JP2003287515A - マイクロ電極 - Google Patents

マイクロ電極

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JP2003287515A
JP2003287515A JP2002091007A JP2002091007A JP2003287515A JP 2003287515 A JP2003287515 A JP 2003287515A JP 2002091007 A JP2002091007 A JP 2002091007A JP 2002091007 A JP2002091007 A JP 2002091007A JP 2003287515 A JP2003287515 A JP 2003287515A
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Isamu Uchida
勇 内田
Minoru Umeda
実 梅田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、簡便な操作で電解質膜と電極
薄膜を一体成形した膜−電極構造体(MEA)のハーフ
セルを形成し、液相または気相、固相において電極電位
を規定しながら半電池反応の電気化学特性が計測できる
マイクロ電極を提供することにある。 【解決手段】被検体として固体高分子電解質と電極触媒
の積層、または固体高分子電解質と電極触媒の混合体の
単層を、少なくとも先端がキャピラリー形状の導電性基
体の先端部位に充填したマイクロ電極を用い、かつ該導
電性部位が被検媒体と接しないよう絶縁化することで、
MEAのハーフセルを簡便に形成し、目的とする半電池
反応を単純な構成による電気化学計測を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なマイクロ電
極に関し、具体的には電極先端がキャピラリー構造を有
し直貫型の空洞を有するマイクロ電極に関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロ電極(微小電極)は、通常サイ
ズの電極では計測できない測定が可能となる計測手段で
ある。すなわち、局所領域の解析ができる、測定電流が
小さいため溶液抵抗が高くても測定に影響を受けないな
どの特徴を有することが知られている。これらの特徴あ
る測定を行うためには、該マイクロ電極と対極がイオン
伝導性媒体を通して電気的に導通性を有している必要が
ある。このような電解液として、通常は0.01Scm
−1以上の導電率を有する電解質が使用されるが、かか
る導電性の発現のために媒体中に支持電解質を溶解して
使用する。
【0003】微少量の被検体に関する測定にあたって
は、例えば特開平5−223772号公報に、特開平1
1−187865号公報、特開2000−266717
号公報にアレー状、バンド状、ドット状の電極集合体が
開示されている。これらの電極は、微少量の反応物を効
率よく、あるいは増幅して検出することを目的とした構
成をとっており、本発明とは構造、作用、目的が異な
る。一方、ガスクロマトグラフィー用ガス検出器を目的
としたマイクロ電極が、ジャーナル・オブ・エレクトロ
アナリティカル・ケミストリー誌、244巻81頁、電
気化学および工業物理化学誌、61巻、825頁に記載
されている。これらは、二極構造のマイクロ電極でカラ
ム分離された後のガス検出を行っているが、本発明とは
構造、作用、目的が異なる。
【0004】一方、固体高分子形燃料電池は比較的低温
(常温から140℃)で運転する発電装置である。その
ため、高温タイプ(溶融炭酸塩形燃料電池、固体電解質
形燃料電池)では不要であった電極触媒が必要になる。
固体高分子形燃料電池においては、電解質膜と電極薄膜
を一体成形した膜−電極構造体(MEA)が重要な構成
要件となっている。通常、MEAの評価には固体高分子
電解質の両面にアノード(燃料極)とカソード(空気
極)を接合し、単セルとして評価を行う。しかしながら
電極反応の研究のためには、アノード反応またはカソー
ド反応に着目したいわゆるハーフセルを形成し、目的と
する半電池反応を単純な構成とし電気化学計測を行う必
要がある。そのためには、簡便な固体高分子電解質と電
極触媒の接合体とその電気化学計測を行うためのツール
が必要であるが、そのような手段はいまだ開発されてお
らず、それを実現できる電極の開発が待ち望まれてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】通常の電気化学計測
は、電流と電位の関係を明らかにする測定を意味する。
ここにいう電位とは電極電位のことであり、電極電位を
規定するための参照電極の使用が欠かせない。前述した
MEAの評価に際しては参照電極を直接組み込むことが
難しいため、単セルの電流と電圧の関係を測定するにと
どまっていた。この方法ではアノード反応、カソード反
応と電解質中のイオン移動を含んだ結果が得られるた
め、かならずしも目的とする電極反応だけを観測するこ
とはできない。一方、電極触媒を必要に応じて適当な結
着剤樹脂とともに集電体上に塗工し電気化学計測を行う
ことはできるが、この場合、参照電極を用いる電気化学
測定は、溶液中に限定されていた。このように電極触媒
と固体高分子電解質を接合したハーフセルを再現し、微
少量の触媒と電解質の使用により簡便に電気化学計測を
行うことができる電極は提案されておらず、その開発が
待ち望まれていた。
【0006】このような潜在要求に鑑み、本発明におい
ては、マイクロ電極の有する特徴、すなわち固体高分子
電解質のごとき高抵抗媒体を用いてもiR降下が最小限
に抑えられることや材料の使用が微小である等を最大限
に活かし、MEAのハーフセル構造を再現できる電極構
造物の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記課題を
解決するために、鋭意検討を重ねた結果、(1)少なく
とも先端がキャピラリー形状の導電性基体の先端部位に
被検体を充填しうるマイクロ電極であって、該導電性部
位が被検媒体と接しないよう絶縁化されていることを特
徴とするマイクロ電極、(2)被検体が固体高分子電解
質と電極触媒の積層、または固体高分子電解質と電極触
媒の混合体の単層であることを特徴とする(1)に記載
のマイクロ電極、以上が、前記の課題を解決することを
見いだし、本発明の完成に至った。
【0008】すなわち、本願発明者らはMEAの構造に
おける電極/固体高分子電解質接合体をその内部に組み
込むことができるマイクロ電極を考案し、本発明の完成
に至った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明を説明
する。図1は、本発明のマイクロ電極の一例を示す断面
図であり、導電性中空基体1の先端がキャピラリー形状
になっている。導電性基体の先端には、固体高分子電解
質2と電極触媒3が積層した形で充填されている。導電
性基体は電極触媒と接することで集電体として作用す
る。ただし、導電性基体の電極触媒と接する以外で被検
媒体と接触する部位は、絶縁体材料4により処理がなさ
れている。
【0010】図2には本発明のマイクロ電極の別の例を
示す。導電性中空基体1は、絶縁性支持体11と導電性
層12からなる。図では導電性層が絶縁性支持体の内側
に設けられているが、外側に設けることも可能かつ有効
である。また、固体高分子電解質2と電極触媒3をよく
混合し、単層の形状でキャピラリー先端に充填すること
も可能である。導電性中空基体1としては、単体金属あ
るいは合金からなるグループ、金属酸化物からなるグル
ープ、半導体からなるグループ、炭素系材料からなるグ
ループ、および金属硫化物からなるグループに属する材
料が使用される。
【0011】単体金属あるいは合金からなるグループに
は、Ti、V、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ge、
Nb、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Sn、Ta、
W、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Pb等の単体金属
と、それらを組合せた組成の合金が具体的に挙げられ
る。金属酸化物からなるグループには、TiO2 、Mn
2 、PbO2 、WO3 、ペロブスカイト酸化物、ブロ
ンズ酸化物、スピネル酸化物、パイロクロール酸化物等
が具体的に挙げられる。半導体からなるグループには、
Si、Ge、ZnO、CdS、TiO2 、GaAs等が
具体的に挙げられる。炭素系材料からなるグループに
は、グラファイト、カーボンペースト、グラッシーカー
ボン、HOPG(高配向性熱分解グラファイト)等が具
体的に挙げられる。金属硫化物からなるグループには、
RuS2 、PdS、PdS2 、CdS、In23 、O
sS2 、CoS2 、PbS、NiS2 、MoS2 等が挙
げられる。ただしこれらの材料群の中でも、導電材料は
電極触媒活性を示さない材料であることが望ましい。な
ぜなら、電極触媒以外の材料が活性を有してしまうと、
電極触媒自身の活性が正確に評価できないからである。
このような条件を満たす材料としては、金をのぞく白金
属元素を有効成分として有しない前出の金属ないしその
合金、導電性材料あるいは半導体が好ましく用いられ
る。
【0012】これらの導電性材料は、適切な公知の方法
により図1の形状に加工される。公知の加工方法として
は、引き延ばし加工、切削加工、レーザーアブレージョ
ンなどが挙げられる。
【0013】絶縁性支持体11としては、公知の材料が
全て使用できる。このような材料としては、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリカーボネートをはじめとする公
知のプラスチック材料、石英硝子、硬質硝子、軟質硝子
等の硝子材料、Al、MgOに代表される金属酸
化物、Si、AlNに代表される金属窒化物、S
iCに代表される金属炭化物等をはじめとする公知の材
料があげられ用いられる。
【0014】絶縁性支持体11を導電化処理するため、
その内壁および/または外壁に導電性層12を設けるこ
とができる。導電性層は前記の導電性材料を電気めっ
き、無電解めっき、蒸着、スパッタ等の公知の技術で製
膜することができる。また、前記の導電性材料粉体を適
切なバインダー樹脂に分散して製膜することもできる。
さらには、プロパン、ブタンに代表される炭化水素を熱
分解することにより導電性カーボン薄膜を絶縁性支持体
上に設けることもできるし、またアンチモンを含む塩化
スズ溶液を塗布・焼成することにより導電性酸化スズ薄
膜を設けることも有効である。この他にも、公知の導電
性薄膜を形成する手段が全て使用できる。
【0015】絶縁体材料4としては、10Ωcm−1
以上の抵抗率を有する材料ならば公知のもの全てが使用
できる。このような材料としては、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリエチレンをはじめとする公知のプラスチック材
料、Al、MgOに代表される金属酸化物、Si
、AlNに代表される金属窒化物、SiCに代表
される金属炭化物等をはじめとする公知の材料があげら
れ用いられる。
【0016】これらの絶縁体材料4は、図1、図2に示
されるように、導電性部位が直接被検媒体であるところ
の電解質液や反応性ガスに触れることのないように被覆
する。最も好ましい手段としては、絶縁性材料を溶媒に
溶解ないし分散してキャスト製膜する方法が簡便な手段
として採用できる。
【0017】固体高分子電解質2としては、ナフィオン
をはじめとするイオン交換樹脂や適切な溶媒と親和性を
持つ高分子材料があげられる。溶媒と親和性を持つ高分
子としては、まず、水溶性高分子を不溶化したものとし
て、セルロースアセテート、ポリビニルアルコール、ポ
リNビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、セルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ニトロセルロース、
シアノエチルセルロース、セルロースサルフェート、ヘ
パリン、ペクチン、アルギン酸、ヒドロキシメチルセル
ロース、イソプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポ
リエチレンオキシド等の熱処理物や架橋物、上記水溶性
高分子のうち2種以上の高分子を架橋して得られた共重
合体を挙げることができる。また、水によって殆ど膨潤
しない非水溶性高分子を上記水溶性高分子と適当な分率
で共重合し、水中での膨潤度を向上させた膜も挙げられ
る。さらに、光架橋性のモノマーを水溶性高分子溶液に
溶解させておき、製膜後光照射して架橋構造を作り、高
吸水性高分子を得る方法を挙げることができる。これら
の高分子としては、光架橋性ポリビニルアルコールや光
架橋性ポリエチレンオキシド、光架橋性ポリエチレング
リコールなどが挙げられる。また、イオン性高分子とし
てポリビニルスルホン酸やポリスチレンスルホン酸、ナ
フィオン等を挙げることができる。これらのアニオン性
高分子はカチオン性の目的物質を取り込んで運動を束縛
するため、膜中で大きな拡散係数が得られないことがあ
る。このため、上記水溶性高分子をコートした後これら
のアニオン性高分子をコートして、選択性、感度を向上
させることができる。二層膜では目的物質を取り込む機
能を有する上層膜と電極応答に寄与する下層膜とが分か
れているため、膜全体として高吸水性であれば、上層膜
は目的物質に対し分配係数の大きな膜であれば良い。ま
た、下層膜としては、多孔質膜を用いることもできる。
さらに、高分子以外でも二分子膜やLB膜に利用する両
性物質を多孔質膜中に分散させて薄膜として使用するこ
とができる。
【0018】キャピラリー先端に固体高分子電解質膜を
設ける方法としては、該高分子を適切な溶媒に溶解ない
し分散し、キャピラリー先端に流し込んだ後乾燥させる
ことで目的とする高分子膜を得ることができるし、また
溶媒を用いずとも、高分子を加熱融解しキャピラリー先
端に注入・製膜することも可能である。
【0019】本発明における高分子電解質層の厚さは
0.2から200μm、好ましくは1から50μm程度
である。
【0020】電極触媒3をキャピラリー先端に設ける方
法としては、電極触媒が粉体の場合、電極先端に物理的
に挿入あるいは吸着することで電極触媒を付与すること
ができる。またこの際、粉体粒子とともに適当なバイン
ダー樹脂を併用することもできる。一方、金属あるいは
合金薄膜を目的とする電極触媒として使用することも可
能である。この場合、真空薄膜作製法、めっき、無電解
めっき等の公知の手段で電極触媒薄膜を設けることがで
きる。
【0021】電極触媒層の厚さは0から100μm、好
ましくは0から50μmである。
【0022】さらに固体高分子電解質と電極触媒混合物
を単層で設ける場合は、前者と後者の比が100:1か
ら1:100程度であることが望ましい。またこの場合
の単層の厚さは0.2から200μm、好ましくは1か
ら50μm程度である。
【0023】本発明のマイクロ電極は、作用電極とし
て、参照電極、対極とともに電気化学測定に使用され
る。
【0024】参照電極に使用される材料は、電位を安定
にするものならば何を用いても良い。このような参照電
極の公知例としては、D. J. G. Ives and G. J. Janz
編"Reference Electrodes、 Theory and Practice"、
(Academic Press、 1961) に記載されているものが、代
表例としてあげられ使用される。参照電極の具体例とし
ては、可逆水素電極、銀・塩化銀電極、飽和カロメル電
極、ダイレクト水素電極等が用いられる。また、参照電
極とする電極上に銀ペーストを薄くコートして、銀を参
照物質とすることも有効かつ効果的である。参照電極の
構成要件として、平衡電位を発生する部分と作用電極を
隔離する必要がある場合は、適当な液洛を介して両者を
配置することができる。具体的な液洛の例としては、電
解液を含む寒天や、細線を通しての液洛の形成があげら
れるが、このようなものの例は前記文献に詳しい。
【0025】また対極としては、上述した作用電極用材
料が全て使用されるが、とりわけ白金、グラッシーカー
ボン、ダイヤモンド等、高耐食性の材料が好適に用いら
れる。対極はその作動特性に鑑みると、作用電極の面積
の2倍以上、好ましくは10倍以上、さらに好ましくは
50倍以上の面積を有することが望ましい。これを達成
する一方法として、公知の白金黒、パラジウム黒等があ
げられ使用される。これは、めっきにより見かけの面積
の100倍程度の有効面積を与えることができるもの
で、広く知られている方法である。
【0026】参照電極ならびに対極は、導電性媒体を介
して作用電極と接続されるものである。すなわち作用電
極の先端を導電性媒体に接触させ、該媒体に参照電極、
対極を接触させることができる。また作用電極の内部空
洞に該媒体を充填し、それを介して参照電極、対極を接
触させることもできる。
【0027】本発明の電極触媒の電気化学的評価の対象
とする被検媒体としては、水、ジエチルエーテル、ジメ
トキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラ
ン等のエーテル類、アセトニトリル、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、液体アンモニア、硫酸な
どを用いることができるだけでなく、溶融塩、超臨界流
体なども測定対象とすることができる。これら溶媒に
は、公知の支持電解質を溶解させて溶液抵抗を下げて測
定する従来からの手法が適用される。また、高抵抗媒体
の例としては、支持電解質を含まない上記の各溶媒、固
体高分子、気体などがあげられる。固体高分子として
は、例えば、ナフィオンに代表されるフルオロアルキル
スルホン酸ポリマー、ポリエチレングリコールないしは
それに類似した重合体があげられ、これにリチウムイオ
ンを混入せしめることで、高抵抗媒体中のリチウムイオ
ンの電気化学挙動を計測することができる。また、気体
も本発明のマイクロ電極の測定対象となる。その例とし
ては、水素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、二硫化炭
素等の気体、または、メタノール、エタノール、ジメチ
ルエーテル、アセトンなどの物質を気化して電極反応の
測定対象とすることもできる。
【0028】反応物質が気体である場合は、前記導電性
媒体にガス通気することで溶解せしめ、反応に供するこ
とができるし、また導電性媒体を介さずに直接気体反応
物を作用極に供給することもできる。後者の場合、固体
高分子と電極触媒を介してガス供給する側と反対側に参
照電極、対極を設置するべきである。
【0029】電解セルとしては、電解質溶液、固体高分
子電解質等を収容でき、かつ電極群を挿入できる適当な
形状の容器が好ましく使用される。電解セルに用いられ
る部材としては、ガラス、プラスチック、セラミックス
をはじめとする公知の材料がすべて使用できる。電解セ
ルには、反応性ガス導入あるいは反応性ガスパージの目
的で、ガスをバブリングおよび/またはフローさせる通
気口を設けることができる。
【0030】電気化学測定に用いられるポテンショスタ
ットおよび/またはガルバノスタットには、通常のもの
が使用できる。ただし対極を参照電極と兼用することが
でき、この場合は、ポテンショスタットの代わりに定電
圧電源と電流計を、ガルバノスタットの代わりに定電流
電源と電圧計を使用することも可能である。これらに適
切な測定装置、例えば電位スキャナー、ロックインアン
プ、周波数応答分析装置等を連結して測定に供すること
も可能である。
【0031】
【実施例】次に実施例により本発明を詳細に説明する
が、実施例は本発明を詳しく説明するためのものであ
り、本発明がこれらの実施例によってなんらの制約も受
けないことは断るまでもない。
【0032】(実施例1)外径10mm、内径8mmの石英硝
子管を加熱加工し、図2に示すような先端のキャピラリ
ー口径が約100μmの絶縁性支持体を作製した。管内
にプロパン:ブタンが1:1の混合ガスを通気し、石英
管を外側からバーナーで加熱することにより、石英管内
壁に導電性カーボン層(膜厚約0.3μm)を設けた。
この内壁にフッ素系樹脂塗工液(旭硝子社製サイトッ
プ)から絶縁性樹脂皮膜(膜厚約0.2μm)を設け
た。キャピラリーの先端を研磨紙で削り、先端部のみ導
電性カーボンが露出するようにした。次に、キャピラリ
ー先端を5%ナフィオン溶液(アルドリッチ社製)に浸
漬し、毛管現象によりナフィオン溶液をキャピラリー内
に注入した。該キャピラリーを大気間に放置し十分自然
乾燥させたのち、140℃で30分間加熱乾燥した。乾
燥後のナフィオン膜厚は100μmであることが顕微鏡
観察から明らかになった。この電極の先端に、エレクト
ロケム社製白金11%担持カーボン粒子を押しつけ充填
し、触媒と導電層が電気的に接触するようにした。
【0033】硝子セルに1規定硫酸+0.5Mメタノー
ル電解質水溶液を満たし、上で準備したキャピラリー作
用電極と銀塩化銀参照電極、白金コイル製対極を用い
て、電位走査法による電気化学測定を行った。ただしキ
ャピラリー作用極の管内には1規定硫酸水溶液を満たし
た。
【0034】電位走査速度毎秒10 msで測定した結果を
図3に示す。図3の実線は対極を作用極管内に、参照電
極を硝子セルに浸して測定したサイクリックボルタモグ
ラムである。白金電極を用いた場合の、硫酸水溶液中の
メタノール電極酸化反応に特徴的なボルタモグラムが得
られる。また対極を参照電極側に移した場合について同
様な測定を行ったところ、図示はしないがほぼ同様なボ
ルタモグラムが得られた。このことから、MEAハーフ
セルの電極触媒反応が参照電極を使用した電気化学測定
に使用できることが明らかである。なお、図3の点線は
メタノールを含まない電解質水溶液中でのサイクリック
ボルタモグラムを示す。
【0035】(実施例2)実施例1で作製した電極の、
固体高分子電解質層と触媒層を順番を入れ替えて作製し
た。この際の固体高分子電解質層の膜厚は2μmであっ
た。この作用電極を実施例1の参照電極、対極ととも
に、実施例1で使用した硝子セルに1規定硫酸水溶液を
満たしその中に浸漬した。作用電極内部に、メタノール
を満たした洗気瓶に窒素ガスを毎分0.2リットルで通
気したメタノールガスを含む気体をフローさせた。この
ような条件下におけるサイクリックボルタモグラム(電
位走査速度毎秒10 ms)の測定の結果を図4に示す。水
溶液中のメタノール酸化(図3)とよく類似したメタノ
ールガス酸化のボルタモグラムが得られ、このような構
造のマイクロ電極により、MEAハーフセルを用いた際
の適切なメタノールガス酸化が電気化学的に評価される
ことが明確である。
【0036】
【発明の効果】本発明のマイクロ電極は、少なくとも先
端がキャピラリー形状の導電性基体の先端部位に被検体
を充填しうるマイクロ電極であり、被検体が固体高分子
電解質と電極触媒の積層、または固体高分子電解質と電
極触媒の混合体の単層であり、かつ該導電性部位が被検
媒体と接しないよう絶縁化されているため、電解質膜と
電極薄膜を一体成形した膜−電極構造体(MEA)のハ
ーフセルを形成し、目的とする半電池反応を単純な構成
とする電気化学計測を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマイクロ電極の一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明のマイクロ電極の別の例を示す断面図で
ある。
【図3】本発明の実施例1のサイクリックボルタモグラ
ムを示す。
【図4】本発明の実施例2のサイクリックボルタモグラ
ムを示す。
【符号の説明】
1.導電性中空基体 2.固体高分子電解質 3.電極触媒 4.絶縁体材料 11.絶縁性支持体 12.導電性層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/10 G01N 27/46 311H 311G 301G 311A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも先端がキャピラリー形状の導
    電性基体の先端部位に被検体を充填しうるマイクロ電極
    であって、該導電性部位が被検媒体と接しないよう絶縁
    化されていることを特徴とするマイクロ電極。
  2. 【請求項2】 被検体が固体高分子電解質と電極触媒の
    積層、または固体高分子電解質と電極触媒の混合体の単
    層であることを特徴とする請求項1に記載のマイクロ電
    極。
JP2002091007A 2002-03-28 2002-03-28 マイクロ電極 Pending JP2003287515A (ja)

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JP2002091007A JP2003287515A (ja) 2002-03-28 2002-03-28 マイクロ電極

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