JPH06294123A - 杭打作業船 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低い杭打櫓により長尺の杭の打設作業を可能
にする杭打作業船を提供すること。 【構成】 杭打櫓２の先端部に杭打リーダ４を摺動自在
に保持するガイド１１を設ける。この杭打リーダ４の下
部をキャッチフォーク９により摺動自在に保持する。こ
の杭打リーダ４の中間部に昇降用支点１２を設けて滑車
装置１３により昇降自在にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、傾倒可能な杭打櫓を有
する杭打作業船に関するもので、特に長大な杭を打設す
る杭打作業に適するものである。

【０００２】

【従来の技術】図８は、従来の杭打作業船の一例を示す
もので、図中１は杭打装置を保持する船体、２は杭打
櫓、３は杭打機、４は杭打機のリーダ、５は杭打櫓２の
傾倒装置、６は杭、７は杭打機３を吊り上げる滑車、８
は杭６をリーダ４に対して装着する為の吊り上げ滑車で
ある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかして、上述のよう
な従来の杭打作業船で、長大な杭を打設する場合、水面
に近接するまで、又は水中に達する長いリーダ４を要す
るので、通常はリーダ４を中間で継ぎ足して使用しなけ
ればならない。また、この継ぎ足しリーダは、頻繁に着
脱を行わねば水底に接触するおそれがあり、特に１８０
度旋回する旋回式杭打機においては、船体１とリーダ４
が干渉して作業の支障になるばかりでなく、櫓２および
リーダ４を後方に格納する場合に大きな支障となる。ま
た、近年空港周辺における杭打作業は、航空機の発着時
間帯における高さ制限を受けるため、この場合、作業船
全体の高さを一定の値まで低くすることが必要になって
いる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上述の問題点を解決する
ため本発明においては、杭打櫓の先端部に杭打リーダを
摺動自在に保持するガイドを設けると共に、この杭打リ
ーダの下部をキャッチフォークにより摺動自在に保持
し、この杭打リーダの中間部に昇降用支点を設けて滑車
装置により昇降自在にして杭打作業船を構成する。

【０００５】

【作用】本発明は上述のように、杭打作業船のリーダを
昇降自在にすると共に、任意の位置に停止できるように
したから、これによれば、低い杭打櫓により長尺の杭の
打設作業や、水面に近接する杭の打設、または水中の杭
の打設が連続一貫作業により可能になる。また空港付近
における地域での高さの制限される作業にも容易に対応
できるというすぐれた効果が得られる。

【０００６】

【実施例】以下、図１〜図７について本発明の実施例を
説明する。図中前記符合と同一の符合は同等のものを示
している。すなわち、図中１は杭打装置を保持する船
体、２は杭打櫓、３は杭打機、４は杭打機のリーダ、５
は杭打櫓２の傾倒装置、６は杭、７は杭打機３を吊り上
げる滑車、８は杭６をリーダ２に対して装着する為の吊
り上げ滑車、９はリーダ２の下部を支持し、杭打角度を
きめるキャッチフォーク、１０は杭打櫓２およびウイン
チ類を装備する機械室である。

【０００７】本実施例においては、杭打櫓２の先端部に
杭打リーダ４を摺動自在に保持するガイド１１を設ける
と共に、この杭打リーダ４の下部をキャッチフォーク９
により摺動自在に保持し、この杭打リーダ４の中間部に
昇降用支点１２を設けて、この支点１２に一端を接続し
た滑車装置１３により杭打リーダ４を昇降自在にする。

【０００８】図２〜図４は、杭打装置の詳細を示すもの
で、ガイド１１は軸１４によって櫓（ジブブーム）２の
先端に枢支されており、このガイド１１の案内溝１１ａ
に、杭打リーダ４と一体に形成したガイドレール４ａが
摺動自在に嵌合している。

【０００９】滑車装置１３の下部の滑車１３ａは、その
カバー１３ｂを介して、杭打リーダ４の側面に突設した
昇降用支点（ブラケット）１２にピン１３ｃで連結して
あり、滑車装置１３の索１３ｄの一端１３ｅは、櫓２の
上部に繋止（図２参照）してあり、索１３ｄの他側は、
前記滑車１３ａと櫓２の上部に設けた滑車１３ｆ，１３
ｇを介して機械室１０上に設けたウインチ１５に巻かれ
ている。

【００１０】またキャッチフォーク９は、その遊端部に
突設したブラケット９ａに、一端を繋止した索１６が櫓
２の上部に枢支された案内滑車１７，１８を介して機械
室１０上に設けたウインチ１９に巻かれている。

【００１１】図５〜図７は、本発明の杭打作業船を使用
して行う杭打作業の作業工程を示すもので、図５は杭打
リーダ４を滑車装置１３により上昇させた状態で、杭６
を吊り上げ滑車８により吊り上げた初期の状態を示すも
のである。

【００１２】また図６は、杭打機３により杭６をある程
度水底地盤中に打ち込んだ状態を示すもので、この場合
杭打リーダ４は、図５の状態より若干下降させてある。

【００１３】さらに図７は、杭打作業終了直前の状態を
示すもので、この場合杭打リーダ４は最下位にあり、杭
打リーダ４の下端部は水中に没入している。したがっ
て、この杭打櫓２の上方には突出物はなくなっている。

【００１４】

【発明の効果】本発明は上述のように、杭打作業船のリ
ーダ４を昇降自在にすると共に、任意の位置に停止でき
るようにしたから、これによれば、低い杭打櫓２により
長尺の杭６の打設作業や、水面に近接する杭の打設、ま
たは水中の杭の打設が連続一貫作業により可能になる。
また空港付近における地域での高さの制限される作業に
もリーダ４を下降させることにより容易に対応できると
いうすぐれた効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明杭打作業船の立面図である。

【図２】図１の杭打櫓部の詳細図である。

【図３】図２の杭打リーダの部分図である。

【図４】図３のＡ−Ａ断面図である。

【図５】本発明杭打作業船の初期の作業工程説明図であ
る。

【図６】本発明杭打作業船の中期の作業工程説明図であ
る。

【図７】本発明杭打作業船の終期の作業工程説明図であ
る。

【図８】従来の杭打作業船の一例を示す立面図である。

【符号の説明】

１ 船体 ２ 杭打櫓 ３ 杭打機 ４ 杭打リーダ（リーダ） ５ 傾倒装置 ６ 杭 ７ 杭打機を吊り上げる滑車 ８ 杭の吊り上げ滑車 ９ キャッチフォーク １０ 機械室 １１ ガイド １２ 昇降用支点 １３ 滑車装置 １４ 軸 １５ ウインチ １６ 索 １７，１８ 案内滑車 １９ ウインチ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 杭打櫓の先端部に杭打リーダを摺動自在
   に保持するガイドを設けると共に、この杭打リーダの下
   部をキャッチフォークにより摺動自在に保持し、この杭
   打リーダの中間部に昇降用支点を設けて滑車装置により
   昇降自在にしたことを特徴とする杭打作業船。