JPH0913182A - 防錆処理鋼板の縁処理構造および縁処理方法 - Google Patents

防錆処理鋼板の縁処理構造および縁処理方法

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JPH0913182A
JPH0913182A JP32131194A JP32131194A JPH0913182A JP H0913182 A JPH0913182 A JP H0913182A JP 32131194 A JP32131194 A JP 32131194A JP 32131194 A JP32131194 A JP 32131194A JP H0913182 A JPH0913182 A JP H0913182A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 例えば二重床の配線カバー等に用いられる防
錆処理鋼板、特に表面にめっき等の防錆処理を施した防
錆処理鋼板を所定の形状に打抜いて使用する場合に、そ
の打抜いた部材の縁部に母材が露出して錆が発生するの
を可及的に低減して耐食性を向上させることのできる防
錆処理鋼板の縁処理構造および縁処理方法を提供するこ
とを目的とする。 【構成】 所定形状に打抜いた防錆処理鋼板1の縁部に
プレス加工等により面取り部1bを形成することによっ
て、前記鋼板1の表面に形成された防錆処理層12が、
前記の打抜かれた端部断面にまで及んで被覆されるよう
にしてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば鉄等よりなる鋼
板の表面に溶融亜鉛メッキ等の防錆処理を施した防錆処
理鋼板のプレス加工等による縁処理構造および縁処理方
法に関する。更に詳しくは、例えば二重床を構成する配
線用パネルのカバー板やパネル等に用いる防錆処理鋼板
の縁処理構造および縁処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板を所定形状にプレス打抜き加工する
製造技術においては、そのプレス打抜きにより生ずる端
部断面のバリ等を少なくするために、例えば、そのプレ
ス打抜きを行う際に、その端部をテーパ状、又はR形状
に面取り部を形成することが行われている(例えば、特
開昭51−150185号、同昭53−22682号、
同昭55−165236号、同昭57−184617号
公報等参照)。
【0003】しかし、この種の鋼板端部のプレス打抜き
による断面をテーパ状、又はR形状にプレス加工して
も、バリ等を少なくすることができるものの、切断面か
ら錆が発生する問題がある。
【0004】これは製造する製品、使用状況によっても
異なるが、例えば床材の配線カバー等の場合には、長期
間過酷に使用されるものであるから、錆が発生しやす
く、これを防止するために幾つかの対策が講じられてい
る。 表面に上記のような防錆処理を施した、あるいは施
していない鋼板を所定形状に打ち抜いた後に、その表面
全面に亜鉛メッキや塗装等の防錆処理を施す。 予め防錆処理された鋼板を所定形状に打ち抜いた後
に、その切り口のみに防錆処理を施す。
【0005】しかしながら、上記の方法は、一度に多
くの製品を製造する場合には、それら1つ1つについて
全面に防錆処理することになり、その処理工程が大掛か
りになって、結局、製造コストが高くなってしまう。特
に、二重床に用いられている配線カバーやパネル等の鋼
板表面処理に用いられる特殊な植毛処理は、歩行時の干
渉作用と共に、防錆作用の効果を得るために好適であ
り、近年、多々用いられているが、製造上、非常に効果
なものであった。一方、上記の方法は、端部断面に2
度目の防錆処理工程を付加するに加えて、その端部断面
のみ確実に防錆処理が行えるように、例えばマスキング
等の工夫が必要になり、結局、そのマスキング工程が増
し、これも製造コストが高くなってしまう。
【0006】また、更にこの防錆の問題を解決する他の
方法として、例えばSPCC材等の母材の表面にSUS
等の表層材を積層してなるクラッド板材を用い、そのク
ラッド板材をプレス等で打抜く際に、母材の切断面に表
層材をプレスで引き伸ばしてその切断面を覆うことが知
られている(例えば特開昭63−278617号公報参
照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法は、防錆処理メッキされた鋼板に関するものではな
く、特殊なクラッド板材のみに関するもので、材質的に
も、特殊で、高価になるという欠点がある。また、前述
した植毛表面処理等は、植毛付着工程により製造上、コ
スト高ろなり、結局、配線カバーやパネルの製品自体が
高価なものになるという問題があった。
【0008】そして、この種の防錆処理鋼板に関して
は、上述のような高価で特殊なクラッド板材や植毛処理
鋼板ではなく、一般的には安価な防錆処理(メッキ)さ
れた鋼板を適用するのが好ましい。特に鋼板の防錆処理
を端部断面にまで及ぶように、その端部をプレスのみで
面取り加工するものは、今までには、存在していなかっ
た。
【0009】また、このような鋼板の防錆処理の手法に
より、安価で大量に製造できることが強く望まれてい
た。例えば、前述した配線経路が形成される二重床を構
成する床材の配線カバーやパネル等に使われる鋼板は、
長期的にも過酷な使用状況により錆が発生しやすいとい
う問題を抱えているのが実情である。しかも、この種の
床材では、このカバー、パネル類は多量に床面に敷設さ
れるものであるから、安価で容易に製造できる防錆方法
をとる必要があった。
【0010】本発明は上記の問題に鑑みて提案されたも
ので、表面にメッキ等の防錆処理を施した防錆処理鋼板
を所定の形状に打抜いて使用する際に、その打抜いた部
材の縁部に母材が露出するのを可及的に低減して耐食
性、防錆効果を向上させることのできる防錆処理鋼板の
縁処理構造および縁処理方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は、以下の構成としたものである。即ち、本
発明による防錆処理鋼板の縁処理構造は、所定形状に打
抜かれた防錆処理鋼板の縁部に面取り部を形成してなる
防錆処理鋼板の縁処理構造であって、前記面取り部は、
前記鋼板の表面に形成された防錆処理が、前記の打抜か
れた縁部断面にまで及んで被覆されるようにしてなるこ
とを特徴とする。前記面取り部は、例えば前記鋼板の表
面に形成された防錆処理層が、鋼板の板厚の所定公差分
に基づいて前記の打抜かれた端部断面まで及んで被覆さ
れるように形成される。
【0012】また本発明による防錆処理鋼板の縁処理方
法は、鋼板の表面に防錆処理層を形成した防錆処理鋼板
を所定の形状に打抜く打抜き工程と、防錆処理鋼板の縁
部に面取り部を形成すると共に、前記防錆処理層が前記
の打抜かれた端部断面にまで及んで被覆されるように防
錆処理鋼板の縁部に面取り加工を施す面取り加工工程と
を有することを特徴とする。
【0013】
【作用】上記のように本発明による防錆処理鋼板の縁処
理構造は、打抜いた防錆処理鋼板の縁部にプレス加工等
により面取り部を形成し、その面取り部は、鋼板の表面
に形成された防錆処理層が、前記の打抜かれた端部断面
にまで及んで被覆されるようにしたので、上記の打抜い
た縁部に母材が露出するのが低減され耐久性を向上させ
ることが可能となる。
【0014】また上記の本発明による防錆処理鋼板の縁
処理方法によれば、防錆処理鋼板を所定の形状に打抜く
打抜き工程と、その打抜き工程で所定の形状に打抜かれ
た防錆処理鋼板の縁部に面取り加工を施す面取り加工工
程とによって、防錆処理鋼板の縁部に面取り部を形成す
ると同時に、前記防錆処理鋼板表面の防錆処理層が前記
の打抜かれた端部断面にまで及んで被覆することが可能
となる。
【0015】
【実施例】以下、図に示す実施例に基づいて本発明によ
る防錆処理鋼板の縁処理構造および縁処理方法を具体的
に説明する。
【0016】本発明の特徴的なことは、防錆処理(メッ
キ)が、端部断面まで及んで覆われるように、該端部を
所定条件(プレス圧力、R形状)のプレス加工を行うこ
とにあり、特に、上記防錆処理が、プレス加工により破
壊されないよう防錆効果を維持させて端部断面まで覆わ
れるようにする点にある。
【0017】〔実施例1〕図1は本発明による防錆処理
鋼板の縁処理構造の一実施例を示す要部の断面図であ
る。図において、1は防錆処理鋼板で、本実施例におい
ては溶融亜鉛メッキされた鋼板が用いられ、鉄等の鋼板
(母材)11の表裏両面に溶融亜鉛メッキよりなる防錆
処理層12を形成した構成である。その防錆処理鋼板1
はプレス打抜き加工等により所定の形状に形成され、そ
の打抜いた断面1aの角部に面取り部1bが形成されて
いる。その面取り部1bは図示例においては略円弧状に
形成したもので、その円弧に沿って前記の防錆処理層1
2の端部が湾曲形成され、それによって打抜き断面の残
余縁部1aまで及んで防錆処理層12aが形成されてい
る。
【0018】上記のようにプレス打抜き等により打抜い
た縁部1aにまで及んで防錆処理層12a・12aを形
成することによって、上記縁部1aで母材11が露出す
るのを面積的にも低減することが可能となり、耐食性を
向上させることができる。
【0019】なお、上記の防錆処理層12a・12a
は、縁部1aの残余が無くなるように、母材11の断面
が完全に覆われるように面取り部1bの円弧状を設定す
るのが望ましい。
【0020】〔実施例2〕上記のような防錆処理鋼板の
縁処理構造の形成手段は適宜であるが、例えば以下の要
領で形成することができる。図2はその形成プロセスの
一例を示す説明図であり、先ず同図(a)に示すように
予め鉄等の母材11の表裏両面に防錆用の溶融亜鉛メッ
キ等の防錆処理層12・12を形成してなる防錆処理鋼
板の素材板1’を、同図の鎖線示のようなプレス打抜き
パンチ2およびダイ3等により同図(b)のように所定
の形状に打抜く。その打抜かれた防錆処理鋼板1の縁部
1aには、母材11の端部11aが外部に露出する。
【0021】次いで、打抜かれた防錆処理鋼板1の縁部
1aを、例えば同図(b)のようにプレス成形型4a・
4bにより上下両側から押圧する。その成形型4a・4
bは、図示例においては対向面にそれぞれ凹部40を形
成したもので、その凹部40の平面形状は上記の打抜い
た防錆処理鋼板1の平面形状と略同一形状に形成され、
その凹部40の角部40aは前述した面取り部1bに対
応する略円弧状に形成されている。その成形型4a・4
bにより上記の打抜かれた防錆処理鋼板1を上下両側か
らプレスで押圧することによって、同図(c)のように
防錆処理鋼板1の周縁角部に円弧状の面取り部1bを形
成する。そのとき、防錆処理層12・12の端部12a
・12aは上記の円弧状の面取り部1bに沿って湾曲形
成され、その湾曲形成された防錆処理層12a・12a
によって前記縁部を被覆することができる。
【0022】上記の防錆処理層12a・12aは、前述
のように防錆処理鋼板1の縁部1aの全面を完全に被覆
させることが望ましいが、上記のような成形型4a・4
bを用いる場合には、鋼板自体の厚さバラツキによる公
差分を考慮して成形型4a・4bの凹部40の深さや円
弧状角部40aの半径R等を設定する必要がある。
【0023】上記のように鋼板自体の厚さバラツキによ
る公差分を考慮して防錆処理層で被覆されない領域Sを
形成すると、錆の発生領域は、上記のように厚さ方向の
中央付近の極く狭い領域になり、単に打抜いた場合の切
断面よりも極めて小さくすることができる。
【0024】〔実施例3〕上記のような本発明による防
錆処理鋼板の縁処理構造および縁処理方法を、図1を用
いて配線経路を覆う二重床用の配線カバーに適用した実
施例について詳細に説明する。
【0025】本実施例の特徴は、防錆メッキを、面取り
プレス加工により破壊することなく端部断面まで及んで
被覆させ、その端部切断面の錆発生領域を最小限にして
犠牲防食作用を適用し、防錆効果を得ることにある。
【0026】全体厚さLが約2.3mmの溶融亜鉛メッ
キ鋼板を、前記実施例2のような打抜きパンチ2および
ダイ3で約100mm角に打抜いた後、成形型4a・4
bで断面円弧状の面取り部1bを形成して配線カバーを
作成した。
【0027】なお上記の溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ層
厚は、前記のようにL≒2.3mmの場合、約7μ〜1
5μ(TYP値12.6μ)又は目付量(片面)50〜
100g/m2 (TYP値90g/m2 )程度のものを
用いた。また、鋼板自体の厚さバラツキによる公差分を
考慮してメッキ層で被覆されない領域Sの幅L1が約
0.3mmになるように成形型4a・4bの凹部40の
深さDを1mm、面取り部を形成する円弧状角部40a
の半径Rを1mmとした。
【0028】その結果、ほぼ設計通りに、打抜いた縁部
の厚さ方向中央部に約0.3mmのメッキ層で被覆され
ない領域Sがある以外は打抜いた縁部のほぼ全周をメッ
キ層で被覆することができた。
【0029】なお上記の溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ厚
や全体厚さ、および打抜いた配線カバーの大きさや形状
は一例であり、例えば溶融亜鉛メッキ鋼板のメッキ厚は
適宜であり、また全体厚さLは約1.0〜4.0mm程
度のものでもよい、また配線カバーの大きさは約200
mm角のものや角形状に限らず、その他各種形状のもの
にも適用できる。
【0030】次に、鋼板厚の公差分に基づいて、防錆処
理メッキを、端部切断面に及んで覆われるように、前記
面取り部を形成、設定する具体的一例を説明する。
【0031】即ち、例えばJIS規格による鋼板厚に対
する公差は、板厚2.3mmの場合には±0.17m
m、板厚3.2mmの場合には±0.2mm〜0.22
mmと設定されており、これを考慮して図1に示すよう
に上記の防錆処理層で被覆されない残余縁部1aに相当
する領域Sの間隔L1が0.2〜0.5mm程度となる
ように成形型4a・4bの凹部の深さDや円弧状角部4
0aの半径R等を設定すればよい。
【0032】具体的には、例えば鋼板厚Lが2.3mm
±0.17mm(MIN 2.13mm〜MAX 2.47m
m)のものを使用した場合において、成形型4aの角部
40aを1Rに設定すれば、縁部1aのL1は、MIN
2.13mm〜MAX 2.47mmに設定され、錆の発生
領域Sを最小限にすることが可能となる。
【0033】更にもし、金型の加工精度が得られ、角部
40aを1.065Rに設定すれば、縁部1aのL1
は、MIN 0mm〜MAX 0.34mmに設定されることに
なり、錆の発生領域Sを実質的に0に近づけることが可
能となる。この場合、端部の面取り部形成のためのプレ
スは表裏片側ずつ行うのが好適である。
【0034】このようにして鋼板厚Lが3.2mm±
0.2mmのもの等も、その公差分に基づいて、成形型
4aの角部40aのRを、前記縁部1aが最小限になる
ように設定すればよい。即ち、任意の鋼板厚に応じたそ
の公差分に基づいて、防錆処理メッキ12aが端部断面
中央付近まで及ぶように面取り部1bのRを設定すれば
よい。
【0035】なお本実施例では、図1に示すように鋼板
端部の表裏両側に面取り部1bを形成させたが、表また
は裏の片側のみに形成してもよく、要は、実質的に防錆
処理メッキが端部断面に及んで被覆し、錆発生領域Sが
全切断面よりも少なくなればよい。
【0036】〔実験例〕次に、上記実施例3で作成した
配線カバーの耐食性の試験を行った。その結果を、以下
に、具体的な根拠となる実験データに基づいて詳細に説
明する。試料としては上記実施例3で得られた全体厚さ
Lが2.3mm、約100mm角の大きさで、プレス条
件1辺約10cm長端部で約50t、1cm当り3.8
tでプレスし、メッキ目付量90gm2 、各片側メッキ
厚12μ〜15μ程度の本発明によるA製品と、その比
較例として前記面取り加工を施さない以外は全く同一の
B製品とを用い、それらの製品の端部断面を含んで全表
面に、カーペット固定用の粘着材を塗布して耐食性を調
べた。なお上記の粘着剤は実際に配線カバーとして使用
する場合を想定したものである。
【0037】上記のA製品とB製品とを、温度40℃、
湿度95%の同じ条件の恒温室に7日間保管し、8日目
に取り出して、両製品の端部(R加工部、剪断部)を目
視および顕微鏡により観察して錆の発生状況を調べた。
図3は本発明による上記A製品の錆の発生状況を示す図
面代用写真、図4はその比較例としての上記B製品の錆
の発生状況を示す図面代用写真であり、各図の(a)は
略原寸大、(b)は約5倍に拡大したものである。それ
らの写真はいずれも同一条件で撮影したものである。
【0038】図3と図4との対比から明らかなように、
A、B製品の端部の錆の発生状況は、面取り加工を施し
た本発明によるA製品の方が、錆の発生が明らかに少な
くなることが確認された。特に本発明によるA製品は、
上記のように面取り部1bがプレス加工され、メッキ層
12aが前記図1のように縁部1aに近づくにつれ薄く
なるが、メッキ破壊が起こらずに良好に覆われているこ
とも確認され、錆の発生が殆どないことも確認された。
【0039】また本発明によるA製品は、図3の(b)
に見られるように錆発生領域(切断面)はごく狭い領域
になり、詳細に見ると、打抜き切断面にはプレス金型に
よる細かい縦傷が多数あり、その縦傷部分に僅かに錆が
発生しているが、比較例によるB製品と比べると、同一
試験条件でありながら本発明によるA製品は、母材(鋼
板)11の露出部分での錆発生が極めて少ないことがわ
かる。これは防食処理(メッキ)が母材よりもイオン化
傾向が高く、その防食処理が犠牲となって母材の錆を防
ぐ犠牲防食作用(ガルバニックアクション)によるとこ
ろが大きく、これによって母材が多少露出しても良好に
防錆効果を発揮できるものである。
【0040】〔他の変更例〕上記実施例および実験例で
は、防錆処理鋼板として溶融亜鉛メッキ鋼板を用いた場
合を例にして説明したが、防錆効果のある表面処理であ
れば、各種の一般的な塗装やカチオン電着塗装、クロメ
ート処理、銅メッキ、ニッケルメッキ、クロームメッ
キ、カドミウムメッキ、ダクロダイズド処理等どのよう
なものでもよい。
【0041】また打抜き加工については、鋼板端部の表
裏両面を同時に打抜き、それと同時に面取り加工しても
よいし、プレス等で打抜いた後に片面ずつ面取り加工し
てもよい。要は、打抜きと面取り加工をすればよく、そ
の手法、順序はどうあってもよい。
【0042】更に、前記実施例では、二重床の配線カバ
ーに適用した場合を例にして説明したが、二重床用のパ
ネルでもよく、また二重床の種類に限定されない、また
二重床のみでなく、他の分野にも利用できることも当然
可能であり、前記実施例のみに限定されるものではな
い。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明による防錆処
理鋼板の縁処理構造および縁処理方法は、前記の構成で
あるから、以下のような効果が得られる。 (1)所定形状に打抜いた防錆処理鋼板の端部に、面取
り部を形成して該端部が防錆処理層で覆われるようにし
たので、錆の発生領域を少なくでき、錆発生量を減少さ
せることができる。 (2)溶融亜鉛メッキ鋼板等の一般的な防錆処理鋼板を
用いることができるのでグラッド材等を用いる場合や植
毛処理する場合に比べて安価である。即ち、例えば植毛
処理の場合、一般的に製造工程は、メッキ鋼板プレス打
抜き→植毛加工(接着剤塗布工程+植毛付着工程+乾燥
工程)になる。これに対し、本発明では、メッキ鋼板プ
レス打抜き→プレス面取り加工→(+緩衝材張付工程)
になり、高価な植毛加工の製造工程を削除でき、これに
代わって、単なるプレス面取り加工のみの工程を付加す
るだけなので、材料費、製造コストを大幅に低減可能と
なる(例えば歩行時の緩衝用の緩衝材張付工程を付加し
ても、植毛加工よりも材料費、工数を含め大幅に安価に
なる)。一例としては、材料費、製造工程を含むトータ
ルコストは、概算では少なくとも約20%〜30%程度
低減可能である。 (3)プレス等で打抜く際、もしくは打抜いた後に面取
り加工を施すだけでよいから、加工が容易であり、大量
生産も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による防錆処理鋼板の縁処理構造の一実
施例を示す要部の断面図。
【図2】本発明による防錆処理鋼板の縁処理方法の一例
を示すプロセス説明図。
【図3】(a)・(b)は実施例による製品の錆発生状
況を示す図面代用写真。
【図4】(a)・(b)は比較例による製品の錆発生状
況を示す図面代用写真。
【符号の説明】
1 防錆処理鋼板 11 鋼板(母材) 12 防錆処理層 2 打抜きパンチ 3 ダイ 4a、4b 成形型 40 凹部 40a 円弧状角部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定形状に打抜かれた防錆処理鋼板の縁
    部に面取り部を形成してなる防錆処理鋼板の縁処理構造
    であって、 前記面取り部は、前記鋼板の表面に形成された防錆処理
    が、前記の打抜かれた縁部断面にまで及んで被覆される
    ようにしてなることを特徴とする防錆処理鋼板の縁処理
    構造。
  2. 【請求項2】 防錆処理された鋼板を所定形状に打抜
    き、その縁部にプレス加工等により面取り部を形成して
    なる防錆処理鋼板の縁処理構造であって、 前記面取り部は、前記鋼板の表面に形成された防錆処理
    層が、鋼板の板厚の所定公差分に基づいて前記の打抜か
    れた縁部断面まで及んで被覆されるように形成されるこ
    とを特徴とする防錆処理鋼板の縁処理構造。
  3. 【請求項3】 鋼板の表面に防錆処理層を形成した防錆
    処理鋼板を所定の形状に打抜く打抜き工程と、防錆処理
    鋼板の縁部に面取り部を形成すると共に、前記防錆処理
    層が前記の打抜かれた端部断面にまで及んで被覆される
    ように防錆処理鋼板の縁部に面取り加工を施す面取り加
    工工程とを有することを特徴とする防錆処理鋼板の縁処
    理方法。
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