JPH06303932A - 即席麺類の製造方法 - Google Patents

即席麺類の製造方法

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JPH06303932A
JPH06303932A JP5115195A JP11519593A JPH06303932A JP H06303932 A JPH06303932 A JP H06303932A JP 5115195 A JP5115195 A JP 5115195A JP 11519593 A JP11519593 A JP 11519593A JP H06303932 A JPH06303932 A JP H06303932A
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Sadamu Ishibashi
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明朗 広瀬
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宏 筒井
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 膨張剤を含有し且つ厚みおよび幅の少なくと
も一方の寸法が0.4〜1.2mmの生麺線を1〜5分間
蒸熱処理し、次いで歩留り280〜350%に茹で上げ
た後、凍結乾燥して即席麺類を製造する方法。 【効果】 本発明の方法による場合は、熱湯を注で喫食
できるだけではなく、水に浸漬させるだけで極めて短時
間に良好な食感を保ちながら喫食可能な状態に復元でき
る即席麺類を製造することができる。そのため、素麺、
冷や麦、冷やし中華等の冷たい状態で喫食する即席麺類
の製造に特に適している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は即席麺類の製造方法に関
する。より詳細には、熱湯を注いで喫食できるだけでな
く、水中に浸漬するだけで極めて短時間に良好な食感を
保ちながら喫食可能に復元できる即席麺類の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】即席麺類は、熱湯を注いだり短時間湯煮
するだけで極めて簡単に喫食可能に復元でき、その優れ
た即席性、良好な保存性などの点から消費者の幅広い支
持を得ている。そして、当初はインスタントラーメンの
みであった即席麺も、近年は種々のものが開発販売され
るようになっており、即席麺類をその種類で分類すると
即席中華麺類、即席和風麺類、即席欧風麺類、スナック
麺類などに大別される。また、即席麺類をその乾燥方法
により分類すると、油揚麺、熱風乾燥麺および凍結乾燥
麺に分けられる。
【0003】それらの即席麺類を喫食するには、熱湯を
注いだり、お湯の中で短時間加熱することが必要であ
り、通常の乾麺を茹で上げるのに比べてその調理時間が
短くて済むとはいうものの、お湯を沸かしたり加熱する
必要があり、その点で手間がかかる。また、以前から販
売されている茹で麺類の場合はそのまま喫食したり、水
を通すだけで極めて簡単に喫食できるという長所がある
が、茹でた状態で流通、販売されるために茹で延びが生
じて食感が低下し易く、しかも即席麺類や乾麺等と異な
り長期保存が不可能である。
【0004】上記の点から、お湯によらずに水で簡単に
喫食可能に復元できる即席麺類があると極めて便利であ
るが、従来は水で復元可能でしかも復元した場合に良好
な食感を有する即席麺類は知られていない。特に素麺、
冷や麦、冷麺(冷やし中華麺)などのような夏場に食さ
れる麺類の場合は、麺類を温める必要のないことから、
お湯を必要とせず、水で簡単に喫食可能に復元できる即
席麺類があると極めて便利である。しかし、従来の即席
麺類の場合はいずれもお湯を注いだり加熱して復元させ
ることを前提にして製造されているため、それを水に浸
漬しても短時間に喫食可能な状態まで復元せず、仮に水
で喫食可能状態まで復元できたとしても、その食感が極
めて劣るという欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、熱湯
を注いで簡単に喫食可能な状態に復元できることは勿
論、水によっても良好な食感を保ちながら喫食可能な状
態に短時間に復元できる即席麺類を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を解決すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、膨張剤を生地中に配合
して所定の厚みまたは直径の生麺線を製造した後、それ
を特定の条件で蒸熱処理して麺線の表面をα化、次いで
更に280〜350%の歩留りになるまで茹で上げてか
ら凍結乾燥するとポーラスな組織構造の麺類が得られ、
この麺類はお湯ばかりでなく、水でも簡単に喫食可能な
麺類に復元できること、しかも復元された麺類は食感的
にも優れていることを見出して本発明を完成した。
【0007】すなわち、本発明は、膨張剤を含有し且つ
厚みおよび幅の少なくとも一方の寸法が0.4〜1.2
mmの生麺線を1〜5分間蒸熱処理し、次いで歩留り2
80〜350%に茹で上げた後、凍結乾燥することを特
徴とする即席麺類の製造方法である。また、本発明は上
記方法により製造された即席麺類を包含する。
【0008】本発明では即席麺類の種類は特に限定され
ず、即席和風麺類、即席中華麺類、即席欧風麺類などを
包含することができ、それらのうちでも特に素麺、冷や
麦、日本そばなどの即席和風麺類、細ものの即席中華麺
類、細もののスパゲッティなどの即席欧風麺類の製造に
適している。
【0009】本発明では、生麺線中に膨張剤を配合して
おくことが必要である。この生麺線は、穀粉類を主原料
とする麺類配合に膨張剤および必要に応じて他の成分を
加え更に水を加えて、例えば混捏−圧延−麺線への切出
し、混捏−麺帯押出し−麺線への切出し、混捏−麺線押
出しなどの通常の方法によって処理することにより製造
することができ、その際の生麺線の製法は特に制限され
ない。
【0010】その場合に穀粉類の種類は特に限定され
ず、麺類の製造に用いられている穀粉類のいずれも使用
でき、例えば小麦粉、ライ麦粉、大麦粉、オーツ粉、そ
ば粉、米粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスター
チ、カタクリ粉、やまいも粉などの種々の穀粉類を使用
することができ、穀粉類は1種のみを使用しても2種以
上を組合わせて使用してもよい。そのうちでも、通常の
麺類と同様に、小麦粉および/またはそば粉を使用する
のが好ましく、製造を目的とする即席麺類の種類に応じ
て、種々の穀粉類を選択し、必要に応じて組み合わせて
使用するのがよい。
【0011】膨張剤としては、炭酸アンモニウムおよび
/または重炭酸アンモニウム等のガス発生剤に必要に応
じて酒石酸、ミョウバン、グルコノデルタラクトン、酸
性リン酸カルシウム、酸性硫酸ナトリウムなどの酸性剤
を配合したいわゆるベーキングパウダーを使用するのが
よい。膨張剤の配合割合は、穀粉類100重量部に対し
て0.5〜5重量部とするのが好ましく、1〜3重量部
がより好ましい。膨張剤の配合量が0.5重量部よりも
少ないと即席麺類におけるポーラスな組織構造の形成が
不充分になり復元するのに時間が長くかかるようにな
る。一方、膨張剤の配合量が5重量部よりも多いと麺類
に膨張剤臭が残留して食味が不良になり易い。
【0012】生麺線は、上記した穀粉類および膨張剤の
他に、必要に応じて、食塩、かん水(かん粉)、油脂
類、縮合リン酸塩、乳化剤、蛋白強化剤などの他の成分
を含有していてもよい。特に油脂類を添加すると、即席
麺類におけるポーラスな組織構造の形成が促進されて、
麺類を水などで喫食可能状態に復元させたときに、滑ら
かさで弾力のある良好な食感を付与することができる。
【0013】その場合の油脂類としては、バター、ショ
ートニング、マーガリン、大豆油、菜種油などの動植物
油脂を挙げることができ、それらのうちでも特にショー
トニングが好ましい。油脂類を配合する場合は、穀粉類
100重量部に対して0.5〜5重量部とするのが好ま
しく、1〜3重量部がより好ましい。油脂類を上記の割
合で配合すると、即席麺類へのポーラスな組織構造の形
成が助長されて水などで復元した場合に適度な柔らかさ
と弾力性があり、しかもなめらかさのある食感のものを
得ることができる。また、油脂類の配合量が5重量部よ
りも多くなると、即席麺類におけるポーラスな組織構造
の膜が薄くなり過ぎて、麺類に腰がなくなり食感が低下
する。また、生麺線を製造する際の加水量は、製造を目
的とする麺類の種類に応じて、従来既知の加水量で行え
ばよい。
【0014】また、本発明では、生麺の厚みおよび幅の
少なくとも一方の寸法が0.4〜1.2mmの範囲にあ
ることが必要であり、生麺線が方形断面を有する場合は
前記範囲でよく、また生麺線が円形断面を有する場合は
その直径が0.4〜1.2mmであることが必要であ
る。生麺線の厚みおよび/または幅の寸法が0.4mm
よりも小さいと、麺類を茹で上げた時に麺線同士が付着
して大きな塊になり易く、これを凍結乾燥したものは水
の浸透が遅く復元に時間を要する。一方、生麺線の厚み
および/幅の寸法が1.2mmよりも大きいと、水で復
元させる際に長い時間を要して、表面の食感が柔らかく
なり過ぎているのに中心部に芯が残った状態となり、食
感が著しく劣ったものとなる。即席麺類の復元性、復元
された麺類の食感などの点から、生麺線の厚みおよび/
または幅の寸法が0.7〜1.0mmであるのがより好
ましい。
【0015】そして、本発明では、上記の生麺線を1〜
5分間蒸熱処理する。この場合の蒸気温度は95〜10
5℃にするのがよく、それによって麺線表面のみを糊化
(α化)させると共に膨張剤が分解してガスを発生して
麺線が膨張し、麺線表面および内部をポーラスな構造と
することができる。またこの蒸熱処理によって、麺線を
次の茹で上げ処理に付した際に麺線同士の付着が防止で
きる。この蒸熱処理時間が1分よりも短いと、麺線の膨
張が不充分となって得られる即席麺類の水による復元に
時間がかかるようになり、しかも得られる復元麺の中心
部に芯が残り且つ弾力性が失われて食感が不良になる。
一方、蒸熱処理時間が5分よりも長いと、麺類の表面が
やや褐色に変色して外観が低下すると共に弾力のない硬
い食感となる。蒸熱処理時間は、使用する蒸気の温度や
麺線の太さ等に応じて1〜5分の範囲内で適宜調節する
ことができるが、一般に1〜2分間蒸熱処理するのがよ
り好ましい。
【0016】蒸熱処理用の装置や方法は特に限定され
ず、食品、特に麺類の蒸熱処理に用いられている従来既
知の装置および方法を採用することができる。生麺線の
蒸熱処理に際しては、生麺類を一食分または数食分づつ
玉取りして蒸熱処理を行っても、或いは一まとめにして
蒸熱処理してもよいが、玉取りしてから蒸熱処理するの
が取り扱い性などの点から好ましい。
【0017】次いで、蒸熱処理した麺類を歩留り280
〜350%に茹で上げる。この茹で上げ処理によって麺
線全体がα化されるが、この茹で上げは通常の適正な歩
留りよりも多め(やや茹ですぎ)になるように行う。茹
で上げ後の歩留りが280%よりも低いと得られる即席
麺類は硬さの残る不良な食感となり、一方350%を越
えると煮崩れが生じたりべとつきが生じて麺線同士が付
着して塊となり易くなり、短時間で復元可能が即席麺類
が得られない。この茹で上げ処理は歩留りが300〜3
40%になるように行うのがより好ましい。例えば、上
記の蒸熱処理を施した麺線を熱湯中に入れて、約0.5
〜5分間茹で上げると、歩留りが約280〜350%の
茹で麺を得ることができる。
【0018】歩留り280〜350%に茹で上げた麺類
はそのまま凍結乾燥して即席麺類にしても、更に再度蒸
熱処理を施してから凍結乾燥して即席麺類にしてもよ
く、再度蒸熱処理を施してから凍結乾燥するのがより好
ましい。再度蒸熱処理を施す場合は、95〜105℃の
水蒸気を用いて約1〜10分間蒸熱処理を行うのが望ま
しく、それによって麺線同士の付着が一層防止されると
共に、α化が一層促進されて得られる即席麺類の復元性
がより良好になってより短時間で喫食可能になり、しか
も良好な歯ごたえを麺類に付与することができるように
なる。
【0019】また、限定されるものではないが、上記し
た第1の蒸熱処理、茹で上げ処理および必要に応じて第
2の蒸熱処理を終わった時点で麺類を水洗または水中に
浸漬した後に水切りして次の処理に移ると、麺線同士の
付着を防止することができ好ましい。
【0020】最終の乾燥処理は凍結乾燥によって行うの
がよく、それによって麺線同士の付着を防止することが
でき、しかもポーラスな組織構造が良好に保たれて、水
によっても短時間で喫食可能状態で復元できる即席麺類
を得ることができる。乾燥処理を熱風乾燥、真空乾燥、
気流乾燥などにより行った場合には、麺線同士の付着、
生成したポーラスな組織構造の潰れなどを生じて、水で
短時間に復元可能な即席麺類を得ることができない。
【0021】
【実施例】以下に実施例などにより本発明を具体的に説
明するが、本発明はそれにより限定されない。以下の例
において、茹で上げた麺類の歩留りは下記のようにして
測定した。また、水に浸漬して復元した即席麺類の復元
状態および食感は、下記の表1に記載した評価基準によ
って10人のパネラーに評価してもらい、その平均値を
採った。
【0022】茹で上げの麺類の歩留り:下記の式により
茹で上げた麺類の歩留りを求めた。
【0023】
【数1】X(%)=(Z/Y)×100 式中、X=茹で上げた麺類の歩留り(%) Y=麺類の製造に用いた小麦粉、そば粉およびその他の
主原料たる穀粉類の重量(g)(但し水分含量14%に
換算した重量とする) Z=茹で上げ後の麺類の重量(g)
【0024】
【表1】 即席麺類の復元状態および復元された麺類の食感の評価基準 復元状態: 5:箸を使用せずに簡単にほぐすことができ、極めて食べ易い。 4:箸を使用して強制的にほぐして全体がほぐれて喫食可能になる。 3:箸を使用して強制的にほぐして喫食可能にすることができるが、 ほぐれずにやや(約20%程度)塊のまま残る部分がある。 2:箸を使用して強制的にほぐすことが可能であるが、かなりの部分 (約20〜60%)がほぐれずに塊のまま残る。 1:箸を使用して強制的に行ってもほぐれず、全体が塊になっており、 喫食不可能である。 麺類の食感: 5:滑らかさと適度の歯ごたえがあり、食感が極めて良好である。 4:やや滑らかでやや適度の歯ごたえがあり、食感が良好である。 3:やや硬いか、または歯ごたえが弱く、食感がやや不良である。 2:芯が残っているか、または柔らか過ぎて全く歯ごたえがなく、食 感が不良である。 1:喫食状態に復元せず、喫食不能である。
【0025】《実施例 1》小麦粉100重量部に対し
てベーキングパウダー[奥野製薬工業(株)製;「トップ
ベーキングパウダースペシャル」]を下記の表2に示し
た割合で加え、更に3重量部の食塩を溶かした食塩水3
7重量部を加えて10分間混捏してそれぞれの生地をつ
くった。これらの生地を製麺ロールで圧延して厚み約
0.8mmの麺帯を製造した後、No.30の切り刃を
用いて幅1.0mmの麺線に切断した生素麺を製造し
た。
【0026】上記で得た生素麺を蒸籠に入れて温度10
0℃の蒸気で1分間蒸熱処理した後、蒸籠から取り出し
て温度97〜100℃の熱湯中で2分間茹で上げ、その
後速やかに冷水に入れて冷却した。次いで蒸籠に入れて
温度100℃の蒸気で5分間更に蒸熱処理した後、再び
冷水中で冷却した。水から取り出して温度25℃、90
mTorrの減圧下に水分含量が約8%以下になるまで凍
結乾燥して即席素麺を製造した。
【0027】上記で製造した即席素麺各40gを20℃
の水道水500ml中に5分間浸漬して復元させて、そ
のときの復元状態を表1に示した評価基準にしたがって
判定した。また、復元した素麺を食してその食感を表1
に示した評価基準にしたがって評価した。その結果を下
記の表2に示す。
【0028】
【表2】 ベーキングパウダー添加量(重量部) 0 0.5 1.0 3.0 5.0 10 茹上後歩留り(%) 325 326 327 330 331 330 復元状態 3.2 4.1 4.4 4.4 4.4 4.2 食 感 3.2 3.9 4.5 4.4 4.3 3.91) 1) ベーキングパウダーの異味あり
【0029】上記表2の結果から、膨張剤(ベーキング
パウダー)を配合しない場合には即席素麺の復元状態お
よび復元した麺の食感が良好でないことがわかる。ま
た、膨張剤の配合量は小麦粉100重量部当たり1〜5
重量部がより好ましいことがわかる。
【0030】《実施例 2》小麦粉100重量部に対し
て実施例1で用いたのと同じベーキングパウダー1重量
部および下記の表3に示した量のショートニング[ミヨ
シ油脂(株)製;「クスコ ロワイヤル」]を加え、更
に3重量部の食塩を溶かした食塩水37重量部を加えて
10分間混捏してそれぞれの生地をつくった。これらの
生地を製麺ロールで圧延して厚み約0.8mmの麺帯を
製造した後、No.30の切り刃を用いて麺線に切断し
て幅1.0mmの生素麺を製造した。以下実施例1と同
様に処理して即席素麺を製造した。
【0031】上記で製造した即席素麺各40gを20℃
の水道水500ml中に5分間浸漬して復元させて、そ
のときの復元状態を表1に示した評価基準にしたがって
判定した。また、復元した素麺を食してその食感を表1
に示した評価基準にしたがって評価した。その結果を下
記の表3に示す。
【0032】
【表3】 ショートニング添加量(重量部) 0 0.5 1.0 3.0 5.0 10 茹上後歩留り(%) 325 330 331 330 330 332 復元状態 4.4 4.6 4.9 5.0 5.0 4.9 食 感 4.5 4.6 4.9 5.0 4.8 3.7
【0033】上記表3の結果から、膨張剤(ベーキング
パウダー)と共に油脂(ショートニング)を配合した場
合には、復元状態および食感の一層良好な即席素麺が得
られること、油脂の配合量は0.5〜5重量部が好まし
く、1〜3重量部が特に好ましいことがわかる。
【0034】《実施例 3》小麦粉100重量部に対し
て実施例1で用いたのと同じベーキングパウダー1重量
部およびショートニング3重量部を加え、更に3重量部
の食塩を溶かした食塩水37重量部を加えて10分間混
捏して生地をつくった。この生地を製麺ロールで圧延し
て下記の表4に示す厚みを有する麺帯をそれぞれ製造し
た後、No.30の切り刃を用いて麺線に切断して幅
1.0mmの生素麺を製造した。以下実施例1と同様に
処理して即席素麺を製造した。
【0035】上記で製造した即席素麺各40gを20℃
の水道水500ml中に5分間および10分間浸漬して
復元させて、そのときの復元状態を表1に示した評価基
準にしたがって判定した。また、復元した素麺を食して
その食感を表1に示した評価基準にしたがって評価し
た。その結果を下記の表4に示す。なお、茹で上げ後の
麺の歩留りはいずれも325〜335%の範囲内にあっ
た。
【0036】
【表4】 復元時間 5分 復元時間 10分 麺帯(生麺線)厚み(mm) 麺帯(生麺線)厚み(mm) 0.4 0.7 1.0 1.2 1.4 0.4 0.7 1.0 1.2 1.4 復元状態 3.1 5.0 4.6 3.8 3.0 4.0 5.0 5.0 4.6 3.9 食 感 3.0 5.0 4.2 3.9 2.8 4.0 4.8 4.9 4.7 3.5
【0037】上記表4の結果から、水での復元性および
食感の良好な即席麺を得るためには、生麺線(麺帯)の
厚みを0.4〜1.2mmにすることが必要であるこ
と、そしてより好ましくは0.7〜1.0mmにすると
よいことがわかる。
【0038】《実施例 4》小麦粉100重量部に対し
て実施例2で用いたのと同じベーキングパウダー1重量
部およびショートニング3重量部を加え、更に3重量部
の食塩を溶かした食塩水37重量部を加えて10分間混
捏してそれぞれの生地をつくった。これらの生地を製麺
ロールで圧延して厚み約0.8mmの麺帯を製造した
後、No.30の切り刃を用いて麺線に切断して幅1.
0mmの生素麺を製造した。
【0039】上記で得た生素麺を蒸籠に入れて温度10
0℃の蒸気で1分間蒸熱処理し、次いで20秒〜4分間
茹でた後、速やかに冷水に入れて冷却した。次いで蒸籠
に入れて温度100℃の蒸気で5分間更に蒸熱処理した
後、再び冷水中で冷却した。水から取り出して実施例1
と同様にして凍結乾燥を行って即席素麺を製造した。上
記で製造した即席素麺各40gを実施例1におけると同
様にして水道水中に浸漬して復元させて、そのときの復
元状態および食感を表1に示した評価基準にしたがって
評価した。その結果を下記の表5に示す。
【0040】
【表5】 復元時間 5分 復元時間 10分 茹で上げ後の歩留り(%) 茹で上げ後の歩留り(%) 270 280 320 350 360 270 280 320 350 360 復元状態 2.4 3.8 4.6 4.9 4.0 2.9 4.0 5.0 5.0 4.2 食 感 2.7 3.9 4.4 4.0 2.2 2.8 4.2 4.9 4.4 2.0
【0041】上記表5の結果から、茹で上げ後の歩留り
は280〜350%にすることが必要であることがわか
る。
【0042】《実施例 5》小麦粉100重量部に対し
て実施例2で用いたのと同じベーキングパウダー1重量
部およびショートニング3重量部を加え、更に3重量部
の食塩を溶かした食塩水37重量部を加えて10分間混
捏して生地をつくった。この生地を製麺ロールで圧延し
て厚み約0.8mmの麺帯を製造した後、No.30の
切り刃を用いて麺線に切断して幅1.0mmの生素麺を
製造した。この生素麺を蒸籠に入れて100℃の蒸気で
1分間蒸熱処理し、次いで2分間茹でた後(歩留り32
8%)、速やかに冷水に入れて冷却し、水から取り出し
て実施例1と同様にして凍結乾燥を行って即席素麺を製
造した。上記で製造した即席素麺40gを実施例1にお
けると同様にして水道水中に浸漬して復元させたとこ
ろ、4〜5分で充分に復元し、食感的には再度蒸熱処理
を行ったものよりもやや歯ごたえが少ないもののほとん
ど遜色がなかった。
【0043】《実施例 6》小麦粉100重量部に対し
てそば粉40重量部、実施例2で用いたのと同じベーキ
ングパウダー1重量部およびショートニング3重量部を
加え、更に水道水37重量部を加えて10分間混捏して
生地をつくった。この生地を製麺ロールで圧延して厚み
約0.9mmの麺帯を製造した後、No.30の切り刃
を用いて麺線に切断して幅1.0mmの生日本そばを製
造した。この生日本そばを蒸籠に入れて温度100℃の
蒸気で1分間蒸熱処理した後、蒸籠から取り出して温度
97〜100℃の熱湯中で約3分間茹で上げ歩留りを約
290%にし、その後速やかに冷水に入れて冷却した。
水から取り出して蒸籠に入れて温度100℃の蒸気で5
分間更に蒸熱処理した後、再び冷水中で冷やした。水か
ら取り出して温度25℃、90mTorrの減圧下に水分
含量が約8%以下になるまで凍結乾燥して即席日本そば
を製造した。上記で製造した即席日本そば40gを20
℃の水道水500ml中に浸漬したところ、3〜4分で
充分に復元し、通常の茹でたそばに比べて遜色のない良
好な食感および食味を有していた。
【0044】《実施例 7》小麦粉100重量部に対し
て実施例2で用いたのと同じベーキングパウダー1重量
部およびショートニング3重量部を加え、更に粉末かん
すい[オリエンタル酵母工業(株)製;「赤飛龍印」]
1.4重量部を溶かしたかん水37重量部を加えて10
分間混捏して生地をつくった。この生地を製麺ロールで
圧延して厚み約0.9mmの麺帯を製造した後、No.
30の切り刃を用いて麺線に切断して幅1.0mmの生
中華そばを製造した。この生中華そばを蒸籠に入れて温
度100℃の蒸気で1分間蒸熱処理した後、蒸籠から取
り出して温度97〜100℃の熱湯中で約3分間茹で上
げ歩留りを約300%にし、その後速やかに冷水に入れ
て冷却した。水から取り出して蒸籠に入れて温度100
℃の蒸気で5分間更に蒸熱処理した後、再び冷水中で冷
やした。水から取り出して温度25℃、90mTorrの
減圧下に水分含量が約8%以下になるまで凍結乾燥して
即席中華そばを製造した。上記で製造した即席中華そば
40gを20℃の水道水500ml中に浸漬したとこ
ろ、6〜7分で充分に復元し、通常の中華そばまたは冷
麺に比べて遜色のない良好な食感および食味を有してい
た。
【0045】
【発明の効果】本発明の方法による場合は、熱湯を注い
で喫食できるだけではなく、水に浸漬させるだけで極め
て短時間に良好な食感を保ちながら喫食可能な状態に復
元できる即席麺類を製造することができる。そのため、
素麺、冷や麦、冷やし中華麺などの冷たい状態で喫食す
る即席麺類の製造に特に適している。単に麺類を喫食可
能にすることができる。また、本発明で得られる麺類
は、油揚げによる乾燥を行っていないので、油っぽくな
く、良好な食味および食感を有している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石橋 定 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 広瀬 明朗 東京都中央区日本橋小網町19番12号 日清 製粉株式会社内 (72)発明者 筒井 宏 福岡県福岡市博多区博多駅前3丁目19番5 号 日清製粉株式会社九州本部福岡営業所 内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 膨張剤を含有し且つ厚みおよび幅の少な
    くとも一方の寸法が0.4〜1.2mmの生麺線を1〜
    5分間蒸熱処理し、次いで歩留り280〜350%に茹
    で上げた後、凍結乾燥することを特徴とする即席麺類の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 生麺線が更に油脂類を含有する請求項1
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 歩留り280〜350%に茹で上げた後
    に更に1〜10分間蒸熱処理してから凍結乾燥する請求
    項1または2の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項の方法によ
    り製造された即席麺類。
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