JPH06299594A

JPH06299594A - 上面から浸透集水する自在勾配側溝

Info

Publication number: JPH06299594A
Application number: JP5118910A
Authority: JP
Inventors: Teruo Hatori; 照夫羽取
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1993-04-12
Filing date: 1993-04-12
Publication date: 1994-10-25

Abstract

(57)【要約】【目的】路面からの排出水を上面から浸透集水し、適
切な流速で流下せしめるよう底部勾配を自在施工か、又
は地下浸透とすることも可能な箱型断面道路側溝をプレ
キャストコンクリートによって容易に構築する。【構成】プレキャストコンクリート底部フレームを連
続布設し、フレーム内にコンクリートを打設して必要な
排水勾配とするか、又は地下浸透可能に底部を先行施行
したのち、両側壁が透過水性をもった頂版と一体となっ
ている門型のプレキャストコンクリート上部ユニットを
先行して施工された底部に組み合せ連続載置して箱型断
面を形成し、底部フレームと門型ユニットとの係合部で
施工誤差の吸収とボルト固定を行ったのちモルタル目地
を施して道路側溝を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、道路の排水用プレキ
ャストコンクリート側溝において、開口部を設けずに路
面排水を集水すると同時に、溝底を最適な排水勾配に形
成して、十分な掃流力を確保することによって、掛蓋に
よる騒音や、転落人身事故ならびに滞溜水による不衛生
を除去し、さらに適宜に地下浸透とすることも可能なら
しめ、なおまた設置直後に道路交通に開放することも出
来るようにすることに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、道路排水側溝は内幅、深さを一定
に製作したプレキャストコンクリートＵ字側溝によって
形成している。そして、道路面の利用方法に応じ蓋版を
掛けるものであるが、この場合深さが一定のため必用と
する排水勾配を確保出来ないことが多く、さらに蓋掛に
よって路面からの集水能力が不足したり、車両の上面走
行によってガタツキ騒音が生ずるなどの欠点がある。

【０００３】また底部のコンクリートを現場打とし、排
水勾配を適宜に設定するようにしたプレキャストコンク
リート門型側溝も用いられているが、側溝上面に設けた
開口部からコンクリートを打設して底面コテ仕上げをす
るため、作業が困難で十分な底面の仕上りを期待出来な
いのに加え、側圧に対して弱い門型側溝を底部コンクリ
ートの硬化によって補強する型式のため、それまでの養
生期間は側土の埋戻し転圧が出来ないし、さらに開口部
に蓋版掛けすることによって路面集水能力が低下し、ガ
タツキ騒音も抑止出来ないものとなっている。そして、
これらの欠点を無くするため底部フレームと門型ユニッ
トを組み合せる自在勾配道路排水函梁が実施されてい
る。（例えば、実用新案出願公開平４−６５８７
５）。しかし、上面からの均等な集水を期待出来ないた
め埋設管に近い機能となり、また底部フレームで門型ユ
ニットを突っ張り支持するためのモルタルの介在に不確
実さがあり、その硬化までの養生期間を必要とすること
もあるなど、必ずしも十分なものとなっていない。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、路面排水
を上面から浸透通水によって集水するようにした門型側
溝を予め先行して底面を必要な勾配に仕上げた下部に載
置して箱型断面に組み合わせ、接合部の目地を充填して
道路排水溝を構築することによって、上面が蓋われた状
態で路面排水を集水する機能と必要な排水勾配を確保
し、蓋版によるガタツキ音や転落人身事故のおそれがな
く、さらに滞留水が生じにくく、なおまた適宜に底面を
地下浸透構造とすることも可能ならしめ、且つ構造的に
釣合のとれた迅速な施工が可能なプレキャストコンクリ
ート側溝を得ることを目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、底面の勾配
を自在に現場施工するためにそのコンクリート打設厚さ
の文化に対応し、且つ両側壁との十分な係合に必要な最
小限の立上りを両側に有するプレキャストコンクリート
底部フレームを布設し、フレーム内にコンクリートを打
設して必要な排水勾配に底部を先行施工したのち、フレ
ームとの係合部を有する両側壁が浸透通水性をもった頂
版と一体となっている門型のプレキャストコンクリート
上部ユニットを先行して施工された底部に組み合わせ載
置して箱型断面の道路排水側溝を形成するものである
が、底部フレームと上部ユニットの係合部分はパッキン
を介在させ底部フレームの垂直ボールトと上部ユニット
外側からの水平ボールトによって、上下および水平方向
の施工誤差の吸収と相互の固定を行い、門型ユニットを
底部フレームが突張材として外圧に対して内側から支持
する構造とし、継目にモルタル目地を施して道路側溝を
得るものである。なお、門型ユニットの頂版の浸透通水
部分のコンクリートは、例えば骨材粒度の範囲を限定
し、それをセメントペーストで接合し、連続性空隙を形
成した空隙率１５ないし２５％程度のコンクリートとし
て強度と浸透通水能力を両立させるものである。

【０００６】

【作用】この発明は、上記の手段を講じたので底部フレ
ームの布設とインバートコンクリートの打設は、上方が
開放された状態で必要な排水勾配に容易に施工出来る。
続いて門型ユニットを組み合わせ載置して箱型断面が構
成されるのであるが、相互の係合部分に若干のあそびを
設けて底部フレームの垂直ボールトとモルタルとで施工
に伴う上下左右のブレやプレキャストコンクリートの寸
法誤差を吸収したのち、門型ユニット外側からの水平ボ
ールトで固定して所定の位置に設置される。しかるの
ち、連続する門型ユニットの継目にモルタルで縦目地を
充填し、また必要に応じ底部フレームと門型ユニットと
の係合間隙に側壁外側からモルタルを流し込み施工が完
了する。この場合門型ユニットを底部フレームが突張材
として支持して相互の固定が完成しているので、インバ
ートコンクリート、間隙モルタルおよび目地モルタルの
養生硬化を待たずに直ちに両側土の埋戻し転圧を行うこ
とも出来る。このようにして得られた道路側溝は、上面
が浸透通水性となっているので、路面から直ちに吸収浸
透によって集水し、上面の通行に支障がなくガタツキ音
が生じないものとなり、さらにインバートの仕上がりが
最適排水勾配となっているので、十分な掃流力が確保出
来て滞留沈澱の生じにくい衛生的な排水溝を得ることが
出来る。

【０００７】

【実施例】以下図面に示す実施例についてさらに詳細に
説明する。

【０００８】図１に示すように（１）は門型ユニット、
（２）は底部フレームである。基礎材（３）の上に底部
フレーム（２）を達続布設し、切込砕石等の中詰材
（４）を詰めてからインバートコンクリート（５）を打
ち、必要な排水勾配に仕上げる。この場合、中詰材
（４）を省略してインバートコンクリート（５）の一部
としたり、またインバートコンクリートの一部を透水性
コンクリートか切込砕石（６）仕上げとして地下浸透を
可能とすることも出来る。そして図２に示すとおり、底
部フレーム（２）には門型ユニット（１）との係合部
（１１）がインバートコンクリートの厚みの可変範囲に
対応して立ち上がっており、目地溝（１３）にモルタル
にて縦目地（２３）充填されインサート（１５）に垂直
ボルト（１９）がセットされる。

【０００９】このように先行して施工された下部フレー
ム（２）の上に、図３に示すように両側壁（７）、
（７）が浸透部（９）を有する頂版（８）と一体となっ
ている門型ユニット（１）を組み合わせて載置し箱型断
面の排水側溝とするのであるが、側壁（７）は底部フレ
ーム（２）との係合部（１０）目地溝（１２）を有し、
両外側に水平ボルト用のインサート（１４）と適宜の間
隔にモルタル注入口（１６）が設けられ、係合部（１
０）にはスポンジパッキン（１７）が付いている。ま
た、この実施例では頂版端面に上面からの集水を補助す
るための補助集水口を形成する切込（１８）が設けられ
ている。そして側溝完成時の天端面の高さと水平位置が
正確に施工されるためには、施工誤差を相互の係合部分
で吸収する必要があるので、図４に示すように底部フレ
ーム（２）の上に若干の間隔が垂直ボールト（１９）と
モルタルによって確保され、スポンジパッキン（１７）
が圧縮状態で門型ユニット（１）を正位置に載置してか
ら側壁外部より水平ボールト（２０）によって上下およ
び水平方向を固定する。そして外側面から圧着モルタル
の目地仕上げを行う。しかるのち、モルタル注入口（１
６）から図５に示すように比較的流動性の高いモルタル
（２１）を流し込み門型ユニット（１）と底部フレーム
（２）との係合部間隔を充填する。そして門型ユニット
（１）、（１）の継目の目地溝（１２）にモルタルにて
縦目地（２２）を充填して道路排水側溝が完成する。な
お、図６に示すように底版のある底部フレーム（２’）
を用い基礎材および中詰材を省略し、地盤条件に対応し
て設置面積をより大きくとることもある。

【００１０】道路側溝は埋戻土や通行車両による側圧荷
重に十分な強さが必要であって、深い断面になるほどラ
ーメン形状の門型ユニット（１）の構造のままでは側壁
および頂版に大きな曲げモーメントが生ずることになる
が、底部フレーム（２）によって突っ張り支持された箱
型断面が構成され、各部に生ずる曲げモーメントが軽減
されるので、各部の厚さ配筋とも最小限に節約して無駄
のない経済的な構造を得ることが出来る。

【００１１】

【発明の効果】この発明はかかる構成によるので、道路
面の排出水を直ちに上面から吸収浸透によって集水し、
必要な流速をもって掃流力のある流下排水が可能な箱型
断面の排水溝を容易に得ることが出来、さらに施工後直
ちに側土の埋戻しと転圧を行うことが可能で、完成後の
ガタツキ騒音や転落の危険がなく滞留水による不衛生の
生じない道路側溝を安価に構築出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】道路側溝の施工状態を示す一部切欠斜面図であ
る。

【図２】底部フレームの斜面図である。

【図３】門型ユニットの斜面図である。

【図４】底部フレームと門型ユニットとの組み合せ部分
のボールトによる固定状態を示す拡大断面図である。

【図５】底部フレームと門型ユニットとの組み合せ部分
のモルタル注入口からの充填状態を示す拡大断面図であ
る。

【図６】底版のある底部フレームの斜面図である。

【符号の説明】

１門型ユニット２底部フレーム２’底版のある底部フレーム３基礎材４中詰材５インバートコンクリート６切込砕石７側壁８頂版９浸透部１０、１１係合部１２、１３目地溝１４、１５インサート１６モルタル注入口１７パッキン１８切込１９、２０ボールト２１モルタル２２、２３縦目地

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】底部フレーム（２）と門型ユニット
（１）とを組み合わせて構築する浸透集水性のある上面
と自在勾配の底面とを有するプレキャストコンクリート
道路側溝。
【請求項２】底部フレーム（２）に門型ユニット
（１）を組み合わせ載置して、係合部に設けたあそび
と垂直ボルト（１９）とによって施工誤差を吸収し、側
壁外部から水平ボルト（２０）によって固定する請求項
１記載のプレキャストコンクリート道路側溝。
【請求項３】底面を切込砕石（６）または透水性コン
クリート仕上とし、排水の一部地下浸透を可能とする請
求項１記載のプレキャストコンクリート道路側溝。
【請求項４】底版のある底部フレーム（２’）を用
い、基礎材（３）及び中詰材（４）を省略する請求項１
記載のプレキャストコンクリート道路側溝。