JPH06287386A - プラスチゾル組成物及び該組成物を用いる成形体 - Google Patents

プラスチゾル組成物及び該組成物を用いる成形体

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JPH06287386A
JPH06287386A JP5097028A JP9702893A JPH06287386A JP H06287386 A JPH06287386 A JP H06287386A JP 5097028 A JP5097028 A JP 5097028A JP 9702893 A JP9702893 A JP 9702893A JP H06287386 A JPH06287386 A JP H06287386A
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JP
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weight
plastisol
resin particles
parts
acid
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JP5097028A
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Toshihiko Hori
登志彦 堀
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 (A)平均単一粒径が0.1〜5μmの塩化ビニル系樹
脂粒子100重量部と(B)平均単一粒径が0.1〜1
00μmの不飽和カルボン酸基含有スチレン系共重体樹
脂粒子20〜100重量部並びに(C)可塑剤50〜1
50重量部からなるプラスチゾル組成物であって、常温
における粘度が剪断速度1sec-1において10,000〜
50,000poiseで、剪断速度が100sec-1において
5,000poise以下であることを特徴とするプラスチゾ
ル組成物。 【効果】高価な金型及び高圧の射出装置を使用すること
なく常圧下で簡単な吐出口金の形状により成形品を容易
に製造することができるプラスチゾルが得られる。ま
た、ガラスの破損を防止できるばかりでなく、大きなガ
ラスへのガスケット付加を容易に行うこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高価な金型及び高圧の
射出装置を使用することなく、常圧下で押し出し成形等
の方法により簡単な吐出口金の形状により任意の形状の
軟質の成形品を容易に製造することができるプラスチゾ
ル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用窓ガラスなどの周辺部にシール
や装飾を目的として、合成樹脂やゴムのガスケットを取
付けることが通常行われている。従来、このガスケット
は、溶融押し出し等の方法で成形するが、その成形品は
ひも状であるため、強く曲げすぎるとガスケットにシワ
が寄ったりして外観が悪化したり、取り付けが困難であ
るという問題があった。さらに、人手を要するという問
題があった。この問題を解決するために、近年では、窓
ガラスを周縁部に空間を形成した成形型内に配置し、合
成樹脂や、ゴムなどのガスケット材料を溶融状態で上記
空間部に射出し、冷却した後に金型内より取出し、ガラ
ス周縁部にガスケット材料と一体化したガスケット付窓
ガラスを製造する方法が提案されている。しかしこの方
法においては、合成樹脂やゴムを溶融した高粘度状態で
射出するため、ガスケット材料が、ガラスと成形型の接
触面に浸入してバリ等が発生し易いという問題があっ
た。これを避けるために、すき間をなくそうと成形型の
締め付けを強くすると、ガラスが破損するという問題が
あった。特に窓ガラスが、曲げ加工されたものなどにお
いては、ガラスの弯曲度を均一化するのが困難で、その
ため、成形型を締付けたとき、集中的に応力がかかる箇
所があり、破損に至る場合が多い。さらに、ガスケット
材料として、合成樹脂やゴムを使う場合、射出成形機内
で溶融させ流動性を付与した後に成形型内に射出する
が、溶融状態での粘度が高いため、高圧で射出すること
を要する。そのために、ガラスと、成形型とのすき間に
溶融体が侵入してしまいバリの発生を防ぐのが極めて困
難となる。上記問題を解決するために、ガスケット成形
材料としてプラスチゾルを用いることが提案されている
(特開平1−122722号公報)。この方法は、成形
型内に窓ガラスを配置し、この窓ガラスの周縁部と前記
成形型内面との間にガスケット成形用キャビティ空間を
形成し、ガスケット形成材料としてプラスチゾルを前記
空間に射出した後加熱固化させる方法である。この方法
によると、低圧で射出できるので、ガラスの締付けをさ
ほど強くしなくてもよいのでバリの発生が防げるとして
いる。しかしこの方法でも、プラスチゾルの粘度が低い
ために、成形型とガラスの締付けが弱いと、すき間にゾ
ルが浸入してバリの原因となることが考えられる。ま
た、密閉された成形型内にプラスチゲルを低圧で射出す
るので、空気の逃げ場を相当に工夫しないと、気泡を巻
き込んだ状態で成形されてしまい、外観を損ねたり、製
品となってからの強度に問題を生じる懸念がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、塩化ビニル
樹脂粒子とスチレン系樹脂粒子からなるプラスチゾル組
成物により、外観が良く、加工時にバリの発生のない強
度の大きいガスケット用材料を提供することを目的とす
るものである。本発明者らは、この目的達成すべく鋭意
研究の結果、スチレン系樹脂としてイオン架橋可能な共
重合体を用いる特定のプラスチゾルを使用することによ
って、バリ取りの必要なく任意の形状に押出し成形し得
ることを見い出し、この知見に基づき本発明を完成する
に到った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)平均単
一粒径が0.1〜5μmの樹脂粒子が50重量%以上混
入された塩化ビニル系樹脂粒子100重量部と(B)平
均単一粒径が0.1〜100μmで、(a)スチレン系
単量体50〜85重量部、(b)スチレンとラジカル共
重合し得る単量体10〜100重量部及び(c)炭素数
3〜8のラジカル重合性不飽和カルボン酸単量体0.2
〜10重量部からなる共重合体樹脂粒子20〜100重
量部、並びに(C)可塑剤50〜150重量部からなる
プラスチゾル組成物であって、常温における粘度が剪断
速度1sec-1において10,000〜50,000poise
で、剪断速度が100sec-1において5,000poise以
下であることを特徴とするプラスチゾル組成物及び該組
成物を口金から常温常圧下に押出して得た賦形体を加熱
溶融して得られることを特徴とする成形体が提供され
る。本発明プラスチゾル組成物は、構成(A)のポリ塩
化ビニル樹脂粒子と構成(B)の特定のスチレン系共重
合体樹脂粒子と構成(C)の可塑剤を必須構成とする分
散物であって、数時間程度では、自重により流動変形し
ない高粘度組成物である。本発明に用いる平均単一粒径
が5μm以下の塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビニル単独
重合体又は他のモノマー50重量%以下との共重合体
で、乳化重合や、微細懸濁重合で得られる平均1次粒径
が5μm以下の微粒の重合体、若しくはこれを凝集した
ものであって、プラスチゾル又はプラスチゾル加工に用
いられるものである。塩化ビニル系樹脂粒子を凝集する
方法としは、重合ラテックスを酸、塩、電解(電気)、
遠心、浮遊、透析、熱などによってラテックスの安定性
を破壊して凝固し、乾燥する方法やスプレー乾燥によっ
て凝集する方法などがある。本発明で特定する平均単一
粒径とは、凝集していない状態の粒子の平均粒径であ
る。
【0005】本発明プラスチゾル組成物に用いる塩化ビ
ニル系樹脂粒子は、通常は平均単一粒径が5μm以下で
あることが必要であるが、例えば、他の条件によって、
プラスチゲルの粘度が十分に高い場合などは、この塩化
ビニル系樹脂を平均単一粒径が5μmを超える塩化ビニ
ル系樹脂により、本発明で特定するプラスチゾル組成物
の粘度条件を充足する限り、全塩化ビニル系樹脂粒子の
50重量%以下の範囲で置き代えることができる。従っ
て、本発明プラスチゲルにおける前記定義の塩化ビニル
系樹脂粒子の使用量には、一部置き代えた粒径の大きい
樹脂量も算入される。本発明プラスチゾル組成物に用い
る塩化ビニル系樹脂粒子が、平均単一粒径が5μmを超
える樹脂粒子が50重量%以上になると、常温における
粘度を剪断速度1sec-1で10,000〜50,000poi
seにするためには充填剤等を多量に使用しなければなら
ず、その結果、硬度が下がりまた強度物性が低下する問
題が生ずる。本発明に用いるスチレン系単量体として
は、例えばスチレン及びα−メチルスチレン、及びこれ
らの単量体のベンゼン核に、メチル基、エチル基、プロ
ピル基又はブチル基が置換された単量体、例えば、ビニ
ルトルエン、イソブチルスチレンなどを使用することが
できる。本発明に用いるこれらのスチレン系単量体とラ
ジカル共重合可能な単量体は、スチレン重合体の物性、
特に、機械的強度、熱変形温度、耐紫外線性等を改善す
るために使用するものである。従って、プラスチゾル組
成物の用途によって、種々の単量体及び共重合割合を適
宜選択することができる。即ち本発明プラスチゾル組成
物の構成(B)中の(a)、(c)成分であるスチレン
系単量体及びラジカル重合性不飽和カルボン酸単量体を
除き、アルキル基の炭素数が1〜8のアクリル酸アルキ
ルエステルやメタクリル酸アルキルエステル、ビニルエ
ステル、ビニルエーテル、シアン化ビニル、ジエン系単
量体等のラジカル共重合可能な単量体であれば特に制限
なく、これらの1種又は2種以上の単量体を本発明の
(b)成分として選択することができる。
【0006】ここに用いるアクリル酸アルキルエステル
やメタクリル酸アルキルエステルとしては、例えばメチ
ルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルア
クリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチル
アクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシル
アクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチ
ルヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プ
ロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、
n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレー
ト、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタク
リレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシ
ルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、n−オクチルメタクリレートなどが挙げられ、これ
らは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用い
てもよい。これらの中で、特にメチルメタクリレートが
好適である。一方、ビニルエステルとしては、例えば、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニ
ル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニルなどを使用する
ことができる。シアン化ビニルとしてはアクリロニトリ
ルやメタクリロニトリルなどの使用することができる。
さらに、ジエン系単量体としては、例えばブタジエン、
イソプレン、1,3−ペンタジエン、シクロペンタジエ
ン、ジシクロペンタジエンなどの共役ジエン系化合物、
1,4−ヘキサジエン、エチリデンノルボルネンなどの
非共役ジエン系化合物などが挙げられ、これらは1種用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい
が、これらの中で、特にブタジエン及びイソプレンが好
適である。また、本発明プラスチゾル組成物の成形後に
架橋性又は硬化性を付与するためには、エポキシ基、ア
ミノ基等の他の官能基を有する単量体、例えば、グリシ
ジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル(メタ)アクリレート、2−アミノエチル
(メタ)アクリレート、3−アミノプロピル(メタ)ア
クリレート、2−アミノブチル(メタ)アクリレート、
3−アミノブチル(メタ)アクリレート、4−アミノブ
チル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、
N−2−アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N−2
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−3アミノ
プロピル(メタ)アクリルアミドなど本発明の(b)成
分として使用することができる。
【0007】本発明プラスチゾル組成物の構成(B)の
(c)成分に用いるラジカル重合性不飽和カルボン酸
は、炭素原子数3〜8の単量体であって不飽和結合した
炭素に結合する遊離のカルボキシル基を有する単量体で
あれば、特に制限なく使用することができる。例えば、
アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、クロトン
酸、ケイ皮酸等の不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、
イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、クロロマレイン
酸等の不飽和ジカルボン酸やその無水物及びマレイン酸
モノメチル、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノブ
チル、フマル酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタ
コン酸モノメチル、イタコン酸モノエチル、イタコン酸
モノブチル等の不飽和ジカルボン酸のモノエステルやそ
の誘導体が挙げられ、これらは1種用いてもよいし、2
種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中で、特
にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイ
ン酸が好ましい。この(a)成分と(b)成分の割合
は、目的とするプラスチゾルの所望の物性に対応して使
用された(b)成分の種類に応じて適宜選択されるが、
(b)成分が10重量部未満では、物性の改善が十分で
なく、45重量部を越えると、スチレン系プラスチゾル
組成物の所望する機械的強度ならびに可塑化効果が同時
には得られ難くなる。プラスチゾルに調製された樹脂粒
子が可塑剤による膨潤作用を受けると経時によりゾル粘
度が上昇して、これが著しいと使用時期の制約を受ける
だけでなく、使用中に粘度調整を続ける必要が生じ、極
めて使用しにくい。(a)成分と(b)成分のみででき
た樹脂粒子であれば可塑剤による膨潤を受けるところを
本発明の(c)成分は、粒子の可塑剤への相溶性を低下
せしめることにより膨潤を防ぐ作用を有する。(c)成
分の含有量が0.2重量部未満では上記の作用に乏し
く、一方10重量部を超える場合もそれ以下に比べて粒
子表面改質効果の向上がなく、むしろ基体樹脂本来の機
械的物性を低下させることが多い。また、(C)成分に
よる上記の可塑剤膨潤防止作用は、1価または2価の金
属カチオンの存在により重合体中のカルボキシル基間を
イオン架橋することにより一層強められ、ゾル粘度の経
時安定性を増す。従ってカリウムカチオン、ナトリウム
カチオン、マグネシウムカチオン、カルシウムカチオン
等を存在させることは有効である。1価又は2価の金属
カチオン供給体の添加は、それ自体を直接添加してもよ
いし、水溶液などの溶液の形態で添加してもよい。
【0008】1価又は2価の金属カチオン供給体として
は、1又は2価の金属カチオンの酸化物、水酸化
物、リン酸塩、炭酸塩やオクチル酸、ステアリン
酸、オレイン酸、カプリル酸、蟻酸、コハク酸、エルシ
ン酸、リノレン酸、パルミチン酸、プロピオン酸、酢
酸、アジピン酸、酪酸、ナフテン酸、チオカルボン酸等
の各有機酸の塩やアセチルアセトン塩やエトキシ
ド、メトキシドのアルコラートなどを使用することがで
きる。特に1価の金属の水酸化物やカルボン酸塩が反応
効率上、また加熱成形時の変形がし易くて有効である。
1価及び2価の金属カチオン供給体は、3価以上の金属
カチオン供給体の如く、架橋反応を行うに当たって、比
較的長い時間の加熱等を必要とせず、溶液中においては
室温で数分以内でイオン架橋反応が可能であるという特
徴を有するので望ましい。本発明プラスチゾル組成物の
構成(B)のスチレン系共重合体樹脂粒子は、乳化重合
や微細懸濁重合によって製造される平均単一粒径が0.
5〜数μmの重合体であってもよいし、また懸濁重合で
得られる1次粒径が10〜100μmの重合体であって
もよい。本発明プラスチゾルの構成(B)の平均単一粒
径が0.5〜5μmの共重合体樹脂粒子が50重量%未
満になると、常温における粘度を剪断速度1sec-1で1
0,000〜50,000poiseにするためには充填剤等
を多量に使用しなければならず、その結果、硬度が下が
りまた強度物性が低下する問題が生ずる。本発明プラス
チゾル組成物に用いる(C)成分の可塑剤は、DOP、
DHP、DINP、DIDPなどのフタル酸系エステ
ル、DOA、DOSなどの脂肪酸系エステル、アジピン
酸とポリエチレングリコールの縮合物などのポリエステ
ル、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、T
CPなどのリン酸エステルなど通常ポリ塩化ビニル加工
に使用できる可塑剤が単独又は混用して用いられる。ま
た目的によって、反応性可塑剤等も使用できる。
【0009】また本発明においては粘度増加等の必要に
応じて充填剤を添加してもよい。充填剤は、炭酸カルシ
ウム、マイカ、タルク、カオリンクレー、セライト、ア
スベスト、パーライト、バライタ、シリカ、珪砂、燐片
状黒鉛、ドロマイト石灰石、石膏、アルミニウム微粉、
炭酸カルシウム等の微粒子の無機物のほか各種のチクソ
トロープ剤が挙げられ、チキソトロープ剤としては無水
珪酸、含水珪酸などの珪酸系と有機ベントナイトなどの
ベントナイト系とサイロデックスなどのアスベスト系と
ジベンジリデンソルビトールのような有機系などが使用
可能であり、必要量前記ポリ塩化ビニルと可塑剤の組成
物に添加して用いられる。単一粒径が0.5μm以下の
充填剤が好ましい。単一粒径が0.5μm以上の充填剤
のみでは、常温における粘度剪断速度1sec-1で100
万cps以上500万cps以下、特に100万cps以上にす
るためには充填剤等を多量に使用しなければならず、そ
の結果、硬度が上がり、物性が低下する問題が発生す
る。他に必要応じてプラスチゾルを高粘度化する方法と
して、可塑剤に、ゴム、樹脂など高分子を溶解させる方
法がある。好ましい溶解ポリマーとしてポリ塩化ビニ
ル、NBR、EVAなどが挙げられる。その他可塑剤に
対して溶解性があり、高粘度化しうるものであってもよ
い。他の高粘度化の方法として、ポリ塩化ビニルと可塑
剤の分散物を、加熱処理して、可塑剤を適度にポリ塩化
ビニル系樹脂に吸収膨潤させることもできる。ポリ塩化
ビニルと可塑剤の分散物は加熱しすぎると、ゾル化して
しまうので、適度に加温する必要がある。その他、希釈
剤、安定剤、顔料、紫外線吸収剤など通常ポリ塩化ビニ
ル加工に使用できる配合剤が任意に使用できる。本発明
において、プラスチゾルの常温における粘度は剪断速度
1sec-1で100万cps以上500万cps以下、剪断速度
100sec-1において50万cps以下の粘度である必要が
ある。剪断速度1sec-1で100万cpsより小さいと、成
形後形状が変わってしまう。一方、500万cpsより大
きいと流動性が悪く、吐出し難い。また剪断速度100
sec-1において、50万cpsより大きいと、供給配管抵抗
が大きく、供給圧を高くしなければならず、本発明の目
的である。容易な成形ができなくなってしまうばかりで
なく、吐出性が劣り、任意の形状に吐出できなくなって
しまう。
【0010】本発明のプラスチゾル組成物が前記のよう
な必要とする粘度特性を有するのに大きく寄与している
のはスチレン系樹脂である。それはスチレン系樹脂が塩
化ビニル系樹脂より可塑剤を早く吸収するためと思われ
る。その結果本発明のプラスチゾル組成物は室温で賦形
された成形体が、ゲル化される加熱過程においても形状
を保存することができる特徴を有する。以上のような各
組成物を既存のプラネタリーミキサー、ニーダー、ロー
ル、押出機等の公知の混合機で混合撹拌する。このプラ
スチゾルを用いて成形する一例として、実施例に用いた
図1のようなガン口金からプラスチゾルを吐出させなが
ら、ガラス周縁部にガスケットを成形して付着させる方
法を使用することができる。ガラスの全周縁部に形成す
る場合、吐出開始部と吐出終了部が不連続となるが、本
発明のプラスチゾルは容易に形状を付与することができ
るのでヘラ等での連続形状への修正も容易である。プラ
スチゾルを周縁部に付着させたのち、加熱することによ
ってプラスチゾルは溶融し、室温に冷却することによっ
て強度を発現する。加熱は熱風、高周波誘電加熱、高周
波誘導加熱など、プラスチゾルの溶融に用いられる任意
の方法で行うことができるが、溶融に足る熱を与えるこ
とが必要である。さらに、本発明に用いるプラスチゾル
は、ガラスに対する接着性を有することが望ましい。プ
ラスチゾルに接着性付与するには、ポリ塩化ビニル樹脂
が、塩化ビニルと他の官能基含有モノマーとの共重合体
であってもよい。官能基含有モノマーの例としては、2
−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの水酸基含有
モノマー、グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基
含有モノマー、無水マレイン酸などのカルボキシル基含
有モノマー、ジメチルアミノエチルメタクリレートなど
のアミノ基含有モノマーなどが挙げられる。これらの共
重合体を単独又は通常のポリ塩化ビニルと混合すること
によってガラスに対する接着性を付与できる。接着強度
を上げるために官能基の種類に応じた架橋剤を併用する
こともできる。他の接着性を付与する他の方法として、
ガラスの表面へのプライマー塗布が挙げられる。ガスケ
ットの付着する部分に予め接着用プライマーを塗布して
おくことによって接着性が付与できる。他の接着性を付
与する方法として、接着性付与剤をプラスチゾル中に添
加する方法が挙げられる。接着性付与剤としては、ポリ
エチレンイミン、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などが
挙げられる。接着性は、ガラス表面水酸基と官能基の反
応又は水素結合によって発現されるものと思われる。接
着強度は、90°剥離試験によって求められ、0.1kg
/cm(引張速度200mm/min)以上、特に1kg/cm以
上あることが望ましい。
【0011】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。 実施例1〜3、比較例1〜3 第1表に示す各原料をホバート式ミキサーで混合し、脱
泡してプラスチゾルを調製し、物性を測定し、第1表に
結果を示した。物性の測定法及び評価法は、下記の通り
である。 〈形状保存評価〉図1は、本発明のガラス周縁部に直接
プラスチゾルを吐出させる装置と、所定の形状を有した
ガン口金よりプラスチゾルを吐出させながらガラス周縁
部にプラスチゾルを付着させている状態を示す斜視図で
ある。1はガラス、2は吐出されたプラスチゾル、3は
ガン吐出口金、4はプラスチゾル供給ホースを示す。前
述のプラスチゾルをタンクに入れ、プランジャーポンプ
にて加圧し、10mmφの内径を有するホース4よりガン
吐出口金3より50cc/minで吐出し、30cm×50cm
×3mm厚さのガラスの周縁部に移動しながらガラス面垂
直方向の最大厚さ20mm、水平方向の巾10mmの図2の
形状のゾルを付着させ、100℃熱風炉中で15分間加
熱した。しかるのち室温近くまで冷却し、加熱前後のガ
ラス面垂直方向をノギスで測定した。 〈粘度〉ロトビスコ回転粘度計(ハーケン社製)を用い
て剪断速度1sec-1と剪断速度100sec-1での粘度を測
定した。 コントロールコンソール:HAAKE ROTOVISCO RV-3 センサー:コーンプレート型 PK-2
【0012】
【表1】
【0013】注 1)ゼオン23H:日本ゼオン(株)製、塩化ビニル樹
脂、平均単一粒径1μm 2)ゼオン51:日本ゼオン(株)製、塩化ビニル樹脂、
平均単一粒径40μm 3)スチレン系樹脂A:平均単一粒径2μmのスチレン単
位69重量%、メチルメタアクリレート単位28重量
%、メタアクリル酸単位3重量%の共重合体樹脂 4)スチレン系樹脂B:平均単一粒径40μmのスチレ
ン単位67重量%、メチルメタアクリレート単位30重
量%、メタアクリル酸単位3重量%の共重合体樹脂 5)カルシーズPL:神島化学工業(株)製微粒炭酸カル
シウム、平均粒径0.1μm 6)ホワイトンB:白石工業(株)製、微粒炭酸カルシウ
ム、平均粒径3.6μm 7)無水珪酸:日本アエロジル(株)製、AEROSIL
200、平均粒径0.012μm 実施例1、実施例2、実施例3とも、吐出口金からのプ
ラスチゾルの吐出はスムーズで、断面形状は所定の形状
を維持し、加熱後も、形状は変化することなく、外観、
強度共に満足のいくガスケット付窓ガラスを得ることが
できた。比較例2は、成形直後形状が崩れてしまった。
比較例3は、吐出することができなかった。
【0014】
【発明の効果】かくして本発明によれば、高価な金型及
び高圧の射出装置を使用することなく常圧下で簡単な吐
出口金の形状により成形品を容易に製造することができ
るプラスチゾルが得られる。また、ガラスの破損を防止
できるばかりでなく、大きなガラスへのガスケット付加
を容易に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明実施例組成物の評価に用いたガ
スケット付窓ガラスの製造法を説明する斜視図である。
【図2】図2は、本発明実施例組成物の評価に用いたガ
スケット付き窓ガラス用成形体の構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 ガラス 2 吐出されたプラスチゾル 3 ガンの吐出口金 4 プラスチゾル供給ホース

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)平均単一粒径が0.1〜5μmの樹
    脂粒子が50重量%以上混入された塩化ビニル系樹脂粒
    子100重量部と(B)平均単一粒径が0.1〜100
    μmで、(a)スチレン系単量体50〜85重量部、
    (b)スチレンとラジカル共重合し得る単量体10〜1
    00重量部及び(c)炭素数3〜8のラジカル重合性不
    飽和カルボン酸単量体0.2〜10重量部からなる共重
    合体樹脂粒子20〜100重量部並びに(C)可塑剤5
    0〜150重量部からなるプラスチゾル組成物であっ
    て、常温における粘度が剪断速度1sec-1において10,
    000〜50,000poiseで、剪断速度が100sec-1
    において5,000poise以下であることを特徴とするプ
    ラスチゾル組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の組成物を口金から常温常圧
    下に押出して得た賦形体を加熱溶融して得られることを
    特徴とする成形体。
JP5097028A 1993-03-31 1993-03-31 プラスチゾル組成物及び該組成物を用いる成形体 Pending JPH06287386A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015532360A (ja) * 2012-10-26 2015-11-09 ハンワ ケミカル コーポレイション 塩化ビニル系ペースト樹脂およびその製造方法

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