JPH06301244A - 電子写真用キャリア - Google Patents
電子写真用キャリアInfo
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- JPH06301244A JPH06301244A JP5086349A JP8634993A JPH06301244A JP H06301244 A JPH06301244 A JP H06301244A JP 5086349 A JP5086349 A JP 5086349A JP 8634993 A JP8634993 A JP 8634993A JP H06301244 A JPH06301244 A JP H06301244A
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- resin
- carrier
- carrier core
- silicone
- toner
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 長時間使用しても、帯電特性等の画像特性が
変化することのないキャリアを提供することを目的とす
る。 【構成】 キャリアコアを少なくともシリコングラフト
樹脂を含有する樹脂で被覆したことを特徴とする電子写
真用キャリア。
変化することのないキャリアを提供することを目的とす
る。 【構成】 キャリアコアを少なくともシリコングラフト
樹脂を含有する樹脂で被覆したことを特徴とする電子写
真用キャリア。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用キャリアに関
するものである。
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より広く使用されている電子写真用
現像剤は、一成分系現像剤と、二成分系現像剤とに大別
することができる。
現像剤は、一成分系現像剤と、二成分系現像剤とに大別
することができる。
【0003】上記一成分系現像剤はトナーのみで構成さ
れており、トナー自体が電荷を有している。上記二成分
系現像剤は、トナーとキャリアとから構成されている。
れており、トナー自体が電荷を有している。上記二成分
系現像剤は、トナーとキャリアとから構成されている。
【0004】従来、この二成分系現像剤に含有されてい
るキャリアとしては、鉄粉からなるキャリアが用いられ
ていた。しかし、この鉄粉キャリアは、スペントトナー
現象が発生するという問題を有していた。このスペント
トナー現象とは、溶融したトナーがキャリア表面に一部
付着するという現象であり、キャリアとトナーとの混合
比を均一にするために行われる現像機内での攪拌による
摩擦熱、またはトナーを摩擦帯電させる際に生じる摩擦
熱などが原因で発生していた。このスペントトナー現象
が発生すると、キャリア表面の電気抵抗が部分的に変化
する。すると、充分にトナーを摩擦帯電させることがで
きず、その結果画像濃度が低下する、または画像背景部
のカブリが増大するなどの問題が発生していた。
るキャリアとしては、鉄粉からなるキャリアが用いられ
ていた。しかし、この鉄粉キャリアは、スペントトナー
現象が発生するという問題を有していた。このスペント
トナー現象とは、溶融したトナーがキャリア表面に一部
付着するという現象であり、キャリアとトナーとの混合
比を均一にするために行われる現像機内での攪拌による
摩擦熱、またはトナーを摩擦帯電させる際に生じる摩擦
熱などが原因で発生していた。このスペントトナー現象
が発生すると、キャリア表面の電気抵抗が部分的に変化
する。すると、充分にトナーを摩擦帯電させることがで
きず、その結果画像濃度が低下する、または画像背景部
のカブリが増大するなどの問題が発生していた。
【0005】さらに、複写機を使用するにはキャリアと
トナーとを攪拌させることが不可欠である。したがって
鉄粉キャリアを使用している限り、キャリアの劣化、つ
まり現像剤の劣化が早いという問題を解決するのは困難
であった。
トナーとを攪拌させることが不可欠である。したがって
鉄粉キャリアを使用している限り、キャリアの劣化、つ
まり現像剤の劣化が早いという問題を解決するのは困難
であった。
【0006】上記問題を解決するために、最近では鉄粉
キャリアに代わって、フェライトキャリアが広く用いら
れるようになった。このフェライトキャリアは、鉄粉キ
ャリアと比較して、種々のメリットを有している。たと
えば、鉄粉キャリアと比較して、飽和磁化が低く、見か
け密度も低い。このため、現像機内での流動性が良好
で、現像剤へのストレスが小さくなるので、現像機内で
攪拌されてもトナーが表面に融着し難い。また、鉄粉キ
ャリアと比較して磁力が低くかつ比較的電気抵抗が高
い。したがって、トナーを帯電させ易く、高画質を得易
い。さらに、環境条件の変化、たとえば温度変化、湿度
変化等に対して、電気抵抗等の物性の変化が少ない。つ
まり使用環境の影響を受けにくい。
キャリアに代わって、フェライトキャリアが広く用いら
れるようになった。このフェライトキャリアは、鉄粉キ
ャリアと比較して、種々のメリットを有している。たと
えば、鉄粉キャリアと比較して、飽和磁化が低く、見か
け密度も低い。このため、現像機内での流動性が良好
で、現像剤へのストレスが小さくなるので、現像機内で
攪拌されてもトナーが表面に融着し難い。また、鉄粉キ
ャリアと比較して磁力が低くかつ比較的電気抵抗が高
い。したがって、トナーを帯電させ易く、高画質を得易
い。さらに、環境条件の変化、たとえば温度変化、湿度
変化等に対して、電気抵抗等の物性の変化が少ない。つ
まり使用環境の影響を受けにくい。
【0007】このように、鉄粉キャリアとフェライトキ
ャリアとを比較すると、フェライトキャリアは諸物性に
優れ、かつ耐久性を有しているので、フェライトキャリ
アを用いた現像剤の寿命は長くなった。しかしながら、
まだ満足のいく寿命、すなわち耐久性は得られなかっ
た。
ャリアとを比較すると、フェライトキャリアは諸物性に
優れ、かつ耐久性を有しているので、フェライトキャリ
アを用いた現像剤の寿命は長くなった。しかしながら、
まだ満足のいく寿命、すなわち耐久性は得られなかっ
た。
【0008】そこで、充分満足のいく寿命を有する現像
剤を得るために、キャリアコアの表面を樹脂等で被覆す
るなどの方法も考え出された。キャリアコアの表面を樹
脂で被覆すると、キャリアの表面が平滑になりかつ樹脂
には付着し難いので、トナーはキャリアに付着し難くな
り、スペントトナー現象も発生し難くなる。したがっ
て、現像剤の寿命を伸ばすことができる。さらに、被覆
樹脂を選択することにより、キャリアの帯電特性、電気
抵抗等を制御することが可能となる。また、キャリアコ
アを樹脂で被覆することにより、キャリアコアは直接外
環境の影響を受けることがなくなるので、キャリアコア
の耐環境性、例えば温度変化、湿度変化等に対してキャ
リアの物性が変化し難くなる。
剤を得るために、キャリアコアの表面を樹脂等で被覆す
るなどの方法も考え出された。キャリアコアの表面を樹
脂で被覆すると、キャリアの表面が平滑になりかつ樹脂
には付着し難いので、トナーはキャリアに付着し難くな
り、スペントトナー現象も発生し難くなる。したがっ
て、現像剤の寿命を伸ばすことができる。さらに、被覆
樹脂を選択することにより、キャリアの帯電特性、電気
抵抗等を制御することが可能となる。また、キャリアコ
アを樹脂で被覆することにより、キャリアコアは直接外
環境の影響を受けることがなくなるので、キャリアコア
の耐環境性、例えば温度変化、湿度変化等に対してキャ
リアの物性が変化し難くなる。
【0009】このように、キャリアコアの表面を樹脂等
で被覆すると、大きなメリットが得られる。従来、キャ
リアコアの表面を被覆する樹脂としては、スチレン系樹
脂、シリコン系樹脂、弗素系樹脂、ウレタン系樹脂、ま
たはビニル系樹脂(特にアクリル系樹脂)等が用いられ
ていた。特に、スペントトナーを防止するためには、表
面エネルギーの低い樹脂であるシリコン系樹脂、または
弗素系樹脂が好ましいとされていた。
で被覆すると、大きなメリットが得られる。従来、キャ
リアコアの表面を被覆する樹脂としては、スチレン系樹
脂、シリコン系樹脂、弗素系樹脂、ウレタン系樹脂、ま
たはビニル系樹脂(特にアクリル系樹脂)等が用いられ
ていた。特に、スペントトナーを防止するためには、表
面エネルギーの低い樹脂であるシリコン系樹脂、または
弗素系樹脂が好ましいとされていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記シリコン樹脂は離
型性に優れているため、シリコン樹脂でキャリアコアを
被覆した場合、トナーがシリコン樹脂に付着しにくいの
で、スペントトナー現象の発生を防止できる。しかしな
がら、シリコン樹脂はキャリアコアの材料である鉄、マ
グネタイト、またはフェライトとの密着性が悪いので、
長時間使用すると、キャリアコア表面から樹脂が剥離す
るという問題が生じていた。キャリアコア表面から樹脂
が剥離すると、現像剤の寿命が短くなるだけでなく、剥
離した樹脂が現像剤に混入してしまい、現像性に悪影響
を及ぼすという問題をも引き起こしてしまう。
型性に優れているため、シリコン樹脂でキャリアコアを
被覆した場合、トナーがシリコン樹脂に付着しにくいの
で、スペントトナー現象の発生を防止できる。しかしな
がら、シリコン樹脂はキャリアコアの材料である鉄、マ
グネタイト、またはフェライトとの密着性が悪いので、
長時間使用すると、キャリアコア表面から樹脂が剥離す
るという問題が生じていた。キャリアコア表面から樹脂
が剥離すると、現像剤の寿命が短くなるだけでなく、剥
離した樹脂が現像剤に混入してしまい、現像性に悪影響
を及ぼすという問題をも引き起こしてしまう。
【0011】上記密着性を改善するためには、キャリア
コアに対して優れた密着性を有するたとえば、ビニル系
樹脂を被覆樹脂として使用することが考えられる。しか
しながら、ビニル系樹脂、特にアクリル系樹脂はキャリ
アコアに対して優れた密着性を有していると同時に、ト
ナー材料に対しても密着性を有しているため、長期間の
使用すると摩擦熱により溶融したトナー成分が被覆樹脂
の表面に付着してキャリアコア表面に溜ってしまう。そ
の結果、スペントトナー現象が発生し、帯電特性に悪影
響が及ぶ。
コアに対して優れた密着性を有するたとえば、ビニル系
樹脂を被覆樹脂として使用することが考えられる。しか
しながら、ビニル系樹脂、特にアクリル系樹脂はキャリ
アコアに対して優れた密着性を有していると同時に、ト
ナー材料に対しても密着性を有しているため、長期間の
使用すると摩擦熱により溶融したトナー成分が被覆樹脂
の表面に付着してキャリアコア表面に溜ってしまう。そ
の結果、スペントトナー現象が発生し、帯電特性に悪影
響が及ぶ。
【0012】
【発明の目的】本発明は、長時間使用しても、帯電特性
等のキャリアコアに必要な画像特性が変化することがな
く、かつ機械的強度が増したキャリアコア、およびそれ
を含有する二成分系電子写真用現像剤を提供することを
目的とする。
等のキャリアコアに必要な画像特性が変化することがな
く、かつ機械的強度が増したキャリアコア、およびそれ
を含有する二成分系電子写真用現像剤を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる電子写真
用キャリアは、キャリアコアを少なくともシリコングラ
フト樹脂を含有する樹脂で被覆することにより、前記目
的を達成した。
用キャリアは、キャリアコアを少なくともシリコングラ
フト樹脂を含有する樹脂で被覆することにより、前記目
的を達成した。
【0014】本発明のキャリアコアは、キャリアコアと
シリコングラフト樹脂を含有する樹脂とから構成されて
いる。まず、上記シリコングラフト樹脂について説明す
る。本発明にかかるシリコングラフト樹脂は、下記一般
式(I)により表される硬化性樹脂である。
シリコングラフト樹脂を含有する樹脂とから構成されて
いる。まず、上記シリコングラフト樹脂について説明す
る。本発明にかかるシリコングラフト樹脂は、下記一般
式(I)により表される硬化性樹脂である。
【0015】
【化7】
【0016】(ただし、式中R1 からR11は、水素、炭
素数が1から15であるアルキル基、アリル基、または
炭素数が1から15であるアルキルエステル基等を示
し、m’は3000から3,000,000の整数を示
し、n’は50から6,000の整数を示し、l、m、
nは任意の比率である整数を示す。その比率がl+m+
n=100で表されるとすると、l=1〜30、m=0
〜98、n=1〜70である。)
素数が1から15であるアルキル基、アリル基、または
炭素数が1から15であるアルキルエステル基等を示
し、m’は3000から3,000,000の整数を示
し、n’は50から6,000の整数を示し、l、m、
nは任意の比率である整数を示す。その比率がl+m+
n=100で表されるとすると、l=1〜30、m=0
〜98、n=1〜70である。)
【0017】上記重合度を示すlが1より小さいと、硬
化が不能となりので好ましくなく、30より大きいと、
硬化触媒が多量に必要となるので好ましくない。さら
に、上記nは1より小さいと、シリコン樹脂の離型効果
が小さくなるので好ましくなく、70より大きいと、キ
ャリアコアに対する密着性が不良となるので好ましくな
い。
化が不能となりので好ましくなく、30より大きいと、
硬化触媒が多量に必要となるので好ましくない。さら
に、上記nは1より小さいと、シリコン樹脂の離型効果
が小さくなるので好ましくなく、70より大きいと、キ
ャリアコアに対する密着性が不良となるので好ましくな
い。
【0018】上記一般式(I)で示されるシリコングラ
フト樹脂は、以下に示す工程およびの工程により合
成することができる。 まず、下記構造式で示されるポリシロキサン構造
フト樹脂は、以下に示す工程およびの工程により合
成することができる。 まず、下記構造式で示されるポリシロキサン構造
【0019】
【化1】
【0020】(ただしR1 、R2 、およびn’は上記一
般式(I)と同じ意味を示す。)からなり活性水素を有
するシリコン樹脂と、下記一般式(II)
般式(I)と同じ意味を示す。)からなり活性水素を有
するシリコン樹脂と、下記一般式(II)
【0021】OCN−R3 (II) (ただし、式中R3 は、ビニル基等の不飽和結合を有す
る基を示す。)で示される不飽和イソシアネートとを結
合させる。これにより上記シリコン樹脂に不飽和結合を
導入する。
る基を示す。)で示される不飽和イソシアネートとを結
合させる。これにより上記シリコン樹脂に不飽和結合を
導入する。
【0022】上記シリコン樹脂としては、ポリシロキサ
ン構造を有するものを例示したが、シリコン樹脂の帯電
特性、他の樹脂との相溶性、樹脂の流動性など目的とす
る特性を有する被覆樹脂を得るために、必要に応じて変
性することが可能である。
ン構造を有するものを例示したが、シリコン樹脂の帯電
特性、他の樹脂との相溶性、樹脂の流動性など目的とす
る特性を有する被覆樹脂を得るために、必要に応じて変
性することが可能である。
【0023】上記不飽和イソシアネートとしては、イソ
シアネートエチルメタクリレートメタクリロイルイソシ
アネート等のような一分子中にイソシアネート基と不飽
和結合とを共有する化合物、またはジイソシアネートと
不飽和モノアルコールとのモル比が1:1である付加物
を例示することができる。
シアネートエチルメタクリレートメタクリロイルイソシ
アネート等のような一分子中にイソシアネート基と不飽
和結合とを共有する化合物、またはジイソシアネートと
不飽和モノアルコールとのモル比が1:1である付加物
を例示することができる。
【0024】の工程で得られ、下記一般式(II
I)で示されるシリコン樹脂と、
I)で示されるシリコン樹脂と、
【0025】
【化9】
【0026】下記一般式(IV)で示されるビニルモノ
マーと、 (ただし、式中R8 からR11は、上記一般式(I)と同
様の意味を示す。)
マーと、 (ただし、式中R8 からR11は、上記一般式(I)と同
様の意味を示す。)
【0027】下記一般式(V)で示される活性水素含有
モノマー
モノマー
【0028】 (ただし、式中R1 からR7 は、上記一般式(I)と同
様の意味を示す。)
様の意味を示す。)
【0029】とを反応させ、上記一般式(I)で示され
たシリコン樹脂グラフトビニル樹脂を得る。
たシリコン樹脂グラフトビニル樹脂を得る。
【0030】上記ビニルモノマーとしては、スチレン、
アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニ
ルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン等を例示できる。ま
た、帯電性のコントロールが必要な場合には、官能基が
導入されたモノマーを使用することも可能である。
アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニ
ルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン等を例示できる。ま
た、帯電性のコントロールが必要な場合には、官能基が
導入されたモノマーを使用することも可能である。
【0031】上記活性水素含有モノマーとしては、例え
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ま
たはフェノキシエチルメタクリレート等を挙げることが
できる。
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ま
たはフェノキシエチルメタクリレート等を挙げることが
できる。
【0032】本発明にかかるシリコングラフト樹脂の最
も好ましい例としては、
も好ましい例としては、
【0033】
【化4】
【0034】(但し、上記式中、n、m、l、そして
n’は、上記一般式(I)と同様の意味を示し、Mは3
000から3000000の整数を示す。)
n’は、上記一般式(I)と同様の意味を示し、Mは3
000から3000000の整数を示す。)
【0035】を例示することができる。このシリコング
ラフト樹脂は、ジメチルシリコン樹脂と、イソシアネー
トエチルメタクリレートとを反応させてシリコン樹脂に
不飽和結合を導入し、ついで得られたシリコン樹脂にス
チレン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを反応さ
せることにより得られる。この反応式を以下に示す。
ラフト樹脂は、ジメチルシリコン樹脂と、イソシアネー
トエチルメタクリレートとを反応させてシリコン樹脂に
不飽和結合を導入し、ついで得られたシリコン樹脂にス
チレン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを反応さ
せることにより得られる。この反応式を以下に示す。
【0036】まず、ジメチルシリコン樹脂と、イソシア
ネートエチルメタクリレートとを反応させて、不飽和結
合が導入されたシリコン樹脂を得る。
ネートエチルメタクリレートとを反応させて、不飽和結
合が導入されたシリコン樹脂を得る。
【0037】
【化2】
【0038】ついで、上記反応により得られた不飽和結
合が導入されたシリコン樹脂と、スチレン、および2−
ヒドロキシエチルメタクリレートを反応させる。
合が導入されたシリコン樹脂と、スチレン、および2−
ヒドロキシエチルメタクリレートを反応させる。
【0039】
【化6】
【0040】このポリマーに不飽和イソシアネートを反
応させて、シリコングラフト樹脂を得ることができる。
応させて、シリコングラフト樹脂を得ることができる。
【0041】
【化8】
【0042】特に、帯電特性に関しては、上記工程で
共重合させるビニルモノマーの種類を選択することによ
り調整することができる。例えば、本発明のキャリアコ
アを正帯電トナーを含有する現像剤に混入させる場合、
上記ビニルモノマーとして、含フッ素メタクリレートを
使用すると、樹脂の帯電性が負極性になるので、好まし
い。ビニルモノマーとして含フッ素メタクリレートを使
用した場合、得られる本発明にかかるシリコングラフト
樹脂の構造式を以下に示す。
共重合させるビニルモノマーの種類を選択することによ
り調整することができる。例えば、本発明のキャリアコ
アを正帯電トナーを含有する現像剤に混入させる場合、
上記ビニルモノマーとして、含フッ素メタクリレートを
使用すると、樹脂の帯電性が負極性になるので、好まし
い。ビニルモノマーとして含フッ素メタクリレートを使
用した場合、得られる本発明にかかるシリコングラフト
樹脂の構造式を以下に示す。
【0043】
【化5】
【0044】本発明のキャリアを被覆する樹脂として
は、さきに例示したシリコングラフト樹脂のみでも使用
可能であるが、必要に応じてシリコン樹脂、アクリル系
樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、およびフッ素
系樹脂等の他の樹脂と混合して用いることもできる。中
でも、シリコン樹脂は耐スペント性が良好なので好適に
使用できる。この場合、被覆用の全樹脂に占めるシリコ
ングラフト樹脂の配合比は10〜95重量%であること
が好ましい。10%より少ないと充分な離型効果が得ら
れず、逆に95%より多すぎるとコストアップしたり、
コア材との密着性が不良となり好ましくない。
は、さきに例示したシリコングラフト樹脂のみでも使用
可能であるが、必要に応じてシリコン樹脂、アクリル系
樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、およびフッ素
系樹脂等の他の樹脂と混合して用いることもできる。中
でも、シリコン樹脂は耐スペント性が良好なので好適に
使用できる。この場合、被覆用の全樹脂に占めるシリコ
ングラフト樹脂の配合比は10〜95重量%であること
が好ましい。10%より少ないと充分な離型効果が得ら
れず、逆に95%より多すぎるとコストアップしたり、
コア材との密着性が不良となり好ましくない。
【0045】次に、キャリアコアについて説明する。本
発明にかかるキャリアコアのコア材としては、鉄粉、マ
グネタイト、フェライト等の磁性体を使用することがで
きるが、特にフェライトが好ましい。フェライトキャリ
アコアは、3価の鉄酸化物と、金属酸化物との焼結体で
ある。一般式は、下記の通りである。
発明にかかるキャリアコアのコア材としては、鉄粉、マ
グネタイト、フェライト等の磁性体を使用することがで
きるが、特にフェライトが好ましい。フェライトキャリ
アコアは、3価の鉄酸化物と、金属酸化物との焼結体で
ある。一般式は、下記の通りである。
【0046】(MO)X(Fe2O3)Y (ただし、上記式中、Mは銅、亜鉛、マンガン、マグネ
シウム、ニッケル、バリウム、リチウム、バナジウム、
カルシウム、クロム、コバルト、および鉄等からなる群
から選択される1種類、もしくは2種類以上の金属を示
す。X 、およびY はモル比を示し、磁気特性等の要求さ
れる特性により適宜決定される。)
シウム、ニッケル、バリウム、リチウム、バナジウム、
カルシウム、クロム、コバルト、および鉄等からなる群
から選択される1種類、もしくは2種類以上の金属を示
す。X 、およびY はモル比を示し、磁気特性等の要求さ
れる特性により適宜決定される。)
【0047】上記フェライトは、従来より実施されてい
る一般的な方法により得ることができる。例えば、上記
一般式を有するフェライトキャリアコア原料を湿式で充
分混合してスラリー状にする。得られたスラリー状の原
料をスプレードライ法により造粒、乾燥する。この乾燥
粒を焼成した後、解砕し、ふるい分けすることにより得
ることができる。
る一般的な方法により得ることができる。例えば、上記
一般式を有するフェライトキャリアコア原料を湿式で充
分混合してスラリー状にする。得られたスラリー状の原
料をスプレードライ法により造粒、乾燥する。この乾燥
粒を焼成した後、解砕し、ふるい分けすることにより得
ることができる。
【0048】次に、本発明の電子写真用キャリアコアの
製造方法について説明する。流動床法を使用する製造方
法を例示する。流動層の下方から気流を吹き上げ、フェ
ライト粒子群を浮遊懸濁状態に保つ。ついで流動化した
半分体に樹脂を噴霧してフェライト粒子の表面に樹脂を
付着させる。ついで上記樹脂からなる膜をフェライト粒
子に焼付けることにより該樹脂を熱硬化させ、ふるい分
けをして所望の粒子径を有する本発明の電子写真用キャ
リアコアを得る。
製造方法について説明する。流動床法を使用する製造方
法を例示する。流動層の下方から気流を吹き上げ、フェ
ライト粒子群を浮遊懸濁状態に保つ。ついで流動化した
半分体に樹脂を噴霧してフェライト粒子の表面に樹脂を
付着させる。ついで上記樹脂からなる膜をフェライト粒
子に焼付けることにより該樹脂を熱硬化させ、ふるい分
けをして所望の粒子径を有する本発明の電子写真用キャ
リアコアを得る。
【0049】フェライト粒子の表面に樹脂を付着させる
際、フェライト粒子は流動層の中を転っている。したが
って、フェライト粒子の表面に厚さが均一な膜が形成さ
れる。
際、フェライト粒子は流動層の中を転っている。したが
って、フェライト粒子の表面に厚さが均一な膜が形成さ
れる。
【0050】目的とする現像性を得るためには、フェラ
イト粒子の表面に樹脂を被覆する際、被覆される樹脂量
を調整すればよい。被覆する樹脂量を調整することによ
り、キャリアコアの電気抵抗値を調節することができる
からである。さらに、現像剤を充填する複写機、および
現像剤に要求される寿命によっても被覆する樹脂量は、
調整しなければならない。なお、被覆する樹脂量は、フ
ェライト粒子の表面の状態を考慮して調整することも必
要である。
イト粒子の表面に樹脂を被覆する際、被覆される樹脂量
を調整すればよい。被覆する樹脂量を調整することによ
り、キャリアコアの電気抵抗値を調節することができる
からである。さらに、現像剤を充填する複写機、および
現像剤に要求される寿命によっても被覆する樹脂量は、
調整しなければならない。なお、被覆する樹脂量は、フ
ェライト粒子の表面の状態を考慮して調整することも必
要である。
【0051】
【作用】本発明の電子写真用キャリアは、キャリアコア
が少なくともシリコングラフト樹脂を含有する樹脂で被
覆されている。上記シリコン樹脂はキャリアコアに対す
る密着性、およびトナーに対する離型性のバランスがと
れているので、キャリアコア表面から樹脂被膜が剥離す
ることがなく、かつ長期間に渡って使用しても、摩擦熱
により溶融したトナー成分が被覆樹脂の表面に付着し難
い。
が少なくともシリコングラフト樹脂を含有する樹脂で被
覆されている。上記シリコン樹脂はキャリアコアに対す
る密着性、およびトナーに対する離型性のバランスがと
れているので、キャリアコア表面から樹脂被膜が剥離す
ることがなく、かつ長期間に渡って使用しても、摩擦熱
により溶融したトナー成分が被覆樹脂の表面に付着し難
い。
【0052】本発明の電子写真用キャリアコアは、コア
が上記樹脂で被覆されているので、耐環境性が増してい
る。つまり、温度変化、湿度変化等に対してキャリアコ
アの物性が変化し難い。
が上記樹脂で被覆されているので、耐環境性が増してい
る。つまり、温度変化、湿度変化等に対してキャリアコ
アの物性が変化し難い。
【0053】本発明の電子写真用キャリアコアは、コア
が硬化型樹脂で被覆されているので、機械的強度が増し
ている。
が硬化型樹脂で被覆されているので、機械的強度が増し
ている。
【0054】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳しく説
明する。なお、実施例において「部」とは「重量部」を
示すものとする。
明する。なお、実施例において「部」とは「重量部」を
示すものとする。
【0055】(実施例1)まず、以下に示す手順で側鎖
にメタアクリロイル基を有するシリコン樹脂をグラフト
したメチルメタクリレートポリマーを得た。ジメチルポ
リシロキサン100部と、イソシアネートエチルメタク
リレート0.5部とを反応させることにより、ジメチル
ポリシロキサンに不飽和結合を導入し、不飽和結合導入
シリコン樹脂を得た。ついで、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート30部、メチルメタクリレート200部
を添加して、それらを重合させた。その後、得られたグ
ラフトポリマーにイソシアネートエチルメタクリレート
30部を添加して反応させ、側鎖にメタアクリロイル基
を有するシリコン樹脂をグラフトしたメチルメタクリレ
ートポリマーを得た。
にメタアクリロイル基を有するシリコン樹脂をグラフト
したメチルメタクリレートポリマーを得た。ジメチルポ
リシロキサン100部と、イソシアネートエチルメタク
リレート0.5部とを反応させることにより、ジメチル
ポリシロキサンに不飽和結合を導入し、不飽和結合導入
シリコン樹脂を得た。ついで、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート30部、メチルメタクリレート200部
を添加して、それらを重合させた。その後、得られたグ
ラフトポリマーにイソシアネートエチルメタクリレート
30部を添加して反応させ、側鎖にメタアクリロイル基
を有するシリコン樹脂をグラフトしたメチルメタクリレ
ートポリマーを得た。
【0056】ついで、得られたシリコングラフト樹脂を
キャリアコア表面に被覆した。その被覆方法を説明す
る。まず、流動層にシリコングラフト樹脂1部を敷き、
市販のフェライトキャリア(パウダーテック社製、商品
名:FL−150T)100部を配置する。ついで気流
中でフェライトキャリアを浮遊状態に保ち、樹脂を噴霧
してフェライト粒子の表面に樹脂を付着させてコーティ
ングキャリアコアを得た。ついでこのコーティングキャ
リアコアを60℃で24時間加熱して、樹脂を硬化させ
て本発明の電子写真用キャリアを得た。
キャリアコア表面に被覆した。その被覆方法を説明す
る。まず、流動層にシリコングラフト樹脂1部を敷き、
市販のフェライトキャリア(パウダーテック社製、商品
名:FL−150T)100部を配置する。ついで気流
中でフェライトキャリアを浮遊状態に保ち、樹脂を噴霧
してフェライト粒子の表面に樹脂を付着させてコーティ
ングキャリアコアを得た。ついでこのコーティングキャ
リアコアを60℃で24時間加熱して、樹脂を硬化させ
て本発明の電子写真用キャリアを得た。
【0057】(実施例2)市販のフェライトキャリアコ
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、シリコングラフト樹脂の添加量を0.
5部とした以外は、実施例1と同様にして本発明の電子
写真用キャリアを得た。
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、シリコングラフト樹脂の添加量を0.
5部とした以外は、実施例1と同様にして本発明の電子
写真用キャリアを得た。
【0058】(実施例3)市販のフェライトキャリア
(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)10
0部に対して、実施例1で使用したシリコングラフト樹
脂0.5部、および常温硬化型のシリコン樹脂(東レ・
ダウコーニングシリコン社製、商品名:SR2406)
を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして本発
明の電子写真用キャリアを得た。
(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)10
0部に対して、実施例1で使用したシリコングラフト樹
脂0.5部、および常温硬化型のシリコン樹脂(東レ・
ダウコーニングシリコン社製、商品名:SR2406)
を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして本発
明の電子写真用キャリアを得た。
【0059】(比較例1)市販のフェライトキャリアコ
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、常温硬化型のシリコン樹脂(東レ・ダ
ウコーニングシリコン社製、商品名:SR2406)を
1部添加した以外は、実施例1と同様にして比較用の電
子写真用キャリアを得た。
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、常温硬化型のシリコン樹脂(東レ・ダ
ウコーニングシリコン社製、商品名:SR2406)を
1部添加した以外は、実施例1と同様にして比較用の電
子写真用キャリアを得た。
【0060】(比較例2)市販のフェライトキャリアコ
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、メチルメタクリレート樹脂1部を添加
した以外は、実施例1と同様にして比較用の電子写真用
キャリアを得た。
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、メチルメタクリレート樹脂1部を添加
した以外は、実施例1と同様にして比較用の電子写真用
キャリアを得た。
【0061】ついで、実施例1から3、比較例1、およ
び2で得られた電子写真用キャリア100部に対して、
負極性の非磁性トナー4部を添加し、混合して二成分系
現像剤を得た。この現像剤を使用して、実施例1から3
で得られたキャリアコアを評価した。この評価は、複写
機(東芝社製、商品名:BD−9110)に得られた現
像剤を充填して10万枚連続コピーした結果を表1に示
す。
び2で得られた電子写真用キャリア100部に対して、
負極性の非磁性トナー4部を添加し、混合して二成分系
現像剤を得た。この現像剤を使用して、実施例1から3
で得られたキャリアコアを評価した。この評価は、複写
機(東芝社製、商品名:BD−9110)に得られた現
像剤を充填して10万枚連続コピーした結果を表1に示
す。
【0062】なお、各特性の評価方法に使用した装置は
次の通りである。 1)摩擦帯電性・・・ブローオフ摩擦帯電量測定装置
(東芝ケミカル社製) 2)画像濃度・・・・マクベス反射濃度計RP−914 3)地カブリ・・・・白色計MODELZ−1001D
P(日本電色工業社製)
次の通りである。 1)摩擦帯電性・・・ブローオフ摩擦帯電量測定装置
(東芝ケミカル社製) 2)画像濃度・・・・マクベス反射濃度計RP−914 3)地カブリ・・・・白色計MODELZ−1001D
P(日本電色工業社製)
【0063】
【0064】表1から明らかなように、実施例1から3
で得られたキャリアを使用した現像剤によりコピーされ
た画像は、10万枚コピーした後も安定した画像特性を
有していた。つまり、カブリは発生しておらず、画質濃
度も安定していた。また、10万枚連続コピー後のキャ
リアコアの状態を顕微鏡にて確認したところ、被覆樹脂
の剥離現象は見あたらなかった。
で得られたキャリアを使用した現像剤によりコピーされ
た画像は、10万枚コピーした後も安定した画像特性を
有していた。つまり、カブリは発生しておらず、画質濃
度も安定していた。また、10万枚連続コピー後のキャ
リアコアの状態を顕微鏡にて確認したところ、被覆樹脂
の剥離現象は見あたらなかった。
【0065】一方、比較例1で得られたキャリアを使用
した現像剤によりコピーされた初期の画像と、10万枚
コピー後の画像とを比較したところ、10万枚コピー後
はカブリが著しく増加していた。そこでキャリアコアの
状態を顕微鏡にて観察したところ、キャリアコアを被覆
していたシリコン樹脂の50%が剥離していた。したが
って、比較例1で得られたキャリアコアは、実用には問
題のあることが判った。比較例2で得られたキャリアコ
アを使用した現像剤によりコピーしたところ、5万枚を
過ぎたところで、明かにカブリが多くなり、画質濃度が
低下した。そこでキャリアコアを観察したところ、スペ
ントトナーが非常に増加しており、キャリアコアの帯電
特性が悪化していることが判った。また、複写中にトナ
ーが現像機から飛散し、複写機内のトナーによる汚れも
激しかった。10万枚連続コピー後のキャリアコアの状
態は、比較例1で得られたキャリアコアの剥離状態より
もひどかった。したがって、比較例2で得られたキャリ
アコアは、実用には問題のあることが判った。
した現像剤によりコピーされた初期の画像と、10万枚
コピー後の画像とを比較したところ、10万枚コピー後
はカブリが著しく増加していた。そこでキャリアコアの
状態を顕微鏡にて観察したところ、キャリアコアを被覆
していたシリコン樹脂の50%が剥離していた。したが
って、比較例1で得られたキャリアコアは、実用には問
題のあることが判った。比較例2で得られたキャリアコ
アを使用した現像剤によりコピーしたところ、5万枚を
過ぎたところで、明かにカブリが多くなり、画質濃度が
低下した。そこでキャリアコアを観察したところ、スペ
ントトナーが非常に増加しており、キャリアコアの帯電
特性が悪化していることが判った。また、複写中にトナ
ーが現像機から飛散し、複写機内のトナーによる汚れも
激しかった。10万枚連続コピー後のキャリアコアの状
態は、比較例1で得られたキャリアコアの剥離状態より
もひどかった。したがって、比較例2で得られたキャリ
アコアは、実用には問題のあることが判った。
【0066】
【発明の効果】本発明のキャリアは、少なくともシリコ
ングラフト樹脂を含有する樹脂で被覆したことを特徴と
する電子写真用キャリアである。上記シリコングラフト
樹脂はキャリアコアに対する接着性、およびトナーに対
する離型性のバランスがとれているので、キャリアコア
から樹脂が剥離することがなく、また長期間に渡って使
用しても、摩擦熱により溶融したトナーがキャリアコア
表面に付着し難い。したがって、本発明の電子写真用キ
ャリアは安定した帯電特性を有しており、熱に対して劣
化しにくい。
ングラフト樹脂を含有する樹脂で被覆したことを特徴と
する電子写真用キャリアである。上記シリコングラフト
樹脂はキャリアコアに対する接着性、およびトナーに対
する離型性のバランスがとれているので、キャリアコア
から樹脂が剥離することがなく、また長期間に渡って使
用しても、摩擦熱により溶融したトナーがキャリアコア
表面に付着し難い。したがって、本発明の電子写真用キ
ャリアは安定した帯電特性を有しており、熱に対して劣
化しにくい。
【0067】本発明の電子写真用キャリアは、コアが上
記樹脂で被覆されているので、耐環境性が増している。
つまり、温度変化、湿度変化等に対してキャリアの物性
が変化し難くなる。したがって、本発明のキャリアコア
は、環境が変化しても優れた画質を提供するために必要
な特性、たとえば安定した帯電特性を有している。
記樹脂で被覆されているので、耐環境性が増している。
つまり、温度変化、湿度変化等に対してキャリアの物性
が変化し難くなる。したがって、本発明のキャリアコア
は、環境が変化しても優れた画質を提供するために必要
な特性、たとえば安定した帯電特性を有している。
【0068】本発明の電子写真用キャリアは、コアが硬
化型樹脂で被覆されているので、機械的強度が増してい
る。したがって、本発明のキャリアコアは、機械的なス
トレスにも強度を有している。
化型樹脂で被覆されているので、機械的強度が増してい
る。したがって、本発明のキャリアコアは、機械的なス
トレスにも強度を有している。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年6月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の詳細な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真用キャリアに関
するものである。
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より広く使用されている電子写真用
現像剤は、一成分系現像剤と、二成分系現像剤とに大別
することができる。
現像剤は、一成分系現像剤と、二成分系現像剤とに大別
することができる。
【0003】上記一成分系現像剤はトナーのみで構成さ
れており、トナー自体が電荷を有している。上記二成分
系現像剤は、トナーとキャリアとから構成されている。
れており、トナー自体が電荷を有している。上記二成分
系現像剤は、トナーとキャリアとから構成されている。
【0004】従来、この二成分系現像剤に含有されてい
るキャリアとしては、鉄粉からなるキャリアが用いられ
ていた。しかし、この鉄粉キャリアは、スペントトナー
現象が発生するという問題を有していた。このスペント
トナー現象とは、溶融したトナーがキャリア表面に一部
付着するという現象であり、キャリアとトナーとの混合
比を均一にするために行われる現像機内での攪拌による
摩擦熱、またはトナーを摩擦帯電させる際に生じる摩擦
熱などが原因で発生していた。このスペントトナー現象
が発生すると、キャリア表面の電気抵抗が部分的に変化
する。すると、充分にトナーを摩擦帯電させることがで
きず、その結果画像濃度が低下する、または画像背景部
のカブリが増大するなどの問題が発生していた。
るキャリアとしては、鉄粉からなるキャリアが用いられ
ていた。しかし、この鉄粉キャリアは、スペントトナー
現象が発生するという問題を有していた。このスペント
トナー現象とは、溶融したトナーがキャリア表面に一部
付着するという現象であり、キャリアとトナーとの混合
比を均一にするために行われる現像機内での攪拌による
摩擦熱、またはトナーを摩擦帯電させる際に生じる摩擦
熱などが原因で発生していた。このスペントトナー現象
が発生すると、キャリア表面の電気抵抗が部分的に変化
する。すると、充分にトナーを摩擦帯電させることがで
きず、その結果画像濃度が低下する、または画像背景部
のカブリが増大するなどの問題が発生していた。
【0005】さらに、複写機を使用するにはキャリアと
トナーとを攪拌させることが不可欠である。したがって
鉄粉キャリアを使用している限り、キャリアの劣化、つ
まり現像剤の劣化が早いという問題を解決するのは困難
であった。
トナーとを攪拌させることが不可欠である。したがって
鉄粉キャリアを使用している限り、キャリアの劣化、つ
まり現像剤の劣化が早いという問題を解決するのは困難
であった。
【0006】上記問題を解決するために、最近では鉄粉
キャリアに代わって、フェライトキャリアが広く用いら
れるようになった。このフェライトキャリアは、鉄粉キ
ャリアと比較して、種々のメリットを有している。たと
えば、鉄粉キャリアと比較して、飽和磁化が低く、見か
け密度も低い。このため、現像機内での流動性が良好
で、現像剤へのストレスが小さくなるので、現像機内で
攪拌されてもトナーが表面に融着し難い。また、鉄粉キ
ャリアと比較して磁力が低くかつ比較的電気抵抗が高
い。したがって、トナーを帯電させ易く、高画質を得易
い。さらに、環境条件の変化、たとえば温度変化、湿度
変化等に対して、電気抵抗等の物性の変化が少ない。つ
まり使用環境の影響を受けにくい。
キャリアに代わって、フェライトキャリアが広く用いら
れるようになった。このフェライトキャリアは、鉄粉キ
ャリアと比較して、種々のメリットを有している。たと
えば、鉄粉キャリアと比較して、飽和磁化が低く、見か
け密度も低い。このため、現像機内での流動性が良好
で、現像剤へのストレスが小さくなるので、現像機内で
攪拌されてもトナーが表面に融着し難い。また、鉄粉キ
ャリアと比較して磁力が低くかつ比較的電気抵抗が高
い。したがって、トナーを帯電させ易く、高画質を得易
い。さらに、環境条件の変化、たとえば温度変化、湿度
変化等に対して、電気抵抗等の物性の変化が少ない。つ
まり使用環境の影響を受けにくい。
【0007】このように、鉄粉キャリアとフェライトキ
ャリアとを比較すると、フェライトキャリアは諸物性に
優れ、かつ耐久性を有しているので、フェライトキャリ
アを用いた現像剤の寿命は長くなった。しかしながら、
まだ満足のいく寿命、すなわち耐久性は得られなかっ
た。
ャリアとを比較すると、フェライトキャリアは諸物性に
優れ、かつ耐久性を有しているので、フェライトキャリ
アを用いた現像剤の寿命は長くなった。しかしながら、
まだ満足のいく寿命、すなわち耐久性は得られなかっ
た。
【0008】そこで、充分満足のいく寿命を有する現像
剤を得るために、キャリアコアの表面を樹脂等で被覆す
るなどの方法も考え出された。キャリアコアの表面を樹
脂で被覆すると、キャリアの表面が平滑になりかつ樹脂
には付着し難いので、トナーはキャリアに付着し難くな
り、スペントトナー現象も発生し難くなる。したがっ
て、現像剤の寿命を伸ばすことができる。さらに、被覆
樹脂を選択することにより、キャリアの帯電特性、電気
抵抗等を制御することが可能となる。また、キャリアコ
アを樹脂で被覆することにより、キャリアコアは直接外
環境の影響を受けることがなくなるので、キャリアコア
の耐環境性、例えば温度変化、湿度変化等に対してキャ
リアの物性が変化し難くなる。
剤を得るために、キャリアコアの表面を樹脂等で被覆す
るなどの方法も考え出された。キャリアコアの表面を樹
脂で被覆すると、キャリアの表面が平滑になりかつ樹脂
には付着し難いので、トナーはキャリアに付着し難くな
り、スペントトナー現象も発生し難くなる。したがっ
て、現像剤の寿命を伸ばすことができる。さらに、被覆
樹脂を選択することにより、キャリアの帯電特性、電気
抵抗等を制御することが可能となる。また、キャリアコ
アを樹脂で被覆することにより、キャリアコアは直接外
環境の影響を受けることがなくなるので、キャリアコア
の耐環境性、例えば温度変化、湿度変化等に対してキャ
リアの物性が変化し難くなる。
【0009】このように、キャリアコアの表面を樹脂等
で被覆すると、大きなメリットが得られる。従来、キャ
リアコアの表面を被覆する樹脂としては、スチレン系樹
脂、シリコン系樹脂、弗素系樹脂、ウレタン系樹脂、ま
たはビニル系樹脂(特にアクリル系樹脂)等が用いられ
ていた。特に、スペントトナーを防止するためには、表
面エネルギーの低い樹脂であるシリコン系樹脂、または
弗素系樹脂が好ましいとされていた。
で被覆すると、大きなメリットが得られる。従来、キャ
リアコアの表面を被覆する樹脂としては、スチレン系樹
脂、シリコン系樹脂、弗素系樹脂、ウレタン系樹脂、ま
たはビニル系樹脂(特にアクリル系樹脂)等が用いられ
ていた。特に、スペントトナーを防止するためには、表
面エネルギーの低い樹脂であるシリコン系樹脂、または
弗素系樹脂が好ましいとされていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記シリコン樹脂は離
型性に優れているため、シリコン樹脂でキャリアコアを
被覆した場合、トナーがシリコン樹脂に付着しにくいの
で、スペントトナー現象の発生を防止できる。しかしな
がら、シリコン樹脂はキャリアコアの材料である鉄、マ
グネタイト、またはフェライトとの密着性が悪いので、
長時間使用すると、キャリアコア表面から樹脂が剥離す
るという問題が生じていた。キャリアコア表面から樹脂
が剥離すると、現像剤の寿命が短くなるだけでなく、剥
離した樹脂が現像剤に混入してしまい、現像性に悪影響
を及ぼすという問題をも引き起こしてしまう。
型性に優れているため、シリコン樹脂でキャリアコアを
被覆した場合、トナーがシリコン樹脂に付着しにくいの
で、スペントトナー現象の発生を防止できる。しかしな
がら、シリコン樹脂はキャリアコアの材料である鉄、マ
グネタイト、またはフェライトとの密着性が悪いので、
長時間使用すると、キャリアコア表面から樹脂が剥離す
るという問題が生じていた。キャリアコア表面から樹脂
が剥離すると、現像剤の寿命が短くなるだけでなく、剥
離した樹脂が現像剤に混入してしまい、現像性に悪影響
を及ぼすという問題をも引き起こしてしまう。
【0011】上記密着性を改善するためには、キャリア
コアに対して優れた密着性を有するたとえば、ビニル系
樹脂を被覆樹脂として使用することが考えられる。しか
しながら、ビニル系樹脂、特にアクリル系樹脂はキャリ
アコアに対して優れた密着性を有していると同時に、ト
ナー材料に対しても密着性を有しているため、長期間使
用すると摩擦熱により溶融したトナー成分が被覆樹脂の
表面に付着してキャリアコア表面に溜ってしまう。その
結果、スペントトナー現象が発生し、帯電特性に悪影響
が及ぶ。
コアに対して優れた密着性を有するたとえば、ビニル系
樹脂を被覆樹脂として使用することが考えられる。しか
しながら、ビニル系樹脂、特にアクリル系樹脂はキャリ
アコアに対して優れた密着性を有していると同時に、ト
ナー材料に対しても密着性を有しているため、長期間使
用すると摩擦熱により溶融したトナー成分が被覆樹脂の
表面に付着してキャリアコア表面に溜ってしまう。その
結果、スペントトナー現象が発生し、帯電特性に悪影響
が及ぶ。
【0012】
【発明の目的】本発明は、長時間使用しても、帯電特性
等のキャリアコアに必要な画像特性が変化することがな
く、かつ機械的強度が増したキャリアコア、およびそれ
を含有する二成分系電子写真用現像剤を提供することを
目的とする。
等のキャリアコアに必要な画像特性が変化することがな
く、かつ機械的強度が増したキャリアコア、およびそれ
を含有する二成分系電子写真用現像剤を提供することを
目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる電子写真
用キャリアは、キャリアコアを少なくともシリコングラ
フト樹脂を含有する樹脂で被覆することにより、前記目
的を達成した。
用キャリアは、キャリアコアを少なくともシリコングラ
フト樹脂を含有する樹脂で被覆することにより、前記目
的を達成した。
【0014】本発明のキャリアコアは、キャリアコアと
シリコングラフト樹脂を含有する樹脂とから構成されて
いる。まず、上記シリコングラフト樹脂について説明す
る。本発明にかかるシリコングラフト樹脂は、下記一般
式(I)により表される硬化性樹脂である。
シリコングラフト樹脂を含有する樹脂とから構成されて
いる。まず、上記シリコングラフト樹脂について説明す
る。本発明にかかるシリコングラフト樹脂は、下記一般
式(I)により表される硬化性樹脂である。
【0015】
【化7】
【0016】(ただし、式中R1 からR11は、水素、炭
素数が1から15であるアルキル基、アリル基、または
炭素数が1から15であるアルキルエステル基等を示
し、m’は3000から3,000,000の整数を示
し、n’は50から6,000の整数を示し、l、m、
nは任意の比率である整数を示す。その比率がl+m+
n=100で表されるとすると、l=1〜30、m=0
〜98、n=1〜70である。)
素数が1から15であるアルキル基、アリル基、または
炭素数が1から15であるアルキルエステル基等を示
し、m’は3000から3,000,000の整数を示
し、n’は50から6,000の整数を示し、l、m、
nは任意の比率である整数を示す。その比率がl+m+
n=100で表されるとすると、l=1〜30、m=0
〜98、n=1〜70である。)
【0017】上記重合度を示すlが1より小さいと、硬
化が不能となるので好ましくなく、30より大きいと、
硬化触媒が多量に必要となるので好ましくない。さら
に、上記nは1より小さいと、シリコン樹脂の離型効果
が小さくなるので好ましくなく、70より大きいと、キ
ャリアコアに対する密着性が不良となるので好ましくな
い。
化が不能となるので好ましくなく、30より大きいと、
硬化触媒が多量に必要となるので好ましくない。さら
に、上記nは1より小さいと、シリコン樹脂の離型効果
が小さくなるので好ましくなく、70より大きいと、キ
ャリアコアに対する密着性が不良となるので好ましくな
い。
【0018】上記一般式(I)で示されるシリコングラ
フト樹脂は、以下に示す工程およびの工程により合
成することができる。 まず、下記構造式で示されるポリシロキサン構造
フト樹脂は、以下に示す工程およびの工程により合
成することができる。 まず、下記構造式で示されるポリシロキサン構造
【0019】
【化1】
【0020】(ただしR1 、R2 、およびn’は上記一
般式(I)と同じ意味を示す。)からなり活性水素を有
するシリコン樹脂と、下記一般式(II)
般式(I)と同じ意味を示す。)からなり活性水素を有
するシリコン樹脂と、下記一般式(II)
【0021】OCN−R3 (II) (ただし、式中R3 は、ビニル基等の不飽和結合を有す
る基を示す。)で示される不飽和イソシアネートとを結
合させる。これにより上記シリコン樹脂に不飽和結合を
導入する。
る基を示す。)で示される不飽和イソシアネートとを結
合させる。これにより上記シリコン樹脂に不飽和結合を
導入する。
【0022】上記シリコン樹脂としては、ポリシロキサ
ン構造を有するものを例示したが、シリコン樹脂の帯電
特性、他の樹脂との相溶性、樹脂の流動性など目的とす
る特性を有する被覆樹脂を得るために、必要に応じて変
性することが可能である。
ン構造を有するものを例示したが、シリコン樹脂の帯電
特性、他の樹脂との相溶性、樹脂の流動性など目的とす
る特性を有する被覆樹脂を得るために、必要に応じて変
性することが可能である。
【0023】上記不飽和イソシアネートとしては、イソ
シアネートエチルメタクリレートメタクリロイルイソシ
アネート等のような一分子中にイソシアネート基と不飽
和結合とを共有する化合物、またはジイソシアネートと
不飽和モノアルコールとのモル比が1:1である付加物
を例示することができる。
シアネートエチルメタクリレートメタクリロイルイソシ
アネート等のような一分子中にイソシアネート基と不飽
和結合とを共有する化合物、またはジイソシアネートと
不飽和モノアルコールとのモル比が1:1である付加物
を例示することができる。
【0024】の工程で得られ、下記一般式(II
I)で示されるシリコン樹脂と、
I)で示されるシリコン樹脂と、
【0025】
【化9】
【0026】下記一般式(IV)で示されるビニルモノ
マーと、 (ただし、式中R8 からR11は、上記一般式(I)と同
様の意味を示す。)
マーと、 (ただし、式中R8 からR11は、上記一般式(I)と同
様の意味を示す。)
【0027】下記一般式(V)で示される活性水素含有
モノマー
モノマー
【0028】 (ただし、式中R1 からR7 は、上記一般式(I)と同
様の意味を示す。)
様の意味を示す。)
【0029】とを反応させ、上記一般式(I)で示され
たシリコン樹脂グラフトビニル樹脂を得る。
たシリコン樹脂グラフトビニル樹脂を得る。
【0030】上記ビニルモノマーとしては、スチレン、
アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニ
ルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン等を例示できる。ま
た、帯電性のコントロールが必要な場合には、官能基が
導入されたモノマーを使用することも可能である。
アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、ビニ
ルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
酢酸ビニル、エチレン、ブタジエン等を例示できる。ま
た、帯電性のコントロールが必要な場合には、官能基が
導入されたモノマーを使用することも可能である。
【0031】上記活性水素含有モノマーとしては、例え
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ま
たはフェノキシエチルメタクリレート等を挙げることが
できる。
ば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ま
たはフェノキシエチルメタクリレート等を挙げることが
できる。
【0032】本発明にかかるシリコングラフト樹脂の最
も好ましい例としては、
も好ましい例としては、
【0033】
【化4】
【0034】(但し、上記式中、n、m、l、そして
n’は、上記一般式(I)と同様の意味を示し、Mは3
000から3000000の整数を示す。)
n’は、上記一般式(I)と同様の意味を示し、Mは3
000から3000000の整数を示す。)
【0035】を例示することができる。このシリコング
ラフト樹脂は、ジメチルシリコン樹脂と、イソシアネー
トエチルメタクリレートとを反応させてシリコン樹脂に
不飽和結合を導入し、ついで得られたシリコン樹脂にス
チレン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを反応さ
せることにより得られる。この反応式を以下に示す。
ラフト樹脂は、ジメチルシリコン樹脂と、イソシアネー
トエチルメタクリレートとを反応させてシリコン樹脂に
不飽和結合を導入し、ついで得られたシリコン樹脂にス
チレン、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを反応さ
せることにより得られる。この反応式を以下に示す。
【0036】まず、ジメチルシリコン樹脂と、イソシア
ネートエチルメタクリレートとを反応させて、不飽和結
合が導入されたシリコン樹脂を得る。
ネートエチルメタクリレートとを反応させて、不飽和結
合が導入されたシリコン樹脂を得る。
【0037】
【化2】
【0038】ついで、上記反応により得られた不飽和結
合が導入されたシリコン樹脂と、スチレン、および2−
ヒドロキシエチルメタクリレートを反応させる。
合が導入されたシリコン樹脂と、スチレン、および2−
ヒドロキシエチルメタクリレートを反応させる。
【0039】
【化6】
【0040】このポリマーに不飽和イソシアネートを反
応させて、シリコングラフト樹脂を得ることができる。
応させて、シリコングラフト樹脂を得ることができる。
【0041】
【化8】
【0042】特に、帯電特性に関しては、上記工程で
共重合させるビニルモノマーの種類を選択することによ
り調整することができる。例えば、本発明のキャリアコ
アを正帯電トナーを含有する現像剤に混入させる場合、
上記ビニルモノマーとして、含フッ素メタクリレートを
使用すると、樹脂の帯電性が負極性になるので、好まし
い。ビニルモノマーとして含フッ素メタクリレートを使
用した場合、得られる本発明にかかるシリコングラフト
樹脂の構造式を以下に示す。
共重合させるビニルモノマーの種類を選択することによ
り調整することができる。例えば、本発明のキャリアコ
アを正帯電トナーを含有する現像剤に混入させる場合、
上記ビニルモノマーとして、含フッ素メタクリレートを
使用すると、樹脂の帯電性が負極性になるので、好まし
い。ビニルモノマーとして含フッ素メタクリレートを使
用した場合、得られる本発明にかかるシリコングラフト
樹脂の構造式を以下に示す。
【0043】
【化5】
【0044】本発明のキャリアを被覆する樹脂として
は、さきに例示したシリコングラフト樹脂のみでも使用
可能であるが、必要に応じてシリコン樹脂、アクリル系
樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、およびフッ素
系樹脂等の他の樹脂と混合して用いることもできる。中
でも、シリコン樹脂は耐スペント性が良好なので好適に
使用できる。この場合、被覆用の全樹脂に占めるシリコ
ングラフト樹脂の配合比は10〜95重量%であること
が好ましい。10%より少ないと充分な離型効果が得ら
れず、逆に95%より多すぎるとコストアップしたり、
コア材との密着性が不良となり好ましくない。
は、さきに例示したシリコングラフト樹脂のみでも使用
可能であるが、必要に応じてシリコン樹脂、アクリル系
樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン系樹脂、およびフッ素
系樹脂等の他の樹脂と混合して用いることもできる。中
でも、シリコン樹脂は耐スペント性が良好なので好適に
使用できる。この場合、被覆用の全樹脂に占めるシリコ
ングラフト樹脂の配合比は10〜95重量%であること
が好ましい。10%より少ないと充分な離型効果が得ら
れず、逆に95%より多すぎるとコストアップしたり、
コア材との密着性が不良となり好ましくない。
【0045】次に、キャリアコアについて説明する。本
発明にかかるキャリアコアのコア材としては、鉄粉、マ
グネタイト、フェライト等の磁性体を使用することがで
きるが、特にフェライトが好ましい。フェライトキャリ
アコアは、3価の鉄酸化物と、金属酸化物との焼結体で
ある。一般式は、下記の通りである。
発明にかかるキャリアコアのコア材としては、鉄粉、マ
グネタイト、フェライト等の磁性体を使用することがで
きるが、特にフェライトが好ましい。フェライトキャリ
アコアは、3価の鉄酸化物と、金属酸化物との焼結体で
ある。一般式は、下記の通りである。
【0046】(MO)X(Fe2O3)Y (ただし、上記式中、Mは銅、亜鉛、マンガン、マグネ
シウム、ニッケル、バリウム、リチウム、バナジウム、
カルシウム、クロム、コバルト、および鉄等からなる群
から選択される1種類、もしくは2種類以上の金属を示
す。X 、およびY はモル比を示し、磁気特性等の要求さ
れる特性により適宜決定される。)
シウム、ニッケル、バリウム、リチウム、バナジウム、
カルシウム、クロム、コバルト、および鉄等からなる群
から選択される1種類、もしくは2種類以上の金属を示
す。X 、およびY はモル比を示し、磁気特性等の要求さ
れる特性により適宜決定される。)
【0047】上記フェライトは、従来より実施されてい
る一般的な方法により得ることができる。例えば、上記
一般式を有するフェライトキャリアコア原料を湿式で充
分混合してスラリー状にする。得られたスラリー状の原
料をスプレードライ法により造粒、乾燥する。この乾燥
粒を焼成した後、解砕し、ふるい分けすることにより得
ることができる。
る一般的な方法により得ることができる。例えば、上記
一般式を有するフェライトキャリアコア原料を湿式で充
分混合してスラリー状にする。得られたスラリー状の原
料をスプレードライ法により造粒、乾燥する。この乾燥
粒を焼成した後、解砕し、ふるい分けすることにより得
ることができる。
【0048】次に、本発明の電子写真用キャリアコアの
製造方法について説明する。流動床法を使用する製造方
法を例示する。流動層の下方から気流を吹き上げ、フェ
ライト粒子群を浮遊懸濁状態に保つ。ついで流動化した
半分体に樹脂を噴霧してフェライト粒子の表面に樹脂を
付着させる。ついで上記樹脂からなる膜をフェライト粒
子に焼付けることにより該樹脂を熱硬化させ、ふるい分
けをして所望の粒子径を有する本発明の電子写真用キャ
リアコアを得る。
製造方法について説明する。流動床法を使用する製造方
法を例示する。流動層の下方から気流を吹き上げ、フェ
ライト粒子群を浮遊懸濁状態に保つ。ついで流動化した
半分体に樹脂を噴霧してフェライト粒子の表面に樹脂を
付着させる。ついで上記樹脂からなる膜をフェライト粒
子に焼付けることにより該樹脂を熱硬化させ、ふるい分
けをして所望の粒子径を有する本発明の電子写真用キャ
リアコアを得る。
【0049】フェライト粒子の表面に樹脂を付着させる
際、フェライト粒子は流動層の中を転っている。したが
って、フェライト粒子の表面に厚さが均一な膜が形成さ
れる。
際、フェライト粒子は流動層の中を転っている。したが
って、フェライト粒子の表面に厚さが均一な膜が形成さ
れる。
【0050】 目的とする現像性を得るためには、フェラ
イト粒子の表面に樹脂を被覆する際、被覆される樹脂量
を調整すればよい。被覆する樹脂量を調整することによ
り、キャリアコアの電気抵抗値を調節することができる
からである。さらに、現像剤を充填する複写機、および
現像剤に要求される寿命によっても被覆する樹脂量は、
調整しなければならない。なお、被覆する樹脂量は、フ
ェライト粒子の表面の状態を考慮して調整することも必
要である。
イト粒子の表面に樹脂を被覆する際、被覆される樹脂量
を調整すればよい。被覆する樹脂量を調整することによ
り、キャリアコアの電気抵抗値を調節することができる
からである。さらに、現像剤を充填する複写機、および
現像剤に要求される寿命によっても被覆する樹脂量は、
調整しなければならない。なお、被覆する樹脂量は、フ
ェライト粒子の表面の状態を考慮して調整することも必
要である。
【0051】
【作用】本発明の電子写真用キャリアは、キャリアコア
が少なくともシリコングラフト樹脂を含有する樹脂で被
覆されている。上記シリコン樹脂はキャリアコアに対す
る密着性、およびトナーに対する離型性のバランスがと
れているので、キャリアコア表面から樹脂被膜が剥離す
ることがなく、かつ長期間に渡って使用しても、摩擦熱
により溶融したトナー成分が被覆樹脂の表面に付着し難
い。
が少なくともシリコングラフト樹脂を含有する樹脂で被
覆されている。上記シリコン樹脂はキャリアコアに対す
る密着性、およびトナーに対する離型性のバランスがと
れているので、キャリアコア表面から樹脂被膜が剥離す
ることがなく、かつ長期間に渡って使用しても、摩擦熱
により溶融したトナー成分が被覆樹脂の表面に付着し難
い。
【0052】本発明の電子写真用キャリアコアは、コア
が上記樹脂で被覆されているので、耐環境性が増してい
る。つまり、温度変化、湿度変化等に対してキャリアコ
アの物性が変化し難い。
が上記樹脂で被覆されているので、耐環境性が増してい
る。つまり、温度変化、湿度変化等に対してキャリアコ
アの物性が変化し難い。
【0053】本発明の電子写真用キャリアコアは、コア
が硬化型樹脂で被覆されているので、機械的強度が増し
ている。
が硬化型樹脂で被覆されているので、機械的強度が増し
ている。
【0054】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明をより詳しく説
明する。なお、実施例において「部」とは「重量部」を
示すものとする。
明する。なお、実施例において「部」とは「重量部」を
示すものとする。
【0055】(実施例1)まず、以下に示す手順で側鎖
にメタアクリロイル基を有するシリコン樹脂をグラフト
したメチルメタクリレートポリマーを得た。ジメチルポ
リシロキサン100部と、イソシアネートエチルメタク
リレート0.5部とを反応させることにより、ジメチル
ポリシロキサンに不飽和結合を導入し、不飽和結合導入
シリコン樹脂を得た。ついで、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート30部、メチルメタクリレート200部
を添加して、それらを重合させた。その後、得られたグ
ラフトポリマーにイソシアネートエチルメタクリレート
30部を添加して反応させ、側鎖にメタアクリロイル基
を有するシリコン樹脂をグラフトしたメチルメタクリレ
ートポリマーを得た。
にメタアクリロイル基を有するシリコン樹脂をグラフト
したメチルメタクリレートポリマーを得た。ジメチルポ
リシロキサン100部と、イソシアネートエチルメタク
リレート0.5部とを反応させることにより、ジメチル
ポリシロキサンに不飽和結合を導入し、不飽和結合導入
シリコン樹脂を得た。ついで、2−ヒドロキシプロピル
メタクリレート30部、メチルメタクリレート200部
を添加して、それらを重合させた。その後、得られたグ
ラフトポリマーにイソシアネートエチルメタクリレート
30部を添加して反応させ、側鎖にメタアクリロイル基
を有するシリコン樹脂をグラフトしたメチルメタクリレ
ートポリマーを得た。
【0056】ついで、得られたシリコングラフト樹脂を
キャリアコア表面に被覆した。その被覆方法を説明す
る。まず、流動層にシリコングラフト樹脂1部を敷き、
市販のフェライトキャリア(パウダーテック社製、商品
名:FL−150T)100部を配置する。ついで気流
中でフェライトキャリアを浮遊状態に保ち、樹脂を噴霧
してフェライト粒子の表面に樹脂を付着させてコーティ
ングキャリアコアを得た。ついでこのコーティングキャ
リアコアを60℃で24時間加熱して、樹脂を硬化させ
て本発明の電子写真用キャリアを得た。
キャリアコア表面に被覆した。その被覆方法を説明す
る。まず、流動層にシリコングラフト樹脂1部を敷き、
市販のフェライトキャリア(パウダーテック社製、商品
名:FL−150T)100部を配置する。ついで気流
中でフェライトキャリアを浮遊状態に保ち、樹脂を噴霧
してフェライト粒子の表面に樹脂を付着させてコーティ
ングキャリアコアを得た。ついでこのコーティングキャ
リアコアを60℃で24時間加熱して、樹脂を硬化させ
て本発明の電子写真用キャリアを得た。
【0057】(実施例2)市販のフェライトキャリアコ
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、シリコングラフト樹脂の添加量を0.
5部とした以外は、実施例1と同様にして本発明の電子
写真用キャリアを得た。
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、シリコングラフト樹脂の添加量を0.
5部とした以外は、実施例1と同様にして本発明の電子
写真用キャリアを得た。
【0058】(実施例3)市販のフェライトキャリア
(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)10
0部に対して、実施例1で使用したシリコングラフト樹
脂0.5部、および常温硬化型のシリコン樹脂(東レ・
ダウコーニングシリコン社製、商品名:SR2406)
を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして本発
明の電子写真用キャリアを得た。
(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)10
0部に対して、実施例1で使用したシリコングラフト樹
脂0.5部、および常温硬化型のシリコン樹脂(東レ・
ダウコーニングシリコン社製、商品名:SR2406)
を0.5部添加した以外は、実施例1と同様にして本発
明の電子写真用キャリアを得た。
【0059】(比較例1)市販のフェライトキャリアコ
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、常温硬化型のシリコン樹脂(東レ・ダ
ウコーニングシリコン社製、商品名:SR2406)を
1部添加した以外は、実施例1と同様にして比較用の電
子写真用キャリアを得た。
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、常温硬化型のシリコン樹脂(東レ・ダ
ウコーニングシリコン社製、商品名:SR2406)を
1部添加した以外は、実施例1と同様にして比較用の電
子写真用キャリアを得た。
【0060】(比較例2)市販のフェライトキャリアコ
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、メチルメタクリレート樹脂1部を添加
した以外は、実施例1と同様にして比較用の電子写真用
キャリアを得た。
ア(パウダーテック社製、商品名:FL−150T)1
00部に対して、メチルメタクリレート樹脂1部を添加
した以外は、実施例1と同様にして比較用の電子写真用
キャリアを得た。
【0061】ついで、実施例1から3、比較例1、およ
び2で得られた電子写真用キャリア100部に対して、
負極性の非磁性トナー4部を添加し、混合して二成分系
現像剤を得た。この現像剤を使用して、実施例1から3
で得られたキャリアコアを評価した。この評価は、複写
機(東芝社製、商品名:BD−9110)に得られた現
像剤を充填して10万枚連続コピーした結果を表1に示
す。
び2で得られた電子写真用キャリア100部に対して、
負極性の非磁性トナー4部を添加し、混合して二成分系
現像剤を得た。この現像剤を使用して、実施例1から3
で得られたキャリアコアを評価した。この評価は、複写
機(東芝社製、商品名:BD−9110)に得られた現
像剤を充填して10万枚連続コピーした結果を表1に示
す。
【0062】なお、各特性の評価方法に使用した装置は
次の通りである。 1)摩擦帯電性・・・ブローオフ摩擦帯電量測定装置
(東芝ケミカル社製) 2)画像濃度・・・・マクベス反射濃度計RP−914 3)地カブリ・・・・白色計MODELZ−1001D
P(日本電色工業社製) 以下、余白。
次の通りである。 1)摩擦帯電性・・・ブローオフ摩擦帯電量測定装置
(東芝ケミカル社製) 2)画像濃度・・・・マクベス反射濃度計RP−914 3)地カブリ・・・・白色計MODELZ−1001D
P(日本電色工業社製) 以下、余白。
【0063】
【0064】表1から明らかなように、実施例1から3
で得られたキャリアを使用した現像剤によりコピーされ
た画像は、10万枚コピーした後も安定した画像特性を
有していた。つまり、カブリは発生しておらず、画質濃
度も安定していた。また、10万枚連続コピー後のキャ
リアコアの状態を顕微鏡にて確認したところ、被覆樹脂
の剥離現象は見あたらなかった。
で得られたキャリアを使用した現像剤によりコピーされ
た画像は、10万枚コピーした後も安定した画像特性を
有していた。つまり、カブリは発生しておらず、画質濃
度も安定していた。また、10万枚連続コピー後のキャ
リアコアの状態を顕微鏡にて確認したところ、被覆樹脂
の剥離現象は見あたらなかった。
【0065】一方、比較例1で得られたキャリアを使用
した現像剤によりコピーされた初期の画像と、10万枚
コピー後の画像とを比較したところ、10万枚コピー後
はカブリが著しく増加していた。そこでキャリアコアの
状態を顕微鏡にて観察したところ、キャリアコアを被覆
していたシリコン樹脂の50%が剥離していた。したが
って、比較例1で得られたキャリアコアは、実用には問
題のあることが判った。比較例2で得られたキャリアコ
アを使用した現像剤によりコピーしたところ、5万枚を
過ぎたところで、明かにカブリが多くなり、画質濃度が
低下した。そこでキャリアコアを観察したところ、スペ
ントトナーが非常に増加しており、キャリアコアの帯電
特性が悪化していることが判った。また、複写中にトナ
ーが現像機から飛散し、複写機内のトナーによる汚れも
激しかった。10万枚連続コピー後のキャリアコアの状
態は、比較例1で得られたキャリアコアの剥離状態より
もひどかった。したがって、比較例2で得られたキャリ
アコアは、実用には問題のあることが判った。
した現像剤によりコピーされた初期の画像と、10万枚
コピー後の画像とを比較したところ、10万枚コピー後
はカブリが著しく増加していた。そこでキャリアコアの
状態を顕微鏡にて観察したところ、キャリアコアを被覆
していたシリコン樹脂の50%が剥離していた。したが
って、比較例1で得られたキャリアコアは、実用には問
題のあることが判った。比較例2で得られたキャリアコ
アを使用した現像剤によりコピーしたところ、5万枚を
過ぎたところで、明かにカブリが多くなり、画質濃度が
低下した。そこでキャリアコアを観察したところ、スペ
ントトナーが非常に増加しており、キャリアコアの帯電
特性が悪化していることが判った。また、複写中にトナ
ーが現像機から飛散し、複写機内のトナーによる汚れも
激しかった。10万枚連続コピー後のキャリアコアの状
態は、比較例1で得られたキャリアコアの剥離状態より
もひどかった。したがって、比較例2で得られたキャリ
アコアは、実用には問題のあることが判った。
【0066】
【発明の効果】本発明のキャリアは、少なくともシリコ
ングラフト樹脂を含有する樹脂で被覆したことを特徴と
する電子写真用キャリアである。上記シリコングラフト
樹脂はキャリアコアに対する接着性、およびトナーに対
する離型性のバランスがとれているので、キャリアコア
から樹脂が剥離することがなく、また長期間に渡って使
用しても、摩擦熱により溶融したトナーがキャリアコア
表面に付着し難い。したがって、本発明の電子写真用キ
ャリアは安定した帯電特性を有しており、熱に対して劣
化しにくい。
ングラフト樹脂を含有する樹脂で被覆したことを特徴と
する電子写真用キャリアである。上記シリコングラフト
樹脂はキャリアコアに対する接着性、およびトナーに対
する離型性のバランスがとれているので、キャリアコア
から樹脂が剥離することがなく、また長期間に渡って使
用しても、摩擦熱により溶融したトナーがキャリアコア
表面に付着し難い。したがって、本発明の電子写真用キ
ャリアは安定した帯電特性を有しており、熱に対して劣
化しにくい。
【0067】本発明の電子写真用キャリアは、コアが上
記樹脂で被覆されているので、耐環境性が増している。
つまり、温度変化、湿度変化等に対してキャリアの物性
が変化し難くなる。したがって、本発明のキャリアコア
は、環境が変化しても優れた画質を提供するために必要
な特性、たとえば安定した帯電特性を有している。
記樹脂で被覆されているので、耐環境性が増している。
つまり、温度変化、湿度変化等に対してキャリアの物性
が変化し難くなる。したがって、本発明のキャリアコア
は、環境が変化しても優れた画質を提供するために必要
な特性、たとえば安定した帯電特性を有している。
【0068】本発明の電子写真用キャリアは、コアが硬
化型樹脂で被覆されているので、機械的強度が増してい
る。したがって、本発明のキャリアコアは機械的なスト
レスにも強度を有している。
化型樹脂で被覆されているので、機械的強度が増してい
る。したがって、本発明のキャリアコアは機械的なスト
レスにも強度を有している。
Claims (1)
- 【請求項1】 キャリアコアを少なくともシリコングラ
フト樹脂を含有する樹脂で被覆したことを特徴とする電
子写真用キャリア。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5086349A JP2767735B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | 電子写真用キャリア |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5086349A JP2767735B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | 電子写真用キャリア |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06301244A true JPH06301244A (ja) | 1994-10-28 |
JP2767735B2 JP2767735B2 (ja) | 1998-06-18 |
Family
ID=13884403
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5086349A Expired - Fee Related JP2767735B2 (ja) | 1993-04-13 | 1993-04-13 | 電子写真用キャリア |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2767735B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008286815A (ja) * | 2007-05-15 | 2008-11-27 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 電子写真キャリア用コート剤、電子写真用キャリア粒子及びその製造方法、並びに電子写真用現像剤 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60202450A (ja) * | 1984-03-28 | 1985-10-12 | Olympus Optical Co Ltd | 静電荷像現像用キヤリヤ |
-
1993
- 1993-04-13 JP JP5086349A patent/JP2767735B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60202450A (ja) * | 1984-03-28 | 1985-10-12 | Olympus Optical Co Ltd | 静電荷像現像用キヤリヤ |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008286815A (ja) * | 2007-05-15 | 2008-11-27 | Shin Etsu Chem Co Ltd | 電子写真キャリア用コート剤、電子写真用キャリア粒子及びその製造方法、並びに電子写真用現像剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2767735B2 (ja) | 1998-06-18 |
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