JP3473122B2 - 高ビニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

高ビニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法

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JP3473122B2 JP22082094A JP22082094A JP3473122B2 JP 3473122 B2 JP3473122 B2 JP 3473122B2 JP 22082094 A JP22082094 A JP 22082094A JP 22082094 A JP22082094 A JP 22082094A JP 3473122 B2 JP3473122 B2 JP 3473122B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高ビニル結合を有する
ブタジエン系重合体の製造方法に関し、さらに詳細には
重合活性が向上し、得られる重合体のビニル結合含量が
高く、しかも分子量の調節や融点制御が容易な、特定の
触媒系を用いた高ビニル結合を有するブタジエン系重合
体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】適度な結晶化度に制御した1,2−ポリ
ブタジエンは、結晶性に富んだ領域と非晶性部とからな
る構造を有するため、熱可塑性エラストマーとしての機
能だけでなく、分子中に化学反応性に富んだ炭素−炭素
二重結合を有しているため、従来の加硫ゴムや架橋密度
を高めた熱硬化性樹脂の機能も有する。また、この1,
2−ポリブタジエンは、優れた加工性を有することか
ら、他の樹脂や熱可塑性エラストマーの改質材、医療用
高分子材料として応用されている。
【0003】従来、これらの結晶化度の制御された1,
2−ポリブタジエンは、コバルト塩のホスフィン錯体と
トリアルキルアルミニウムと水からなる触媒(特公昭4
4−32425号公報)、コバルト化合物、トリアルキ
ルアルミニウムと水、およびトリフェニルホスフィン誘
導体からなる触媒(特公昭61−27402号公報)に
より得られている。これらの触媒系では、塩化メチレン
に代表されるハロゲン化炭化水素溶媒では高い重合活性
を示すが、汎用的な炭化水素溶媒では重合活性が低下す
るという問題がある。また、得られる重合体の分子特性
である分子量と融点の制御範囲が比較的狭く、広範囲に
分子特性が制御された重合体の製造には至っていない。
例えば、前者では高分子量の領域の製造が困難であるこ
と、後者においては高結晶化度(高融点)の重合体の製
造には特殊な配位子の使用が必須であり、これを企図す
るため重合温度を低下させて重合を行っても、重合速度
が遅くなり生産性が低下し、またその結晶化度(融点)
の上限には自ずから限界がある。
【0004】以上の問題点に鑑み、本願出願人は、すで
に炭化水素溶媒でも重合活性の高いコバルト化合物、ア
ルミノオキサン、さらに必要に応じて電子供与性化合物
からなる1,2−ポリブタジエン製造の触媒系を提案し
ている(特開平4−331213号公報)。しかしなが
ら、この触媒系で高重合性、高融点を維持するには、触
媒金属のコバルト原子に対し、助触媒のメチルアルミノ
オキサンに代表される有機アルミニウムの使用比率が高
く、アルミニウム原子あたりの重合活性が低いという問
題があり、触媒コストのみならず、脱触媒プロセスの必
要性など、経済的に不利となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の課題を背景になされたもので、特定の触媒系を用い
ることにより、助触媒成分のアルミノオキサンの使用量
を削減でき、炭化水素溶媒中においても高活性で重合
し、得られる重合体が高ビニル結合のブタジエン系重合
体を製造する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、1,3−ブタ
ジエンを少なくとも50モル%以上含有する共役ジエン
を、(A)一般式(I)で表されるコバルト化合物、お
よび(B)メチルアルミノオキサンを含有する触媒を用
いるとともに、共役ジエンと(A)コバルト化合物中の
コバルト原子のモル比(共役ジエン/Co)を5,00
0〜150,000、かつ共役ジエンと(B)メチルア
ルミノオキサン中のアルミニウム原子のモル比(共役ジ
エン/Al)を500〜4,000の範囲として、炭化
水素溶媒中で重合することを特徴とする高ビニル結合を
有するブタジエン系重合体の製造方法を提供するもので
ある。
【0007】
【化2】
【0008】〔一般式(I)中、R1 、R2 およびR3
は同一または異なり、水素原子、アルキル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基またはアリール基を示す。〕
【0009】本発明で用いられる1,3−ブタジエン以
外の共役ジエンとしては、4−アルキル置換−1,3−
ブタジエン、2−アルキル置換−1,3−ブタジエンな
どが挙げられる。このうち、4−アルキル置換−1,3
−ブタジエンとしては、1,3−ペンタジエン、1,3
−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オク
タジエン、1,3−ノナジエン、1,3−デカジエンな
どが挙げられる。
【0010】また、2−アルキル置換−1,3−ブタジ
エンの代表的なものは、2−メチル−1,3−ブタジエ
ン(イソプレン)、2−エチル−1,3−ブタジエン、
2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−イソプロピル
−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエ
ン、2−イソブチル−1,3−ブタジエン、2−アミル
−1,3−ブタジエン、2−イソアミル−1,3−ブタ
ジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2−シク
ロヘキシル−1,3−ブタジエン、2−イソヘキシル−
1,3−ブタジエン、2−ヘプチル−1,3−ブタジエ
ン、2−イソヘプチル−1,3−ブタジエン、2−オク
チル−1,3−ブタジエン、2−イソオクチル−1,3
−ブタジエンなどが挙げられる。これらの共役ジエンの
なかで、1,3−ブタジエンと混合して用いられる好ま
しい共役ジエンとしては、イソプレン、1,3−ペンタ
ジエンが挙げられる。重合に供される単量体成分中の
1,3−ブタジエンの含有量は50モル%以上、好まし
くは70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上
であり、50モル%未満では得られるブタジエン系重合
体が融点を示さず、無定形となるため好ましくない。
【0011】次に、本発明の触媒に使用される(A)コ
バルト化合物は、塩化コバルトに対し一般式(II) で表
されるホスフィン化合物を配位子に持つ錯体である。こ
の(A)コバルト化合物の使用に際しては、あらかじめ
合成したものを使用してもよいし、あるいは重合系中に
塩化コバルトとホスフィン化合物を接触させる方法で使
用してもよい。(A)成分中のホスフィン化合物を種々
選択することにより、得られるブタジエン系重合体のビ
ニル結合構造および結晶性の付与と結晶化度の制御が可
能となる。
【0012】
【化3】
【0013】〔一般式(II) 中、R1 、R2 およびR3
は同一または異なり、水素原子、アルキル基、ハロゲン
原子、アルコキシ基またはアリール基を示す。〕
【0014】一般式(II) 中、R1 、R2 およびR3
炭素数は特に限定されないが、好ましくは1〜12であ
る。ホスフィン化合物の具体例としては、トリフェニル
ホスフィン、トリス(3−メチルフェニル)ホスフィ
ン、トリス(3−エチルフェニル)ホスフィン、トリス
(4−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,5−
ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(3,4−ジメ
チルフェニル)ホスフィン、トリス(3−イソプロピル
フェニル)ホスフィン、トリス(3−t−ブチルフェニ
ル)ホスフィン、トリス(3,5−ジエチルフェニル)
ホスフィン、トリス(3−メチル−5−エチルフェニ
ル)ホスフィン)、トリス(3−フェニルフェニル)ホ
スフィン、トリス(3,4,5−トリメチルフェニル)
ホスフィン、トリス(4−メトキシ−3,5−ジメチル
フェニル)ホスフィン、トリス(4−エトキシ−3,5
−ジエチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−ブトキ
シ−3,5−ジブチルフェニル)ホスフィン、トリス
(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス(3−メ
トキシフェニルホスフィン)、トリス(4−ドデシルフ
ェニル)ホスフィン、トリス(4−エチルフェニルホス
フィン)などを使用することができる。これらのうち、
特に好ましいものとしては、トリフェニルホスフィン、
トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン、トリス(4
−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、
トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィンなどが
挙げられる。
【0015】好ましい(A)コバルト化合物の具体例と
しては、コバルトビス(トリフェニルホスフィン)ジク
ロライド、コバルトビス〔トリス(3−メチルフェニ
ル)ホスフィン〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス
(3−エチルフェニル)ホスフィン〕ジクロライド、コ
バルトビス〔トリス(4−メチルフェニル)ホスフィ
〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3,5−
メチルフェニル)ホスフィン〕ジクロライド、コバルト
ビス〔トリス(3,4−ジメチルフェニル)ホスフィ
〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3−イソプ
ロピルフェニル)ホスフィン〕ジクロライド、コバルト
ビス〔トリス(3−t−ブチルフェニル)ホスフィン〕
ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3,5−ジエチ
ルフェニル)ホスフィン〕ジクロライド、コバルトビス
〔トリス(3−メチル−5−エチルフェニル)ホスフィ
ン〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(3−フェニ
ルフェニル)ホスフィン〕ジクロライド、コバルトビス
〔トリス(3,4,5−トリメチルフェニル)ホスフィ
〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4−メトキ
シ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン〕ジクロラ
イド、コバルトビス〔トリス(4−エトキシ−3,5−
ジエチルフェニル)ホスフィン〕ジクロライド、コバル
トビス〔トリス(4−ブトキシ−3,5−ジブチルフェ
ニル)ホスフィン〕ジクロライド、コバルトビス〔トリ
ス(4−メトキシフェニル)ホスフィン〕ジクロライ
ド、コバルトビス〔トリス(3−メトキシフェニル)ホ
スフィン〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4−
ドデシルフェニル)ホスフィン〕ジクロライド、コバル
トビス〔トリス(4−エチルフェニル)ホスフィン〕
クロライドなどを使用することができる。これらのう
ち、特に好ましいものとしては、コバルトビス(トリフ
ェニルホスフィン)ジクロライド、コバルトビス〔トリ
ス(3−メチルフェニル)ホスフィン〕ジクロライド、
コバルトビス〔トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホ
スフィン〕ジクロライド、コバルトビス〔トリス(4−
メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン〕ジ
クロライドなどが挙げられる。
【0016】また、本発明に用いられる触媒のうち、
(B)メチルアルミノオキサンは、一般に市販されてい
るもの使用することができ、例えばウイトコ社などから
購入することができる。
【0017】本発明に使用される触媒において、(A)
コバルト化合物の使用量は、共役ジエンと(A)コバル
ト化合物中のコバルト原子のモル比(共役ジエン/C
o)で5,000〜150,000、好ましくは10,
000〜100,000の範囲である。共役ジエン/C
o(モル比)が、5,000未満では得られる重合体の
機械的強度が劣り、一方150,000を超えると重合
活性が低下する。また、(B)メチルアルミノオキサン
の使用量は、共役ジエンと(B)メチルアルミノオキサ
ン中のアルミニウム原子のモル比(共役ジエン/Al)
で500〜4,000、好ましく800〜2,000の
範囲である。共役ジエン/Al(モル比)が、500未
満では経済的に不利であり、一方4,000を超えると
重合活性が低下する。なお、(A)コバルト化合物のコ
バルト原子に対する(B)メチルアルミノオキサンのア
ルミニウム原子の比(Al/Co)としては、通常、5
〜300、好ましく7.5〜100程度である。Al/
Co(原子比)が、5未満では重合活性が低下し、一方
300を超えると経済的に不利である。
【0018】本発明に使用される触媒には、さらに必要
に応じてエステル化合物、アルコール化合物、フェノー
ル化合物、スルホキサイド化合物、含チッ素複素環化合
物、水、第3級アミン化合物などの重合活性剤を添加し
てもよい。この重合活性剤の添加量は、(B)成分のA
l原子に対し、10-3〜10モル当量である。
【0019】本発明に使用される触媒は、触媒各成分を
任意の順序で、不活性有機溶媒中で混合することによっ
て調製される。不活性有機溶媒としては、例えばベンゼ
ン、トルエン、キシレン、クメンなどの芳香族炭化水
素、ブタン、ブテン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環族炭化水
素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,
1−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロ
ベンゼン、p−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリク
ロロベンゼンなどの塩素化炭化水素、およびこれらの混
合物を使用することができる。なお、触媒は、これを本
発明の1,3−ブタジエンを主成分とする共役ジエンに
接触させる前にあらかじめ各成分を混合して調製してお
いてもよく、また重合反応器中で該共役ジエンの存在下
で各成分を混合して調製することもできる。
【0020】本発明では、1,3−ブタジエンを主体と
する共役ジエンを、前記触媒、すなわち(A)〜(B)
成分を主成分とする触媒を用い、炭化水素溶媒中で重合
することにより所望の分子量、融点を有する重合体を製
造する。重合溶媒として用いられる炭化水素溶媒として
は、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、クメンなど
の芳香族炭化水素、ブタン、ブテン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、シクロ
ペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサンなど
の脂環族炭化水素、およびこれらの混合物が挙げられ
る。
【0021】重合温度は、通常、−50〜120℃で、
好ましくは−20〜80℃である。重合反応は、回分式
でも、連続式でもよい。なお、溶媒中の単量体濃度は、
通常、5〜80重量%、好ましくは10〜50重量%で
ある。また、重合体を製造するために、本発明の触媒お
よび重合体を失活させないために、重合系内に酸素、水
あるいは炭酸ガスなどの失活作用のある化合物の混入を
極力なくすような配慮が必要である。重合反応が所望の
段階まで進行したら、反応混合物をアルコール、その他
の重合停止剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
などを添加し、次いで通常の方法に従って生成重合体を
分離、洗浄、乾燥して目的のブタジエン系重合体を得る
ことができる。
【0022】本発明の製造方法によって得られるブタジ
エン系重合体は、ビニル結合を有するブタジエン部分
含量(以下、単に「ビニル結合含量」ともいう)が80
%以上、好ましくは85%以上である。また、本発明で
得られるブタジエン系重合体の分子量は、広い範囲にわ
たって変化させることができるが、そのポリスチレン換
算の重量平均分子量は、通常、104 〜106 であり、
104 未満では強度的性質に劣るため好ましくなく、一
方106 を超えると加工性が劣り、ロールやバンバリー
ミキサーでの混練り時に課題のトルクがかかり、そのた
めゲル化を誘発したり、配合薬品や補強剤の分散不良の
要因となるので好ましくない。
【0023】さらに、本発明で得られるブタジエン系重
合体は、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)と
数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(M
w/Mn)は、通常、1.5〜5.0である。1.5未
満では技術的に困難であり、一方5.0を超えると低分
子量体が増加し物性が劣るので好ましくない。
【0024】本発明により得られるブタジエン系重合体
は、該重合体を、単独でまたは他の合成ゴムもしくは天
然ゴムとブレンドして原料ゴムとして配合し、必要なら
ばプロセス油で油展し、次いでカーボンブラックなどの
充填剤、加硫剤および加硫促進剤などの通常の加硫ゴム
配合剤を加えてゴム組成物とし、これを加硫し、機械的
特性および耐摩耗性が要求されるゴム用途、例えばタイ
ヤ、ホース、ベルト、スポンジ、履物素材、シート、フ
ィルム、チューブ、包装材、樹脂の改質材、感光性材
料、その他の各種工業用品に用いることができる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下
の実施例に何ら制約されるものではない。なお、実施例
中、部および%は特に断らないかぎり重量基準である。
また、実施例中の各種の測定は、下記の方法に拠った。
ブタジエン系重合体のビニル結合含量(1,2−結合含
量)は、赤外吸収スペクトル法(モレロ法)によって求
めた。ブタジエン系重合体の融点は、DSC(示差走査
熱量計)を用い、ASTMD3418に準じて測定し
た。重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)〔ウォーターズ社製、L
Cモジュール1〕を用い、40℃、テトラヒドロフラン
を溶媒として測定した。
【0026】実施例1 乾燥チッ素雰囲気中下で、内容積500mlのガラス製
オートクレーブに、1,3−ブタジエン(BD)50
g、シクロヘキサン200g、メチルアルミノオキサン
(MAO)の10%トルエン溶液、コバルトビス(トリ
フェニルホスフィン)ジクロライドの0.02モル/リ
ットル塩化メチレン溶液を、それぞれ、BD/Co(モ
ル比)=60,000、MAO中のAl/Co(原子
比)=50になるように加え、10℃で120分間重合
した。反応停止は、停止剤として2,6−ジ−t−ブチ
ル−p−クレゾールを含む少量のメタノールを反応系に
加えることによって行った。次いで、凝固剤として、
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを含む多量の
メタノールを用い、重合体を分離させた。ろ別回収後、
40℃で真空乾燥し、収量から重合体収率を求めた。結
果を表1に示す。
【0027】実施例2〜7 実施例1で使用した触媒組成を表1〜2に示す条件で、
その他は実施例1と同様にして重合を行った。結果を表
1〜2に示す。
【0028】実施例8〜12 実施例1で使用したコバルト化合物の種類、重合溶媒、
重合温度を表2に示す条件で、その他は実施例1と同様
にして重合を行った。結果を表2に示す。
【0029】比較例1〜9 実施例1で使用したコバルト化合物の種類、触媒組成を
表3〜4に示す条件で、その他は実施例1と同様にして
重合を行った。結果を表3〜4に示す。
【0030】なお、表1〜4中、(A)成分の種類は、
次のとおりである。 イ;コバルトビス(トリフェニルホスフィン)ジクロラ
イド ロ;コバルトビス〔トリス(3−メチルフェニル)ホス
フィン〕ジクロライド ハ;コバルトビス〔トリス(3,5−ジメチルフェニ
ル)ホスフィン〕ジクロライド ニ;2−エチルヘキシル酸コバルト/トリフェニルホス
フィン〔P/Co(原子比)=2.5〕 ホ;コバルトビス(トリフェニルホスフィン)ジブロマ
イド
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】
【表4】
【0033】表1〜2から明らかなように、本発明の各
実施例においては、重合活性を向上させることができ、
助触媒のメチルアルミノオキサンの使用量を削減するこ
とが可能となる。これに対し、表3〜4から明らかなよ
うに、各比較例では、重合活性が低いため、得られる重
合体中に残留する触媒成分が多くなり、物性の低下を引
き起こすことは明らかである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、触媒系として、(A)
上記一般式(I)で表されるコバルト化合物、および
(B)メチルアルミノオキサンの系を用いることによ
り、炭化水素溶媒においても高活性で重合し、高ビニル
結合含量で、分子量の調節、融点の制御も容易な高ビニ
ル結合を有するブタジエン系重合体が得られる。
フロントページの続き (72)発明者 松本 修一 東京都中央区築地二丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−194657(JP,A) 特開 平4−331213(JP,A) 特開 平6−116342(JP,A) 特開 平7−76605(JP,A) 特開 平7−33817(JP,A) 特開 平6−263818(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 4/70 C08F 36/06

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1,3−ブタジエンを少なくとも50モ
    ル%以上含有する共役ジエンを、(A)一般式(I)で
    表されるコバルト化合物、および(B)メチルアルミノ
    オキサンを含有する触媒を用いるとともに、共役ジエン
    と(A)コバルト化合物中のコバルト原子のモル比(共
    役ジエン/Co)を5,000〜150,000、かつ
    共役ジエンと(B)メチルアルミノオキサン中のアルミ
    ニウム原子のモル比(共役ジエン/Al)を500〜
    4,000の範囲として、炭化水素溶媒中で重合するこ
    とを特徴とする高ビニル結合を有するブタジエン系重合
    体の製造方法。 【化1】 〔一般式(I)中、R1 、R2 およびR3 は同一または
    異なり、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコ
    キシ基またはアリール基を示す。〕
  2. 【請求項2】 (A)コバルト化合物がコバルトビス
    (トリフェニルホスフィン)ジクロライド、コバルトビ
    ス〔トリス(3−メチルフェニル)ホスフィン〕ジクロ
    ライド、コバルトビス〔トリス(3,5−ジメチルフェ
    ニル)ホスフィン〕ジクロライドおよびコバルトビス
    〔トリス(4−メトキシ−3,5−ジメチルフェニル)
    ホスフィン〕ジクロライドの群から選ばれた少なくとも
    1種である請求項1記載の高ビニル結合を有するブタジ
    エン系重合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 ビニル結合含量が85%以上である請求
    項1または2記載の高ビニル結合を有するブタジエン系
    重合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 炭化水素溶媒がベンゼン、トルエン、キ
    シレン、クメン、ブタン、ブテン、ペンタン、ヘキサ
    ン、ヘプタン、オクタン、シクロペンタン、メチルシク
    ロペンタンおよびシクロヘキサンの群から選ばれた少な
    くとも1種である請求項1〜3いずれか1項記載の高ビ
    ニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法。
JP22082094A 1994-08-24 1994-08-24 高ビニル結合を有するブタジエン系重合体の製造方法 Expired - Lifetime JP3473122B2 (ja)

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