JPH0630031U - 液体収納容器の注出口栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】本考案は収納する内用物の充填を口栓より行な
い、且つ、一層のバージン性、密封性、再封性を向上さ
せ、更に、従来より小型にした液体収納容器の注出口栓
を提供するものである。 【構成】鍔状の突出片上部に嵌着用凹部を有する筒口を
立設し、凹部の端部内側に凹凸条を有する口栓体と、先
端がカールした注出筒の外周縁に狭い間隔で、しかも、
注出筒より低い位置に連結して外周壁を立設し、外周壁
の連結部内側の頂上中央と外周壁内側に突起を設け外周
壁下端に前記凹凸条に合致する凹凸条を円盤条に形成
し、前記注出筒内側に下端を連結させて、開栓用リング
を設け裏面にハーフカットを形成した底板を設けた中栓
と、中栓の注出筒内周縁に嵌入してなる液止め栓を垂設
したキャップとからなり、前記口栓の凹凸条に合せて、
キャップを螺合した中栓を嵌着した液体収納容器の注出
口栓。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は液体や粉体等の流体物を収納する、カートン内部に内袋が備えられた バックインボックスと称される容器や液体紙容器の口部に、口栓を接合し、該口 栓より液体を充填した後に、キャップを螺合した中栓を前記口栓に嵌着して密封 性、再封性を高め、しかも、小型に改良した液体収納容器の注出口栓に関するも のである。

【０００２】

【従来の技術】

近年カートンの内部にプラスチックフィルムの内袋が備えられ、この内袋に液 体や粉体などの流体物が収納される、いわゆるバックインボックスと称される容 器や特に液体（粘稠液体を含む）を収納する液体紙容器と称される液体収納容器 が広く知られている。この収納容器に用いる注出口栓は、例えば図４に示すよう に、外側のカートン(33)に予め内袋を取り付けた口栓(32)を接合し、この口栓(3 2)より流体物を充填した後に、口栓に開口リングを有する中栓(31)を嵌着し、口 栓の筒口に全体を覆うようにキャップ(30)を螺合したものである。この液体収納 容器は、内容物に流体物を収納するため比較的大型の容器となり、これに伴い口 栓(32)も大きくして充填を容易にしている（図５を参照）。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、液体収納容器に収納する内容物が、例えば家庭用の食用油や濃 いソース等の食用の粘稠液体の場合、収納容器を小さくする必要が生じ、これに 伴い注出口栓も小型にする必要がある。このため従来の注出口栓は使用すること が不可能となる。そこで本考案は、液体の充填は口栓より行ないつつ、一層の密 封性、再封性を向上させ、且つ、小型にした液体収納容器の注出口栓を提供する ものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】 本考案は前述の課題を解決するために、鍔状の突出片(13)上部に嵌着用凹部を 有する筒口(11a) を立設し、該嵌着用凹部の端部に設けた筒突起(11)の内周縁に 凹凸条(R) を形成した口栓体(20)と、注出筒(14a) の外周縁に狭い間隔で、且つ 、注出筒より低い位置に連結部(14)を介して外周壁(14b) を立設し、外周壁の外 側に螺子部(N) と該外周壁の下端には前記凹凸条(R) に合致する凹凸条(R1)を円 盤状に形成し、前記注出筒(14a) 下端の内側を連結させて底板(17)を設け、該底 板の外面側に開栓用リング(18)と、内面側の周縁にハーフカット(H) を形成した 中栓体(20)と、天板(15b) から錐設した外壁(15c) 内面に螺子部(N1)を設けたキ ャップ(15)とからなり、前記口栓の凹凸条(R) に中栓体の凹凸条(R1)を合わせ、 キャップを螺合した中栓を口栓体の筒口に嵌着した液体収納容器の注出口栓(10) である。

【０００５】 本考案の注出口栓(10)は、食用油などの粘稠液体を収納する液体収納容器に用 いるもので、口栓体(25)を外側のカートンに熱融着により密に接合し、この口栓 体を介して液体を充填し、予めキャップを螺合した中栓体を、前記口栓体の筒口 に嵌着して、バージン性、密封性、更にはキャップによる再封性を向上させたも のである。

【０００６】 この注出口栓(10)は、注出筒(14a) 内側の下端を底板(17)で連結させて、該底 板の内面周縁にハーフカット(H) を形成し、外面側には開栓用リング(18)を設け て、更に前記注出筒より低い位置に連結部(14)を介して外周壁(14b) を立設し、 この外周壁の連結部(14)内側の頂上中央と外周壁内側に液漏れ防止用の突起(P) と外周壁の外側に螺子部(N) を設けた中栓体(20)を、カートン(12)に接合された 口栓体(25)の筒口(11a) に挿入嵌着することで、液漏れを防止するとともに密封 性を向上させる。更に、本考案の注出口栓のキャップ(15)は開栓した後も、キャ ップ外壁(15c) の内面に設けた螺子部(N1)を中栓体に螺合することによってキャ ップ内周縁の突起片(16)と外周壁(14b) の先端(16a) が密着して再封性を一層向 上することができる。

【０００７】 また、口栓体凹部の端部筒突起(11)の内周縁に形成した雄型の凹凸条(R) と、 中栓体下端周縁に円盤状に形成した雌型の凹凸条(R1)を合せ、予めキャップを螺 合した中栓体(20)を口栓体(25)の筒口(11a) に嵌着することでキャップの取り付 けや、取り外す際の回転による共回り（キャップを回転させる際に中栓体もいっ しょに回転する）を防止する。

【０００８】

【作用】

本考案の注出口栓(10)は、中栓体(20)の注出筒(14a) の外周縁に狭い間隔で、 且つ、注出筒より低い位置に外周壁(14b) を立設し、この外周壁の外側に設けた 螺子部にキャップを螺合することによって、図２に示すように、中栓体の中心よ り注出筒までの寸法（ｍ）と注出筒からキャップの外周縁までの寸法（ｍ１）の 比率がほぼ２：１となりｍ＞ｍ１の関係とすることと、更に中栓体の外周壁に予 めキャップ(15)を螺合し、口栓体(25)の筒口(11a) に注出筒と外周壁による凹陥 部を嵌着することによって、密封性、再封性を向上させて、更に注出口栓の全体 寸法を小さくすることができる。

【０００９】

【実施例】

本考案の実施例を図に基づき説明する。図１は本考案の実施例における液体収 納容器の注出口栓の一例を示す断面図である。図２は注出口栓の寸法を示す説明 図である。図３は本考案の注出口栓を構成するキャップ、中栓体、口栓体の部材 と組立てを示す説明図である。

【００１０】 本考案は、口栓体(25)を外側のカートン(12)に接合し、この口栓体から液体を 充填した後、キャップを螺合した中栓体(20)を口栓体の筒口に嵌着してなる構成 の液体収納容器の注出口栓(10)である。図中に示すように、鍔状の突出片(13)を 設け、その上部に嵌着用凹部と外周縁に筒突起(11)を有する筒口(11a) を立設し たもので、この嵌着用凹部の端部に設けた筒突起の内側周縁に雄型の凹凸条(R) を形成してなる口栓体(25)（図３C を参照）である。この口栓を予めカートン(1 2)に接合し液体をこの口栓より充填する。

【００１１】 次に、この口栓体の筒口(11a) に嵌着する中栓体(20)は、収納する内容物が食 用油などの粘稠液体としたので、液切れ機能を備えたもので、先端をカールさせ た注出筒(14a) を設け、その外周縁には間隔を狭くした位置に、しかも、注出筒 よりも先端が低い位置に連結部(14)で連結して外側周縁に螺子部(N) を設けた外 周壁(14b) を立設したものである。また、注出筒と外周壁の連結部(14)上方に液 溜りの凹部(19)と、下方には嵌着用の凹陥部が設けられており、この連結部(14) の内側頂上中央と、外周壁の内側に液漏れ防止用の突起(P) を設けた。また、こ の外周壁下端には前記凹凸条(R) と合致する凹凸条(R1)を円盤状に形成し（図３ ｂを参照）、前記の口栓体(25)の凹凸条(R) と雄型雌型の関係とし嵌合するよう にしたものである。この中栓体の注出筒下端の内側に連結させて底板(17)を設け 、該底板の外面側に開栓用リング(18)と内面側周縁にハーフカット(H) を形成し たものである。この中栓体(20)の樹脂材料としては、底密度ポリエチレンや線状 低密度ポリエチンなどや他の樹脂材料を混合して中栓の開栓性（引きちぎり易く ）を向上させた。

【００１２】 次に、キャップ(15)は中栓体(20)の注出筒(14a) 内周縁に嵌入し上方で当接さ せて、開栓した後も内容物が漏れないようにした液止め栓(15a) をキャップ天板 (15a) の内面側に垂設し、また、キャップ外壁(15c) の内面周縁には螺子部(N1) を設け、その外側周縁にはローレット溝(R2)を設け回転を容易にした。また、キ ャップ内面の周縁に一段下げて突起片(16)を設け、キャップを螺合した際に外周 壁の先端(16a) と当接して密着することで、再封性を維持向上させるとともに、 所定の位置でキャップが停止するようにしたものでである。

【００１３】 更に、本考案の注出口栓(20)は、図２に示すように、中栓体(20)の中心より注 出筒(14a) 外側までの寸法（ｍ）と注出筒からキャップの外壁までの寸法（ｍ１ ）をほぼ２：１の割合として、この関係をｍ＞ｍ１としたことで注出口栓(10)の 全体寸法を小さくすることができた。

【００１４】

【考案の効果】

本考案の注出口栓は、口栓から内容物を充填するので中栓に予めキャップを螺 合しておき、充填後この中栓体を口栓体の筒口に嵌着することでバージン性、密 封性を向上させるとともに、開栓の後もキャップによる再封性を一層向上させた ものである。また、キャップは中栓外周壁の螺子部に螺合するが、中栓と口栓に 形成した雄型の凹凸条と雌型の凹凸条でロックされているので、キャップの回転 による共回りが防止できる。更に、中栓体の構造を改良することで大幅に寸法を 縮小することができた液体収納容器の注出口栓である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例における液体収納容器の注出口
栓の一例を示す断面図である。

【図２】上記注出口栓の寸法を示す説明図である。

【図３】本考案の注出口栓を構成するキャップと中栓と
口栓の部材と組立てを示す説明図である。

【図４】従来の液体収納容器に接合した注出口栓の一例
を示す断面図である。

【図５】従来の注出口栓の寸法を示す説明図である。

【符号の説明】 １０，３５ …注出口栓 １１ …口栓の筒突起 １１ａ …口栓の筒口 １２，３３ …カートン １３ …鍔状の突出片 １４ …連結部 １４ａ，３１ａ…注出筒 １４ｂ …外周壁 １５，３０ …キャップ １５ａ …液止め栓 １５ｂ …キャップの天板 １５ｃ …キャップの外壁 １６ …キャップの突起片 １６ａ …外周壁の先端 １７ …底板 １８ …開栓用リング １９ …液溜まり凹部 ２０，３１ …中栓体 ２５，３２ …口栓体 Ｈ …ハーフカット Ｐ …液漏れ防止突起 Ｒ …雌型の凹凸条 Ｒ１ …雄型の凹凸条 Ｒ２ …キャップのローレット溝 Ｎ …外周壁の螺子部 Ｎ１ …キャップの螺子部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】口栓体と中栓体とキャップとからなる液体
   収納容器の注出口栓(10)において、鍔状の突出片(13)上
   部に嵌着用凹部を有する筒口(11a) を立設し、該嵌着用
   凹部の端部に設けた筒突起(11)の内周縁に凹凸条(R) を
   形成した口栓体(20)と、注出筒(14a) の外周縁に狭い間
   隔で、且つ、注出筒より低い位置に連結部(14)を介して
   外周壁(14b) を立設し、外周壁の外側に螺子部(N) と該
   外周壁の下端には前記凹凸条と合致する凹凸条(R1)を円
   盤状に形成し、前記注出筒(14a) 下端の内側を連結させ
   て底板(17)を設け、該底板の外面側に開栓用リング(18)
   と、内面側の周縁にハーフカット(H) を形成した中栓体
   (20)と、天板(15b) から錐設した外壁(15c) 内面に螺子
   部(N1)を設けたキャップ(15)とからなり、前記口栓の凹
   凸条(R)に中栓の凹凸条(R1)を合わせ、キャップを螺合
   した中栓を口栓体の筒口に嵌着したことを特徴とする液
   体収納容器の注出口栓。