JPH06288980A - 電気化学センサ及び燃料電池、並びに、電解質含有量の監視方法 - Google Patents

電気化学センサ及び燃料電池、並びに、電解質含有量の監視方法

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JPH06288980A
JPH06288980A JP5265187A JP26518793A JPH06288980A JP H06288980 A JPH06288980 A JP H06288980A JP 5265187 A JP5265187 A JP 5265187A JP 26518793 A JP26518793 A JP 26518793A JP H06288980 A JPH06288980 A JP H06288980A
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wires
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electrochemical sensor
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JP5265187A
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Aaru Kuntsu Harorudo
ハロルド、アール、クンツ
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Toshiba Corp
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/02Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance
    • G01N27/04Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating resistance
    • G01N27/12Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating impedance by investigating resistance of a solid body in dependence upon absorption of a fluid; of a solid body in dependence upon reaction with a fluid, for detecting components in the fluid

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電池内の電解質量の状況を把握して、電池へ
の損傷が発生する以前に対応措置ができるようにする、
電気化学センサ、及びこの電気化学センサを備えた燃料
電池、並びに、電解質含有量の監視方法を提供する 【構成】 燃料電池スタックの動作中、個々の燃料セル
の電解質は、カソード側及びアノード側間で移動し、二
次セルの電解質リザーバプレートのカソード側とアノー
ド側の分離板を通り抜ける。電気化学センサは、複数の
ワイヤ、シース、及び多孔質体部でなり、多孔質体部は
センサが位置する電解質リザーバプレートと同等な気孔
寸法分布を持つものであり、ワイヤ間の電気抵抗を測定
することによって、燃料電池の動作中の電解質量を決定
することができる。多孔質体部は電解質リザーバプレー
トと同様な含有量の電解質を気孔中に含む。この電解質
はワイヤ間を電気的に接触させ、これによって、ワイヤ
間の電気抵抗が電解質リザーバプレートの電解質含有量
に関係付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電気化学センサに係
り、特に、電気化学電池中の電解質含有量を検知するた
めの電気化学センサに関する。
【0002】
【従来の技術】発電用の多くの燃料電池は、アノード電
解質リザーバプレート、アノード流路、アノード電極、
電解質層、カソード電極、カソード流路、カソード電解
質リザーバ、及びセパレータ板を有している。これらの
燃料電池を複数枚、直列となるように積層して、発電用
の燃料電池スタックが形成される。
【0003】この燃料電池スタックの運転中、電解質
は、電解質中のイオン種の移動により、電池の内部及び
隣接する電池間を移動する。それによって、燃料電池の
一方の極で電解質の減少が起こり、もう一方の極で増加
が起こる。電解質にリン酸を用いた燃料電池では、正に
帯電したプロトンの生成と消費がそれぞれ電池の中で行
われる、そして、リン酸イオンの移動は、リン酸電解質
の移動と実質上等価である。積層された一つの電池の中
のカソード側の電解質リザーバプレートからその電池の
アノードへ電解質は移動するばかりではなく、セパレー
タ板を透過してスタック内の他の電池へも移動する。こ
の電池内の電解質の移動は、アノードで電解質のフラッ
ディングを引き起こす。それにより、アノード極の特性
低下と発電効率の低下となる。一方、電池間のリン酸移
動は、燃料電池スタック端部の燃料電池の電解質フラッ
ディングを引き起こす。それによって、そのスタックの
特性低下、発電効率低下が発生する。
【0004】燃料電池で発電すると、電気ポテンシャル
が個々の燃料電池で発生し、さらに、それらを積み重ね
てスタックの電圧として得られる。電池スタック内のポ
テンシャルの関係を図1に示す。ここで、電気ポテンシ
ャルは、電池1のアノードA1 から電池1への電解質へ
かけて上昇し、アノードとカソードとの間にある電池1
の電解質E1 内では下がり、そして再び、電池1のカソ
ードC1 へ向けて上昇する。さらに、ポテンシャルは、
電池1と電池2の間のセパレータ板S1 では一定であ
る。この繰り返しが積み重ねられた最後の電池まで続
く。E1 ,E2 ,及びE3 に見ることができるが、各々
の電池の電解質において、ポテンシャルが僅かに下がる
が、全体として、個々の電池はアノードからカソードに
かけて電気ポテンシャルは上がる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】燃料電池スタックの構
造及びその複雑さのために、単位電池で、カソード側の
電解質リザーバプレートからアノード側のリザーバプレ
ートへ移動する電解質の量や、電池内を移動する電解質
の量を知ることは難しい。もし、燃料電池運転中のこの
電解質移動を知ることができたら、この電解質移動現象
をより良く知ることができ、それによって、この電解質
移動現象の問題を解決する可能性の光明が見えてくる。
従って、燃料電池運転中の個々の電池の中、及び電池間
の電解質の移動量を知ることができるような電解質含有
量検知方法が必要とされる。
【0006】本発明は、電池内の電解質量の状況を把握
して、電池への損傷が発生する以前に対応措置ができる
ようにするために、電解質量を測定する電気化学セン
サ、及びこの電気化学センサを備えた燃料電池、並び
に、電解質含有量の監視方法を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る電気化学セ
ンサは、電気的な短絡がないように、間隔を十分に持っ
た少なくとも2本のワイヤと、電解質層と同様の気孔寸
法分布を持ち、物理的にワイヤと接触している多孔質で
電気伝導性のない溝カバーと、ワイヤ間の電気抵抗を測
定する手段とからなる。
【0008】また、電解質を含有している場所の電解質
量を監視する方法は、電気化学センサを電解質を含有し
ている場所に当て、電解質を多孔体からなるセンサの溝
カバーに浸透させ、ワイヤ間に電位をかけてワイヤ間の
電気抵抗を測ることからなる。ワイヤ間の電気抵抗は電
解質が含有されている場所の電解質含有量と関係がある
ため、この電気抵抗から電池内の電解質量を監視でき
る。
【0009】本発明の特徴と使用方法は、実施例で図と
共により明確に示す。
【0010】
【作用】図2及び図3において、本発明の電気化学セン
サ40は、電気伝導性を持たないシース20内に完全に
埋め込まれた一対の電気伝導性ワイヤ10、及びそのシ
ース20には、電解質リザーバプレート70からワイヤ
10へ電解質を導くための媒体を入れるための開口部3
0を設け、その上に多孔質で、電気伝導性の無い溝カバ
ーを配置することからなる。電解質を含有する所の電解
質量が増加したり、減少したりすると、電解質を含む溝
カバー50内の電解質量も同期した変化をする。この電
解質含有量の変化は検知することができる。それは、ワ
イヤ10へ電圧を印加することによって、ワイヤ間を流
れる電流を発生させ、ワイヤ間の電気抵抗を測定するこ
とによって、電解質含有量が決定される。
【0011】
【実施例】本発明の構成を図2及び図3を参照して説明
する。ワイヤ10は、燃料電池内の環境でも電気伝導性
があり、特殊なものではない。従って、電気化学センサ
40は、センサの上で、水の電気分解を起こさせ、水素
を発生させると、水素標準電極と同様に機能する。ワイ
ヤ10は、ワイヤそれ自身が触媒であるか、又はワイヤ
の表面を白金で被覆するとか、触媒の付いたスクリーン
を巻いてワイヤに付けるというような従来からある方法
で触媒機能を持たせることができる。ワイヤ10に使え
る材料は、貴金属又はそれをベースとした合金で、金、
イリジウム、白金、ルテニウム、ルビジウム、ロジウム
等である。ワイヤ10のサイズは、製造技術から自ずと
決まってしまうが、互いに接触することなく、所定の場
所に収まるのに十分な小ささが必要で、特別な仕様とな
ることもある。例えば、リン酸型燃料電池において、本
発明の電気化学センサは、電解質を保持させる板に形成
された1.6mm幅の溝に収まる大きさでなければなら
ない。よって、望ましくは、直径がおよそ0.2mmか
らおよそ0.5mmのワイヤが良く、特に望ましくは、
0.35mmから0.4mmが良い。
【0012】ワイヤ10の間の電気抵抗を測定するため
に、ワイヤ10間に電気回路を組まなければならない。
従って、ワイヤ10は、お互いの関係を保ちながら、そ
れらの間に電流を流せるような仕掛けを備えている。も
ちろん、ワイヤ10には、お互いに電気的に短絡するよ
うな接触を避けるために、十分な距離が必要である。言
い換えると、ワイヤ間には、通常1オーム以上となるだ
ろうが、十分な電気的抵抗が保たれていることが必要と
される。電気化学センサ40を組み立て易くするため
に、その電池への組み込み、使い勝手を考慮して、図2
及び図3に示すように、互いのワイヤを実質上、平行に
するのが望ましい。
【0013】ワイヤ間の回路には、毛管力によって電解
質リザーバプレート70からワイヤ10へ電解質を導く
ための媒体機能を持つ、多孔質で、電気伝導性の無いカ
バー50を用いる。ワイヤ10間の電気抵抗は、溝カバ
ー50の電解質含有量によるので、電解質リザーバプレ
ート70中の電解質量を、溝カバー50内の電解質量が
代表するように、電解質リザーバプレート70と溝カバ
ー50内の電解質含有量が同等となるようにするのが大
切である。従って、お互いの毛管力が等しくなるよう
に、電解質リザーバプレート70と溝カバー50が同等
の気孔寸法分布を持つことが望ましい。それによって、
互いの電解質移動速度を等しくできる。もし、溝カバー
50の気孔寸法が、電解質リザーバプレート70より相
当小さくできていたら、溝カバー50の電解質含有量
は、電解質リザーバプレート70のそれより大きくな
り、それによって大きな誤差を持つか、電解質リザーバ
プレート70内の実際の電解質含有量とは全く関係ない
電解質含有量を監視することになる。同様に、溝カバー
50の気孔寸法が、電解質リザーバプレート70より相
当大きくできていたら、溝カバー50から先に電解質が
出て行き、その結果、大きな誤差を含むか、全く異なっ
た電解質含有量を読取る結果となる。
【0014】さらに、ワイヤ10間の電気抵抗を決める
ために、ワイヤ10間の電解質含有量が、電解質リザー
バプレート70と同様とすることが重要である。従っ
て、ワイヤ10は、ワイヤ10と溝カバー50の間にあ
って、その気孔寸法分布は、電解質リザーバプレート7
0と同様の気孔寸法分布を持つ溝カバー50と接触して
いなければならない。それによって、ワイヤ10間を電
解質リザーバプレートの電解質含有量と同様の含有量に
維持されることが確実となる。以上説明したように、も
し、溝カバー50の気孔寸法が、電解質リザーバプレー
ト70より大きければ、ワイヤ10間の電解質は、電解
質リザーバプレート70よりも早く移動、喪失してしま
い、一方、もし溝カバー50の気孔寸法が、電解質リザ
ーバプレート70より小さければ、ワイヤ10間の電解
質は、電解質リザーバプレート70よりも移動喪失が遅
くなるような毛管力が起こる。
【0015】電池の運転環境に対応できる多孔質溝カバ
ー50は、シリコンカーバイドのようなカーバイド、カ
リウムタイタネイトのようなタイタネイト、アルミナ及
びそれらの混合物等のような多孔体を形成する材料が使
用可能である。例えば、ロンザ社で作られているシリコ
ンカーバイド、LONZA F360は、約20から2
5ミクロンの粒径を持っており、リン酸型燃料電池に特
に適している。LONZA F360は、約5ミクロン
から15ミクロンの平均気孔径からなる多孔体を形成す
ることができ、これは、電解質リザーバプレート70の
平均気孔径約10ミクロンと同様となる。
【0016】溝カバー50は、ワイヤ10と電解質含有
体70の間の電解質移動のための媒体となる機能に加え
て、ワイヤ10の支持機能をも有する。両方の機能にお
いて、ワイヤ10間や溝カバー50と電解質含有体70
との理想的な物理的接触は、融通のきくペースト状の溝
カバー50を使うことによって得られるのが望ましい。
このペーストは、電気化学センサ40と燃料電池使用環
境下の溝カバー50内で共に使うことのできる液体を添
加することによって得られる。例えば、リン酸は、リン
酸型燃料電池用としてシリコンカーバイトに添加でき
る。そして、ペーストは、電解質含有体70の形と一致
するように成型できる。例えば、電気化学センサの組み
立てを、電解質含有体に形成された溝60の中に溝カバ
ー50が配置され、さらにお互いに接触しないようにワ
イヤ10が溝カバー50の中に配置され、ワイヤの上に
さらに溝カバー50を添加する。
【0017】しかしながら、ペースト状の溝カバー50
を使うことによって、燃料電池へ挿入する前に電気化学
センサ40の校正を妨げてしまう。なぜならば、ワイヤ
は、溝60内に注入されるペーストによって分けられる
か、または、電解質含有体70中にシース20を一度配
置した後、その開口部30にペーストが注入される。も
し、電気化学センサ40を燃料電池に挿入する前に校正
しておきたければ、ペーストよりむしろ堅い溝カバーを
使う必要がある。電気化学センサのワイヤの位置が、製
作した時と燃料電池の中で使う時で変化しないことが期
待できるならば、電池に挿入する前に、後で使うために
校正しておくことができる。しかし、このような電気化
学センサは、製作が難しく、通常、電気化学センサのワ
イヤと溝カバーとの電解質含有体の物理的接触の程度
は、製作時に比べて悪くなる傾向にある。堅い溝カバー
を使うことは、それ自身に異議はないし、本発明によっ
て考えられる範囲でもある。
【0018】融通のきくペースト状溝カバーを採用する
とき、ペーストの中でワイヤを固定することが実質上困
難となる。そのため、ワイヤ10をしっかりと包み込ん
でワイヤを隔て支持する、化学的に不活性で、電気伝導
性の無いシース20を使うことが望ましい。このシース
20は、ワイヤ自身間が直接接触すること、及びワイヤ
10と電解質を含有する所が直接接触するのを防止する
ために、ワイヤ10のまわりを包むように形成される。
発明のこの具体的実施例においては、溝カバー50は、
ワイヤ10と直接接触を保つようにするために、シース
20に開口部30を配置する。
【0019】シース20として、フッ素系樹脂をベース
としたもの、セラミックスをベースとしたもの、ポリエ
チルエチルケトン及びその混合物等がある。フッ素系樹
脂の例として、デュポン社から出ているテフロン(ポリ
テトラフルオロエチレン)、3M社から出ているフロー
レル、フルオリネートエチレンプロピレン等がある。一
般的なセラミックス系シースとしてはアルミナがある。
望ましいシース20の材料は、それが使われている分
野、環境によって、どれを使うかが決まる。例えば、溶
融炭酸塩型燃料電池では、その高温性から見て、セラミ
ックスシースを使うことが望ましい。一方、リン酸型燃
料電池では、化学的安定性及び使い易さから見て、テフ
ロン系フッ素系樹脂を用いるのが望ましい。シース20
のサイズ及び構造は、使われるワイヤのサイズ、電解質
含有体の溝サイズによる。シース20は、ワイヤ10を
包み込み、支持し、電解質含有体に形成された溝60中
に安定に保持されるのに十分な大きさであることが望ま
しい。例えば、リン酸型燃料電池では、シース20は、
真っ直ぐで自由度があり、長さがおよそ20cmから4
0cmで、幅はおよそ1.5mmから2.5mm、ワイ
ヤ10を入れるためにシース20の長さだけ実質上平行
な孔を有したものが良い。電気化学センサ40は、それ
をアクセスさせるための電池の電解質を供給する燃料電
池構成部材を囲むフレーム内に収めることができるが、
それぞれの状況に応じて、電気化学センサ40のサイズ
や構造は、大きく異なる。より薄く、より短いシース2
0、より細いワイヤ10が必要になることもある。
【0020】シース20は、シース20の開口部30に
溝カバー50を配置するようにして使う。溝カバー50
はワイヤ10と物理的に接触し、また使う時は、電解質
リザーバプレート70とも物理的に接触させて、溝カバ
ー50に電解質を浸透させることによって、ワイヤ10
間に導電性を持たせる。シース20の開口部30は、ワ
イヤ10が溝カバー50に、ワイヤ10の表面で起こる
電気化学反応を鈍らせることがないように、十分電解質
に晒されるような大きさであることが望ましい。なぜな
らば、反応の速度は、溝カバー50とワイヤ10の物理
的接触の大きさに比例するからである。ワイヤ10との
接触が少なくなると、反応速度は遅くなり、電解質の含
有量の測定誤差が増える。典型的な開口部30は、電解
質含有体70へ差し込むシース20の先端に近い所に配
置する。場所は、シース20の先端からおよそ0.6c
mから5cmの辺りで、特におよそ1.2cmから4c
mが望ましい。
【0021】開口部30から最も遠いシース20の先端
で、電気化学センサ40の端から突き出したワイヤ10
は、燃料電池のアノード、カソードマニホールドを通り
抜けて、電圧計と、図2の80に示すように、ワイヤ1
0の間の電気抵抗を測定するための機能を有する電圧発
生装置へ繋げる。これは、電流遮断法や交流インピーダ
ンス測定法のような一般的な電気抵抗測定法である。交
流インピーダンスは、イギリスのソーラトロン社で作ら
れているソーラトロン1286電気化学インタフエース
付きソーラトロン1250の周波数応答分析装置で測定
できる。
【0022】電気化学センサの開口部30の構造はいろ
いろ変わるので、電気化学センサ40は、その都度校正
する必要がある。燃料電池スタックが、安定した状態に
達するのに十分な時間、典型的にはおよそ100時間だ
が、運転を行う。安定になったら、燃料電池の運転を停
止し、ワイヤに交流電圧を印加させることによって交流
インピーダンスを電気化学センサで読取る。そして、電
流と電圧との相のずれがゼロとなるまで、交流の周波数
を変化させる。燃料電池を再起動させて、そして、再度
電気化学センサ40で読取る。これら二つの読取り値
は、ワイヤ10間の電気抵抗と電解質量の関係を基に、
電解質リザーバプレート中の電解質含有量を決めるのに
使われる。
【0023】オームの法則では、電圧(V)は抵抗
(R)と電流(i)を掛けた比例関係で表される。前記
移相ゼロは、ワイヤ10間の交流インピーダンスと電気
抵抗が等しくなっている状態である。従って、このとき
の電気抵抗は、電圧と電流の比で表される。
【0024】V=R×i この電気抵抗は、電解質で満たされたリザーバプレート
気孔容積のパーセンテージVの2.2乗に反比例するこ
とが見付けられている。電気抵抗Ro は、基準となる抵
抗で、Co は気孔容積を満たした電解質のパーセンテー
ジVo の時の基準となる電解質の電気伝導性である。電
解質の電気伝導性Cが含まれているのは、電気抵抗が測
定されている状態において、温度や露点が変わるため、
電解質の電気伝導性が基準状態から変化するからであ
る。
【0025】R/Ro =(Co /C)(Vo /V)2.2 すなわち、電解質リザーバプレート70内で電解質量が
増えたり減ったりするが、溝カバー50内の電解質含有
量も同様の変化として現れ、この電解質含有量の変化
は、ワイヤ10間の電気抵抗の変化を測定することによ
って監視できる。もし、商標「NAFION」のような
高分子電解質センサの中に使ったならば、電気抵抗は、
開口部30の中で、与えられた温度でのアノード電極ま
たはカソード電極の反応ガス(燃料及び酸化剤)の露点
の測定となる。
【0026】図4に種々の電気密度における電気化学セ
ンサ40を使って得られた試験データを示す。電気化学
センサの読取り値は、カソードでは正の方向に電流が流
れ、アノードでは負の方向に電流が流れることがグラフ
上で示されている。電解質リザーバプレート70の気孔
容積の電解質で満たされているパーセンテージは、アノ
ード側では増加し、カソード側では減少していることが
電流密度の増減でわかる。これから、カソードからアノ
ードへの電解質の移動が示される。
【0027】
【発明の効果】本発明の電気化学センサができる前まで
は、燃料電池内の電解質移動の問題は、定量的に捕らえ
られていなかった。本発明の電気化学センサで、燃料電
池内の電解質の移動を、電池運転中にも捕らえることが
できる。電気化学センサから得られる情報は、燃料電池
のより深い理解に結び付き、問題点の発見と、さらに、
解決方法を見出だし、改良することを可能とする。リン
酸移動の問題を明確にすることが、解決への第1ステッ
プである。
【0028】電気化学センサから得られるデータは、さ
らに、燃料電池への損傷を防ぐのに有効である。例え
ば、電池には、運転中にクロスオーバ、すなわち、燃料
と酸化剤の直接混合を防止するために、電解質の添加を
必要とすることがある。電気化学センサで得られる電解
質含有量の情報は、電解質を燃料電池に追加するか否
か、または追加の時期を決めるのに使われれる。さら
に、停止中の燃料電池の抵抗を捕らえることによって、
アノード、カソード電極に深刻な損傷を与える電解質凍
結の有無が捕らえられる。電解質が冷えて、凍結して行
くと、ワイヤ間の電気抵抗が増加する。それによって、
電解質の損傷を感知することができる。
【0029】本発明を説明し、その詳細な具体的な例も
示したが、形状やその詳細な部分において、種々の変形
が、特許請求の範囲、本発明の考え方によってなされる
ことは、上記技術の説明によって明白である。
【図面の簡単な説明】
【図1】燃料電池のスタック、及び個々の電池の断面の
電気ポテンシャルの状態を示す図。
【図2】電解質リザーバプレートの溝に収められた本発
明の電気化学センサの一例を示す図。
【図3】図2の電気化学センサの断面を示す図。
【図4】燃料電池の電解質分布による電流密度の影響を
示すグラフ。
【符号の説明】
10 ワイヤ 20 シース 30 開口部 40 電気化学センサ 50 溝カバー 60 溝 70 電解質リザーバプレート 80 電圧発生装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // G01N 27/04 Z 7414−2J H01M 8/04 P Z

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の電気伝導性ワイヤで、電池内の電解
    質の抵抗を測定する電気化学センサ。
  2. 【請求項2】少なくとも2本の電気伝導性ワイヤで、前
    記ワイヤが、互いに直接接触することが無いように、十
    分間隔をおいており、電気伝導性が無く、電解質を含有
    する部分と同等の気孔寸法分布を持つ多孔質体部を前記
    ワイヤに接触するように配置して、前記ワイヤ間の電気
    抵抗を測定する手段を具備する請求項1記載の電気化学
    センサ。
  3. 【請求項3】電気伝導性を持つワイヤとして、貴金属ま
    たはその合金を用いる請求項1記載の電気化学センサ。
  4. 【請求項4】前記ワイヤは、金、イリジウム、パラジウ
    ム、白金、ルテニウム、ルビジウム、ロジウム、又はこ
    れらの合金である請求項3記載の電気化学センサ。
  5. 【請求項5】前記ワイヤは、実質上シースに包まれてお
    り、前記シースに開口部を設けた請求項1記載の電気化
    学センサ。
  6. 【請求項6】前記シースは樹脂、セラミックス、又はそ
    の混合物からなる請求項5記載の電気化学センサ。
  7. 【請求項7】前記シースはフッ素系樹脂、アルミナ又は
    その混合物からなる請求項6記載の電気化学センサ。
  8. 【請求項8】多孔質体部がカーバイト、タイタネート、
    アルミネート又はその混合物からなる請求項2記載の電
    気化学センサ。
  9. 【請求項9】前記ワイヤ間の電気抵抗を測定する手段
    は、電流遮断法又は交流インピータンス測定法を用いる
    請求項2記載の電気化学センサ。
  10. 【請求項10】アノード電極、カソード電極とその間に
    電解質を持ち、少なくとも電解質をリザーブする構造を
    有する燃料電池において、電解質をリザーブしている場
    所の電解質含有量を検知するための電気化学センサが、
    少なくとも2本の電気伝導性を持つワイヤで、前記ワイ
    ヤが、互いに直接接触することがないように、十分間隔
    をおいており、電気伝導性の無い物で、電解質のリザー
    ブしてある所と同等の気孔寸法分布を持つ多孔質体部
    を、前記ワイヤ間に接触するように配置し、その前記ワ
    イヤ間の電気抵抗を測定する手段を具備させた電気化学
    センサの前記ワイヤ間に配置した前記多孔質体部に、前
    記電解質リザーバ部の電解質を浸透させて、前記ワイヤ
    間に電圧をかけて、前記多孔質体部に浸透した電解質を
    流れる電流を測定する手段を有することを特徴とする燃
    料電池。
  11. 【請求項11】前記ワイヤ間の電気抵抗を測定する手段
    は、電流遮断法又は交流インピーダンス測定法を用いる
    ことを特徴とする請求項10記載の燃料電池。
  12. 【請求項12】電気伝導性を持つワイヤとして、貴金属
    またはその合金を用いることを特徴とする請求項10記
    載の燃料電池。
  13. 【請求項13】前記ワイヤは、金、イリジウム、パラジ
    ウム、白金、ルテニウム、ルビジウム、ロジウムか、又
    はこれらの合金であることを特徴とする請求項12記載
    の燃料電池。
  14. 【請求項14】前記ワイヤは、実質上シースに包まれて
    おり、前記シースに開口部を設けたことを特徴とする請
    求項10記載の燃料電池。
  15. 【請求項15】前記シースは樹脂、セラミックス、又は
    その混合物からなることを特徴とする請求項14記載の
    燃料電池。
  16. 【請求項16】前記シースはフッ素系樹脂又はアルミナ
    又はその混合物からなることを特徴とする請求項15記
    載の燃料電池。
  17. 【請求項17】多孔質体部がカーバイト、タイタネー
    ト、アルミネート又はその混合物からなることを特徴と
    する請求項10記載の燃料電池。
  18. 【請求項18】電解質含有量を監視するための方法であ
    って、 少なくとも2本の電気伝導性を持つワイヤで、前記ワイ
    ヤが、互いに直接接触することが無いように、十分間隔
    をおいており、電気伝導性の無い物で、電解質がリザー
    ブしてある所と同等の気孔寸法分布を持つ多孔質体部
    を、前記ワイヤ間に接触するように配置して、前記ワイ
    ヤ間の電気抵抗を測定する手段を具備させた電気化学セ
    ンサを用い、 前記多孔質体部が電解質を含む場所と直接接触し、電解
    質を含む場所から電解質を浸透させ、電解質を含む場所
    の電解質量と前記ワイヤ間の抵抗に関係を持たせて、前
    記ワイヤ間の電気抵抗を測定する手段を用い、 前記ワイヤ間に電圧をかけ、ワイヤ間の電気抵抗を測定
    する、 ステップからなる電解質含有量の監視方法。
  19. 【請求項19】電気伝導性を持つワイヤとして、貴金属
    またはその合金を用いることを特徴とする請求項18記
    載の電解質含有量の監視方法。
  20. 【請求項20】前記ワイヤは、金、イリジウム、パラジ
    ウム、白金、ルテニウム、ルビジウム、ロジウム又はこ
    れらの合金であることを特徴とする請求項18記載の電
    解質含有量の監視方法。
  21. 【請求項21】前記ワイヤは、実質上シースに包まれて
    おり、前記シースに開口部を設けたことを特徴とする請
    求項18記載の電解質含有量の監視方法。
  22. 【請求項22】前記シースは樹脂、セラミックス、又は
    その混合物からなることを特徴とする請求項21記載の
    電解質含有量の監視方法。
  23. 【請求項23】前記シースはフッ素系樹脂又はアルミナ
    又はその混合物からなることを特徴とする請求項22記
    載の電解質含有量の監視方法。
  24. 【請求項24】多孔質体部はカーバイト、タイタネー
    ト、アルミネート又はその混合物からなることを特徴と
    する請求項18記載の電解質含有量の監視方法。
  25. 【請求項25】前記ワイヤに印加する電圧が、前記ワイ
    ヤ間を流れる交流電流となることを特徴とする請求項1
    8記載の電解質含有量の監視方法。
JP5265187A 1992-10-23 1993-10-22 電気化学センサ及び燃料電池、並びに、電解質含有量の監視方法 Pending JPH06288980A (ja)

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