JPH0628200Y2 - 厨芥処理装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本考案は水分を含んだ厨芥を脱水せしめ、廃棄等の処理
を容易ならしめる厨芥処理装置に関する。

(ロ)従来の技術 従来、この種装置として、流し台の排出口に取付けられ
た円筒状本体に、側面に多数の孔を穿設した有底筒状の
脱水籠を収脱自在に収納し、この脱水籠をモータにて回
転させて排出口から脱水籠内に入れられた厨芥を遠心脱
水するものが実公昭６２−７３９８号公報(B04B9/08)等
にて知られている。

この装置においては、本体から取外した脱水籠を上下反
転させてゴミ袋内に厨芥を入れ換えねばならず、廃棄処
理が面倒なものであった。

そこで、脱水籠内に多数の孔を形成したゴミ袋を装着
し、ゴミ袋内に厨芥を入れて脱水籠を回転し、厨芥の含
む水をゴミ袋の孔を通して排水させて遠心脱水せしめ、
厨芥をゴミ袋ごと廃棄するようなすことが考えられる
が、ゴミ袋の口縁を緊縛してゴミ箱等へ廃棄しても孔か
ら厨芥の悪臭が洩れ、台所等の環境を損じる欠点があっ
た。

(ハ)考案が解決しようとする課題 本考案は上記欠点に鑑みなされたもので、廃棄処理が容
易で悪臭の洩れを抑制できる厨芥処理装置を提供するこ
とを課題とする。

(ニ)課題を解決するための手段 ゴミ袋を、内側が通水性シート、外側が非通水性シート
からなる２層構造に形成し、通水性シートと非通水性シ
ートとの間に、ゴミ袋の口縁近傍に開口を有する通水路
を形成する。

(ホ)作用 調理や食器洗い等により生じた厨芥は水と共に流し台の
排出口からゴミ袋内に入る。ゴミ袋内に厨芥が溜ると、
モータを駆動して脱水籠を回転する。すると、回転によ
る遠心力により水がゴミ袋の通水性シートを透過し、通
水路を上昇してゴミ袋口縁の開口から排水され、厨芥が
脱水される。脱水が終了すると、脱水籠からゴミ袋を引
き出し、ゴミ袋の口縁を蓋にて施蓋したり、緊縛して廃
棄する。ゴミ袋は外側が非通水性シートであり、しかも
通水路はゴミ袋の口縁近傍に開口しているので、ゴミ袋
の口縁を施蓋したり緊縛する際同時に閉成され、従っ
て、厨芥の悪臭が洩れることはない。

(ヘ)実施例 本考案の一実施例を第１図乃至第４図に基づき以下に詳
述する。

(1)は底面に排出口(2)を形成した流し台のシンクで、排
出口(2)周縁に断面略逆Ｌ字状のリング状取付金具(3)を
ネジ固定している。(4)は前記取付金具(3)下部にネジ固
定されるゴム等の弾性を有する材料からなるリング状取
付部材で、内側面から中心に向って鍔部(5)を突設して
おり、この鍔部には中心から放射方向に向って多数の切
込みを形成して鍔部が容易に広がるようにしている。
(6)は前記取付部材(4)にネジ固定される合成樹脂製の有
底円筒状本体で、側面下部に排水口(7)を形成し、この
排水口(7)に、下水に連なる排水パイプ(8)を接続してい
る。

(9)は前記本体(6)外底部にネジ固定されたモータで、回
転軸(10)が本体(6)底面を貫通して本体内に突設してお
り、この回転軸(10)は本体(6)底面に水密的に枢支され
ている。(11)は前記本体(6)内の回転軸(10)上部に固着
されたカツプリングである。

(12)は合成樹脂製の有底円筒状脱水籠で、底面に前記カ
ツプリング(11)に係脱自在に回り止め係合する係合部(1
3)を一体的に形成している。前記脱水籠(12)側面には流
体バランサ(14)を形成している。

(15)は前記脱水籠(12)上部に着脱自在に装着される合成
樹脂製のリング状封止部材で、下部に形成した複数の舌
片(16)の内面に設けた突条(17)を、前記脱水籠(12)上部
外面に形成した環状溝(18)に係止して装着されるような
されている。(19)は前記封止部材(15)の中央部分に中心
に向って形成された鍔部で、多数の小孔(20)が形成され
ており、封止部材(15)の鍔部(19)より上部には多数の透
孔(21)が穿設されている。

(22)は前記脱水籠(12)内に着脱自在に装着される上方に
なるに従い漸次径大になるように形成された可撓性を有
するゴミ袋で、ポリエチレン等からなる袋状の非通水性
シート（２２ａ）と、該非通水性シートの内側面にスペ
ーサ（２２ｂ）にて間隔（２２ｃ）を存して貼着された
多数の小孔を有するポリエチレンや不織布等からなる通
水性シート（２２ｄ）とで２層に形成されており、前記
間隔（２２ｃ）はゴミ袋(22)底面で閉塞し、ゴミ袋(22)
口縁で開口し、通水性シート（２２ｄ）を透過した水の
通水路を構成している。前記ゴミ袋(22)は口縁を封止部
材(15)の鍔部(19)下面に近接してゴミ袋(22)の上方への
移動を阻止するようになっている。

而して、調理や食器洗い等により生じた厨芥は、水と共
にゴミ袋(22)内に入り、ゴミ袋(22)が一杯になると、水
が封止部材(15)の鍔部(19)の小孔(20)及び透孔(21)を通
して排水口(7)から排水パイプ(8)を経て下水に排出され
る。封止部材(15)の鍔部(19)の小孔(20)及び透孔(21)は
厨芥が通過しない程度の大きさに形成しているので、厨
芥が水と共に下水に排出されることはない。

このようにしてゴミ袋(22)内に厨芥が溜ると、モータ
(9)を駆動させて脱水籠(12)を回転せしめる。すると、
その回転の遠心力により水がゴミ袋(22)の通水性シート
（２２ｄ）を透過して間隔（２２ｃ）内に至り、ゴミ袋
(22)は上方になるに従い漸次径大になるように形成して
いるので、間隔（２２ｃ）に形成される通水路を上昇し
て口縁から排出され封止部材(15)の小孔(20)及び透孔(2
1)を介して排水される。ゴミ袋(22)内の厨芥は、ゴミ袋
(22)が上方になるに従い漸次径大になるように形成され
ているので、上方へ移動するが、封止部材(15)の鍔部(1
9)によってそれ以上の上昇を抑制される。

上記厨芥の遠心脱水が行程において、厨芥の分布にアン
バランスが生じても流体バランサ(14)がそのアンバラン
スを補正するので脱水籠(12)や封止部材(15)が本体(6)
に接触して異常音を発生することはない。

脱水された厨芥を廃棄する際には、脱水籠(12)を上方へ
持上げてカツプリング(11)と係合部(13)の係合を外し、
排出口(2)から引き抜く。脱水籠(12)から封止部材(15)
を取外してゴミ袋(22)を脱水籠(12)から引き抜き、ゴミ
袋(22)の口縁を図示しない蓋等にて施蓋したり、或いは
緊縛してゴミ箱等へ廃棄する。ゴミ袋(22)の外側は非通
水性シート（２２ａ）であるから、厨芥の悪臭が洩れる
ことはなく、不愉快な思いをすることはない。

上記実施例では、ゴミ袋(22)は非通水性シート（２２
ａ）と通水性シート（２２ｄ）の間にスペーサ（２２
ｂ）により間隔（２２ｃ）を形成するようなしたが、第
５図の如く通水性シート（２２ｄ）を波状に形成し、非
通水性シート（２２ａ）と通水性シート（２２ｄ）が当
接する部分を溶着して通水路となる間隔（２２ｃ）を形
成するようなしてもよく、第６図の如く第５図とは逆に
非通水性シート（２２ａ）を波状に形成してもよい。

更に、第７図に示す如く、非通水性シート（２２ａ）の
内側に不織布からなる通水性シート（２２ｄ）を全面に
互って貼着し、第８図に矢印にて水の流れを示すように
通水性シート（２２ｄ）の非通水性シート（２２ａ）側
を通水路としてもよい。

(ト)考案の効果 以上の如く本考案に依れば、ゴミ袋を脱水籠から取出し
て極めて容易に廃棄処理することができる。また、ゴミ
袋は外側を非通水性シートにより構成しており通水路は
ゴミ袋の口縁近傍に開口しているので、通水路はゴミ袋
の口縁と同時に閉成され、従って、厨芥の悪臭の洩れを
抑制することができる等の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案一実施例の断面図、第２図はゴミ袋の半
断面側面図、第３図はゴミ袋の上面図、第４図は第３図
の要部拡大図、第５図はゴミ袋の他の実施例の斜視図、
第６図はゴミ袋の更に他の実施例の斜視図、第７図はゴ
ミ袋の他の実施例の斜視図、第８図は第７図のゴミ袋の
要部拡大断面図である。 (1)……シンク、(2)……排出口、(6)……本体、(9)……
モータ、(12)……脱水籠、(22)……ゴミ袋、（２２ａ）
……非通性シート、（２２ｃ）……間隔（通水路）、
（２２ｄ）……通水性シート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】流し台の排出口に取付けた円筒状本体内
   に、モータの回転力を付与された脱水篭を着脱自在に収
   納したものにおいて、前記脱水篭内にゴミ袋を着脱自在
   に収納し、該ゴミ袋は内側が通水性シート、外側が非通
   水性シートの２層構造に形成し、前記通水性シートと非
   通水性シート間に、ゴミ袋の口縁近傍に開口を有する通
   水路を形成してなる厨芥処理装置。