JPH06298972A - 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製造方法 - Google Patents

農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製造方法

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JPH06298972A
JPH06298972A JP8738393A JP8738393A JPH06298972A JP H06298972 A JPH06298972 A JP H06298972A JP 8738393 A JP8738393 A JP 8738393A JP 8738393 A JP8738393 A JP 8738393A JP H06298972 A JPH06298972 A JP H06298972A
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JP
Japan
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film
vinyl chloride
water
resin film
average particle
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JP8738393A
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Takemoto Nakai
壯元 中井
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Mitsubishi Kasei Vinyl Co
Original Assignee
Mitsubishi Kasei Vinyl Co
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 折ジワによる破れの少ない農業用塩化ビニル
系樹脂フイルムの提供 【構成】 軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製造時にお
いて、該フイルムをロール状に巻き取る前に、フイルム
の少なくとも片面に、平均粒子径が5nm以上100n
m未満の無機微粒子[A]と、常温で非粘着性の水溶性
ポリマー、あるいは水溶性オリゴマー[B]の混合物を
含有する水分散液を、平均径10〜100μmの液滴と
して噴霧することにより付着させた後、乾燥することを
特徴とする、農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製
造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、農業用軟質塩化ビニル
系樹脂フイルムの製造方法に関するものである。更に詳
しくは、折ジワに起因するフイルムの破れが生じ難い農
業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ハウス又はトンネル内で、有用植
物を促成栽培する、いわゆる施設園芸が広く行われ、生
鮮野菜、果物、花卉等の安定供給に活用されてきた。こ
のような施設園芸を行うハウス又はトンネルを被覆する
資材として耐候性、透明性、保温性及び強度等が優れて
いるとの理由で塩化ビニル系樹脂フイルムが多用されて
いる。
【0003】有用植物を栽培するためのハウスにフイル
ムを展張するには、まず接着加工場で、通常幅100c
m〜400cmの長尺のフイルムを、切断し、ハウスの
形状、大きさに合わせて接着加工を行う。こうして接着
加工したものは、折り畳み、場合によっては絞り機を使
用して絞りこんで持ち運び可能な大きさとし、保管され
たのち、農家に届けられる。農家では、ハウスに展張さ
れるまで、折り畳んだままの状態で保管される。フイル
ムは軟質であっても、折り畳んだとき折ジワが生じ、使
用時フィルムを拡げてハウスに被覆する際に、折ジワに
起因する破れが生じる。この折ジワに起因するフィルム
の破れは、低温期に多いが、保管期間が長い程、又、保
管時荷重が大きい程頻発する。
【0004】そのため、折ジワによる破れを防止するた
め、可塑剤の配合量を増すことが試みられた。しかし、
折ジワは改良できるものの、フイルム表面がべたつくと
いう新たな問題が生じるので望ましくない。また、接着
加工時にでんぷん粉等を多量に使用することでも、折ジ
ワによる破れは若干防止することができるが、長期間保
管された状態ではでんぷん粉等がフイルム表面にくいこ
み、フイルムの表面平滑性が損なわれ、フイルム本来の
透明性が低下するという欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を克服すべくなされたものであり、可塑剤の増量やで
んぷん粉等を多量使用することなくフイルムの折ジワに
よる破れが改良でき、かつ、フイルム本来の性能が保た
れる農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの加工方法を
提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製造
時において、該フイルムをロール状に巻き取る前に、フ
イルムの少なくとも片面に、平均粒子径が5nm以上1
00nm未満の無機微粒子[A]と、常温で非粘着性の
水溶性ポリマー、あるいは水溶性オリゴマー[B]の混
合物を含有する水分散液を、平均径10〜100μmの
液滴として噴霧することにより付着させた後、乾燥する
ことを特徴とする、農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイル
ムの製造方法に存する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、塩化ビニル系樹脂として、ポリ塩化ビニルのほ
か塩化ビニルを主体とした他のコモノマーとの共重合
体、これらの混合物またはこれらと他の重合体あるいは
共重合体との混合物を用いることができる。本発明の軟
質塩化ビニル系樹脂フイルムは、塩化ビニル系樹脂10
0重量部当り30〜100重量部の可塑剤を含むもので
あるが、他に必要に応じて通常、農業用フイルムに配合
される各種樹脂添加剤、例えば無滴剤、滑剤、防霧剤、
保温剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、染料、
顔料等を配合することができ、これらの添加剤は通常の
配合量、例えば塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、10重量部以下で使用することができる。
【0008】なお、塩化ビニル系樹脂に可塑剤、各種樹
脂添加剤を混合するには通常の混合技術、例えばリボン
ブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーそ
の他、従来から知られている混合機を使用すれば良く、
塩化ビニル系樹脂混合物をフイルム化するにはTダイ
法、インフレーション法等の押出成形法、カレンダー成
形法、流延法等の技術を用いることができる。更に、フ
イルムの表面をグラビアコート法、リバースコート法等
によってアクリル樹脂等で被覆してもよい。
【0009】本発明において用いる無機微粒子として
は、酸化珪素、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウ
ム、水酸化鉄、酸化チタン、硫酸バリウム等が挙げられ
るが、これらは単独で用いても、2種以上併用しても良
い。無機微粒子は、平均粒子径が5nm以上100nm
未満である必要がある。平均粒子径が100nm以上で
は、理由は定かでないが折ジワによる破れ改良効果が十
分でなくなる。また、平均粒子径が5nmに満たない
と、噴霧する際、液滴径が制御しにくくなるので好まし
くない。
【0010】次に、水溶性ポリマー、あるいは水溶性オ
リゴマーとしては、従来公知のものを使用すれば良く、
ポリビニルアルコール、エーテル結合を主体とした非イ
オン性ポリマー類、例えば、ポリエチレンオキサイド、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース、アルキルセルロース、カルボキシメチルでんぷ
ん、ジアルデヒドでんぷん等、の水溶性ポリマーや、ポ
リアクリル酸ナトリウム、ポリスチレンスルホン酸塩、
デキストリン類等の水溶性オリゴマーが挙げられる。
【0011】これら水溶性ポリマー、あるいは水溶性オ
リゴマーは単独で用いても、2種以上を併用してもよ
い。又、無機微粒子[A]と、水溶性ポリマー、あるい
は水溶性オリゴマー[B]の付着割合は、重量比で1対
10から10対1、好ましくは3対7から7対3とする
がよい。無機微粒子の割合が1対10より少ないと、折
ジワによる破れ改良効果が十分でなく、又、10対1よ
り多いと、ハウス展張後付着物が雨水等により除去しに
くくなり、フイルムの透明性が劣る。
【0012】無機微粒子[A]と、水溶性ポリマー、あ
るいは水溶性オリゴマー[B]の混合物の付着量は、フ
イルムの単位面積当り0.01〜0.2g/m2 とする
のがよい。0.01g/m2 より少量では折ジワによる
破れ改良効果が劣り、又、0.2g/m2 より多いとフ
イルム表面上に部分的な凝集堆積が起こり、平滑性が損
なわれる恐れがある。
【0013】更に、上記混合物には必要に応じて、少量
の消泡剤、界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、増粘剤、顔料、防かび剤、防藻剤等の公知の
添加剤を混合することができる。フイルムの少なくとも
片面に、上記混合物を付着させるのはフイルムをロール
状に巻き取る前とする。付着方法としては、無機微粒子
[A]と、水溶性ポリマー、あるいは水溶性オリゴマー
[B]を水に分散させ、水分散液を作成し、これを回転
ドラム、2流体ノズル等通常の噴霧装置によって液滴化
して、フイルムに付着させ、自然乾燥又は熱風あるいは
赤外線照射による強制乾燥法により乾燥させる方法を用
いる。水分散液に、塩化ビニル系樹脂フイルムに対する
はじき改良のため、例えばアルコール等の有機溶剤を加
えても良い。噴霧する液滴の平均径は10〜100μm
とする必要がある。液滴の平均径が10μmよりも小さ
いと、フイルムに対する弾性反発によって、フイルム表
面に付着しにくい。又、100μmよりも大きいと、同
一の付着量でも、フイルム表面に局所的に付着するため
に乾燥後付着ムラができ、フイルム表面の平滑性が損な
われる恐れがある。
【0014】フイルム表面に上記混合物を付着させた後
は、フイルムを従来公知のフイルム巻き取り方式、例え
ばセンターワインダー、サーフェスワインダー等によっ
て巻き取り、ロール状の製品とする。また、フイルムの
厚さは、強度、生産コスト等を考慮し、0.03〜0.
5mm、好ましくは0.05〜0.3mmの範囲にする
のが良い。
【0015】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例
に限定されるものではない。
【0016】
【実施例】
実施例1〜3 比較例1〜6 (1)軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製造 ポリ塩化ビニル(重合度=1300)100重量部、ジ
−2−エチルヘキシルフタレート40重量部、トリクレ
ジルホスフェイト5重量部、エポキシ樹脂2重量部、B
a−Zn系液状安定剤2重量部、Ba−Zn系粉末安定
剤2重量部、ソルビタンモノパルミテート2重量部、を
基本組成とし、これらをスーパーミキサーで10分間撹
拌混合したのち、170℃に加温したロール上で混練
し、L型カレンダー装置によって、幅100cm、厚さ
0.05mmの軟質塩化ビニル系樹脂フイルムを製造し
た。
【0017】更に、カレンダーロールから出た後のフイ
ルムをクーリングロールに接触させて、フイルムを50
℃以下に冷却した。次に表−1に示したように、種々の
無機微粒子[A]と、水溶性ポリマー、あるいは水溶性
オリゴマー[B]を、[A]と[B]の重量比が5対5
になるように秤量し、水を加えて撹拌混合し、[A]
と、[B]の合計濃度が5重量%となる水分散液を調整
した。更に、この水分散液を、該フイルムの両面に、2
流体ノズル(いけうち(株)製、AKI JET)を用
いて液滴の粒子径が所定の大きさになるようにエアー
圧、液背圧を調整し、乾燥後の付着量が0.05〜0.
3g/m2 となるように散布した。液滴の粒子径はレー
ザー光散乱方式の粒度分布測定装置(東日コンプュータ
アプリケーションズ(株)製、LDSA−1300A)
で測定した。散布後、乾燥ゾーンで自然乾燥又は強制乾
燥し、サーフェスワインダーでロール状に巻取った。
(但し、比較例5においては、でんぷん粉水分散液を散
布し、比較例6においては全く散布しなかった)
【0018】(2)折ジワによる破れの評価 (1)においてロール状に巻き取った9種のフイルムか
ら200mm×50mmの大きさの試験用フイルムを裁
断し、長い方の辺の中央に沿ってふたつに折り曲げ、折
り曲げた状態で、200mm×200mmの大きさの2
枚のメラミン板の間に挟んだ。各試料フィルムを40
℃、90%相対湿度の恒温室内において、メラミン板に
50kgの荷重を負荷した状態で、一週間放置した。
【0019】ついで荷重をとり、メラミン板の間からと
りだし、折り曲げたままの各試料フイルムを、−10℃
の恒温室内に一昼夜放置した。ついで、−10℃の恒温
室内でこれら試料フイルムの短い方の辺の両端を持っ
て、勢いよく拡げ、折り目付近の破れ程度を観察した。
なお、表−1に示した評価結果は次の意味を有する。 ○・・・破れなし △・・・破れ若干あり ×・・・破れ著しくあり
【0020】(3)表面平滑性の評価 (2)の評価を行った後、そのフイルムを水洗いし、フ
イルムの表面を肉眼で観察した。なお、表−1に示した
評価結果は次の意味を有する。 ○・・・表面は極めて平滑である。 △・・・表面に若干の凹凸が認められる。 ×・・・表面にかなりの凹凸が認められる。
【0021】(4)流水後の透明性の評価 ロール状物から40cm角のフイルムを切り取り、これ
を図1に示す天井が30°の傾斜角を有する、温水の入
った水槽の天井部に展張して水槽を密閉した。この水槽
全体を恒温室中に入れ、温水を40℃に保持し、恒温室
温度(水槽の外気温度)を20℃に保持して6時間処理
した。次いでフイルムの表裏を逆にして再び水槽を密閉
し、同一条件で6時間処理した。処理終了後、フイルム
をはずして乾燥させ、フイルムの透明性を目視で判定し
た。なお、表−1に示した評価結果は次の意味を有す
る。 ○・・・透明性良好 △・・・透明性若干劣る ×・・・透明性劣る
【0022】
【表1】
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、フイルム製造時に、折
ジワによる破れ防止のための表面処理が可能となり、フ
イルム本来の性能も保持できる、極めて品質の安定した
農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例中の付着物の流出性の評価において使用
した水槽の概念図である。
【符号の説明】
1 水槽 2 温水の水面位置 3 未処理フイルム 4 評価サンプルフイルム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製造時
    において、該フイルムをロール状に巻き取る前に、フイ
    ルムの少なくとも片面に、平均粒子径が5nm以上10
    0nm未満の無機微粒子[A]と、常温で非粘着性の水
    溶性ポリマー、あるいは水溶性オリゴマー[B]の混合
    物を含有する水分散液を、平均径10〜100μmの液
    滴として噴霧することにより付着させた後、乾燥するこ
    とを特徴とする、農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルム
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 無機微粒子[A]と、水溶性ポリマー、
    あるいは水溶性オリゴマー[B]との混合物が、フイル
    ム単位面積当り、0.01〜0.2g/m2付着されて
    なる、請求項1記載の農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイ
    ルムの製造方法。
JP8738393A 1993-04-14 1993-04-14 農業用軟質塩化ビニル系樹脂フイルムの製造方法 Pending JPH06298972A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016114565A (ja) * 2014-12-17 2016-06-23 アイデイシー株式会社 ビニルレザーの耐アルコール性能試験法

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