JPH0630292Y2 - 塗装ラインにおける搬送台車 - Google Patents

塗装ラインにおける搬送台車

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JPH0630292Y2
JPH0630292Y2 JP1987017265U JP1726587U JPH0630292Y2 JP H0630292 Y2 JPH0630292 Y2 JP H0630292Y2 JP 1987017265 U JP1987017265 U JP 1987017265U JP 1726587 U JP1726587 U JP 1726587U JP H0630292 Y2 JPH0630292 Y2 JP H0630292Y2
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rotation
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、塗装ラインにおける搬送台車に関するもので
ある。
(従来技術) 被塗物例えば自動車ボディの外表面を塗装する場合、被
塗物に塗料を塗布する工程と、塗布された塗料を乾燥さ
せる乾燥工程とを有する。この乾燥工程は、一般に、セ
ッティング工程と焼付工程との2段階で行なわれ、セッ
ティング工程は、焼付工程の前において、この焼付工程
よりも低い温度、例えば常温あるいは仮焼付けとも呼ば
れるように40°〜60°Cの温度雰囲気で行われる
(焼付工程での焼付温度は通常140℃前後)。また、
最終的に得られる塗装面にゴミが混入しないように、塗
装工程の前の準備工程で、あらかじめ真空吸引などによ
って被塗物に付着しているゴミが除去される。
そして被塗物は、通常、搬送手段としての台車により搬
送されつつ、上記準備工程、塗装工程および焼付工程を
経ることになる。
この搬送台車の駆動そのものは、例えば防爆上安全な箇
所に設けられた大型の駆動源によって、チェーン、ワイ
ヤ等を介して搬送台車を牽引する等によって行なわれて
いる。
(考案が解決しようとする問題点) ところで、最近では、被塗物を搬送する台車として、種
々の理由から、単に被塗物を搬送するのみならず被塗物
を回転駆動し得るようにしたものが望まれている。この
被塗物を搬送中に回転させる理由としては、例えば次の
ような場合がある。
先ず第1の理由として塗装ガンの数を極力少なくするこ
とがある。すなわち、例えば被塗物の上面、左側面、右
側面の3面に塗料を吹付けようとした場合、従来は、こ
の3面に対して塗料を吹付けられるように、固定型ある
いは往復動型の塗装ガンが、上記3面に対応したそれぞ
れの位置に配置されていた。しかしながら、被塗物を回
転し得るようにすれば、この被塗物を回転させることに
より塗装ガンに対して臨む面を変更することができ、し
たがって塗装ガンは、ある特定の一方向位置に対しての
み設定すればよいことになる(塗装ガン数の減少)。
第2の理由としては、焼付炉内における被塗物の均一加
熱が行なわれる点にある。すなわち、焼付炉内では、被
塗物の各部分が極力均一に加熱されるように、熱風を循
環させるようにしているが、この焼付炉内で被塗物を回
転させれば、被塗物の均一加熱という点で一層好ましい
ものとなる。
第3の理由としては、新規な塗装方法を行なう点からの
要請である。すなわち、塗装工程においてダレ限界以上
の厚さに塗料を塗布すると共に、次の乾燥工程で被塗物
を水平軸線周りに回転させることにより、同じ塗膜の厚
さであればより一層平滑度が高くなった高品質の塗装面
が得られることになり、このような塗装方法を行なう場
合にも被塗物を回転させる必要がある。
このように、搬送台車上で被塗物を回転させる場合に、
台車に別途回転用の駆動源を専用に設けることは、構造
上、コスト上好ましくないものとなる。特に、塗装ライ
ンにおける台車は、多数用いられるので、これ等の台車
に個々別々に専用の回転駆動源を設けることは好ましく
ないことになる。これに加えて、被塗物が大型の場合は
回転駆動源が大型のものとならざるを得ないが、この場
合は、防爆上の見地からも好ましくないものとなる。
本考案は以上のような事情を勘案してなされたもので、
搬送台車に別途専用の回転駆動源を設けることなく、こ
の搬送台車により搬送される被塗物を回転させ得るよう
にした塗装ラインにおける搬送台車を提供することを目
的とする。
(問題点を解決するための手段、作用) 本考案は、搬送台車を搬送方向に駆動させる駆動源をそ
のまま有効に利用して、搬送台車の被塗物を回転させる
ようにしてある。具体的には、 被塗物を搬送するための搬送台車が走行車輪を備えて、
牽引手段により搬送台車を牽引したときに前記走行車輪
が回転されることによって該搬送台車が走行移動される
ようにされた塗装ラインにおける搬送台車において、 前記搬送台車が、被塗物を回転自在に支承する支承部
と、前記支承部に支承された被塗物と前記走行車輪とを
連動させて該該走行車輪の回転に応じて前記被塗物を回
転させるための連動機構とを備えている、 ような構成としてある。
(実施例) 以下、本考案の実施例を添付した図面に基づいて説明す
る。
ここで、実施例では、同じ塗膜の厚さであれば得られる
塗装面の平滑度を向上させるため、塗装工程での塗料の
吹付けは、塗膜の厚さがダレ限界以上の厚さとなるよう
にし、またそれぞれ乾燥工程となるセッティング工程と
焼付工程とでは、被塗物を水平軸線回りに回転させるよ
うにしてある。そして、この被塗物の水平軸線周りの回
転のために、本考案を適用するようにしてある。
上述の点を説明すると、先ず、塗装面の品質を評価する
1つの基準として、平滑度(平坦度)があり、この平滑
度が大きい程塗装面の凹凸の度合が小さくて、良好な塗
装面となる。この塗装面の平滑度を向上させるには、塗
膜の厚さ、すなわち塗布された塗料の膜厚を大きくすれ
ばよいことが既に知られている。
一方、塗装面の品質を阻害するものとして、塗料の“ダ
レ”がある。このダレは、重力を受けることによって塗
布された塗料が下方に流動することにより生じ、1回に
塗布する塗料の膜厚が大きい程“ダレ”を生じ易くな
る、この“ダレ”の原因は、つまるところ重力の影響で
あるため、被塗物のうち上下方向に伸びる面すなわちい
わゆる縦面において生じ易いものとなる。
したがって、塗料の“ダレ”がさ程問題とならない被塗
物の水平方向に伸びる面すなわちいわゆる横面は、塗布
する塗料の厚さを縦面よりも大きくすることが可能であ
る。また、横面に対する塗膜の厚さと縦面に対する塗膜
の厚さをたとえ同じにしても、横面ではダレには至らな
い程度の塗料の若干の流動によって凹凸が小さくなり、
縦面における平滑度よりも良好な平滑度が得られること
になる。
上述のような観点から、従来は、の塗料の“ダレ”を防
止しつつ極力平滑度の大きい塗装面を得るため、極力流
動性の小さい(粘性の小さい)塗料を用いて塗装を行な
うようにしていた。そして、縦面において塗料の“ダ
レ”が生じるいわゆる“ダレ限界”は、従来の塗料では
塗膜の厚さで40μm程度が最大であった。より具体的
には、塗料の“ダレ”は、セッティング工程初期と焼付
工程初期、特に焼付工程初期に生じ易く、この時期に
“ダレ”が生じないように、塗装工程で塗布される塗料
の厚さが決定され、この決定された厚さの最大値すなわ
ちダレ限界値が40μm程度となる。したがって、絶対
的により一層平滑度の大きい塗装面を得ようとすれば、
従来の塗装方法では、例えば2回塗り等、塗装工程から
焼付工程に至るまでの一連の工程を複数回繰り返して行
なう必要があった。
しかしながら、前述したように、ダレ限界以上の塗料を
塗布と、被塗物の回転とを行うことにより、被塗物に塗
布された塗料に対して作用する重力の方向が、被塗物を
水平方向に回転させることによって変更されるため、塗
料は、“ダレ”を生じることなく乾燥されることにな
る。
これにより、1回当りに塗布する塗料の膜厚を従来より
もはるかに厚くして、平滑度が従来限界とされていたレ
ベルをはるかに越えて極めて良好な塗装面を得ることが
できる。
また、従来と同じような塗膜の厚さとした場合でも、塗
料の流動性を利用して凹凸のより小さいものすなわち平
滑度のより大きい優れた塗装面とすることができる。
さらに、同じ平滑度例えば従来の塗装方法で得られる平
滑度と同等の平滑度を有する塗装面を得ようとすれば、
従来のものよりも塗布すべき塗料の膜厚を薄くすること
ができ、この薄くし得る分だけ使用する塗料の量を低減
することができる。
勿論、薄い塗膜でも“ダレ”を生じるような塗料は、従
来の塗料中から流動性を阻害させる成分を所定割合現象
させることによって得ればよい(従来の塗料中には、ダ
レ限界を向上させるため、流動性を小さくするためのハ
イブリッド剤が混入されている)。
全体の概要 第1図は、被塗物としての自動車ボディWを塗装する場
合の全体工程を示してあり、各工程をP1〜P5で示し
てある。
先ず、電着塗装によって既知のように下塗りが完了され
たボディWが、台車Dに保持されつつ準備工程P1に送
り込まれる。この準備工程P1では、ボディW内外のゴ
ミが例えば真空吸引によって除去される。この後、工程
P2において、ボディWに対して塗料が吹き付けられ
る。
塗料が吹付けられたボディWは、工程P3において、台
車Dへの変更がなされる。そして、ボディWは、台車D
により搬送されつつ、セッティング工程P4および焼付
工程P5を経ることになる。
塗料の吹き付け、乾燥 先ず、P2での塗料の吹付けは、塗膜の厚さがダレ限界
以上となるようにして行なわれる。すなわち、従来一般
に用いられている塗料では、“ダレ”を生じない塗料の
最大厚さすなわちダレ限界値40μm程度であるが、工
程P2では、このダレ限界となる40μmよりもはるか
に厚い塗膜となるように(例えば65μm)となるよう
に塗料が吹付けられる。
このP2の後、P3ですみやかに台車の変更が行なわれ
た後、P4のセッティング工程へ移行される。このセッ
ティング工程P4では第2図(a)〜(i)で示すよう
に、ボディWが水平方向にに回転される。すなわち、ボ
ディWが水平方向に伸びる回転軸心lを中心として回転
され、実施例では、この回転軸線lが、ボディWの前後
方向に伸びるものとされている。なお、このセッティン
グ工程P4での温度雰囲気は、実施例では常温としてあ
るが、40°〜60°C等次の焼付工程P5での温度雰
囲気よりも低い温度の範囲で適宜の温度に設定し得る。
勿論、このセッティング工程P4は、あらかじめ塗料中
の低沸点分を揮発させるためであり、これにより、次の
焼付工程P5で低沸点分が急激に揮発されることによる
塗装面でのピンホール発生が防止される。
焼付工程P5においては、例えば、140°Cの温度雰
囲気で、塗料の焼付けが行なわれる。このP5でも、P
4のセッティング工程と同様に、第2図(a)〜(i)
に示すようにボディWが水平方向に回転される。
上述したP4、P5でのボディWの水平方向の回転によ
り、P2でダレ限界以上の厚さに塗料を吹付けても、ダ
レが生じることなく塗料が乾燥される。これにより、従
来の塗装方法では得られなかった平滑度の極めて高い高
品質の塗装面が得られる。
塗膜厚さとダレ限界と平滑度と水平回転との関係 第3図は、塗膜厚さがダレ限界に与える影響について示
すものである。この第3図では、塗膜厚さとして、40
μm、53μm、65μmの3通りの場合を示してあ
る。このいずれの厚さの場合も、セッティング工程初期
と焼付工程初期との両方の時期に、“ダレ”のピークが
生じることが理解される。また、ダレ限界は、通常1分
間に1〜2mmのダレを生じるときの値をいうが(目視し
て2mm/分以上のダレを生じると塗装面が不良とされ
る)、このダレ限界以下の範囲で得られる最大の塗膜厚
さは、従来の塗料で40μm程度である。
一方、第4図は、ボディWを水平方向に回転させるとき
とそうでないときとの、平滑度に与える影響を示してあ
る。その第4図中Aは、ボディWを回転させない状態を
示してある(従来の塗装方法)。第4図Bは、ボディW
を90°回転させた後逆転させる場合を示してある(第
2図(a)と(c)との間で正逆回転)。第4図Cは、
ボディWを135°回転させた後逆転させる場合を示し
てある(第2図(a)と(d)との間で正逆回転)。第
4図Dは、ボディWを180°回転させた後逆転させる
場合を示してある(第2図(a)と(e)との間で正逆
回転)。第4図Eは、ボディWを連続して同一方向に回
転させる場合を示してある(第2図(a)、(b)、
(c)・・・(i)の順の姿勢をとり、再び(a)へと
戻る)。
この第4図から明らかなように、同じ塗膜の厚さであれ
ば、ボディWを回転させた方が(第4図B、C、D、
E)、回転させない場合(第4図A)よりも、平滑度の
大きものが得られる。また、同じ回転でも、360°同
一方向に回転させるのが平滑度を高める上では好ましい
ことが理解される。勿論、ボディWの回転無しの場合
は、塗膜の厚さに限界をきたすため、平滑度を大きくす
るに限度がある。
ちなみに、塗膜の厚さを65μmとしてボディWを36
0°回転させる場合には、得られる平滑度は、写像鮮映
度I.Gで「87」(PGD値で1.0の下限値)であ
る。また、塗膜の厚さを40μmとした場合には、ボデ
ィWの回転無しの場合はI.Gで「58」(PGD値で
0.7の下限値)であるのに対し、ボディWを360°
回転させた場合はI.Gで「68」(PGD値で0.8
の下限値)である。
なお、既知のように、写像鮮映度におけるIG(イメー
ジグロス)は、鏡面(黒ガラス)を100とし、それに
対する鮮映度の比率を示すものであり、PGDは反射映
像の識別度を1.0から低下するに従って塗装面の平滑
度が低下する値である。
第3図、第4図に示したデータの試験条件は、次の通り
であるが、この試験条件は、P2での塗装工程が上塗り
を行なう場合の条件を示してある。
a.塗料:メラミンアルキッド(ブラック) 粘度:フォードカップ#4で 22秒/20°C b.塗膜機:ミニベル(16、000rpm) シェーピングエア ..2、0kg/cm2 c.吐出口:2回に分けての吹付けで、 第1回目...100cc/min 第2回目 ..150〜200cc/min d.セッティング時間:10分×常温 e.焼付条件 :140°C×25分 f.下地平滑度:0.6(PGD値) (中塗)、PEテープ上) g.回転または反転作動域: セッティング(10分)〜焼付け(10分) h.被塗物:一辺30cmの角筒体の側面に塗装、中心で
回転可能に支持 i.被塗物の回転速度:6rpm、30rpm、60r
pmの3通りで行なったが、回転速度の相違による差異
は事実上生じなかった 回転用治具 次に、ボディWを第2搬送手段としての台車Dに対して
水平方向に回転可能に支持させるために用いる治具の具
体例について説明する。
第5図は、ボディWの前部に取付けられる前側の治具1
Fを示す。この治具1Fは、左右一対の取付用ブラケッ
ト2と、この左右の各ブラケット2に溶接された左右一
対のステー3と、左右一対のステー3同士を連結する連
結バー4と、連結バー4に一体化された回転軸5と、を
有する。このような治具1Fは、そのブラケット2部分
を、ボディWの前部強度部材、例えばフロントサイドフ
レーム11の前端部に固定される。すなわち、フロント
サイドフレーム11には、通常バンパ(図示略)取付用
のブラケット12が溶接されているので、このボディW
側のブラケット12に対して、上記ブラケット2をボル
ト(図示略)を利用して固定する。
一方、ボディWの後部に取付けられる後側の治具1R
を、第6図に示してある。この後側の治具1Rも前側の
治具1Fと同じような構成とされ、この前側治具1Fに
対応した構成要素には同一符号を付してある。この後側
の治具1RのボディWに対する取付けは、そのブラケッ
ト2をボディW後端部にある強度部材としてのフロアフ
レーム13に対してボルトによって固定することにより
行なわれる。勿論、上記フロアフレーム13後端部に
は、一般にバンパが取付けられる関係上該バンパ取付用
のブラケットがあらかじめ溶接されているので、このバ
ンパ取付用のブラケットを利用して後側治具1Rの取付
を行なうこともできる。
上記、前後の治具1Fと1Rとは、ボディWに対する取
付状態において、その回転軸5同士がボディWの前後方
向に伸びる同一直線上に位置するようにされる。この同
一直線がボディWの回転軸線lとなるもので、好ましく
は、この回転軸線lがボディWの重心G(第7図参照)
を通るようにされている。なお、回転軸線lが重心Gを
通ることにより、ボディWの回転の際に、回転速度の大
きな変動が防止される。これにより、ボディWには、回
転変動に伴なう衝撃が発生するのが防止され、ダレ防止
上より好ましいものとなる。
なお、前後の治具1F、1Rは、車種(ボディWの種
類)に応じて専用のものがあらかじめ用意される。
台車 P4、P5で使用されて、ボディWを回転させる機能を
備えた台車である。
第7図において、台車Dは基台21を有し、この基台2
1に取付けられた車輪(走行車輪)22が、路面(レー
ル)23上を走行される。この基台21は、走行方向前
側から後側(第7図右側から左側)へ順次、それぞれ上
方へ向けて伸びる1本の前支柱24、2本の中間支柱2
5、26、および1本の後支柱27を有し、中間支柱2
5、26と後支柱27との間が、前後方向に大きく間隔
のあいた支持空間28とされている。
ボディWは、上記支持空間28に配設され、その前部
が、前治具1Fを利用して中間支柱26に対して回転自
在に支持される一方、その後部が、後治具1Rを利用し
て後支柱27に回転自在に支持される。
前後の治具1F、1R(の回転軸5)は、上下方向から
支柱26、27に対して係脱自在とされると共に、後側
の治具1Rが回転軸線l方向に不動として係合される。
このため、中間支柱26にはその上端面に開口する切欠
き26aが形成される一方(第10図〜第12図参
照)、後支柱27にはその上端面に開口する切欠き27
aが形成されている(第10図、第14図、第15図参
照)。この両切欠き26a、27aは、治具1F、1R
の回転軸5が嵌合し得る大きさとされている。そして、
後側治具1Rの回転軸5にはフランジ部5aが形成され
る一方、後支柱27には前記切欠き27aに連通するフ
ランジ部5aに対応した形状の切欠き27bが形成され
ている。これにより、後治具1Rは、後支柱27の切欠
き27a、27bに対して、上下方向から係脱されると
共に、フランジ部5aのストッパ作用によって後支柱2
7に対して前後方向に不動とされる。なお、ボディWに
対する回転力の付与は、前側治具1Fの回転軸5を介し
て行われ、このため前治具1Fの回転軸5先端部には、
後述する接続部5b(第5図をも参照)が形成されてい
る。
基台21からは、下方へ向けてステー29が突設され、
このステー29の下端部に、牽引用ワイヤ30が連結さ
れている。このワイヤ30は、エンドレス式とされて、
図示を略すモータにより一方向に駆動され、これにより
台車Dが所定の搬送方向に駆動される。勿論、上記モー
タは、防爆の観点上安全な箇所に設置されている。
ボディWの回転は、台車Dの車輪22の回転を利用して
行なわれる。この車輪22の回転を取出すための回転取
出機構31が、次のようにして構成されている。すなわ
ち、回転取出機構31は、基台21に上下方向に伸ばし
て回転自在に支持された回転軸32と、回転軸32の下
端部に固定された第1ベベルギア48と、車軸46に固
定されて上記ベベルギア48に噛合された第2ベベルギ
ア47と、から構成されている。上記車軸46は、ブラ
ケット45を介して基台21に回転自在に支持され、そ
の両端部に左右の車輪22が固定されている。これによ
り、台車D(基台21)がワイヤ30を介して牽引され
ると、車輪22すなわち車軸46が回転され、この車軸
46の回転が、ベベルギア47、48を介して回転軸3
2へ伝達される。
なお、回転軸32の途中にはクラッチ49が設けられ
て、車輪22からボディWへの回転伝達を適宜断続し得
るようになっている。
上記回転軸32の回転を、前側治具1F(の回転軸5)
に伝達するための伝動機構35が、次のようにして構成
されている。すなわち、伝動機構35は、前記前支柱2
4の後面に固定されたケーシング36と、ケーシング3
6に横方向(前後方向)に伸ばして回転自在に支持され
た回転軸37と、この回転軸37と前記上回転軸32と
を連動させる一対のベベルギア38、39と、前記中間
支柱25に対して回転自在かつ前後方向に摺動自在に保
持された連結軸40と、を有する。この連結軸40は、
回転軸37に対してスプライン結合され(この係合部を
第7図中符号41で示す)、これにより回転軸32が回
転されると、連結軸40も回転されることになる。勿
論、回転軸37と連結軸40とは、回転軸線l上に位置
するように設置されている。このように、回転取出し機
構31と伝動機構35とによって、車輪22の回転をボ
ディWへ伝達するための連動機構が構成されている。
前記連結軸40は、前側治具1Fの回転軸5に対して、
係脱される。すなわち、第10図〜第12図に示すよう
に、前治具1F用回転軸5の先端部には、十字形の接続
部5bが形成される一方、連結軸40の端部には、第1
0図、第13図に示すようにこの接続部5bががたつき
なく嵌合される係合凹所40cを有するボックス部40
aが形成されている。したがって、例えば空気圧式のシ
リンダ42によってロッド43を介して連結軸40を摺
動させることによって、上記ボックス部40a(係合凹
所40c)と接続部5bとが係脱され、その係合時に連
結軸40と回転軸5とが一体回転可能とされる。なお、
上記ロッド43は、第10図に示すように、連結軸40
の回転を阻害しないように、ボックス部40aの外周に
形成された環状溝40b内に嵌入されている。
以上のような構成によって、連結軸40を第7図右側へ
変位させた状態で、ボディWを台車Dに対して下降させ
ることにより、前後の治具1F、1Rの各回転軸5が、
中間支柱26、27によって回転自在かつ前後方向に不
動状態で支持される。この後、連結軸40(係止凹所4
0c)が、前治具1Fにおける回転軸5(の接続部5
b)に係合される。これにより、台車Dをワイヤ30を
介して牽引すれば、ボディWが所定の水平軸線lを中心
にして回転されることになる。なお、ボディWの台車D
からの取外しは、上記した手順とは逆の手順で行えばよ
い。
第16図、第17図および第18図、第19図は、それ
ぞれ前治具1Fの回転軸5と、連結軸40との結合部位
の変形例を示すものである。
第16図、第17図のものにおいては、先ず、中間支柱
26の切欠き26aが、ボックス部40aを回転自在に
支承し得るように半円状に形成されている。また、回転
軸5の接続部5b−1がL字形に形成される一方、ボッ
クス部40aに形成される係合凹所40c−1が、L字
形の接続部5b−1が相対回転不能に係合される形状と
したものである。そして、係合凹所40c−1は、ボッ
クス部40aの一側面に開口して、この開口部分が上方
を向いているときに、接続部5b−1が係合凹所40c
−1に対して上下方向から係脱されるようになっている
(連結軸40の摺動不用)。
第18図、第19図は、第17図、第18図と同じよう
に、ボックス部40aに形成した係合凹所40c−2が
上方を向いているときにのみ、前側治具1Fの回転軸5
に形成した接続部5b−2が係脱され得るようにしたも
のであり、接続部5c−2が断面四角形とされる一方、
係合凹所40c−2がこの四角形に対応した形状とされ
ている点が第16図、第17図に示す場合と異なってい
る。
勿論、第16図〜第19図の場合においては、連結軸4
0と前側治具1Fとの係脱可能な状態(係合凹所40c
−1、40c−2が上方を向いた状態)では、ボディW
が正立位置(第7図に示すボディWのルーフパネルが上
向きの状態)とされる。
台車変更装置 P3で台車Dの変更を行うための装置であり、その一例
を、第20図〜第22図に示してある。この台車変更装
置は、第22図に示すように、前工程での台車移動軌跡
R1と後工程での台車移動軌跡R2とが近接する移載ス
テーションS1に設置される。この移載ステーションS
1に設置される台車変更装置は、第20図、第21図に
示すように、実質的にリフタ51によって構成される。
このリフタ51は、左右一対のガイドポスト52と、各
ガイドポスト52に上下駆動されるように取付けられた
基台53と、この各基台53より、それぞれ伸縮し得る
ように駆動される支持脚54と、を有する。この各支持
脚54は、それぞれ、台車DあるいはD′の移動方向に
隔置された前後一対の支持部54aを有する。
以上のような構成において、前工程からのボディWを支
持した台車Dが、移載ステーションS1で停止される。
台車Dが停止されると、最下方にある基台53より支持
脚54が伸ばされた後、基台53が上昇動される。これ
により、第20図、第21図に示すように、台車D上の
ボディWは、支持脚54の支持部54aによってボディ
Wのサイドシルあるいはフロアフレーム部分を支承され
つつ、台車Dから持ち上げられて高い位置へと上昇され
る。この後、前工程の台車Dが移載ステーションS1か
ら離れ、後工程用の台車Dが新たに移載ステーションS
1に位置される。この後は、基台53を下降させて、ボ
ディWを台車Dに移載する。そして、次の移載に備え
て、支持脚54が縮長される(第21図一点鎖線参
照)。このようにして、前工程用の台車から後工程用の
台車へとボディWが移載される。
勿論、ボディWの移載時には、台車Dを前後、左右方向
からクランプする位置決め装置等によって、当該台車D
を所定位置に不動状態でしっかりと固定しておくのが好
ましい。
なお、移載装置としては、高所を間欠送りされるハンガ
を有するものとして、リフタ51により一旦ハンガへ移
し替えた後、このハンガによりボディWを後工程用の台
車Dの上方へ移動させ、この位置で再びリフタを利用し
てハンガから後工程用の台車Dへとボディを移載するよ
うにしてもよい。
補足説明および変形例 さて次に、本考案に関連した補足的な説明について順次
説明する。
先ず、工程P1でのゴミ除去の際には、ボディWを回
転軸線lを中心にして回転させつつ行なうとよい(第2
図(a)〜(i)参照)。これにより、ボディWの内
面、特に正立位置では下向きとなる面等に付着していた
ゴミが、重力により下方へ落下するので、より確実にゴ
ミの除去を行なえることになる。このことは、セッティ
ング工程や焼付工程でのボディWの回転の際にゴミが落
下してこないということになって、高品質の塗装面を得
る上で重要となる。
中塗りの次に上塗りを行なう際には、中塗り用焼付工
程後の水研ぎを廃止することができる。この場合、ボデ
ィWを回転させるのは、中塗り工程あるいは上塗り工程
のいずれか一方のみであってもよい。すなわち、上塗り
後に得られる最終的な塗装面の良否は、中塗りの良否で
決定されることにもなるが、中塗りでボディWの回転を
行なった際には、この中塗りの仕上げレベルを高くする
ことができるので、従来行なわれていた水研ぎが不用に
なる。また、上塗りでボディWを回転させれば、中塗り
で水研ぎを行なわなくとも、中塗りの仕上げの悪さを上
塗りの良さでカバーすることができる。
上塗りでボディWの回転を行なう場合で、かつダレ限
界の小さい上塗り塗料によって薄い塗膜を形成する場合
は、いわゆるカラー中塗りを行なうとよい。これによ
り、上塗り塗料を通して中塗り塗料が透けて見えても、
色合の点で何等支承の無いものとなる。
平滑度を高めるための乾燥工程での被塗物の回転は、
焼付工程においてのみ行なうようにすることもできる。
(考案の効果) 本考案は以上述べたことから明らかなように、搬送台車
上の被塗物を、別途回転用の駆動源を設けることなく、
この搬送台車の車輪の回転をそのまま有効に利用してす
なわち搬送台車を搬送方向へ駆動するための既設の駆動
源を利用して行なうことができる。
また、本考案にあっては、被塗物を回転させるためのチ
ェーン等の付設物を搬送ラインに沿って別途設ける必要
がないので、搬送ライン全体としてのレイアウトの自由
度が高く、その簡素化を図る上でも好ましいものとな
る。
さらに、大型かつ重量物である搬送台車そのものを何等
回転させる必要もないので、この点においても有利なも
のである。
特に、本考案では、搬送台車が有する走行車輪そのもの
の回転を利用して被塗物を回転させるので、つまり走行
車輪そのものが被塗物を回転させるための回転取出し部
材を兼用したものとなっているので、回転取り出し用の
部材を別途設けることが不用になり、構成の簡単化やコ
スト低減を図る上で好ましいものとなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す全体工程図。 第2図は被塗物としての自動車用ボディが回転すること
に伴う姿勢変化の状態を示す図。 第3図、第4図は塗料の厚さとダレと塗装面の平滑度と
回転との関係を示すグラフ。 第5図、第6図はボディを回転させるために、用いる治
具の例を示す斜視図。 第7図はボディを回転させるようにしたボディ搬送用の
台車の一例を示す側面図。 第8図は台車の走行路下方の状態を示す一部切欠き断面
図。 第9図は台車の回転取出機構部分を示す簡略斜視図。 第10図は回転用治具と台車との結合部分を示す側面断
面図。 第11図は第10図X11−X11線断面図。 第12図は第11図の平面図。 第13図は第10図のX13−X13線断面図。 第14図は第10図のX14−X14線断面図。 第15図は第14図の平面図。 第16図、第17図は回転用治具と台車との結合部分の
変形例を示すもので、第16図は第17図のX16−X
16線断面図、第17図は側面断面図。 第18図、第19図は回転用治具と台車との結合部分の
さらに他の変形例を示すもので、第18図は第19図の
X18−X18線断面図。第19図は側面断面図。 第20図は台車を変更させるための装置の一例を示す側
面図。 第21図は第20図の正面図。 第22図は台車の走行系路と台車変更装置の配置位置と
の一例を示す簡略平面図。 P1〜P5:工程 W:ボディ l:回転軸線 D′:台車(第1搬送手段) D:台車(第2搬送手段) 1F、1R:回転用治具 22:車輪 29:ステー 30:ワイヤ(搬送台車牽引用) 31:回転取出機構 32:回転軸 35:伝動機構 46:車軸 47、48:ベベルギア

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗物を搬送するための搬送台車が走行車
    輪を備えて、牽引手段により搬送台車を牽引したときに
    前記走行車輪が回転されることによって該搬送台車が走
    行移動されるようにされた塗装ラインにおける搬送台車
    において、 前記搬送台車が、被塗物を回転自在に支承する支承部
    と、前記支承部に支承された被塗物と前記走行車輪とを
    連動させて該該走行車輪の回転に応じて前記被塗物を回
    転させるための連動機構と、を備えている、 ことを特徴とする塗装ラインにおける搬送台車。
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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB654118A (en) 1948-03-17 1951-06-06 Carrier Engineering Co Ltd Improvements in or relating to methods of and apparatus for cleaning, rustproofing and prime coating sheet metal articles such as vehicle bodies on a quantity productionbasis

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US654118A (en) * 1898-12-12 1900-07-17 Anglo American Provision Company Process of coating meats.

Patent Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB654118A (en) 1948-03-17 1951-06-06 Carrier Engineering Co Ltd Improvements in or relating to methods of and apparatus for cleaning, rustproofing and prime coating sheet metal articles such as vehicle bodies on a quantity productionbasis

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