JPH06305332A - 車両用扉装置 - Google Patents

車両用扉装置

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Publication number
JPH06305332A
JPH06305332A JP10130593A JP10130593A JPH06305332A JP H06305332 A JPH06305332 A JP H06305332A JP 10130593 A JP10130593 A JP 10130593A JP 10130593 A JP10130593 A JP 10130593A JP H06305332 A JPH06305332 A JP H06305332A
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JP
Japan
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door
opening
vehicle
vehicle body
door body
Prior art date
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Pending
Application number
JP10130593A
Other languages
English (en)
Inventor
Masanori Nakayama
昌則 中山
Jiyouji Fujimori
襄司 冨士盛
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Kuroishi Iron Works Co Ltd
Original Assignee
Kuroishi Iron Works Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両用扉装置において、開閉扉操作力の軽減
による操作性の向上と低コスト化を図る。 【構成】 上部扉12と下部扉13とを中間ヒンジ22
を介して相互に折曲自在に連結するとともに上記上部扉
12の上端縁部を上部ヒンジ21を介して該開口部2a
の上端縁部に対して回動自在に枢支された扉本体11
と、上記開口部2aの側部に沿って上下方向に配置され
上記下部扉13の下端部を回動可能に支持し且つこれを
上下方向に案内するガイド機構14とを備える。かかる
構成とすることで、開閉扉操作時の車体側面1aからの
突出量が上記上部扉12の高さ寸法程度に抑えられ車体
側面1aのスペースが狭い状態での使用が可能になりそ
の利便性が向上するとともに、開扉操作時における操作
力が軽減され開閉扉操作時における操作性が向上し、延
いてはその商品価値が高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願発明は、床面高さの高い所謂
ハイデッカー型バス等の車両において、車体の床面下に
位置し且つその側面に開口した状態で形成された荷物室
の該開口部に取り付けられてこれを開閉蓋する車両用扉
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、バスあるいはマイクロバス等の車
両においては、乗客の眺望性を良好ならしめる等の観点
から、特に観光バス、長距離運行バス等を中心として、
客室部分の床面の高さを高く設定した所謂ハイデッカー
タイプの車両が普及している。このようなハイデッカー
タイプの車両においては、客室部分の床面高さが高くな
ったことによって該床面の下側に比較的大きな遊休空間
が得られることから、この部分に空室を形成してこれを
荷物室あるいは乗務員の仮眠室として利用することが一
般的に行なわれている。
【0003】この場合、この空室は、その利便性等を考
慮して、これを車体側面に開口させるとともに、この開
口部分に扉装置を設け、該扉装置により必要に応じて開
閉するようにしている。
【0004】そして、このような車体側面に開口する空
室を開閉する扉装置の構造としては従来より種々のもの
が提案されており、その中でも代表的なものが後述する
回動リンク方式の扉装置とスイングアーム方式の扉装置
である。
【0005】回動リンク方式の扉装置 図10には、車体50の側面に開口する空室51の開口
部に、回動リンク方式の扉装置52を備えたハイデッカ
ータイプのバスを示している。この扉装置52は、上記
車体の開口部を覆蓋し得る大きさをもつ一枚プレート状
の扉本体53を、左右両側にそれぞれ二本づつ、合計四
本のリンク66〜69により支持するとともに、左右一
対のダンパー57,57でこれを付勢している。そし
て、閉扉状態では同図に実線図示するように車体側面5
0aと同一面を形成する如く該車体側面50aに沿って配
置される扉本体53を、その開扉時にはこれを車体側面
50aの外方側において上方に回動させながらはね上げ
るようになっている(図9において符号53′で示す鎖
線図示状態であり、扉本体53はその開扉状態では裏面
側が車外に向く状態となる)。
【0006】ところが、このように扉本体53を車体外
方から上方へはねあげて開扉する回動リンク方式の扉装
置においては、その開閉扉操作時における該扉本体53
の車体側面50aから側方への飛び出し量が大きいこと
から、例えば、複数のバスが並列駐車された場合で且つ
その間隔が狭いような場合には開閉扉操作が困難になる
等の操作上における欠点があった。このため、現在では
かかる欠点の少ない後述するスイングアーム方式の扉装
置が主流となっている。
【0007】スイングアーム方式の扉装置 図8には、車体50の側面に開口する空室51の開口部
に、スイングアーム方式の扉装置52を備えたハイデッ
カータイプのバスを示している。この扉装置52は、上
述の回動リンク方式の扉装置52と同様に、一枚プレー
ト状の扉本体53を備えるものである。しかし、この扉
本体53の支持及び開閉扉操作は上記回動リンク方式の
ものとは大きく異なっている。
【0008】即ち、このスイングアーム方式の扉装置5
2は、開閉扉操作時に扉本体53を可及的に車体側面5
0aに近付けた状態のまま上方へスライドさせることで
該扉本体53の車体側面50aからのはね出し量を小さ
く抑えようとするもので、図9に示すように、その一端
が円弧状に屈曲した第1スイングアーム58と略L字状
に折曲した第2スイングアーム59とを扉本体53の左
右両側にそれぞれ配置している。そして、この一対のス
イングアーム58,59のうち、該第1スイングアーム
58は、その一端58aが車体50側に設けられる上側
支軸(図示省略)に回転自在に支承される連結バー60に
固定せしめられる一方、その他端59bは上記扉本体5
3の下端寄り位置に設けたブラケット66に対して回転
可能に支承せしめられている。また、この第1スイング
アーム58の一端58a寄り位置には、その一端が車体
50側に連結されたダンパー57の他端が連結されてい
る。さらに、左右一対の第1スイングアーム58,58
間には、上記連結バー60と平行に延びる連結バー61
が設けられている。
【0009】これに対して、上記第2スイングアーム5
9は、その一端59aが車体50側に設けられる下側支
軸(図示省略)に回動自在に支承される一方、その他端5
9bは上記ブラケット66よりもさらに扉本体53の下
端寄り位置に回動自在に支承せしめられている。
【0010】従って、図8に実線図示する閉扉状態から
扉本体53を開扉する場合には、該扉本体53に対して
これを上方への引き上げる方向に操作力をかけることで
(この場合、ダンパー57が引き上げ操作力の一部を担
う)、上記各第1スイングアーム58,58は上側支軸を
中心として、また各第2スイングアーム59,59は下
側支軸を中心として、それぞれ車体側方から上方へ向け
て回動し、この際、第1スイングアーム58と第2スイ
ングアーム59とによる平行リンク作用によって扉本体
53はほぼ垂直に近い姿勢を維持したまま上方へ平行移
動されて上記空室51の開口部を開扉する(図8の鎖線
図示状態)。この場合、扉本体53の車体側面50aから
のはね出し量は、ほぼ上記第1スイングアーム58のア
ーム長さとされることから、該扉本体53がその上端部
付近を中心として回動状態で上方へはね上げられる上記
回動リンク方式のものに比して小さくすることができ、
従って、例えば、複数のバスが狭い間隔をもって並列駐
車されているような場合であっても比較的容易に扉本体
53を開閉扉操作することができるものである。
【0011】さらに、この扉装置52は、扉本体53の
閉扉状態においてこれを車体50側にロックして走行振
動等による不必要な開閉扉動作が行なわれるのを防止す
る意味で、上記空室51の両側部にそれぞれ配置される
車体メンバー62に取り付けられた係止ピン65と、上
記扉本体53の側部に取り付けられたストライカー64
とからなるロック装置63を設けている。この場合、該
ストライカー64は、扉本体53と車体50との連結部
分に近接した位置に設けてロック性能を確保するという
意味で、上記第1スイングアーム58の他端58bと第
2スイングアーム59の他端59bの中間位置に配置さ
れている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
従来のスイングアーム方式の扉装置52においては、開
閉扉操作時における車体側面からの突出量が少ないとい
う利点はあるものの、次に述べるような欠点も併せ持っ
ている。
【0013】イ) 扉本体53をそのまま上下方向へ移
動させる構成であることから、該扉本体53の重量がそ
のまま開扉時の必要操作力として反映され、ダンパー5
7の付勢力により操作力の一部が補填されるものの、依
然として大きな開扉操作力を必要とし、特に非力な女性
バスガイドにとっては操作が困難な場合もあった。
【0014】ロ) 扉本体53を上方へ移動させること
で開扉しその下方側に開口部分を確保する構造上、該扉
本体53を支持する各スイングアーム58,59はその
車体側の支持点は空室51の上部に、扉本体53側の支
持点は該扉本体53の下端寄りに配置する必要があり、
このようなスイングアームのレイアウト構成に起因して
次のような不都合が生じる。
【0015】a) 扉本体53の閉扉状態時における車体
との間のシール性を確保するためには該扉本体53の全
周を車体側に強く押圧接触させる必要があるが、この場
合、扉本体53側の支持点がその下端寄りに位置してお
り、該下端寄り部分にかけられる押圧力を扉本体53の
全周に伝達して所定のシール性を確保しようとすれば該
扉本体53の面剛性を高めることが必要となり、この結
果、該扉本体53の重量がかさみ、コストアップを招来
するとともに、上述の如き開扉操作時の操作力の増加に
よってさらに操作性が阻害されることになる。
【0016】b) 上述のように各スイングアーム58,
59の扉本体53側の支持位置が該扉本体53の下端寄
りに位置していることに関連して、扉本体53の閉扉状
態でのシール性を確保するにはロック装置63のロック
操作時には大きな力で扉本体53を車体側に押し付けた
状態でロック操作を行うことが必要であり、また扉本体
53を開扉させる場合における該ロック装置63のアン
ロック操作にも大きな操作力が必要であり、このロック
装置63のロック・アンロック操作力が過大であること
も操作性の悪化の一因となっている。
【0017】c) 各スイングアーム58,59の扉本体
53側の支持点が該扉本体53の下端寄りに位置してい
ることから、該支持点における各スイングアーム58,
59と扉本体53との取付誤差、特に扉本体53の平面
方向における取付誤差が該扉本体53の上端部において
は増幅されて現れ、該扉本体53と車体との間における
平面方向の位置ずれが発生し易く、特に図8に示すよう
に二枚の扉本体53,53が近接して配置されているよ
うな場合には、各扉本体53,53間における扉上下ラ
インあるいは各扉本体53,53の傾きの不揃いが生じ
且つこれが外部から認識され易いことから美観性が損な
われる。また、かかる不都合を回避しようとすれば、扉
本体53の取付工程において十分な位置調整作業を行う
ことが必要であり、それだけ作業工数の増大によりコス
トアップを招来することにもなる。
【0018】また、このような扉本体53の位置ずれ
は、使用過程における各スイングアーム58,59のガ
タの発生によっても生じるものであり、この場合には再
度扉本体53の位置調整作業が必要であり、運転経費の
増大につながることになる。
【0019】ハ) 各スイングアーム58,59が、扉本
体53の所要の移動量を確保する必要上、比較的長さが
長くなることから、その開扉状態においてはこれが車体
前後方向にグラ付くおそれが有り、これを回避すべく図
9に示すように左右一対の第1スイングアーム58,5
8間に連結バー60,61を設けてその車体前後方向に
おける剛性の向上を図っているが、かかる構成とするこ
とで扉本体53がさらに重量化し、操作性の悪化を助長
することになる。
【0020】ニ) 開扉時の操作力を軽減させる意味で
ダンパー57を扉本体53の左右両側にそれぞれ設けて
いるが、このダンパー57そのものが比較的高価である
ことから、コストアップにつながるものである。
【0021】そこで本願発明は、かかる従来の車両用扉
装置の問題点に鑑み、開閉扉操作時における車体側面か
らの突出量を可及的に抑えてその使用可能範囲の拡大を
図りつつ、その操作性の向上と低コスト化を実現し得る
ようにした車両用扉装置を提供せんとしてなされたもの
である。
【0022】
【課題を解決するための手段】本願発明ではかかる課題
を解決するための具体的手段として、請求項1記載の発
明では、車体側面に開口する開口部に設けられて該開口
部を開閉蓋する車両用扉装置において、上記開口部の上
部寄りに配置される上部扉と下部寄りに配置される下部
扉とを該上部扉の下端縁部と下部扉の上端縁部との間に
配置された中間ヒンジを介して相互に折曲自在に連結す
るとともに、上記上部扉の上端縁部が上記車体の開口部
の上端縁部との間に配置した上部ヒンジを介して該開口
部の上端縁部に対して回動自在に枢支された扉本体と、
上記開口部の側部に沿って上下方向に配置され上記下部
扉の下端部を回動可能に支持し且つこれを上下方向に案
内するガイド機構とを備えたことを特徴としている。
【0023】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
車両用扉装置において、上記扉本体の上部扉の上下方向
における幅寸法を下部扉の上下方向における幅寸法より
も小さな寸法に設定したことを特徴としている。
【0024】請求項3記載の発明では、請求項1または
請求項2記載の車両用扉装置において、上記上部ヒンジ
と中間ヒンジと上記下部扉の上記ガイド機構に対する支
持点とを、それぞれ扉本体の幅方向の外端寄り位置に設
定するとともに、上記扉本体を車体側に固定するロック
機構23を上記中間ヒンジの近傍位置に設けたことを特
徴としている。
【0025】請求項4記載の発明では、請求項1,請求
項2または請求項3記載の車両用扉装置において、上記
ガイド機構の上端部に、上記下部扉の下端部をその上下
方向への移動を規制した状態で保持する保持機構を設け
たことを特徴としている。
【0026】
【作用】本願各発明ではかかる構成とすることによって
それぞれ次のような作用が得られる。
【0027】 請求項1記載の発明では、車体側面に
開口する開口部に設けられる扉装置を、該開口部の上部
寄りに配置される上部扉と下部寄りに配置される下部扉
とを中間ヒンジを介して相互に折曲自在に連結するとと
もに、上記上部扉の上端縁部を上記開口部の上端縁部に
対して上部ヒンジを介して回動自在に枢支して構成され
る扉本体と、上記開口部の側部に沿って上下方向に配置
され上記下部扉の下端部を回動可能に支持し且つこれを
上下方向に案内するガイド機構とで構成していることか
ら、上記扉本体の上部扉と下部扉とが上記上部ヒンジか
ら垂下した状態ではこれらが上下方向に連続して平板体
をなし、該扉本体により上記開口部が閉扉される。この
場合、扉本体は、その上部(即ち、上部扉の上端部)が上
記上部ヒンジにより、また下端部(即ち、下部扉の下端
部)が上記ガイド機構により、それぞれ車体側に支持さ
れ、安定的な閉扉状態が実現される。
【0028】一方、上記扉本体をその閉扉状態から開扉
させて上記開口部を開放させる場合には、上記上部扉あ
るいは下部扉にこれを上方へ引き上げる方向に操作力を
かける。すると、上記上部扉は上部ヒンジを中心として
車体側方から上方へ向けて回動せしめられる一方、下部
扉はその上端部が中間ヒンジにより上記上部扉の下端部
に枢支され、またその下端部がガイド機構により上記開
口部に沿って上下方向に案内されることで、上記上部扉
の回動に連動して次第にその傾きを変化させながら上方
へ引き上げられ、最終的には上記上部扉と下部扉とが二
つ折り状に折曲した状態で上記開口部の上部側に位置せ
しめられ、これにより該開口部が開扉されるものであ
る。
【0029】この場合、上記上部扉と下部扉とが折曲自
在とされ且つ該上部扉が上部ヒンジを介して回動され、
また下部扉はこの上部扉の下端部に中間ヒンジを介して
枢支された状態であることから、この扉本体の開扉操作
時における該扉本体の車体側面からの突出量はほぼ上記
上部扉の上下方向幅寸法以内に収められ、その移動機構
としては回動方式であるにもかかわらず、車体側面から
の突出量は上述の回動リンク方式車両用扉装置に比して
半減され、ほぼ上述のスイングアーム方式の車両用扉装
置と同程度とされる。従って、例えば複数のバスが近接
状態で並列駐車しているような場合においても上記扉本
体を他方のバスの存在に影響されることなく容易に開閉
扉操作することが可能ならしめられるものである。
【0030】さらに、この扉本体の開扉操作時における
操作力を考えてみると、上記上部扉はその上端部が上部
ヒンジを介して車体側に支持されていることから最小限
その自重の1/2以上の操作力があれば良い。一方、上
記下部扉については、その上端が上記上部扉に支持され
るとともに、その下端部はガイド機構に支持されて上下
方向に案内される構成であることから、これを上方へ引
き上げるためには、該下部扉の移動に伴う傾斜角の変化
に応じて該下部扉の全自重と1/2自重の間で連続的に
変化する扉自重に基づく力と、上記ガイド機構部分にお
ける摺動抵抗力との合算力以上の操作力があれば良い。
従って、この扉本体の開扉操作に必要な操作力は、(上
部扉の1/2自重+下部扉の全自重+摺動抵抗力)で表
せる最大値と、(上部扉の1/2自重+下部扉の1/2
自重+摺動抵抗力)で表せる最小値の間の値となり、例
えば、上述のスイングアーム方式の車両用扉装置のよう
に扉本体の全自重以上の操作力を必要とする場合に比し
て、開扉操作力の軽減が図れ、操作者はより軽快に扉本
体の開閉扉操作を行うことができるものである(尚、厳
密には、上記摺動抵抗力も下部扉の傾斜角の変化に伴っ
て変化するが、ここでは同一と仮定している)。
【0031】 請求項2記載の発明では、上記記載
の作用に加えて、扉本体の上部扉の上下方向における幅
寸法を下部扉の上下方向における幅寸法よりも小さな寸
法に設定していることから、扉本体の開閉扉操作時にお
ける車体側面からの突出量を該扉本体の上下方向幅寸法
の1/2以下に抑えることができ、車体側面とその側方
の障害物との間隔がより小さい場合にも対応できるもの
である。
【0032】 請求項3記載の発明では、上記また
は記載の作用に加えて、上記扉本体の上端部に設けら
れる上部ヒンジと、上部扉と下部扉との間に設けられる
中間ヒンジと、該下部扉の下端部(即ち、扉本体の下端
部)を支持するガイド機構とが、ともに扉本体の幅方向
の外端寄り位置に設定されるとともに、ロック機構も上
記中間ヒンジの近傍位置に設定されているので、該扉本
体を閉扉状態とし且つロック機構により車体側にロック
した状態においては、該扉本体はその上下左右の四隅部
と、左右両側の上下方向中間位置の六箇所で車体側に支
持されることとなり、例えば上述のスイングアーム方式
車両用扉装置の如く扉本体の下端部のみにおいて車体側
に支持されるものに比して、該扉本体の支持剛性が高く
なる。
【0033】従って、扉本体の上部扉及び下部扉の面剛
性をさほど高く設定せずとも上記ロック機構における上
記扉本体の車体側に対する押圧力を該扉本体の各部に効
率良く伝達することができる。この結果、先ず第1に
は、上記ロック機構のロック力を比較的小さな値に設定
しても上記扉本体の全周における車体との間のシール性
を良好に維持することが可能となる。また、第2に、ロ
ック機構におけるロック力が小さいことから、これに対
応してそのロックオフ時における操作力も小さくなり、
結果的にロック機構のロック・ロックオフ操作をより小
さな操作力で軽快に行うことができるものである。さら
に、第3として、扉本体の車体に対する支持剛性が高い
分だけ該扉本体の面剛性を低く抑えることができること
から、該扉本体の構造の簡略化、軽量化が図られること
になるものである。
【0034】さらに、上記扉本体が上下左右の四隅にお
いて車体側に支持されることで、該扉本体と車体側の開
口部との間の平面方向の位置調整を容易に行うことがで
き、且つ一旦設定した相対位置は長期の使用によっても
ほとんどズレを生じることがない。このため、例えば、
扉本体が近接して並設されている場合においてもこの両
者間にける扉本体の上下ラインに不揃いとか、傾きの不
揃いによる両者間の間隔寸法の不均等とが可及的に防止
でき、それだけ外観上の見映えが良好ならしめられるも
のである。また、使用過程での位置ズレが少ないことか
ら、使用過程における相対位置の再調整作業が不要とな
るものである。
【0035】 請求項4記載の発明では、上記,
または記載の作用に加えて、ガイド機構の上端部に、
上記下部扉の下端部をその上下方向への移動を規制した
状態で保持する保持機構を設けていることから、例え
ば、扉本体をその閉扉状態から開扉させる場合、その開
扉操作の最終段階において上記保持機構により上記扉本
体が開扉状態で保持され、これが不用意に閉扉方向に移
動するというようなことが未然に防止されるものであ
る。
【0036】
【発明の効果】従って、本願各発明の車両用扉装置によ
ればそれぞれ次のような効果が得られる。
【0037】(A) 請求項1記載の車両用扉装置によれ
ば、扉本体の上部扉と下部扉とを折曲自在とし且つ該上
部扉を上部ヒンジを介して回動させ、また下部扉はこの
上部扉の下端部に中間ヒンジを介して枢支させること
で、回動方式であるにもかかわらず扉本体の車体側面か
らの突出量をスイングアーム方式の車両用扉装置と同程
度とし、例えば複数のバスが近接状態で並列駐車してい
るような場合においても上記扉本体を他方のバスの存在
に影響されることなく容易に開閉扉操作することができ
ることから、該扉装置の使用可能範囲が拡大しその利便
性がさらに高められるという効果が得られるものであ
る。
【0038】さらに、かかる構成により、扉本体の開扉
操作時における操作力を、扉本体の全自重以下の値に抑
えて開扉操作力の軽減を図ることができることから、操
作者はより軽快に扉本体の開閉扉操作を行うことがで
き、それだけ開閉扉操作時における操作性が向上し車両
用扉装置としての商品価値が高められ、しかもかかる利
点は特に操作者が非力である場合により顕著となるもの
である。
【0039】(B) 請求項2記載の車両用扉装置によれ
ば、上記(A)記載の効果に加えて、扉本体の上部扉の上
下方向における幅寸法を下部扉の上下方向における幅寸
法よりも小さな寸法に設定することで、扉本体の開閉扉
操作時における車体側面からの突出量をより小さく抑え
ることができるので、例えば、車体側面とその側方の障
害物との間隔がより小さい場合にも容易に対応すること
ができ、それだけ扉装置の利便性がさらに高められるも
のである。
【0040】(C) 請求項3記載の車両用扉装置によれ
ば、上記(A)または(B)記載の効果に加えて、扉本体の
上端部に設けられる上部ヒンジと、上部扉と下部扉との
間に設けられる中間ヒンジと、該下部扉の下端部(即
ち、扉本体の下端部)を支持するガイド機構とをともに
扉本体の幅方向の外端寄り位置に設定するとともに、ロ
ック機構もこれを上記中間ヒンジの近傍位置に設定する
ことで、該扉本体の支持剛性を高め、これによって扉本
体の上部扉及び下部扉の面剛性をさほど高く設定せずと
も上記ロック機構における上記扉本体の車体側に対する
押圧力を該扉本体の各部に効率良く伝達することができ
るようにしていることから、ロック機構のロック・ロッ
クオフ操作をより小さな操作力で軽快に行うことがで
き、その操作性のより一層の向上が図れるとともに、該
扉本体の面剛性を低く抑えてその構造の簡略化、軽量化
を促進しもって低コスト化を図ることができるという効
果が得られるものである。
【0041】さらに、上記扉本体が上下左右の四隅にお
いて車体側に支持されることで、該扉本体と車体側の開
口部との間の平面方向の位置調整を容易に行うことがで
き、且つ一旦設定した相対位置は長期の使用によっても
ほとんどズレを生じることがないことから、例えば、扉
本体が近接して並設されている場合においてもこの両者
間にける扉本体の上下ラインの不揃い等が生じにくく、
それだけ扉装置の外観上の見映えが良好となり商品価値
が高められるとともに、使用過程における相対位置の再
調整作業が不要となりそれだけ運転経費の節減が可能と
なるものである。
【0042】(D) 請求項4記載の車両用扉装置によれ
ば、上記(A),(B)または(C)記載の効果に加えて、ガ
イド機構の上端部に保持機構を設けることで、該扉本体
を開扉状態において確実に保持しこれが不用意に閉扉方
向に移動するのを阻止することができることから、扉装
置の使用上の信頼性あるいは安全性がより一層高められ
るという効果が得られるものである。
【0043】
【実施例】以下、本願発明の車両用扉装置を添付図面に
基づいて具体的に説明すると、図1及び図2には本願発
明の実施例にかかる車両用扉装置を備えたバスが示され
ている。このバスは、所謂ハイデッカータイプのバスで
あって、客室床面の下側に、所定容積をもち且つその一
端が車体側面1a上に開口し荷物室あるいは乗務員の仮
眠室等として利用可能な空室2を形成するとともに、該
空室2の車体側面1aへの開口部に後述の扉装置10を
配置し、該扉装置10により上記空室2を必要に応じて
開閉扉するようになっている。この場合、この実施例の
扉装置10は、特に開閉扉操作時における車体側面1a
からの突出量を可及的に小さく抑えてその利便性、使用
性の向上を図るとともに、その開閉扉操作力を軽減して
軽快な開閉扉操作を可能としもってその操作性の向上を
図ることを主たる目的としている。以下、かかる目的の
下に創作された扉装置10の具体的構造並びにその作用
効果について詳述する。
【0044】上記扉装置10は、図2に示すようにほぼ
矩形状に開口する上記空室2の開口部2aに設けられて
これを開閉するものであって、後述する扉本体11とガ
イド機構14とロック機構23及び保持機構20を備え
ている。
【0045】扉本体11 上記扉本体11は、図3及び図4に示すように、長方形
状のプレート体でなる表面材32と該表面材32の裏面
周縁に設けられた矩形枠状の枠材31とで構成される上
部扉12と、同じく長方形状のプレート体でなる表面材
34と該表面材34の裏面周縁に設けられた矩形枠状の
枠材33とで構成される下部扉13とからなる上下二分
割構造とされている。尚、この上部扉12と下部扉13
とは、横幅寸法は同一とされるが、縦幅寸法は下部扉1
3の方が上部扉12よりも大きな寸法となるように設定
されている。
【0046】この上部扉12と下部扉13とは、該上部
扉12の下端部の左右両端近傍と下部扉13の上端部の
左右両端近傍との間にそれぞれ配置された左右一対の第
2ヒンジ22(特許請求の範囲中の中間ヒンジに該当す
る)により、その厚さ方向に折曲自在に連結されて一つ
の扉本体11を構成している。また、この上部扉12と
下部扉13とから構成された扉本体11は、該上部扉1
2の上端部の左右両端近傍にそれぞれ配置された第1ヒ
ンジ21,21(特許請求の範囲中の上部ヒンジに該当す
る)を介して上記空室2の開口部2aの上端縁部に対して
上下方向に回動自在に枢支されている。そして、この扉
本体11は、上記第1ヒンジ21,21により下方へ垂
下された状態(図3の実線図示状態及び図4に示す状態)
においては、上記開口部2aの全域を覆ってこれを閉蓋
し(以下においては、この時の扉本体11の状態を閉扉
状態という)、また図3において鎖線図示(符号11D)
する如く二つ折り状に折曲されて上記開口部2aの上方
位置に移動せしめられた状態では上記開口部2aを開放
する(以下においては、この時の扉本体11の状態を開
扉状態という)。
【0047】ガイド機構14 上記ガイド機構14は、図3,図4及び図5に示すよう
に、上記開口部2aの左右両側にそれぞれ上下方向に立
設状態で配置された車体メンバー3,3に対して複数の
レールブラケット16,16,・・を介して上下方向に向
けて取り付けられた略C字状の断面形状をもつ左右一対
のガイドレール15,15と、上記下部扉13の下端部
の左右両端近傍において該下部扉13の裏面側に延設状
態で取り付けられたローラ支持アーム17,17に回転
自在に支承されるとともに上記各ガイドレール15,1
5に嵌合し且つこれに案内されて転動するガイドローラ
18,18とで構成されている。
【0048】上記ガイドレール15は、その中間部15
bを直状に形成してこれを上記車体メンバー3に対して
略平行に近接配置せしめる一方、その下端部15aはこ
れを下端に向かうに従って上記車体メンバー3から離間
する如く傾斜せしめ、さらにその上端部15cはこれを
図6にも示すように反車体メンバー3側に略直角状に屈
曲せしめている。
【0049】そして、上記扉本体11が閉扉状態に設定
されている状態では、図3に実線図示するように、上記
ガイドローラ18は上記ガイドレール15の下端部15
aに位置せしめられる。
【0050】一方、上記扉本体11が開扉状態に設定さ
れた状態(図3に符号11Dで示す状態)では、上記ガイ
ドローラ18は上記ガイドレール15の上端部15cに
位置せしめられる。尚、このガイドレール15の上端部
15cは、後述するロックスプリング19とともに上記
保持機構20を構成する。即ち、直交状に屈曲したガイ
ドレール15の上端部15cは、図6に示すように、上
記中間部15bからその側方へ外れた位置において上記
ガイドローラ18を保持し得る長さを持つとともに、そ
の上面側には上記ガイドローラ18に係合可能なる如く
して片持ち板バネで構成されるロックスプリング19を
備えている。そして、上記扉本体11がその閉扉状態か
ら開扉状態に設定される場合、上記ガイドローラ18
は、図6に鎖線図示(符号18′)するように上記中間部
15bをその上端まで上昇した後、鎖線図示(符号1
8″)するように、上記ロックスプリング19をその付
勢力に抗して押し上げて上記上端部15c側に移動し、
該ロックスプリング19よりも前方に位置せしめられ
る。この保持機構20の作用等については後述する。
【0051】ロック機構23 上記ロック機構23は、上記扉本体11をその閉扉状態
において車体側に固定保持するためのものであって、図
4に示すように、上記下部扉13の左右両側のしかも上
記第2ヒンジ22,22に接近した位置(即ち、下部扉1
3の上端部寄り位置)に設けられた左右一対のストライ
カー24,24と、上記空室開口部2aの左右両側にそれ
ぞれ配置された一対の車体メンバー3,3にそれぞれ突
設固定された係止ピン25,25とで構成されている。
そして、このロック機構23は、上記扉本体11がその
開扉状態から閉扉操作される場合に、上記下部扉13の
閉扉位置への接近に伴って上記係止ピン25が上記スト
ライカー24に係入することでロック状態とされる。ま
た、逆に、上記扉本体11をその閉扉状態から開扉操作
する場合には、ロックキー(図示省略)の解除操作を行っ
て上記ストライカー24から上記係止ピン25を離脱可
能とすることでアンロック状態とされる。従って、上記
ロック機構23がアンロックされることで、上記扉本体
11はその開扉操作が可能となるものである。
【0052】扉本体11のシール機構 上記扉本体11は、その閉扉状態においては車体1側と
の間のシール性が確保される必要があり、このためこの
実施例においては、図5に示すように、上記空室2の開
口部2aの周縁にシールラバー8を配置し、該シールラ
バー8に対して上記扉本体11の周縁部の裏面を押圧接
触させることで所定のシール性を確保するようにしてい
る。
【0053】扉装置10の操作並びに作用効果 続いて、上述の如く構成された扉装置10の操作手順並
びに作用効果等について説明する。
【0054】A:閉扉状態からの開扉操作 扉装置10は、その閉扉状態においては、図1及び図3
に実線図示するように、該扉本体11を構成する上部扉
12と下部扉13とが一枚板状に展開された状態で上記
空室2の開口部2aに衝合することで該開口部2aを閉蓋
している。そして、この閉扉状態においては、上記扉本
体11は、その上端部の左右両側位置が上記各第1ヒン
ジ21,21により車体1側に固定される一方、その下
端部の左右両側は上記ガイド機構14を介して車体1側
に固定され、さらにその上下方向の中間部の左右両側は
上記一対のロック機構23,23によって車体1側に固
定されている。このように、扉本体11をその周囲の六
箇所で車体1側に固定することで次のような作用効果が
得られる。
【0055】第1に、例えば上述のスイングアーム方式
の扉装置の如く扉本体をその下端寄り部分でのみ支持し
且つこの部分にロック機構が設けられている構造の場合
に比して、扉本体11の車体1に対する支持剛性が非常
に高いことから、該扉本体11を閉扉状態において安定
的に保持することができ、その使用上における信頼性が
高められるものである。
【0056】第2に、ロック機構23,23が扉本体1
1の上下方向に中間位置にあって、しかも該扉本体11
の上下両端部がそれぞれ第1ヒンジ21,21とガイド
機構14とによって車体1側に固定されていることか
ら、該ロック機構23,23部分に押圧力をかけて扉本
体11を開口部2a側に設けた上記シールラバー8に押
し付けて該扉本体11と車体1との間のシール性を確保
する場合、該扉本体11の面剛性が小さくてもこれを効
率的にその周縁部に且つ可及的に均等に伝達することが
できる。この結果、閉扉状態での良好なシール性が確保
されるとともに、例えば従来のスイングアーム方式扉装
置の如く扉本体の下端寄りに偏位して設けたロック機構
にかかる押圧力を主として該扉本体の面剛性を媒介とし
てその全周縁に伝達する構造の場合に比して、該扉本体
11の面剛性そのものを小さく設定し、その小形・軽量
化あるいは低コスト化を図ることが可能となる。
【0057】第3に、上記第2の事項とも関連するが、
ロック機構23部分にかかる押圧力をより効率的に扉本
体周縁部に伝達して高いシール性を確保できるというこ
とは、裏を返せば該ロック機構23にかける押圧力をよ
り小さくすることができるということである。従って、
このロック機構23にかける押圧力を小さく設定し得る
ことにより、ロック操作時及びロックオフ操作時におい
てはより小さな操作力でこれを行うことができ、それだ
けロック機構23の操作性、延いては扉装置10の操作
性が向上することになる。そして、このようにロック機
構23をより小さな操作力でロックあるいはロックオフ
し得ることは、特に女性バスガイド等の比較的非力な者
が操作を行う場合において顕著な効果を奏するものであ
る。
【0058】第4に、扉本体11の上端部(即ち、上部
扉12の上端部)を第1ヒンジ21,21を介して直接車
体1側に支持させるとともに、その下端部をもガイド機
構14,14により支持する構造であることから、該扉
本体11の車体1側への組み付け時における位置合わせ
が確実且つ容易であり、しかも使用過程における再調整
も不要となる。即ち、扉装置10の位置合せ時には、該
扉装置10がその上下両端側で位置規制されることか
ら、例えば扉本体をその下端寄り位置においてのみスイ
ングアームで支持した従来のスイングアーム方式扉装置
の如く該扉本体の下端寄り位置における小さな位置ズレ
がその上端においては増幅されて大きな位置ズレとして
現れるというようなことがなく、該扉装置10の位置合
せをより容易に且つ確実に行うことが可能となるもので
ある。また、扉装置10は第1ヒンジ21,21によっ
て直接車体1側に連結されていることから、例えば上記
スイングアーム方式の扉装置のように扉本体がスイング
アームを介して車体に対して浮上状態で支持される場合
のように使用過程における上記スイングアームの変形等
によって位置ズレが生じて再調整が必要となることもな
く、それだけ運転経費の軽減が可能となるものである。
【0059】さらに、かかる利点、即ち、扉装置10の
位置合わせが確実で且つ使用過程での位置ズレも生じな
いことにより、例えば、この実施例のように二つの扉装
置10,10が車体前後方向に近接して設けられている
ような場合(図1及び図2参照)であっても、これら両者
間において扉本体11の上下ラインの不揃いとか、車体
上下方向に延びるこれら各扉装置10,10間の隙間の
不均一等がほとんど発生せず、それだけ扉装置10を閉
扉した状態における車体外観の見映えが良好となり、延
いてはバスとしての商品価値の向上に寄与できることと
なる。また、上述のように扉装置10の車体1への組み
付け時における位置合わせが容易で且つ再調整が不要で
あるということは、車体組み立て工程における作業工数
を低減させることができるということであり、これによ
って低コスト化がさらに促進されるものである。
【0060】尚、上述の如きバスの美観性の向上という
観点からすれば、上記実施例の如く上記第1ヒンジ21
として車体側面1aの外側に取付けられる所謂外付け式
ヒンジに変えて、例えば図7に示すように車体側面1a
及び扉装置10の内側に取り付けられる内付け式ヒンジ
21を使用することも有効である。
【0061】B:閉扉状態からの開扉操作 扉装置10をその閉扉状態から開扉させる場合には、先
ず上記ロック機構23,23をそれぞれロックオフし、
然る後、下部扉13側に設けたノブ35(図1参照)に手
をかけてこれを上方へ引き上げる。すると、扉本体11
は、図3において符号11A→符号11B→符号11C
→符号11Dで示す順に、次第にその上部扉12と下部
扉13とが次第に折曲しながら上方へ回動変位する。そ
して、この扉本体11の回動変位に連動して上記ガイド
レール15に沿って上方へ移動する上記ガイドローラ1
8が該ガイドレール15の上端部15c、即ち、上記保
持機構20部分に達した状態(図3に符号11Dで示す
状態)で、開扉を完了し上記空室2が車体側面1a側に開
放される。
【0062】この開扉操作時においては、上記扉本体1
1の上部扉12はその上端部が第1ヒンジ21,21に
より車体1側に支持され、また下部扉13はその上端部
が上記上部扉12の下端部に第2ヒンジ22,22を介
して連結されるとともにその下端部はガイド機構14,
14を介して上下方向に案内されることから、この開扉
操作時における車体側面1aから側方への突出量はほぼ
上記上部扉12の高さ寸法以内に収められる。従って、
例えば従来の回動リンク方式の扉装置の如く一枚板状の
扉本体を全体的に上下方向へ回動させる場合に比して、
車体側面1aからの突出量が小さくなり、従来のスイン
グアーム方式の扉装置の突出量程度に抑えることができ
るものである。尚、この場合、この実施例の如く、突出
量として直接反映される上部扉12の上下方向寸法を下
部扉13のそれよりも小さく設定することで上記突出量
のより一層の縮小を図ることができるものである。
【0063】このように扉装置10の開扉操作時におけ
る車体側面1aからの突出量が小さく抑えられること
で、例えば複数のバスが近接状態で並列駐車されている
場合であっても他方のバスの存在にかかわらず扉本体1
1を開閉扉操作することができ、それだけ扉装置10の
利便性が向上するものである。
【0064】また、この扉本体11の開扉操作時におけ
る操作力を考えてみた場合、上記上部扉12はその上端
部が上部ヒンジ21,21を介して車体側に支持されて
いることから最小限その自重の1/2以上の操作力があ
れば良い。一方、上記下部扉13については、その上端
が上記上部扉12に支持されるとともに、その下端部は
ガイド機構14に支持されて上下方向に案内される構成
であることから、これを上方へ引き上げるためには、該
下部扉13の移動に伴う傾斜角の変化に応じて該下部扉
13の全自重と1/2自重の間で連続的に変化する扉自
重に基づく力と、上記ガイド機構14部分における摺動
抵抗力との合算力以上の操作力があれば良い。従って、
この扉本体11の開扉操作に必要な操作力は、(上部扉
12の1/2自重+下部扉13の全自重+摺動抵抗力)
で表せる最大値と、(上部扉12の1/2自重+下部扉
13の1/2自重+摺動抵抗力)で表せる最小値の間の
値となる。
【0065】従って、扉本体の全自重に相当する大きさ
の操作力を必要とする従来のスイングアーム方式の扉装
置に比して、より小さな操作力で扉本体11を開扉させ
ることができることになる。このような操作力の軽減に
より、非力な者であっても容易に且つ軽快に扉本体11
を開閉扉操作することができそれだけ扉装置10の操作
性が向上するとともに、その操作力の大きさによっては
従来のような補助用のダンパーを廃止して装置の低コス
ト化をも図れるものである。
【0066】C:開扉状態での保持 扉本体11の開扉状態(図3に符号11Dで示す状態)で
の保持は、上記保持機構20によって確実に行なわれ
る。即ち、図3及び図6に示すように、扉本体11が開
扉されてそのガイドローラ18が保持機構20に保持さ
れた状態(即ち、図6において符号18″で示す位置に
ガイドローラ18が位置している状態)においては、上
記ロックスプリング19のバネ力によって上記ガイドロ
ーラ18がガイドレール15の中間部15b側に後退す
るのが抑制されているとともに、該ガイドローラ18自
身も上記扉本体11の回転モーメントによって端面壁3
6側に付勢されている。従って、操作者が開扉状態にあ
る扉本体11の下部扉13を手前側(車体側方側)へ引か
ない限り上記ガイドローラ18は保持機構20への保持
位置のまま維持され、該扉本体11の開扉状態が安定的
に且つ高い信頼性をもって達成されるものである。
【0067】D:開扉状態からの閉扉操作 扉本体11を開扉状態から閉扉させるには、先ず、図3
に符号11Dで示す状態にある扉本体11の下部扉13
に手をかけてこれを手前に引く。すると、上記ガイドロ
ーラ18が上記ロックスプリング19のバネ力に抗して
保持機構20から離脱され、ガイドレール15の中間部
15b側に移動する(図6において符号18′で示す位置
にガイドローラ18が位置した状態)。後は、ガイドロ
ーラ18がガイドレール15に案内されて降下すること
で扉本体11はその自重により次第に展開しながら閉扉
動作し、最終的に図3に実線図示する閉扉状態に設定さ
れる。そして、扉本体11が閉扉に設定されることで自
動的にロック機構23がロック可能状態となる。従っ
て、キー操作によってロック機構23をロックすること
で、扉本体11は閉扉状態に確実に保持される。以上
で、扉装置10の開閉扉操作が完了する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願各発明の実施例にかかる車両用扉装置を備
えたバスの斜視図である。
【図2】図1に示したバスにおける車両用扉装置の状態
変化図である。
【図3】図1のIII−III部における扉装置の拡大縦断面
図である。
【図4】図3に示した扉装置の要部分解斜視図である。
【図5】図3のV-V拡大断面図である。
【図6】図3に示した保持機構部分の拡大斜視図であ
る。
【図7】本願発明の他の実施例にかかる車両用扉装置の
要部縦断面図である。
【図8】従来のスイングアーム式の車両用扉装置を備え
たバスの斜視図である。
【図9】図8に示した扉装置の拡大斜視図である。
【図10】従来の回動式の車両用扉装置を備えたバスの
斜視図である。
【符号の説明】
1は車体、2は空室、3は車体メンバー、8はシールラ
バー、10は扉装置、11は扉本体、12は上部扉、1
3は下部扉、14はガイド機構、15はガイドレール、
16はレールブラケット、17はローラ支持アーム、1
8はガイドローラ、19はロックスプリング、20は保
持機構、21は第1ヒンジ、22は第2ヒンジ、23は
ロック機構、24はストライカー、25は係止ピン、3
1は枠材、32は表面材、33は枠材である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体側面に開口する開口部に設けられて
    該開口部を開閉蓋する車両用扉装置であって、 上記開口部の上部寄りに配置される上部扉と下部寄りに
    配置される下部扉とを該上部扉の下端縁部と下部扉の上
    端縁部との間に配置された中間ヒンジを介して相互に折
    曲自在に連結するとともに、上記上部扉の上端縁部が上
    記車体の開口部の上端縁部との間に配置した上部ヒンジ
    を介して該開口部の上端縁部に対して回動自在に枢支さ
    れた扉本体と、 上記開口部の側部に沿って上下方向に配置され上記下部
    扉の下端部を回動可能に支持し且つこれを上下方向に案
    内するガイド機構と、を備えたことを特徴とする車両用
    扉装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記扉本体の上部扉の上下方向における幅寸法が下部扉
    の上下方向における幅寸法よりも小さな寸法に設定され
    ていることを特徴とする車両用扉装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2において、 上記上部ヒンジと中間ヒンジと上記下部扉の上記ガイド
    機構に対する支持点とが、それぞれ扉本体の幅方向の外
    端寄り位置に設定されるとともに、 上記扉本体を車体側に固定するロック機構23が、上記
    中間ヒンジの近傍位置に設けられていることを特徴とす
    る車両用扉装置。
  4. 【請求項4】 請求項1,請求項2または請求項3にお
    いて、 上記ガイド機構の上端部に、上記下部扉の下端部をその
    上下方向への移動を規制した状態で保持する保持機構が
    設けられていることを特徴とする車両用扉装置。
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