JP2517591B2 - 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転方法 - Google Patents
塗装ラインにおける自動車ボデイ回転方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、塗装ラインにおける自動車ボディ回転方法
に関するものである。
に関するものである。
(従来技術およびその問題点) 被塗物としての自動車ボディを塗装する場合、ボディ
に付着しているゴミを除去する準備工程と、ボディに塗
料を塗布する工程と、塗布された塗料を乾燥させる乾燥
工程とを有する。
に付着しているゴミを除去する準備工程と、ボディに塗
料を塗布する工程と、塗布された塗料を乾燥させる乾燥
工程とを有する。
そして、ボディは、通常、搬送台車により搬送されつ
つ上記準備工程、塗装工程および乾燥工程を経ることに
なるが、ボディの姿勢は、各工程において所定の姿勢を
保持したまま行われている。
つ上記準備工程、塗装工程および乾燥工程を経ることに
なるが、ボディの姿勢は、各工程において所定の姿勢を
保持したまま行われている。
(発明が解決しようとする問題点) ところで、最近では、自動車ボディの塗装ラインにお
いて、種々の理由からこのボディを、ボディ前後方向に
伸びる水平軸線回りに回転駆動し得るようにしたものが
望まれている。このボディを搬送中に回転させる理由と
しては、例えば次のような場合がある。
いて、種々の理由からこのボディを、ボディ前後方向に
伸びる水平軸線回りに回転駆動し得るようにしたものが
望まれている。このボディを搬送中に回転させる理由と
しては、例えば次のような場合がある。
先ず第1の理由として塗装ガンの数を極力少なくする
ことがある。すなわち、例えばボディの上面、左側面、
右側面の3面に塗料を吹付けようとした場合、従来は、
この3面に対して塗料を吹付けられるように、固定型あ
るいは往復動型の塗装ガンが、上記3面に対応したそれ
ぞれの位置に配置されていた。しかしながら、ボディを
回転し得るようにすれば、このボディを回転させること
により塗装ガンに対して臨む面を変更することができ、
したがって塗装ガンはある特定の一方向位置に対しての
み設定すればよいことになる(塗装ガン数の減少)。
ことがある。すなわち、例えばボディの上面、左側面、
右側面の3面に塗料を吹付けようとした場合、従来は、
この3面に対して塗料を吹付けられるように、固定型あ
るいは往復動型の塗装ガンが、上記3面に対応したそれ
ぞれの位置に配置されていた。しかしながら、ボディを
回転し得るようにすれば、このボディを回転させること
により塗装ガンに対して臨む面を変更することができ、
したがって塗装ガンはある特定の一方向位置に対しての
み設定すればよいことになる(塗装ガン数の減少)。
第2の理由としては、焼付炉内におけるボディの均一
加熱が行なわれる点にある。すなわち、焼付炉内では、
ボディの各部分が極力均一に加熱されるように、熱風を
循環させるようにしているが、この焼付炉内でボディを
回転させれば、均一加熱という点で一層好ましいものと
なる。
加熱が行なわれる点にある。すなわち、焼付炉内では、
ボディの各部分が極力均一に加熱されるように、熱風を
循環させるようにしているが、この焼付炉内でボディを
回転させれば、均一加熱という点で一層好ましいものと
なる。
第3の理由としては、新規な塗装方法を行なう点から
の要請である。すなわち、塗装工程においてダレ限界以
上の厚さに塗料を塗布すると共に、次の乾燥工程で被塗
物を水平軸線回りに回転させることにより、同じ塗膜の
厚さであればより一層平滑度が高くなった高品質の塗装
面が得られることになり、このような乾燥方法を行なう
場合にもボディを回転させる必要がある。
の要請である。すなわち、塗装工程においてダレ限界以
上の厚さに塗料を塗布すると共に、次の乾燥工程で被塗
物を水平軸線回りに回転させることにより、同じ塗膜の
厚さであればより一層平滑度が高くなった高品質の塗装
面が得られることになり、このような乾燥方法を行なう
場合にもボディを回転させる必要がある。
このように、自動車ボディを回転駆動させる場合、そ
の前提として、当該自動車ボディを回転可能に支承する
必要がある。このため、自動車ボディに対して回転用治
具を取付けて、この回転用治具に形成されている回転軸
部すなわち自動車ボディの回転中心となる被支承部を、
例えば搬送台車に形成された支承部によって支承するこ
とが考えられている。
の前提として、当該自動車ボディを回転可能に支承する
必要がある。このため、自動車ボディに対して回転用治
具を取付けて、この回転用治具に形成されている回転軸
部すなわち自動車ボディの回転中心となる被支承部を、
例えば搬送台車に形成された支承部によって支承するこ
とが考えられている。
このように、自動車ボディを回転させる場合、重量物
である自動車ボディをいかに円滑に回転させ得るかが1
つの問題となる。すなわち、自動車ボディの重心位置が
その回転中心と大きくずれてしまうと、回転変動を生じ
て、駆動系への負担が大きくなったり、所定速度での定
速回転を得る上で不利となる。この反面、自動車ボディ
は大型かつ複雑な形状をしており、しかも塗装ラインに
おける焼付炉等の大きさからくる制約のために、自動車
ボディの重心をその回転中心から大きくずれた状態で当
該自動車ボディを回転可能に支承せざるを得ないという
状況にある。
である自動車ボディをいかに円滑に回転させ得るかが1
つの問題となる。すなわち、自動車ボディの重心位置が
その回転中心と大きくずれてしまうと、回転変動を生じ
て、駆動系への負担が大きくなったり、所定速度での定
速回転を得る上で不利となる。この反面、自動車ボディ
は大型かつ複雑な形状をしており、しかも塗装ラインに
おける焼付炉等の大きさからくる制約のために、自動車
ボディの重心をその回転中心から大きくずれた状態で当
該自動車ボディを回転可能に支承せざるを得ないという
状況にある。
本発明は以上のような事情を勘案してなされたもの
で、ダレ限界以上の厚さの塗料塗布とその後の自動車ボ
ディの回転を利用して平滑度の高い高品質の塗装面を得
つつ、自動車ボディの重心とその回転中心とのずれを完
全に無くしてあるいはほぼ一致させて、この自動車ボデ
ィを円滑に回転させ得るようにした塗装ラインにおける
自動車ボディ回転方法を提供することを目的とする。
で、ダレ限界以上の厚さの塗料塗布とその後の自動車ボ
ディの回転を利用して平滑度の高い高品質の塗装面を得
つつ、自動車ボディの重心とその回転中心とのずれを完
全に無くしてあるいはほぼ一致させて、この自動車ボデ
ィを円滑に回転させ得るようにした塗装ラインにおける
自動車ボディ回転方法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段、作用) 前述の目的を達成するため、本発明にあっては次のよ
うな構成としてある。
うな構成としてある。
被塗物としての自動車ボディ表面にダレ限界以上の厚
さ塗料を塗布する塗装工程と、 前記塗装工程後に、自動車ボディを該自動車ボディの
前後方向に伸びる水平軸線回りに回転させつつ塗布され
た塗料を乾燥させ、しかもこのときの回転が重力により
塗料ダレが生じる前に開始され、かつ塗布された塗料の
塗料ダレが重力により生じる以前に自動車ボディ表面が
略垂直状態から略水平状態に移行するような回転速度で
もって行われるようにされた乾燥工程と、 前記乾燥工程での自動車ボディの回転に先立って、自
動車ボディの回転軸系に設けたバランスウエイトの位置
調整を行うことによって、自動車ボディを含む該回転軸
系の重心をその回転中心線と一致する方向に修正する修
正工程と、 を備えた構成としてある。
さ塗料を塗布する塗装工程と、 前記塗装工程後に、自動車ボディを該自動車ボディの
前後方向に伸びる水平軸線回りに回転させつつ塗布され
た塗料を乾燥させ、しかもこのときの回転が重力により
塗料ダレが生じる前に開始され、かつ塗布された塗料の
塗料ダレが重力により生じる以前に自動車ボディ表面が
略垂直状態から略水平状態に移行するような回転速度で
もって行われるようにされた乾燥工程と、 前記乾燥工程での自動車ボディの回転に先立って、自
動車ボディの回転軸系に設けたバランスウエイトの位置
調整を行うことによって、自動車ボディを含む該回転軸
系の重心をその回転中心線と一致する方向に修正する修
正工程と、 を備えた構成としてある。
このように、本発明では、バランスウエイトを利用し
て、自動車ボディの回転軸系の重心をその回転中心線に
近づくようにあらかじめ修正するので、その後の自動車
ボディの回転を円滑に行うことができる。
て、自動車ボディの回転軸系の重心をその回転中心線に
近づくようにあらかじめ修正するので、その後の自動車
ボディの回転を円滑に行うことができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明
する。
する。
ここで実施例では、同じ塗膜の厚さであれば得られる
塗装面の平滑度を向上させるため、塗装工程での塗料吹
付けは、塗膜の厚さがダレ限界以上の厚さとなるように
し、また乾燥工程では、ボディを水平軸線回りに回転さ
せるようにしてある。そして、このボディの水平軸線回
りの回転のために、本発明を適用するようにしてある。
塗装面の平滑度を向上させるため、塗装工程での塗料吹
付けは、塗膜の厚さがダレ限界以上の厚さとなるように
し、また乾燥工程では、ボディを水平軸線回りに回転さ
せるようにしてある。そして、このボディの水平軸線回
りの回転のために、本発明を適用するようにしてある。
上述の点を説明すると、先ず、塗装面の品質を評価す
る1つの基準として、平滑度(平坦度)があり、この平
滑度が大きい程塗装面の凹凸の度合が小さくて、良好な
塗装面となる。この塗装面の平滑度を向上させるには、
塗膜の厚さ、すなわち塗布された塗料の膜厚を大きくす
ればよいことが既に知られている。
る1つの基準として、平滑度(平坦度)があり、この平
滑度が大きい程塗装面の凹凸の度合が小さくて、良好な
塗装面となる。この塗装面の平滑度を向上させるには、
塗膜の厚さ、すなわち塗布された塗料の膜厚を大きくす
ればよいことが既に知られている。
一方、塗装面の品質を阻害するものとして、塗料の
“ダレ”がある。このダレは、重力を受けることによっ
て塗布された塗料が下方に流動することにより生じ、1
回に塗布する塗料の膜厚が大きい程“ダレ”を生じ易く
なる、この“ダレ”の原因は、つまるところ重力の影響
であるため、ボディのうち上下方向に伸びる面ですなわ
ちいわゆる縦面において生じ易いものとなる。
“ダレ”がある。このダレは、重力を受けることによっ
て塗布された塗料が下方に流動することにより生じ、1
回に塗布する塗料の膜厚が大きい程“ダレ”を生じ易く
なる、この“ダレ”の原因は、つまるところ重力の影響
であるため、ボディのうち上下方向に伸びる面ですなわ
ちいわゆる縦面において生じ易いものとなる。
したがって、塗料の“ダレ”がさ程問題とならないボ
ディの水平方向に伸びる面すなわちいわゆる横面は、塗
布する塗料の厚さを縦面よりも大きくすることが可能で
ある。また、横面に対する塗膜の厚さと縦面に対する塗
膜の厚さをたとえ同じにしても、横面ではダレには至ら
ない程度の塗料の若干の流動によって凹凸が小さくな
り、縦面における平滑度よりも良好な平滑度が得られる
ことになる。
ディの水平方向に伸びる面すなわちいわゆる横面は、塗
布する塗料の厚さを縦面よりも大きくすることが可能で
ある。また、横面に対する塗膜の厚さと縦面に対する塗
膜の厚さをたとえ同じにしても、横面ではダレには至ら
ない程度の塗料の若干の流動によって凹凸が小さくな
り、縦面における平滑度よりも良好な平滑度が得られる
ことになる。
上述のような観点から、従来は、の塗料の“ダレ”を
防止しつつ極力平滑度の大きい塗装面を得るため、極力
流動性の小さい塗料を用いて塗装を行なうようにしてい
た。そして、縦面において塗料の“ダレ”が生じるいわ
ゆる“ダレ限界”は、例えば熱硬化型塗料では塗膜の厚
さで40μm程度が最大であった。より具体的には、熱硬
化型塗料の“ダレ”は、セッティング工程初期と焼付工
程初期、特に焼付工程初期に生じ易く、この時期に“ダ
レ”が生じないように、塗装工程で塗布される塗料の厚
さが決定され、この決定された厚さの最大値すなわちダ
レ限界値が40μm程度となる。したがって、絶対的によ
り一層平滑度の大きい塗装面を得ようとすれば、従来の
塗装方法では、例えば2回塗り等、塗装工程から焼付工
程に至るまでの一連の工程を複数回繰り返して行なう必
要があった。
防止しつつ極力平滑度の大きい塗装面を得るため、極力
流動性の小さい塗料を用いて塗装を行なうようにしてい
た。そして、縦面において塗料の“ダレ”が生じるいわ
ゆる“ダレ限界”は、例えば熱硬化型塗料では塗膜の厚
さで40μm程度が最大であった。より具体的には、熱硬
化型塗料の“ダレ”は、セッティング工程初期と焼付工
程初期、特に焼付工程初期に生じ易く、この時期に“ダ
レ”が生じないように、塗装工程で塗布される塗料の厚
さが決定され、この決定された厚さの最大値すなわちダ
レ限界値が40μm程度となる。したがって、絶対的によ
り一層平滑度の大きい塗装面を得ようとすれば、従来の
塗装方法では、例えば2回塗り等、塗装工程から焼付工
程に至るまでの一連の工程を複数回繰り返して行なう必
要があった。
しかしながら、前述したダレ限界以上の塗布とその後
のボディの水平回転を行うことによって、ボディに塗布
された塗料に対して作用する重力の方向が、ボディを水
平方向に回転させることによって変更されるため、塗料
は、“ダレ”を生じることなく乾燥されることになる。
のボディの水平回転を行うことによって、ボディに塗布
された塗料に対して作用する重力の方向が、ボディを水
平方向に回転させることによって変更されるため、塗料
は、“ダレ”を生じることなく乾燥されることになる。
これにより、1回当りに塗布する塗料の膜厚を従来よ
りもはるかに厚くして、平滑度が従来限界とされていた
レベルをはるかに越えた極めて良好な塗装面を得ること
ができる。
りもはるかに厚くして、平滑度が従来限界とされていた
レベルをはるかに越えた極めて良好な塗装面を得ること
ができる。
また、従来と同じような塗膜の厚さとした場合でも、
塗料の流動性を利用して凹凸のより小さいものすなわち
平滑度のより大きい優れた塗装面とすることができる。
塗料の流動性を利用して凹凸のより小さいものすなわち
平滑度のより大きい優れた塗装面とすることができる。
さらに、同じ平滑度例えば従来の塗装方法で得られる
平滑度と同等の平滑度を有する塗装面を得ようとすれ
ば、従来のものよりも塗布すべき塗料の膜厚を薄くする
ことができ、この薄くし得る分だけ使用する塗料の量を
低減することができる。
平滑度と同等の平滑度を有する塗装面を得ようとすれ
ば、従来のものよりも塗布すべき塗料の膜厚を薄くする
ことができ、この薄くし得る分だけ使用する塗料の量を
低減することができる。
勿論、薄い塗膜でも“ダレ”を生じるような塗料は、
従来の塗料中から流動性を阻害させる成分を所定割合減
少させることによって得ればよい。
従来の塗料中から流動性を阻害させる成分を所定割合減
少させることによって得ればよい。
全体の概要 第1図は、被塗物としての自動車用ボディWを塗装す
る場合の全体工程を示してあり、各工程をP1〜P4で示し
てある。
る場合の全体工程を示してあり、各工程をP1〜P4で示し
てある。
先ず、電着塗装によって既知のように下塗りが完了さ
れたボディWが、台車Dに保持されつつ準備工程P1に送
り込まれる。この準備工程P1では、ボディW内外のゴミ
が例えばエアブローあるいは真空吸引によって除去され
る。次いで、工程P2において、ボディWに対して塗料
(実施例では熱硬化型塗料)が吹き付けられた後、塗料
の乾燥がセッティング工程P3および焼付工程P4において
なされる。
れたボディWが、台車Dに保持されつつ準備工程P1に送
り込まれる。この準備工程P1では、ボディW内外のゴミ
が例えばエアブローあるいは真空吸引によって除去され
る。次いで、工程P2において、ボディWに対して塗料
(実施例では熱硬化型塗料)が吹き付けられた後、塗料
の乾燥がセッティング工程P3および焼付工程P4において
なされる。
ゴミの除去 工程P1でのゴミ除去は、第2図に示すように、ボディ
Wを水平軸線lの回りに回転させつつ行うとよい。すな
わち、例えば先ず第2図(a)で示す状態でボディWの
回転を停止させてゴミの除去が行われた後、第2図
(b)の状態へとボディWの姿勢を変換してこの位置で
停止させ、再びゴミ除去がなされる。このようにして、
第2図の(c)、(d)…(i)というように、ボディ
Wを間欠回転させつつ、ゴミの除去が行われる。
Wを水平軸線lの回りに回転させつつ行うとよい。すな
わち、例えば先ず第2図(a)で示す状態でボディWの
回転を停止させてゴミの除去が行われた後、第2図
(b)の状態へとボディWの姿勢を変換してこの位置で
停止させ、再びゴミ除去がなされる。このようにして、
第2図の(c)、(d)…(i)というように、ボディ
Wを間欠回転させつつ、ゴミの除去が行われる。
このように、ボディWを回転させつつゴミの除去を行
うことにより、例えばボディWのルーフパネル内面角部
やサイドシル等の閉断面内に付着しているゴミ、すなわ
ち、ボディWを回転させなければ落下してこないような
ゴミをも完全に除去することが可能になる。
うことにより、例えばボディWのルーフパネル内面角部
やサイドシル等の閉断面内に付着しているゴミ、すなわ
ち、ボディWを回転させなければ落下してこないような
ゴミをも完全に除去することが可能になる。
なお、ボディWの回転範囲は、第2図に示すように36
0゜回転としてもよいが、後に説明する乾燥工程でのボ
ディWの回転に合せて、例えば180゜の範囲で回転させ
る(第2図(a)と(e)との範囲)等、適宜のものと
することができる。
0゜回転としてもよいが、後に説明する乾燥工程でのボ
ディWの回転に合せて、例えば180゜の範囲で回転させ
る(第2図(a)と(e)との範囲)等、適宜のものと
することができる。
塗料の吹き付け、乾燥 先ず、P2での塗料の吹付けは、塗膜の厚さがダレ限界
以上となるようにして行なわれる。すなわち、従来一般
に用いられている熱硬化型塗料では、“ダレ”を生じな
い塗料の最大厚さすなわちダレ限界値は40μm程度であ
るが、工程P2では、このダレ限界となる40μmよりもは
るかに厚い塗膜となるように(例えば65μm)となるよ
うに塗料が吹付けられる。
以上となるようにして行なわれる。すなわち、従来一般
に用いられている熱硬化型塗料では、“ダレ”を生じな
い塗料の最大厚さすなわちダレ限界値は40μm程度であ
るが、工程P2では、このダレ限界となる40μmよりもは
るかに厚い塗膜となるように(例えば65μm)となるよ
うに塗料が吹付けられる。
このP2の後、すみやかにP3のセッティング工程へ移行
される。このセッティング工程P3では第2図(a)〜
(i)で示すように、ボディWが水平方向に回転され
る。すなわち、ボディWが水平方向に伸びる回転軸心l
を中心として回転され、実施例では、この回転軸線l
が、ボディWの前後方向に伸びるものとされている。な
お、このセッティング工程P3での温度雰囲気は、実施例
では常温としてあるが、40゜〜60℃等次の焼付工程P4で
の温度雰囲気よりも低い温度の範囲で適宜の温度に設定
し得る。勿論、このセッティング工程P3は、あらかじめ
塗料中の低沸点分を揮発させるためであり、これによ
り、次の焼付工程P4で低沸点分が急激に揮発されること
による塗装面でのピンホール発生が防止される。
される。このセッティング工程P3では第2図(a)〜
(i)で示すように、ボディWが水平方向に回転され
る。すなわち、ボディWが水平方向に伸びる回転軸心l
を中心として回転され、実施例では、この回転軸線l
が、ボディWの前後方向に伸びるものとされている。な
お、このセッティング工程P3での温度雰囲気は、実施例
では常温としてあるが、40゜〜60℃等次の焼付工程P4で
の温度雰囲気よりも低い温度の範囲で適宜の温度に設定
し得る。勿論、このセッティング工程P3は、あらかじめ
塗料中の低沸点分を揮発させるためであり、これによ
り、次の焼付工程P4で低沸点分が急激に揮発されること
による塗装面でのピンホール発生が防止される。
焼付工程P4においては、例えば、140℃の温度雰囲気
で、塗料の焼付けが行なわれる。このP4でも、P3のセッ
ティング工程と同様に、第2図(a)〜(i)に示すよ
うにボディWが水平方向に回転される。
で、塗料の焼付けが行なわれる。このP4でも、P3のセッ
ティング工程と同様に、第2図(a)〜(i)に示すよ
うにボディWが水平方向に回転される。
上述したP3、P4でのボディWの水平方向の回転によ
り、P2でダレ限界以上の厚さに塗料を吹付けても、ダレ
が生じることなく塗料が乾燥される。これにより、従来
の塗装方法では得られなかった平滑度の極めて高い高品
質の塗装面が得られる。
り、P2でダレ限界以上の厚さに塗料を吹付けても、ダレ
が生じることなく塗料が乾燥される。これにより、従来
の塗装方法では得られなかった平滑度の極めて高い高品
質の塗装面が得られる。
塗膜厚さとダレ限界と平滑度と水平回転との関係 第3図は、熱硬化型塗料に着目して、塗膜厚さがダレ
限界に与える影響について示すものである。この第3図
では、塗膜厚さとして、40μm、53μm、65μmの3通
りの場合を示してある。このいずれの厚さの場合も、セ
ッティング工程初期と焼付工程初期との両方の時期に、
“ダレ”のピークが生じることが理解される。また、ダ
レ限界は、通常1分間に1〜2mmのダレを生じるときの
値をいうが(目視して2mm/分以上のダレを生じると塗装
面が不良とされる)、このダレ限界以下の範囲で得られ
る最大の塗膜厚さは、従来の塗料で40μm程度である。
限界に与える影響について示すものである。この第3図
では、塗膜厚さとして、40μm、53μm、65μmの3通
りの場合を示してある。このいずれの厚さの場合も、セ
ッティング工程初期と焼付工程初期との両方の時期に、
“ダレ”のピークが生じることが理解される。また、ダ
レ限界は、通常1分間に1〜2mmのダレを生じるときの
値をいうが(目視して2mm/分以上のダレを生じると塗装
面が不良とされる)、このダレ限界以下の範囲で得られ
る最大の塗膜厚さは、従来の塗料で40μm程度である。
一方、第4図は、ボディWを水平方向に回転させると
きとそうでないときとの、平滑度に与える影響を示して
ある。その第4図中Aは、ボディWを回転させない状態
を示してある(従来の塗装方法)。第4図Bは、ボディ
Wを90゜回転させた後逆転させる場合を示してある(第
2図(a)と(c)との間で正逆回転)。第4図Cは、
ボディWを135゜回転させた後逆転させる場合を示して
ある(第2図(a)と(d)との間で正逆回転)。第4
図Dは、ボディWを180゜回転させた後逆転させる場合
を示してある(第2図(a)と(e)との間で正逆回
転)。第4図Eは、ボディWを連続して同一方向に回転
させる場合を示してある(第2図(a)、(b)、
(c)…(i)の順の姿勢をとり、再び(a)へと戻
る)。
きとそうでないときとの、平滑度に与える影響を示して
ある。その第4図中Aは、ボディWを回転させない状態
を示してある(従来の塗装方法)。第4図Bは、ボディ
Wを90゜回転させた後逆転させる場合を示してある(第
2図(a)と(c)との間で正逆回転)。第4図Cは、
ボディWを135゜回転させた後逆転させる場合を示して
ある(第2図(a)と(d)との間で正逆回転)。第4
図Dは、ボディWを180゜回転させた後逆転させる場合
を示してある(第2図(a)と(e)との間で正逆回
転)。第4図Eは、ボディWを連続して同一方向に回転
させる場合を示してある(第2図(a)、(b)、
(c)…(i)の順の姿勢をとり、再び(a)へと戻
る)。
この第4図から明らかなように、同じ塗膜の厚さであ
れば、ボディWを回転させた方が(第4図B、C、D、
E)、回転させない場合(第4図A)よりも、平滑度の
大きものが得られる。また、同じ回転でも、360゜同一
方向に回転させるのが平滑度を高める上では好ましいこ
とが理解される。勿論、ボディWの回転無しの場合は、
塗膜の厚さに限界をきたすため、平滑度を大きくするに
は限界がある。
れば、ボディWを回転させた方が(第4図B、C、D、
E)、回転させない場合(第4図A)よりも、平滑度の
大きものが得られる。また、同じ回転でも、360゜同一
方向に回転させるのが平滑度を高める上では好ましいこ
とが理解される。勿論、ボディWの回転無しの場合は、
塗膜の厚さに限界をきたすため、平滑度を大きくするに
は限界がある。
ちなみに、塗膜の厚さを65μmとしてボディWを360
゜回転させる場合には、得られる平滑度は、写像鮮映度
I.Gで「87」(PGD値で1.0の下限値)である。また、塗
膜の厚さを40μmとした場合には、ボディWの回転無し
の場合はI.Gで「58」(PGD値で0.7の下限値)であるの
に対し、ボディWを360゜回転させた場合はI.Gで「68」
(PGD値で0.8の下限値)である。
゜回転させる場合には、得られる平滑度は、写像鮮映度
I.Gで「87」(PGD値で1.0の下限値)である。また、塗
膜の厚さを40μmとした場合には、ボディWの回転無し
の場合はI.Gで「58」(PGD値で0.7の下限値)であるの
に対し、ボディWを360゜回転させた場合はI.Gで「68」
(PGD値で0.8の下限値)である。
なお、既知のように、写像鮮映度におけるIG(イメー
ジグロス)は、鏡面(黒ガラス)を100とし、それに対
する鮮映度の比率を示すものであり、PGDは反射映像の
識別度を1.0から低下するに従って塗装面の平滑度が低
下する値である。
ジグロス)は、鏡面(黒ガラス)を100とし、それに対
する鮮映度の比率を示すものであり、PGDは反射映像の
識別度を1.0から低下するに従って塗装面の平滑度が低
下する値である。
第3図、第4図に示したデータの試験条件は、次の通
りであるが、この試験条件は、P2で上塗りを行なう場合
の条件を示してある。
りであるが、この試験条件は、P2で上塗りを行なう場合
の条件を示してある。
a.塗料:メラミンアルキッド(ブラック) 粘度:フォードカップ#4で22秒/20℃ b.塗膜機:ミニベル(16、000rpm)シェーピングエア…
2.0kg/cm2 c.吐出量:2回に分けての吹付けで、 第1回目…100cc/min 第2回目…150〜200cc/min d.セッティング時間:10分×常温 e.焼付条件:140℃×25分 f.下地平滑度:0.6(PGD値) (中塗、PEテープ上) g.回転または反転作動域:セッティング(10分)〜焼付
け(10分) h.被塗物:一辺30cmの角筒体の側面に塗装、中心で回転
可能に支持 i.被塗物の回転速度:6rpm、30rpm、60rpmの3通りで行
なったが、回転速度の相違による差異は事実上生じなか
った なお、塗料が主樹脂と硬化剤とを使用する2液硬化型
である場合はセッティング工程P3のみでダレが生じ、ま
た塗料が粉体塗料である場合は焼付工程P4でのみダレが
生じるので、ボディWの回転は、このダレが生じるセッ
ティング工程P3のみあるいは焼付工程P4でのみ行なうよ
にすればよい。また、粉体塗料の場合は、溶剤を含有し
ないので、セッティング工程は不用である。
2.0kg/cm2 c.吐出量:2回に分けての吹付けで、 第1回目…100cc/min 第2回目…150〜200cc/min d.セッティング時間:10分×常温 e.焼付条件:140℃×25分 f.下地平滑度:0.6(PGD値) (中塗、PEテープ上) g.回転または反転作動域:セッティング(10分)〜焼付
け(10分) h.被塗物:一辺30cmの角筒体の側面に塗装、中心で回転
可能に支持 i.被塗物の回転速度:6rpm、30rpm、60rpmの3通りで行
なったが、回転速度の相違による差異は事実上生じなか
った なお、塗料が主樹脂と硬化剤とを使用する2液硬化型
である場合はセッティング工程P3のみでダレが生じ、ま
た塗料が粉体塗料である場合は焼付工程P4でのみダレが
生じるので、ボディWの回転は、このダレが生じるセッ
ティング工程P3のみあるいは焼付工程P4でのみ行なうよ
にすればよい。また、粉体塗料の場合は、溶剤を含有し
ないので、セッティング工程は不用である。
台車 ボディWを回転させる機能を備えた台車である。
第5図において、台車Dは基台21を有し、車輪22を利
用して路面(レール)23上を走行される。この基台21か
らは、下方へ伸ばして前後一対のステー24が突設され、
この各ステー24に対して、牽引用ワイヤ25が固定されて
いる。このワイヤ25は、防爆上安全な箇所に設けられた
モータ(図示略)によって駆動され、これにより、ワイ
ヤ25を介して台車Dが走行駆動される。
用して路面(レール)23上を走行される。この基台21か
らは、下方へ伸ばして前後一対のステー24が突設され、
この各ステー24に対して、牽引用ワイヤ25が固定されて
いる。このワイヤ25は、防爆上安全な箇所に設けられた
モータ(図示略)によって駆動され、これにより、ワイ
ヤ25を介して台車Dが走行駆動される。
一方、基台21上には、その前後端(第5図左右端)に
おいて一対のボックス26、27が固定されている。この一
対のボックス26、27は、後述する回転用治具1を介して
ボディWを回転自在に支承する支承部となるもので、こ
のため各ボックス26、27の上面にはそれぞれ軸受28、29
が固定配置されている。そして、一対のボックス26と27
との間の空間が、ボディW用の前後長よりも若干大きな
支持空間(回転空間)30とされている。なお、回転駆動
部分については後述する。
おいて一対のボックス26、27が固定されている。この一
対のボックス26、27は、後述する回転用治具1を介して
ボディWを回転自在に支承する支承部となるもので、こ
のため各ボックス26、27の上面にはそれぞれ軸受28、29
が固定配置されている。そして、一対のボックス26と27
との間の空間が、ボディW用の前後長よりも若干大きな
支持空間(回転空間)30とされている。なお、回転駆動
部分については後述する。
回転用治具 回転用治具1は、第5図、第6図に示すように、大別
して、前側部分1Fと後側部分1Rと該両部分を連結してい
る補強連結部2とを有している、前側部分1Fは、第8図
に示すように、1枚の鉄板等を折曲形成することにより
形成された建設部3および左右一対の取付部4とを有す
る他、この連設部3に溶接等により接合された円柱上の
回転軸部5を有する。この回転軸部5は、軸受28を介し
てボックス26に回転自在に支承され、この回転軸部5の
回転が連設部3を介して取付部4に伝達される。なお、
実施例では、取付部4は、ボディWが有している左右一
対のフロントサイドフレーム11(第5図参照)の前端部
に対して、例えばボルトを利用して着脱自在に取付けら
れるようになっている。
して、前側部分1Fと後側部分1Rと該両部分を連結してい
る補強連結部2とを有している、前側部分1Fは、第8図
に示すように、1枚の鉄板等を折曲形成することにより
形成された建設部3および左右一対の取付部4とを有す
る他、この連設部3に溶接等により接合された円柱上の
回転軸部5を有する。この回転軸部5は、軸受28を介し
てボックス26に回転自在に支承され、この回転軸部5の
回転が連設部3を介して取付部4に伝達される。なお、
実施例では、取付部4は、ボディWが有している左右一
対のフロントサイドフレーム11(第5図参照)の前端部
に対して、例えばボルトを利用して着脱自在に取付けら
れるようになっている。
回転用治具1の後側部分1Rも、前側部分1Fと実質的に
同じように構成されているので、相対応する構成要素に
は同一符号を付してその説明は省略する。ただし、後側
部分1Rの取付部4は、ボディWが有するリアサイドフレ
ーム12(第5図参照)の後端開口にがたつきなく差し込
み形式で嵌合される形状のものとされている。勿論、後
側部分1Rの回転軸部5は、軸受29を介してボックス27に
回転自在に支承されている。
同じように構成されているので、相対応する構成要素に
は同一符号を付してその説明は省略する。ただし、後側
部分1Rの取付部4は、ボディWが有するリアサイドフレ
ーム12(第5図参照)の後端開口にがたつきなく差し込
み形式で嵌合される形状のものとされている。勿論、後
側部分1Rの回転軸部5は、軸受29を介してボックス27に
回転自在に支承されている。
そして、前後の両回転軸部5同士は、ボディWを間に
挟んで、ボディWの前後方向同一直線上でかつ水平方向
に伸びるようにされており、この回転軸部5の軸心が回
転中心lとなるものである。
挟んで、ボディWの前後方向同一直線上でかつ水平方向
に伸びるようにされており、この回転軸部5の軸心が回
転中心lとなるものである。
回転用治具1の補強連結部2は、前側部分1Fと後側部
分1Rとの各連設部分3に対して溶接等により接合されて
いる。この補強連結部2は、実施例では中空角状の鉄材
を左右2本用いることにより形成されている。この補強
連結部2に対する接合位置は、取付部4の極力近傍とさ
れている。このような、補強連結部2上にはサイドフレ
ーム11、12が少なくとも部分的に着座されて、ボディW
の重量を取付部4以外でも分担して支承するようになっ
ている。また、補強連結部2は、ブラケット6によっ
て、取付部4とは離れた位置において、フロントサイド
フレーム11、リアサイドフレーム12にボルト等により固
定され、これによりボディWががたつかなくより確実に
回転用治具1に結合される。
分1Rとの各連設部分3に対して溶接等により接合されて
いる。この補強連結部2は、実施例では中空角状の鉄材
を左右2本用いることにより形成されている。この補強
連結部2に対する接合位置は、取付部4の極力近傍とさ
れている。このような、補強連結部2上にはサイドフレ
ーム11、12が少なくとも部分的に着座されて、ボディW
の重量を取付部4以外でも分担して支承するようになっ
ている。また、補強連結部2は、ブラケット6によっ
て、取付部4とは離れた位置において、フロントサイド
フレーム11、リアサイドフレーム12にボルト等により固
定され、これによりボディWががたつかなくより確実に
回転用治具1に結合される。
回転駆動 前記各ボックス26、27内には、それぞれ駆動ユニット
K(図示略)が配置されている。この駆動ユニットK
は、少なくとも、例えばエアモータ等の駆動源を含み、
該駆動源からの動力が伝達される出力軸31が、ボックス
26あるいは27の外部へ延在されている。そして、各出力
軸31は、スプロケット、チューンからなる伝動機構32を
介して、前後の回転軸部5に伝達される。
K(図示略)が配置されている。この駆動ユニットK
は、少なくとも、例えばエアモータ等の駆動源を含み、
該駆動源からの動力が伝達される出力軸31が、ボックス
26あるいは27の外部へ延在されている。そして、各出力
軸31は、スプロケット、チューンからなる伝動機構32を
介して、前後の回転軸部5に伝達される。
このボディWを回転させるには、別途専用のアクチュ
エータを用いる他、台車Dの走行を利用して行なうこと
もでき、この場合は例えば、車輪22と回転用治具1の回
転軸部5とを連動させるようにればよい。
エータを用いる他、台車Dの走行を利用して行なうこと
もでき、この場合は例えば、車輪22と回転用治具1の回
転軸部5とを連動させるようにればよい。
バランスウェイト ボディWの回転中心lは、回転用治具1を含むボディ
Wの重心G(第5図参照)を通るようにするのが好まし
い。
Wの重心G(第5図参照)を通るようにするのが好まし
い。
すなわち、lとGとを一致させることにより、回転変
動を防止することができる。しかしながら、前述したよ
うに、このボディWと回転用治具1とを含む重心Gを回
転中心lと一致させることが事実上困難である。このた
め、回転用治具1を含むボディWの回転軸系にバランス
ウェイトを設けてある。
動を防止することができる。しかしながら、前述したよ
うに、このボディWと回転用治具1とを含む重心Gを回
転中心lと一致させることが事実上困難である。このた
め、回転用治具1を含むボディWの回転軸系にバランス
ウェイトを設けてある。
このようなバランスウェイトBの一例を第8図に示し
てある。この第8図中41は第1ねじ棒であり、回転用治
具1の前側部分1Fにおける左右一対の取付部4間に架設
されている。この第1ねじ棒41には第1ウェイト42が螺
合され、この第1ウェイト42に対して、第2ねじ棒43の
一端が固定されている。この第2ねじ棒43は、第1ねじ
棒41と直交する方向に伸びて、当該第2ねじ棒43に対し
て第2ウェイト44が螺合されている。なお、第8図中4
5、46はロックナットである。
てある。この第8図中41は第1ねじ棒であり、回転用治
具1の前側部分1Fにおける左右一対の取付部4間に架設
されている。この第1ねじ棒41には第1ウェイト42が螺
合され、この第1ウェイト42に対して、第2ねじ棒43の
一端が固定されている。この第2ねじ棒43は、第1ねじ
棒41と直交する方向に伸びて、当該第2ねじ棒43に対し
て第2ウェイト44が螺合されている。なお、第8図中4
5、46はロックナットである。
したがって、第1ウェイト42の第1ねじ棒41に対する
螺合位置を変更することによりボディWと回転用治具1
とバランスウエイトBと含む合成重心すなわち回転軸系
G′の車幅方向の位置調整がなされる。また、第2ねじ
棒43に対する第2ウェイト4の螺合位置を調整すること
によって、回転軸系の重心G′の上下方向の位置調整が
なされる。さらに、第1ウェイト42の第1ねじ棒41に対
する周方向位置を調整することによって前後方向は勿論
のこと、第2ウェイト44による回転軸系の重心G′の下
方への位置調整および上方への位置調整を大きな変動幅
でなし得る(第1ウェイト42の高さ付近にバランスウエ
イトBを含まない重心Gが通るようにこの第1ウェイト
42の高さ位置をあらかじめ調整してある)。このように
して、回転軸系の重心G′の位置が調整されて、当該重
心G′が回転中心lと一致される。
螺合位置を変更することによりボディWと回転用治具1
とバランスウエイトBと含む合成重心すなわち回転軸系
G′の車幅方向の位置調整がなされる。また、第2ねじ
棒43に対する第2ウェイト4の螺合位置を調整すること
によって、回転軸系の重心G′の上下方向の位置調整が
なされる。さらに、第1ウェイト42の第1ねじ棒41に対
する周方向位置を調整することによって前後方向は勿論
のこと、第2ウェイト44による回転軸系の重心G′の下
方への位置調整および上方への位置調整を大きな変動幅
でなし得る(第1ウェイト42の高さ付近にバランスウエ
イトBを含まない重心Gが通るようにこの第1ウェイト
42の高さ位置をあらかじめ調整してある)。このように
して、回転軸系の重心G′の位置が調整されて、当該重
心G′が回転中心lと一致される。
より具体的には、第5図において、ボディWと回転用
治具1との合成重心Gが回転中心lよりも上方にある場
合に、バランスウエイトBによって、回転軸系の重心
G′が下方へ移動されて、当該G′とlとが一致され
る。
治具1との合成重心Gが回転中心lよりも上方にある場
合に、バランスウエイトBによって、回転軸系の重心
G′が下方へ移動されて、当該G′とlとが一致され
る。
勿論、このバランスウエイトBによる調整は、ボディ
Wを回転させる前の適宜の時期に行うことができるが、
実施例では準備工程P1の前において、ボディWを台車D
に搭載するときに合せて行うようにしてある。
Wを回転させる前の適宜の時期に行うことができるが、
実施例では準備工程P1の前において、ボディWを台車D
に搭載するときに合せて行うようにしてある。
第16図は、バランスウエイトBを、ボディWのフロン
トフレーム11(リアフレーム12でもよい)に取付けるよ
うにした場合の例を示すものであり、第8図に示すもの
と同一構成要素には同一符号を付してその重複した説明
は省略する。本実施例の場合は、第1ねじ棒41の各端に
それぞれブラケット47を溶接して、このブラケット47を
利用してフロントフレーム11に取付けるようにしたもの
である(第1ねじ棒41を左右一対のフロントフレーム12
に架設する)。本実施例の場合は、ボディWの台車Dへ
の搭載前に、使用する回転用治具1を勘案して、あらか
じめウエイト42、44の位置を設定しておくことができ
る。
トフレーム11(リアフレーム12でもよい)に取付けるよ
うにした場合の例を示すものであり、第8図に示すもの
と同一構成要素には同一符号を付してその重複した説明
は省略する。本実施例の場合は、第1ねじ棒41の各端に
それぞれブラケット47を溶接して、このブラケット47を
利用してフロントフレーム11に取付けるようにしたもの
である(第1ねじ棒41を左右一対のフロントフレーム12
に架設する)。本実施例の場合は、ボディWの台車Dへ
の搭載前に、使用する回転用治具1を勘案して、あらか
じめウエイト42、44の位置を設定しておくことができ
る。
補足説明 以上の実施例では、回転用治具1を台車Dに配置し
て、この台車Dに取付けられた回転用治具1に対してボ
ディWを着脱するような場合を説明したが、ボディWに
対してあらかじめ回転用治具1を取付けて、この後この
ボディWと回転用治具1とのセット体を台車Dに取付け
るようにしてもよい。このためには、例えば、回転用治
具1の回転軸部5を第5図上方から台車D(の支承部)
に対して係脱し得るようにすればよい。
て、この台車Dに取付けられた回転用治具1に対してボ
ディWを着脱するような場合を説明したが、ボディWに
対してあらかじめ回転用治具1を取付けて、この後この
ボディWと回転用治具1とのセット体を台車Dに取付け
るようにしてもよい。このためには、例えば、回転用治
具1の回転軸部5を第5図上方から台車D(の支承部)
に対して係脱し得るようにすればよい。
このための一例を第9図〜第14図に示してあるがこれ
らの図においては、前側の回転軸部5からのみ回転駆動
を伝達するようにして、後側の回転軸部5は常にボディ
Wの回転に伴って回転させる形式としてある。そして、
前側の回転軸部5に対する伝動機構32からの回転力を断
続するため、ボックス26上には伝動機構32に対して常時
回転される(例えばスプライン係合)連結軸40を摺動自
在に保持させるようにしてある。
らの図においては、前側の回転軸部5からのみ回転駆動
を伝達するようにして、後側の回転軸部5は常にボディ
Wの回転に伴って回転させる形式としてある。そして、
前側の回転軸部5に対する伝動機構32からの回転力を断
続するため、ボックス26上には伝動機構32に対して常時
回転される(例えばスプライン係合)連結軸40を摺動自
在に保持させるようにしてある。
以上のことを前提として、ボックス26上にはその上端
面に開口する切欠き26aが形成される一方(第9図〜第1
1図参照)、ボックス27上にもその上端面に開口する切
欠き27aが形成されている(第9図、第13図、第14図参
照)。この両切欠き26a、27aは、回転軸部5が嵌合し得
る大きさとされている。そして、後側の回転軸部5には
フランジ部5aが形成される一方、ボックス27には前記切
欠き27aに連通するフランジ部5aに対応した形状の切欠
き27bが形成されている。これにより、後側の回転軸部
5は、ボックス27の切欠き27a、27bに対して、上下方向
から係脱されると共に、フランジ部5aのストッパ作用に
よってボックス27に対して軸方向に不動とされる。
面に開口する切欠き26aが形成される一方(第9図〜第1
1図参照)、ボックス27上にもその上端面に開口する切
欠き27aが形成されている(第9図、第13図、第14図参
照)。この両切欠き26a、27aは、回転軸部5が嵌合し得
る大きさとされている。そして、後側の回転軸部5には
フランジ部5aが形成される一方、ボックス27には前記切
欠き27aに連通するフランジ部5aに対応した形状の切欠
き27bが形成されている。これにより、後側の回転軸部
5は、ボックス27の切欠き27a、27bに対して、上下方向
から係脱されると共に、フランジ部5aのストッパ作用に
よってボックス27に対して軸方向に不動とされる。
前記連結軸40は、前側の回転軸部5に対して、係脱さ
れる。すなわち、第9図〜第12図に示すように、回転軸
部5の先端部には、十字形の接続部5bが形成される一
方、連結軸40の端部には、第9図、第12図に示すように
この接続部5bががたつきなく嵌合される係合凹所40cを
有するボックス部40aが形成されている。したがって、
例えば空気圧式のシリンダ42あるいは手動によってロッ
ド43を介して連結軸40を摺動させることによって、上記
ボックス部40a(係合凹所40c)と接続部5bとが係脱さ
れ、その係合時に連結軸40と前側の回転軸部5とが一体
回転可能とされる。なお、上記ロッド43は、第9図に示
すように、連結軸40の回転を阻害しないように、ボック
ス部40aの外周に形成された環状溝40b内に嵌入されてい
る。
れる。すなわち、第9図〜第12図に示すように、回転軸
部5の先端部には、十字形の接続部5bが形成される一
方、連結軸40の端部には、第9図、第12図に示すように
この接続部5bががたつきなく嵌合される係合凹所40cを
有するボックス部40aが形成されている。したがって、
例えば空気圧式のシリンダ42あるいは手動によってロッ
ド43を介して連結軸40を摺動させることによって、上記
ボックス部40a(係合凹所40c)と接続部5bとが係脱さ
れ、その係合時に連結軸40と前側の回転軸部5とが一体
回転可能とされる。なお、上記ロッド43は、第9図に示
すように、連結軸40の回転を阻害しないように、ボック
ス部40aの外周に形成された環状溝40b内に嵌入されてい
る。
以上のような構成によって、連結軸40を第9図右側へ
変位させた状態で、あらかじめ回転用治具1がセット化
されたボディWを台車Dに対して下降させることによ
り、前後の各回転軸部5が、ボックス26、27によって回
転自在かつ前後方向に不動状態で支持される。この後、
連結軸40(係止凹所40c)が、前側の回転軸部5(の接
続部5b)に係合される(ボディWが回転可能)。勿論、
ボディWの台車Dからの取外しは、上記した手順とは逆
の手順で行えばよい。
変位させた状態で、あらかじめ回転用治具1がセット化
されたボディWを台車Dに対して下降させることによ
り、前後の各回転軸部5が、ボックス26、27によって回
転自在かつ前後方向に不動状態で支持される。この後、
連結軸40(係止凹所40c)が、前側の回転軸部5(の接
続部5b)に係合される(ボディWが回転可能)。勿論、
ボディWの台車Dからの取外しは、上記した手順とは逆
の手順で行えばよい。
なお、回転用治具1は、前側部分1Fと後側部分1Rとの
分割構成としてもよい。(補強連結部2を有しないも
の)。
分割構成としてもよい。(補強連結部2を有しないも
の)。
(発明の効果) 本発明は以上述べたことから明らかなように、自動車
ボディ表面に対してダレ限界以上の厚さに塗料を塗布す
ると共に、その後の塗料ダレ防止のための回転を行いつ
つ塗料を乾燥させることによって、平滑度の高い高品質
の塗装面を得ることができる。
ボディ表面に対してダレ限界以上の厚さに塗料を塗布す
ると共に、その後の塗料ダレ防止のための回転を行いつ
つ塗料を乾燥させることによって、平滑度の高い高品質
の塗装面を得ることができる。
また、修正工程において、バランスウエイトの位置調
整を行って、自動車ボディの回転中心線に対して自動車
ボディを含む回転軸系の重心が一致する方向に修正され
るので、塗料ダレ防止のための自動車ボディの回転を円
滑かつ所定の速度でもって行って、塗料ダレを防止する
上でより好ましいものとなる。
整を行って、自動車ボディの回転中心線に対して自動車
ボディを含む回転軸系の重心が一致する方向に修正され
るので、塗料ダレ防止のための自動車ボディの回転を円
滑かつ所定の速度でもって行って、塗料ダレを防止する
上でより好ましいものとなる。
第1図は本発明の一実施例を示す全体工程図。 第2図は被塗物としての自動車用ボディが回転すること
に伴う姿勢変化の状態を示す図。 第3図、第4図は塗料の厚さとダレと塗装面の平滑度と
回転との関係を示すグラフ。 第5図はボディを回転させるようにしたボディ搬送用の
台車および回転用治具の一例を示す側面図。 第6図は台車と回転用治具を示す第5図の平面図。 第7図は第5図の左側面図。 第8図はバランスウエイトが取付けられた回転用治具の
前側部分を示す斜視図。 第9図は回転用治具と台車との結合部分の他の側を示す
側面断面図。 第10図は第9図のX11−X11線断面図。 第11図は第10図の平面図。 第12図は第9図のX13−X13線断面図。 第13図は第9図のX14−X14線断面図。 第14図は第13図の平面図。 第15図は自動車ボディに取付けるためのバランスウエイ
トの例を示す斜視図。 第16図は第15図のバランスウエイトを自動車ボディに取
付けた状態を示す正面図。 P1〜P4:工程 W:自動車ボディ l:回転軸線 D:搬送用台車 K:駆動ユニット B:バランスウエイト 1:回転用治具 1F:前側部分 1R:後側部分 2:補強連結部 3:連設部 4:取付部 5:回転軸部 11:フロントサイドフレーム 12:リアサイドフレーム 26、27:ボックス(支承部) 28、29:軸受 30:支持空間 31:伝動機構 41:第1ねじ棒 42:第1ウエイト 43:第2ねじ棒 44:第2ウエイト 45、46:ロックナット 47:ブラケット G:重心(修正前) G′:重心(修正後)
に伴う姿勢変化の状態を示す図。 第3図、第4図は塗料の厚さとダレと塗装面の平滑度と
回転との関係を示すグラフ。 第5図はボディを回転させるようにしたボディ搬送用の
台車および回転用治具の一例を示す側面図。 第6図は台車と回転用治具を示す第5図の平面図。 第7図は第5図の左側面図。 第8図はバランスウエイトが取付けられた回転用治具の
前側部分を示す斜視図。 第9図は回転用治具と台車との結合部分の他の側を示す
側面断面図。 第10図は第9図のX11−X11線断面図。 第11図は第10図の平面図。 第12図は第9図のX13−X13線断面図。 第13図は第9図のX14−X14線断面図。 第14図は第13図の平面図。 第15図は自動車ボディに取付けるためのバランスウエイ
トの例を示す斜視図。 第16図は第15図のバランスウエイトを自動車ボディに取
付けた状態を示す正面図。 P1〜P4:工程 W:自動車ボディ l:回転軸線 D:搬送用台車 K:駆動ユニット B:バランスウエイト 1:回転用治具 1F:前側部分 1R:後側部分 2:補強連結部 3:連設部 4:取付部 5:回転軸部 11:フロントサイドフレーム 12:リアサイドフレーム 26、27:ボックス(支承部) 28、29:軸受 30:支持空間 31:伝動機構 41:第1ねじ棒 42:第1ウエイト 43:第2ねじ棒 44:第2ウエイト 45、46:ロックナット 47:ブラケット G:重心(修正前) G′:重心(修正後)
Claims (1)
- 【請求項1】被塗物としての自動車ボディ表面にダレ限
界以上の厚さ塗料を塗布する塗装工程と、 前記塗装工程後に、自動車ボディを該自動車ボディの前
後方向に伸びる水平軸線回りに回転させつつ塗布された
塗料を乾燥させ、しかもこのときの回転が重力により塗
料ダレが生じる前に開始され、かつ塗布された塗料の塗
料ダレが重力により生じる以前に自動車ボディ表面が略
垂直状態から略水平状態に移行するような回転速度でも
って行われるようにされた乾燥工程と、 前記乾燥工程での自動車ボディの回転に先立って、自動
車ボディの回転軸系に設けたバランスウエイトの位置調
整を行うことによって、自動車ボディを含む該回転軸系
の重心をその回転中心線と一致する方向に修正する修正
工程と、 を備えていることを特徴とする塗装ラインにおける自動
車ボディ回転方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62088943A JP2517591B2 (ja) | 1987-04-13 | 1987-04-13 | 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62088943A JP2517591B2 (ja) | 1987-04-13 | 1987-04-13 | 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63256162A JPS63256162A (ja) | 1988-10-24 |
JP2517591B2 true JP2517591B2 (ja) | 1996-07-24 |
Family
ID=13956962
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62088943A Expired - Lifetime JP2517591B2 (ja) | 1987-04-13 | 1987-04-13 | 塗装ラインにおける自動車ボデイ回転方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2517591B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0698327B2 (ja) * | 1991-08-06 | 1994-12-07 | 株式会社椿本チエイン | 塗装ラインにおける被塗物回転搬送装置 |
JPH0785785B2 (ja) * | 1991-08-21 | 1995-09-20 | 株式会社椿本チエイン | 被塗物の回転搬送ラインにおける正立静止装置 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB584432A (en) | 1944-01-06 | 1947-01-15 | Standard Pressed Steel Co | An improved method of and apparatus for cleaning rust-proofing, priming and painting sheet metal articles such as vehicle bodies and chassis |
-
1987
- 1987-04-13 JP JP62088943A patent/JP2517591B2/ja not_active Expired - Lifetime
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB584432A (en) | 1944-01-06 | 1947-01-15 | Standard Pressed Steel Co | An improved method of and apparatus for cleaning rust-proofing, priming and painting sheet metal articles such as vehicle bodies and chassis |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63256162A (ja) | 1988-10-24 |
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