JPH06311765A - 超音波モータ - Google Patents

超音波モータ

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JPH06311765A
JPH06311765A JP5089893A JP8989393A JPH06311765A JP H06311765 A JPH06311765 A JP H06311765A JP 5089893 A JP5089893 A JP 5089893A JP 8989393 A JP8989393 A JP 8989393A JP H06311765 A JPH06311765 A JP H06311765A
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plane
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Takashi Maeno
隆司 前野
Takayuki Tsukimoto
貴之 月本
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  • General Electrical Machinery Utilizing Piezoelectricity, Electrostriction Or Magnetostriction (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 板状の弾性体により振動子を構成する超音波
モータにおいて、振動子に励起する2つの振動モードの
固有振動数等をほぼ等しくすると共に、弾性体の質点に
生じる駆動のための楕円運動を効率よく取り出すことの
できる振動子を提供する。 【構成】 弾性体1には、図2の(a)、(a−1、
2)に示す第1の曲げモードによる振動と、図2の
(b)、(b−1、2)に示す第2の曲げモードによる
振動とが位相差を有して励起され、節位置Y1 上で且つ
節位置X2 、X3 における質点には楕円運動が生じ、そ
こに変位拡大部材2a、2bを設けることにより、この
楕円運動を拡大し、駆動に供することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は超音波モータに係り、特
に振動子を構成する弾性体を板状としたリニア用の超音
波モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、リニア用の超音波モータとして
は、その振動子の形状から分類すると、以下のようなも
のが提案されている。
【0003】(1)長楕円形状の振動子を構成する弾性
体に進行波を励起し、該弾性体の直線部をレール状の固
定子に当接し、該弾性体を該固定子に沿って直線的に移
動させる形状で、特開平3−183376号、特開平3
−183381号、特開平3−289370号、等に開
示されている。
【0004】(2)棒形状の振動子を構成する弾性体に
互いに直交する2つの曲げ振動を形成し、両曲げ振動の
合成により振動子の先端部に面外モードの進行波を形成
し、該進行波の形成される駆動面に加圧接触した部材を
移動させるタイプで、例えば特開平4−29574号、
特開平4−29575号、特開平4−91668号等に
開示されている。
【0005】(3)平板状に形成された振動子の弾性体
に対し、曲げ振動と縦振動を励起するタイプで、図11
に基づいて説明する。
【0006】100は板状の弾性体で、片面側に圧電素
子101,102が接合されている。一方の圧電素子1
01に交流電圧を印加すると、弾性体100には曲げ振
動が励起され、他方の圧電素子102に交流電圧を印加
すると、弾性体100には長さ方向において伸縮する縦
振動が励起されるようになっている。そして、一方の圧
電素子101には弾性体100に対して曲げ4次モード
で振動を励起するように交流電圧が印加され、また他方
の圧電素子102には弾性体100に対して縦振動1次
モードで振動が励起されるように交流電圧が印加される
と共に、一方の圧電素子101に印加される交流電圧に
対して90°の位相差を有して他方の圧電素子102に
交流電圧が印加される。なお、弾性体100は、長さ5
0.1mm、厚さ3.0mmの寸法に形成され、曲げ4
次モードと縦振動1次モードの2つのモードの固有振動
数が一致するように設計されている。
【0007】このように構成した振動子において、両圧
電素子に時間的位相差の異なる(略90°)交流電圧を
印加することにより、弾性体100には、楕円又は円、
直進運動が生じ、特に長手方向端部には、面内、面外振
幅が共に大きい楕円が生じ、この部分に物体を押圧すれ
ば、振動子と該物体とが長手又は面外方向に沿って相対
移動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した3タイプの超
音波モータに対し、夫々以下に述べるような欠点が指摘
されている。
【0009】1)長楕円形状の振動子で構成される超音
波モータ薄肉化には有利という利点を有する反面、リニ
ア駆動のために利用する部分が直線部のみであり、しか
も片側の直線部のみであるため、振動子全体の有効利用
が図れず、したがって、リニア駆動に供しない部分が大
きく、またスペース的もに無駄が多い。
【0010】2)棒状振動子で構成される超音波モータ
は、振動子が直線移動方向に対して直交する方向に延び
ているため、その分スペース上不利となる。
【0011】3)板状振動子で構成される超音波モータ
は、上述した棒状振動子に比べて直線移動方向に直交す
る方向への厚みが薄いため、スペース的には非常に有利
ではあるが、板状弾性体に対して2つの異なったモード
(曲げ4次モードと縦1次振動モード)で振動を励起し
ているため、これら両モードの固有振動数、力係数、内
部減衰等を一致させるのが困難であり、実用化の点で問
題がある。
【0012】特に、2つのモードの力係数や内部減衰が
異なるため、該2つのモードを比べると、 a)入力電圧と振幅の比 b)加圧した時の固有振動数の変化量 c)推力を加えた時の固有振動数の変化量 d)加圧した時の損失増加量 e)推力を加えた時の損失増加量 が異なり、効率の良いモータを構成することが困難であ
った。
【0013】また、超音波モータをリニア駆動する場
合、予定移動方向を除く他の自由度を拘束する必要があ
り、摩擦駆動力を得るために設けられている加圧機構を
拘束する必要がある。
【0014】そのため、ベアリング、ボールネジ等の支
持拘束手段を別に必要とし、構造の複雑化等の問題があ
った。
【0015】本発明は上記した問題を解決し、省スペー
ス化を略れ、またベアリング等の他の拘束手段を不要と
した超音波モータを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段および作用】本発明の目的
を実現する構成は特許請求の範囲の各請求項に記載した
通りであり、例えば請求項1に記載の構成においては、
振動弾性体が平板状であり、駆動のための2つの駆動モ
ードは共に曲げモードで、振動弾性体に生じる円又は楕
円運動の駆動用の例えば面外振動の取り出しは、振動弾
性体に設けた突起部により行える。2つの振動モードが
共に曲げモードであることから、両モードの固有振動数
は振動弾性体の寸法を設定するだけで略一致させること
ができ、図11の従来例のように、固有振動数、力係
数、内部減衰等が大幅に異なることはない。
【0017】振動するのはあくまでも板状の振動弾性体
であり、所望するトルク等に応じて突起部の長さを設定
することができ、棒状超音波モータのように、駆動方向
以外の方向に大きなスペースを要することもない。
【0018】また、請求項9に記載の構成によれば、例
えば移動体を振動子とする場合、予定移動方向に対して
摩擦駆動力を発生させる突起部は、予定移動方向と互い
に直交する他の2方向に対して振動子を拘束する拘束手
段を兼ねているため、別に軸受手段を設けることを不要
とする。
【0019】
【実施例】図1は本発明による超音波モータの第1実施
例を示す振動子の概略斜視図である。
【0020】1は矩形平板形状に形成された弾性体で、
円環状超音波モータの振動子を構成する弾性体や、棒状
超音波モータの振動子を構成する弾性体と同様の金属材
料より形成され、片面側には第1の変位拡大部2aと第
2の変位拡大部2bがZ方向に突出し、裏面側には圧電
素子3が接合されている。なお、弾性体1の長手方向を
X方向、短辺方向をY方向、厚み方向をZ方向とする。
【0021】本実施例において、弾性体1には、図2の
(a)に示すように、X方向における中央と、Y方向に
おける中央を同時に節位置とするX,Y,Zの3次元に
おいて変曲げ変位する第1曲げモードと、図2の(b)
に示すように、X方向における両端から夫々内側に約1
/4の位置を節位置とするXZ平面内において曲げ変位
する第2曲げモードの2つの曲げ振動が励起されるよう
にしている。
【0022】この第1の曲げモードと、第2の曲げモー
ドは、圧電素子3における第1の曲げモード用圧電素子
(以下A相圧電素子と略す)3Aと、第2の曲げモード
用圧電素子(以下B相圧電素子と略す)3Bに交流電圧
を印加することにより形成されるが、そのための圧電素
子3の構成を図12に示す。
【0023】図12の(a)は、A相圧電素子3Aと、
B相圧電素子3Bとを別々の素子として形成し、グラン
ド用電極板を挟んで積層構造としたものであり、前述し
た弾性体1における第1曲げモードのX方向の節位置と
Y方向の節位置に対応した直線部分X1 ,Y1 を境界と
して、対角の部分を同極とする分極処理が施されてい
る。
【0024】又、B相圧電素子3Bは、異極の分極処理
は行なわず、(+)の分極処理のみを施している。
【0025】図12の(b)は、一枚の圧電素子3に、
A相圧電素子3AとB相圧電素子3Bとを組合わせて分
極処理を施した場合を示し、A相圧電素子3Aについて
は図12の(a)に示す場合と同様にして中央部に形成
され、B相圧電素子3Bについては(+)方向に分極処
理を施した部分を長辺側の上下に夫々設けることにより
形成している。
【0026】A相圧電素子3Aに正弦波又は方形波等の
交流電圧VA を印加すると、弾性体1には図2の(a−
1,a−2)に示すように、節位置X1 を中心として上
下の長辺に形成される曲げ振動が逆位相となると共に、
節位置Y1 を中心として左右の短辺に形成される曲げ振
動が逆位相となる。
【0027】したがって、第1の変位拡大部2aと第2
の変位拡大部2bとを節Y1 上に配置すると共に、節X
1 に対してその両側に配置することにより、節Y1 にを
基点として第1の変位拡大部2aと第2の変位拡大部2
bとはY方向に逆位相で振動することになる。
【0028】また、B相圧電素子3Bに交流電圧Vb
印加すると、弾性体1には図2の(b−1,b−2)に
示すように、長辺に沿って単純な一次の曲げ振動が励起
される。
【0029】したがって、第1の変位拡大部2aと第2
の変位拡大部2bとは、夫々節X2,X3 を基点として
X方向に逆位相で振動することになる。
【0030】以上のことから、A相圧電素子3Aに印加
する交流電圧VA と、B相圧電素子3Bに印加する交流
電圧VB との位相差を90°として同時に印加すると、
第1の変位拡大部2aと第2の変位拡大部2bの先端部
の変位は、180°の位相のずれを有してX−Y平面内
で円又は楕円運動となる。
【0031】したがって、第1の変位拡大部2aの斜線
で示す先端部側面5aと、第2の変位拡大部2bの斜線
で示す先端部側面5bに物体(不図示)を押圧すれば、
該物体と該振動子とはX方向に沿って相対的に直線移動
することになる。なお、交流電圧VA とVB との振幅は
必ずしも等しくする必要はない。
【0032】また、第1の曲げモードと第2の曲げモー
ドとは、共に低次の曲げモードではあるが、図2の
(a),(b)に示すようにモード形状が異なるため、
一般に両曲げモードの固有振動数は一致しないが、長辺
と短辺との比を選択することによって、両曲げモードの
固有振動数を管理することができ、本実施の場合には約
8:5とすることで両曲げモードの固有振動数を一致さ
せることができた。
【0033】ところで、振動子に安定した駆動振動を励
起させるためには、振動状態を検出し、フィードバック
制御により駆動周波数、位相等を変化させるのが望まし
く、図12の(c)は、同図の(a)に示すA相圧電素
子3Aに振動検出のためのセンサ相3Sを設けた例を示
し、図12の(d)は同図の(b)に示す圧電素子3に
センサ相3Sを設けた例を示している。
【0034】なお、上記した第1実施例にあっては、弾
性体1に接合される圧電素子3を変位拡大部と反対側に
設けたが、該変位拡大部と同じ面に設けてもよい。
【0035】図16は上記した第1実施例の変形である
第2実施例を示す。
【0036】上記した図1に示す第1実施例において
は、第1の変位拡大部2aと第2の変位拡大部2bとを
180°の位相ずれを有して面外モードにより円又は楕
円運動させるために、第1の曲げモードを3次元的に変
位させており、そして、この変位を得るためにA相圧電
素子3Aを図12の(a)に示す分極処理を施している
が、歪みの生じる他の部分に圧電素子を設けて曲げ振動
を励起しても、上記2つのモードは励起され、第1の変
位拡大部2aと第2の変位拡大部2bとは、同様にその
先端部が位相の180°異なる円又は楕円運動する。
【0037】従って、弾性体1に対して第1の曲げモー
ドと第2の曲げモードを励起するために、第1実施例の
ように圧電素子3を弾性体1に直接貼り付けることは必
ずしも要しない。
【0038】本第2実施例は図16の(a)に示すよう
に、第1の変位拡大部2aにA相圧電素子3Aを挟持固
定し、第2の変位拡大部2bにB相圧電素子3Bを挟持
固定したものであり、図16の(b)に示すように、本
実施例におけるA相圧電素子3Aは、節Y1 を境として
上下方向で異なる極性に分極処理が施され、B相圧電素
子3Bは節X3 を境として左右方向に異なる極性に分極
処理が施されている。A相圧電素子3Aに交流電圧VA
を印加すると、弾性体1は十文字状に節をもつ曲げ振動
を行い、B相圧電素子3Bに交流電圧VB を印加すると
弾性体1は長辺方向において曲げ振動する。したがっ
て、電圧VA と電圧VB とを90°の位相差を有して夫
々の圧電素子3A,3Bに印加すれば、その合成により
変位拡大部2aと2bの先端部は円又は楕円運動する。
その際、両変位拡大部の変位方向は、第1実施例のよう
に、180°の位相差を有する。
【0039】ここで、変位拡大部2a,2bに圧電素子
を挟持固定する、ということに着目すれば一見棒状超音
波モータにおける棒状振動子と同様の構成に思えるが、
棒状振動子はあくまでも棒状の弾性体に曲げ振動を励起
するのに対し、本実施例は変位拡大部2a,2bを曲げ
振動させるのではなく、板状の弾性体1に曲げ振動を励
起させるようにした点において異なるものである。
【0040】図3は本発明の第3実施例を示す振動子の
概略斜視図である。
【0041】本実施例は、図1に示す第1実施例におけ
る2枚構成のA相圧電素子3Aを矩形平板状の弾性体1
の片面側に接合し、B相圧電素子3Bを弾性体1の他面
側に接合し、図2に示す2つの曲げ振動を弾性体1に励
起するようにしている。
【0042】また、弾性体1には、第1実施例における
第1の変位拡大部2aと第2の変位拡大部2bに加え
て、弾性体1の他面側に、第1の変位拡大部2aと対称
となる位置に第3の変位拡大部2cが設けられると共
に、第2の変位拡大部2aと対称となる位置に第4の変
位拡大部2dが設けられている。
【0043】以上の構成を有する本実施例の振動子にお
いて、第1の変位拡大部2aと第2の変位拡大部2cと
は第1の曲げモードにおよび第2の曲げモードとも18
0°の位相ずれを有し、同様に第2の変位拡大部2bと
第4の変位拡大部2dも180°の位相ずれを有する。
【0044】すなわち、第1の変位拡大部2aと第4の
変位拡大部2dの先端のX−Z面における斜線で示す側
面5a,5dは、いずれもX−Y平面内で同位相で楕円
運動を行い、また、第2の変位拡大部2bと第3の変位
拡大部2cの先端部のX−Z面における斜線で示す側面
5b,5cもX−Y平面内で同位相で楕円運動を行うの
で、第1実施例と比べて振動子と、該振動子が加圧接触
する部材との接触面積を大きくすることができ、耐久
性、リニア駆動の安定性に秀れている。
【0045】図4は第4実施例を示す振動子の概略斜視
図である。
【0046】本実施例は、弾性体1に図12の(a)に
示すA相圧電素子3AとB相圧電素子3Bを接合し、第
1実施例と同様の第1の曲げモードと第2の曲げモード
とを励起させるが、第1実施例とは弾性体1の片面側4
箇所に設ける変位拡大部の設置位置が異なる。
【0047】第1〜第4の変位拡大部2a〜2dは、弾
性体1の長辺部の上下端に配置されると共に、B相圧電
素子3Bにて励起される曲げ振動の節X2 ,X3 の位置
に夫々配置される。
【0048】A相圧電素子3Aを駆動して弾性体1に第
1の曲げモードの振動が励起されると、第1の変位拡大
部2aと第4の変位拡大部2dとは同位相で、また第2
の変位拡大部2bと第3の変位拡大部2cとは同位相
で、かつ第1の変位拡大部2aとは逆位相でZ方向に振
動する。すなわち、第1〜第4の変位拡大部は弾性体1
の長辺に沿って振動する曲げ1次モードの振動の腹位置
に配置されていることによる。
【0049】一方、B相圧電素子3Bを駆動して弾性体
1に第2の曲げモードの振動を励起すると、第1〜第4
の変位拡大部2a〜2dは図4の(c)に示すように、
節X2 ,X3 を基点としたX軸方向の振動を行う。
【0050】したがって、第1の曲げモードと第2の曲
げモードとで90°の位相差を有して合成すれば、第1
〜第4の変位拡大部2a〜2dの斜線で示す先端面5a
〜5dは、Z−X平面内において楕円運動(以下、平板
面を規準とし、平板面内(X−Y面内)方向を面内、Z
方向を含む上記の振動状態を面外振動と称す)する。よ
って、これら第1〜第4の変位拡大部2a〜2dの先端
面5a〜5dに物体(不図示)を押圧すれば、振動子と
該物体とはX方向に沿って相対移動する。
【0051】図5は第5実施例を示す振動子の概略斜視
図である。
【0052】本実施例は、図1に示す第1実施例におけ
る面内振動と、図4に示す第4実施例における面外振動
とを組合わせると共に、弾性体1の両面に変位拡大部を
設けたものである。
【0053】第1の変位拡大部2aは、第1の曲げモー
ドの節X1 の位置で、かつ長辺の上端に配置され、第2
の変位拡大部2bと第3の変位拡大部2cは、第1の曲
げモードの節Y1 上であって、第2の曲げモードの節X
2 ,X3 上に配置されている。
【0054】ここで、第2の変位拡大部2bと第3の変
位拡大部2cとは、第1実施例で述べたようにその側面
が面内モードで振動する。
【0055】第1の変位拡大部2aは、第1の曲げモー
ドにおいては節X1 を基点としてX軸方向の振動であ
り、第2の曲げモードではZ方向の振動であるため、両
曲げモードの合成によりZ−X平面内で楕円運動を生じ
る面外モードの振動となる。
【0056】上記した構成の振動子をX方向を予定移動
方向とするリニア超音波モータとして使用する場合、面
内、面外の両振動モードで形成される楕円運動の運動方
向が一致する必要がある。そのため、第2の変位拡大部
2bと第3の変位拡大部2cは、下面の側面5b,5c
を駆動面とし、物体と加圧接触させるようにしている。
【0057】なお、反対面側に対称に配置された変位拡
大部は、対応する変位拡大部に対して180°の位相差
を有して面外、面内のモードで楕円運動する。
【0058】上記した構成の本実施例による振動子は、
第1の変位拡大部2aはZ方向に押圧面を有し、第2の
変位拡大部2bと第3の変位拡大部2cはY方向に押圧
面を有する、すなわち異なる方向に押圧面を有するた
め、振動子と、該振動子と加圧接着してX方向に相対移
動する部材とのガイドを行う軸受等の手段を減少するこ
とができる。
【0059】ところで、上記した第1〜第5実施例にお
いて、振動子の変位拡大部が加圧接触して相対移動する
部材との接触部において、該変位拡大部又は該部材の一
方、又は双方にバネ性を有する構造とし、振動変位の追
従性を良好とし、効率よく摩擦接触させるようにしてお
り、図5の第5実施例における振動子の変位拡大部にバ
ネ性を有するツバ(以下ツババネと略す)を設けた実施
例を図6に示す。
【0060】図6に示す第6実施例において、第1の変
位拡大部2aは、先端部が逆L字形状に形成されたツバ
バネ4aの先端面に駆動面5aが形成されている。ま
た、第2の変位拡大部2b、第3の変位拡大部2cは、
先端部が「形状のツババネ4b,4cの下向先端面に駆
動面5b,5cが形成されている。
【0061】このようなツババネ4a,4cは、振動子
の励振周波数に十分追従し得るような動特性を有し、か
つ押圧力によって1周期の半分以下の時間に渡って相対
移動する物体と接触し続けるような変位が得られるよう
な動剛性を有するように設計されている。
【0062】そして、このツババネにより、振動子と該
物体とは間欠的で安定した接触を行うことができる。な
お、図示した形状のツババネは一例であり、上記の動特
性を満たせばいかなる形状であってもよく、振動子、該
物体のいずれに設けてもよい。
【0063】図7は第7実施例を示す振動子の概略斜視
図、図8はモード図である。
【0064】上記した第1〜第6実施例は、矩形平板状
の弾性体1に対し、共に1次の第1の曲げモードと第2
の曲げモードの振動を励起し、変位拡大部の配置位置等
により、リニア駆動のために面外モード又は面内モー
ド、あるいはこれらを組合せている。
【0065】これに対し、本実施例は、弾性体1を正方
形板とし、縮退する最低次モードを用いる例である。
【0066】正方形板の弾性体1には、上記した各実施
例と同様にA相圧電素子3AとB相圧電素子3Bとが接
合され、A相圧電素子3Aを駆動して得られる振動モー
ドを図8の(a)に示し、B相圧電素子3Bを駆動して
得られる振動モードを図8の(b)に示す。
【0067】図8の(a)に示す第1の曲げ振動モード
は、X軸方向に沿って平行な2つの節(Y2 ,Y3
と、Y軸方向に沿って1つの節(X1 )を形成する振動
モードである。また、図8の(b)に示す第2の曲げ振
動モードはX軸方向に沿って1つの節(Y1 )と、Y軸
方向に沿って平行な2つの節(X2 ,X3 )を形成する
振動モードである。
【0068】すなわち、第1の曲げ振動モードは、X軸
方向における節線数をm、Y軸方向における節線数をn
とすると、(m,n)=(2,1)であり、同様に第2
の曲げ振動モードは、(m,n)=(1,2)の関係に
ある。
【0069】したがって、これらの2つのモードの異な
る方向の振動を合成すれば、上記した各実施例と同様に
所望の楕円運動が得られる。本実施例では、第1、第2
の曲げモードにおいて節となる部分に変位拡大部2a,
2bを設け、X−Y方向の振動を合成して面内振動モー
ドを利用して、駆動面5a,5bによりリニア駆動を行
うようにしている。
【0070】上記した構成の実施例においては、弾性体
1が正方形であるため、第1の曲げ振動モードと第2の
曲げ振動モードとの固有振動数、力係数等を略一致させ
ることができるという効果が得られる。
【0071】図9は第8実施例を示す振動子の斜視図で
ある。
【0072】本実施例は、弾性体1を円板に形成し、中
心に変位拡大部2を形成し、弾性体1に接合されるA相
圧電素子3AはX軸方向の直径部分を境として異極に分
極処理が施され、円板状の弾性体1に対してX方向の直
径部を節Y1 とすると共に円周の節R1 を有する曲げ振
動を励起する。また、B相圧電素子3BはA相圧電素子
3Aに対して同形状のものを90°の位相をずらして配
置され、円板状の弾性体1に対してY方向の直径部を節
1 とすると共に円周の節R1 を有する曲げ振動を励起
する。
【0073】そして、これら2つの振動を90°の位相
差を有して形成することにより、その合成で変位拡大部
2にX−Y平面内で楕円運動を発生させ、バネツバ部を
有する変位拡大部2の下向先端面を駆動面5としてリニ
ア駆動に供することができるようにしている。
【0074】図13は第9実施例を示す超音波モータの
概略斜視図である。
【0075】本実施例は、図1に示す第1実施例におけ
る振動子を移動体とするリニア超音波モータで、予定移
動方向に延びるレール状固定子6には、ツババネ4を介
して接触部が形成され、振動子の第1変位拡大部2aと
第2変位拡大部2bの先端部下側面が該レール状固定子
6の接触部に矢印8方向の加圧力を受けて加圧接触する
ようになっている。
【0076】なお、第1実施例の説明において、変位拡
大部の先端部上側面を駆動面としているが、下側面であ
っても向きが異なるのみで、同様の駆動力が得られる。
【0077】振動子には支持部材7が取付けられ、この
支持部材7に被駆動体9が固定されるようになってい
る。
【0078】図14は第10実施例を示す超音波モータ
の概略斜視図である。
【0079】本実施例は、図3に示す第3実施例におけ
る振動子を移動体とするリニア超音波モータで、振動子
は弾性体1の両側に変位拡大部2a〜2dを有している
ため、これに合わせてレール状固定子6は断面U字形状
に形成され、その両側部の上面でツババネ4を有する変
位拡大部2a〜2dが加圧接触するようになっている。
【0080】レール状固定子6の両側部上面は、予定移
動方向に沿って段差が形成され、一段低くなって外側面
を接触面6aとし、該段差と振動子の変位拡大部との係
合により振動子の予定移動方向へのガイドを行なってい
る。
【0081】図15は第11実施例を示す概略図であ
る。
【0082】本実施例は図6に示す第6実施例の振動子
を移動体としたもので、レール状固定子6は、Y軸方向
において第2の変位拡大部2b,2cと当接するフラン
ジバネに形成された第2の接触部6bと、Z軸方向にお
いて第1の変位拡大部2aと当接する第1の接触部6a
とが夫々対をなして対称に形成されている。すなわち、
移動体である振動子は、第1,第2の接触部6a,6b
に変位拡大部が当接することによりY軸およびZ軸方向
の移動が拘束され、予定移動方向であるX軸方向に移動
できることになる。
【0083】振動子には支持部材7を介して被駆動部材
9が固定され、被駆動部材9はX方向に延びる案内ロッ
ド10に嵌合案内されるようになっており、この案内ロ
ッド10の両端部に設けたバネ8により振動子を上方に
向けて付勢するようにし、振動子をレール状固定子6の
接触部に加圧接触させるようにしている。
【0084】なお、第1の変位拡大部2aと第1の接触
部6aとは僅かなテーパ面に形成され、振動子が上方に
付勢される付勢力の分力がZ軸方向に加わるようにし、
第1の変位拡大部2aが第1の接触部6aに加圧接触で
きるようになっている。
【0085】上記した図15に示す第11実施例は、振
動子のY軸方向における拘束は、第2の変位拡大部2
b,2cと第2の接触部6bとが当接すること、および
案内ロッド10に被駆動体9が嵌合することによりなさ
れているが、この構成では案内ロッド10と被駆動体9
とからなる軸受手段が別に必要となる。
【0086】しかし、板状弾性体の両側に突設した変位
拡大部に励起する振動について、Z−X平面で生じる楕
円運動を用いた面内振動モードと、X−Y平面で生じる
楕円運動を用いた面外振動モードの組合せ、および固定
子の形状、加圧機構等の構成によっては、別に軸受手段
を設けることなくリニア超音波モータを得ることができ
る。
【0087】図17は、このようなベアリングレス構造
のリニア超音波モータを構成する振動子を示す第12実
施例の概略斜視図である。
【0088】弾性体20は、上述の各実施例と同様に板
状に形成され、予定移動方向であるX方向に延びる両長
辺の端に面外振動モードの楕円運動が励起される面外振
動用突起部21a〜21dが両面に対称に形成され、該
面外振動用突起部21a〜21dの内側に面内振動用突
起部22a〜22dが両面に形成されている。
【0089】弾性体20の両面にA相圧電素子23Aと
B相圧電素子23Bが接合され、A相圧電素子23Aに
交流電圧を印加すると、弾性体20は図18(a)に示
すようにX1 ,X2 ,X3 を節位置とするX軸方向に沿
った曲げ振動を行う。またB相圧電素子23Bに交流電
圧を印加すると、図18の(b)に示すように、Y2
3 を節位置とするY軸方向に沿った曲げ振動を行う。
ここで、面内振動用突起部22aと22bとは節Y2
位置に合わせて設けられ、反対側の面内振動用突起部2
2cと22dとは節Y3 の位置に合わせて設けられ、面
外振動用突起部21aと21dおよび面内振動用突起部
22aと22dは節位置X2 に合わせて設けられ、面外
振動用突起部21bと21cおよび面内振動用突起部2
2bと22cとは節位置X3 に合わせて設けられてい
る。
【0090】なお、24は節X1 ,Y2 ,Y3 の位置に
設けられた支持ピンを示している。
【0091】このような振動を励起する圧電素子の分極
パターンとしては、図17に示すように弾性体20の両
面にA相圧電素子23AとB相圧電素子23Bを設ける
場合は図19の(a)に示すパターンが一例として挙げ
られ、1枚の圧電素子23にA,B両相の圧電素子を設
ける場合には図19の(b)に示すパターンが一例とし
て挙げられる。
【0092】A相圧電素子23AとB相圧電素子23B
には90°の位相差を有する交流電圧VA ,VB が印加
され、面外振動用突起部21a〜21d、面内振動用突
起部22a〜22dは図20に示す楕円運動が形成され
る。なお、A相圧電素子23Aに交流電圧VA を印加し
て弾性体20と曲げ振動させるAモードと、B相圧電素
子23Bに交流電圧VB を印加して弾性体20を曲げ振
動させるBモードの固有振動数が等しくなるように、弾
性体20の縦横比を設定している。
【0093】また、図19の(a)に示す圧電素子にお
いては、両端でBモード、中央付近でAモードを励起
し、センサ相23Sで変換されたAモード振幅の信号を
フィードバック制御に用いている。
【0094】なお、A相,B相の面積比を変えることに
より、入力電力に対する振動振幅の比を変えることがで
きる。
【0095】図20は、弾性体20に図18に示すA,
B両モードの振動が励起された時の面外振動用突起21
a〜21d、面内振動用突起部22a〜22dに生じる
楕円運動の軸跡を示し、同図の(a)は平面図、同図の
(b)は(a)のB矢視図、同図の(c)は(a)のC
矢視図を示している。なお、片面の各突起部21a〜2
1d,22a〜22dの一点について符号a〜hを用い
ており、対応する他面側に各突起の一点については’を
付している。
【0096】面外振動用突起部21a〜21dの各点
a,e,d,hでは、X−Z平面から僅かにY方向に傾
斜した面内の楕円運動が生じ、この楕円運動の方向は、
線L1を境にして左右(Y方向の左右)の突起部におい
て逆向となり、また線L2 を境にして上下(Z方向)の
突起部においては180°の位相ずれを有して逆向とな
っている。
【0097】また、面内振動用突起部22a〜22dの
各点b,f,c,gでは、X−Y平面内の楕円運動が夫
々生じ、線L1 を境にして左右(Y方向の左右)の突起
部において逆向となり、対応する反対側の突起部におい
ては180°の位相ずれを有して同じ向となっている。
【0098】図21は上記した振動子を移動体とした場
合のレール状固定子の構成を示している。
【0099】このレール状固定子25は、2分割形式に
形成され、レール部の形成された対向する内面形状を対
称形状としたもので、一方の固定子部25Aと他方の固
定子部25Bとはその両端部に弾装したバネ26により
互いに向き合う方向にバネ付勢されている。
【0100】固定子部25Aと固定子部25Bの内面に
は、Z方向に突設する凸部27が形成されると共に、Y
方向両側部にZ方向に延びるバネフランジ31が形成さ
れ、面外振動用突起21a〜21dがバネフランジ31
に対してX−Y面内で接触し、駆動力を発生すると共
に、±Z方向の拘束も行なっている。
【0101】また、弾性体20の同じ面内で線L1 を挟
んで対向する面内振動用突起部22aと22dの面間距
離は、レール部をなす凸部27の幅よりも僅かに大きく
し、面内振動用突起部と凸部27とはX−Z面内で接触
し、±Y方向の支持拘束の役割を果す。
【0102】すなわち、図21において、点a,d等の
面外振動用突起部が主にリニア駆動に供され、点b,c
等の面内振動用突起部は主としてY方向における拘束を
行う手段として機能するが、凸部27の接触面と加圧接
触した場合には、リニアの送り速度が面外振動用突起部
による送り速度と略等しいため、摺動損失を極めて小さ
くすることが可能となる。
【0103】なお、面内振動用突起部を凸部27に加圧
接触させ、面外振動用突起部と共に駆動に供するように
してもよく、また、面外振動用突起部を±Z方向におけ
る拘束を行う手段として主に機能させ、面内振動用突起
部を主にリニア駆動に供するようにしてもよい。
【0104】上記した構成により、移動体である振動子
はレール状固定子25のレール部に沿ってX方向に移動
するが、振動子に設けられている支持ピン24には、例
えば図22に示すように被駆動体28が支持部材29を
介して取付けられるようになっている。
【0105】図22の(a)は、図21の(a)に示す
B−B断面で、支持ピン24は前述したように、A,B
両モードの節となる位置に配置され、支持ピン24と支
持部材29とは振動子の駆動振動によって、該駆動振動
の振動が励起されることがないようにするため、固有振
動数が振動子の固有振動数と十分に離れるようになされ
ている。
【0106】また、本実施例においては、図23の
(a)に示すように、レール状固定子25のレール部に
はY方向に変位できるバネフランジ31を形成し、面外
振動用突起部にはZ方向に変位できるツババネ30を形
成しているが、図23の(b),(c)のように、一方
にのみツババネ30又は31を設けてもよく、また図2
3の(d)のように、固定子部25AにはZ方向に変位
できるバネフランジ31Z、面外振動用突起部にはY方
向に変位できるバネフランジ30Yを設けてもよい。例
えば、図23の(b)に示すように、突起部にのみツバ
バネを設ける構成ではレールの加工が容易となり、逆に
(c)のように固定子部25Aにのみツババネ31を設
ける構成では振動子の加工が容易となる。
【0107】図24は第13実施例を示す概略斜視図で
ある。
【0108】本実施例は、レール状固定子25に、振動
子が常時載置される形式で、振動子は図20に示す振動
子が両側に面外、面内振動用突起部を有するのに対し、
載置側である片側にのみ同様に面外、面内振動用突起部
を配置した構成としている。そして、振動子に上向きに
設けた支持ピン24を介して被駆動体(不図示)が取付
けられ、この被駆動体の自重が振動子に作用する。
【0109】すなわち、被駆動体の自重が加圧力となる
ので、振動子に対するZ方向反対側からの拘束は不要と
なる。なお、本実施例においても、支持ピン24はA,
B両モードの振動の節の位置、ここでは面内振動用突起
部に対応した位置となっている。
【0110】図25は第14実施例を示す概略断面図で
ある。
【0111】上記した図21の第12実施例では、図2
0に示す振動子保持し、X方向に案内するためのレール
状固定子25を構成する2分割形式の固定部25A,2
5Bは両端に設けたバネ26により互いに向い合う方向
に付勢され、振動子の突起部とレール部とを所定の加圧
力で接触させるようにしているが、本実施例では、フレ
ーム25c内に振動子の片面側に形成された突起部と接
触するレール部25dをゴムやバネ等の弾性変形する部
材26aを介装して配置し、該部材26aにより加圧力
を生じるようにしている。
【0112】図26は第15実施例を示す。
【0113】本実施例は、図21に示す第12実施例の
変形例で、対向する固定子部25Aと25Bの片側に予
定移動方向に沿って板バネ26bを配置して、両固定子
部を板バネ26bに取付け、振動子を装着しない状態で
は、図26の(b)に示すように他側の対向距離を狭く
し、図26の(a)に示すように振動子を装着した状態
では両固定子部25Aと25Bとが平行となるようにし
ている。
【0114】したがって、振動子と固定子部とはZ方向
に均一な加圧力が加わることになる。
【0115】図27〜図29は第16実施例を示す。
【0116】本実施例は、板状の弾性体41の横断面方
向にA相圧電素子43AとB相圧電素子43Bとを配
し、A相圧電素子43Aを駆動すると、図27の(b)
に示すように、X−Y平面内で弾性体41の1次の曲げ
振動が行なわれ、B相圧電素子43Bを駆動すると図2
7の(c)に示すように、Z−X平面内で2次の曲げ振
動が行なわれるようにしており、A相圧電素子43Aと
B相圧電素子43Bの分極パターンを図28に示す。
【0117】弾性体41には、1次曲げ振動のAモード
と、2次曲げ振動のBモードの各節位置に合わせて突起
部42a,42b,42c,42d,42fが図27に
示すように配置されている。
【0118】A相圧電素子43AとB相圧電素子43B
に、周波数を等しくして90°の位相ずれを有する交流
電圧を印加すると、突起部42a,42c,42d,4
2fにはX−Y平面内の楕円運動が生じ、突起部42
b,42eにはX−Z平面内の楕円運動が生じる。な
お、突起部42a,42c,42d,42fは面外振
動、突起部42b,42eは面内振動を利用するもので
あり、その楕円運動の発生原理等については前述した各
実施例と同様であるため、ここではその説明は省略す
る。
【0119】図29は、図27に示す振動子を予定移動
方向であるX方向に移動案内する固定子に装着した状態
を示す断面図である。
【0120】弾性体41に形成された突起部は、弾性体
41の対角線上に配置されているため、固定子も2分割
構成とし、一方の固定子部45Aと他方の固定子部45
Bとをバイアスバネ46により互いに向い合う方向に付
勢している。固定子部45Aと固定子部45Bには、上
記した面外振動を駆動に用いる突起部と加圧接触するた
めのレール部47と、上記した面内振動を駆動に用いる
レール部48とが夫々ツババネ構造で形成されている。
【0121】図30および図31は第17実施例を示
す。
【0122】本実施例は、振動子を構成する弾性体51
を断面L字形状の板状とし、このL字板弾性体51の片
面側には、別体あるいは一体構成のA相,B相の圧電素
子53が接合されている。
【0123】A相圧電素子を駆動すると、L字板弾性体
51は図30の(b)に示すAモードの曲げ振動を行
い、B相圧電素子を駆動すると、L字板弾性体51は図
30の(c)に示すBモードの曲げ振動を行う。なお、
A,B両モードの固有振動数は、弾性体51の寸法設定
により略等しくできる。
【0124】弾性体51には、Aモードの節位置に合わ
せて突起部52a,52b,52c,52d,52e,
52fが図30の(a)に示すように形成され、両A,
Bモードの振動を90°の位相差を有して形成すると、
対をなす突起52aと52bにはX−Y平面内で楕円運
動が生じ、対をなす突起52cと52d、52eと52
fにはX−Z平面内の楕円運動が生じる。
【0125】図31は、図30に示す振動子を固定子に
装着した状態を示す断面図である。固定子は3分割構造
に形成され、第1の固定子部55Aに対し、バネ56を
介して第2の固定子部55Bと第3の固定子部55cと
が互いに向い合う方向に付勢されて取付けられている。
そして、第1,第2,第3の各固定子部にはツババネ構
造のレール部57が夫々形成されている。
【0126】以上説明した各実施例の超音波モータは、
直線駆動用としての利点が大きく、例えばバブルジェッ
トプリンタ等の印字ヘッドの駆動用として用いることが
できる。
【0127】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜8に記
載の発明によれば、例えば板の面外曲げモードを2つ用
いることによって、これまでの超音波モータにおいては
達成されなかった。
【0128】長手軸方向以外のスペースにはり出さな
いコンパクトな構造。
【0129】基本的に板と突起のみを有するシンプル
な構造。
【0130】固有振動数が等しい相似モード、または
類似した形状を有する例えば面外曲げモードを2つ用い
ているため、 ・固有振動数 ・力係数 ・加圧力や推力が加わったときの固有振動数変化量 などの量を、ほぼ等しくすることができる。
【0131】このため、コンパクトで高効率な超音波モ
ータを構成することができる。
【0132】また、請求項9〜12に記載の発明によれ
ば、駆動に供する部材が予定移動方向以外の自由度を拘
束する手段を兼用しているため、ベアリング、ボールネ
ジ等の外部の支持手段が不要となり、これらの支持手段
での損失、ガタ等がなく、また部品点数の削減化が図
れ、構造の簡単化ともなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す概略斜視図。
【図2】図1の振動子の振動モードを示し、(a)、
(a−1)、(a−2)は第1の曲げモードの振動状態
を示し、(b)、(b−1)、(b−2)は第2の曲げ
モードの振動状態を示す。
【図3】第3実施例を示す概略斜視図。
【図4】第4実施例を示し、(a)は振動子の斜視図、
(b)は第1の曲げモードの振動状態、(c)は第2の
曲げモードの振動状態を示す。
【図5】第5実施例を示し、(a)は振動子の斜視図、
(b)は第1の曲げモードの振動状態、(c)は第2の
曲げモードの振動状態を示す。
【図6】第6実施例を示す振動子の概略斜視図。
【図7】第7実施例を示す振動子の概略斜視図。
【図8】図7の振動子の振動モードを示し、(a)は第
1の曲げモード、(b)は第2の曲げモードを示す。
【図9】第8実施例を示す振動子の概略斜視図。
【図10】図9の振動子の振動モードを示す図。
【図11】従来の板状振動子を示す図。
【図12】図1の振動子における圧電素子の分極パター
ンを示し、(a)は2枚構成の場合を示し、(b)は1
枚構成の場合を示し、(c)は(a)の圧電素子にセン
サー相を加えた場合、(d)は(b)の圧電素子にセン
サー相を加えた場合を夫々示す。
【図13】第9実施例を示す概略斜視図。
【図14】第10実施例を示し概略斜視図。
【図15】第11実施例を示し、(a)は斜視図、
(b)は(a)の横断面図。
【図16】第2実施例を示す斜視図。
【図17】第12実施例を示す振動子の概略斜視図。
【図18】図17の振動子の振動モードを示す図。
【図19】図17の振動子における圧電素子の分極パタ
ーンを示し、(a)は2枚構成の場合、(b)は1枚構
成の場合を示す。
【図20】図17の振動子の振動状態を示し、(a)は
振動子を上面から見た場合の突起部の振動状態、(b)
は(a)のB方向から見た場合の突起部の振動状態、
(c)は(a)のC方向から見た場合の突起部の振動状
態を示す。
【図21】図17の振動子を固定子に装着した状態を示
し、(a)は側面図、(b)は(a)のA−A線断面
図、(c)は(a)のB−B線断面図。
【図22】図21の振動子に対する被駆動体の取付け状
態を示し、(a)は断面図、(b)は斜視図。
【図23】図21の振動子とレール部との接触構造を示
す図。
【図24】第13実施例を示す概略斜視図。
【図25】第14実施例を示す概略斜視図。
【図26】第15実施例を示す概略図で、(a)は固定
子に振動子を装着した状態を示し、(b)は装着前の状
態を示す。
【図27】第16実施例を示し、(a)は振動子の概略
図、(b)、(c)は夫々振動状態を示す図である。
【図28】図27の振動子における圧電素子の分極パタ
ーンを示す図。
【図29】図27の振動子を固定子に装着した状態を示
す断面図。
【図30】第17実施例を示し、(a)は振動子の概略
斜視図、(b)、(c)は夫々振動状態を示す図であ
る。
【図31】図30の振動子を固定子に装着した状態を示
す断面図。
【符号の説明】
1,20,41…弾性体 2,2a,2b…変
位拡大部 3,3A,3B…圧電素子 4,4a,4b,4
c…ツババネ 6…レール状固定子 6a,6b…接触部 7…支持部材 8…バネ 9…被駆動部材 10…ロッド

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状に形成された振動弾性体に、固有振
    動数が略等しく方向の異なる2つの曲げ振動モードを励
    起するための電気−機械エネルギー変換素子を接合し、
    該2つの曲げ振動の合成により該振動弾性体の所定の質
    点に形成される円又は楕円運動を該振動弾性体に設けた
    突起部により拡大し、該突起部を駆動に供する構成とし
    た振動子を有することを特徴とする超音波モータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、2つの曲げ振動モー
    ドは、矩形平板形状の振動弾性体に、十文字状に節をも
    つ厚み方向曲げ振動を形成する第1の曲げ振動モード
    と、該弾性体の短辺に平行な2本の節をもつ曲げ振動を
    形成する第2の曲げ振動モードであることを特徴とする
    超音波モータ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、第2の曲げ振動モー
    ドで形成される2つの節位置で、かつ該2つの節位置と
    該第1の曲げ振動モードで形成される節位置との交点位
    置に突起部を設けたことを特徴とする超音波モータ。
  4. 【請求項4】 請求項2において、第2の曲げ振動モー
    ドで形成される2つの節位置で、かつ振動弾性体の縁部
    に突起部を設けたことを特徴とする超音波モータ。
  5. 【請求項5】 請求項3において設けられる突起部に加
    えて、第2の振動モードで形成される節位置の中間位置
    で、かつ振動弾性体の縁部に突起部を設けたことを特徴
    とする超音波モータ。
  6. 【請求項6】 請求項1において、2つの曲げ振動モー
    ドは、円板形状の振動弾性体の平面に対し、互いに直交
    する方向に形成される曲げ振動で、該振動弾性体の中心
    位置に突起部を設けたことを特徴とする超音波モータ。
  7. 【請求項7】 請求項1において、突起部は振動弾性体
    の両面に形成していることを特徴とする超音波モータ。
  8. 【請求項8】 板状に形成された振動弾性体に、固有振
    動数が略等しく方向の異なる2つの曲げ振動モードを励
    起するための電気−機械エネルギー変換素子を、該2つ
    の曲げ振動の合成により該振動弾性体の所定の質点に形
    成される円又は楕円運動を拡大するために該振動弾性体
    に設けられた突起部に接合し、該突起部を駆動に供する
    構成とした振動子を有することを特徴とする超音波モー
    タ。
  9. 【請求項9】 レール部を有する部材と、振動弾性体に
    接合される電気−機械エネルギー変換素子を駆動するこ
    とにより、該振動弾性体に円又は楕円運動を生じさせる
    面外振動又は面内振動、あるいは面内振動及び面外振動
    を励起する振動子とを有し、該振動子に励起される円又
    は楕円運動の生じる駆動面を該レール部に加圧手段を介
    して加圧接触させ、該部材と該振動子とを予定移動方向
    に相対移動させる超音波モータであって、 該振動子は、予定移動方向と互いに直交する2方向にお
    いて、互いに相反する方向に加圧力を受けて該レール部
    と接触する駆動面を有することを特徴とする超音波モー
    タ。
  10. 【請求項10】 請求項9において、振動弾性体は板状
    に形成され、該振動弾性体の両面に、予定移動方向に沿
    った両側部に面外振動を励起する突起部と面内振動を励
    起する突起部とを並設すると共に予定移動方向の前後に
    設けたことを特徴とする超音波モータ。
  11. 【請求項11】 請求項9において、振動弾性体は、板
    状に形成され、横断面の対角部に面外振動を励起する突
    起部と、面内振動を励起する突起部とを予定移動方向に
    沿って隔設したことを特徴とする超音波モータ。
  12. 【請求項12】 請求項9において、振動弾性体は横断
    面が略L字形状の板部材により形成され、一方の片の縁
    部に面外振動を励起する突起部を両面に対称に配置する
    と共に、他方の片の縁部に面内振動を励起する突起部を
    両面で、かつ予定移動方向の前後に設けたことを特徴と
    する超音波モータ。
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