JPH06293958A - レーザアブレーション法を用いた成膜方法 - Google Patents

レーザアブレーション法を用いた成膜方法

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JPH06293958A
JPH06293958A JP8068293A JP8068293A JPH06293958A JP H06293958 A JPH06293958 A JP H06293958A JP 8068293 A JP8068293 A JP 8068293A JP 8068293 A JP8068293 A JP 8068293A JP H06293958 A JPH06293958 A JP H06293958A
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JP
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target
film
laser
laser ablation
substrate
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JP8068293A
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English (en)
Inventor
Shigeru Okuda
繁 奥田
Noriyuki Yoshida
典之 葭田
Kozo Fujino
剛三 藤野
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数の層からなる膜および複数の元素が混合
された膜を工業的に成膜することができる、レーザアブ
レーション法を用いた成膜方法を提供する。 【構成】 互いに元素あるいは組成の異なる2種以上の
物質を分割して配置することによりターゲットを作製す
るステップと、基板上に2種以上の異なった膜が積層さ
れるような回転速度、もしくは基板上に2種以上の異な
った元素が混合された膜が形成されるような回転速度
で、ターゲットを回転させながらターゲットにレーザを
照射して、基板上に2種以上の異なった膜を積層して成
膜、もしくは基板上に2種以上の異なった元素が混合さ
れた膜を形成するステップとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザアブレーション
法を用いた成膜方法に関するものであり、特に、複数の
層からなる膜および複数の元素が混合された膜を、レー
ザアブレーション法を用いて成膜する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、レーザ装置の発達は目覚ましいも
のがあり、それを用いたレーザアブレーション法による
成膜もさかんに行なわれている。レーザアブレーション
法では、ターゲットにレーザを照射することにより、タ
ーゲットの照射部からターゲットを構成する物質の粒子
が原子および分子の状態で飛散し、この飛散した粒子が
基板に到達して、基板上に成膜が行なわれる。
【0003】レーザアブレーション法による成膜は、ス
パッタ法、真空蒸着法、CVD法等の他の気相法に比較
して、成膜速度が非常に速いため、工業的に生産速度を
高めることができる。また、レーザアブレーション法に
よる成膜は、他の気相法に比較して、成膜雰囲気が比較
的自由に変えられるため、酸化物、窒化物等の成膜にも
適している。
【0004】このようなことから、最近、レーザアブレ
ーション法は、工業的な生産に採用されることが非常に
多くなってきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】レーザアブレーション
法では、上述のように、ターゲットにレーザを照射し、
ターゲットを構成する物質の粒子を基板上に堆積させる
ため、ターゲットを構成する1種類の物質しか成膜でき
ない。そのため、複数の元素からなる物質を成膜する際
には、まず、その複数の元素からなるターゲットを作製
する必要がある。しかしながら、元素同士の融点の差が
大きい場合や、比重の差が大きい場合には、均一な1種
類のターゲットを作製することが不可能な場合もあっ
た。そのため、このようなターゲットを作製することが
できない物質については、従来、レーザアブレーション
法による成膜はできなかった。
【0006】一方、この1種類の物質しか成膜できない
欠点を解消し、複数種類の物質を積層して成膜する技術
が、実験室レベルでは検討されている。たとえば、3種
類の物質が積層された多層膜を成膜する際には、3種類
のターゲットを3個のターゲット台にそれぞれ載せ、ま
ずレーザの照射位置に1個目のターゲットを移動させて
レーザを照射し、1種類目の物質を成膜する。その後、
レーザの照射位置に2個目のターゲットを移動させてレ
ーザを照射し、2種類目の物質を成膜する。その後さら
に、同様にして、3種類目の物質を成膜する。このよう
にして、実験室レベルでは、レーザアブレーション法を
用いた多層膜を成膜する方法がある。しかしながら、こ
の方法では、ターゲットを移動させるのに時間がかかる
ので、その間レーザの照射が止まり、工業的に応用して
多層膜を成膜するのは困難であった。
【0007】この発明の目的は、元素同士の融点や比重
の差からターゲットを作製することができないために、
従来レーザアブレーション法によって得られなかった膜
を、レーザアブレーション法を用いて成膜する方法を提
供することにある。
【0008】また、この発明の他の目的は、従来のレー
ザアブレーション法において工業的に1種類の物質から
なる膜しか成膜できなかった欠点を解消し、効率的に多
層膜を得ることができる、レーザアブレーション法を用
いた成膜方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明によるレ
ーザアブレーション法を用いた成膜方法は、互いに元素
あるいは組成の異なる2種以上の物質を分割して配置す
ることによりターゲットを作製するステップと、基板上
に2種以上の異なった膜が積層されるような回転速度で
ターゲットを回転させながら、ターゲットにレーザを照
射して、基板上に2種以上の異なった膜を積層して成膜
するステップとを備えている。
【0010】請求項2の発明によるレーザアブレーショ
ン法を用いた成膜方法は、互いに元素あるいは組成の異
なる2種以上の物質を分割して配置することによりター
ゲットを作製するステップと、基板上に2種以上の異な
った元素が混合された膜が形成されるような回転速度で
ターゲットを回転させながら、ターゲットにレーザを照
射して、基板上に2種以上の異なった元素が混合された
膜を成膜するステップとを備えている。
【0011】請求項3の発明によるレーザアブレーショ
ン法を用いた成膜方法は、請求項1または請求項2の発
明において、回転の軸がターゲットの外周部より内側に
あることを特徴としている。
【0012】請求項4の発明によるレーザアブレーショ
ン法を用いた成膜方法は、請求項1の発明において、分
割の割合を変化させることにより、積層する2種以上の
異なった膜の厚さを変化させることを特徴としている。
【0013】請求項5の発明によるレーザアブレーショ
ン法を用いた成膜方法は、請求項1の発明において、照
射するレーザの照射回数を変えることにより、積層する
2種以上の異なった膜の厚さを変化させることを特徴と
している。
【0014】請求項6の発明によるレーザアブレーショ
ン法を用いた成膜方法は、請求項2の発明において、分
割の割合を変化させることにより、2種以上の異なった
元素からなる膜の組成を変化させることを特徴としてい
る。
【0015】請求項7の発明によるレーザアブレーショ
ン法を用いた成膜方法は、請求項2の発明において、照
射するレーザの照射回数を変えることにより、2種以上
の異なった元素からなる膜の組成を変化させることを特
徴としている。
【0016】請求項8の発明によるレーザアブレーショ
ン法を用いた成膜方法は、請求項2の発明において、照
射するレーザの照射回数を、成膜の進行に伴って変える
ことにより、2種以上の異なった元素からなる膜の組成
を厚さ方向で変化させることを特徴としている。
【0017】
【作用】請求項1の発明によれば、互いに元素あるいは
組成の異なる2種類以上の物質を分割して配置すること
によりターゲットを作製し、ターゲットを回転させなが
ら、ターゲットにレーザを照射している。そのため、レ
ーザの照射する位置は一定であっても、順次異なる物質
にレーザが照射されることになる。また、このターゲッ
トの回転は、基板上に2種以上の異なった膜が積層され
るような回転速度で行なわれる。したがって、1個のタ
ーゲットであっても、元素あるいは組成の異なる複数の
物質を次々と成膜することができる。このようにして、
複数の物質からなる膜が積層された積層膜を、容易に得
ることができる。
【0018】なお、積層膜の1層ごとの厚さは、ターゲ
ット構成物質を配置する際に分割する割合を変えるか、
1個のターゲットの回転角度を変えるか、または、レー
ザの照射回数を変化させることにより、簡単に調整する
ことが可能である。
【0019】請求項2の発明によれば、互いに元素ある
いは組成の異なる1種類以上の物質を分割して配置する
ことによりターゲットを作製し、ターゲットを回転させ
ながら、ターゲットにレーザを照射している。そのた
め、レーザの照射する位置は一定であっても、2種類以
上の物質が載った1個のターゲットが回転しているの
で、順次異なる物質にレーザが照射されることになる。
また、このターゲットの回転は、基板上に2種類以上の
異なった元素が混合された膜が形成されるような回転速
度で行なわれる。そのため、異なった元素からなる任意
の組成の物質を、レーザアブレーション法を用いて高い
生産性で成膜することができる。さらに、従来、1個の
ターゲットに作製することが困難であった、融点あるい
は比重の大きく違う複数の元素が混合された膜を、成膜
することが可能となる。したがって、請求項2の発明に
よれば、従来ターゲットの作製ができないために工業的
に得ることが不可能であった組成の膜を、レーザアブレ
ーション法により得ることができるようになる。
【0020】なお、複数の元素からなる膜の組成は、タ
ーゲット構成物質を配置する際に分割する割合を変える
か、1個のターゲットの回転角度を変えるか、または、
レーザの照射回数を変化させることにより、簡単に調整
することが可能である。
【0021】請求項3の発明によれば、ターゲットを回
転させる際の回転の軸が、ターゲットの外周部より内側
にある。そのため、レーザの照射する位置が一定である
場合に、照射部がターゲットからはずれることがないた
め、レーザの照射を連続的に行なうことができる。
【0022】
【実施例】
(実施例1)図1は、本発明による成膜方法の一工程で
作製されたターゲットの一例を示す斜視図である。
【0023】図1を参照して、このターゲットは、直径
50mmのステンレス製の円盤1と、円盤1の中心部に
設けられた回転軸2とからなるターゲット保持機構上
に、ターゲット構成物質3としてアルミニウム(Al)
と、ターゲット構成物質4としてニオブ(Nb)が、半
分ずつに分割して載せられている。
【0024】このターゲットを用いて、本発明に従い、
以下のようにレーザアブレーション法による成膜を行な
った。
【0025】まず、真空容器内に、図1に示すターゲッ
トとMgO基板を配置した。MgO基板は、ターゲット
の上部に、ターゲットと対向するように配置した。
【0026】次に、真空容器内を、10- 6 torr以
下の真空にした。続いて、円盤1の中心部に設けられた
回転軸2を中心にして、1秒間に2回の回転速度でター
ゲットを矢印5の向きに回転させながら、エキシマレー
ザを4Hzの周波数でこのターゲットに1時間照射し
た。
【0027】その結果、基板上に、アルミニウム(A
l)とニオブ(Nb)の組成比が1:1で、厚さが1μ
mの膜を得ることができた。
【0028】(実施例2)図2は、本発明による成膜方
法の一工程で作製されたターゲットの他の例を示す斜視
図である。
【0029】図2を参照して、このターゲットは、直径
50mmのステンレス製の円盤1と、円盤1の中心部に
設けられた回転軸2とからなるターゲット保持機構上
に、ターゲット構成物質6として銅(Cu)と、ターゲ
ット構成物質7としてチタン(Ti)が、1:3に分割
して載せられている。
【0030】このターゲットを用いて、本発明に従い、
以下のようにレーザアブレーション法による成膜を行な
った。
【0031】まず、真空容器内に、図2に示すターゲッ
トとMgO基板を配置した。MgO基板は、ターゲット
の上部に、ターゲットと対向するように配置した。
【0032】次に、真空容器内を、10- 6 torr以
下の真空にした。続いて、円盤1の中心部に設けられた
回転軸2を中心にして、1秒間に1回の回転速度でター
ゲットを矢印5の向きに回転させながら、エキシマレー
ザを4Hzの周波数でこのターゲットに1時間照射し
た。
【0033】その結果、基板上に、銅(Cu)とチタン
(Ti)の組成比が1:3で、厚さが1μmの膜を得る
ことができた。
【0034】(実施例3)図3は、本発明による成膜方
法の一工程で作製されたターゲットのさらに他の例を示
す斜視図である。
【0035】図3を参照して、このターゲットは、直径
50mmのステンレス製の円盤1と、円盤1の中心部に
設けられた回転軸2とからなるターゲット保持機構上
の、中心部から直径20mmより外側の部分に、ターゲ
ット構成物質8としてニッケル(Ni)と、ターゲット
構成物質9として銀(Ag)が、1:3に分割してドー
ナツ盤状に載せられている。
【0036】このターゲットを用いて、本発明に従い、
以下のようにレーザアブレーション法による成膜を行な
った。
【0037】まず、真空容器内に、図3に示すターゲッ
トと、MgO基板を配置した。MgO基板は、ターゲッ
トの上部に、ターゲットと対向するように配置した。
【0038】次に、真空容器内を、10- 6 torr以
下の真空にした。続いて、円盤1の中心部に設けられた
回転軸2を中心にして、1秒間に1回の回転速度でター
ゲットを矢印5の向きに回転させながら、エキシマレー
ザを4Hzの周波数でこのターゲットに1時間照射し
た。
【0039】その結果、基板上に、ニッケル(Ni)と
銀(Ag)の組成比が1:3で、厚さが1μmの膜を得
ることができた。
【0040】(実施例4)上述の実施例1〜実施例3に
おいては、ステンレス製の台の上にターゲット構成物質
を載せてターゲットを作製したが、以下に示すように、
ターゲット構成物質を一体化して形成することにより、
台を不要とすることも可能である。
【0041】アルミニウム(Al)とニオブ(Nb)
を、直径50mmの円盤を半分に分割した形に成形し、
このアルミニウム(Al)とニオブ(Nb)の半分の円
盤同士を電子ビーム溶接して円盤状にし、中心に回転軸
を設けてターゲットを作製した。
【0042】このターゲットを用いて、本発明に従い、
以下のようにレーザアブレーション法による成膜を行な
った。
【0043】まず、真空容器内に、上述のようにして作
製されたターゲットとMgO基板を配置した。MgO基
板は、ターゲットの上部に、ターゲットと対向するよう
に配置した。
【0044】次に、真空容器内を、10- 6 torr以
下の真空にした。続いて、円盤の中心部に設けられた回
転軸を中心にして、1秒間に2回の回転速度でターゲッ
トを一方向に回転させながら、エキシマレーザを4Hz
の周波数でこのターゲットに1時間照射した。
【0045】その結果、基板上に、アルミニウム(A
l)とニオブ(Nb)の組成比が1:1で、厚さが1μ
mの膜を得ることができた。
【0046】(実施例5)実施例1と同様に、ターゲッ
ト構成物質3としてSi3 4 と、ターゲット構成物質
4としてTiNを、直径50mmのステンレス製の円盤
の上に半分ずつに分割して載せて、図1に示すようなタ
ーゲットを作製した。
【0047】このターゲットを用いて、本発明に従い、
以下のようにレーザアブレーション法による成膜を行な
った。
【0048】まず、真空容器内に、ターゲットとMgO
基板を配置した。MgO基板は、ターゲットの上部に、
ターゲットと対向するように配置した。
【0049】次に、真空容器内を、窒素ガスの圧力が3
00mtorrとなるようにした。続いて、円盤の中心
部に設けられた回転軸を中心にして、10秒間に1回の
回転速度でターゲットを一方向に回転させながら、エキ
シマレーザを10Hzの周波数でこのターゲットに1時
間照射した。
【0050】その結果、基板上に、厚さ70ÅのSi3
4 層と厚さ70ÅのTiN層が交互に積層した、厚さ
が2.5μmの膜を得ることができた。
【0051】(実施例6)実施例1と同様に、Si3
4 とTiNを、直径50mmのステンレス製の円盤の上
に半分ずつに分割して載せて、図1に示すようなターゲ
ットを作製した。
【0052】このターゲットを用いて、本発明に従い、
以下のようにレーザアブレーション法による成膜を行な
った。
【0053】まず、真空容器内に、ターゲットとMgO
基板を配置した。MgO基板は、ターゲットの上部に、
ターゲットと対向するように配置した。
【0054】次に、真空容器内を、窒素ガスの圧力が3
00mtorrとなるようにした。続いて、円盤の中心
部に設けられた回転軸を中心にして、Si3 4 のター
ゲット部分にレーザが照射されているときは毎秒60
度、TiNのターゲット部分にレーザが照射されている
ときは毎秒30度の割合で回転させるように調整しなが
ら、エキシマレーザを10Hzの周波数でこのターゲッ
トに1時間照射した。
【0055】その結果、基板上に、厚さ40ÅのSi3
4 層と厚さ80ÅのTiN層が交互に積層した、厚さ
が2.5μmの膜を得ることができた。
【0056】(実施例7)実施例1と同様に、Si3
4 とTiNを、直径50mmのステンレス製の円盤の上
に半分ずつに分割して載せて、図1に示すようなターゲ
ットを作製した。
【0057】このターゲットを用いて、本発明に従い、
以下のようにレーザアブレーション法による成膜を行な
った。
【0058】まず、真空容器内に、ターゲットとMgO
基板を配置した。MgO基板は、ターゲットの上部に、
ターゲットと対向するように配置した。
【0059】次に、真空容器内を、窒素ガスの圧力が3
00mtorrとなるようにした。続いて、円盤の中心
部に設けられた回転軸を中心にして、10秒間に1回の
回転速度でターゲットを一方向に回転させながら、Si
3 4 のターゲット部分に照射するときは7Hzの周波
数で、TiNのターゲット部分に照射するきは14Hz
の周波数になるように調整しながら、このターゲットに
エキシマレーザを2時間照射した。
【0060】その結果、基板上に、厚さ40ÅのSi3
4 層と厚さ80ÅのTiN層が交互に積層した、厚さ
が6μmの膜を得ることができた。
【0061】(実施例8)実施例1と同様に、アルミニ
ウム(Al)とニオブ(Nb)を、直径50mmのステ
ンレス製の円盤の上に半分ずつに分割して載せて、図1
に示すようなターゲットを作製した。
【0062】このターゲットを用いて、本発明に従い、
以下のようにレーザアブレーション法による成膜を行な
った。
【0063】まず、真空容器内に、ターゲットとMgO
基板を配置した。MgO基板は、ターゲットの上部に、
ターゲットと対向するように配置した。
【0064】次に、真空容器内を、10- 6 torr以
下の真空にした。続いて、円盤の中心部に設けられた回
転軸を中心にして、1秒間の2回の回転速度でターゲッ
トを一方向に回転させながら、このターゲットにエキシ
マレーザを1時間照射した。なお、このときのエキシマ
レーザの周波数は、アルミニウム(Al)のターゲット
部分に照射するときについては最初は4Hzで1時間後
に96Hzとなるように徐々に上げていき、一方、ニオ
ブ(Nb)の部分に照射するときについては最初は96
Hzで1時間後に4Hzとなるように徐々に下げていく
ように調整した。
【0065】その結果、基板上に、アルミニウム(A
l)とニオブ(Nb)の混合された膜であり、アルミニ
ウム(Al)の組成が、基板近傍では4原子%であり、
膜の表面に近くなるにしたがって連続的に多くなってい
き、膜の表面近傍では96原子%となっている膜を、得
ることができた。
【0066】なお、以上の実施例に関する開示は、本発
明の単なる具体例に過ぎず、本発明の技術的範囲を何ら
制限するものではない。
【0067】たとえば、従来、融点または比重の差が大
きいため均一な1個のターゲットの作製が困難であった
が、本発明を適用することによりレーザアブレーション
法による成膜が可能となった物質の組合わせとしては、
上述の実施例で用いた物質の他に、ニッケル(Ni)と
錫(Sn)、ジルコニウム(Zr)とアルミニウム(A
l)、銅(Cu)とタンタル(Ta)、タングステン
(W)と銅(Cu)等も挙げられる。
【0068】また、本発明において、回転する1個のタ
ーゲットは、円盤状あるいは多角形盤状でもよいし、多
角形に近い曲線で構成される盤形状でもよい。
【0069】さらに、本発明において、成膜中の基板温
度は、いかなる温度でも目的に合わせて設定することか
可能であり、たとえば、加熱されていてもよいし、常温
でもよい。
【0070】また、本発明による成膜後、基板を加熱す
ることも可能であり、成膜後の基板加熱により、元素の
拡散、結晶の配向性の向上等が図られる場合もある。
【0071】さらに、本発明による成膜は、大気中、真
空中、あるいは窒素、炭素、不活性ガス等の雰囲気であ
らゆる圧力でも可能である。
【0072】
【発明の効果】この発明によれば、元素同士の融点や比
重の差からターゲットを作製することかできないため
に、従来レーザアブレーション法によって得られなかっ
た膜を、レーザアブレーション法を用いて成膜すること
が可能となる。
【0073】また、この発明によれば、複数のターゲッ
トを用いることによる装置の複雑さ、取扱の煩雑さを解
消するとともに、複数のターゲットをレーザの照射位置
に移動させる時間の損失をなくし、2種以上の異なる膜
が積層された多層膜を、工業的に生産することが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による成膜方法の一工程で作製されたタ
ーゲットの一例を示す斜視図である。
【図2】本発明による製造方法の一工程で作製されたタ
ーゲットの他の例を示す斜視図である。
【図3】本発明による製造方法の一工程で作製されたタ
ーゲットのさらに他の例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 円盤 2 回転軸 3,4,6,7,8,9 ターゲット構成物質 なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザアブレーション法を用いた成膜方
    法であって、 互いに元素あるいは組成の異なる2種以上の物質を分割
    して配置することによりターゲットを作製するステップ
    と、 基板上に2種以上の異なった膜が積層されるような回転
    速度で前記ターゲットを回転させながら、前記ターゲッ
    トにレーザを照射して、基板上に2種以上の異なった膜
    を積層して成膜するステップとを備える、レーザアブレ
    ーション法を用いた成膜方法。
  2. 【請求項2】 レーザアブレーション法を用いた成膜方
    法であって、 互いに元素あるいは組成の異なる2種以上の物質を分割
    して配置することによりターゲットを作製するステップ
    と、 基板上に2種以上の異なった元素が混合された膜が形成
    されるような回転速度で前記ターゲットを回転させなが
    ら、前記ターゲットにレーザを照射して、基板上に2種
    以上の異なった元素が混合された膜を成膜するステップ
    とを備える、レーザアブレーション法を用いた成膜方
    法。
  3. 【請求項3】 前記回転の軸が、ターゲットの外周部よ
    り内側にあることを特徴とする、請求項1または請求項
    2記載のレーザアブレーション法を用いた成膜方法。
  4. 【請求項4】 前記分割の割合を変化させることによ
    り、前記積層する2種以上の異なった膜の厚さを変化さ
    せることを特徴とする、請求項1記載のレーザアブレー
    ション法を用いた成膜方法。
  5. 【請求項5】 前記照射するレーザの照射回数を変える
    ことにより、前記積層する2種以上の異なった膜の厚さ
    を変化させることを特徴とする、請求項1記載のレーザ
    アブレーション法を用いた成膜方法。
  6. 【請求項6】 前記分割の割合を変化させることによ
    り、前記2種以上の異なった元素からなる膜の組成を変
    化させることを特徴とする、請求項2記載のレーザアブ
    レーション法を用いた成膜方法。
  7. 【請求項7】 前記照射するレーザの照射回数を変える
    ことにより、前記2種以上の異なった元素からなる膜の
    組成を変化させることを特徴とする、請求項2記載のレ
    ーザアブレーション法を用いた成膜方法。
  8. 【請求項8】 前記照射するレーザの照射回数を、成膜
    の進行に伴って変えることにより、前記2種以上の異な
    った元素からなる膜の組成を、厚さ方向で変化させるこ
    とを特徴とする、請求項2記載のレーザアブレーション
    法を用いた成膜方法。
JP8068293A 1993-04-07 1993-04-07 レーザアブレーション法を用いた成膜方法 Pending JPH06293958A (ja)

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