JPH0629349U - 無停電電源装置の並列同期信号切換回路 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 負荷母線を２重化した無停電電源装置の並列
運転システムにおいて、一方の系統の同期制御部を含む
並列盤（Ａ又はＢ）を点検しているときに、無停電電源
装置１ａ，１ｂ，１ｃが故障しても、瞬時に商用バイパ
ス電源に切り換えることができるようにする。 【構成】 並列盤Ａに同期制御部１６を収納し、並列盤
Ｂに同期制御部２６を収納し、該同期制御部１６，２６
のいずれかを選択する半導体スイッチ１７，２７を設け
る。並列盤Ａの点検中は、半導体スイッチ１７をオフ、
半導体スイッチ２７をオン制御して同期制御部２６の出
力によって、無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの制御を
行う。この点検中に無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃが
故障した場合、切換スイッチ２ｂ、しゃ断器５ｄ〜５ｆ
をオフ制御し、切換スイッチ３ｂをオン制御し、負荷へ
の給電を商用バイパス電源に切り換える。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は無停電電源設備の並列同期無瞬断切換システムの同期制御部に係り、 特に無停電電源装置の並列同期信号切換回路に関する。

【０００２】

【従来の技術】

個別制御の無停電電源装置を複数台並列運転するシステムでは、従来例えば図 ２のように商用同期無瞬断切換機能が追加されている。図２においてインバータ を用いた無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃは切換スイッチ２を介して負荷（図示 省略）に接続され、商用バイパス電源は切換スイッチ３およびサイリスタスイッ チ４を並列に介して負荷に接続されている。

【０００３】 図２の回路では無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの出力を、図示しない同期制 御部によって常時商用バイパス電源と同期させておき、万一無停電電源装置１ａ ，１ｂ，１ｃが故障した場合は極めて短時間または無瞬断で商用バイパス電源側 に切り換えて負荷に給電を行うように構成されている。上記のシステムでは同期 制御部は１つであり、共通部となる。

【０００４】 また上記システムの負荷母線を２重化すると図３のように構成される。図３に おいて図２と異なる点は、負荷母線（Ｌ₁，Ｌ₂）の２重化にともなって前記切換 スイッチ２を切換スイッチ２ａ，２ｂに、切換スイッチ３を切換スイッチ３ａ， ３ｂに、サイリスタスイッチ４をサイリスタスイッチ４ａ，４ｂに各々２重化し 、無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃと前記切換スイッチ２ａを結ぶ電路にしゃ断 器５ａ，５ｂ，５ｃを各々介挿し、無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃと前記切換 スイッチ２ｂを結ぶ電路にしゃ断器５ｄ，５ｅ，５ｆを各々介挿したことにある 。

【０００５】 図３のシステムでは一方の系統の切換スイッチ２ａ，３ａ、しゃ断器５ａ，５ ｂ，５ｃ、サイリスタスイッチ４ａは並列盤Ａに、他方の系統の切換スイッチ２ ｂ，３ｂ、しゃ断器５ｄ，５ｅ，５ｆ、サイリスタスイッチ４ｂは並列盤Ｂに各 々収納されている。同期制御部６は一方の系統の並列盤Ａにのみ収納され、共通 使用とされている。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

図２、図３に示す無停電電源設備の並列同期無瞬断切換システムは、同期制御 部（又は同期制御部を収納する盤）を点検中に無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃ が故障した場合、商用バイパス電源側へ無瞬断で切り換えることができない。

【０００７】 本考案は上記の点に鑑みてなされたものでその目的は、多重化された並列盤の いずれを点検する場合であっても、商用バイパス電源への無瞬断切り換えを可能 とした無停電電源装置の並列同期信号切換回路を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、並列運転される複数の無停電電源装置と、バイパス用電源と、前記 複数の無停電電源装置および負荷を結ぶ電路と、前記バイパス用電源および負荷 を結ぶ電路に各々介挿されたしゃ断器から成り、前記無停電電源装置とバイパス 用電源を切り換える無瞬断切換回路とを備えた無停電電源装置の並列同期信号切 換回路において、前記無瞬断切換回路を多重化して複数の並列盤を構成し、前記 多重化した並列盤に各々設けられ、前記複数の無停電電源装置出力の位相をバイ パス用電源の位相に一致させるように制御を行う同期制御部と、前記複数の同期 制御部のうちいずれかを選択するスイッチとを備えたことを特徴としている。

【０００９】

【作用】

前記無瞬断切換回路を例えば２重化して２個の並列盤を構成したとすると、い ずれか一方の同期制御部をスイッチにより選択し、該選択された同期制御部によ って、並列運転が行われる複数の無停電電源装置の出力位相をバイパス用電源の 位相と同一になるように制御する。このように制御しておけば万一無停電電源装 置の出力がダウンしたり、故障した場合は無瞬断切換回路によって無停電電源装 置からバイパス用電源へ無瞬断で切り換えることができる。

【００１０】 また前記いずれか一方の並列盤（同期制御部）の点検中は、スイッチにより他 方の同期制御部を選択し、該他方の同期制御部によって複数の無停電電源装置の 出力位相をバイパス用電源の位相と同一になるように制御しておく。これによっ て一方の並列盤の点検中に無停電電源装置の出力がダウンしたり、故障しても、 他方の同期制御部によって無停電電源装置からバイパス用電源へ無瞬断で切り換 えることができる。

【００１１】 またいずれか一方の並列盤の同期制御部が故障した場合はスイッチにより他方 の同期制御部を選択し、該他方の同期制御部によって複数の無停電電源装置を同 期制御する。同期制御部は２重化された並列盤の両方に設けられているので、い ずれか一方の同期制御部が故障しても複数の無停電電源装置を同期制御すること ができる。

【００１２】

【実施例】

以下図面を参照しながら本考案の一実施例を説明する。図１において、図３と 異なる点は、並列盤Ａに、無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの出力の位相を商用 バイパス電源の位相に一致させるように制御を行う同期制御部１６と、該同期制 御部１６と無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの各インバータの制御端を結ぶ電路 に介挿された半導体スイッチ（アナログスイッチ）１７とを設け、並列盤Ｂに、 無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの出力の位相を商用バイパス電源の位相に一致 させるように制御を行う同期制御部２６と、該同期制御部２６と無停電電源装置 １ａ，１ｂ，１ｃの各インバータの制御端を結ぶ電路に介挿された半導体スイッ チ（アナログスイッチ）２７とを設けたことにあり、その他の部分は図３と同一 に構成されている。

【００１３】 前記同期制御部１６、２６は商用バイパス電源の周波数を位相基準信号とし、 該基準信号と無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの各インバータ出力信号の偏差分 が零になるようにＰＬＬ回路を用いて前記各インバータを制御するように構成さ れている。また同期制御部１６、２６は並列運転における各インバータの有効電 力の分担の偏差も零になるように制御するものである。

【００１４】 前記半導体スイッチ１７、２７は同期制御部１６、２６の制御出力（周波数お よび電圧）を切り換えるものである。

【００１５】 以上のように構成された装置において、通常は例えば半導体スイッチ１７をオ ン、半導体スイッチ２７をオフし、同期制御部１６の制御出力によって、無停電 電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの出力位相が商用バイパス電源の位相と同一になるよ うに制御しておく。この場合無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの出力がダウンし たり、故障した場合は切換スイッチ２ａ，２ｂ、しゃ断器５ａ〜５ｆをオフ制御 し、切換スイッチ３ａ，３ｂをオン制御し、負荷（図示省略）への給電を商用バ イパス電源に切り換える。これによって無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃから商 用バイパス電源へ無瞬断で切り換えることができる。

【００１６】 また例えば同期制御部１６や並列盤Ａの点検中は、半導体スイッチ１７をオフ 、半導体スイッチ２７をオン制御して同期制御部２６の出力によって、無停電電 源装置１ａ，１ｂ，１ｃの制御を行う。このような点検中に無停電電源装置１ａ ，１ｂ，１ｃの出力がダウンしたり、故障した場合、切換スイッチ２ｂ、しゃ断 器５ｄ〜５ｆをオフ制御し、切換スイッチ３ｂをオン制御し、負荷（図示省略） への給電を商用バイパス電源に切り換える。これによって無停電電源装置１ａ， １ｂ，１ｃから商用バイパス電源へ無瞬断で切り換えることができる。

【００１７】 またいずれか一方、例えば並列盤Ａの同期制御部１６が故障した場合は、半導 体スイッチ１７をオフ、半導体スイッチ２７をオン制御して同期制御部２６の出 力によって、無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃの制御を行う。このように２重化 された並列盤Ａ，Ｂの両方に同期制御部が設けられているので、いずれか一方の 同期制御部が故障しても複数の無停電電源装置１ａ，１ｂ，１ｃを同期制御する ことができる。

【００１８】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、無停電電源装置の多重化されたシステムの全て の系統に同期制御部を収納し、半導体スイッチにてその制御指令を切り換えるよ うに構成したので、半導体スイッチを切り換えるわずかな時間（１０秒程度）を 除いて、どの並列盤を点検する際にも無停電電源装置からバイパス用電源への無 瞬断切り換えが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す回路図。

【図２】従来の無停電電源設備の並列同期無瞬断切換シ
ステムの一例を示す回路図。

【図３】従来の２重化された無停電電源設備の並列同期
無瞬断切換システムの一例を示す回路図。

【符号の説明】

１ａ，１ｂ，１ｃ…無停電電源装置 ２，２ａ，２ｂ，３，３ａ，３ｂ…切換スイッチ ４，４ａ，４ｂ…サイリスタスイッチ ５ａ〜５ｆ…しゃ断器 ６，１６，２６…同期制御部 １７，２７…半導体スイッチ Ａ，Ｂ…並列盤 Ｌ₁，Ｌ₂…負荷母線

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 並列運転される複数の無停電電源装置
   と、バイパス用電源と、前記複数の無停電電源装置およ
   び負荷を結ぶ電路と、前記バイパス用電源および負荷を
   結ぶ電路に各々介挿されたしゃ断器から成り、前記無停
   電電源装置とバイパス用電源を切り換える無瞬断切換回
   路とを備えた無停電電源装置の並列同期信号切換回路に
   おいて、 前記無瞬断切換回路を多重化して複数の並列盤を構成
   し、前記多重化した並列盤に各々設けられ、前記複数の
   無停電電源装置出力の位相をバイパス用電源の位相に一
   致させるように制御を行う同期制御部と、前記複数の同
   期制御部のうちいずれかを選択するスイッチとを備えた
   ことを特徴とする無停電電源装置の並列同期信号切換回
   路。