JPH0629238B2 - フエニルチオグリコ−ル酸誘導体の製造法 - Google Patents

フエニルチオグリコ−ル酸誘導体の製造法

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JPH0629238B2
JPH0629238B2 JP19555385A JP19555385A JPH0629238B2 JP H0629238 B2 JPH0629238 B2 JP H0629238B2 JP 19555385 A JP19555385 A JP 19555385A JP 19555385 A JP19555385 A JP 19555385A JP H0629238 B2 JPH0629238 B2 JP H0629238B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は一般式 (式中、R、Rは同一または相異なり低級アルキル
基を表わし、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。) で示されるチオカルボン酸S−フェニルエステル誘導体
に塩基存在下、一般式 YCH2COOH (II) (式中、Yは塩素原子または臭素原子を表わす。) で示されるハロ酢酸を反応させることによる一般式 (式中、Xは前記と同じ意味を表わす。) で示されるフェニルチオグリコール酸誘導体の製造法に
関する。
一般式(III)で示されるフェニルチオグリコール酸誘
導体は除草活性を有する一般式 〔式中、RはC〜Cアルキル基、C〜Cシク
ロアルキル基、C〜Cアルケニル基、C〜C
ルキニル基、C〜Cハロアルキル基、C〜C
ルコキシ(C〜C)アルキル基、C〜Cアルコ
キシカルボニル(C〜C)アルキル基またはフェニ
ル基を表わし、Xは前記と同じ意味を表わす。〕で示さ
れる4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−イソインド
ール−1,3−ジオン誘導体(特開昭59−21247
2号公報)の製造中間体として有用な化合物である。
本発明者らは、除草活性を有する一般式(II)で示され
る化合物の工業的にも有利な製造方法について鋭意検討
した結果、一般式(III)で示される化合物が上記一般
式(II)で示される化合物の中間体として有要であるこ
とおよび前記の本発明方法により、一般式(III)で示
される化合物が有利に製造できることを見い出し本発明
に至った。
従来、前記一般式(III)で示される化合物の製造法と
しては、5−N−アセチルアミノ−2−ハロゲノ−4−
フルオロフェニルチオ酢酸を、塩酸と加熱して分解後、
水酸化ナトリウムでpH4に調整し、析出してくる結晶を
集し、水洗、乾燥することによって一般式(III)で
示される化合物を得る方法が知られている(ヨーロッパ
特許公開第126419号)。しかしながら、該製法は
収率が低く、またその原料の製造において煩雑な操作を
要する等の点で充分な方法とは言い難い。
一方、本発明方法によれば、前記一般式(I)で示され
る化合物に前記一般式(II)で示される化合物を反応さ
せることにより、目的の一般式(III)で示されるフェ
ニルチオグリコール酸誘導体が高収率で得られ、また、
その原料である一般式(I)で示される化合物も効率よ
く得られることから、殊に工業規模での生産時に有利で
ある。
以下、本発明につき説明する。
本発明方法に供される原料である一般式(I)で示され
る化合物において置換基Rとしてはメチル基、エチル
基、プロピル基、ブチル基などが挙げられ、またR
してはメチル基、エチル基が好ましく、ハロ酢酸として
は、例えばクロル酢酸、ブロム酢酸等があげられ、塩基
としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、
炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウム等が
あげられる。
また、反応に供される試剤の量は、通常、前記一般式
(I)で示される化合物1当量に対して、夫々ハロ酢酸
は1.0〜1.5当量および塩基は5〜10当量である。
また、該反応においては、必要に応じ不活性溶媒を用い
ることもでき、そのような溶媒としては例えば水また
は、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノ
ール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール
類、クロロホルム、ジクコルエタン、クロルベンゼン等
のハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサ
ンテトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキ
サノン等のケトン類、アセトニトリル等のニトリル類、
ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸ア
ミド類、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄化
合物またはそれらの混合物があげられる。
上記反応において、反応温度および反応時間は通常0〜
160℃の範囲、0.5〜24時間の範囲で充分目的を達
することができる。
反応終了後の反応液は例えば塩酸、硫酸等の鉱酸で酸性
とし、析出した結晶を集するか、または不活性溶媒で
抽出および濃縮等の通常の後処理操作により、一般式
(III)で示される化合物を得ることができる。
本発明の製造法によって得られる一般式(III)で示さ
れる化合物から下記ルートによって一般式(II)で示さ
れる化合物が得られる。
(式中、RおよびXは前記と同じ意味を表わす。) 即ち、1当量の一般式(III)で示される化合物に1.0〜
2.0当量の3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水
物を不活性溶媒中、80〜120℃で0.5〜24時間反
応させることによって一般式(IV)で示される化合物を
得ることができる。次に1当量の一般式(IV)で示され
る化合物と1〜10当量のアルコール類とを溶媒中、例
えば濃硫酸、パラトルエンスルホン酸等の酸、ジシクロ
ヘキシルカルボジイミド等のカルボジイミド等の脱水剤
0.01〜1当量の存在下、また必要ならば例えば4−N,
N−ジメチルアミノピリジン等のアミノピリジン等の塩
基0.01〜1.0当量の存在下、0℃〜200℃で1〜24
時間反応させることによって一般式(II)で示される前
記除草活性を有する化合物が得られる。
また、原料である一般式(I)で示される化合物は例え
ば以下の製造法によって得ることができる。
(式中、Xは前記と同じ意味を表わす。) 即ち、1当量の一般式(V)で示される化合物に8〜1
0当量のクロル硫酸を反応させ、次に該反応物に1〜5
モルの発煙硫酸または三酸化イオウを作用させるか、あ
るいはさらに塩化チオニル、塩化イオウ等の塩素化剤0.
2〜3.0モルを反応させることによって一般式(VI)で示
される化合物が得られる。
上記反応において反応温度および反応時間は0〜50℃
の範囲、0.5〜24時間の範囲で充分目的を達すること
ができる。次に、上記で得られた1当量の一般式(VI)
で示される化合物に例えばヨウ素、ヨウ化水素酸水溶
液、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム等のヨウ素系触
媒0.01〜0.2当量の存在下、1.5〜3.0当量の赤リンおよ
び例えば酢酸、プロピオン酸等の低級アルキルカルボン
酸類1.0当量以上を反応させることにより一般式(I)
で示される化合物が得られる。上記反応において反応温
度および反応時間は通常50〜130℃の範囲、0.5〜
24時間の範囲で充分目的を達することができる。
以下に実施例および参考例をあげて本発明をさらに詳し
く説明する。
実施例1 S−(5−N−アセチルアミノ−2−クロロ−4−フル
オロベンゼン)チオアセテート40g(0.153モル)、
クロル酢酸18.9g(0.199モル)および水200gを反
応容器に入れ、これに44%水酸化ナトリウム水溶液9
0.4g(0.995モル)を20〜30℃で30分間を要し滴
下した。滴下後、昇温し、90〜100℃で5時間保温
した。冷却後、反応液を濃塩酸で酸性にし、生成した結
晶を集し、冷水で洗浄、乾燥することにより5−アミ
ノ−2−クロル−4−フルオロフェニルチオ酢酸33.6g
(収率93%)を得た。
NMR(CDCl3+D6-DMSO)δppm 3.60(2H、s);5.30〜5.70(3H、br) 6.94(1H、d);7.01(1H、d) I.R.νcm −1(流動パラフィン)3400、33
00、1670 実施例2 S−(5−N−アセチルアミノ−2−ブロモ−4−フル
オロベンゼン)チオアセテート3.0g(0.0098モル)、
クロル酢酸1.11g(0.012モル)および水20gを仕込
み、これに48%水酸化ナトリウム水溶液4.90g(0.05
9モル)を20〜30℃で10分間を要し滴下した。滴
下後、昇温し90〜95℃で1時間保温した。反応液を
冷却後、濃塩酸で酸性にし、生成した結晶を集し、冷
水で洗浄、乾燥することにより5−アミノ−2−ブロモ
−4−フルオロフェニルチオ酢酸2.55g(収率93%)
を得た。
NMR(CDCl3+D6-CMSO)δppm 3.59(2H、s)6.0〜7.0(3H、br) 6.88(1H、d)7.10(1H、d) I.R.νcm −1(流動パラフィン)3380、32
80、1670 実施例3 S−(5−N−プロピオンアミド−2−クロル−4−フ
ルオロベンゼン)チオプロピオネートとS−(5−N−
アセチルアミノ−2−クロロ−4−フルオロベンゼン)
チオプロピオネートとの混合物(液体クロマトグラフィ
ーによる面積百分率による組成が夫々、25.1%および7
1.2%)4.0g、クロル酢酸1.66gおよび水20gを反応
溶器に入れ、これに48%水酸化ナトリウム水溶液7.25
gを15分間を要して滴下した。滴下後昇温し80〜9
0℃で2時間保温した。冷却後、反応液を濃塩酸で酸性
にし、生成した結晶を集し、冷水で洗浄、乾燥するこ
とにより、5−アミノ−2−クロル−4−フルオロフェ
ニルチオ酢酸2.69gを得た。
NMR(CDCl3+D6-CMSO)δppm 3.60(2H、s);5.30〜5.70(3H、br) 6.94(1H、d);7.01(1H、d) I.R.νcm −1(流動パラフィン)3400、33
00、1670 参考例1(一般式(I)で示される化合物の製造) 4−クロル−2−フルオロアセトアニリド50g(0.
267モル)をクロル硫酸155.3g(1.33モル)に氷冷下に
加えた。次に反応液を室温まで昇温後、これに90%発
煙硫酸71.2g(0.801モル)を20〜35℃で50分間
かけて滴下した。得られた反応液を同温度で5時間攪拌
した後、これに塩化チオニル31.8g(0.267モル)を加
え、さらに同温度で2時間攪拌した。反応液を氷水に注
ぎ生成した結晶を別し水洗、乾燥することにより、4
−クロル−2−フルオロ−5−クロルスルホニルアセト
アニリド69.7g(収率91%)を得た。
m.p. 140.5〜142℃ 赤リン10.9g(0.35モル)、ヨウ素0.9g(0.0035モ
ル)および酢酸50mとを仕込み、80℃で30分間
攪拌した。これに上記で得られた4−クロル−2−フ
ルオロ−5−クロルスルホニルアセトアニリド50g
(0.175モル)を酢酸150mに溶解した溶液を1時
間30分かけて滴下した。滴下後、反応液を還流温度迄
昇温後、同温度で3時間攪拌した。その後反応液を室温
迄冷却し未反応の赤リンを別した後、液を濃縮し、
得られた残渣を氷水に注ぎ、これにチオ硫酸ナトリウム
を加えてヨウ素を還元して除いた後、生成した結晶を
集し水洗後乾燥することによりS−(5−N−アセチル
アミノ−2−クロル−4−フルオロベンゼン)チオアセ
テート44.2g(収率97%)を得た。
m.p. 144〜147.5℃ 参考例2(一般式(II)で示される化合物の製造) 5−アミノ−2−クロロ−4−フルオロフェニルチオ
酢酸55.0gと3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無
水物38.1gとを酢酸250mに溶解した後、1時間加
熱還流した。反応混合物が冷えてから、水を加え、酢酸
エチルで抽出した。抽出液を炭酸水素ナトリウム水溶液
で中和し、水洗、乾燥後、溶媒を減圧下留去し、2−
(5−カルボキシルメチルチオ−4−クロロ−2−フル
オロフェニル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H
−イソインドール−1,3−ジオン46.8gを得た。
m.p. 138−139℃ 上記で得られたイソインドール化合物1.2gとエタ
ノール1.0gをトルエン20mに溶かし、これにp−
トルエンスルホン酸を少量加え、3時間還流した後、こ
れに水を加え、トルエン層を分離、乾燥、濃縮し、残渣
をシリカゲルカラムで精製して2−(4−クロロ−2−
フルオロ−5−エトキシカルボニルメチルチオフェニ
ル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−2H−イソイン
ドール−1,3−ジオン0.1gを得た。
18 D 1.5670

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、R、Rは同一または相異なり低級アルキル
    基を表わし、Xは塩素原子または臭素原子を表わす。) で示されるチオカルボン酸S−フェニルエステル誘導体
    に塩基存在下 一般式 YCH2COOH (式中、Yは塩素原子または臭素原子を表わす。) で示されるハロ酢酸を反応させることを特徴とする一般
    (式中、Xは前記と同じ意味を表わす。) で示されるフェニルチオグリコール酸誘導体の製造法。
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