JPH0631203Y2 - 金属部材におけるボルト締結部の構造 - Google Patents

金属部材におけるボルト締結部の構造

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JPH0631203Y2
JPH0631203Y2 JP9581889U JP9581889U JPH0631203Y2 JP H0631203 Y2 JPH0631203 Y2 JP H0631203Y2 JP 9581889 U JP9581889 U JP 9581889U JP 9581889 U JP9581889 U JP 9581889U JP H0631203 Y2 JPH0631203 Y2 JP H0631203Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、ボルトによって締め付けられる金属部材に関
するもので、特に、表面に防食塗装が施された金属部材
におけるボルト締結部の構造に関するものである。
(従来の技術) 一般に、自動車等に用いられる金属部材には、その表面
に防食塗装が施される。その塗装の塗膜厚さは、確実な
防食性が得られるようにするために、比較的厚いものと
される。
ところで、そのように表面に厚い塗膜が形成された金属
部材は、そのままボルトによって締め付けるようにする
と、ボルトがゆるみやすくなる。すなわち、高温下に置
かれると、塗膜が軟化して、ボルト頭部のフランジ面が
接触している金属部材の座面の塗膜厚さが小さくなるの
で、ボルト頭部との間にすきまが生じ、ボルトがゆるん
でしまう。
そこで、従来は、塗装時にその座面にマスキングするこ
とによりその座面には塗膜が形成されないようにした
り、塗装後にその座面部分の塗膜を機械加工により削り
取ったりして、座面においては金属表面を露出させるよ
うにしていた。
しかしながら、そのように金属表面を露出させると、そ
の部分から錆が生ずることは避けられない。
本出願人は、座面における塗膜の厚さを充分小さくする
ことによって、ボルトのゆるみが防止され、しかも錆の
発生を抑えることができるということを見出した。そし
て、そのように座面部分の塗膜を薄膜化するために、塗
装後に外力を加えるという方法を提案した(特願昭63−
111427号)。
第4図はその方法を示すものである。
この図に示されているように、金属部材1には、防食塗
装によってその表面に比較的厚い塗膜2が形成されてい
る。このように表面塗装が施された金属部材1は、ボル
トの締結時にそのボルトの頭部が接触する部分、すなわ
ちボルト孔3の周囲の座面4が、圧子5によって加圧さ
れる。その場合、常温下において高圧で加圧するか、あ
るいは圧子5を加熱しておいて、金属部材1を加熱しな
がら比較的低圧で加圧するようにする。加圧力のみを加
えるコイニング方式を採るときには、ボルト孔3はその
後に形成する。加熱しながら加圧するというホットプレ
ス方式を採るときには、ボルト孔3は前もって形成して
おいてもよい。
このように圧子5によって金属部材1の座面4を加圧す
ると、その座面4部分に位置する塗膜2が押し広げられ
て薄膜化する。しかも、その塗膜2は加圧されることに
よって緻密化するので、その硬度が高くなる。更に、座
面4は平滑化され、その面粗度が小さくなる、したがっ
て、ボルトのゆるみが防止される、そして、座面4には
薄いながらも塗膜2が残るので、その座面4からの発錆
も抑制される。
(考案が解決しようとする課題) ところで、このように圧子5によって座面4を加圧する
と、その部分の塗膜2が周辺部に押し出される。そのた
めに、金属部材1の座面4及びその近傍を含む表面が平
面状である場合には、第4図に示されているように、加
圧面の周辺部において塗膜2が盛り上がり、塗膜2の隆
起2aが生じることになる。
座面4の周辺部にこのような塗膜2の隆起2aが形成さ
れると、ボルトとして頭部の面積の大きいものを用いる
場合、その隆起2aにボルトの頭部がのり上げることが
ある。また、このような座面4を隣接して設ける場合に
は、その隆起2aが隣りの座面4に形成されるので、や
はりボルトの頭部がその隆起2aにのり上げることにな
る。そのようにボルトの頭部が隆起2aにのり上げる
と、ボルト頭部のフランジ面がその隆起2aにのみ接触
することになり、十分な摩擦力が得られないので、ボル
トがゆるみやすくなってしまう。
また、そのように金属部材1の表面の塗膜2に隆起2a
があるものでは、塗膜2がその隆起2aの部分から剥離
する機会が多くなる。したがって、塗装品質としても良
好とは言えない。
本考案は、このような問題に鑑みてなされたものであっ
て、その目的は、塗装された金属部材のボルト座面にお
ける塗膜が、周辺部に隆起を生じることなく薄膜化さ
れ、それによってボルトのゆるみ防止と防食性とをとも
に確保することのできるボルト締結部を得ることであ
る。
(課題を解決するための手段) この目的を達成するために、本考案では、金属部材に設
けられるボルト孔の周囲の座面を、その周辺部よりも高
く形成するようにしている。その座面は、ボルト孔に挿
通されるボルトの頭部の外径よりも大径、すなわちボル
ト頭部にフランジ面が完全に接触し得る面積とされる。
そして、その座面からその近傍にまでわたって防食塗装
が施され、その座面における塗膜厚さが他の塗装表面に
おける塗膜厚さよりも小さくされる。
(作用) このように座面をその周辺部よりも高くすることによ
り、その座面の塗膜を薄膜化するとき、その部分から押
し出される塗料は、座面の周辺部の低い部分に導かれる
ことになる。したがって、例えばその座面の面積より大
きい面積の加圧面を有する圧子によってその座面を加圧
すれば、座面上に塗膜の隆起が生じるようなことはなく
なる。
(実施例) 以下、図面を用いて本考案の実施例を説明する。
図中、第1図は本考案によるボルト締結部構造の一実施
例を示す縦断面図である。
この図から明らかなように、金属部材10は、金属母材
11の表面に防食塗装を施して塗膜12を形成したもの
とされている。その金属部材10には、ボルト13が挿
通されるボルト孔14が形成されている、そして、その
金属部材10の表面のボルト孔14の周囲は、ボルト1
3の頭部13aのフランジ面15が接触する座面16と
されている。その座面16は、ボルト頭部13aの外径
よりもやや大径の円形状の面で、座面16の周辺部17
から外方の一般面18よりも高く形成されている。
金属部材10の座面16部分においては、母材11自体
が他部よりも高く形成されている。そして、その座面1
6における塗膜12の厚さは、他の塗装表面、すなわち
座面16の周辺部17及びその近傍の一般面18におけ
る塗膜12の厚さよりも小さくされている。一方、座面
16の周辺部17における塗膜厚さは、一般面18にお
ける塗膜厚さよりも大きくされている。すなわち、塗膜
12は座面16の周辺部17が最も厚くなっている。
また、その座面16部分の塗膜12の硬度は、他の塗装
表面における塗膜12の硬度よりも高くされている。し
かも、その座面16の面粗度は、他の塗装表面よりも小
さくされている。すなわち、その座面16は他の塗装表
面よりも平滑なものとされている。
このようなボルト締結部を形成するときには、まず、あ
らかじめ所定の形状に成形された金属母材11に防食塗
装を施す。すると、第2図に示されているように、その
表面に、全体にわたってほぼ均一な厚さの塗膜12が形
成される。そこで、金属部材10の座面16部分を、そ
の座面16よりも大面積の滑らかな加圧面19を有する
圧子20によって加圧する。その場合、単に加圧するコ
イニング方式としてもよいが、圧子20を加熱して、金
属部材10を加熱しながら加圧するホットプレス方式を
採用するようにすれば、その加圧力を小さくすることが
できる。
このようにして座面16部分を加圧すると、その座面1
6における塗膜12が押し広げられて薄膜化する。そし
て、押し出された塗料が座面16の周辺部17に導かれ
る。このとき、その周辺部17は座面16よりも低く形
成されているので、押し出された塗料はその周辺部17
に溜まる。したがって、その周辺部17においては塗膜
12が厚くなる。しかしながら、その周辺部17におい
ても圧子20の大面積の加圧面19によって上方から押
圧されるので、塗膜12が座面16より上方に隆起する
ようなことはない。こうして、座面16は、その周辺部
17にまでわたって平坦に形成される。
そして、このように座面16上においては塗膜12が圧
子20と母材11との間で加圧されることにより、その
部分の塗膜12が緻密化し、その硬度が高くなる。ま
た、座面16上の塗膜12が圧子20の平滑な加圧面1
9によって加圧されることにより、座面16の面粗度が
小さくなる。しかも、母材11自体の座面16部分も加
圧によって平滑化される。したがって、座面16におけ
る塗膜12の厚さが均一化される。
このようにして座面16部分の塗膜12を薄膜化した
後、その金属部材10にボルト孔14を機械加工によっ
て形成する。それによって、第1図に示されているよう
な構造のボルト締結部を得ることができる。塗膜12の
薄膜化にホットプレス方式を採用する場合には、その薄
膜化の前にボルト孔14を形成するようにすることもで
きる。
このようにして形成されたボルト締結部においては、ボ
ルト孔14の周囲がボルト頭部13aのフランジ面15
よりも面積の大きい平坦な座面16とされるので、ボル
ト13の締結時にはそのフランジ面15全体が金属部材
10に接触することになる。しかも、その座面16は面
粗度の小さい平滑なものとされるので、ボルト頭部13
aのフランジ面15が完全に密着する。したがって、ボ
ルト13と金属部材10との間に大きな摩擦力が得られ
ることになり、ボルト13のゆるみが防止される。
そして、座面16上の塗膜12は薄膜とされ、しかも緻
密化されているので、温度変化や経年変化等によっても
その塗膜12が変形することはほとんどない。したがっ
て、ボルト13のゆるみは長期にわたって防止される。
また、ボルト締結部の座面16上にも塗膜12が残され
るので、その部分からの発錆も抑制される。しかも、そ
の部分の塗膜12は硬度の高いものとされているので、
薄膜状であっても傷が付くことは少ない。したがって、
その防食性は長期にわたって維持される。
第3図は、座面16をその近傍の一般面18と同一面あ
るいはそれより低い面とすることが求められる場合にお
ける本考案の実施例を示すものである。
この場合には、座面16の周辺部17が溝状に形成され
る。したがって、座面16はその周辺部17よりは高さ
が高いことになる。
このようにすることにより、第1図の実施例の場合と同
様にして座面16における塗膜12を薄膜化することが
でき、同様の作用効果を得ることができる。
なお、上記実施例においては、座面16における塗膜1
2の薄膜化のためにコイニング方式あるいはホットプレ
ス方式を採用するものとしているが、例えば塗装時に、
塗料が乾燥する前にローラによって座面16部分の塗膜
12を押し広げるという方法を採ることもできる。その
ような場合にも、本考案のように座面16の高さを周辺
部17よりも高くすることによって、塗膜12の隆起を
防止することができ、ボルト頭部13aと座面16との
接触面積を十分に確保することができる。
(考案の効果) 以上の説明から明らかなように、本考案によれば、ボル
トの締結時にそのボルトの頭部と接触する座面の高さ
を、その周辺部よりも高く形成するようにしているの
で、座面上の塗膜を押し広げて薄膜化するときにも、そ
の周辺部に塗膜の隆起が生ずることを防止することがで
きる。したがって、頭部の面積が大きいボルトを用いる
場合やボルト締結部が近接して配置される場合などにお
いても、ボルトの頭部の浮き上がりを防止することがで
き、座面に密着させることができる。その結果、座面上
の塗膜が薄膜化されることと相まって、ボルトのゆるみ
防止効果を確実に得ることができるようになる。
そして、そのように座面にも塗膜が形成されるので、そ
の座面からの発錆も抑制することができる。しかも、塗
膜が薄膜化される座面部分の面積は、ボルトの締結時に
そのボルトの頭部がはみ出すことのない大きさだけがあ
ればよい。したがって、薄い塗膜が露出する部分は小面
積とすることができ、その薄い塗膜によって防食性が損
なわれることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案によるボルト締結部構造の一実施例を
示す縦断面図、 第2図は、そのボルト締結部を形成するときの状態を示
す説明図、 第3図は、本考案によるボルト締結部構造の他の実施例
を示す縦断面図、 第4図は、本考案が改良の対象とするボルト締結部の形
成時の状態を示す説明図である。 10…金属部材、11…金属母材、12…塗膜、13…
ボルト、3a…ボルト頭部、14…ボルト孔、15…フ
ランジ面、16…座面、17…周辺部、18…一般面

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属部材に設けられるボルト孔の周囲が、
    そのボルト孔に挿通されるボルトの頭部の外径よりも大
    径の範囲にわたって、その周辺部よりも高さの高い座面
    として形成され、 少なくともその座面からその近傍にまでわたる前記金属
    部材の表面に防食塗装が施されていて、 その座面における塗膜の厚さが他の塗装表面における塗
    膜の厚さよりも小さくされている、 金属部材におけるボルト締結部の構造。
  2. 【請求項2】前記座面の周辺部における塗膜厚さが他の
    塗装表面における塗膜厚さよりも大きくされている、 請求項1記載のボルト締結部の構造。
  3. 【請求項3】前記座面の面粗度が他の塗装表面に比して
    小さくされている、 請求項1又は2記載のボルト締結部の構造。
  4. 【請求項4】前記座面における塗膜の硬度が他の塗装表
    面における塗膜の硬度よりも高くされている、 請求項1ないし3のいずれか記載のボルト締結部の構
    造。
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