JPH0628607A - 磁気ヘッド用非磁性材料 - Google Patents
磁気ヘッド用非磁性材料Info
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- JPH0628607A JPH0628607A JP4185149A JP18514992A JPH0628607A JP H0628607 A JPH0628607 A JP H0628607A JP 4185149 A JP4185149 A JP 4185149A JP 18514992 A JP18514992 A JP 18514992A JP H0628607 A JPH0628607 A JP H0628607A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 従来の材料以上に一層の高硬度,高耐摩耗
性,焼結体としての平滑な研磨面の確保,良好な加工性
の実現,及びヘッドコア材の熱膨張係数に合致した簡易
な組成選定が図られる磁気ヘッド用非磁性材料を提供す
るものである。 【構成】 (29〜58)mol%のTiO2 と、(0
〜12)mol%のCaOと、(31〜61)mol%
のNiOとを組成選定することにより、磁気ヘッド用非
磁性材料として適当な試料番号2,3,4,6,7,
8,10,11,12,14,15,16,18,1
9,及び22のCaO−TiO2 −NiO系セラミック
ス試料が得られる。
性,焼結体としての平滑な研磨面の確保,良好な加工性
の実現,及びヘッドコア材の熱膨張係数に合致した簡易
な組成選定が図られる磁気ヘッド用非磁性材料を提供す
るものである。 【構成】 (29〜58)mol%のTiO2 と、(0
〜12)mol%のCaOと、(31〜61)mol%
のNiOとを組成選定することにより、磁気ヘッド用非
磁性材料として適当な試料番号2,3,4,6,7,
8,10,11,12,14,15,16,18,1
9,及び22のCaO−TiO2 −NiO系セラミック
ス試料が得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フロッピーディスク装
置,ハードディスク装置,VTR,オーディオ機器等の
磁気読取り装置に備えられ、磁気記録媒体を対象に磁気
情報の記録,読取りを行う磁気ヘッドに用いられる磁気
ヘッド用非磁性材料に関する。
置,ハードディスク装置,VTR,オーディオ機器等の
磁気読取り装置に備えられ、磁気記録媒体を対象に磁気
情報の記録,読取りを行う磁気ヘッドに用いられる磁気
ヘッド用非磁性材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の磁気ヘッド用非磁性材料
には、BaO−TiO2 系又はCaO−TiO2 系のチ
タニア−セラミックスが用いられている。これらのセラ
ミックスに共通する性質は、ビッカース硬度が(700
〜900)kg/mm2 あること、焼結体として緻密で
平滑な研磨面が得られること、熱膨張係数が組成の選定
によりBaO−TiO2 系では(90〜100)×10
-7/℃、CaO−TiO2 系では(90〜120)×1
0-7/℃と自由に調整できること等である。
には、BaO−TiO2 系又はCaO−TiO2 系のチ
タニア−セラミックスが用いられている。これらのセラ
ミックスに共通する性質は、ビッカース硬度が(700
〜900)kg/mm2 あること、焼結体として緻密で
平滑な研磨面が得られること、熱膨張係数が組成の選定
によりBaO−TiO2 系では(90〜100)×10
-7/℃、CaO−TiO2 系では(90〜120)×1
0-7/℃と自由に調整できること等である。
【0003】ここでのビッカース硬度は、それぞれの材
料の耐摩耗性に係わりを有するが、スライダー材として
要求される条件を満たす必要があるもので、通常磁気ヘ
ッドのコア材であるNi−Z系フェライトやMn−Zn
系フェライトのものと比較的近い硬度のものが選定され
る。
料の耐摩耗性に係わりを有するが、スライダー材として
要求される条件を満たす必要があるもので、通常磁気ヘ
ッドのコア材であるNi−Z系フェライトやMn−Zn
系フェライトのものと比較的近い硬度のものが選定され
る。
【0004】又、焼結体としての平滑な研磨面は、磁気
記録媒体と常に接触して摺動する磁気ヘッドの構成部位
を成す重要な箇所であるので、記録媒体を傷つけないよ
うに摩擦が極力小さいものであることが要求される。従
って、この摩擦条件は不可欠なものである。
記録媒体と常に接触して摺動する磁気ヘッドの構成部位
を成す重要な箇所であるので、記録媒体を傷つけないよ
うに摩擦が極力小さいものであることが要求される。従
って、この摩擦条件は不可欠なものである。
【0005】更に、熱膨張係数を調整可能とする組成選
定条件も、磁気ヘッドのコア材とのガラスボンディング
又は磁性合金のスパッタで接合される際に膨張係数の不
一致によるコアのヒビ割れやソリを起こしたり、残留熱
応力による磁気特性の劣化を来すことがないようにする
ために、或いは動作時の温度変化による熱応力の発生を
防止するためにも不可欠な条件とできる。
定条件も、磁気ヘッドのコア材とのガラスボンディング
又は磁性合金のスパッタで接合される際に膨張係数の不
一致によるコアのヒビ割れやソリを起こしたり、残留熱
応力による磁気特性の劣化を来すことがないようにする
ために、或いは動作時の温度変化による熱応力の発生を
防止するためにも不可欠な条件とできる。
【0006】BaO−TiO2 系又はCaO−TiO2
系のセラミックスは、上述した磁気ヘッドのスライダー
材として要求されている基本的条件を充分満足できるも
のである為、昨今の殆どの磁気ヘッド用非磁性材料とし
て用いられている。
系のセラミックスは、上述した磁気ヘッドのスライダー
材として要求されている基本的条件を充分満足できるも
のである為、昨今の殆どの磁気ヘッド用非磁性材料とし
て用いられている。
【0007】加えて、これらのセラミックスは比較的加
工性に富み、チッピングの発生が少ないことも幅広く使
用される理由に挙げられる。
工性に富み、チッピングの発生が少ないことも幅広く使
用される理由に挙げられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばVT
Rやオーディオ機器の磁気ヘッドは、一般に摺動摩耗量
が大きく、その寿命が短かくなり易い。この為、磁気ヘ
ッドの構成部位である非磁性材料には特に摺動摩耗が少
なく、硬質であることが要求される。
Rやオーディオ機器の磁気ヘッドは、一般に摺動摩耗量
が大きく、その寿命が短かくなり易い。この為、磁気ヘ
ッドの構成部位である非磁性材料には特に摺動摩耗が少
なく、硬質であることが要求される。
【0009】図2は従来の磁気ヘッド用非磁性材料に係
る複数の結晶相を有するCaO−TiO2 系セラミック
ス(それによる非磁性の磁器)の微細構造を示したもの
である。但し、図中において結晶相のA相は斜線を有す
るもので、B相は斜線の無いものとする。
る複数の結晶相を有するCaO−TiO2 系セラミック
ス(それによる非磁性の磁器)の微細構造を示したもの
である。但し、図中において結晶相のA相は斜線を有す
るもので、B相は斜線の無いものとする。
【0010】ここで、A相の熱膨張係数をαA 、B相の
熱膨張係数をαB とし、又それぞれの相が一定の体積当
りで占める体積比率をλa ,λb とすると、2相の混合
体セラミックスの熱膨張係数αは、α=λa αa +λb
αb で推定される。よって、目的とする熱膨張係数αが
例えばαa とαb との間にあれば、2相の混合比率を調
整してλa ,λb が適当な値となるようにすれば、所望
の熱膨張係数αを得ることができる。但し、この場合、
混合する2つの結晶相A,Bの間で新しい反応生成物が
生じ、熱膨張係数αがαa ,αb とはかけ離れない範囲
で混合比率を調整する必要がある。
熱膨張係数をαB とし、又それぞれの相が一定の体積当
りで占める体積比率をλa ,λb とすると、2相の混合
体セラミックスの熱膨張係数αは、α=λa αa +λb
αb で推定される。よって、目的とする熱膨張係数αが
例えばαa とαb との間にあれば、2相の混合比率を調
整してλa ,λb が適当な値となるようにすれば、所望
の熱膨張係数αを得ることができる。但し、この場合、
混合する2つの結晶相A,Bの間で新しい反応生成物が
生じ、熱膨張係数αがαa ,αb とはかけ離れない範囲
で混合比率を調整する必要がある。
【0011】図3は従来の磁気ヘッド用非磁性材料に係
るCaO−TiO2 系セラミックスにおけるTiO2 の
添加量(モル比)と、この添加量に対する熱膨張係数と
の関係(測定結果)を示したものである。但し、図中に
おいて、破線は計算によって求められた熱膨張係数の推
定値を示し、白丸は実測値を示す。
るCaO−TiO2 系セラミックスにおけるTiO2 の
添加量(モル比)と、この添加量に対する熱膨張係数と
の関係(測定結果)を示したものである。但し、図中に
おいて、破線は計算によって求められた熱膨張係数の推
定値を示し、白丸は実測値を示す。
【0012】先ず、出発点となる初期組成において、T
iO2 の含有比率がCaOより多い場合には、焼結体と
して得られるセラミックスの微細構造はCaTiO3 相
とTiO2 の2相とが混在された状態になる。
iO2 の含有比率がCaOより多い場合には、焼結体と
して得られるセラミックスの微細構造はCaTiO3 相
とTiO2 の2相とが混在された状態になる。
【0013】ここでCaTiO3 の熱膨張係数は、温度
範囲(100〜400)℃で約118×10-7/℃程度
となり、TiO2 相の熱膨張係数は、温度範囲(100
〜400)℃で80×10-7/℃程度となる。又、それ
ぞれの比重は、CaTiO3で4.1(g/cm3 )で
あり、TiO2 では4.25(g/cm3 )程度であ
る。そこで、上述した混合体セラミックスの熱膨張係数
αの導入式を用いることにより、組成と熱膨張係数との
関係を計算によって見積ることが可能となる。図3によ
り、実測値と理論値とが極めて良く一致する結果となっ
た為、上述した熱膨張係数αの導入式が材料選定上極め
て重要であることが判っている。
範囲(100〜400)℃で約118×10-7/℃程度
となり、TiO2 相の熱膨張係数は、温度範囲(100
〜400)℃で80×10-7/℃程度となる。又、それ
ぞれの比重は、CaTiO3で4.1(g/cm3 )で
あり、TiO2 では4.25(g/cm3 )程度であ
る。そこで、上述した混合体セラミックスの熱膨張係数
αの導入式を用いることにより、組成と熱膨張係数との
関係を計算によって見積ることが可能となる。図3によ
り、実測値と理論値とが極めて良く一致する結果となっ
た為、上述した熱膨張係数αの導入式が材料選定上極め
て重要であることが判っている。
【0014】ところで、CaO−TiO2 系セラミック
スにおいては、TiO2 が50mol%以下では焼結性
が悪くなって緻密な磁器が得られなくなり、TiO2 が
85mol%以上になっても、硬度的にもろくなって加
工性が劣る傾向を示すので、TiO2 は50〜85mo
l%の範囲で用いる必要がある。この範囲では熱膨張係
数が(100〜118)×10-7/℃までの間で組成を
調整できる。
スにおいては、TiO2 が50mol%以下では焼結性
が悪くなって緻密な磁器が得られなくなり、TiO2 が
85mol%以上になっても、硬度的にもろくなって加
工性が劣る傾向を示すので、TiO2 は50〜85mo
l%の範囲で用いる必要がある。この範囲では熱膨張係
数が(100〜118)×10-7/℃までの間で組成を
調整できる。
【0015】しかしながら、VTRやオーディオ機器の
磁気ヘッドに用いられる磁気ヘッド用非磁性材料の場
合、このようなCaO−TiO2 系セラミックス材料を
用いても摺動摩耗量が大きい条件下で長時間使用される
為、摩耗されて比較的短命になるという問題がある。
磁気ヘッドに用いられる磁気ヘッド用非磁性材料の場
合、このようなCaO−TiO2 系セラミックス材料を
用いても摺動摩耗量が大きい条件下で長時間使用される
為、摩耗されて比較的短命になるという問題がある。
【0016】本発明は、かかる問題点を解決すべくなさ
れたもので、その技術的課題は、従来の材料以上に一層
の高硬度,高耐摩耗性,焼結体としての平滑な研磨面の
確保,良好な加工性の実現,及びヘッドコア材の熱膨張
係数に合致した簡易な組成選定が図られる磁気ヘッド用
非磁性材料を提供することにある。
れたもので、その技術的課題は、従来の材料以上に一層
の高硬度,高耐摩耗性,焼結体としての平滑な研磨面の
確保,良好な加工性の実現,及びヘッドコア材の熱膨張
係数に合致した簡易な組成選定が図られる磁気ヘッド用
非磁性材料を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、(29
〜58)mol%のTiO2 と、(0〜12)mol%
のCaOと、(31〜61)mol%のNiOとから成
る磁気ヘッド用非磁性材料が得られる。
〜58)mol%のTiO2 と、(0〜12)mol%
のCaOと、(31〜61)mol%のNiOとから成
る磁気ヘッド用非磁性材料が得られる。
【0018】又、本発明によれば、上記磁気ヘッド用非
磁性材料において、Al2 O3 ,SiO2 ,SnO2 ,
ZrO2 ,Y2 O3 ,Nb2 O5 ,MnO,及びSrO
のうちの少なくとも1種を(0.1〜5)wt%有する
磁気ヘッド用非磁性材料が得られる。
磁性材料において、Al2 O3 ,SiO2 ,SnO2 ,
ZrO2 ,Y2 O3 ,Nb2 O5 ,MnO,及びSrO
のうちの少なくとも1種を(0.1〜5)wt%有する
磁気ヘッド用非磁性材料が得られる。
【0019】
【実施例】以下に実施例を挙げ、本発明の磁気ヘッド用
非磁性材料について、図面を参照して詳細に説明する。
非磁性材料について、図面を参照して詳細に説明する。
【0020】最初に、本発明の磁気ヘッド用非磁性材料
に係る物性を説明する。磁気ヘッドの基本構成部位とし
て摺動摩耗量を対策するためには、図2で説明したよう
な主結晶成分であるCaTiO3 及びTiO2 に加え、
第3の結晶相を均一に分散添加させ、できるだけ磁気記
録媒体との接触面積を小さくし、摺動抵抗を小さくする
必要がある。この第3の結晶相を成す添加物質は、Ca
O−TiO2 系セラミックスの組成分と混合した際にな
じみが良く、且つCaO−TiO2 系セラミックスの基
本的な性質,即ち、適度の硬度,良好な加工性や非磁性
等の諸特性を損わないものを選定する必要がある。
に係る物性を説明する。磁気ヘッドの基本構成部位とし
て摺動摩耗量を対策するためには、図2で説明したよう
な主結晶成分であるCaTiO3 及びTiO2 に加え、
第3の結晶相を均一に分散添加させ、できるだけ磁気記
録媒体との接触面積を小さくし、摺動抵抗を小さくする
必要がある。この第3の結晶相を成す添加物質は、Ca
O−TiO2 系セラミックスの組成分と混合した際にな
じみが良く、且つCaO−TiO2 系セラミックスの基
本的な性質,即ち、適度の硬度,良好な加工性や非磁性
等の諸特性を損わないものを選定する必要がある。
【0021】そこで、本発明においては、種々の物質を
検討した結果、酸化ニッケル(NiO)を基本添加成分
に定めてCaO−TiO2 系セラミックスに混合し、C
aO−TiO2 −NiO系セラミックスを得た。このC
aO−TiO2 −NiO系セラミックスは、磁気ヘッド
用非磁性材料として基本的に必要な全ての条件を具備す
ると共に、熱膨張膨張係数が(100〜130)×10
-7/℃の間で組成を適当に調整できるものである。
検討した結果、酸化ニッケル(NiO)を基本添加成分
に定めてCaO−TiO2 系セラミックスに混合し、C
aO−TiO2 −NiO系セラミックスを得た。このC
aO−TiO2 −NiO系セラミックスは、磁気ヘッド
用非磁性材料として基本的に必要な全ての条件を具備す
ると共に、熱膨張膨張係数が(100〜130)×10
-7/℃の間で組成を適当に調整できるものである。
【0022】加えて、副成分として、Al2 O3 ,Si
O2 ,MgO,SnO2 ,ZrO2,Y2 O3 、Mn
O,及びSrOの中から少なくとも1種を添加すること
により、基本成分であるCaTiO3 相、TiO2 相、
及びNiO相の結晶粒径の成長を抑制,減少させること
が判った。これにより、生成された磁気ヘッド用非磁性
材料は、機械的強度が向上し、加工時のチッピングの問
題等を解決できることが判明した。
O2 ,MgO,SnO2 ,ZrO2,Y2 O3 、Mn
O,及びSrOの中から少なくとも1種を添加すること
により、基本成分であるCaTiO3 相、TiO2 相、
及びNiO相の結晶粒径の成長を抑制,減少させること
が判った。これにより、生成された磁気ヘッド用非磁性
材料は、機械的強度が向上し、加工時のチッピングの問
題等を解決できることが判明した。
【0023】尚、このCaO−TiO2 −NiO系セラ
ミックス材料による磁器は、基本的に深緑から黒の色彩
を呈する。因みに、従来より磁器ヘッド用非磁性材料
は、一般的にHIP(熱間静水圧)処理に際して還元に
よる着色が無く、製造ラインにおける色の不安定さを生
じないことが求められるが、このCaO−TiO2 −N
iO系セラミックス材料の場合も還元による着色は生じ
ない。
ミックス材料による磁器は、基本的に深緑から黒の色彩
を呈する。因みに、従来より磁器ヘッド用非磁性材料
は、一般的にHIP(熱間静水圧)処理に際して還元に
よる着色が無く、製造ラインにおける色の不安定さを生
じないことが求められるが、このCaO−TiO2 −N
iO系セラミックス材料の場合も還元による着色は生じ
ない。
【0024】次に、本発明のCaO−TiO2 −NiO
系セラミックス材料の製造方法を比較例のものと合わせ
て具体的に説明する。
系セラミックス材料の製造方法を比較例のものと合わせ
て具体的に説明する。
【0025】先ず、原料として、市販の試薬である二酸
化チタン(99%以上)、炭酸カルシウム(99%以
上)、及び酸化ニッケル(99%以上)を所定の組成に
従って秤量し、樹脂ボールミル及び樹脂被覆ボールミル
と純水とで20時間以上混合した。次に、濾過,乾燥を
行った後、混合体をアルミナ厚鉢に入れて温度(800
〜1200)℃の間で2時間以上電気炉で予焼した。
化チタン(99%以上)、炭酸カルシウム(99%以
上)、及び酸化ニッケル(99%以上)を所定の組成に
従って秤量し、樹脂ボールミル及び樹脂被覆ボールミル
と純水とで20時間以上混合した。次に、濾過,乾燥を
行った後、混合体をアルミナ厚鉢に入れて温度(800
〜1200)℃の間で2時間以上電気炉で予焼した。
【0026】引き続き、予焼体を磁性ボールミルと磁性
ボールとを用いて純水で20時間以上湿式粉砕し、濾
過,乾燥を行った後、PVA8%溶液を10wt%注入
器で混入し、28メッシュの篩を通しての水分調整後、
油圧プレスにて1t/cm2 の圧力でプレスして50×
40×10(cm)の寸法を有する直方体を得、大気中
にて(1200〜1300)℃の間で2時間以上焼成し
た。
ボールとを用いて純水で20時間以上湿式粉砕し、濾
過,乾燥を行った後、PVA8%溶液を10wt%注入
器で混入し、28メッシュの篩を通しての水分調整後、
油圧プレスにて1t/cm2 の圧力でプレスして50×
40×10(cm)の寸法を有する直方体を得、大気中
にて(1200〜1300)℃の間で2時間以上焼成し
た。
【0027】最後に、HIP処理装置により(1100
〜1200)℃×1000kg/cm2 の温度,圧力の
条件下で1時間の熱間静水圧プレスを施し、各種のCa
O−TiO2 −NiO系セラミックス試料(CaO−T
iO2 系セラミックス試料を含む)を製造した。表1
は、これらの各種CaO−TiO2 −NiO系セラミッ
クス試料の基本的諸物性について分析した結果を示した
ものである。
〜1200)℃×1000kg/cm2 の温度,圧力の
条件下で1時間の熱間静水圧プレスを施し、各種のCa
O−TiO2 −NiO系セラミックス試料(CaO−T
iO2 系セラミックス試料を含む)を製造した。表1
は、これらの各種CaO−TiO2 −NiO系セラミッ
クス試料の基本的諸物性について分析した結果を示した
ものである。
【0028】
【表1】
【0029】このうち、試料番号2,3,4,6,7,
8,10,11,12,14,15,16,18,1
9,及び22のものは、本発明の実施例となるもので、
試料番号1,5,9,13,17,20,21,23,
24,25,及び26のものは、比較例となるものであ
る。更に、従来のCaO−TiO2 系セラミックス試料
を比較として表記している。
8,10,11,12,14,15,16,18,1
9,及び22のものは、本発明の実施例となるもので、
試料番号1,5,9,13,17,20,21,23,
24,25,及び26のものは、比較例となるものであ
る。更に、従来のCaO−TiO2 系セラミックス試料
を比較として表記している。
【0030】ここでビッカース硬度は、500g荷重に
て20秒保持した条件下で測定し、熱膨張係数は100
℃から400℃の温度範囲における平均線膨張率を求め
たものである。又、耐摩耗性については、ピン−円板試
験により荷重1kg/cm2にて周速200cm/se
cで200時間運転した条件下で測定した。尚、ピンに
はサンプルを装着し、円板の素材は酸化鉄を用いたもの
である。
て20秒保持した条件下で測定し、熱膨張係数は100
℃から400℃の温度範囲における平均線膨張率を求め
たものである。又、耐摩耗性については、ピン−円板試
験により荷重1kg/cm2にて周速200cm/se
cで200時間運転した条件下で測定した。尚、ピンに
はサンプルを装着し、円板の素材は酸化鉄を用いたもの
である。
【0031】表1から明らかなように、CaO−TiO
2 −NiO系セラミックス試料においては、従来のCa
O−TiO2 系セラミックス試料では実現できなかった
耐摩耗性を有する結果(摩耗量を参照)となった。又、
ビッカース硬度抗折強度は従来のCaO−TiO2 系セ
ラミックス試料に近く、基本的に充分な性能を具備して
いることが判った。
2 −NiO系セラミックス試料においては、従来のCa
O−TiO2 系セラミックス試料では実現できなかった
耐摩耗性を有する結果(摩耗量を参照)となった。又、
ビッカース硬度抗折強度は従来のCaO−TiO2 系セ
ラミックス試料に近く、基本的に充分な性能を具備して
いることが判った。
【0032】因みに、NiOが30モル%以下である
と、熱膨張係数が100×10-7/℃以下となって実用
性が劣化し、CaOが12mol%を越えても逆にビッ
カース硬度が下って耐摩耗性が劣化することが判った。
又、NiOが70mol%を越えると、熱膨張係数が必
要以上に高くなり、磁気ヘッドのコア材よりも大きくな
り、ガラスボンディングの際の熱膨張係数の不一致によ
るコアのヒビ割れや磁気特性の劣化が懸念されるので、
不適当となることが判った。
と、熱膨張係数が100×10-7/℃以下となって実用
性が劣化し、CaOが12mol%を越えても逆にビッ
カース硬度が下って耐摩耗性が劣化することが判った。
又、NiOが70mol%を越えると、熱膨張係数が必
要以上に高くなり、磁気ヘッドのコア材よりも大きくな
り、ガラスボンディングの際の熱膨張係数の不一致によ
るコアのヒビ割れや磁気特性の劣化が懸念されるので、
不適当となることが判った。
【0033】図1は、表1に示したCaO−TiO2 −
NiO系セラミックス材料の組成の成分比をピラミッド
状の3変数相関図により示したものである。ここでは、
本発明の試料として適当な試料番号2,3,4,6,
7,8,10,11,12,14,15,16,18,
19,及び22のものは、何れも上述した通りにTiO
2 が(29〜58)mol%、CaOが(0〜12)m
ol%、NiOが(31〜61)mol%の範囲にある
ことを示している。
NiO系セラミックス材料の組成の成分比をピラミッド
状の3変数相関図により示したものである。ここでは、
本発明の試料として適当な試料番号2,3,4,6,
7,8,10,11,12,14,15,16,18,
19,及び22のものは、何れも上述した通りにTiO
2 が(29〜58)mol%、CaOが(0〜12)m
ol%、NiOが(31〜61)mol%の範囲にある
ことを示している。
【0034】即ち、この3相関範囲にあるCaO−Ti
O2 −NiO系セラミックス材料は、何れも本発明の磁
気ヘッド用非磁性材料として適当なものである。
O2 −NiO系セラミックス材料は、何れも本発明の磁
気ヘッド用非磁性材料として適当なものである。
【0035】次に、本発明の磁気ヘッド用非磁性材料と
なる各試料のうち、試料番号14のものについて、以下
に説明する添加物を副成分として混合段階で混入し、上
述した製造プロセスに従って各種CaO−TiO2 −N
iO系セラミックス試料を製造した。表2は、これらの
各種CaO−TiO2 −NiO系セラミックス試料の基
本的諸物性について分析した結果を示したものである。
なる各試料のうち、試料番号14のものについて、以下
に説明する添加物を副成分として混合段階で混入し、上
述した製造プロセスに従って各種CaO−TiO2 −N
iO系セラミックス試料を製造した。表2は、これらの
各種CaO−TiO2 −NiO系セラミックス試料の基
本的諸物性について分析した結果を示したものである。
【0036】
【表2】
【0037】このうち、試料番号1〜5のものは、Al
2 O3 を副成分として表記の割合で添加し、試料番号6
〜10のものは、SiO2 を副成分として添加したもの
である。又、試料番号11〜15のものは、ZrO2 を
副成分として添加し、試料番号16〜20のものは、Y
2 O3 を副成分として添加し、試料番号21〜25のも
のは、MnOを副成分として添加したものである。更
に、試料番号26〜30のものは、MgOを副成分とし
て添加し、試料番号31〜35のものは、SnO2 を副
成分として添加したものである。
2 O3 を副成分として表記の割合で添加し、試料番号6
〜10のものは、SiO2 を副成分として添加したもの
である。又、試料番号11〜15のものは、ZrO2 を
副成分として添加し、試料番号16〜20のものは、Y
2 O3 を副成分として添加し、試料番号21〜25のも
のは、MnOを副成分として添加したものである。更
に、試料番号26〜30のものは、MgOを副成分とし
て添加し、試料番号31〜35のものは、SnO2 を副
成分として添加したものである。
【0038】表2から明らかなように、Al2 O3 ,S
iO2 ,ZrO2 ,Y2 O3 ,MnO,MgO,SnO
2 の何れを添加しても、平均粒径を細かくし、抗折力や
ビッカース硬度を向上できることが判った。尚、これら
の添加物の他、SrOを副成分として添加させても良
い。
iO2 ,ZrO2 ,Y2 O3 ,MnO,MgO,SnO
2 の何れを添加しても、平均粒径を細かくし、抗折力や
ビッカース硬度を向上できることが判った。尚、これら
の添加物の他、SrOを副成分として添加させても良
い。
【0039】但し、何れの場合も適量の添加では、加工
時のチッピングを著しく抑制できることが確認された
が、これらの添加物が5%を越えると加工の際にチッピ
ングが生じ易く、硬度的にもろくなって不適当となるこ
とが判っている。
時のチッピングを著しく抑制できることが確認された
が、これらの添加物が5%を越えると加工の際にチッピ
ングが生じ易く、硬度的にもろくなって不適当となるこ
とが判っている。
【0040】従って、上述した本発明のCaO−TiO
2 −NiO系セラミックス試料の基本的組成に加え、A
l2 O3 ,SiO2 ,ZrO2 ,Y2 O3 ,MnO,M
gO,SnO2 ,SrOの何れか1種の添加物を添加す
る場合には、添加量を(0.1〜5)wt%の範囲で行
う必要がある。
2 −NiO系セラミックス試料の基本的組成に加え、A
l2 O3 ,SiO2 ,ZrO2 ,Y2 O3 ,MnO,M
gO,SnO2 ,SrOの何れか1種の添加物を添加す
る場合には、添加量を(0.1〜5)wt%の範囲で行
う必要がある。
【0041】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
従来のCaO−TiO2 系セラミックスでは実現できな
かった耐摩耗性を改善したCaO−TiO2 −NiO系
セラミックスの磁気ヘッド用非磁性材料が提供されるこ
とになる。この磁気ヘッド用非磁性材料は、従来の材料
以上に一層の高硬度,高耐摩耗性,焼結体としての平滑
な研磨面の確保,良好な加工性の実現,及びヘッドコア
材の熱膨張係数に合致した簡易な組成選定が図られるの
で、その工業的効果は大きいものとなる。
従来のCaO−TiO2 系セラミックスでは実現できな
かった耐摩耗性を改善したCaO−TiO2 −NiO系
セラミックスの磁気ヘッド用非磁性材料が提供されるこ
とになる。この磁気ヘッド用非磁性材料は、従来の材料
以上に一層の高硬度,高耐摩耗性,焼結体としての平滑
な研磨面の確保,良好な加工性の実現,及びヘッドコア
材の熱膨張係数に合致した簡易な組成選定が図られるの
で、その工業的効果は大きいものとなる。
【図1】表1に示した本発明の磁気ヘッド用非磁性材料
を含むCaO−TiO2 −NiO系セラミックス材料の
組成の成分比をピラミッド状の3変数相関図により示し
たものである。
を含むCaO−TiO2 −NiO系セラミックス材料の
組成の成分比をピラミッド状の3変数相関図により示し
たものである。
【図2】従来の磁気ヘッド用非磁性材料に係る複数の結
晶相を有するセラミックスの微細構造を示したものであ
る。
晶相を有するセラミックスの微細構造を示したものであ
る。
【図3】従来の磁気ヘッド用非磁性材料に係るCaO−
TiO2 系セラミックスにおけるTiO2 の添加量と、
この添加量に対する熱膨張係数との関係を示したもので
ある。
TiO2 系セラミックスにおけるTiO2 の添加量と、
この添加量に対する熱膨張係数との関係を示したもので
ある。
Claims (2)
- 【請求項1】 (29〜58)mol%のTiO2 と、
(0〜12)mol%のCaOと、(31〜61)mo
l%のNiOとから成ることを特徴とする磁気ヘッド用
非磁性材料。 - 【請求項2】 請求項1記載の磁気ヘッド用非磁性材料
において、Al2 O3 ,SiO2 ,SnO2 ,Zr
O2 ,Y2 O3 ,Nb2 O5 ,MnO,及びSrOのう
ちの少なくとも1種を(0.1〜5)wt%有すること
を特徴とする磁気ヘッド用非磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4185149A JPH0628607A (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 磁気ヘッド用非磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4185149A JPH0628607A (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 磁気ヘッド用非磁性材料 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0628607A true JPH0628607A (ja) | 1994-02-04 |
Family
ID=16165722
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4185149A Pending JPH0628607A (ja) | 1992-07-13 | 1992-07-13 | 磁気ヘッド用非磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0628607A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0690437A2 (en) | 1994-06-28 | 1996-01-03 | Sony Corporation | Magnetic material for magnetic head and magnetic head formed of same |
-
1992
- 1992-07-13 JP JP4185149A patent/JPH0628607A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0690437A2 (en) | 1994-06-28 | 1996-01-03 | Sony Corporation | Magnetic material for magnetic head and magnetic head formed of same |
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