JPH06298867A - ブタジエン重合体の製造方法 - Google Patents

ブタジエン重合体の製造方法

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JPH06298867A
JPH06298867A JP11398293A JP11398293A JPH06298867A JP H06298867 A JPH06298867 A JP H06298867A JP 11398293 A JP11398293 A JP 11398293A JP 11398293 A JP11398293 A JP 11398293A JP H06298867 A JPH06298867 A JP H06298867A
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butadiene
cobalt
phosphine
compound
tri
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JP11398293A
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Kohei Goto
幸平 後藤
Nobuyuki Sakabe
延行 坂部
Masahiro Shibata
昌宏 柴田
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Publication date
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  • Transition And Organic Metals Composition Catalysts For Addition Polymerization (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 特定の触媒系を用いることにより、炭化水素
溶媒においても高活性で重合し、得られる重合体が高ビ
ニル結合含量で、かつ結晶性であり、しかも重合体の結
晶化度(融点)を制御することが可能なブタジエン系重
合体の製造方法を提供する。 【構成】 1,3−ブタジエンを少なくとも50モル%
以上含有する共役ジエンを、(A)コバルト化合物、
(B)有機アルミニウム化合物、(C)水、(D)ハロ
ゲン化ホウ素、および(E)ホスフィン化合物を含有す
る触媒を用い、不活性有機溶媒中または溶媒の非存在下
で重合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ブタジエン系重合体の
製造方法に関し、さらに詳細にはビニル結合含量が高
く、かつ得られる結晶性重合体の融点を制御することが
可能な新規な触媒系を用いたブタジエン系重合体の製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】1,3−ブタジエンを主成分とするブタ
ジエン系重合体の構造は、触媒系に大きく左右される。
例えば、遷移金属化合物とアルキルアルミニウムからな
る触媒系では、シスあるいはトランスの1,4−ポリブ
タジエンが得られることが知られている。また、CoB
2 (PPh3 2 、トリアルキルアルミニウムおよび
水からなる触媒系からは、シンジオタクチック1,2−
ポリブタジエンが得られることが知られている(特公昭
44−32425号公報)。また、コバルト化合物、ホ
スフィン化合物、トリアルキルアルミニウム、周期律表
第III金属のハロゲン化物のエーテル、フェノールな
らびに酢酸コンプレックスからなる触媒系も結晶性1,
2−ポリブタジエンを調製することが知られている(特
公昭46−30698号公報)。しかしながら、これら
の触媒系では、塩化メチレンに代表されるハロゲン化炭
化水素溶媒では高活性であるが、汎用的な炭化水素溶媒
には重合活性が著しく低下し、得られる重合体の融点、
分子量も十分ではないという問題がある。
【0003】これに対し、BuLiまたはCr(aca
c)3 −Al(C2 5 3 からなる触媒系から、それ
ぞれアタクチックおよびアイソタクチック1,2−ポリ
ブタジエンが得られることが知られている〔A. F. Hala
saら、J. Polym. Sci. Polym. Chem. Ed., 19, 1357 (1
981); G. Nattaら、Chem. Ind. (Millan), 41, 1163(19
59)〕。この触媒系においては、工業的生産を考えた場
合、触媒活性に問題があり実用的ではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、特定の触媒系を用い
ることにより、炭化水素溶媒においても高活性で重合
し、得られる重合体が高ビニル結合含量で、かつ結晶性
であり、しかも重合体の結晶化度(融点)を制御するこ
とが可能なブタジエン系重合体の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、1,3−ブタ
ジエンを少なくとも50モル%以上含有する共役ジエン
を、(A)コバルト化合物、(B)有機アルミニウム化
合物、(C)水、(D)ハロゲン化ホウ素、および
(E)ホスフィン化合物を含有する触媒を用い、不活性
溶媒の存在下、または非存在下で重合することを特徴と
するブタジエン系重合体の製造方法を提供するものであ
る。
【0006】本発明で用いられる1,3−ブタジエン以
外の共役ジエンとしては、1,3−ペンタジエン、高級
アルキル基で置換された1,3−ブタジエン誘導体、2
−アルキル置換−1,3−ブタジエンなどが挙げられ
る。このうち、高級アルキル基で置換された1,3−ブ
タジエン誘導体としては、1−ペンチル−1,3−ブタ
ジエン、1−ヘキシル−1,3−ブタジエン、1−ヘプ
チル−1,3−ブタジエン、1−オクチル1,3−ブタ
ジエンなどが挙げられる。
【0007】また、2−アルキル置換−1,3−ブタジ
エンの代表的なものは、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン(イソプレン)、2−エチル−1,3−ブタジエン、
2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロピル
−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエ
ン、2−イソブチル−1,3−ブタジエン、2−アミル
−1,3−ブタジエン、2−イソアミル−1,3−ブタ
ジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2−シク
ロヘキシル−1,3ブタジエン、2−イソヘキシル−
1,3−ブタジエン、2−ヘプチル−1,3−ブタジエ
ン、2−イソヘプチル−1,3−ブタジエン、2−オク
チル−1,3−ブタジエン、2−イソオクチル−1,3
−ブタジエンなどが挙げられる。
【0008】これらの共役ジエンのなかで、1,3−ブ
タジエンと混合して用いられる好ましい共役ジエンとし
ては、イソプレン、1,3−ペンタジエンが挙げられ
る。重合に供される単量体成分中の1,3−ブタジエン
の含有量は50モル%以上、好ましくは70モル%以上
であり、50モル%未満ではブタジエン系重合体中のビ
ニル結合含量の制御が困難となり好ましくない。
【0009】本発明で使用される(A)コバルト化合物
としては、有機基を含むコバルト化合物を挙げることが
できる。具体的には、コバルトの有機酸塩や錯体があ
る。コバルトの有機酸塩としては、有機溶媒への溶解性
の面から、好ましくは炭素数4以上のコバルトの有機酸
塩である。具体的な有機酸塩としては、酪酸塩、ヘキサ
ン酸塩、ヘプチル酸塩、2−エチル−ヘキシル酸などの
オクチル酸塩、デカン酸塩やステアリン酸、オレイン
酸、エルカ酸などの高級脂肪酸塩、安息香酸塩、トリル
酸塩、キシリル酸塩、エチル安息香酸などのアルキル、
アラルキル、アリル置換安息香酸酸塩やナフトエ酸塩、
アルキル、アラルキルもしくはアリル置換ナフト酸塩を
挙げることができる。これらのうち、2−エチルヘキシ
ル酸のいわゆるオクチル酸塩やステアリン酸塩、安息香
酸塩が有機溶媒への優れた溶解性のために好ましい。
【0010】コバルトの錯体としては、配位子にアセチ
ルアセトン、アセト酢酸エステル、ホスフィン、カルボ
ニル、イソニトリル、ピリジンなどの含窒素化合物、サ
リチルアルデヒド、ジオキシム、ビニル化合物、シクロ
ペンタジエニル、π−アリル化合物、およびこれらの誘
導体を配位した化合物を挙げることができる。具体的に
は、塩化コバルト、臭化コバルト、ヨウ化コバルトなど
のハロゲン化コバルトのピリジン錯体、トリスアセチル
アセトナートコバルト、コバルトアセト酢酸エステル錯
体、コバルトカルボニル、コバルトビストリフェニルホ
スフィンジクロリド、コバルトビストリフェニルホスフ
ィンジブロミド、コバルトトリストリフェニルホスフィ
ンクロリド、コバルトトリストリフェニルホスフィンブ
ロミド、π−シクロオクテニル−π−1,5−シクロオ
クタジエンコバルトなどを挙げることができる。これら
のコバルト化合物のうち、有機酸塩、アセチルアセトン
錯体、ピリジン錯体、ホスフィン錯体は重合溶媒に対し
て優れた可溶性のため、重合活性が高く分子特性が制御
できるため好ましい。
【0011】本発明で使用される(B)有機アルミニウ
ム化合物成分としては、トリメチルアルミニウム、トリ
エチルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、
トリイソブチルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニ
ウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリn−オクチ
ルアルミニウム、トリフェニルアルミニウムなどのトリ
アリルアルミニウム、トリアルキルアルミニウム、ジメ
チルアルミニウムクロリド、ジメチルアルミニウムセス
キクロリド、メチルアルミニウムジクロリド、ジエチル
アルミニウムクロリド、エチルアルミニウムセスキクロ
リド、エチルアルミニウムジクロリド、ジ−n−プロピ
ルアルミニウムクロリド、ジ−n−ブチルアルミニウム
クロリド、ジイソブチルアルミニウムクロリド、臭化ジ
エチルアルミニウム、ヨウ化ジエチルアルミニウム、ジ
イソブチルアルミニウムヒドリド、ジエチルアルミニウ
ムヒドリド、ジエチルアルミニウムエトキシドが挙げら
れる。これらの有機アルミニウム化合物のうち、トリア
ルキルアルミニウムが重合活性、分子特性制御の点から
好ましい。
【0012】本発明で使用される(D)成分のハロゲン
化ホウ素としては、ハロゲン化ホウ素またはその錯塩で
ある。ハロゲン化ホウ素としては、三フッ化ホウ素、三
塩化ホウ素、三臭化ホウ素、三ヨウ化ホウ素がある。そ
の錯塩としては、上記のハロゲン化ホウ素のドナー成分
として、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジブチ
ルエーテル、テトロヒドロフラン(THF)などのエー
テル類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、
イソプロパノ−ル、n−ブタノール、sec−ブチルア
ルコール、t−ブチルアルコールなどのアルコール類;
フェノール、クレゾール、t−ブチルフェノールなどの
フェノール類;ギ酸、酢酸、プロピオン酸、安息香酸、
ナフトエ酸などのカルボン酸類;ギ酸メチル、ギ酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸エチル、安息香酸メチル、安息香
酸エチル、ナフトエ酸メチル、ナフトエ酸エチルなどの
エステル類;ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノ
エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ト
リエタノールアミン、ベンジルアミン、N,N−ジメチ
ルアニリン、ピリジン、2−メチルピリジン、アニリ
ン、ピペラジン、メチルピペリジンなどのアミン類;ア
セトニトリル、シアノトルエンなどのニトリル類;フェ
ニルアセトアミド、N−メチルフェニルアロトアミドな
どの酸アミド類などが挙げられる。これらのハロゲン化
ホウ素のうち、三フッ化ホウ素の錯塩が好ましく、錯塩
としてジエチルエーテル、ジブチルエーテル、THFな
どのエーテル類、エタノール、n−ブタノールなどのア
ルコール類、ピペラジンなどのアミン類が重合活性や分
子特性制御の点から好ましい。
【0013】また、本発明の触媒のうち、(E)ホスフ
ィン化合物は重合触媒の活性化、ビニル構造および結晶
性の制御に必須の成分であり、一般式(I)で表される
有機リン化合物である。
【0014】
【化1】
【0015】(E)ホスフィン化合物の具体例として
は、トリ−(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリ−
(3−エチルフェニル)ホスフェン、トリ−(3,5−
ジメチルフェニル)ホスフィン、トリ−(3,4−ジメ
チルフェニル)ホスフィン、トリ−(3−イソプロピル
フェニル)ホスフィン、トリ−(3−t−ブチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ−(3,5−ジエチルフェニル)
ホスフィン、トリ−(3−メチル−5−エチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ(3−フェニルフェニル)ホスフ
ィン、トリ−(3,4,5−トリメチルフェニル)ホス
フィン、トリ−(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェ
ニル)ホスフィン、トリ−(4−エトキシ−3,5−ジ
エチルフェニル)ホスフィン、トリ−(4−ブトキシ−
3,5−ジブチルフェニル)ホスフィン、トリ(4−メ
トキシフェニルホスフィン)、トリシクロヘキシルホス
フィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリベ
ンジルホスフィン、トリ(4−メチルフェニルホスフィ
ン)、トリ(4−エチルフェニルホスフィン)、トリ
(4−クロロフェニル)ホスフィンなどを使用すること
ができる。これらのうち、特に好ましいものとしては、
トリフェニルホスフィン、トリ−(3−メチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ−(4−メトキシ−3,5−ジメ
チルフェニル)ホスフィンなどが挙げられる。
【0016】本発明において使用される触媒の使用量
は、共役ジエン1モルあたり、(A)コバルト化合物
は、コバルト原子換算で0.001〜1ミリモル、好ま
しくは0.01〜0.5ミリモル程度である。また、
(B)有機アルミニウム化合物の使用量は、(A)成分
のコバルト原子に対するアルミニウム原子の比、Al/
Co比として、通常1〜1000、好ましくは、5〜5
00である。また、(C)の水の使用量は、(B)成分
の有機アルミニウムのアルミニウム原子に対する水の当
量比、H2 O/Al比として、通常0.1〜2.0、好
ましくは0.25〜1.50モルである。また、(D)
ハロゲン化ホウ素の使用量は、(B)成分のアルミニウ
ム原子に対するホウ素(B)原子の比、B/Al比とし
て、通常0.01〜1、好ましくは0.05〜1であ
る。さらに、(E)ホスフィン化合物の使用量は、
(A)成分のコバルト原子に対するリン(P)原子の
比、P/Co比として、通常0.1〜10、好ましくは
0.3〜5である。
【0017】本発明に使用される触媒は、触媒各成分を
任意の順序で不活性有機溶媒中で混合することによって
調製される。好ましくは、(B)成分の有機アルミニウ
ムと(C)成分の水が連続の順序、例えば(B)→
(C)、(C)→(B)の順序となる触媒の調製添加方
法が好ましい。なお、触媒は、これを本発明の1,3−
ブタジエンを主成分とする共役ジエンに接触させる前に
あらかじめ各成分を混合して調製しておいてもよく、ま
た重合反応器中で該共役ジエンの存在下で各成分を混合
して調製することもできる。
【0018】本発明では、1,3−ブタジエンを主体と
する共役ジエンを、前記触媒、すなわち(A)〜(E)
成分を主成分とする触媒を用い、不活性有機溶媒中で重
合する。重合溶媒として用いられる不活性有機溶媒とし
ては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クメン
などの芳香族炭化水素溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ブタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、シクロペン
タン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂
環族炭化水素溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩
化炭素、1,2−ジクロロエタン、トリクロルエチレ
ン、パークロルエチレン、クロルベンゼン、ブロムベン
ゼン、クロルトルエンなどのハロゲン化炭化水素溶媒、
およびこれらの混合物が挙げられる。また、本発明にお
いては、上記不活性溶媒のほか、モノマーを重合溶媒と
するバルク重合も可能である。
【0019】重合温度は、通常−50〜120℃で、好
ましくは−20〜100℃である。重合反応は、回分式
でも連続式でもよい。なお、触媒中の単量体濃度は、通
常5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%であ
る。また、重合体を製造するために、本発明の触媒およ
び重合体を失活させないために、重合系内に酸素、水あ
るいは炭酸ガスなどの失活作用のある化合物の混入を極
力なくすような配慮が必要である。重合反応が所望の段
階まで進行したら、反応混合物をアルコール、その他の
重合停止剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤な
どを添加し、次いで通常の方法に従って生成重合体を分
離、洗浄、乾燥して目的のブタジエン系重合体を得るこ
とができる。
【0020】本発明の製造方法によって得られるブタジ
エン系重合体は、ブタジエン部分のビニル結合含量が7
0%以上、好ましくは70〜99%、さらに好ましくは
80〜95%である。また、本発明によって得られるブ
タジエン系重合体は、結晶性を有し、その融点は40〜
150℃、好ましくは60〜130℃である。なお、本
発明で得られるブタジエン系重合体の分子量は、広い範
囲にわたって変化させることができるが、そのポリスチ
レン換算の数平均分子量は、通常、5,000〜1,0
00,000、好ましくは10,000〜800,00
0である。5,000未満では強度的性質に劣るために
好ましくなく、一方、1,000,000を超えると加
工性が劣り、ロールやバンバリーでの混練り時にトルク
が過大にかかったり、配合薬品やカーボンブラックなど
の補強剤の分散が不良となり、加硫物の性能が劣るなど
の問題が生起し好ましくない。
【0021】また、本発明で得られるブタジエン系重合
体は、ポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)と重量
平均分子量(Mw)との比で表される分子量分布(Mw
/Mn)を広い範囲にわたって変化させることができる
が、通常、1.5〜5.0である。1.5未満は技術的
に困難であり、一方、5.0を超えると物性が劣り、ま
た低分子量が増加し好ましくない。
【0022】本発明により得られるブタジエン系重合体
は、該重合体を単独で、または他の合成ゴムもしくは天
然ゴムとブレンドして原料ゴムとして配合し、必要なら
ばプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの
充填剤、加硫剤および加硫促進剤などの通常の加硫ゴム
配合剤を加えてゴム組成物とし、これを加硫し、機械的
特性および耐摩耗性が要求されるゴム用途、例えば、タ
イヤ、ホース、ベルト、その他の各種工業用品に用いる
ことができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下
の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は、特に断らない限り重量基準である。
また、実施例中の各種の測定は、下記の方法に拠った。
ブタジエン系重合体のビニル結合含量は、赤外吸収スペ
クトル法(モレロ法)によって求めた。ブタジエン系重
合体の融点は、DSC(示差走査熱量計)を用い、AS
TMD3418に準じて測定した。重量平均分子量およ
び数分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー(GPC)〔(株)島津製作所製、C−4A〕を用
い、40℃、テトラヒドロフランを溶媒として測定し
た。
【0024】実施例1 乾燥チッ素雰囲気下で、内容積100mlの硬質ガラス
製耐圧ビンにトルエン40g、1,3−ブタジエン10
g、水47mgを加えた。さらに、トリエチルアルミニ
ウム、三フッ化ホウ素ジエチルエーテル錯体のトルエン
溶液、続いて2−エチルヘキシル酸コバルトとトリフェ
ニルホスフェンのトルエン混合溶液を、それぞれの添加
量が1,3−ブタジエン/2−エチルヘキシル酸コバル
ト(=BD/Co)(モル比)=5,000、Al/C
o(原子比)=100、H2 O/Al(当量比)=0.
7、P/Co(原子比)=1.0、B/Al(原子比)
=0.2となるように加え、10℃で1時間重合した。
反応停止は、停止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p
−クレゾールを含む少量のメタノールを反応系に加える
ことによって行なった。次いで、多量のメタノール中に
前記反応溶液を注ぎ、重合体を析出、凝固させた。さら
に、40℃で真空乾燥し、収量を測定し、重合体収率を
求めた。得られた重合体の1,2−ビニル結合含量
(%)、融点(℃)、重量平均分子量(Mw)、数平均
分子量(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)を測定し
た。結果を表3に示す。
【0025】実施例2〜5 実施例1で使用した重合溶媒を、トルエンからそれぞれ
表1に示すn−ヘキサン、シクロヘキサン、塩化メチレ
ン、1,2−ジクロロエタンに代えた以外は、実施例1
と同様の操作を行ない、ブタジエン系重合体を得た。結
果を表3に示す。
【0026】実施例6〜8 実施例1で使用した(B)ホスフィン化合物であるトリ
フェニルホスフィンを、それぞれ表1に示すトリス(2
−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3−メチルフ
ェニル)ホスフィン、トリス(2,4−ジメチルフェニ
ル)ホスフィンに代えた以外は、実施例1と同様の操作
を行ない、ブタジエン系重合体を得た。結果を表3に示
す。
【0027】実施例9〜12 実施例1で使用した(A)コバルト化合物の2−エチル
ヘキシル酸コバルトの代わりに、それぞれ表1に示すス
テアリン酸コバルト、安息香酸コバルト、トリスアセチ
ルアセトナートコバルト、塩化コバルトピリジン錯体に
代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ない、ブタジ
エン系重合体を得た。結果を表3に示す。
【0028】実施例13〜14 実施例1で使用した(B)有機アルミニウム化合物のト
リエチルアルミニウムの代わりに、それぞれ表2に示す
トリメチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム
に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ない、ブタ
ジエン系重合体を得た。結果を表4に示す。
【0029】実施例15〜17 実施例1で使用した(D)成分の三フッ化ホウ素ジエチ
ルエーテル錯塩の代わりに、それぞれ表2に示す三フッ
化ホウ素、ジ−n−ブチルエーテル錯塩、三フッ化ホウ
素テトラヒドロフラン錯塩、三フッ化ホウ素ピペラジン
錯塩に代えた以外は、実施例1と同様の操作を行ない、
ブタジエン系重合体を得た。結果を表4に示す。
【0030】実施例18〜21 実施例1で使用した各触媒成分を表2に示す組成比に代
えた以外は、実施例1と同様の操作を行ない、ブタジエ
ン系重合体を得た。結果を表4に示す。
【0031】比較例1 実施例1で使用した触媒成分のうち、(D)成分の三フ
ッ化ホウ素を使用しないで、その他の条件は実施例1と
同様に実験を行なった。結果を表4に示す。
【0032】比較例2 実施例1で使用した触媒成分のうち、(E)成分のトリ
フェニルホスフィンを使用しないで、その他の条件は実
施例1と同様に実験を行なった。結果を表4に示す。
【0033】比較例3 実施例1で使用した触媒成分のうち、(C)成分の水を
使用しないで、その他の条件は実施例1と同様に実験を
行なった。結果を表4に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】
【発明の効果】本発明のブタジエン系重合体の製造方法
によれば、特定の触媒系を採用することによって、種々
の有機溶媒中または溶媒の非存在下で高活性の重合能を
有し、得られる重合体も高ビニル結合含量であり、かつ
結晶化度、換言すれば融点の制御が可能である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3−ブタジエンを少なくとも50モ
    ル%以上含有する共役ジエンを、(A)コバルト化合
    物、(B)有機アルミニウム化合物、(C)水、(D)
    ハロゲン化ホウ素、および(E)ホスフィン化合物を含
    有する触媒を用い、不活性溶媒の存在下、または非存在
    下で重合することを特徴とするブタジエン系重合体の製
    造方法。
JP11398293A 1993-04-16 1993-04-16 ブタジエン重合体の製造方法 Pending JPH06298867A (ja)

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JP11398293A JPH06298867A (ja) 1993-04-16 1993-04-16 ブタジエン重合体の製造方法

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