JP2657112B2 - γ型キナクリドン顔料の製造法 - Google Patents

γ型キナクリドン顔料の製造法

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茂樹 加藤
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三樹夫 林
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【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、塗料、プラスチック、印刷インキ等の着色
剤として有用な鮮明で耐性の高いγ型キナクリドン顔料
の製造に関するものである。
(従来の技術) キナクリドンには3種の多形変態が存在することが知
られている。すなわち、結晶型は赤色のα型(不安定
型)、γ型(準安定型)と紫色のβ型(安定型)に分類
され耐侯性、耐熱性が優れていることから塗料、プラス
チックなどに広く用いられている。中でもγ型キナクリ
ドンは色調とすぐれた諸性能から産業上最も多く使用さ
れている結晶型である。
このγ型キナクリドンが2つの形態で存在しうること
はかなり前(たとえばUSP3074950号公報参照)から知ら
れている。これらは特開昭63−135459号公報中で説明さ
れているように、γ型として好ましい隠ペイ力と耐侯性
が得られる平均粒子径0.2〜0.7μ、BET比表面積30m2/g
以下の範囲において大きな意味を持ち色相とX線回折パ
ターンとによってγII型、γI型と呼ばれ識別されてい
る。
γII型の色相は青味の赤、γI型は黄色味を帯びた明
るい赤であり最も容易な判別方法はX線回折において13
〜14゜(2θ)の範囲でγII型は13.2と13.4(2θ)が
ほぼ等しいか若干13.2のピークが大きくさらに13.9(2
θ)よりもそれらは低いのに対しγI型は13.2と13.5、
13.9の3つのピーク強度は倍照射角(2θ)の増加とと
もに大きくなる。さらにγI型は隠ペイ力、耐侯性が優
秀であるなどの特徴を有している。
従来γI型キナクリドン顔料の製造法としては6,13−
ジヒドロキシキナクリドンの酸化あるいは2,5−ジアニ
リノテレフタル酸類の閉環により得られた粗大なキナク
リドン粒子を、例えば、特公昭40−6078号公報に記載さ
れているようにγ型へ結晶転換した後、ボールミルによ
って顔料形態とする方法や、無機塩とジメチルホルムア
ミドと共にミリングする方法(特公昭36−13833号公
報)、アルコール/アルカリ系でミリングする方法(特
開昭63−135459号公報)、さらには硫酸溶解した溶液を
極性有機溶媒中に注入する方法(特公昭45−16343号公
報)などにより開示されているが、これら公知の方法で
は好ましい粒子形態を得ることが困難であったり、工程
時間が長い等から経済的に不利であった。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明者らは、上記の如き欠点を解消するため種々研
究した結果、粗大なキナクリドン粒子を硫酸あるいはポ
リリン酸処理やボールミルアトライター等で乾式摩砕し
て得られた著しく凝集した微粒状でその結晶型がα型も
しくはα型を含んでいても良いγ型キナクリドンを式
(I)で示される溶媒中で加熱することにより、彩度が
高く鮮明で諸耐性の高い無置換γI型キナクリドンが得
られることを見い出した。
HO(CHRCH2O)nH (I) (式中、RはHまたはCH3を表わし、nは1〜20の整数
を表わす。) 本発明で用いる著しく凝集した微粒状キナクリドンの
製造法は公知であり各種方法で実施することができる。
すなわちたとえば6,13−ジヒドロキナクリドンの酸化
や、2,5−ジアニリノテレフタル酸の閉環反応により得
られる粗製キナクリドンをポリリン酸や濃硫酸に溶解し
た後、大量の水中に流入させたり、ボールミル、アトラ
イター、振動ミル等を用いて乾式粉砕して得られるもの
である。ただし乾式粉砕の場合は出発原料の粗大なキナ
クリドンの結晶型が多少残るため、出発原料をα型また
はγ型とするか乾式粉砕時にDMF等の非プロトン性溶媒
を加えβ型を転移させる必要がある。
しかし実質的には廃酸処理、水洗を必要としない乾式
粉砕が経済的に有利であ。これらの処理によりキナクリ
ドンの粒子径は0.1μ以下となるが著しく凝集している
ため塗料、プラスチック用顔料として分散性、耐侯性、
耐熱性が悪く適さない。
本発明ではこのようにして得られたα型もしくはα型
を含んでいても良いγ型の微粒状キナクリドンを乾燥状
態で直接3〜30倍好ましくは5〜15倍の式(I)で示さ
れる溶媒中100〜200℃、好ましくは120〜180℃の温度で
0.5〜10時間好ましくは1〜5時間撹拌しながら加熱す
ることで望ましいγI型キナクリドン顔料が得られる。
また所望の場合には、硫酸等処理時あるいは乾式粉砕
時、あるいは式(I)で示される溶媒での加熱時におい
て各種界面活性剤、増量剤または粒子成長抑制剤を添加
することができる。これらは溶媒中への濡れを良くした
り高温で粒子が大きくなりすぎる場合効果的である。
式で示される(I)の溶媒としてはエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
プロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テ
トラプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール及びそれらの混合物があげら
れる。
ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコ
ールは平均分子量で200、300、400、600、1000、1500、
等のグレードがあるが、1000以上は粘度が高いため適さ
ない。
これら溶媒は微細で不ぞろいなキナクリドン粒子を立
方状に成長させるため、高鮮明と高い耐性が得られる15
〜30m2/gの顔料を得るのに適している。これらは非プロ
トン性溶媒と異なり熱力学的に安定なβ型をγ型に転移
させる能力はないが、不安定型のα型をγ型に転移させ
るのに急激な粒子成長を伴うことなく行えるので粒子制
御を行いやすく有利である。
このようにして得られた顔料は優秀な戸外耐久性を示
し、隠蔽力が極めて良好である。このような特性からし
て、本発明のキナクリドン顔料は装飾工業用顔料、特に
自動車仕上塗装用顔料として非常に価値あるものであ
り、単独であるいは他の顔料と組合せて使用することが
できる。
本発明のキナクリドン顔料は下記のような形態とし
て、他の成分に加えて使用できる。ペースト、フラッシ
ュペースト、印刷色材、水性塗料、各種のラッカーおよ
びワニス、たとえば、物理的乾燥および酸化乾燥ラッカ
ーおよびワニス、酸、アミンまたは過酸化物硬化ワニス
またはポリウレタンワニスなど。本発明のキナクリドン
顔料は、合成、半合成または天然の高分子物質中に配合
することができる。これらの高分子物質としては、たと
えば、熱可塑性樹脂たとえばポリ塩化ビニル、ポリスチ
レン、ポリエチレン、ポリエステル、フェノールプラス
ト、アミノプラスト、ゴムなどがある。さらにまた、本
顔料は天然、再生または合成繊維材料中に配合すること
もできる。さらに、たとえば、有機または無機顔料に配
合して使用することもできる。
本発明で得られたキナクリドン顔料を着色成分として
含有する混合物としては固形、弾性体、ペースト、粘性
体などがある。水性ペーストは、たとえば、湿潤剤また
は分散剤を加えて顔料を水中で撹拌混合することによっ
て、あるいはまた、水の存在下および場合によっては有
機溶剤または油の存在下で顔料を分散中に撹拌混合また
は混練することによって調製することができる。このよ
うなペーストは、たとえば、フラッシュペースト、印刷
色料、水性塗料、プラスチック分散剤物および紡糸液の
製造のために使用できる。本発明のキナクリドン顔料は
水、有機溶剤、不乾性油、乾性油、ラッカー、ワニス、
プラスチック、ゴム等の中に撹拌、ロールがけ、混練あ
るいは摩砕によって配合することができる。
(実施例) 実施例1 実験室規模のボールミルに直径12mmのアルミナセラミ
ックボール900部と粗製γII型キナクリドン50部を仕込
み臨界速度の約75%に相当する回転速度で40時間回転さ
せる。しかるのち、その内容物をスクリーンを通して排
出しセラミックボールを分離する。
得られた摩砕粉末の結晶型は低結晶性のα型とγI型
の混晶であった。この一部(10部)をエチレングリコー
ル80部中に撹拌しながら加え120〜130℃で2時間撹拌し
た後過、水洗した後乾燥すると黄味を帯びた赤色のγ
I型キナクリドン顔料を得た。
実施例2,3,4. 実施例1で用いた乾式摩砕したキナクリドンを表1に
示す溶媒で加熱撹拌しγI型キナクリドンを得た。
実施例5,6,7 粗製β型キナクリドン30部を98%270部の硫酸に40℃
を超えない温度で徐々に溶解させる。完全に溶解させた
後25℃で1時間撹拌し、2000部の水中に50ml/min.の速
度で注入するとα型微粒状キナクリドンを得た。得られ
たキナクリドンを乾燥し表−1に示す溶媒で加熱、撹拌
したγI型キナクリドンを得た。
上記実施例で得たキナクリドン顔料および市販のγII
型キナクリドンの顔料特性を下記の塗料およびプラスチ
ック板を作成し評価した。
塗料評価 顔料 7部 アルキド樹脂ワニス 76部 メラミン樹脂ワニス 28部 シンナー 12部 上記配合したものをスチールボールまたはガラスビー
ズと共に容器に入れてペインタシューカーにて分散し塗
料を作成した。塗料はフォードカップNo.4で23秒になる
ようシンナーで調整しエアースプレイガンでブリキ板に
吹き付けた。
隠ペイ力はと塗料を白黒の隠ペイ率試験紙に6ミルア
プリケータで展色し、目視で標準と比較し判定した。
耐侯性は塗料を吹き付けたブリキ板をスガ試験機
(株)製サンシャインスーパーロングライフウェザーメ
ーターで1000時間耐侯性試験を行いもとの塗板との色差
をΔEで表示した。
プラスチック評価 ポリエチレン樹脂(商品名ハイゼックス5000S、三井
石油化学株式会社製)1000部に顔料0.5部と酸化チタン
(商品名タイペークR−820、石原産業株式会社製)5
部をガラスポットに仕込み、ジヤーミルにて十分に混合
した後、射出成形機(東芝機械株式会社製)を用いて20
0℃でとくに滞留時間を設けることなく射出成形した試
験片および290℃10分で射出成形して試験片を作成し
た。
耐熱性は200℃と290℃10分の試験片との色差をΔEで
表示した。
実施例8 実施例2の乾式粉砕したキナクリドン10部の内5重量
%を2−フタルイミドメチルキナクリドンに置き換えて
他は同様に処理した。得られたγI型キナクリドンは実
施例2で得られたものより塗料で高着色力となり隠ペイ
力は劣ったが、耐侯性およびプラスチックでの耐熱性は
同等であった。
比較例1 加熱温度を80℃とした他は実施例6と同様にしてキナ
クリドンを得たが、得られたキナクリドンの結晶型はα
型であった。
〔発明の効果〕
本発明は従来、機械的エネルギーによってしか得にく
かった比表面積15〜30m3/gのγI型キナクリドンを、微
細粒子を適正な溶媒と温度で成長させることにより短時
間で効果的に製造する方法であり、出発原料がいかなる
形態のキナクリドンであっても産業上最も有用なγ型キ
ナクリドンを簡単に得ることができる。
また本発明のγ型キナクリドンは従来の合成で得られ
たものより隠ペイ力、各種耐性に優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭55−131065(JP,A) 特開 昭59−27959(JP,A) 特開 昭51−65131(JP,A) 特開 昭63−135459(JP,A) 特公 昭39−9272(JP,B1) 特公 昭40−6097(JP,B1)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均一次粒子径が0.1μ以下であり著しく
    凝集した微粒状の、α型結晶キナクリドンもしくはα型
    とγ型の混晶キナクリドンを下記式(I)で示される溶
    媒中100〜200℃の温度に加熱することを特徴とするγ型
    キナクリドン顔料の製造法。 HO(CHRCH2O)nH (I) (式中、RはHまたはCH3を表わし、nは1〜20の整数
    を表わす。)
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