JPH06287464A - シランでコーティングされた有機顔料 - Google Patents

シランでコーティングされた有機顔料

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JPH06287464A
JPH06287464A JP6014761A JP1476194A JPH06287464A JP H06287464 A JPH06287464 A JP H06287464A JP 6014761 A JP6014761 A JP 6014761A JP 1476194 A JP1476194 A JP 1476194A JP H06287464 A JPH06287464 A JP H06287464A
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JP6014761A
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Philippe Bugnon
ブグノン フィリッペ
Jean Allaz
アラツ ジャン
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Ciba Geigy AG
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【構成】 下記の成分を含有する顔料組成物。 (a)塗料系または印刷インク形態の高分子有機材料、
(b)その粒子表面にアルキルケイ酸エステルのコーテ
ィングが付与されている有機顔料を含有する顔料組成物
であって、下記の式I、IIおよびIII からなる群より選
択された有機化合物の部分加水分解よりなっていて、該
顔料粒子の表面を被覆している層へのアルキルケイ酸エ
ステルの吸着によって該コーティングが固定されてい
る。 (式中、Rはメチル、エチル、メトキシまたはエトキ
シであり、Rはメチルまたはエチルであり、Rはハ
ロゲンまたはC−C‐アルコキシであり、RはC
−C−アルキルであり、MはTiまたはSnであ
り、Mは周期系の4A族または4B族の元素であ
る。) 【効果】 前記の組成物によって得られる着色物は、優
れた光沢と堅牢性とを有している。また、顔料組成物
(b)は優れたレオロジカル特性を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、その粒子がヒドロキシル基を含
有している中間層によって固定されたシランの強靱なコ
ーティングを付与されている有機顔料に関する。この顔
料は、すぐれた特性、特にそれから製造されるミルベー
スのきわめて良好なレオロジカル特性によって特徴づけ
られる。
【0002】顔料粒子の表面をコーティングすることに
よって向上された特性を得ることは、たとえば米国特許
第3370971号、米国特許第3470007号およ
び米国特許第3639133号から一般に知られてい
る。これらの特許は、無機顔料好ましくは黄鉛を、場合
によってはアルミナと組み合わせて、シリカによってコ
ーティングすることを教示している。また、特公昭50
−51527号および特公昭54−160433号か
ら、有機顔料をシリカでコーティングすることも公知で
あり、さらにオランダ国出願第72/7051号は、シ
リカと、代表的にはSn4+ 、Ti4+ またはZr4+ である
水溶性金属塩とでコーティングされた有機顔料を開示し
ている。しかしながら、これらの公知方法によって得ら
れる結果は、必ずしも満足すべきものではない。これら
のコーティングは、特にペイントやワニスのごとき溶剤
系内において、容易に脱落する。
【0003】欧州特許第A57388号および米国特許
第4139660号は、周期系のIV主族またIV副族の元
素の有機金属化合物または塩を用いて処理することによ
って基質の表面張力を増加させ、しかして湿潤性を向上
させることができることを教示している。米国特許第4
139660号においては、塗布の間に加水分解が起こ
ってはならないと特に記載されていることが注目され
る。オルガノシラン化合物および/またはオルガノチタ
ン化合物を含有する有機顔料からなるポリエチレン着色
組成物が、米国特許第4107133号に開示されてい
る。また、チタン水和物を用いて顔料粒子を被覆する方
法が、米国特許第3025173号に開示されている。
しかしながら、これらの方法によって得られる顔料組成
物でも、たとえば塗料系、特に現在その使用が増加しつ
つある超分散剤(hyperdispersants)含有ハイソリッド
塗料系(J.S. Hampton, J.F.Mac MillanのAmerican Ink
Maker, Jan.1985, 16頁以降の論文参照)に使用された
場合などにおいて、すべての面で満足すべきものとは言
い難い。しかし、米国特許第4880472号には、従
来望ましくないとみなされていた加水分解そのものが上
記の問題の解決のために必要であること、ならびにシリ
カまたはアルミナの強靱なコーティングを付与された有
機顔料が、ヒドロキシル基を含有する特定中間層を介し
てそのコーティングを顔料粒子表面に固定することによ
って得られることが教示されている。この中間層は周期
系4A族または4B族の元素のキレート化合物または酸
のアルキルエステルの部分加水分解物の層である。上記
した従来技術の顔料組成物の欠点は、これによって克服
される。
【0004】誠に驚くべきことながら今回、同じ操作を
実施しながら、ただしシリカまたはアルミナのコーティ
ングをシランコーティングに代えることによって、より
よい結果が得られることが見いだされた。本発明の実施
に使用するために適していて、通常シランと呼ばれてい
るケイ酸のアルキルエステルは、一般に公知の製品であ
る。これらは、たとえば、その製品DYNASYLAN(商標)
に関する Dynamit Nobel 社の技術情報冊子には結合剤
として詳細に記載されている。また、他の各種文献に
も、有機顔料に関連してこれらが言及されている。しか
しいずれの場合にも、本発明のものとは異なる形態なら
びに用途で述べられている。
【0005】欧州特許第A103986号、同第A14
0620号および同第A140688号には、化学結合
によってアントラキノン染料分子またはペリレン染料分
子にシラン基を導入して、これらの染料を、特にいわゆ
る”複合顔料(composite pigments)”を形成するため
に、無機基質にグラフト可能な顔料に変換することが教
示されている。Dyes and Pigments 17 (1991), 323-340
に記載されたH. Giesche & E. Matijevic の論文によ
れば、シリカとアミノシランとの懸濁物を用いて酸性染
料を処理することによって、酸性染料を特定粒子サイズ
の顔料に変換することもできる。また、特公昭51−7
403号から、有機顔料をシランと水ガラスとでコーテ
ィングして、そのポリオレフィン着色のための適性を向
上させることが知られている。
【0006】欧州特許第A466646号は、その粒子
表面がシラン層でコーティングされた有機顔料を開示し
ている。このシラン層は、加水分解されたγ−メタクリ
ルオキシアルキル・トリアルコキシシランから実質的に
なるものであり、顔料粒子表面に前もってコーティング
された加水分解されたジルコニウムアセチルアセトネー
トの層の上に吸着される。この層の上に、さらに付加的
にアクリル重合体の層がコーティングされる。この顔料
は、ポリオレフィンをゆがみなく着色するために驚くべ
きほど好適である。
【0007】しかして、本発明は下記成分を含有する組
成物に関する。 (a)塗料系または印刷インク組成物の形態の高分子有
機材料、(b)その粒子表面に、アルキルケイ酸エステ
ルの強靱なコーティングが付与されている有機顔料を含
有する顔料組成物であって、該顔料粒子の表面を被覆
し、かつ下記式のいずれかのキレート化合物
【化9】 (式中、R1 はメチル、エチル、メトキシまたはエトキ
シであり、R2 はメチルまたはエチルであり、R3 はハ
ロゲンまたはC1 −C4 −アルコキシであり、そしてM
はTi またはSn である)、または下記式のエステル M1(OR4)4 (III) (式中、M1 は周期系〔参照: Grant & Haack's Chemi
cal Dictionary, 第5版、1987年出版。〕の4A族また
は4B族の元素であり、R4 はC1 −C4 −アルキルで
ある)からなる群より選択された周期系の4A族または
4B族の元素の部分加水分解された有機化合物から実質
的になる層、へのアルキルケイ酸エステルの吸着によっ
て該コーティングが固定されており、アルキルケイ酸エ
ステルは吸着の前、間または後に加水分解される。R1
は好ましくはメチルまたはエトキシであり、そしてR2
は好ましくはメチルである。R3 が意味するハロゲンの
例は、臭素、ヨウ素、塩素であり、好ましくは塩素であ
る。R3 が意味するC1 −C4 −アルコキシの例は、メ
トキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、
n−ブトキシ、sec−ブトキシまたはtert−ブト
キシである。
【0008】式Iにおいて、R3 は、MがTi である場
合には、好ましくはC1 −C4 −アルコキシであり、よ
り好ましくはイソプロポキシである。式Iにおいて、M
がSn である場合には、R3 は好ましくはハロゲン、特
に好ましくは塩素を意味する。R4 が意味するC1 −C
4 −アルキルは、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
プロピル、n−ブチル、sec−ブチルまたはtert
−ブチルであり、好ましくはエチル、n−プロピル、イ
ソプロピルまたはn−ブチルである。M1 の例は、Sn
、Si 、Pb 、Ge 、Ti またはZr である。好まし
いM1は、Si 、Ti またはZr である。式IIの化合物
が好ましい。
【0009】本発明の特に好ましい組成物においては、
下記式のアルキルケイ酸エステルが使用される。
【化10】 〔式中、XはORまたはClであり、YとZとは互いに
独立的にOR、Cl またはメチルであり、ここでRはメ
チルまたはエチルであり、そしてQは下記式のいずれか
の基
【化11】 (式中、mは1乃至6であり、nは0、1または2であ
り、pは6乃至20である)である〕。
【0010】特に、好ましくは下記式のアルキルケイ酸
エステルが使用される。
【化12】 〔式中、Rはメチルまたはエチルであり、Qは下記式の
いずれかの基
【化13】 (式中、mは1乃至3であり、nは0、1または2であ
る)である〕。式中のmが3である上記に定義した式V
のアルキルケイ酸エステルが特に好ましい。
【0011】本発明の組成物を製造するためには下記の
ものを含むすべての常用有機顔料が適する。キノフタロ
ン、インダントロン、フラバントロン、ピラントロン、
アントラキノン、ペリレン、ジオキサジン、ペリノン、
チオインジゴ、金属錯塩および特にジケトピロロピロー
ル、アゾ顔料、キナクリドン、フタロシアニン、イソイ
ンドリン、イソインドリノン。好ましいのはジケトピロ
ロピロールである。
【0012】顔料組成物(b)の製造は、以下のごとく
常用方法で実施される。有機顔料を通常の方法で水また
は低級アルキルアルコール(たとえば、メチルアルコー
ル、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソ
プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−
ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールまたは
アミルアルコール)中に分散する。この懸濁物に、粉末
または溶液の形状の式I、IIまたはIIIの化合物を、顔料
を基準にして1乃至15重量%、好ましくは2乃至7重
量%(いずれの場合も酸化物として計算して)添加す
る。この混合物を、通常20乃至80℃の温度範囲にお
いて少なくとも1時間攪拌する。使用した試薬の種類に
より、pHは2乃至6の範囲である。このpHを7乃至9に
上げて部分加水分解を開始する。適当な塩基は、下記の
ごとき無機または有機塩基である。水酸化ナトリウム水
溶液、水酸化カリウム水溶液、アンモニア、ナトリウム
アルコラート、カリウムアルコラート、ケイ酸ナトリウ
ム、アルミン酸ナトリウムまたはピリジン。温度を上昇
させることによっても加水分解を開始させることができ
る。このあと、50乃至80℃の温度範囲において攪拌
をつづける。攪拌の間にpHは徐々に低下する。pHが安定
したら(温度及び試薬の種類により1乃至20時間を要
す)、生じた懸濁物を冷却し、そしてこの形態のままア
ルキルケイ酸エステルと反応させるか(方法A)、ある
いは懸濁物を濾過し、濾過ケーキを水洗し、乾燥し、そ
してそのあと固体の形態でアルキルケイ酸エステルで処
理する(方法B)。
【0013】方法Aの操作で実施する場合には、その懸
濁物を攪拌しながら加熱し、そして顔料を基準にして
0.5乃至50重量%、好ましくは1乃至25重量%、
最も好ましくは2乃至12重量%のアルキルケイ酸エス
テルと反応させる。攪拌を2乃至6時間続け、そのあと
このバッチを濾過する。濾過残留物を水洗し、そして真
空乾燥炉中において80乃至120℃で乾燥する。
【0014】方法Bの操作で実施する場合には、上記生
成物を固体形態において、好ましくは回転蒸発器中にお
いて、上記必要量のアルキルケイ酸エステルと混合し、
そしてその混合物を150乃至250℃の温度範囲にお
いて2乃至6時間攪拌する。このあと生成物を最初に疎
水性有機溶剤で、次いで親水性有機溶剤で洗い、最後に
水で洗った後、真空乾燥炉中において80乃至120℃
で乾燥する。しかし、上記した所要量のアルキルケイ酸
エステルを、顔料を高分子有機材料と混合する際に、式
I、IIまたはIIIの部分加水分解されたキレート化合物ま
たはエステルでコーティングされた顔料の添加の前、間
または後に、別に添加することも可能である。
【0015】塗料系または印刷インクの形態において本
発明の組成物の成分(a)として使用するのに適当な高
分子有機材料には、次のものがある。セルロースエーテ
ルまたはエステル、たとえばエチルセルロース、ニトロ
セルロース、セルロースアセテート、セルロースブチラ
ート、天然樹脂または合成樹脂、たとえばアミノプラス
トのごとき重合樹脂または縮合樹脂、好ましくは尿素/
ホルムアルデヒド樹脂およびメラミン/ホルムアルデヒ
ド樹脂、アルキド樹脂、フェノールプラスチック、ポリ
カーボネート、ポリウレタン、ポリエステル、シリコー
ン、シリコーン樹脂。これらは単独または混合して使用
しうる。
【0016】膜形成物質として溶解された形態の高分子
有機材料、たとえば煮あまに油、ニトロセルロース、ア
ルキド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル
樹脂、尿素/ホルムアルデヒド樹脂なども適当である。
【0017】最終用途によっては、顔料組成物(b)を
トナーまたは調合物の形で使用するのが好都合である。
顔料組成物(b)は、被着色高分子有機材料を基準にし
て0.01乃至30重量%の量、好ましくは0.1乃至
10重量%の量で使用することができる。塗料系または
印刷インク組成物の着色の場合には、高分子有機材料と
顔料組成物(b)とを、場合によっては充填剤、その他
の顔料、乾燥剤または可塑剤などを加えて、共通の溶剤
または溶剤混合物中に一緒に微分散または溶解させる。
この作業において、個々の成分を別々に、あるいはいく
つかの成分を一緒にして溶剤に分散または溶解し、そし
てそのあと全部の成分を混合するようにすることもでき
る。得られた着色物は全般的に優れた堅牢性を示し、た
とえば優秀な透明性、良好な耐上塗り性、耐マイグレー
ション性、耐熱性、耐光性および耐候性を有する。
【0018】特に注目すべきは、本顔料組成物(b)
が、塗料系内および印刷インク系内において卓越したレ
オロジカル特性を有すること、および本組成物を使用し
て得られる上塗り塗料が優れた光沢と卓越したDOI
(=distinctness of image , 像の鮮明度)とを示すこ
とである。顔料組成物(b)が優れたレオロジカル特性
を有しているので、顔料配合率の高い塗料を製造するこ
とができる。顔料組成物(b)は特に水性塗料系および
/または溶剤型塗料系の着色のため、とりわけ自動車用
ラッカーの着色のために好適である。最も好ましい用途
は、メタリック塗料のために使用することである。
【0019】Qが-(CH2)m-OCO-C(CH3)=CH2基ではない式
IVのアルキルケイ酸エステルを含有する顔料組成物
(b)、ならびに下記の群から選択された熱可塑性プラ
スチックおよび熱硬化性プラスチック内へのその使用は
新規であり、本発明のいま1つの対象である:尿素/ホ
ルムアルデヒドおよびメラミン/ホルムアルデヒド樹
脂、アルキド樹脂、フェノールプラスチック、ポリカー
ボネート、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリエステル、ゴ
ム、カゼイン、シリコーンおよびシリコーン樹脂。これ
らは単独または混合物の形態でありうる。これら材料の
中において、本顔料組成物は同じく上記した優れた特性
を示す。
【0020】従って、本発明はアルキルケイ酸エステル
でコーティングされた有機顔料を含む顔料組成物にも関
し、本発明の顔料組成物においては、その顔料粒子の表
面にアルキルケイ酸エステルの強靱なコーティングが付
与されおり、そのコーティングは、下記式
【化14】 〔式中、XはORまたはClであり 、YとZとは互いに
独立的にOR、Cl またはメチルであり、ここでRはメ
チルまたはエチルであり、そしてQは下記式のいずれか
の基
【化15】 (式中、mは1乃至6であり、nは0、1または2であ
り、そしてpは6乃至20である)である〕のアルキル
ケイ酸エステルが、該顔料粒子表面をコートしている、
下記式のいずれかのキレート化合物
【化16】 (式中、R1 はメチル、エチル、メトキシまたはエトキ
シであり、R2 はメチルまたはエチルであり、R3 はハ
ロゲンまたはC1 −C4 −アルコキシであり、そして、
MはTi またはSn である)、または下記式のエステル M1(OR4)4 (III) (式中、M1 は周期系の4A族または4B族の元素であ
り、R4 はC1 −C4 −アルキルである)からなる群よ
り選択された周期系の4A族または4B族の元素の部分
加水分解された有機化合物から実質的になる層への吸着
によって固定されており、該アルキルケイ酸エステルは
吸着の前、間または後に加水分解されている。
【0021】以下、本発明を実施例によってさらに説明
する。実施例中のパーセントは、特に別途記載のない限
り、重量パーセントである。
【0022】実施例1 (a)ジケトピロロピロール顔料、C.I.ピグメント
レッド255の36.8%含水濾過ケーキの326g
を、ジルコニウム(IV)アセチルアセトネートの14.4
g(=顔料を基準して3%Zr O2 )と共に、水860
ml中に18時間分散する。この懸濁物を75℃に加熱
し、そして2規定のNaOHを添加してpHを8.5に上
げる。この懸濁物を4時間撹拌する。この時、そのpHは
徐々に5.8まで下がる。この懸濁物を冷却し、次の反
応のため保存する。 (b)上記(a)によって得られた懸濁物100gを9
0℃に加熱し、次にトリアミノ変性プロピルトリメトキ
シシランの0.5g〔Dynamit Nobel 社から販売されて
いるDYNASILAN (商標) TRIAMO ;顔料を基準にして5
%シラン〕を添加する。添加後、この温度において2時
間撹拌を続ける。冷却後、生成物を濾過単離し、水洗
し、真空乾燥炉中で120℃において乾燥する。
【0023】実施例2 前記実施例1の(a)によって得られた懸濁物100g
を濾過し、濾過残留物を水洗し、そして真空乾燥炉中で
80℃において乾燥する。このあと、その生成物とオク
タデシルジメチルメトキシシランの0.5gとの混合物
を回転蒸発器に装填し、この混合物を200℃において
3時間処理する。得られた生成物をキシレンの200ml
で洗い、濾過単離し、その濾過残留物を最初にイソプロ
パノールで、次に水で洗い、そして真空乾燥炉中で80
℃において乾燥する。
【0024】実施例3−10 実施例1をくりかえした。ただし今回は、トリアミノ変
性プロピルトリメトキシシランの代わりに下記表1の2
欄に記載したシランの等量を使用した。
【表1】
【0025】実施例11−15 実施例1をくりかえし実施した。ただし、今回はC.
I.ピグメントレッド225の代わりに下表2の2欄に
記載した顔料の等量を使用し、シランを表2の3欄に記
載したシランの等量に代え、そしてジルコニウムアセチ
ルアセトネートを、酸化物として計算して、表の4欄に
記載した量で使用した。
【表2】
【0026】実施例16−19 実施例1をくりかえした。ただし、C.I.ピグメント
レッド255の代わりに橙色顔料の1、4−ジケト−
3、6−ビス(4−tert−ブチルフェニル)ピロロ
〔3,4−c〕ピロールの等量を使用し、そして実施例
1で使用したシランの代わりに下表3の2欄に記載した
シランの等量を使用した。
【表3】
【0027】実施例20 C.I.ピグメントレッド255の20gをイソプロピ
ルアルコールの200g中に分散する。この分散物にチ
タン(IV)ジアセチルアセトネート−ジイソプロピラート
の2.75gを添加する。1時間撹拌した後、イソプロ
ピルアルコール中のナトリウムイソプロピラートの2%
溶液10mlを添加する。この懸濁物を75℃に加熱し、
3時間撹拌を続ける。この懸濁物を冷却し、水300ml
を添加した後、還流温度に加熱する。次に、トリアミノ
変性プロピルトリメトキシシラン〔DYNASILAN(商標)T
RIAMO 〕1gを添加し、そして還流下において2時間撹
拌を続ける。冷却後、その生成物を濾過単離し、水洗
し、真空乾燥炉中で120℃において乾燥する。
【0028】実施例21 チタン(IV)ジアセチルアセトネート−ジイソプロピラー
トの代わりにチタン(IV)イソブチラートの2.5gを使
用して、実施例20の操作をくりかえした。
【0029】実施例22 実施例1の(b)によって得られた生成物2gと下記組
成の焼付けラッカー塗料48gとを常用方法で混合し
た。 アルキド樹脂ALKYDAL(商標)F310(Bayer社製品、キシレン中60%) 56g メラミン樹脂CYMEL(商標)327(Cyanamid社製品、ブタノール中90%)13g キシレン 25g ブタノール 25g 1−メトキシ−2−プロパノール 2.5g シリコーン油(キシレン中1%) 1g 得られた着色レーキをガラス板上で膜にした。この塗膜
をガラス板を25°傾斜して約30分間放置することに
より自然乾燥した後、空気循環中において焼付けた(1
20℃で30分間)。その塗膜の光沢値を、ドイツ工業
規格DIN67 530の規定にしたがって20°の傾斜角度
で光沢計〔Zehntner ZGM 1020 (商標)〕を使用して測
定した。この上塗り塗膜の光沢値は、コーティング処理
していない顔料を使用して得られた上塗り塗膜の光沢値
を約20%上回っていた。実施例1の(b)の生成物の
代わりに、上記実施例2乃至10による各生成物を使用
した場合にも同様な結果を得た。すなわち、いずれの場
合にも、コーティング処理していない顔料を使用して得
られた上塗り塗膜に比較して約20乃至30%の光沢値
の向上が達成された。
【0030】実施例23 流動性を評価するため、実施例1乃至21の生成物およ
び対応する未処理顔料を、それぞれ常用方法によってア
ルキド塗料系〔SETAL(商標)84、オランダ国のKunsthar
zfabrick Synthesis BV 社製品; 固形分70重量%〕に
配合した。得られたミルベースは顔料12重量%を含有
し、全固形分は42重量%であり、そして顔料/バイン
ダー比は0.3であった。このミルベースの流動性を、
粘度計、HAAKE ROTOVISCO(商標)RV12 を使用して測定
した(測定温度:25℃;測定システム:SV−SP;
剪断範囲:D=0−100〔l/s])。未処理顔料を使用
して得られたミルベースと比較して、実施例1乃至21
の生成物を使用して得られたミルベースは、約50乃至
70%向上された(粘度値として)流動性を示した。
【0031】実施例24 実施例22をくりかえした。ただし今回は実施例1の
(b)の生成物2gの代わりに実施例1の(a)の試料
1.5gを使用し、そしてDYNASILAN(商標)TRIAMO の
0.5gをラッカー組成物に直接添加した。前記と同様
な結果を得た。
【0032】実施例25 実施例1(b)の操作をくりかえした。ただし、今回は
DYNASILAN(商標)TRIAMO の代わりに予備加水分解され
たドデシルトリクロロシランの等量を使用した。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)塗料系または印刷インク組成物の形
    態の高分子有機材料と、(b)その粒子表面にアルキル
    ケイ酸エステルの強靱なコーティングが付与されている
    有機顔料を含有する顔料組成物であって、該顔料の粒子
    表面を被覆し、かつ下記式のいずれかのキレート化合物 【化1】 (式中、R1 はメチル、エチル、メトキシまたはエトキ
    シであり、R2 はメチルまたはエチルであり、R3 はハ
    ロゲンまたはC1 −C4-アルコキシであり、MはTi ま
    たはSn である)、または下記式のエステル M1(OR4)4 (III) (式中、M1 は周期系の4A族または4B族の元素であ
    り、R4 はC1 −C4 −アルキルである)からなる群よ
    り選択された周期系の4A族または4B族の元素の部分
    加水分解された有機化合物から実質的になる層、へのア
    ルキルケイ酸エステルの吸着によって該コーティングが
    固定されており、該アルキルケイ酸エステルは吸着の
    前、間または後で加水分解される顔料組成物と、を含有
    することを特徴とする組成物。
  2. 【請求項2】 下記式のアルキルケイ酸エステルを使用
    する請求項1記載の組成物 【化2】 〔式中、XはORまたはClであり 、YとZとは互いに
    独立的にOR、Cl またはメチルであり、ここで、Rは
    メチルまたはエチルであり、そして、Qは下記式のいず
    れかの基 【化3】 (式中、mは1乃至6であり、nは0、1または2であ
    り、pは6乃至20である)である〕。
  3. 【請求項3】 下記式のアルキルケイ酸エステルを使用
    する請求項1記載の組成物 【化4】 〔式中、Rはメチルまたはエチルであり、Qは下記式の
    いずれかの基 【化5】 (式中、mは1乃至3であり、nは0、1または2であ
    る)である〕。
  4. 【請求項4】 式中のmが3である請求項3記載の式V
    のアルキルケイ酸エステルを使用する請求項3記載の組
    成物。
  5. 【請求項5】 式中のR1 がメチルまたはエトキシであ
    り、そしてR2 がメチルである式IまたはIIのキレート
    化合物を含有している請求項1記載の組成物。
  6. 【請求項6】 式中のMがTi であり、そしてR3 がC
    1 −C4 −アルコキシである式Iのキレート化合物を含
    有している請求項1記載の組成物。
  7. 【請求項7】 式中のMがSn であり、そしてR3 が塩
    素である式Iのキレート化合物を含有している請求項1
    記載の組成物。
  8. 【請求項8】 式中のM1 がSi ,Ti または Zrであ
    り、そしてR4 がエチル、n−プロピル、イソプロピル
    またはn−ブチルである式III のエステルを含有してい
    る請求項1記載の組成物。
  9. 【請求項9】 顔料を基準にして式I、IIまたはIII の
    化合物を、いずれの場合も酸化物として計算して、1乃
    至15重量%の量で含有している請求項1記載の組成
    物。
  10. 【請求項10】 顔料を基準にして、アルキルケイ酸エ
    ステルを0.5乃至50重量%の量で含有している請求
    項1記載の組成物。
  11. 【請求項11】 ジケトピロロピロール、アゾ顔料、キ
    ナクリドン、キノフタロン、フタロシアニン、インダン
    トロン、フラバントロン、ピラントロン、アントラキノ
    ン、ペリレン、ジオキサジン、ペリノン、チオインジ
    ゴ、イソインドリン、イソインドリノンおよび金属錯塩
    からなる群より選択された有機顔料を含有する請求項1
    記載の組成物。
  12. 【請求項12】 ジケトピロロピロール、アゾ顔料、キ
    ナクリドン、フタロシアニン、イソインドリン、イソイ
    ンドリノンからなる群より選択された有機顔料を含有す
    る請求項11記載の組成物。
  13. 【請求項13】 ジケトピロロピロールを含有する請求
    項11記載の組成物。
  14. 【請求項14】 高分子有機材料が塗料系である請求項
    1記載の組成物。
  15. 【請求項15】 塗料系が自動車用ラッカーである請求
    項14記載の組成物。
  16. 【請求項16】 アルキルケイ酸エステルでコーティン
    グされた有機顔料であって、該顔料粒子の表面にアルキ
    ルケイ酸エステルの強靱なコーティングが付与されお
    り、該コーティングは、下記式 【化6】 〔式中、XはORまたはCl であり、YとZとは互いに
    独立的にOR、Cl またはメチルであり、ここでRはメ
    チルまたはエチルであり、Qは下記式のいずれかの基 【化7】 (式中、mは1乃至6であり、nは0、1または2であ
    り、pは6乃至20である)である〕のアルキルケイ酸
    エステルが、該顔料の粒子表面を被覆し、かつ下記式の
    いずれかのキレート化合物 【化8】 (式中、R1 はメチル、エチル、メトキシまたはエトキ
    シであり、R2 はメチルまたはエチルであり、R3 はハ
    ロゲンまたはC1 −C4 −アルコキシであり、そしてM
    はTi またはSn である)、または下記式のエステル M1(OR4)4 (III) (式中、M1 は周期系の4A族または4B族の元素であ
    り、R4 はC1 −C4 −アルキルである)からなる群よ
    り選択された周期系の4A族または4B族の元素の部分
    加水分解された有機化合物から実質的になる層への吸着
    によって固定されており、該アルキルケイ酸エステルは
    吸着の前、間または後で加水分解されている顔料組成
    物。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の組成物によって着色
    された、尿素/ホルムアルデヒドおよびメラミン/ホル
    ムアルデヒド樹脂、アルキド樹脂、フェノールプラスチ
    ック、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ポリスチレ
    ン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリ
    エステル、ゴム、カゼイン、シリコーンおよびシリコー
    ン樹脂からなる群より選択された単独または混合物の形
    態のプラスチック材料。
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