JP3620931B2 - テープ送出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品装着装置などにおいて、部品を所定の供給位置で供給するために、多数の部品を長さ方向に等間隔で保持するテープを、この間隔と等しいピッチずつ送り出すテープ送出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種のテープ送り装置として、例えば特開平7−66589号公報に記載されたものが知られている。このテープ送出装置は、多数の部品を長さ方向に等間隔で収納するテープ本体とこれを覆うカバーテープとから成るテープを、部品の収納間隔と等しいピッチずつ送り出して、部品をその供給位置に位置決めするものであり、カバーテープは部品が供給位置に達する直前に引き剥される。このテープ送出装置は、フレームに回動可能に設けられたラチェットホイールと、このラチェットホイールと一体に回転するスプロケットホイールとを備えている。スプロケットホイールの歯はテープに設けられたスプロケット孔と係合しており、スプロケットホイールの回転により、テープを送り出す。
【0003】
また、このテープ送出装置は、待機位置(第1の位置)とテープ送り位置(第2の位置)の間で回動駆動される送りレバーを備えている。この送りレバーには送り爪が回動自在に取り付けられていて、送りレバーが待機位置からテープ送り位置に回動したとき、この送り爪がラチェットホイールの歯に係合し、これを押圧することにより、ラチェットホイールおよびこれと一体のスプロケットホイールを送り方向に回転させる。このときの送り爪の回動角度は、その近傍に設けられたピン状の第1規制部材に当接することによって規制され、それにより、スプロケットホイールを、部品の収納間隔に対応する所定の1ピッチ分、送り方向に回転させるようになっている。
【0004】
また、送りレバーには、位置決め爪が回動自在に取り付けられており、この位置決め爪は、送りレバーがテープ送り位置から待機位置に戻ったときに、ラチェットホイールの歯に係合するとともに、位置決め爪の回動角度がピン状の第2規制部材に当接することによって規制され、それにより、ラチェットホイールおよびスプロケットホイールが、その慣性やカバーテープの引き剥し力などにより、送り方向に所定の1ピッチ分以上回転して(以下「過回転」という)、テープが所定の1ピッチ分以上送り出される(以下「オーバーラン」という)のを防止し、それにより、部品を所定の供給位置に位置決めするようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のテープ送出装置では、位置決め爪がラチェットホイールの歯と係合するのは、送りレバーが待機位置に戻ったときであるため、送りレバーがテープ送り位置から待機位置に戻るまでの間は、スプロケットホイールの過回転、したがってテープのオーバーランを確実に防止できないという問題がある。すなわち、位置決め爪がそのオーバーラン防止効果を発揮するまでにタイムラグがあるため、この間はテープがオーバーランするおそれがあり、部品の位置が安定しないとともに、位置決め精度が低下してしまう。
【0006】
また、同様の理由から、送りレバーがテープ送り位置から待機位置に戻るまでは、テープのオーバーランのおそれがあって、その位置が安定しないため、送りレバーが待機位置に戻るのを待って、部品の供給動作を行わなければならず、その分、部品の供給動作が遅れてしまうという欠点がある。このことは、最近の電子部品装着装置などにおける高速化の大きな妨げになる。
【0007】
さらに、スプロケットホイールを所定の1ピッチずつ回転させるために、送り爪を第1規制部材に当接させるとともに、テープのオーバーランを防止するために、位置決め爪を第2規制部材に当接させる構成であるため、送り爪や位置決め爪が第1および第2規制部材に高速で頻繁に当接する際に、振動や騒音が発生するとともに、これらの規制部材のたつきが生じやすく、その場合には、送り爪や位置決め爪が所定の回動角度で停止しなくなり、テープ送りの精度、したがって部品の位置決め精度がさらに低下してしまう。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、振動や騒音を低減できるとともに、オーバーランを防止しつつ、テープを所定のピッチずつ精度良く短時間で送り出すことができるテープ送出装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、部品を所定の供給位置で供給するために、多数の部品を長さ方向に等間隔で保持するテープを、前記間隔と等しいピッチずつ送り出すテープ送出装置であって、外周部に多数の歯を等間隔に有する回転可能な爪車と、テープに形成されたスプロケット孔に係合する多数の歯を外周部に等間隔に有し、爪車と一体に回転可能に設けられ、送り方向への回転によりテープを送り出すスプロケットと、待機位置とテープ送り位置との間で回動可能な揺動材と、この揺動材に回動自在に取り付けられ、この揺動材の待機位置からテープ送り位置への回動に伴い、爪車の歯に係合することにより、スプロケットを送り方向に回転させる送り爪と、テープ送り位置へ回動するときの揺動材の後側に隣接して配置され、不動の支軸に回動自在に取り付けられ、揺動材側にばねで付勢されるとともに、揺動材の後側面に当接する揺動材当接部と、この揺動材当接部の後側に配置され、揺動材がテープ送り位置に達したときに、爪車の歯に係合することにより、爪車の送り方向への回動を阻止する爪車係止部とを有するストッパと、を備えていることを特徴としている。
【0010】
このテープ送出装置によれば、揺動材が待機位置からテープ送り位置に回動するのに伴い、送り爪が爪車の歯に係合して、これを突き上げることによって、爪車およびこれと一体のスプロケットを、送り方向に回転させる。一方、ストッパは、この揺動材の回動に伴い、ばねの付勢力により、揺動材当接部が揺動材の後側面に当接した状態で、揺動材に追随して回動し、ストッパの爪車係止部は、揺動材の回動が進むにつれて爪車に次第に近づき、揺動材が所定の角度回動してテープ送り位置に達した時点で、爪車の歯に係合して、爪車およびスプロケットを停止させる。
【0011】
このストッパの係止により、爪車およびスプロケットは、送り方向に所定の角度だけ回転した位置に位置決めされ、かつ過回転を阻止された状態となる。このスプロケットの回転に伴い、これに係合しているテープが、そのオーバーランを阻止された状態で、部品の収納間隔と等しい所定のピッチだけ正確に送り出される。したがって、部品を供給位置に精度良く位置決めするとともに、オーバーランを生じることなく、その位置に安定的に保持することができる。
【0012】
また、揺動材がテープ送り位置に達した時点で、ストッパにより、テープの位置決めおよびオーバーラン防止が行われ、部品が精度良く安定して位置決めされた状態になるので、従来と異なり、揺動材の待機位置への復帰を待つことなく、部品の供給動作を即座に行うことができ、その効率化を図ることができる。
【0013】
さらに、ストッパが爪車の歯に直接、係合することによって、爪車、スプロケットおよび揺動材の停止と位置決めを行うので、同じ目的のために用いられていた従来の第1および第2の規制部材は不要となる。したがって、ストッパや送り爪がそのような規制部材に衝突する際の騒音や振動がなくなり、騒音や振動を大幅に低減することができる。
【0014】
この場合、揺動材は、爪車の外側に位置し、爪車と共通の支軸に取り付けられた揺動板で構成され、ストッパの揺動材当接部は、爪車係止部との間に段差を有し、爪車係止部の外側に配置されていることが好ましい。
【0015】
この構成では、揺動材が、揺動板で構成され、かつ爪車の外側に位置して爪車と共通の支軸に取り付けられていることにより、狭いスペースにも揺動材を効率良く設置することができる。また、ストッパの揺動材当接部が、爪車係止部との間に段差を有し、爪車係止部の外側に配置されているので、揺動材当接部が、爪車と干渉することなく揺動板に当接するとともに、揺動板がテープ送り位置に達した場合のみ、爪車係止部を爪車に係合させることができる。
【0016】
これらの場合、ストッパは、爪車係止部が爪車の歯に係合した状態において、揺動材当接部と揺動材との間に隙間が存するように形成されていることが好ましい。
【0017】
この構成では、揺動材がテープ送り位置から待機位置に回動する初期において、隙間が吸収されるまでの間はストッパが回動せず、ストッパが爪車の歯に係合した状態に保持されるので、この時間の分、スプロケットおよびテープを所定のの位置に、より長く留めておくことができ、部品の供給動作を余裕をもって行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、本発明を適用した電子部品装着装置のテープ送出装置について、詳細に説明する。図3および図4に示すように、この電子部品装着装置1は、装置本体2と、電子部品(部品)Aを供給する供給系3と、電子部品Aを基板Bに装着する装着系4とを備え、供給系3および装着系4は、装置本体2を挟んで互いに対向するように配置されている。
【0019】
装置本体2には、駆動系の主体をなすインデックスユニット11と、これに連結された回転テーブル12と、回転テーブル12の外周部に沿って搭載された複数(例では12個)の装着ヘッド13などが、設けられている。回転テーブル12は、インデックスユニット11によって駆動され、装着ヘッド13の個数に対応する所定の角度ずつ、図4の時計方向に間欠的に回転する。回転テーブル12の間欠回転に伴い、装着ヘッド13が供給系3および装着系4に適宜、臨むようになっており、装着ヘッド13に取り付けた吸着ヘッド4が、供給系3から供給された電子部品Aを吸着した後、回転テーブル12と一緒に装着系4まで回転搬送され、装着系4に導入された基板Bに電子部品Aを装着する。
【0020】
供給系3は、基板Bに装着すべき電子部品Aの種類に応じた数の複数の部品供給装置21を有し、これらの部品供給装置21は、一対のガイドレール22、22にスライド自在に案内される供給台23に、横に並んで着脱自在に設けられている。供給台23にはボールねじ24が螺合しており、ボールねじ24の一端部に連結した送りモータ25の正逆回転に伴って供給台23が進退することにより、部品供給装置21の1つが装着ヘッド13の吸着位置に選択的に臨むようになっている。
【0021】
各部品供給装置21は、電子部品供給用のキャリアテープ(テープ)Cを巻回したテープリール26と、テープリール26からキャリアテープCを繰り出す、本発明に係るテープ送出装置27と、キャリアテープCのカバーテープ6を巻き取るカバーテープリール28とによって構成されている。
【0022】
図5に示すように、このキャリアテープCは、テープ本体5と、これを覆う上記カバーテープ6から成り、テープ本体5に長さ方向に所定の等間隔ピッチで形成された多数の凹部7に、電子部品Aが1個ずつ収納されている。また、テープ本体5の一方の側部には、多数のスプロケット孔8が等間隔に形成されている。
【0023】
テープ送出装置27は、装置本体2に設けたテープ送り駆動装置14により、回転テーブル12と同期して駆動され、電子部品Aの収納間隔と等しい所定のピッチずつ、キャリアテープCを間欠送りし、電子部品Aを吸着位置(供給位置)に位置決めする。カバーテープ6はこの吸着位置の直前で剥されるとともに、吸着位置に達した電子部品Aは、下降してくる装着ヘッド13の吸着ノズル43に吸着される。テープ送出装置27の詳細については、後述する。
【0024】
カバーテープリール28も、テープ送出装置27と同様に、テープ送り駆動装置14により回転テーブル12と同期して駆動されるようになっており、キャリアテープCから剥されたカバーテープ6は、カバーテープリール28に、電子部品Aの装填ピッチと等しいピッチで巻き取られる。また、電子部品Aを取り出された後のテープ本体5は、装置本体2に設けた切断装置15により切断される。
【0025】
装着系4は、載置した基板BをX軸方向およびY軸方向に移動させるXYテーブル31と、XYテーブル31の前後に配置された基板搬入路32および基板搬出路33と、基板Bを移送する基板移送装置34とによって、構成されている。XYテーブル31は、基板Bを直接載せるY軸テーブル35と、Y軸テーブル35を載せるX軸テーブル36とから成り、Y軸テーブル35およびX軸テーブル36は、それぞれY軸モータ37およびX軸モータ38によって、互いに独立して駆動される。
【0026】
また、Y軸モータ37およびX軸モータ38は、図示しない制御装置によってその正逆回転が制御され、それにより、XYテーブル31上の基板BをX軸方向およびY軸方向に移動させ、電子部品Aを装着すべき基板Bの部品装着部位を装着ヘッド13の装着位置に位置決めする。この状態で、装着ヘッド13は、吸着ノズル43に吸着した電子部品Aを、基板Bに装着する。以下、同様に、XYテーブル31上での基板Bの移動と、装着ヘッド13からの電子部品Aの装着とを繰り返し行うことによって、1枚の基板Bへの電子部品Aの装着が完了する。
【0027】
電子部品Aの装着を完了した基板Bは、基板移送装置34によって、XYテーブル31から基板搬出路33に移送され、これと同時に、基板移送装置34により、次の基板Bが、基板搬入路32からXYテーブル31に移送される。
【0028】
次に、図1および図2を参照しながら、本発明に係るテープ送出装置27の構成を、詳細に説明する。両図に示すように、テープ送出装置27は、キャリアテープCを繰り出すためのスプロケット51と、スプロケット51と一体に回転する爪車52と、送り爪54を介して爪車52を回転させる揺動板(揺動材)53と、爪車52の回転角度位置を規制するストッパ55と、揺動板53を駆動する揺動板駆動機構56とを備えている。
【0029】
スプロケット51は、外周部に所定のピッチで等間隔に形成された多数の歯51aを有し、その所定の回転角度位置で、一部の歯51aが、キャリアテープCのスプロケット孔8に係合している。スプロケット51は爪車52に固定され、爪車52は支軸57に回転自在に取り付けられていて、スプロケット51は、支軸57を中心として爪車52と一体に回転する。
【0030】
揺動板53は、下広がりの平面形状を有し、爪車52の外側に位置し、爪車52とは独立して回動できるように、支軸57に取り付けられており、揺動板駆動機構56により、図1(a)および図2に示す待機位置と、図1(c)に示すテープ送り位置との間で、回動駆動される。
【0031】
送り爪54は、揺動板53の内側に位置して、揺動板53の一方の側部の下端部に回動自在に取り付けられている。また、送り爪54は、図示しないばねにより、図1および図2の反時計方向に常時、付勢されており、爪車52に押し付けられた状態で、その先端部が爪車52の歯52aに下側から係合している。
【0032】
この構成により、揺動板53が待機位置からテープ送り位置に回動するのに伴い、送り爪54の先端部が爪車52の歯52aに係合し、これを突き上げることによって、爪車52およびスプロケット51を所定角度、回転させる一方、揺動板53がテープ送り位置から原位置に戻るときは、送り爪54の先端部が爪車52上を滑ることによって、爪車52およびスプロケット51を逆転駆動しないようになっている。なお、爪車52およびスプロケット51の逆転は、先端部が爪車52の歯52aに係合する逆転防止レバー58、およびこれを付勢するばね59によって、確実に防止される。
【0033】
ストッパ55は、その下端部で不動の支軸60に回動自在に取り付けられているとともに、ねじりコイルばね(ばね)61によって、時計方向に付勢されている。ストッパ55の上部は内外に段差を有する二股状になっており、この二股部のうち、揺動板53側で且つ外側に位置する一方が、揺動板当接部(揺動板当接部)62を構成し、揺動板当接部62よりも一段内側に位置する他方が、爪車係止部63を構成している。
【0034】
すなわち、爪車係止部63よりも外側に位置する揺動板当接部62は、爪車52と干渉することなく、ねじりコイルばね61のばね力により、揺動板53の送り爪54を取り付けた側と反対側の側面に押圧されており、この構成により、ストッパ55は、揺動板53の原位置からテープ送り位置への回動時、これに追随して時計方向に回動する。一方、ストッパ55の爪車係止部63は、通常は爪車52の歯52aから離れていて、揺動板53がテープ送り位置に達した時点で、揺動板53により駆動されている爪車52の歯52aに係合し、爪車52およびスプロケット51を停止させるとともに、それらの過回転を阻止する。
【0035】
揺動板駆動機構56は、テープ送り駆動装置14の昇降棒20を駆動源として、揺動板53を駆動するものであり、一端部が揺動板53に回動自在に連結されたリンクレバー64と、中央部が支軸65に回動自在に支持されるとともに、一端部がリンクレバー64の他端部に偏心ピン66を介して回動自在に連結された伝達レバー67と、中央部が支軸68に回動自在に支持されるとともに、下端面に形成したカム面69が、伝達レバー67の他端部に設けたカムフォロア70に当接する「コ」字状の揺動レバー71とによって構成されている。伝達レバー67は、コイルばね72により反時計方向に常時、付勢されている。また、揺動レバー71は、図示しないばねにより、時計方向に常時、付勢されるとともに、図示しないストッパにより、その回動限界位置が規制されるようになっている。そして、揺動レバー71の横に延びる上腕部に、テープ送り駆動装置14の昇降ロッド20が上方から臨んでいる。
【0036】
次に、上記構成のテープ送出装置27の動作を説明する。テープ送出装置27の待機状態は、図1(a)および図2に示されている。すなわち、揺動板53は時計方向に回動した待機位置にあって、送り爪54は爪車52の歯52aに係合しているとともに、ストッパ55の揺動板当接部62は揺動板53に当接する一方、爪車係止部63は爪車52の歯52aから離れた状態になっている。
【0037】
この待機状態から、昇降棒20が下降して揺動レバー71を押し下げると、伝達レバー67を介して、リンクレバー64が右方に引き寄せられることにより、揺動板53が、反時計方向に回動する。この揺動板53の回動に伴い、送り爪54の先端部が爪車52の歯52aを突き上げることによって、爪車52およびこれと一体のスプロケット51を、反時計方向(送り方向)に回転させる。
【0038】
一方、ストッパ55は、揺動板53の回動に伴い、ねじりコイルばね61の付勢力により、揺動板当接部62が揺動板53の側面に当接した状態で、揺動板53に追随して回動し(図1(b))、ストッパ55の爪車係止部63は、揺動板53の回動が進むにつれて、爪車52に次第に近づき、揺動板53が所定の角度、回動し、テープ送り位置に達した時点で、爪車52の歯52aに係合し、爪車52およびスプロケット51を停止させる(図1(c))。
【0039】
このストッパ55の係止により、爪車52およびスプロケット51は、送り方向に所定の角度だけ回転した位置に位置決めされ、かつ過回転を阻止された状態となる。このスプロケット51の回転に伴い、これに係合しているキャリアテープCが、そのオーバーランを阻止された状態で、電子部品Aの収納間隔と等しいピッチだけ正確に送り出される。したがって、電子部品Aを吸着位置に精度良く位置決めするとともに、オーバーランを生じることなく、その位置に安定的に保持することができ、その後に行われる装着ロッド13の吸着ノズル43による電子部品Aの吸着動作を、正確に行うことができる。
【0040】
また、揺動板53がテープ送り位置に達した時点で、ストッパ55により、キャリアテープCの位置決めおよびオーバーラン防止を行われ、電子部品Aが精度良く安定して位置決めされた状態になるので、従来と異なり、揺動板53の待機位置への復帰を待つことなく、吸着ノズル43による電子部品Aの吸着動作を即座に行うことができ、吸着工程の効率化、ひいては電子部品装着装置1の全体工程の効率化を図ることができる。
【0041】
さらに、ストッパ55が爪車52の歯52aに直接、係合することによって、爪車52、スプロケット51および揺動材53の停止と位置決めを行うので、同じ目的のために用いられていた従来の第1および第2の規制部材は不要となる。したがって、ストッパ55や送り爪54がそのような規制部材に衝突する際の騒音や振動がなくなり、騒音や振動を大幅に低減することができる。
【0042】
なお、爪車52の歯52aとストッパ55の爪車係止部63の係合により、爪車52の回転がストッパ55によって阻止される一方、その反作用として、ストッパ55の回動が爪車52によって逆に阻止されるため、両者が完全に係合した状態では、ストッパ55の揺動板当接部62と揺動板53の間に若干の所定の隙間(遊び)Gが生じている(図1(c)参照)。
【0043】
以上のようなテープ送り状態から、昇降棒20が上昇すると、揺動レバー71に取り付けた図示しないばねやコイばね72の付勢力により、伝達レバー67を介して、リンクレバー64が左方に引き寄せられることによって、揺動板53が、図1(c)のテープ送り位置から時計方向に回動し、図1(a)の待機位置に復帰する。
【0044】
この場合、揺動板53の復帰回動の初期においては、ストッパ55の揺動板当接部62との間に隙間Gが存在することにより、ストッパ55は、この隙間Gが吸収されるまでの間、回動せずにその位置に留まり、その後、揺動板53の側面に押圧されて回動し、所定のタイミングで爪車係止部63が爪車52の歯52aから外れ、図1(a)の位置に復帰する。このように、揺動板53が復帰回動し始めてからストッパ55が回動し始めるまでにタイムラグを確保できるので、このタイムラグの間も、キャリアテープCのオーバーランを防止し、電子部品Aを所定の吸着位置に保持でき、その吸着動作を余裕をもって行うことができる。
【0045】
また、揺動板53の復帰回動の際には、送り爪54は、爪車52の歯52aとは係合せず、その上を滑るように回動することによって、爪車52およびスプロケット51を逆転駆動しないとともに、逆転防止レバー58によって、爪車52およびスプロケット51の逆転が確実に防止される。
【0046】
なお、本発明は、説明した実施形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。例えば、実施形態は、本発明を電子部品装着装置のテープ送出装置に適用した例であるが、本発明は、これに限らず、適当な他の部品供給装置に適用することができる。また、揺動材やストッパなどの形状および配置などの細部の構成は、実施形態で示したものに限らず、本発明の趣旨の範囲で適宜、変更することが可能である。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明のテープ送出装置は、振動や騒音を低減できるとともに、オーバーランを防止しつつ、テープを所定のピッチずつ精度良く短時間で送り出すことができるなどの効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るテープ送出装置の要部の動作を示す側面図である。
【図2】図1のテープ送出装置の側面図である。
【図3】テープ送出装置を搭載した電子部品装着装置の側面図である。
【図4】図3の電子部品装着装置の平面図である。
【図5】キャリアテープの斜視図である。
【符号の説明】
8 スプロケット孔
27 テープ送出装置
51 スプロケット
51a スプロケットの歯
52 爪車
52a 爪車の歯
53 揺動板
54 送り爪
55 ストッパ
57 支軸
60 支軸
61 ねじりコイルばね
62 揺動板当接部
63 爪車係止部
A 電子部品
C キャリアテープ
G 隙間
Claims (3)
- 部品を所定の供給位置で供給するために、多数の前記部品を長さ方向に等間隔で保持するテープを、前記間隔と等しいピッチずつ送り出すテープ送出装置であって、
外周部に多数の歯を等間隔に有する回転可能な爪車と、
前記テープに形成されたスプロケット孔に係合する多数の歯を外周部に等間隔に有し、前記爪車と一体に回転可能に設けられ、送り方向への回転により前記テープを送り出すスプロケットと、
待機位置とテープ送り位置との間で回動可能な揺動材と、
この揺動材に回動自在に取り付けられ、この揺動材の前記待機位置から前記テープ送り位置への回動に伴い、前記爪車の前記歯に係合することにより、前記スプロケットを前記送り方向に回転させる送り爪と、
前記テープ送り位置へ回動するときの前記揺動材の後側に隣接して配置され、不動の支軸に回動自在に取り付けられ、前記揺動材側にばねで付勢されるとともに、
前記揺動材の後側面に当接する揺動材当接部と、この揺動材当接部の後側に配置され、前記揺動材が前記テープ送り位置に達したときに、前記爪車の前記歯に係合することにより、当該爪車の前記送り方向への回動を阻止する爪車係止部とを有するストッパと、
を備えていることを特徴とするテープ送出装置。 - 前記揺動材は、前記爪車の外側に位置し、当該爪車と共通の支軸に取り付けられた揺動板で構成され、前記ストッパの前記揺動材当接部は、前記爪車係止部との間に段差を有し、当該爪車係止部の外側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のテープ送出装置。
- 前記ストッパは、前記爪車係止部が前記爪車の前記歯に係合した状態において、前記揺動材当接部と前記揺動材との間に隙間が存するように形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のテープ送出装置。
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