JP3690158B2 - 無停電電源システム及びその給電方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、無停電電源装置を並列接続して運転する無停電電源システム及びその給電方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来の無停電電源システムは、図２に示す構成とされている。
無停電電源システムは、バックアップ給電を行う無停電電源装置１，２と交流出力を行う母線盤６とからなる。各無停電電源装置１，２は、整流器３、インバータ４及びバッテリ５を備えている。バッテリ５は、各無停電電源装置１，２で共用されている。また、各無停電電源装置１，２は、ブレーカ１ｂ，２ｂ及び供給線２２ａ，２２ｂを介して母線盤６に接続されている。
【０００３】
母線盤６は、ブレーカ６ａ〜６ｃ及び無瞬断切換回路７を備えている。ブレーカ６ａは、保守バイパス線１０に接続されている。ブレーカ６ｂ，６ｃは、それぞれ供給線２２ａ，２２ｂに接続されている。無瞬断切換回路７は、ブレーカ８ａ，８ｂ及びＡＣスイッチ９を備えている。ブレーカ８ａは、ブレーカ６ｂ，６ｃに接続されている。ブレーカ８ｂは、電源１１の直送線１２に接続されている。
【０００４】
このような構成では、バックアップ給電時、各無停電電源装置１，２の並列運転により、母線盤６のブレーカ６ｂ，６ｃ，８ａを介して交流出力が行われる。各無停電電源装置１，２が故障した場合、無瞬断切換回路７のＡＣスイッチ９がオンし、直送線１２側の給電に切換える。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来の無停電電源システムでは、母線盤６の無瞬断切換回路７が単一であるため、無瞬断切換回路７が故障すると、給電の切換えが行われないという問題がある。
【０００６】
また、無瞬断切換回路７のメンテナンス試験を行う場合、保守バイパス線１０からの給電を必要とする構成となっているため、メンテナンス試験時における各無停電電源装置１，２からの給電を行うことができないといった問題もある。
【０００７】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、何れか一方のバックアップ給電に故障が発生した場合及びメンテナンス試験時であっても確実な給電を行うことができる無停電電源システム及びその給電方法を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
本発明の無停電電源システムは、交流出力を行う母線盤と、前記母線盤に対して第１及び第２の給電線を介し並列接続されて電力の供給を行う第１及び第２の無停電電源装置と、前記第１及び第２の無停電電源装置にそれぞれ設けられ、無停電電源装置からの給電と直送給電との切換えを行う第１及び第２の無瞬断切換回路と、前記第１及び第２の無瞬断切換回路をそれぞれ制御する第１及び第２の切換制御回路とを備え、前記第１又は第２の切換制御回路は、前記第１又は第２の無停電電源装置の何れか一方に故障が発生した場合、一方の無瞬断切換回路の無瞬断切換動作を停止させ、他方の故障が発生していない側の無停電電源装置からの給電を継続させ、他方の無停電電源装置にも故障が発生した場合、他方の無瞬断切換回路を直送給電側に切換えるよう制御することを特徴とする。
【０００９】
本発明の無停電電源給電方法は、交流出力を行う母線盤に対して並列接続される第１及び第２の無停電電源装置と、前記第１及び第２の無停電電源装置にそれぞれ設けられて無停電電源装置からの給電と直送給電との切換えを行う第１及び第２の無瞬断切換回路と、前記第１及び第２の無瞬断切換回路をそれぞれ制御する第１及び第２の切換制御回路とを有し、第１及び第２の無停電電源装置により並列運転される無停電電源給電方法において、第１又は第２の無停電電源装置の何れか一方に故障が発生した場合、故障が発生した側の前記第１又は第２の無瞬断切換回路の無瞬断切換動作を停止させ、他方の故障が発生していない側の無停電電源装置からの給電を継続させる第１の工程と、他方の無停電電源装置にも故障が発生した場合、他方の無瞬断切換回路を直送給電側に切換える第２の工程とを備えることを特徴とする。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下に説明する図において、図２と共通する部分には、同一符号を付すものとする。
【００１１】
図１は、本発明の無停電電源システムの一実施の形態を示す回路図である。
【００１２】
図１において、無停電電源システムは、交流出力を行う母線盤６と、母線盤６に対し供給線２２ａ，２２ｂを介して並列接続されたバックアップ給電を行う無停電電源装置１，２とを備えている。母線盤６は、供給線２２ａ，２２ｂに接続されたブレーカ６ｂ，６ｃを備えている。
【００１３】
各無停電電源装置１，２は、整流器３、インバータ４及びバッテリ５を備えている。なお、図１では、バッテリ５を個別に設けた場合を示しているが、この例に限らず、バッテリ５を共用させてもよい。各無停電電源装置１，２の供給線２２ａ，２２ｂには、無瞬断切換回路７ａ，７ｂが設けられている。各無瞬断切換回路７ａ，７ｂは、ブレーカ８ａ，８ｂ及びＡＣスイッチ９を備えている。各ブレーカ８ａは、供給線２２ａ，２２ｂに接続されている。各ブレーカ８ｂは、電源１１の直送線１２ａ，１２ｂに接続されている。各無瞬断切換回路７ａ，７ｂによる切換えは、それぞれ個別に設けられた第１及び第２の切換制御回路としての切換制御回路１３ａ，１３ｂによって制御される。
なお、符号１ａ及び２ａによって囲まれた各構成要素は、それぞれ無停電電源装置１，２に内蔵することができる。
【００１４】
次に、このような構成の無停電電源システムの動作について説明する。
バックアップ給電時においては、各無停電電源装置１，２の並列運転により、各無瞬断切換回路７ａ，７ｂのブレーカ８ａ及び母線盤６のブレーカ６ｂ，６ｃを介して交流出力が行われる。
【００１５】
ここで、たとえば無停電電源装置１に故障が発生すると、切換制御回路１３ａが無瞬断切換回路７ａのＡＣスイッチ９による無瞬断切換を停止させる。これにより、無停電電源装置２側からの給電のみが継続される。この状態で、無停電電源装置２にも故障が発生すると、切換制御回路１３ｂが無瞬断切換回路７ｂのＡＣスイッチ９による無瞬断切換を指示する。これにより、無瞬断切換回路７ｂのＡＣスイッチ９がオンし、直送線１２ｂ側の給電に切換えられる。
【００１６】
このように、第１の実施の形態では、交流出力を行う母線盤６に対して並列接続された無停電電源装置１又は２の何れか一方に故障が発生した場合、それぞれ個別に設けられた切換制御回路１３ａ，１３ｂにより、故障が発生した側の無瞬断切換回路７ａ又は７ｂの無瞬断切換動作を停止させ、故障が発生していない側の無瞬断切換回路７ａ又は７ｂを直送給電側に切換えるようにしたので、バックアップ給電を確実に行わせることができる。
【００１７】
また、各無停電電源装置１，２に故障が発生すると、切換制御回路１３ａ又は１３ｂが最後に故障した側の無瞬断切換回路７ａ又は７ｂのＡＣスイッチ９による無瞬断切換を指示し、無瞬断切換回路７ａ又は７ｂのＡＣスイッチ９をオンさせ、直送線１２ａ又は１２ｂ側の給電に切換えるようにしたので、各無停電電源装置１，２が故障した場合であっても確実な給電を行うことができる。
【００１８】
また、図１において、たとえば無停電電源装置１に過電流が生じると、切換制御回路１３ａが無瞬断切換回路７ａに無瞬断切換を指示する。また、切換制御回路１３ａからの指示により、切換制御回路１３ｂが無瞬断切換回路７ｂに無瞬断切換を指示する。これにより、各無瞬断切換回路７ａ，７ｂのＡＣスイッチ９がオンし、直送線１２ａ，１２ｂ側の給電に切換える。過電流が解除されると、切換制御回路１３ａが無瞬断切換回路７ａに無瞬断切換解除を指示する。また、切換制御回路１３ａからの指示により、切換制御回路１３ｂが無瞬断切換回路７ｂに無瞬断切換解除を指示する。これにより、各無瞬断切換回路７ａ，７ｂのＡＣスイッチ９がオフし、各無停電電源装置１，２からの給電に切換えられる。
【００１９】
このように、何れか一方の無停電電源装置１又は２に過電流が生じた場合であっても、直送線１２ａ，１２ｂ側の給電に切換えることができる。
【００２０】
さらに、メンテナンス試験時、無停電電源装置１，２の何れか一方を、バックアップ給電側とする。
このように、メンテナンス試験時、何れか一方の無停電電源装置１又は２のメンテナンス試験時であっても他方の無停電電源装置１又は２からのバックアップ給電を行うことができる。
【００２１】
【発明の効果】
本発明に係る無停電電源システム及びその給電方法においては、交流出力を行う母線盤に対して並列接続された第１又は第２の無停電電源装置の何れか一方に故障が発生した場合、一方の無瞬断切換回路の無瞬断切換動作を停止させ、他方の故障が発生していない側の無停電電源装置からの給電を継続させ、他方の無停電電源装置にも故障が発生した場合、他方の無瞬断切換回路を直送給電側に切換えるよう制御するようにしたので、何れか一方のバックアップ給電に故障が発生した場合であっても確実な給電を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の無停電電源システムの一実施の形態を示す回路図である。
【図２】 従来の無停電電源システムを示す回路図である。
【符号の説明】
１，２ 無停電電源装置
２２ａ，２２ｂ 供給線
３ 整流器
４ インバータ
５ バッテリ
６ 母線盤
７ａ，７ｂ 無瞬断切換回路
９ ＡＣスイッチ
１３ａ，１３ｂ 切換制御回路

Claims (2)

1. 交流出力を行う母線盤と、
   前記母線盤に対して第１及び第２の給電線を介し並列接続されて電力の供給を行う第１及び第２の無停電電源装置と、
   前記第１及び第２の無停電電源装置にそれぞれ設けられ、無停電電源装置からの給電と直送給電との切換えを行う第１及び第２の無瞬断切換回路と、
   前記第１及び第２の無瞬断切換回路をそれぞれ制御する第１及び第２の切換制御回路とを備え、
   前記第１又は第２の切換制御回路は、前記第１又は第２の無停電電源装置の何れか一方に故障が発生した場合、一方の無瞬断切換回路の無瞬断切換動作を停止させ、他方の故障が発生していない側の無停電電源装置からの給電を継続させ、他方の無停電電源装置にも故障が発生した場合、他方の無瞬断切換回路を直送給電側に切換えるよう制御することを特徴とする無停電電源システム。
2. 交流出力を行う母線盤に対して並列接続される第１及び第２の無停電電源装置と、前記第１及び第２の無停電電源装置にそれぞれ設けられて無停電電源装置からの給電と直送給電との切換えを行う第１及び第２の無瞬断切換回路と、前記第１及び第２の無瞬断切換回路をそれぞれ制御する第１及び第２の切換制御回路とを有し、第１及び第２の無停電電源装置により並列運転される無停電電源給電方法において、
   第１又は第２の無停電電源装置の何れか一方に故障が発生した場合、故障が発生した側の前記第１又は第２の無瞬断切換回路の無瞬断切換動作を停止させ、他方の故障が発生していない側の無停電電源装置からの給電を継続させる第１の工程と、
   他方の無停電電源装置にも故障が発生した場合、他方の無瞬断切換回路を直送給電側に切換える第２の工程とを備えることを特徴とする無停電電源給電方法。

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