JPH0629484U - 風呂蓋の収納構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 非使用時の収納が容易であるとともに浴槽へ
の着脱が容易な風呂蓋の収納構造を提供すること。 【構成】 浴槽の開口部を遮蔽する風呂蓋１において、
この風呂蓋１を略長方形状の厚板からなる複数個の分割
体２の長尺縁Ｌ同士を折り畳み可能に連設して形成し、
端にある分割体２ａの両短尺縁Ｓに凹設した各スリット
５に嵌合して回転可能なスライドローラ１８と浴槽の外
壁面を圧締可能な圧締板１０とを有する浴槽取り付け部
材７を設けることにより、前記風呂蓋１を前記浴槽取り
付け部材７側に折り畳んで浴槽を開口するとともに収納
可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、風呂蓋の収納構造に関し、特に浴室において風呂蓋を取り外し、 後に収納に困らない風呂蓋の収納構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、風呂蓋としては図８（ａ）ないし（ｃ）に示すようなものがある。 通常、浴槽３２は長方形状の開口部を有し、浴槽３２の蓋３１も略長方形状に形 成されている。 図８の（ａ）に示す複数の細長い長方形状に分割した板を並べてなるものや、 同（ｂ）に示す折り畳み状に形成されたものや、同（ｃ）に示す巻き込み可能に 形成したものがある。いずれも風呂蓋３１を取り外した後に収納し易いように考 慮されてはいる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、いずれにしても比較的狭い浴室においては、嵩張ってしまい、 収納場所に困ることが多い。また、入浴前の風呂蓋３１の取り外し、収納する作 業及び入浴後の風呂蓋３１の再載置は面倒な作業であって、簡略化したい作業で あった。 また、浴室内の一部に立て掛けておいたりすると倒れて来ることもあって邪魔 である。 一方、風呂蓋３１は風呂を沸かす際や一度沸かした湯の温度を維持するために 省エネルギー上不可欠であり、どこの家庭でも使用されている。 そこで、本考案は、非使用時の収納が容易であるとともに浴槽への着脱が容易 な風呂蓋の収納構造を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案では、上記した技術的問題点を解決する手段として、浴槽の開口部を遮 蔽する風呂蓋において、この風呂蓋を略長方形状の厚板からなる複数個の分割体 の長尺縁同士を折り畳み可能に連設して形成し、端にある分割体の両短尺縁に凹 設した各スリットに嵌合して回転可能なスライドローラと浴槽の外壁面を圧締可 能な圧締板とを有する浴槽取り付け部材を設けることにより、前記風呂蓋を前記 浴槽取り付け部材側に折り畳んで浴槽を開口するとともに収納可能に構成した風 呂蓋の収納構造を創作した。

【０００５】

【作用】

上記構成としたことにより、風呂蓋は把手を持って取り付けヒンジ側に押すよ うにすることで容易に折り畳まれ、ヒンジ取り付け側に折り畳んで収納すること ができる。このため、風呂蓋取り外し後の置き場に困ることがなく、また後で倒 れて来ることもない。そして、また簡単に蓋をすることができる。 またスリットを形成したことにより浴槽の開口部の大きさに合わせて浴槽取り 付け部材の浴槽取り付け位置を変えることができる。

【０００６】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を図１ないし図６にしたがって説明する。 図２には本実施例の風呂蓋１の斜視図が示されている。風呂蓋１は全体として 浴槽３２の枠形状よりもやや大きめの略長方形状の所定の厚みの厚板に形成され ている。 図２において明らかなように、風呂蓋１は長手方向に沿って同じ大きさの３枚 の略長方形状の分割体２に分割され、各分割体２は中実状ないし外皮状に形成さ れている。また、各分割体２は隣合う長手側縁Ｌをヒンジ３によって互いに蝶設 されて折り畳み可能に連設されている。 図３に示すように分割体２ａと分割体２ｂとは各分割体２ａ，２ｂの長手側縁 Ｌが突き合わされて、その表面側にヒンジ３ａが取り付けられている。また、分 割体２ｂと分割体２ｃとの長手側縁Ｌには裏面側、すなわち先出のヒンジ３ａと は反対側にヒンジ３ｂが取り付けられている。

【０００７】 この結果、分割体２ａと分割体２ｂは谷状に折り畳まれ、分割体２ｂと分割体 ２ｃは山状に折り畳まれる。山状に折り畳まれる分割体２ｃのヒンジ３ｂの取り 付けられていない長手側縁Ｌのほぼ中央には分割体２ｃに一体状に把手４が取り 付けられている。

【０００８】 また、把手４が形成された反対側に位置する分割体２ａの両短尺側縁Ｓには細 長いスリット５が凹設されている。スリット５の長さはほぼ分割体２ａの短尺に 相当するように凹設され、特にその風呂蓋１の端側のスリットの始点は端部まで 凹設形成されている。またスリット５の断面形状は図４（ａ）に示すように略Ｃ 字状に形成され、スリット５の奥側はスリット開口部５ａよりも幅広に形成され ている。

【０００９】 この両スリット５には図２に示すようにそれぞれおおよそＬ字形状の浴槽取り 付け部材７が嵌装されている。 図４にはその取り付け部材７の嵌装状態を示す断面図及びその拡大図が示され ている。この取り付け部材７は略Ｌ字状のブラケット７ａに浴槽取り付け部８と スリット嵌合部１２とが形成されることにより構成されている。

【００１０】 ブラケット７ａの下方に垂下状部分の下端に形成された浴槽取り付け部８は偏 平状に形成され、そのほぼ中央部にネジ目が内周に螺設された孔部８ａが貫設さ れている。 この孔部８ａを介して、蝶ナットを有するネジ部材９が取り付けられる。この ネジ部材９の先端側には浴槽３２の外壁に当接されて固定可能なゴムあるいは合 成樹脂等の吸盤からなる圧締板１０が取り付けられている。 ネジ目９ａの螺設された部分の長さは、少なくとも当該浴槽取り付け部材７が 分割体２に取り付けられた際に、分割体２の端部と取り付け部８との距離よりも 長く形成され、風呂蓋１を取り付ける浴槽３２の大きさに対応できるような長さ に形成されている。 この結果、ネジ部材９に螺設されたネジ目９ａと孔部８ａの内周のネジ目とを 螺合させることにより、所望の位置に圧締板１０の位置を設定することができる 。

【００１１】 一方、ブラケット７ａのほぼ水平方向に折れ曲がった他端側は分割体２ａのス リット５に対して直角に挿入されるスリット嵌合部１２が形成されている。 この嵌合部１２の最もスリット開口部５ａに近い部分から、フランジ部１４、 スライド部１６及びボール嵌合部１９が形成されている。

【００１２】 まず、フランジ部１４は、スリット開口部５ａから抜け止めされるようにスリ ット開口部５ａより大きくスリット５内に嵌合する円盤状に形成されている。そ して、そのスリット開口部５ａ側の面には複数個のボール嵌合凹部１４ａが凹設 されている。このボール嵌合凹部１４ａには、それぞれボール１５が嵌合されて 、ボール１５が点接触でスリット開口部５ａの端縁に当接することになる。

【００１３】 さらに、このフランジ部１４の先はフランジ部１４から連続状に形成された径 の細いローラ嵌合軸１７と、スライドローラ１８とからなるスライド部１６が形 成されている。 スライドローラ１８は、嵌合部１２がスリット５内を安定してスライド可能な 厚みのリング状に形成されており、その中央の孔にはスライドローラ１８の厚み に対応する長さのローラ嵌合軸１７が挿入されている。 スライドローラ１８はローラ嵌合軸１７を連動させることなくスリット５内で 自転してブラケット７ａに対して風呂蓋１をスライド可能に形成されている。

【００１４】 このスライド部１６の先端側は、ローラ嵌合軸１７から連続状にボール嵌合部 １９が形成されている。ボール嵌合部１９は図４（ｂ）に拡大して示すように、 スライドローラ１８をローラ嵌合軸１７に固定可能に、ローラ嵌合軸１７に対し てややフランジ状に形成されており、そのスリット５の奥に当接する側には、ボ ール凹部１９ａが形成されている。

【００１５】 このボール凹部１９ａには前述のフランジ部１４のボール凹部１４ａと同様に 、所定の大きさのボール２０が嵌め込まれて点接触でスリット５の内壁に当接さ れることになる。 すなわち、ブラケット７ａに対して風呂蓋１をスライド移動させる際に、ボー ル１５、２０もそれぞれの凹部１４ａ、１９ａにおいてスリット５の内壁に当接 しつつ回転することができる。

【００１６】 次に、この風呂蓋１の使用方法について図５及び図６に従って説明する。 まず、風呂蓋１を浴槽３２の開口部を塞ぐように載置される。次に、分割体２ ａの両側に取り付けられた取り付け部材７の取り付け位置が開口部よりも外側に なるようにスリット５をスライド移動させる。そして取り付け部７のネジ部材９ の蝶ナットを操作して、それぞれ分割体２側を指向して突出する圧締板１０間の 間隔を取り付けようとする浴槽３２の枠の幅（短尺）に合わせる。 圧締板１０が浴槽３２の壁面に当接され、さらに風呂蓋１を固定可能となるよ うに壁面に向かって圧締する。この際、圧締板１０が浴槽３２の壁面に向かって 圧締されていくとともに、ブラケット７ａは分割体２ａの外側に引っ張られ、ス リット開口部５ａの端縁の内壁に当接される。しかし、フランジ部１４に嵌合さ れたボール１５がスリット開口部５の内壁に点接触で当接されているため、嵌合 部１２に対して分割体２ａはスライド可能及び回転可能に保たれる。 なお、この圧締板１０が吸盤状であるので、吸盤の働きにより特に強く圧締し なくても風呂蓋１を浴槽３２に固定することができる。

【００１７】 このように、取り付け部材７が浴槽３２の短尺側の端に固定されることにより 、風呂蓋１が浴槽３２に固定され、この結果、浴槽３２の開口部は複数の分割体 ２により開閉可能に覆われる。

【００１８】 この風呂蓋１を浴槽３２の開口部から取り除くには、図１に示すように浴槽３ ２取り付け側と反対側にある把手４を持って取り付け側に押していくことによっ て分割体２は順に山、谷に折り畳まれる。この結果、折り畳まれた３枚の分割体 ２は、浴槽３２の開口部の取り付け部材７側に寄せた状態とすることができる。 なお、把手４を持って分割体２を折り畳みできるため、風呂の沸かし過ぎによ って風呂蓋１が過熱された場合にも火傷の危険性を低減することができる。

【００１９】 さらに、この分割体２を取り付け部材７を中心として把手４側を上方に持ち上 げることにより、分割体２そのものを浴槽３２の開口部から排除することができ る。この際、分割体２は、図５の（ａ）、（ｂ）、（ｃ）に示すような態様をと ることができ、各態様の内から浴室内における浴槽３２の設置状態に合わせて選 択することができる。 すなわち、図５の（ａ）に示すように浴槽３２の壁面が直接浴室の壁面に接し ている場合は、分割体２を延ばして浴室の壁面上方に固定することができる。 また、同様に（ｂ）に示すように、取り付け側の浴室壁面とある程度の隙間が ある場合には、そのまま垂れ下がり状にすることもできる。 さらに、（ｃ）に示すように折り畳んだままの状態で、浴室の壁にもたれ掛け るようにしてもよい。

【００２０】 また、取り付け部材７に取り付けたスライドローラ１８を回転させて分割体２ ａをスライド移動させて図６に示すように浴槽３２の開口部から風呂蓋を排除す ることもできる。

【００２１】 このように、スリット５内部において嵌合部１２がスリット開口部５ａの端縁 の方向に圧締されていてもフランジ部１４に嵌合したボール１５が点接触でスリ ット開口部５ａ端縁の内壁に当接しているため、スムーズに分割体２ａを最初の 取り付け位置に対して回転あるいはスライド移動することができる。

【００２２】 また、スリット５を分割体２ａの短尺縁Ｓに沿って設けたことにより、風呂蓋 １よりも小さい浴槽３２の長尺縁に対応して風呂蓋を取り付けることができる。 すなわち、風呂蓋１の長尺縁よりも浴槽３２の長尺縁がかなり短くてもスリット ５の長さ分までの差であれば、この風呂蓋１を使用することができる。 さらに、風呂蓋１の浴槽３２への取り付けを蝶ナットを操作してネジ込み式に 圧締板１０を圧締することとしたので、浴槽３２の短尺縁方向に対しても対応可 能に形成されている。

【００２３】 なお、この風呂蓋１は浴槽３２と一体構造となっているものではないため、ネ ジ部材９を操作して圧締板１０を緩めることにより、必要あれば容易に風呂蓋１ を浴槽３２から取り外すことができる。

【００２４】 次に、本考案の第２実施例について説明する。本例の風呂蓋２１の構成は第１ 実施例とほぼ同様であるが、浴槽取り付け部材２７の浴槽取り付け部２８の構造 が異なるのみである。 図７に示すように、本例においては浴槽取り付け部２８は二股状に形成されて 、浴槽３２の壁部の内面側に当接する固定部材２８ａと、壁部の外側に固定部材 と対向状に位置されるネジ止め部材２８ｂとからなっている。 ネジ止め部材２８ｂは第１実施例の浴槽取り付け部８と同様に形成され、圧締 板３０が設けられたねじ部材２９が取り付けされている。

【００２５】 固定部材２８ａは浴槽取り付け部材２７から分岐して屈曲して形成されている 。すなわち、ネジ止め部材２８ｂの上方の風呂蓋２１の下面に一致する位置で分 岐して薄い板状に形成されている。そしてこの固定部材２８ａは、分割体２２ａ の下面に沿うようにして所定の長さ形成されるとともに、垂直下方に屈曲してネ ジ止め部材２８ｂに対向可能な長さの固定板２８ｃが形成されている。 第１実施例と同様、このような浴槽取り付け部材２７は分割体２２ａの両短尺 縁Ｓに形成されて、両側の固定部材２８ａの間隔は、浴槽３２の短尺方向の内寸 に一致して設定されており、風呂蓋２１が浴槽３２の開口部に載置された際に、 固定板２８ｃの外側面が浴槽３２の短尺側の内壁に当接可能に形成されている。

【００２６】 このように風呂蓋２１の浴槽取り付け部材２７を構成することにより、第１実 施例に示した作用に加え以下の作用を奏することができる。 浴槽３２への取り付けを固定部材２８ａとネジ止め部材２８ｂとによって壁部 を挟んで固定することにしたので、分割体２２ａのスリット２５内の嵌合部２４ に固定の際に生ずる圧締力が伝達されないので、フランジ部２４ａのボールがス リットの開口部の内壁に強く当接されない。このため、スリット嵌合部２４に対 する分割体２２ａのスライド移動や回転移動を妨げず、スムーズな風呂蓋２１の 開閉及び収納が可能となる。

【００２７】

【考案の効果】

以上述べたように本考案によれば、風呂蓋を回転可能かつスライド可能に浴槽 に取り付けることにより風呂蓋を常に浴槽の側方に折り畳んで簡単に収納可能と することができ、このため、風呂蓋の収納に困ることがなく、入浴時において風 呂蓋の収納場所に困るような事態を防ぎ、浴槽を広く使えることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】風呂蓋を取り付けた浴槽の状態を示す斜視図で
ある。

【図２】風呂蓋の拡大斜視図である。

【図３】各分割体の連設された状態を示す断面図であ
る。

【図４】浴槽取り付け部材の断面図とスリット嵌合部の
拡大断面図とを組み合わせた図である。

【図５】風呂蓋の各種収納状態を示す図である。

【図６】風呂蓋をスライド移動させて収納した状態を示
す図である。

【図７】第２実施例の浴槽取り付け部材による取り付け
状態を示す断面図である。

【図８】従来の風呂蓋の構造を示す図である。

【符号の説明】

１、２１…風呂蓋 ２ａ、２ｂ、２ｃ、２２ａ…分割体 ５、２５…スリット ７、２７…浴槽取り付け部材 １０、３０…圧締板 １８、２４…スライドローラ Ｌ…分割体の長尺縁 Ｓ…分割体の短尺縁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 浴槽の開口部を遮蔽する風呂蓋におい
   て、 この風呂蓋を略長方形状の厚板からなる複数個の分割体
   の長尺縁同士を折り畳み可能に連設して形成し、端にあ
   る分割体の両短尺縁に凹設した各スリットに嵌合して回
   転可能なスライドローラと浴槽の外壁面を圧締可能な圧
   締板とを有する浴槽取り付け部材を設けることにより、
   前記風呂蓋を前記浴槽取り付け部材側に折り畳んで浴槽
   を開口するとともに収納可能に構成した風呂蓋の収納構
   造。