JPH06293845A - オレフィン系熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
オレフィン系熱可塑性樹脂組成物Info
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- JPH06293845A JPH06293845A JP8214493A JP8214493A JPH06293845A JP H06293845 A JPH06293845 A JP H06293845A JP 8214493 A JP8214493 A JP 8214493A JP 8214493 A JP8214493 A JP 8214493A JP H06293845 A JPH06293845 A JP H06293845A
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Abstract
し、その後剥離する際に容器、シート基材から容易に剥
離可能なオレフィン系熱可塑性樹脂組成物の提供。 【構成】 (a)オレフィン系樹脂 20〜70重量%、
(b)オレフィン系エラストマー 10〜60重量%、(c)
オレフィン系重合体30〜95重量%とビニル単量体7
0〜5重量%とをグラフト反応条件に付して得られる改
質オレフィン系重合体 5〜40重量%、および(d)粘着
付与剤(例えば、脂環族飽和炭化水素樹脂)5〜30重
量%の配合からなる。
Description
樹脂組成物に関し、詳しくは熱可塑性樹脂の容器、シー
ト等に加熱接着し、その後剥離する際に容器、シート基
材から容易に剥離可能なオレフィン系熱可塑性樹脂組成
物に関する。
のポリオレフィン、塩化ビニル、ポリスチレン、熱可塑
性ポリエステル等の熱可塑性樹脂は外観、機械的強度、
成形性、包装作業性、経済性等に優れ各種包装容器に広
く用いられている。これらの包装容器は、乳製品、菓
子、豆腐、清涼飲料等の食品を充填し、これを熱封着し
た包装容器が主流となっており、これら包装容器に対す
る要求が多様化するにしたがい、内容物の保護性だけで
なく、使用時に容易に開封が可能であることが求められ
ている。従来、これら容器の熱封着材料としてはホット
メルト接着剤や溶液型接着剤をコートしたものが用いら
れているが、これらは開封後にシール剤が容器側に付着
し食品衛生上問題があった。また、包装容器と同一の基
材を用いた場合は、完全に封着の状態となり、内容物保
護性は十分であるが、開封が困難となり実用的には不十
分である。
物の保護性と易開封性を兼ね備えた材料が種々提案され
ている。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体および
粘着付与剤からなる組成物が一般的に知られている(例
えば、特公昭52-50052号、特開昭58-47038号、特開昭60
-47053号公報参照)。しかしながら、内容物保護性の点
から容器との接着強度を満足するには、比較的高い酢酸
ビニル含量のエチレン−酢酸ビニル共重合体、またはよ
り多量の粘着付与剤を必要とする。こうした、酢酸ビニ
ルおよび粘着付与剤の多量の使用は、フィルム成形性お
よび成形後のフィルムのブロッキング等の問題を有して
おり、また、エチレン−酢酸ビニル共重合体は融点が低
く、耐熱性に乏しいことから常温近傍で使用される包装
容器には使用できるが、ボイル等の加熱処理が必要な包
装容器には適さず、実用上不十分なものであった。
良することを目的として検討を重ねた結果、オレフィン
系樹脂、オレフィン系エラストマー、改質オレフィン系
重合体および粘着付与剤を含有するオレフィン系樹脂組
成物が、上記欠点をすべて改良できることを見出し、本
発明を完成するに至った。即ち本発明は、(a)オレフィ
ン系樹脂 20〜70重量%、(b)オレフィン系エラスト
マー 10〜60重量%、(c)オレフィン系重合体30〜
95重量%とビニル単量体70〜5重量%とをグラフト
反応条件に付して得られる改質オレフィン系重合体 5
〜40重量%、および(d)粘着付与剤 5〜30重量%を
含有することを特徴とする熱可塑性樹脂組成物である。
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリスチレ
ン、耐衝撃性ポリスチレン、発泡ポリスチレン、アクリ
ロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体等のスチレ
ン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン
テレフタレート等の熱可塑性ポリエステル;ポリ塩化ビ
ニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有樹脂;ポリ
カーボネート等の各種包装容器等に使用される基材に対
して良好なヒートシール性、接着性を有すると共に良好
な剥離性を有し、さらにフィルム、シート等への良好な
成形加工性を示し、かつ得られたフィルム、シート等が
保存時にブロッキングしない取扱いの優れた性質を有す
るものである。
ィン系樹脂としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチ
ル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン等炭素
数2〜12、好ましくは2〜8程度のオレフィンの単独
重合体または2種以上の共重合体、ないしはこれらオレ
フィンと非共役ジエン、ビニルエステル、不飽和有機酸
またはその誘導体、ビニル有機シラン等とからなる共重
合体などを挙げることができる。共重合体はランダム、
ブロックあるいはグラフトといずれのどの様な結合様式
のものでも構わない。これらのオレフィン系樹脂は、2
種以上を混合して用いることもできる。
高、中、低密度および直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(ランダ
ム、ブロック)、プロピレン−ブテン−1ランダム共重
合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重
合体、プロピレンと炭素数5〜12のα−オレフィンと
場合によりエチレンまたはブテン−1とからなる共重合
体、エチレン−非共役ジエン共重合体、プロピレン−非
共役ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体(非共役ジエンの具体例としては、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジ
エン、1,8−ノナジエン、1,9−デカジエン等が挙
げられる。)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−ビニルトリメトキシシラン共重合体、無水マレイン
酸グラフトポリエチレン、無水マレイン酸グラフトポリ
プロピレン、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エ
チレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−メタク
リル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体等が代表的なもの
である。これらオレフィン系樹脂のMFRは、通常0.
1〜30g/10分、好ましくは0.5〜20g/10
分である。中でも、ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−プロピレン共重合体がフィルム成形性、耐熱性
等の観点から好ましい。
[(b)成分] 本発明の熱可塑性樹脂組成物の一成分を構成するオレフ
ィン系エラストマーとしては、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン等のα−オレフィン相互の共
重合体、あるいはこれらと非共役ジエンとの共重合体、
あるいは1−ヘキセン等の高級α−オレフィンの単独重
合体であって、エラストマー状の重合体である。これら
オレフィン系エラストマーの中ではエチレン系エラスト
マーが品質、安定性および臭気の点で特に好ましい。こ
れらエラストマーの具体例を挙げると、エチレン−プロ
ピレン共重合ゴム、エチレン−1−ブテン共重合ゴム、
エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合ゴム、エチレ
ン−プロピレン−非共役ジエン共重合ゴム、エチレン−
1−ブテン−非共役ジエン共重合ゴム、エチレン−プロ
ピレン−1−ブテン−非共役ジエン共重合ゴム(非共役
ジエンの具体例としては、ジシクロペンタジエン、1,
4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエ
ン、7−メチル−1,6−オクタジエン、1,9−デカ
ジエン等がである)が挙げられる。
分] 本発明の熱可塑性樹脂組成物の一成分を構成する改質オ
レフィン系重合体は、オレフィン系重合体にビニル単量
体をグラフト反応条件に付して得られる改質重合体であ
る。このような改質オレフィン系重合体(以下「改質P
O」と称す)は下記の方法によって製造されたものであ
ることが好適である。
1−ブテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン等炭素数2〜12、好ましくは2〜8程度のオレフィ
ンの単独重合体または2種以上の共重合体、ないしはこ
れらオレフィンと非共役ジエン、ビニルエステル、不飽
和有機酸またはその誘導体、ビニル有機シラン等とから
なる共重合体などを挙げることができる。共重合体はラ
ンダム、ブロックあるいはグラフトといずれのどの様な
結合様式のものでもよく、樹脂状、あるいはエラストマ
ー状のものであっても構わない。これらのオレフィン系
重合体は、2種以上を混合して用いることもできる。
高、中、低密度および直鎖状低密度ポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレン−プロピレン共重合体(ランダ
ム、ブロック)、プロピレン−ブテン−1ランダム共重
合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1ランダム共重
合体、プロピレンと炭素数5〜12のα−オレフィンと
場合によりエチレンまたはブテン−1とからなる共重合
体、エチレン−非共役ジエン共重合体、プロピレン−非
共役ジエン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジ
エン共重合体(非共役ジエンの具体例としては、ジシク
ロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジ
エン、1,9−デカジエン等が挙げられる。)、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルトリメトキ
シシラン共重合体、無水マレイン酸グラフトポリエチレ
ン、無水マレイン酸グラフトポリプロピレン、エチレン
−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタク
リル酸共重合体等が代表的なものである。中でも、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体が熱安定性の点で好ましい。
に限定されるものではないが、具体的には、スチレン、
2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチル
スチレン、ジメチルスチレン、クロロスチレン等の不飽
和芳香族単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の
ビニルエステル類;メチルアクリレート、エチルアクリ
レート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリ
レート、sec−ブチルアクリレート、ドデシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルアクリレート、ヘキシルア
クリレート、オクチルアクリレート等のアクリル酸エス
テル類;メチルメタクリレート、エチルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタク
リレート、デシルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、グリシジルメタクリレート等のメタク
リル酸エステル類;アクリル酸、メタクリル酸、無水マ
レイン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジ(2−エ
チルヘキシル)等の不飽和有機酸;アクリロニトリル、
メタクリロニトリル等の不飽和ニトリル類;塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン等の不飽和モノないしジハライド等
が挙げられる。中でも、スチレン、メチルメタクリレー
トが改質が容易な点で好ましい。
体は、30〜95重量%、好ましくは40〜70重量%
と70〜5重量%、好ましくは60〜30重量%の割合
で、グラフト反応条件に付されるが、放射線による反応
以外は通常ラジカル発生剤を用いる。
としては、汎用のものを使用することができるが、後に
記載する好ましいグラフト反応方法との関係で、分解温
度が50℃以上であって、かつ油溶性であるものが好ま
しい。ここで「分解温度」とは、ベンゼン1リットル中
にラジカル発生剤0.1モルを添加してある温度で10
時間放置したときにラジカル発生剤の分解率が50%と
なるときの温度である。いわゆる「10時間の半減期を
得るための分解温度」を意味する。この分解温度が低い
ものを用いると、ビニル単量体の重合が異常に進行して
しまうことがあり、均質な改質重合体が得られない欠点
がある。しかし、逆に分解温度が高いものと低いものを
適宜組み合わせて段階的ないし連続的に分解を行わせ、
効率よくグラフト反応させることもできる。
ば2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、t−ブ
チルパーオキシピバレート、o−メチルベンゾイルパー
オキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイ
ルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベン
ゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エ
チルヘキサノエート、シクロヘキサノンパーオキサイ
ド、2,5−ジメチル−2,5−ジベンゾイルパーオキ
シヘキサン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−
t−ブチル−ジパーオキシフタレート、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t
−ブチルパーオキサイド等の有機過酸化物;アゾビスイ
ソブチロニトリル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)等のアゾ化合物がある。ラジカル発生剤の使
用量は、用いるビニル単量体の量に対して0.01〜1
0重量%程度の範囲内で、ラジカル発生剤の種類、反応
条件により適宜加減する。使用量がこの量未満では反応
が円滑に進まず、一方、この量超過では改質PO中にゲ
ルが生成しやすく本発明の効果が発現され難くなる。
を製造するのであるが、以下に説明する水性懸濁グラフ
ト手法によって製造することがゲル分をコントロールす
ることが容易な点で特に好ましい方法である。すなわ
ち、オレフィン系重合体粒子、ビニル単量体およびラジ
カル発生剤を含む水性懸濁液を、この開始剤の分解が実
質的に起こらない温度に昇温し、該ビニル単量体を該オ
レフィン系重合体粒子に含浸させた後、この水性懸濁液
をさらに昇温させてビニル単量体の重合を完結させる方
法が好ましく、この方法について説明する。
含浸させる代表的な好ましい方法としては、オレフィン
系重合体粒子の水性懸濁液に好ましくはラジカル発生剤
(および必要に応じてその他の添加剤)が溶存している
ビニル単量体を加えて撹拌するか、または、ラジカル発
生剤が溶存したビニル単量体の水性分散液にオレフィン
系重合体粒子を加えて撹拌する方法によって始まる。含
浸工程では、工業的には上記ラジカル発生剤が実質的に
分解しない温度に昇温して、効率よく含浸が行われるべ
きであり、一般的には室温から100℃、特に60〜9
0℃で操作するのが好ましい。この工程で、遊離ビニル
単量体の量がビニル単量体使用量の80重量%以下とな
るようにビニル単量体を含浸させる。オレフィン系重合
体はビニル単量体と比較的相溶性があるので、重合開始
前に80重量%以下のビニル単量体が遊離していても重
合中にこれらビニル単量体はオレフィン系重合体粒子に
含浸するので、これらビニル単量体を重合して得られる
重合体粒子が改質されたオレフィン系重合体粒子と独立
して析出することはない。含浸時間は2〜8時間程度が
普通である。水性分散液中のオレフィン系重合体および
ビニル単量体の含量は、水100重量部に対して5〜1
00重量部程度であるのが普通である。
行うだけでも安定に分散状態に維持することができる
が、適当な懸濁安定剤を使用すればより容易かつ安定に
懸濁分散液を調整することができる。この場合の懸濁安
定剤としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセ
ルロース、ヒドロキシセルロース等の水溶性高分子;ア
ルキルベンゼンスルホネート等のような陰イオン性界面
活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の非イ
オン性界面活性剤;あるいは酸化マグネシウム、リン酸
カルシウム等の水不溶性の無機塩等が単独あるいは混合
して水に対して0.01〜10重量%程度の量で使用さ
れる。オレフィン系重合体粒子にビニル単量体(および
ラジカル発生剤等)を含浸させる際に、可塑剤、滑剤、
酸化防止剤等の補助資材を同時に含浸させることができ
る(これらの補助資材はオレフィン重合体に既に添加さ
れている場合もあり、またグラフト重合反応後に配合す
ることもできる)。
たラジカル発生剤が適当な速度で分解する温度以上にす
れば、含浸されたビニル単量体はグラフト重合して改質
PO粒子が生成する。グラフト重合進行中の水性懸濁液
は、適当に撹拌することが好ましい。重合温度は一般的
に50〜150℃の範囲で適宜選択すべきであるが、グ
ラフト重合工程を通じて一定である必要はない。重合は
2〜10時間程度であるのが普通である。重合圧力は常
圧〜10kg/cm2程度が普通である。また、ビニル単量
体の重合の結果生じる重合体の分子量調節のため、n−
ブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−
ドデシルメルカプタン等の連鎖移動剤を添加するとよ
い。重合後、通常のビニル単量体(例えばスチレン)の
水性懸濁重合の後処理と同様の後処理を行えば、使用し
たオレフィン系重合体粒子の形状がほぼそのまま保持さ
れていて直ちに成形用材料として使用することができる
改質PO粒子が得られる。従って、改質前に用いるオレ
フィン系重合体は、粉末状でもよいが、その後の成形加
工時のハンドリングを考慮すると粒子状である方が便利
である。すなわち、粒子寸法は、通常成形材料として用
いられる程度のものである方が生成される改質POをそ
のまま成形材料に用いることができるので好ましく、一
般には平均粒径1〜8mm、好ましくは3〜7mm程度
である。その寸法は改質処理前後でさして変化が認めら
れない。
法)が80〜180℃である脂肪族、脂環族あるいは芳
香族の高分子低重合体であり、具体例を挙げるとロジ
ン、ロジンエステル、水添ロジン、重合ロジン等のロジ
ン系樹脂;α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペ
ンテン重合体、テルペン−フェノール重合体等のテルペ
ン系樹脂;C5〜C9の石油樹脂およびそれらの水素添
加物が挙げられる。これらの粘着付与剤は2種以上を混
合して用いることもできる。中でも、色相、臭気の点で
脂環族高分子低重合物が好ましく、具体的には石油樹脂
の水素添加物が好ましい。これら粘着付与剤の軟化点
(環球法)は、一般的には80〜180℃、好ましくは
100〜170℃、より好ましくは120〜160℃、
最も好ましくは130〜150℃であるものを用いるこ
とができる。しかし、用途によっては低軟化点のものと
高軟化点のものを混合して用いることも有効である。
ィン系樹脂 20〜70重量%、好ましくは25〜60
重量%、(b)オレフィン系エラストマー 10〜60
重量%、好ましくは15〜40重量%、(c)改質PO
5〜40重量%、好ましくは10〜25重量%、およ
び(d)粘着付与剤 5〜30重量%、好ましくは10
〜20重量%である。オレフィン系樹脂の含量が上記未
満では成形性の点で不十分であり、上記超過では接着性
の点で満足なものではない。また、オレフィン系エラス
トマーの含量が上記未満では接着性の点で不十分であ
り、上記範囲超過では成形加工性の点で本発明の目的を
達しない。一方、改質POの含量が上記未満ではフィル
ム、シートのブロッキング等取扱いの点で好ましくな
く、上記範囲超過では剥離性制御の点で不十分である。
更に、粘着付与剤の量が上記未満では接着力発現の点で
不十分であり、上記範囲超過ではブロッキング等取扱い
の点で好ましくない。
ラストマー(b)の割合は重量比で1:1.5〜5、特
に1:2〜4のものが好ましい。重量比がこの範囲外で
は接着強度の経時での安定性の点で満足のゆくものでは
ない。さらに、粘着付与剤(d)と改質オレフィン系重
合体(c)の割合は重量比で1:0.25〜4、特に
1:0.5〜3、とりわけ1:1〜2のものが好まし
い。重量比がこの範囲外では、接着力とブロッキング等
の取扱いの点で好ましくない。
他に付加的成分を発明の効果を損なわない範囲の量添加
することができる。付加的成分としては、例えば、他の
熱可塑性樹脂、ゴム物質、無機フィラー、顔料、可塑
剤、各種安定剤(酸化防止剤、帯電防止剤、光安定剤、
アンチブロッキング剤、滑剤)等である。
るが、一般には予めロール、バンバリーミキサー、押出
機等通常の混練機で混練して組成物とした後成形に供さ
れる。成形は、射出成形、中空成形、押出成形、圧縮成
形等いずれの方法も取ることができる。
剤の第三リン酸カルシウム0.6kg、およびドデシル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム0.6gを混入して水性
媒質とし、これに粒径3〜4mmの低密度ポリエチレン
(密度:0.92g/cm3、MFR:45g/10分)6kgを
加え、撹拌して懸濁させた。別に3,5,5−トリメチ
ルヘキサノイルパーオキサイド15.6g、およびベイ
ゾイルパーオキサイド9gをスチレンモノマー6kgに
溶解し、これを先の懸濁系に添加し、オートクレーブ内
に窒素を導入して系内を0.5kg/cm2に加圧した。更
にオートクレーブ内を55℃に昇温し、この温度で撹拌
しながら5時間放置して重合開始剤を含むスチレンモノ
マーを全量低密度ポリエチレン粒子中に含浸させた。次
にこの懸濁液を65℃に昇温し、この温度で撹拌しなが
ら7時間放置して重合を行い、更に110℃に昇温して
3時間維持して重合を完結した。冷却後、内容固形物を
取り出して水洗し、改質低密度ポリエチレン粒子12k
gを得た。得られた改質低密度ポリエチレンのMFRは
2.5g/10分であった。
共重合体ゴム40重量%、上記製造工程で得られた改質
低密度ポリエチレン15重量%、粘着付与剤として脂環
族飽和炭化水素樹脂(荒川化学工業社製“アルコンP−
140”;環球法軟化点140℃)15重量%を混合
し、単軸押出機(L/D=23)を用い、樹脂温度18
0℃で溶融混合してペレット(MFR:6g/10分)とし
た。
ー社製35mmTダイ成形機を用いて、成形温度230
℃で30μ厚みのフィルムを成形した。本フィルムと9
μ厚のアルミニウム箔とを接着剤で貼り合わせて積層フ
ィルムとした。この積層フィルムの熱可塑性樹脂組成物
の層を接着面とし、各種基材と加熱接着した。加熱接着
条件は、熱板式ヒートシーラーを用い、接着面5mm
幅、接着圧力2kg/cm2、時間1秒、接着温度140〜
220℃である。得られた複合シートについて、ショッ
パー型引張試験機を用い、サンプル幅15mm、引張速
度300mm/分で180度剥離強度を23℃で測定し
た。結果を表−1に示す。一方、得られたフィルムのブ
ロッキング性の評価として、Tダイ成形で得られたフィ
ルムを重ね合わせ、50g/cm2の荷重をかけ、45℃雰
囲気で24時間放置した後、剥離する強度を求めた。結
果を表−1に示す。
同様にして評価した。結果を表−1に示す。
同様にして評価した。結果を表−1に示す。
(密度:0.92g/cm3、MFR:8g/10分)(三菱油化社製
“三菱ポリエチ LD LM31”) *2) PP:ポリプロピレン(密度:0.89g/cm3、MF
R:6g/10分)(三菱油化社製“三菱ポリプロ FX
4”) *3) EVA:エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸
ビニル含量:25重量%、MFR:2g/10分)(三菱油化社
製“三菱ポリエチ EVA V505”) *4) EPR−1:エチレン−ブテン−1共重合体ゴ
ム(密度:0.88g/cm3、MFR:6.7g/10分)(三井石油化
学社製“タフマー A4085”) *5) EPR−2:エチレン−プロピレン共重合体ゴ
ム(密度:0.86g/cm3、MFR:3.2g/10分)(日本合成ゴ
ム社製“EP02P”) *6) 電気化学社製“デンカスチロール HI−E4” *7) 三菱油化社製“三菱ポリプロ PF250B” *8) 三菱レイヨン社製“ダイヤナイト PA500
X” *9) 三菱化成社製“ビニカコンパウンド D−12
6” *10) 三菱瓦斯化学社製“ユーピロン E−200” *11) 剥離状態 ○:剥離強度200g/10cm2未満、×:
剥離強度200g/10cm2 以上
素樹脂(荒川化学工業社製“アルコンP−115;環球
軟化点115℃”)を用いた以外は同様にして積層フィ
ルムを製造し、その性能を評価した。結果を表−2に示
す。
素樹脂(荒川化学工業社製“アルコンP−125;環球
軟化点125℃”)を用いた以外は同様にして積層フィ
ルムを製造し、その性能を評価した。結果を表−2に示
す。
(荒川化学工業社製“KE−354;環球軟化点105
〜113℃”)を用いた以外は同様にして積層フィルム
を製造し、その性能を評価した。結果を表−2に示す。
ケ月保管した後の剥離強度を測定した。結果を表−3に
示す。
レフィン、スチレン系樹脂、熱可塑性ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリカーボネート等の各種包装容器等に
使用される基材に対して良好なヒートシール性、接着性
および剥離性を有し、フィルム、シート等への良好な成
形加工性を示し、かつ得られたフィルム、シート等が保
存時にブロッキングしない取扱いの優れた性質を有する
ものであり、極めて実用性の優れたものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 (a)オレフィン系樹脂 20〜70重量
%、(b)オレフィン系エラストマー 10〜60重量%、
(c)オレフィン系重合体30〜95重量%とビニル単量
体70〜5重量%とをグラフト反応条件に付して得られ
る改質オレフィン系重合体 5〜40重量%、および(d)
粘着付与剤 5〜30重量%を含有することを特徴とす
るオレフィン系熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 粘着付与剤(d)とオレフィン系エラスト
マー(b)の割合が重量比で1:1.5〜5であり、かつ
粘着付与剤(d)と改質オレフィン系重合体(c)の割合が重
量比で1:0.25〜4である請求項1記載のオレフィ
ン系熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項3】 改質オレフィン系重合体(c)が、オレフ
ィン系重合体粒子、ビニル単量体およびラジカル発生剤
を含む水性懸濁液を、該ラジカル発生剤の分解が実質的
に起こらない温度に昇温し、該ビニル単量体を前記オレ
フィン系重合体粒子に含浸させた後、この水性懸濁液を
さらに昇温してグラフト反応を完結させる方法によって
得られたものである、請求項1または2に記載のオレフ
ィン系熱可塑性樹脂組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08214493A JP3312951B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | オレフィン系熱可塑性樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP08214493A JP3312951B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | オレフィン系熱可塑性樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH06293845A true JPH06293845A (ja) | 1994-10-21 |
JP3312951B2 JP3312951B2 (ja) | 2002-08-12 |
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ID=13766242
Family Applications (1)
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JP08214493A Expired - Lifetime JP3312951B2 (ja) | 1993-04-08 | 1993-04-08 | オレフィン系熱可塑性樹脂組成物 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3312951B2 (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6096420A (en) * | 1998-01-30 | 2000-08-01 | Tredegar Corporation | Thin plastic film |
JP2006117247A (ja) * | 2003-10-17 | 2006-05-11 | Showa Denko Plastic Products Co Ltd | 易開封性フィルム、蓋材及び容器 |
KR20130058667A (ko) | 2010-04-16 | 2013-06-04 | 가부시키가이샤 가네카 | 접착성 수지 조성물 및 성형체 |
WO2016175335A1 (ja) * | 2015-04-30 | 2016-11-03 | サン・トックス株式会社 | 多層シーラントフィルム |
US9968628B2 (en) | 2000-05-26 | 2018-05-15 | Idenix Pharmaceuticals Llc | Methods and compositions for treating flaviviruses and pestiviruses |
-
1993
- 1993-04-08 JP JP08214493A patent/JP3312951B2/ja not_active Expired - Lifetime
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KR20130058667A (ko) | 2010-04-16 | 2013-06-04 | 가부시키가이샤 가네카 | 접착성 수지 조성물 및 성형체 |
US9328271B2 (en) | 2010-04-16 | 2016-05-03 | Kaneka Corporation | Adhesive resin composition and molded products |
WO2016175335A1 (ja) * | 2015-04-30 | 2016-11-03 | サン・トックス株式会社 | 多層シーラントフィルム |
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