のテープカッタ装置の一実施例を示す模
式図である。

【図２】本発明のテープカッタ装置の一実施例を示す正
面図である。

【図３】本発明のテープカッタ装置の一実施例を示す平
面図である。

【図４】本発明のテープカッタ装置の一実施例を示す側
面図である。

【図５】図２のＡ方向矢視図である。

【図６】本発明のテープカッタ装置のカウンタ部の可動
刃の動作説明図である。

【図７】従来のワークマウント構成図である。

【図８】従来のテープ排出方法を示す斜視図である。

【図９】従来のテープカッタ装置のカット動作を示す模
式図である。

【図１０】従来のテープカッタ装置のカット動作の弊害
説明図である。

【符号の説明】

５ カセット ７ 空テープ ８ 固定刃 ９ 可動刃 １３ カッタ部 １４ クランク機構

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 カセットから垂下する様に排出される空
   テープの該空テープ面と直交する様にカッタの刃先を対
   向させ、該空テープをカットする様にして成ることを特
   徴とするテープカッタ装置。
2. 【請求項２】 前記垂下する空テープを案内し、カット
   位置で上記カッタの刃先が上記空テープ面と直交する様
   な案内部材を配設して成ることを特徴とする請求項１記
   載のテープカッタ装置。
3. 【請求項３】 前記空テープをカットするカッタは前記
   カートリッジの主面と直交する面に対し傾いて配設され
   ていることを特徴とする請求項１記載のテープカッタ装
   置。
4. 【請求項４】 前記テープカッタ装置を部品実装機に一
   体的に組み込み実装部品のテープからのピックアップ動
   作と同期して、前記空テープのカットを行なうことを特
   徴とする請求項１記載のテープカッタ装置。