JP2637781B2 - 塗装方法 - Google Patents

塗装方法

Info

Publication number
JP2637781B2
JP2637781B2 JP19704088A JP19704088A JP2637781B2 JP 2637781 B2 JP2637781 B2 JP 2637781B2 JP 19704088 A JP19704088 A JP 19704088A JP 19704088 A JP19704088 A JP 19704088A JP 2637781 B2 JP2637781 B2 JP 2637781B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
paint
coating
thickness
rotation
spraying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP19704088A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0248073A (ja
Inventor
義雄 谷本
貴和 山根
忠光 中浜
敏文 小笠原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Matsuda KK
Original Assignee
Matsuda KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsuda KK filed Critical Matsuda KK
Priority to JP19704088A priority Critical patent/JP2637781B2/ja
Publication of JPH0248073A publication Critical patent/JPH0248073A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2637781B2 publication Critical patent/JP2637781B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗装方法に関するものである。
(従来技術) 被塗物例えば自動車ボディの外表面を吹付けにより塗
装する場合、被塗物に付着しているゴミを除去する準備
工程と、被塗物に塗料を吹付け塗布する工程と、塗布さ
れた塗料を乾燥させる乾燥工程とを有する。この乾燥工
程は、一般に、セッティング工程と焼付工程との2段階
で行なわれ、セッティング工程は、焼付工程の前におい
て、この焼付工程よりも低い温度、例えば常温あるいは
仮焼付けとも呼ばれるように40゜〜60℃の温度雰囲気で
行われる(焼付工程での焼付温度は通常140℃前後)。
そして、被塗物は、通常、台車等の搬送手段により搬
送されつつ上記準備工程、塗装工程および乾燥工程を経
ることになるが、被塗物の姿勢は、各工程において所定
の姿勢を保持したまま行われている。
ところで、塗装面の品質を評価する1つの基準とし
て、平滑度(平坦度)があり、この平滑度が大きい程塗
装面の凹凸の度合が小さくて、良好な塗装面となる。こ
の塗装面の平滑度を向上させるには、塗膜の厚さ、すな
わち塗布された塗料の膜厚を大きくすればよいことが既
に知られている。
一方、塗装面の品質を阻害するものとして、塗料の
“ダレ”がある。このダレは、重力を受けることによっ
て塗布された塗料が下方に大きく流動することにより生
じ、1回に塗布する塗料の膜厚が大きい程“ダレ”を生
じ易くなる。この“ダレ”の原因は、つまるところ重力
の影響であるため、被塗物のうち上下方向に伸びる面す
なわちいわゆる縦面において生じ易いものとなる。例え
ば、被塗物として自動車のボディを考えた場合、横面と
なるボンネットやトランクリッドにおいてはダレが生じ
にくい反面、立面となるフェンダについてはダレが生じ
易くなる。
したがって、塗料の“ダレ”がさ程問題とならない被
塗物の水平方向に伸びる面すなわちいわゆる横面は、塗
布する塗料の厚さを縦面よりも大きくすることが可能で
ある。また、横面に対する塗膜の厚さと縦面に対する塗
膜の厚さをたとえ同じにしても、横面ではダレには至ら
ない程度の塗料の若干の流動によって凹凸が小さくな
り、縦面における平滑度よりも良好な平滑度が得られる
ことになる。
上述のような観点から、従来は、の塗料の“ダレ”を
防止しつつ極力平滑度の大きい塗装面を得るため、極力
流動性の小さい(粘性の小さい)塗料を用いて塗装を行
なうようにしていた。そして、縦面において塗料の“ダ
レ”が生じるいわゆる“ダレ限界”は、従来の熱硬化型
塗料では塗膜の厚さで40μm程度が最大であった。より
具体的には、熱硬化型塗料の“ダレ”は、セッティング
工程初期と焼付工程初期、特に焼付工程初期に生じ易
く、この時期に“ダレ”が生じないように、塗装工程で
塗布される塗料の厚さが決定され、この決定された厚さ
の最大値すなわちダレ限界値が40μm程度となる。した
がって、絶対的により一層平滑度の大きい塗装面を得よ
うとすれば、従来の塗装方法では、例えば2回塗り等、
塗装工程から焼付工程に至るまでの一連の工程を複数回
繰り返して行なう必要があった。
(発明が解決しようとする問題点) 前述した吹付けにより塗装を行なう場合に問題とにる
ダレ限界というものを克服して、同じ塗膜の厚さであれ
ばより平滑度の優れた塗装面が得られるようにした塗装
方法を本出願人は開発した。すなわち、塗料を吹付けに
よる塗布する際の塗膜の厚さをダレ限界以上の厚さとす
る一方、塗布された塗料がダレが生じなくなるまで硬化
するまでの間、被塗物を略水平軸線回りに回転させるよ
うにした塗装方法を開発した。この塗装方法によれば、
被塗物の回転によって塗料に作用する重力の方向を変更
してダレ発生を防止しつつ、塗料の大きな流動性という
ものを積極的に利用して、同じ塗膜の厚さであればより
平滑度の優れた塗装面を得ることができる。
しかしながら、上記塗装方法を実施する場合、ダレ発
生防止の観点から、塗料吹付け後から被塗物の回転開始
までの余裕時間が少なくなり、この点において問題を生
じる。この点を詳述すると、塗料の吹付けは一般に自動
機(ロボット)によって行なわれることが多いが、この
場合特に、部分的に塗料吹付けを行なう後補正というも
のが必要となる。例えば自動車ボディを塗装する場合に
は、ボンネット等の外表面は自動機によって良好な塗料
塗布がなし得ても、ボンネット等の裏面についてはどう
しても手作業等による後補正によって塗料の吹付けを行
なわざるを得ないことになる。しかしながら、この後補
正というものは少なからず時間を要するので、この後補
正をダレ限界以上の塗料吹付け後から被塗物回転までの
間に行なうことが困難になる。
(発明の目的) したがって、本発明の目的は、ダレ限界以上の塗料吹
付けとその後の被塗物回転とを行なうようにした塗装方
法を実施する場合に、上記塗料吹付けから被塗物回転ま
での限られた余裕時間というものの制約を受けることな
く、後補正が必要とされる部位に対しても良好な塗装が
行なえるようにした塗装方法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段、作用) 前述の目的を達成するため、本発明にあっては次のよ
うな構成としてある。すなわち、 被塗物に対して、所定の色彩の塗料を吹付けによって
塗布する第1塗装工程と、 前記第1塗装工程で塗布された塗料を乾燥させる第1
乾燥工程と、 前記第1乾燥工程後の被塗物に対して、クリヤ塗料ま
たは前記第1塗装工程で用いられた塗料と同色の塗料を
吹付けによって塗布する第2塗装工程と、 前記第2塗装工程で塗布された塗料を乾燥させる第2
乾燥工程と、 を備え、 前記第1塗装工程で塗布される塗料の厚さがダレ限界
よりも小さい厚さとされ、 前記第2塗装工程で塗布される塗料の厚さがダレ限界
以上の厚さとされ、 前記第2乾燥工程では、前記第2塗装工程で塗布され
た塗料がダレを生じなくなるまで硬化するまでの間、被
塗物が略水平軸線回りに回転される、 ような構成としてある。
このように本発明では、第2塗装工程で被塗物に塗布
された塗料に対して作用する重力の方向が、被塗物を略
水平軸線回りに回転させることによって変更されるた
め、塗料は、“ダレ”を生じることなく乾燥されること
になる。
本発明によれば、第2塗装工程において1回当りに塗
布する塗料の膜厚を従来よりもはるかに厚くして、平滑
度が従来限界とされていたレベルをはるかに越えた極め
て良好な塗装面を得ることができる。
また、第2塗装工程において従来と同じような塗膜の
厚さとした場合でも、塗料の流動性を利用して凹凸のよ
り小さいものすなわち平滑度のより大きい優れた塗装面
とすることができる。
さらに、同じ平滑度例えば従来の塗装方法で得られる
平滑度と同等の平滑度を有する塗装面を得ようとすれ
ば、第2塗装工程において塗布すべき塗料の膜厚を薄く
することができ、この薄くし得る分だけ使用する塗料の
量を低減することができる。
そして、本発明では、第1塗装工程での塗料塗布は、
従来同様ダレ限界以内の厚さとされるので、ダレ発生と
いうことを何等考慮することなく、十分な余裕時間をも
って、第2塗装工程後に必要であろうとされる部位に対
する後補正を、当該第1塗装工程であらかじめ行なうこ
とができる。勿論、第2塗装工程で用いられる塗料は、
クリヤ塗料あるいは第1塗装工程で用いられた塗料と同
色の塗料を用いるので、色違いという問題は何等生じな
いものとなる。換言すれば、本来的には、第2塗装工程
で要求される塗料の色というものを勘案して、第1塗装
工程で用いる塗料の色が決定されることになる。
上記第1、第2の各塗装工程で用いる塗料は共に上塗
塗料でもよく、また第1塗装工程で用いる塗料を中塗塗
料とすると一方、第2塗装工程で用いる塗料を上塗り塗
料とすることもできる。
ここで、塗料の吹付けは静電塗装による吹付けでもよ
い。また、塗料のダレは、塗料を吹付けた状態で放置し
たときに目視によって確認し得る程度の塗料の移動をい
い(塗料が硬化したときに筋状となって表われる)、一
般には2mm程度の塗料の移動が確認されたときにダレが
生じたものとされる。したがって、ダレ限界以上の厚さ
に塗料を吹付けるということは、そのまま放置しておけ
ば少なくとも2mm程度の塗料の移動が生じるような厚さ
とすることになり、用いる塗料の流動性が大きいほどダ
レ限界の厚さは小さくなる。このダレ限界以上の厚さと
するには、1回の吹付けにより行なってもよく(1ステ
ージ吹き)、2回あるいは3回以上の吹付けによって最
終的にダレ限界以上の厚さとしてもよい(多重ステージ
吹き)。さらに、被塗物の略水平軸線回りの回転は、重
力の作用によって塗料に大きな移動が生じないようにす
ればよいので、塗料がダレを生じるような大きな流動状
態を有しなくなるまで間すなわち塗料が硬化するまでの
間、所定の一方向へ連続してあるいは断続して行なうよ
うにしてもよく、また正逆回転を連続してあるいは断続
して行なうこともできる。被塗物の回転角度範囲として
は、ダレ限界上の厚さに塗料が吹付けられた任意の部分
に対して重力の作用する方向が反転するようにすればよ
く、270゜あれば十分である。そして、被塗物の回転軸
線は、真の水平軸線に対して30度程度の範囲で傾いてい
てもよく、この回転軸線を揺動させることもできる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明
する。
全体の概要 第1図は、被塗物としての自動車用ボディWを塗装す
る場合の工程を示してあり、各工程をP1〜P4で示してあ
る。
先ず、既知のような少なくとも下塗りが完了されたボ
ディWが、台車Dに保持されつつ第1塗装工程P1に送り
込まれる。この第1塗装工程P1では、吹付けによって、
後述する所定の色の塗料が、従来同様ダレ限界以内の厚
さに塗布される。この第1塗装工程P1で吹付けられる塗
料は、その前の工程までで下塗りのみが完了されている
場合は中塗り塗料とされ、中塗りまで行なわれている場
合は中塗り塗料あるいは上塗り塗料とされる。
第1塗装工程P1の後、第1乾燥工程P2において、吹付
けられた塗料の乾燥が行なわれる。この乾燥は、塗料が
一般的な熱硬化型塗料のときは、従来同様セッティング
工程および焼付工程の2段階で行なわれる。勿論、第2
乾燥工程P2では、ダレ発生ということは何等問題となら
ないので、ボディWを積極的に回転させる必要はない。
第2乾燥工程P2の後、第2塗装工程P3において、クリ
ヤ塗料あるいは第1塗装工程P1で用いた塗料と同色の塗
料が、吹付けによって、ダレ限界以上の厚さとなるよう
に塗布される。換言すれば、第1塗装工程P1で用いられ
る塗料と第2塗装工程P3で用いられる塗料との間で色違
いが生じないようにされてる。勿論、第2塗装工程P3で
用いられる塗料がクリヤ塗料の場合は、第1塗装工程P1
で用いられる塗料の色がボディWに要求される最終的な
色とされる。また、第2塗装工程P3で用いられた塗料の
色が第1塗装工程P1で用いられた塗料と同じ色の場合
は、両工程P1、P3では共に、ボディWに要求される最終
的な色の塗料が用いられることになる。なお、第2塗装
工程P3で用いられる塗料は、ボディWの最上層塗膜を形
成するので、上塗り塗料が用いられる。
第2塗装工程P3の後、第2乾燥工程P4において、塗料
がダレを生じなくなるまで硬化するまでの間、ボディW
が略水平軸線回りに回転される(第2図参照)。この第
2乾燥工程P4でも、塗料が熱硬化型塗料の場合は、従来
同様セッティング工程および焼付工程の2段階で行なわ
れ、ボディWの回転は、このセッティング工程全ての時
間と焼付工程開始から所定時間行なわれる。これによ
り、塗料のダレ発生を防止しつつ当該塗料が乾燥される
ことになる。
前記第1塗装工程P1では、第2塗装工程P3後に必要で
あろうとされる部位に対する塗装すなわち後補正が、当
該第1塗装工程P1であらかじめ行なわれる。したがっ
て、第2塗装工程P3後に、上記後補正を行なうことな
く、すみやかに第2乾燥工程P4に移行して、ボディWの
回転をすみやかに開始させることができる。
具体例 前述した各工程P1〜P4について、工程P1前の塗装状態
をも含めた具体例を次に示す。
例.1 両塗装工程P1、P3共に上塗りの場合で、かつ第1塗装
工程P1をメタリック塗装とするためいわゆる2コート1
ベークとしたものである。
下塗り カチオン電着 焼付 170℃×30分 膜厚 20±2μm 中塗り 膜厚 35μm 熱硬化オイルフリーポリエステル塗料 色相 グレー 吹付け粘度 22〜25秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 1ステージ吹き ミニベル(60φでボディWの搬送方向に不動) 回転数22,000rpm シェーピングエア圧2.0kg/cm2 電圧90kv ガン距離30cm ボディW搬送速度5.5m/分 セッティング 8分(常温) 焼付 140℃×25分 第1塗装工程P1(メタリックシルバー) ベースカラー 膜厚 20±4μm 樹脂 アクリルメラミン 顔料 アルミ粉(20.0) 吹付け粘度 13秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 エア霧化静電塗装 2ステージ吹き(インタバル3分) 霧化エア圧4.0kg/cm2 電圧90kv ガン距離30cm 塗装ガンはボディWの搬送方向に不動 ボディWの搬送速度 3m/分 クリヤ 膜厚 35±5μm 吹付け粘度 24秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 ボディWの搬送速度 5.5m/分 ベースカラー吹付け5分後に吹付け開始その他は中塗り
と同じ 第1乾燥工程P2 セッティング 12分(常温) 焼付 140℃×25分 第2塗装工程P3 膜厚 60±5μm 樹脂 アクリルメラミン(クリヤ) 吹付け粘度 22秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 ボディW搬送速度 2.5m/分 その他は中塗りと同じ 第2乾燥工程P4 セッティング 15分(常温) 焼付 140℃×30分 ボディWの回転 10rpmで、吹付け終了直後からセッティング全期間中
および焼付け初期10分間 例.2 両塗装工程P1、P3共に上塗りとする一方、第1塗装工
程P1をソリッド系の塗料を用いたいわゆる1コート1ベ
ークとした場合である。
下塗り カチオン電着 焼付 170℃×30分 膜厚 20±2μm 中塗り 膜厚 35μm 熱硬化オイルフリーポリエステル塗料 色相 グレー 吹付け粘度 22〜25秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 1ステージ吹き ミニベル(60φでボディWの搬送方向に不動) 回転数22,000rpm シェーピングエア圧2.0kg/cm2 電圧90kv ガン距離30cm ボディW搬送速度5.5m/分 セッティング 8分(常温) 焼付 140℃×25分 第1塗装工程P1(ソリッドホワイト) 膜厚 45μm 樹脂 アルキッドメラミン 顔料 チタン白(35.0) カーボンブラック(0.1) マオコイエロー(0.2) 吹付け粘度 22秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 ボディWの搬送速度 3m/分 その他は中塗りと同じ 第1乾燥工程P2 セッティング 12分(常温) 焼付 140℃×25分 第2塗装工程P3 膜厚 60±5μm 樹脂 アクリルメラミン(クリヤー) 吹付け粘度 22秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 ボディW搬送速度 2.5m/分 その他は中塗りと同じ 第2乾燥工程P4 セッティング 15分(常温) 焼付 140℃×30分 ボディWの回転 10rpmで、吹付け終了直後からセッティング全期間中
および焼付け初期10分間 なお、上記例.2において、第2塗装工程P3で用いる塗
料として、第1塗装工程P1と同様にソリッド系の塗料を
用いてもよい。
例.3 塗装工程P1を中塗りとしたもの、すなわちいわゆるカ
ラー中塗りを行なう場合である。
下塗り カチオン電着 焼付 170℃×30分 膜厚 20±2μm 第1塗装工程P1(ホワイト) 膜厚 45μm 樹脂 ポリエステルメラミン 吹付け粘度 24秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 1ステージ吹き ミニベル(60φでボディWの搬送方向に不動) 回転数22,000rpm シェーピングエア圧2.0kg/cm2 電圧90kv ガン距離30cm ボディW搬送速度 3m/分 第1乾燥工程P2 セティング 8分(常温) 焼付 140℃×25分 第2塗装工程P3 膜厚 60±5μm 樹脂 ポリエステルメラミン(ホワイト) 吹付け粘度 22秒/20℃ (フォードカップNo.4) 塗装条件 ボディW搬送速度 2.5m/分 ミニベル 2ステージ吹き(インタバル3分) 第2乾燥工程P4 セッティング 15分(常温) 焼付け 140℃×30分 ボディWの回転 10rpmで、吹付け終了直後からセッティング全期間中
および焼付け初期10分間 塗膜厚さとダレ限界と平滑度と水平回転との関係 第3図は、塗膜厚さがダレ限界に与える影響について
示すものである。この第3図では、塗膜厚さとして、40
μm、53μm、65μmの3通りの場合を示してある。こ
のいずれの厚さの場合も、セッティング工程初期と焼付
工程初期との両方の時期に、“ダレ”のピークが生じる
ことが理解される。また、ダレ限界は、通常1分間に1
〜2mmのダレを生じるときの値をいうが(目視して2mm/
分以上のダレを生じると塗装面が不良とされる)、この
ダレ限界以下の範囲で得られる最大の塗膜厚さは、従来
の塗料で40μm程度である。
一方、第4図は、ボディWを水平方向に回転させると
きとそうでないときとの、平滑度に与える影響を示して
ある。その第4図中Aは、ボディWを回転させない状態
を示してある(従来の塗装方法)。第4図Bは、ボディ
Wを90゜回転させた後逆転させる場合を示してある(第
2図(a)と(c)との間で正逆回転)。第4図Cは、
ボディWを135゜回転させた後逆転させる場合を示して
ある(第2図(a)と(d)との間で正逆回転)。第4
図Dは、ボディWを180゜回転させた後逆転させる場合
を示してある(第2図(a)と(e)との間で正逆回
転)。第4図Eは、ボディWを連続して同一方向に回転
させる場合を示してある(第2図(a)、(b)、
(c)・・・(i)の順の姿勢をとり、再び(a)へと
戻る)。
この第4図から明らかなように、同じ塗膜の厚さであ
れば、ボディWを回転させた方が(第4図B、C、D、
E)、回転させない場合(第4図A)よりも、平滑度の
大きいものが得られる。また、同じ回転でも、360゜同
一方向に回転させるのが平滑度を高める上では好ましい
ことが理解される。勿論、ボディWの回転無しの場合
は、塗膜の厚さに限界をきたすため、平滑度を大きくす
るには限度がある。
ちなみに、塗膜の厚さを65μmとしてボディWを360
゜回転させる場合には、得られる平滑度は、写像鮮映度
I.Gで「87」(PGD値で1.0の下限値)である。また、塗
膜の厚さを40μmとした場合には、ボディWの回転無し
の場合はI.Gで「58」(PGD値で0.7の下限値)であるの
に対し、ボディWを360゜回転させた場合はI.Gで「68」
(PGD値で0.8の下限値)である。
なお、既知のように、写像鮮映度におけるIG(イメー
ジクロス)は、鏡面(黒ガラス)を100とし、それに対
する鮮映度の比率を示すものであり、PGDは反射映像の
識別度を1.0から低下するに従って塗装面の平滑度が低
下する値である。
第3図、第4図に示したデータの試験条件は、次の通
りであるが、この試験条件は、P2で上塗りを行なう場合
の条件を示してある。
a.塗料:メラミンアルミッド(ブラック) 粘度:フォードカップ#4で22秒/20℃ b.塗膜機:ミニベル(16、000rpm) シェーピングエア..2、0kg/cm2 c.吐出量:2回に分けての吹付けで、 第1回目...100cc/min 第2回目..150〜200cc/min d.セッティング時間:10分×常温 e.焼付条件:140℃×25分 f.下地平滑度:0.6(PGD値) (中塗、PEテープ上) g.回転または反転作動域: セッティング(10分)〜焼付け(10分) h.塗膜物:一辺30cmの角筒体の側面に塗装、中心で回転
可能に支持 i.被塗物の回転速度:6rpm、30rpm、60rpmの3通りで行
なったが、回転速度の相違による差異は事実上生じなか
った。
回転用治具 次に、ボディWを台車Dに対して水平方向に回転可能
に支持させるために用いる治具の具体例について説明す
る。
第5図は、ボディWの前部に取付けられる前側の治具
1Fを示す。この治具1Fは、左右一対の取付用ブラケット
2と、この左右の各ブラケット2に溶接された左右一対
のステー3と、左右一対のステー3同士を連結する連結
バー4と、連結バー4に一体化された回転軸5と、を有
する。このような治具1Fは、そのブラケット2部分を、
ボディWの前部強度部材、例えばフロントサイドフレー
ム11の前端部に固定される。すなわち、フロントサイド
フレーム11には、通常バンパ(図示略)取付用のブラケ
ット12が溶接されているので、このボディW側のブラケ
ット12に対して、上記ブラケット2をボルト(図示略)
を利用して固定する。
一方、ボディWの後部に取付けられる後側の治具1R
を、第6図に示してある。この後側の治具1Rも前側の治
具1Fと同じような構成とされ、この前側治具1Fに対応し
た構成要素には同一符号を付してある。この後側の治具
1RのボディWに対する取付けは、そのブラケット2をボ
ディW後端部にある強度部材としてのフロアフレーム13
に対してボルトによって固定することにより行なわれ
る。勿論、上記フロアフレーム13後端部には、一般にバ
ンパが取付けられる関係上該バンパ取付用のブラケット
があらじめ溶接されているので、このバンパ取付用ブラ
ケットを利用して後側治具1Rの取付を行なうこともでき
る。
上記、前側の治具1Fと1Rとは、ボディWに対する取付
状態において、その回転軸5同士がボディWの前後方向
に伸びる同一直線上に位置するようにされる。この同一
直線がボディWの回転軸線lとなるもので、好ましく
は、この回転軸線lがボディWの重心G(第7図参照)
を通るようにされている。なお、回転軸線lが重心Gを
通ることにより、ボディWの回転の際に、回転速度の大
きな変動が防止される。これにより、ボディWには、回
転変動に伴なう衝撃が発生するのが防止され、ダレ防止
上より好ましいものとなる。
なお、前後の治具1F、1Rは、車種(ボディWの種類)
に応じて専用のものがあらかじめ用意される。
台車 少なくともP1、P4、P5で使用されて、ボディWを回転
させる機能を備えた台車である。
第7図において、台車Dは基台21を有し、この基台21
に取付けられた車輪22が、路面23上を走行される。この
基台21は、走行方向前側から後側(第7図右側から左
側)へ順次、それぞれ上方へ向けて伸びる1本の前支柱
24、2本の中間支柱25、26、および1本の後支柱27を有
し、中間支柱25、26と後支柱27との間が、前後方向に大
きく間隔のあいた支持空間28とされている。
ボディWは、上記支持空間28に配設され、その前部
が、前治具1Fを利用して中間支柱26に対して回転自在に
支持される一方、その後部が、後治具1Rを利用して後支
柱27に回転自在に支持される。
前後の治具1F、1R(の回転軸5)は、上下方向から支
柱26、27に対して係脱自在とされると共に、後側の治具
1Rが回転軸線l方向に不動として係合される。このた
め、中間支柱26にはその上端面に開口する切欠き26aが
形成される一方(第10図〜第12図参照)、後支柱27には
その上端面に開口する切欠き27aが形成されている(第1
0図、第14図、第15図参照)。この両切欠き26a、27a
は、治具1F、1Rの回転軸5が嵌合し得る大きさとされて
いる。そして、後側治具1Rの回転軸5にはフランジ部5a
が形成される一方、後支柱27には前記切欠き27aに連通
するフランジ部5aに対応した形状の切欠き27bが形成さ
れている。これにより、後治具1Rは、後支柱27の切欠き
27a、27bに対して、上下方向から係脱されると共に、フ
ランジ部5aのストッパ作用によって後支柱27に対して前
後方向に不動とされる。なお、ボディWに対する回転力
の付与は、前側治具1Fの回転軸5を介して行われ、この
ため前治具1Fの回転軸5先端部には、後述する接続部5b
(第5図をも参照)が形成されている。
基台21からは、下方へ向けてステー29が突設され、こ
のステー29の下端部に、牽引用ワイヤ30が連結されてい
る。このワイヤ30は、エンドレス式とされて、図示を略
すモータにより一方向に駆動され、これにより台車Dが
所定の搬送方向に駆動される。勿論、上記モータは、防
爆の観点上安全な箇所に設置されている。
ボディWの回転は、台車Dの移動を利用して、すなわ
ち台車Dの走行路面23に対する変位を利用して行われ
る。この台車Dの変位を回転として取出すための回転取
出機構31が、次のようにして構成されている。すなわ
ち、回転取出機構31は、基台21に上下方向に伸ばして回
転自在に支持された回転軸32と、回転軸32の下端部に固
定されたスプロケット33と、スプロケット33に噛合され
たチェーン34と、から構成されている。このチェーン34
は、前記ワイヤ30と並列に、走行路面23に対して不動状
態で配設されている。これにより、台車Dがワイヤ30を
介して牽引されると、チェーン34が不動であるため、こ
のチェーン34に噛合うスプロケット33したがって回転軸
32が回転される。
上記回転軸32の回転を、前側治具1F(の回転軸5)に
伝達するための伝動機構35が、次のようにして構成され
ている。すなわち、伝動機構35は、前記前支柱24の後面
に固定されたケーシング36と、ケーシング36に横方向
(前後方向)に伸ばして回転自在に支持された回転軸37
と、この回転軸37と前記上回転軸32とを連動させる一対
のベベルギア38、39と、前記中間支柱25に対して回転自
在かつ前後方向に摺動自在に保持された連結軸40と、を
有する。この連結軸40は、回転軸37に対してスプライン
結合され(この係合部を第7図中符号41で示す)、これ
により回転軸32が回転されると、連結軸40も回転される
ことになる。勿論、回転軸37と連結軸40とは、回転軸線
l上に位置するように設置されている。
前記連結軸40は、前側治具1Fの回転軸5に対して、係
脱される。すなわち、第10図〜第12図に示すように、前
治具1F用回転軸5の先端部には、十字形の接続部5bが形
成される一方、連結軸40の端部には、第10図、第13図に
示すようにこの接続部5bががたつきなく嵌合される係合
凹所40cを有するボックス部40aが形成されている。した
がって、例えば空気圧式のシリンダ42によってロッド43
を介して連結軸40を摺動させることによって、上記ボッ
クス部40a(係合凹所40c)と接続部5bとが係脱され、そ
の係合時に連結軸40と回転軸5とが一体回転可能とされ
る。なお、上記ロッド43は、第10図に示すように、連結
軸40の回転を阻害しないように、ボックス部40aの外周
に形成された環状溝40b内に嵌入されている。
以上のような構成によって、連結軸40を第7図右側へ
変位させた状態で、ボディWを台車Dに対して下降させ
ることにより、前後の治具1F、1Rの各回転軸5が、中間
支柱26、27によって回転自在かつ前後方向に不動状態で
支持される。この後、連結軸40(係止凹所40c)が、前
治具1Fにおける回転軸5(の接続部5b)に係合される。
これにより、台車Dをワイヤ30を介して牽引すれば、ボ
ディWが所定の水平軸線lを中心にして回転されること
になる。なお、ボディWの台車Dからの取外しは、上記
した手順とは逆の手順で行えばよい。
なお、ボディWを回転させる駆動源としては、エアモ
ータ等適宜のものを採択し得る。
(発明の効果) 本発明は以上述べたことから明らかなように、同じ塗
膜の厚さであればより一層平滑度の優れた塗装面を得る
ことができる。
また、第2塗装工程後に後補正を行なうことなく第2
乾燥工程へとすみやかに移行させて、第2塗装工程で吹
付けられた塗料がダレを生じる前に被塗物の回転をすみ
やかに開始させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の工程図。 第2図は被塗物としての自動車用ボディが回転すること
に伴う姿勢変化の状態を示す図。 第3図、第4図は塗料の厚さとダレと塗装面の平滑度と
回転との関係を示すグラフ。 第5図、第6図はボディを回転させるために、用いる治
具の例を示す斜視図。 第7図はボディを回転させるようにしたボディ搬送用の
台車の一例を示す側面図。 第8図は台車の走行路下方の状態を示す一部切欠き平面
図。 第9図は第8図のX9−X9線断面図。 第10図は回転用治具と台車との結合部分を示す側面断面
図。 第11図は第10図X11−X11線断面図。 第12図は第11図の平面図。 第13図は第10図のX13−X13線断面図。 第14図は第10図のX14−X14線断面図。 第15図は第14図の平面図。 P1〜P4:工程 W:ボディ(被塗物) l:回転軸線 D:搬送用台車 1F、1R:回転用治具

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗物に対して、所定の色彩の塗料を吹付
    けによって塗布する第1塗装工程と、 前記第1塗装工程で塗布された塗料を乾燥させる第1乾
    燥工程と、 前記第1乾燥工程後の被塗物に対して、クリヤ塗料また
    は前記第1塗装工程で用いられた塗料と同色の塗料を吹
    付けによって塗布する第2塗装工程と、 前記第2塗装工程で塗布された塗料を乾燥させる第2乾
    燥工程と、 を備え、 前記第1塗装工程で塗布される塗料の厚さがダレ限界よ
    りも小さい厚さとされ、 前記第2塗装工程で塗布される塗料の厚さがダレ限界以
    上の厚さとされ、 前記第2乾燥工程では、前記第2塗装工程で塗布された
    塗料がダレを生じなくなるまで硬化するまでの間、被塗
    物が略水平軸線回りに回転される、 ことを特徴とする塗装方法。
JP19704088A 1988-08-09 1988-08-09 塗装方法 Expired - Fee Related JP2637781B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19704088A JP2637781B2 (ja) 1988-08-09 1988-08-09 塗装方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19704088A JP2637781B2 (ja) 1988-08-09 1988-08-09 塗装方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0248073A JPH0248073A (ja) 1990-02-16
JP2637781B2 true JP2637781B2 (ja) 1997-08-06

Family

ID=16367725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19704088A Expired - Fee Related JP2637781B2 (ja) 1988-08-09 1988-08-09 塗装方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2637781B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0248073A (ja) 1990-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5091215A (en) Coating method
JP2810441B2 (ja) 塗装方法
JP2637781B2 (ja) 塗装方法
JP2666984B2 (ja) 塗装方法
JP2603236B2 (ja) 塗装方法
JP2636353B2 (ja) 塗装方法
JPH02111481A (ja) 塗装方法
JP2637785B2 (ja) 塗装方法
JP2886901B2 (ja) 塗装方法
JP2653430B2 (ja) 塗装方法
JP2637780B2 (ja) 塗装方法
JP2656608B2 (ja) 塗装方法
JP2603245B2 (ja) 塗装方法
JP2637790B2 (ja) 塗装方法
JP2656609B2 (ja) 塗装方法
JP2526229B2 (ja) 塗装方法
JP2810431B2 (ja) 塗装方法
JP2656610B2 (ja) 塗装方法
JP2517590B2 (ja) 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転用治具
JP2603235B2 (ja) 塗装方法
JP2512866B2 (ja) 塗装ラインにおける搬送台車
JP2526230B2 (ja) 自動車ボデイの塗装方法
JPS63197584A (ja) 塗装方法
JP2559761B2 (ja) 塗装方法
JPH0299167A (ja) 塗装方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees